JP2010005925A - 伸縮シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い伸縮性を発現しつつ、液の透過性を高め得る伸縮シートを提供すること。
【解決手段】伸縮シート10は、一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメント13が、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、親水性の程度及び/又は嵩密度が相違する非伸縮性である液透過性のシート間に接合されている。また弾性フィラメント13は、それぞれランダムな波線を描くように蛇行して、それらの交点で結合しランダムな網目構造を形成していることも好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性フィラメントと不織布とを複合化してなる伸縮シートに関する。
本出願人は先に、2種類の特定のビニル系モノマーをラジカル重合して得られるポリアクリル酸系のオリゴマー型界面活性剤を不織布に付着させてなる親水性不織布を提案した(特許文献1参照)。この不織布は耐久親水性が高いことを特徴とするものである。しかし、この技術で用いられている不織布は通常の一般的なものなので、平面方向への伸縮性を有していない。
この技術とは別に出願人は、肌側に配される第1繊維層と吸収体側に配置される第2繊維層とが積層されて部分的に接合されてなる吸収性物品用の表面シートを提案した(特許文献2参照)。この表面シートにおいては、第1繊維層が肌側に凸状になっている。第2繊維層は、熱収縮した熱収縮部分と熱収縮が抑制された高密度部分とを有している。この表面シートは、第1繊維層と第2繊維層とで繊維密度に勾配を設けることで、肌側から吸収体側へ液を素早く移行させることを特徴としている。しかし、この表面シートも平面方向への伸縮性を有していない。
特開平5−309111号公報 特開2004−466号公報
したがって本発明の目的は、吸収性物品の表面シート等として有用であり、かつ伸縮性を有するシートを提供することにある。
本発明は、一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、親水性の程度及び/又は嵩密度が相違する2枚の伸長可能な非伸縮性の液透過性シート間に接合されている伸縮シートを提供するものである。
本発明の伸縮シートにおいては、弾性フィラメントを挟持する2枚の不織布に親水性や繊維密度の勾配を設けることで、高い伸縮性を発現しつつ、液の透過性を高めることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の伸縮シートの第1の実施形態の一部破断斜視図が示されている。本実施形態の伸縮シート10は、第1の液透過性シート11及び第2の液透過性シート12の計2枚のシートと、両不織布間に挟持された多数の弾性フィラメント13とから構成されている。各弾性フィラメント13は、第1の液透過性シート11及び第2の液透過性シート12と接合している。第1の液透過性シート11と第2の液透過性シート12は、親水性の程度及び/又は嵩密度が異なっている。また本発明において弾性とは、伸ばすことができ、かつ元の長さに対して50%伸ばした状態(元の長さの150%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの113%以下の長さまで戻る性質を言う。
各液透過性シート11,12はいずれも伸長可能なものである。しかし、液透過性シート11,12はいずれも非伸縮性のものである。各液透過性シート11,12は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸長可能になっている。液透過性シート11は、非伸縮性のフィルム材料や繊維材料からなる。本発明において伸長可能なシートとは、目的とする必要な外力(延伸加工上の外力や使用面での人の力による外力など)によって伸ばすことができるものである。伸長可能とは、不織布を例にとると、(イ)不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。フィルムを例にとると(イ)フィルムの構成樹脂自体の分子鎖が伸びたり、ずれたりして伸長する場合と、(ロ)構成樹脂自体は伸長しなくても、フィルムが部分的にちぎれたり(スリット開孔、部分開孔、粒子と樹脂の界面剥離などを含む)、フィルムのたるみが引き伸ばされたり、開孔フィルムのように孔の変形によりフィルム全体が伸長したりする場合とを包含する。薄葉紙を例にとると(イ)薄葉紙の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、薄葉紙全体として伸長する場合とを包含する。
伸長可能な液透過性シートは、高伸長性のものが好ましい。高伸長性のものとしては、伸長可能な非伸縮性シートにおいて、伸長する状態になったシート(後加工により伸長する状態になったものを含む)の伸度が、100cN/50mm強度時に30%以上を示すものであることが好ましい。更には70%以上を示すものであることが好ましい。なお、最大強度が100cN/50mm以下の場合、最大強度を示すときの最大伸度は30%以上であることが好ましい。伸度は伸長前の長さを基準とする。また、同様に高伸長なシートを用いた伸縮性シート10において、伸長する状態になったシート(後加工により伸長する状態になったものを含む)の伸度が、200cN/50mm強度時における伸度が30%以上を示すものであることが好ましい。なお、最大強度が200cN/50mm以下の場合、最大強度を示すときの最大伸度が30%以上であることが好ましい。伸度はテンションを与えないフリーテンション時を基準とする。伸縮性のシートにおいて前記の特性を示すものは、高伸長な非伸縮性シートであると見なすことができる。これらは、後述する最大強度の測定と同様にして求められる。
高伸長な伸長性シートにおいて伸長する状態になった該伸長性シートの最大強度は、好ましくは5cN/50mm以上、更に好ましくは100cN/50mm以上、一層好ましくは500cN/50mm以上である。高伸長な伸長性シートを用いて伸長する状態になった伸縮シート10の最大強度は、好ましくは7cN/50mm以上、更に好ましくは150cN/50mm以上、一層好ましくは1000cN/50mm以上である。
本発明において非伸縮性とは「伸ばすことができ、かつ元の長さに対して50%伸ばした状態(元の長さの150%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの113%以下の長さまで戻る性質」を有さないことを言う。
本発明の更に好ましい実施形態は、シート11,12の少なくとも一方が高伸長性の非弾性シートであることである。この理由は、目的とする伸度まで伸ばしたときに、過度な破壊が生じ、強度が大きく低下し、単体では使用に耐えないシートを一方に用いた場合でも、他方に高伸長性のシートを用いることで、伸縮シート10の加工中の搬送性や製品上の耐久性が優れたものとなるからである。本発明の一層好ましい形態は、高伸長性のシートとして不織布を用いたものである。
各液透過性シート1,12は、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態で既に伸長可能になっていてもよい。あるいは、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態では伸長可能ではないが、弾性フィラメント13と接合された後に伸長可能となるように加工が施されて、伸長可能になるものであってもよい。不織布を伸長可能にするための具体的な方法(本明細書においては「弾性発現処理」とも言う。)としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによる噛み込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。後述する伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13を液透過性シート11,12に融着させるときの該液透過性シート11,12の搬送性が良好になる点から、液透過性シート11,12はその原反の状態では伸長可能でないことが好ましい。
各液透過性シート11,12においては、それらの親水性の程度が相違している。この場合、親水性の低い側の液透過性シートを受液面として用いる。このような用い方をすることで、液の引き込み性を高くすることができる。各液透過性シート11,12の親水性の程度は、フィルム、紙、不織布又はその原料となる繊維に対する親水化処理で制御できる。各液透過性シート11,12に親水化処理を施す場合には、(イ)同じ親水化剤を塗布し、かつその塗布量を第1の液透過性シート11と第2の液透過性シート12とで異ならせる、(ロ)親水性の程度の異なる2種の親水化剤を同量塗布する、(ハ)これら2者の方法を組み合わせる、などの方法を採用することができる。不織布の原料となる繊維に親水化処理を施す場合にも、上述の(イ)ないし(ハ)の方法を採用することができる。これに加えて、(ニ)同じ親水化剤を、繊維の原料となる樹脂に練り込み、かつその量を異ならせる、(ホ)親水性の程度の異なる2種の親水化剤を各繊維の原料となる樹脂に同量練り込む、(ヘ)これら二者の方法を組み合わせる、などの方法を採用することもできる。
前記の親水化に用いる親水化剤としては、公知のものを特に制限なく用いることができる。親水化剤は耐久性のあるもの、水分などで溶出するものであっても良い。例えば、先に述べた特許文献1に記載の親水化剤を用いることができる。具体的には、液状炭化水素油、液状脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸エステル、ポリグリセリンポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、PEG変性ポリエステル、ポリオキシエチレンアミドエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、エーテルノニオン、スルホサクシネート、アルキルイミダゾリン型カチオン、アルキルスルホネートNa塩、アルキル燐酸エステルK塩、アルキルホスフェート塩、ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート塩及び脂肪酸塩、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸グリセライド、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリエチレングリコールなどの化合物のなかから適宜選択したものを、単独又は混合物として用いることができる。また、公知の撥水性油剤を組み合わせることもできる。撥水性油剤としては例えば特開2003−193367号公報に記載のものや、変性フッ素系、変性シリコーン系のものを用いることができる。
液透過性シート11,12は、親水化された後にそれよりも撥水性の処理を施された繊維からなるか、又はシートを親水化した後にそれよりも撥水性の処理を施したものであることが好ましい。つまり親水化処理を施した後に弱撥水化することが好ましい。こうすることで液残りの少ないものとなる。別の形態として液透過性シート11は、撥水化された後にそれよりも親水性の処理を施された繊維からなるか、又はシートを撥水化処理した後にそれよりも親水性の処理を施したものであることが好ましい。つまり撥水化処理を施した後に弱親水化することが好ましい。こうすることも液残りの少ないものとなる。
また、液透過性シート11,12は、シートを親水化した後にそれよりも撥水性の処理を部分的に施したものであるか、又はシートを撥水化した後にそれよりも親水性の処理を部分的に施したものであることも好ましい。こうすることで、液を通過させる部位と液をはじく部位ができるため、液流れの制御と液残り及び液吸収の制御が容易となる。吸収性物品においては液流れが大きいと漏れの発生となり、液残りが大きいとカブレなどの肌トラブルとなりやすい。
上述の処理に関し、液透過性シート11が、潜在的に撥水性又は親水性を示す特性(樹脂成分そのものの特性や添加剤を練り込む等の処理により)を有する場合、1段目の撥水化、又は親水化を行ったものと見なすことができる。
撥水化処理又は親水化処理はパターン的に行うことができる。こうすることで液を吸いやすい箇所と液を吸いにくい箇所ができ、液拡散が少なく液残りも少なくできる。例えば、伸縮シート10を吸収性物品の表面シートとして用いる場合には、撥水化処理を肌側表面から行うと、表面側が撥水となり表面からの親水濃度勾配ができるため、表面に液が一層残りにくくなるという効果が得られる。より好ましくは肌側表面から撥水化処理を業ない、親水化した後に部分撥水化することが好ましい。これと別の形態として、親水化処理も肌側表面から行うと、確実に表面の一部に親水部を形成することができるので好ましい。親水面積と撥水面積との面積比率(親水面積/(親水面積+撥水面積))は、好ましくは5〜95%、更に好ましくは10〜50%、一層好ましくは10〜30%である。塗布面積を小さくできる点から、親水化した後に部分撥水化するよりも、撥水化した後に部分親水化することが好ましい。撥水化処理又は親水化処理のパターンとしては、ドット(円、オーバル、ダイヤ、六角、十字形状など)、格子(三角、四角、五角、六角)、波線などが挙げられる。
これらの処理は弾性フィラメントと液透過性シートとの接合前、又は接合後、更に延伸加工後に行うことができる。好ましくは接合後又は延伸加工後に行うと、伸縮シート全体に濃度勾配を持たせられるため好ましい。処理方法としてはグラビア印刷、フレキソ印刷、ホットメルト塗工、インクジェット印刷などの方法が用いられる。好ましくはインクジェット印刷が簡便で、塗布位置の合わせもしやすい点でよい。シートの凹凸形状と合わせて印刷することもできるため、凸部を撥水化したり、凹部を親水化したりすることが可能となる点で好ましい。撥水処理と親水処理は印刷部位を分けて、塗り分けたり、重ね塗りしたりすることも可能である。インクジェット印刷の場合、インクがシートを突き抜けて裏抜けしガイドロール等を汚染することがあるが、この対策のため、ホットメルト塗工されたシートを用いたり、シートと吸収体との組み立て後に塗布したりすることが好ましい。
液透過性シート11,12は、それらの親水性の程度が相違していることに代えて、又はそれに加えて、それらの嵩密度が相違している。この場合、嵩密度の低い側の液透過性シートを受液面として用いる。このような用い方をすることで、毛管力の勾配を利用して、液の引き込み性を高くすることができる。各液透過性シート11,12の嵩密度は、液透過性シート11,12が例えば不織布である場合には、その原料となる繊維の太さで制御できる。液透過性シート11,12がフィルムや紙の場合は、坪量や開孔処理により制御できる。また、後述する噛み込み延伸法方法によっても制御できる。具体的には、液透過性シート11,12が同じ坪量である場合、太い繊維を用いるほど繊維間距離が大きくなり、嵩密度が低くなる。逆に、細い繊維を用いるほど繊維間距離が小さくなり、嵩密度が高くなる。
伸縮シート10を例えば生理用ナプキンの表面シートとして用いる場合、嵩密度の低い方の不織布の嵩密度は0.020〜0.070g/cm3、特に0.025〜0.050g/cm3であることが好ましい。嵩密度の高い方の不織布の嵩密度は0.070〜0.20g/cm3、特に0.060〜0.10g/cm3であることが好ましい。
液透過性シート11,12の嵩密度は、坪量を厚みで割ることによって求められる。液透過性シート11,12それぞれの厚みの測定は、伸縮シート10を20±2℃、65±5%RHの環境下に無荷重にて2日以上放置した後、次の方法にて求める。平板上の角に伸縮シート10を、弾性フィラメント13の長手方向と平行に断面が現れるように置く。その上に、0.5cN/cm2の荷重となるように調整された平板を置く。マイクロスコープにて25〜175倍の任意の倍率で断面の写真撮影を行う。2つの各平板からの弾性フィラメント表面までの距離を上下それぞれについて、写真の長手方向に5等分した位置にて測定し、平均値を求める。更に、測定場所を5点変えて測定し、その平均値から液透過性シート11,12の厚さを求める。坪量は以下の方法によって求める。0.05m2の大きさ(表面の面積)の伸縮シート10を用意し、適切な溶媒(弾性フィラメント13を溶かし、液透過性シート1,12を溶かしにくい溶媒:メタノール、クロロホルム、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルなど)を用いて、弾性フィラメント13を溶解させる。接着剤が用いられている場合も同様に洗い流す。2枚の液透過性シート11,12を分離させ、室温にて乾燥する。坪量は、分離前の伸縮シート10の面積と分離後の液透過性シート11,12のそれぞれの重量から求める。
伸縮シート10における弾性フィラメント13は、伸縮シート10の全長にわたって実質的に連続している。弾性フィラメント13は弾性樹脂を含んでいる。各弾性フィラメント13は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列している。ただし、伸縮シート10の製造条件の不可避的な変動に起因して、意図せず弾性フィラメント13が交差することは許容される。各弾性フィラメント13は、互いに交差しない限り、直線状に延びていてもよく、あるいは蛇行しながら延びていてもよい。
フィラメントが互いに交差しないということは、交点がほとんどないということになる。交点があると、交点と交点の間に複数の繊維があるということになるが、通常、工業的には、交点間に存在する繊維の長さが一致するということは稀である。交点間に存在する繊維の長さが異なる状態のままで、伸長を行うと、交点間に含まれる長さの短い方の繊維だけに、応力がかかることになり、たくさんの繊維を配置しても、伸長に関与しない繊維が多く生じることになる。同じ重量の繊維で比較した場合、繊維の交点の多い方が収縮力は小さくなる。よって、コストの無駄となる。縦方向だけの伸縮を考えた場合、ネットのように横方向に繊維がある場合は、横方向の繊維が、無駄なだけでなく、前記の交点が生じ、同様に縦方向の繊維にも無駄な部分が生じてしまう。
弾性フィラメント13の延びる方向は、第1及び第2の液透過性シート11,12の製造時の流れ方向と一致していてもよく、あるいは液透過性シート11,12の製造時の流れ方向と直交していてもよい。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13の延びる方向は、第1及び第2の液透過性シート11,12の製造時の流れ方向と一致する。
弾性フィラメント13は、実質的に非伸長状態で液透過性シート11,12に接合されている。弾性フィラメント13が伸長していない状態で液透過性シート11,12に接合されるので、本実施形態の伸縮シート10は、伸長による緩和(クリープ)が起こらず、伸縮性が低下しにくいという利点がある。更に、例えば弾性フィラメント13を2倍に伸長させて液透過性シート11,12と貼り合わせた場合に、初期の1.3倍まで仮に戻ったとすると、この状態からは1.54倍までしか伸ばすことができないが、非伸長状態で貼り合わせを行った場合には、伸縮シートを伸長させたときの初期原点が異なるため、液透過性シート11,12の伸長可能な長さまで又は弾性フィラメント13の最大伸度まで伸ばすことが可能となるという利点がある。
弾性フィラメント13が伸長していない状態で、これを液透過性シート11,12に接合させることには次の利点もある。本実施形態の伸縮シート10は、例えば、実質的に非伸長状態の弾性フィラメント13を、非伸長状態の液透過性シート11,12に接合して一旦巻き取り原反とし、(このとき、弾性フィラメント13と接合した非伸長状態の液透過性シート11,12は非伸縮性である)、この原反を繰り出して別工程において延伸加工(例えば歯溝延伸)して、非伸長状態の液透過性シート11,12を伸長可能な液透過性シートとなすことで製造される。前記の原反の状態では、該原反は非伸長でかつ非伸縮性なので、弾性フィラメント13に外力が作用しない。その結果、前記の原反を長期間保存しても、伸長に起因する緩和が起こらないという利点がある。
弾性フィラメント13は、糸状の合成ゴム糸や天然ゴムであり得る。あるいは乾式紡糸(溶融紡糸)や、湿式紡糸によって得られたものであり得る。このうち、後述する好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13は、これを一旦巻き取ったり、蓄えたりすることなしに直接溶融紡糸によって得られたものであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、ノズルから吐出された溶融樹脂を紡糸線上で延伸して得られたものであることが好ましい。延伸することで、弾性フィラメント13を構成する高分子が、該弾性フィラメント13の長さ方向に分子配向するので、後述する50%伸長時の行き/戻り比が高まり、ヒステリシスロスが小さくなる。また、延伸によって細い弾性フィラメントが得られる。この観点から、弾性フィラメント13は、1.1〜400倍、特に4〜100倍に延伸されたものであることが好ましい。これに対して、先に述べた特許文献2においては、ダイから溶融状態で押し出された弾性ストランドが未延伸の状態でシートに接合されるので、該弾性ストランドのヒステリシスロスは十分に小さいものとはならない。また、特許文献3においては延伸を行う際に、粘着性の樹脂がロールに直接触れるため、弾性ストランドが巻きつくといった問題がある。
特に、弾性フィラメント13は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものであることが好ましい。これにより、十分細化したフィラメントを得ることが可能になり、後述する理由で、風合いが良くなる。また、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されることで、液透過性シート11,12と貼り合わせた後、常温になった弾性フィラメント13は縮もうとする力は示さず、弾性フィラメント13は非伸長状態で液透過性シート11,12に接合させたことと同じ状態になる。本実施形態における延伸の具体的な操作としては、(イ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して一旦未延伸糸を得、その未延伸糸の弾性フィラメントを再度加熱して軟化温度(ハードセグメントのガラス転移点温度Tg)以上の状態で延伸する操作や、(ロ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸する操作が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸することで得られる。
紡糸後の延伸により得られた弾性フィラメント13は、その直径が10〜200μm、特に20〜130μmであることが好ましい。この範囲は、伸縮シート10の風合いや、弾性フィラメント13の生産性を考慮して決定されたものである。詳細には、弾性フィラメント13の直径が大きすぎると、伸縮シート10に触れたときに、弾性フィラメント13に起因する段差が知覚されやすくなってしまう。この段差は、伸縮シート10の風合いにマイナスに作用するものである。この観点からは、弾性フィラメント13の直径は小さいほど、各液透過性シート11,12の風合いのみが知覚されやすくなるので好ましい。また、液透過性シートの光透過性を低減させることにより、いわゆる体液の色の隠蔽性能を持たせる意味でも弾性フィラメント13は細い方が好ましい。更に、後述する歯溝ロールによる弾性発現処理において、弾性フィラメント13の直径を歯溝ロール間の歯と歯のクリアランス以下(好ましいクリアランスとしては歯の耐久性を高める点と噛み込み量による延伸倍率を高くする点でクリアランスが小さくなり、250μm以下、より好ましくは200μm以下である)にすることで、延伸時に弾性フィラメントがダメージ(亀裂や切断)を受けにくくなるので、細い方が好ましい。弾性フィラメントの直径と上記クリアランスとの比は0.2〜1、特に0.2〜0.5が好ましい。尤も、弾性フィラメント13が細径になる程その製造が容易でなくなる。これらを考慮すると、弾性フィラメント13の直径は前記の範囲内であることが好ましい。
上述の段差を発生させないようにする観点から、伸縮シート10の厚みに対する弾性フィラメント13の伸縮シートの厚み方向の直径の割合は、1〜30%、特に5〜12%であることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その断面が円形であり得るが、場合によっては楕円形や扁平形状の断面のこともある。例えば後述する製造方法に従い伸縮シート10を製造する場合には、弾性フィラメント13の断面は扁平形状になりやすい傾向にある。この場合、伸縮シート10中において、弾性フィラメント13は、扁平形状の長軸が伸縮シート10の平面方向と略同方向になり、かつ短軸が伸縮シート10の厚さ方向と略同方向になるように配置されることが好ましい。
弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、長軸/短軸の比率(平均偏平率)は1.0〜7.0、特に1.1〜3.0であることが、伸縮特性及び弾性フィラメント13と不織布11,12の構成繊維との接合強度、及び伸縮シート10の隠蔽性能が増す点から好ましい。断面が扁平形状である弾性フィラメント13は、その長軸方向が、伸縮シート10の平面方向とほぼ一致するように配されている。なお、弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、弾性フィラメント13の直径とは、長軸径と短軸径を平均したものを意味する。扁平形状を有する弾性フィラメント13における長軸とは、顕微鏡観察によって抽出された弾性フィラメント13の外周における最も長い横断線の長さを言う。弾性フィラメント13における短軸とは、前記のようにして決定した長軸に平行な二辺を有し、かつ前記の外周に外接する長方形を描いたときの短辺の長さを言う。これらを任意の弾性フィラメント5点について測定し、扁平率の平均を平均扁平率とし、直径の値の平均を弾性フィラメントの直径の値とする。
弾性フィラメント13は、第1及び第2の液透過性シート11,12の色と異なる色に着色されていることも好ましい。これによって、弾性フィラメント13が第1の液透過性シート11及び/又は第2の液透過性シート12越しに透けて見えて、伸縮シート10が縞模様を呈するようになるという意匠的な効果が奏される。このような効果は、特に各液透過性シートの厚み及び坪量が後述する範囲内であると一層顕著なものとなる。
伸縮シート10が十分な伸縮性を発現する観点、布様の良好な風合いを発現させる観点、及び必要に応じ上述の意匠的な効果を発現させる観点から、隣り合う弾性フィラメント13のピッチ(隣り合う弾性フィラメント13間の距離)は、該弾性フィラメント13の直径が上述した範囲であることを条件として、0.1〜5mm、特に0.4〜1mmであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その全長にわたって各液透過性シート11,12に接合している。ここで、「その全長にわたって接合している」とは、弾性フィラメント13と接触している、液透過性シート11,12におけるすべての部位が、該弾性フィラメント13と接合していることを要せず、弾性フィラメント13に、意図的に形成された非接合部が存在しないような態様で、弾性フィラメント13と液透過性シート11,12とが接合されていることを言う。弾性フィラメント13が各液透過性シート11,12にその全長にわたって接合していることで、弾性ストランド13と各液透過性シート11,12との接合力を十分に高めることができる。その結果、伸縮シート10を引き伸ばしても、弾性フィラメント13が各液透過性シート11,12から剥離しづらくなる。弾性フィラメント13が各液透過性シート11,12から剥離してしまうと、自然状態(弛緩状態)において、弾性フィラメント13と各液透過性シート11,12との間に浮きが生じて、伸縮シート10に皺が発生しやすくなり、伸縮シート10全体としての一体感に欠けるものとなる。
弾性フィラメント13と、第1及び第2の液透過性シート11,12との接合の様式としては、例えば融着が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、各液透過性シート11,12に融着により接合される。融着とは、弾性フィラメントと液透過性シート11,12を構成する材料が互いに溶融して接着している状態、又はどちらか一方が溶融し、他方がそれに食い込んで接着している状態の双方を含む。この方法によれば、各液透過性シート11,12に過度な熱は加えられず、溶融紡糸により得られた弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13を各液透過性シート11,12に融着させるので、該弾性フィラメント13の周囲に存在するシート11,12の材料のみが該弾性フィラメント13と接合し、それよりも離れた位置にある材料は液透過性シート11,12の風合いを維持したままになっているので、伸縮シート10の風合いが良好に保たれるという利点がある。この場合、各液透過性シート11,12と弾性フィラメント13とを接合させる前に、補助的な接合手段として接着剤を塗布することもできる。あるいは、各液透過性シート11,12と弾性フィラメント13とを接合させた後に、補助的な接合手段として、熱処理(スチームジェット、ヒートエンボス)や、機械交絡(ニードルパンチ、スパンレース)などを行うこともできる。尤も、これらの補助的な接合手段は、得られる伸縮シート10の風合いを損なったり、弾性フィラメント13にダメージを与えたりする場合がある。したがって、弾性フィラメント13をその溶融熱で液透過性シート11,12と融着することが好ましい。ただし、補助的な接合手段として、エアスルー法による熱風吹き付けからなる熱処理を用いた場合には、得られる伸縮シート10の風合いは損なわれず、また液透過性シート11,12の接合強度の高いものが得られる点で好ましい。
伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸縮可能になっている。伸縮シート10の伸縮性は、弾性フィラメント13の弾性に起因して発現する。伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性フィラメント13並びに第1及び第2の液透過性シート11,12が伸長する。そして伸縮シート10の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント13が収縮し、その収縮に連れて第1及び第2の液透過性シート11,12が引き伸ばし前の状態に復帰する。
本実施形態の伸縮シート10においては、弾性フィラメント13と直交した状態で結合している他の弾性フィラメントは存在していない。したがって伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばしても、該伸縮シート10が幅縮みをほとんど起こさずに伸長する。つまり、伸縮シート10はその引き伸ばし状態において、その長手方向にわたり幅がほぼ一様になっている。その結果、伸縮シート10を、その伸長状態で搬送させてこれを加工するときのハンドリング性が良好になる。また、伸縮シート10を例えばパンツ型おむつの外包材として用いた場合、おむつの着用中にずれ落ちが起こったり、皺が寄ったりすることが効果的に防止される。また、おむつの構成と使用者の動きを考えると、幅方向に不均一な伸長が起こるが、その際にも幅縮みはほとんど起きず、おむつがずれたり、シワが寄ったりすることが効果的に防止される。この観点から、伸縮シート10は、これを1.5倍に伸長したときの幅縮みの割合が、伸長前の幅の1%〜10%、特に1%〜5%であることが好ましい。幅縮みは(1−伸長後の幅÷伸長前の幅)×100として求めることができる。伸長後の幅は次のように測定する。サンプルを、その長さ方向が概ね流れ方向に沿うように(角度差15度以内)幅50mmにて切り出し、前記サンプルの両端の幅を50mmに保った状態で把持する。このときの長さ方向に力がかかっていない状態での把持間隔を150mmとし、把持間隔を1.5倍まで伸長させたときの、サンプルの長さ方向の中央部の幅を測定する。
図2(a)及び(b)には、本発明の一実施形態の伸縮シート10における弾性フィラメント13の延びる方向に沿う縦断面図が示されている。図2(a)及び(b)に示した実施形態は、伸縮シート10の製造工程のうちの弾性発現処理工程において、噛み込み延伸を用いた場合に顕著に発現する形態である。図2(a)は、自然状態(弛緩状態)における伸縮シート10の縦断面図であり、図2(b)は、伸長状態における伸縮シート10の縦断面図である。自然状態においては、伸縮シート10の一方の面及び他方の面のそれぞれに、弾性フィラメント13の延びる方向と交差する方向に延びる微小な凸部及び凹部が交互に形成されている。一方の面における凸部及び凹部の位置には、他方の面における凹部及び凸部が位置している。一方の面の凸部と、それに隣接する他方の面の凸部においては、一方の面の凸部の面積が他方の面の凸部の面積よりも大きいことが好ましい。この理由は、一方の面側の表面近傍と他方裏面側の表面近傍との嵩密度の差が大きくなることから(凸部の面積が小さくなるほど嵩密度は低くなる)、例えば吸収性物品の表面シートとして用いた場合には、肌側表面側の嵩密度を低く設定できることにより、液残りが低減できるからである。
凸部及び凹部の詳細について説明すると、伸縮シート10は、頂部14'及び谷部14"が交互に配列した波形形状になっている。頂部14'と谷部14"とは稜線部15'を介して連なっている。頂部14'及び谷部14"の厚みに対して、稜線部15'の厚みは若干小さくなっており、頂部14'及び谷部14"よりも光を透過させやすくなっている。伸縮シート10を平面視したとき、頂部14'、稜線部15'及び谷部14"は、伸縮シート10の伸長方向と直交する方向へ延びている。したがって伸縮シート10には、その自然状態において、光を透過させやすい稜線部15'と、それよりも光を透過させにくい頂部14'及び谷部14"に起因する横縞模様がうっすらと現れる。この横縞模様は、伸縮シート10を伸長させると後述する弾性発現処理等の条件によって一層顕著になる場合がある。
即ち、図2(b)に示すように、伸長状態の伸縮シート10においては、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って、高坪量部分14と低坪量部分15とが交互に配列している。各部分14,15は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向にそれぞれ帯状に延びている。高坪量部分14と低坪量部分15とは、一定の周期で交互に配列している。高坪量部分14については、シート10の上側に突出しているものと、シート10の下側に突出しているものとが交互に配置されている。シート10の上側に突出している高坪量部分14は、図2(a)に示す自然状態のシート10における頂部14'に由来している。一方、シート10の下側に突出している高坪量部分14は、図2(a)に示す自然状態のシート10における谷部14"に由来している。また、低坪量部分15は図2(a)に示す自然状態のシート10における稜線部15'に由来している。高坪量部分14と低坪量部分15とでは、それらの坪量差に起因して光の透過の程度に差がある。その結果、伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向に延びる横縞模様を呈するようになり、意匠性が高くなる。特に、先に述べたとおり、伸縮シート10は弾性フィラメント13に起因する縞模様も呈するので、伸縮シート10は、この縞模様と、高坪量部分14及び低坪量部分15に起因する縞模様が組み合わされた格子状の模様も呈することになり、意匠性が一層高くなる。また、図2(a)及び(b)に示したとおり、本発明の好ましい実施形態としては、シート10の上側又は下側の突出している部分に、繊維が充填されている。
高坪量部分14は、低坪量部分15に比較して坪量が大きくかつ厚みも大きくなっている。それに起因して、高坪量部分14と低坪量部分15とでは光の透過の程度が相違し、その相違に起因して縞模様が呈される。各高坪量部分14は互いに実質的に等幅であり、同様に各低坪量部分15も互いに実質的に等幅である。
高坪量部分14の厚みは、0.3〜10mm、特に0.5〜1mmであることが好ましい。低坪量部分15の厚みは、伸縮特性及び通気性の観点から0.1〜3mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。厚みの測定は、伸縮シート10を20±2℃、65±5%RHの環境下に無荷重にて、2日以上放置した後、次の方法にて求める。先ず伸縮シート10を1.5倍に伸長方向へ伸ばした状態にて、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟む。断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、三視野の厚みの平均値として求める。高坪量部分14及び低坪量部分15は、後述する製造方法に従い伸縮シート10を製造することで容易に形成される。
図2(a)に示す状態においては、一方の面の凸部(頂部14')と、それに隣接する他方の面の凸部(谷部14")との間の部位(低坪量部分15)に位置する不織布の構成繊維の方が、頂部14'及び谷部14"に位置する不織布の構成繊維よりも細くなっていることが好ましい。これによって、伸縮シート10の液の引き込み性が一層良好になる。繊維の太さをこのように制御するためには、後述する図4に示す装置を用いて、弾性発現処理を行えばよい。
ところで、特表2002−512660号公報には、加熱したロールを用いて不織布に2つの異なる凹凸形状を形成するエンボス方法が記載されている。この公報には、凸ロールを175〜190℃に加熱し、不織布に熱を加えることで延伸することが記載されている。しかし、この公報に記載の方法では、熱によって不織布の風合いが損なわれてしまう。そこで本発明においては、後述するように、伸長可能なシートを用い構成素材(フイルムや繊維)の融点よりも低い温度で噛み込み延伸をすることが好ましい。より好ましくは意図的な加熱を行わない温度で延伸を行う。図2(a)に示す状態においては、一方の面の凸部(頂部14')の長さLAが、それに隣接する他方の面の凸部(谷部14")の長さLBより小さくなっていることが好ましい。これによって、伸縮シート10の液の引き込み性が一層良好になる。頂部14'の長さLAは押し込み歯による窪みとそれに隣接する窪みとの間の長さとする。歯の跡の長さは伸縮シート10の断面をマイクロスコープで観察することにより求められる。歯の跡は歯の頂上部位置に相当する。谷部14"の長さLBも同様な方法で求められる。この長さ比(LB/LA)は好ましくは1.1〜10、より好ましくは1.2〜5.0である。肌側面に頂部14'、吸収体面側に吸収体面側に谷部14"が位置するように配置すると、全体的に肌面側の嵩密度が低く、吸収体側の嵩密度が高いものとなり液の引き込み性がよく、液残りの少ないものとなる。また、図2の15'に示される延伸部分は延伸により単位長さあたりの繊維油剤が減少するため、未延伸部分よりも弱親水化される。このため、前記の方法によって、未延伸部分が吸収体側に多くなる。嵩密度をこのように制御するためには、後述する図5の装置を用いて、歯の頂部の流れ方向の長さをロール20とロール21で異なるものにすればよい。頂部の面積は流れ方向の頂部長さに幅方向の有効幅分をかけたものとして求められる。頂部の長さは、前記の理由により好ましくは0.5〜5mmであり、更に好ましくは1〜3mmである。谷部の長さは、同様の理由により好ましくは1〜10mmであり、更に好ましくは2〜6mmである。
伸縮シート10には、そのいずれかの位置に、これを貫通する開孔が形成されていてもよい。例えば伸縮シート10における凸部又は凹部である頂部14'及び/又は谷部14"に、該伸縮シート10を貫通する開孔(図示せず)が形成されていてもよい。これによって、伸縮シート10の通液性が一層向上する。開孔は平面視して、例えば円形、楕円形、多角形、あるいはそれらの組み合わせの形状を有している。平面視での開孔の面積は、0.25〜9mm2程度とすることができる。開孔の形成には、パンチング開孔、ピン開孔、ニードル、スリット、水流交絡、延伸による開孔、噛み込みによる部分開孔、エンボスによる開孔などの方法が用いられる。これらはエンボスと噛み込み延伸など組み合わせて行うことができる。開孔加工時、弾性フィラメント13を部分的に破断することがあるが、伸縮シート10が全体的に伸縮特性を有する限り、弾性フィラメント13の一部が破断していても差し支えない。しかし、できるだけ弾性フィラメント13を破断させないことが好ましい。
前記開孔は、伸縮シート10の一方の面における凸部若しくは凹部、又は他方の面における凸部若しくは凹部に位置することが好ましい。こうすることで、凹凸構造と開孔の位置が一致するので外観上好ましいものとなる。伸縮シート10を吸収性物品の表面シートとして用いた場合には、肌側表面からみて他方の面の凸部(表面から見て凹部、図2における符号14")に開孔があると、液流れが少なく、表面の液残りが少なくなるので好ましい。この場合の開孔の形成方法としては、伸長加工と同時に、噛み込み(スリットや延伸)による部分開孔、ピン開孔(特開平8−260329号公報、特開平10−131014号公報に記載)を行うことが好ましい。
次に、伸縮シート10を構成する液透過性シート11,12及び弾性フィラメント13について説明する。なお本実施形態においては、液透過性シート12として、以下に詳述する液透過性シート11と同様のものを用いることができる。この場合、液透過性シート12は、液透過性シート11と同種又は異種のものとすることができる。したがって、液透過性シート12に関しては、後述する液透過性シート11に関する説明をもって、液透過性シート12の説明に代えることとする。なお、ここで言う同種とは、製造プロセス、構成樹脂の種類、厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には異種のシートであるという。
液透過性シート11は液透過性のフィルム材料や繊維材料(不織布や紙)を用いることができる。また液透過性シート11として、弾性フィラメント13との貼り合わせ前に溶融開孔、スリット開孔、延伸開孔、発泡開孔、パンチング開孔、ピン開孔、ニードル開孔、水流交絡開孔、エンボス開孔したものを用いることもできる。液透過性シート11に伸長性の低い材料を用いた場合、噛み込み延伸による貼り合わせ後の後加工によって液透過性シート11へ実質的に規則的な破れや破壊を生させることができる。貼り合わせ加工前にエンボス加工した液透過性シート11を用いて貼り合わせ加工を行った後、噛み込み延伸によってエンボス部又はその周辺を開孔させることも可能である。これらは噛み込み量や噛み込み装置への送り込みテンションによって適宜調整可能である。液透過性シート11にフィルム材料や不織布材料を用いて、伸縮シート10を吸収性物品の表面シートに用いた場合は、この破れによる穴から吸水することが可能となる。また、液透過性シート11に薄葉紙を用いて、伸縮シート10を吸収性物品の吸収体に用いた場合、この破れや破壊が導水口となり吸収速度の高いものが得られる。液透過シート11が伸長性の低い不織布である場合、そのような不織布としてエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ナノファイバー不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布などを用いることができる。特にエアスルー不織布を用いると嵩高で、風合いの良いものが得られる。
液透過性シート11がフィルム材料からなる場合、該フィルム材料は透湿性又は非透湿性のものであることも好ましい。フィルム材料は、元のフィルムは液透過性でなくとも、噛み込み延伸による貼り合わせ後の後加工や前記の不織布の開孔加工と同様の方法などの後加工によって液透過性を有するようにしたものでもよい。溶融開孔フィルム、スリット開孔フィルム、延伸開孔フィルム、発泡開孔フィルム、パンチング開孔、ピン開孔、ニードル開孔、水流交絡開孔、エンボス開孔フィルムを用いることができる。特に好ましいフィルム材料は、溶融開孔フィルム、延伸開孔フィルムである。フィルム材料が開孔していることで、伸度の高い液透過性シート11が得られる。フィルム材料としては、透湿性を有するフィルム(以下、非伸縮性透湿フィルムとも言う。)が挙げられる。この非伸縮性透湿フィルムは、例えば熱可塑性樹脂に、該樹脂と相溶性のない物質を練り込んで得られた樹脂組成物を、フィルム状に溶融成形し、得られたフィルムを一軸又は二軸延伸して多孔質となしたものである。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びオレフィン系コポリマー等のポリオレフィン類を用いることができる。熱可塑性樹脂と相溶性のない物質としては、例えば炭酸カルシウム、石膏、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和けい酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラックのような無機充填剤、種々の金属粉、その他の無機物及び無機物を主体とする有機金属塩等が挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂、あるいは融解温度が前記の熱可塑性樹脂の成形温度よりも高い樹脂のようなポリマーが挙げられる。これらの物質は50μm以下、好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に0.1〜5μm程度の平均粒径を有する粉粒体として用いることが望ましい。前記熱可塑性樹脂と前記の物質との配合割合は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して前記の物質が好ましくは50〜400重量部、更に好ましくは60〜300重量部である。
液透過性シート11に用いられる、元のフィルムが、透湿性を有するフィルム材料である場合、元のフィルムの透湿度(JIS Z0208に準じ、30℃・90%RHにて測定)は、0.4〜6g/(100cm2・hr)、特に0.8〜4g/(100cm2・hr)であることが好ましい。また、その耐水圧(JIS L1092)は、0.5m以上、特に2m以上であることが好ましい。更に、透湿性を有するフィルム材料からなるシート11は、その透湿度及び耐水圧が上述の範囲内にあることを条件として、坪量が5〜100g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。
液透過性シート11が高伸長性のフィルムである場合、このフィルムに用いるための元のフィルムは、未延伸のもの又は低延伸のものが好ましい。そのような未延伸又は低延伸のフィルムを、好ましくは1.0〜3倍、更に好ましくは1.0〜1.5倍の倍率で延伸することが好ましい。これにより、高強度でありながら高伸度の液透過性シート11が得られる。また、後加工による延伸時に破れなどが発生しにくくなる。透湿性フィルムの場合には、延伸により手触りのよいものが得られる。
液透過性シート11は薄葉紙でもあり得る。薄葉紙は天然紙、合成紙、吸収性物品の吸収体等に用いられる台紙などを用いることができる。液透過性シート11として薄葉紙を用いた場合の伸縮シート10は、吸水時の瞬間吸収の補助剤として、また拡散紙として有用である。薄葉紙として、消臭や抗菌などの効果を有する機能紙を用いることもできる。液透過性シート11が高伸長性の薄葉紙である場合、そのような薄葉紙はクレープ加工したものであることが好ましい。その場合のクレープ率は好ましくは10%以上、更に好ましくは30%以上である。
液透過性シート11が伸長可能な不織布である場合、不織布を構成する繊維としては、実質的に非弾性の繊維が用いられる。その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。不織布を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。は、連続フィラメント又は短繊維の不織布であり得る。特に、伸縮シート10を厚みのある嵩高なものとする観点からは、短繊維の不織布であることが好ましい。伸縮シート10を、肌に接触する部材として用いる場合には、肌の接触する側に風合いの良い短繊維不織布を用い、その反対面に強度の高い連続フィラメントの不織布を用いてもよい。
不織布は、その構成繊維が低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなることが好ましい。その場合には、少なくとも低融点成分の熱融着により、その構成繊維同士が繊維交点で接合される。低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる芯鞘型の複合繊維としては、芯が高融点PET、PPで、鞘が低融点PET、PP、PEのものが好ましい。
不織布の厚みは、好ましくは0.05〜5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mm、一層好ましくは0.15〜0.5mmである。厚みの測定は、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟み伸縮シート10の断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、3視野の厚みの平均値として求めることができる。シート全体の厚みは平板間の距離を測ることで求められる。不織布の坪量は、風合い、厚み及び意匠性等の観点から、それぞれ3〜100g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。
不織布は、風合い、べたつき等の観点から、実質的に非弾性の繊維からなることが好ましい。不織布中の非弾性繊維の割合としては、70重量%以上、好ましくは90重量%以上、更に好ましくは100重量%が好ましい。また、実質的に非弾性の繊維には、非弾性樹脂に、弾性樹脂を含んでいてもよく、非弾性樹脂の割合は、70重量%以上、好ましくは90重量%、更に好ましくは100重量%が良い。
液透過性シート11が高伸長性の不織布である場合、特に非弾性の繊維として、その長さ方向において繊維の太さが一様になっていないものを用いることが好ましい(以下、この繊維を不定径繊維という)。つまり不定径繊維は、その長さ方向に沿ってみたときに、繊維断面積(直径)が大きい部分もあれば、小さい部分もある。不定径繊維においては、その直径(断面積)が、最も小さい部分から最も大きい部分まで連続的に変化していてもよい。あるいは、未延伸糸の延伸工程で観察されるネッキング現象のように、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化していてもよい。繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を図3に示す。
該非弾性繊維は、一定の繊維径を有する高伸度(例えば繊維の最大伸度が80〜800%、特に120〜650%)の繊維を原料とすることが、最大強度の高い伸縮シート10が得られる点で好ましい。繊維の伸度は、JIS L−1015に準拠し、測定環境温湿度20±2℃、65±5%RH、引張試験機のつかみ間隔20mm、引張速度20mm/minの条件での測定を基準とする。なお、既に製造された不織布から繊維を採取して伸度を測定するときを始めとして、つかみ間隔を20mmにできない場合、つまり測定する繊維の長さが20mmに満たない場合には、つかみ間隔を10mm又は5mmに設定して測定する。
前記の高伸度の繊維は、低延伸の非弾性繊維であることが好ましい。低延伸の非弾性繊維を原料として、後述する製造方法に従い本実施形態の伸縮シート10を製造すると、その弾性発現処理において低延伸の繊維が引き伸ばされることで、繊維に細い部分が生じて後述の不定径繊維が形成される。その結果、本実施形態の伸縮シートの弾性発現処理において、不織布が構造的に伸ばされ易い形に変更させることになるが、繊維が伸ばされることで、不織布構造全体でも、伸ばされ易くなり、不定形繊維間の接合点や、不織布と弾性フィラメント13との接合点が破壊されることを最小限にすることが可能になり、伸縮性能を維持しつつ伸縮シート10の強度を高くすることができる。つまり、高伸度と高強度とが両立した伸縮シート10が得られる。また、弾性発現処理において、前記不定径繊維間の接合も破壊されにくくなることは、不織布11が毛羽立ち様になりにくくなる効果もある。このことは、本実施形態の伸縮シート10の外観を向上させる点から有利である。これに対して、背景技術の項で述べた特許文献4に記載の弾性伸縮性複合シートにおいては、延伸工程において、構成繊維が伸びにくいことから、繊維どうしの溶着や機械的な絡み合いが外れ、その結果、シートの強度が低下してしまい、高伸度と高強度を両立させることができない。
更に、前記の低延伸の繊維を原料とすることで、繊維の引き伸ばしの前に比較して、細い繊維の本数(長さ)が実質的に増加する。それによって本実施形態の伸縮シート10の光不透過性が向上する。伸縮シート10の光不透過性が向上することは、例えば伸縮シート10を生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートとして用いた場合、吸収体に吸収された体液が表面シート越しに見えづらくなるという隠蔽性能が向上する点から有利である。
その上、不定径繊維が密に存在している領域が、不織布上で周期的に変化していると、不織布の表面が細かに波打った状態になり、その肌触りが良好になるという付加的な効果もある。この場合、変化の周期、つまり不織布中の太い部分とそれと隣り合う太い部分との距離は、0.5mm〜10mm、特に2〜5mmであることが好ましい。この周期は、不織布11の顕微鏡観察から測定できる。不定形繊維の径の測定は、以下の(1)〜(5)の手順で測定される。
(1)伸縮シート10の表面における5mm×5mm以上の領域から不織布不織布11をサンプリングする。このときサンプルは、不織布12を、弾性フィラメント13から切り離して採取してもよく、あるいは伸縮シート10全体を採取してもよい。
(2)採取されたサンプルを、SEMの観察用試料台に固定する。このとき、サンプルを観察しやすいように、サンプルの構造を破壊しない程度にサンプルを引き伸ばした状態で(不織布の弛みが取れる程度まで)、サンプルを両面テープで試料台に固定してもよい。このときの引き伸ばし量は、例えば伸縮シート10を製造する工程において(弾性発現処理)工程を用いる場合は、延伸工程で伸縮シート10の前駆体を延伸した延伸倍率以下程度とする。
(3)SEM観察は倍率200で行う。1箇所の視野面積は0.4mm×0.4mm程度以上とし、5箇所を観察する。
(4)無作為に繊維を抽出し、径を0.1μm単位で繊維軸方向に10μmおきに20箇所以上測定する(繊維同士の融着点や破壊している部分は、測定に含めない。)。繊維は各視野4本以上測定し、5視野について、計20本について測定を行う。
(5)これらの値から10本のそれぞれの繊維の最大径と最小径を抽出する。
1本の繊維の最大径と最小径の差が1μmあり、繊維軸方向の位置と径の変化の関係をグラフ化した場合、極大位置又は極小位置が2以上あるものを不定形繊維と呼ぶ。
以上の各効果を一層顕著なものとする観点から、不定径繊維はその太さが、最も細い部分において好ましくは2〜15μm、更に好ましくは5〜12μmであり、最も太い部分において好ましくは10〜40μm、更に好ましくは12〜30μmである。不定径繊維の最大径と最小径の差は3μm以上、特に5μm以上、とりわけ10μm以上が好ましい。また、「最大繊維径/最小繊維径」で定義される繊維径比の値は、1〜15であることが好ましく、1.2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが一層好ましい。
不定径繊維はその繊維間融着点強度が、該不定径繊維の100%伸長時強度よりも高いものであることが好ましい。これによって、伸縮シート10を製造するときの弾性発現処理工程において、弾性発現処理前の伸縮シート10を引き伸ばし弾性発現処理加工する際に、弾性発現処理前の伸縮シート10の繊維同士の融着点の破壊が起こりにくくなり、弾性発現処理前の伸縮シート10の強度に比べて、前記弾性発現処理工程を経て得られた伸縮シート10の強度が低下しづらくなる点から好ましい。融着点強度は、本出願人の先の出願に係る特開2004−218183号公報の段落〔0040〕の記載に従い測定される。100%伸長時強度は、引張試験機を用い、チャック間距離20mm、引張速度20mm/minの条件で測定される。
上述した低延伸の非弾性繊維とは、紡糸後に低延伸倍率で延伸された繊維及び延伸されていない繊維、即ち未延伸繊維の両方を包含する。低延伸の繊維としてはその伸度が上述のとおり80〜800%、特に120〜650%の高いものを用いることが好ましい。この範囲の伸度を有する低延伸の繊維を用いることで、該繊維が後述する図4に示す延伸装置22で首尾良く引き伸ばされて、不定径繊維が容易に形成される。低延伸の繊維の繊維径は10〜35μm、特に12〜30μmであることが好ましい。
先に述べたとおり、不定径繊維は、一定の繊維径を有する低延伸の繊維を原料とすることが好ましい。この場合、低延伸の繊維は、単一の原料からなる繊維でもよく、あるいは2種以上の原料を用いた複合繊維、例えば芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維であってもよい。不定径繊維どうしの接合のさせやすさや、不織布11と弾性フィラメント13との接合のさせやすさを考慮すると、複合繊維を用いることが好ましい。芯鞘型の複合繊維の場合、芯がポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、鞘が低融点ポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が好ましい。特にこれらの複合繊維を用いると、弾性フィラメント13がポリオレフィン系エラストマーを含む場合、弾性フィラメント13と不織布11の構成繊維との熱融着が強くなり、層剥離が起こりにくい点で好ましい。
不定径繊維は、ステープルファイバのような短繊維でもよく、あるいは連続フィラメントのような長繊維でもよい。後述する伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、短繊維を用いることが好ましい。また、不定径繊維は親水性でも撥水性でも良い。
不織布は、不定径繊維のみから構成されていてもよく、あるいは不定径繊維に加えて、他の一定径の非弾性繊維が含まれていてもよい。他の非弾性繊維としては、先に述べたものが挙げられる。不織布11に、不定径繊維に加えて他の一定径の非弾性繊維が含まれている場合、他の非弾性繊維の配合量は1〜30重量%、特に5〜20重量%であることが好ましい。
不定径繊維は液透過性シート11,12の両方に含まれていることが特に好ましいが、液透過性シート11,12のうちの一方にのみ含まれていてもよい。
弾性フィラメント13は、前述のとおり、例えば熱可塑性エラストマーやゴムなどの弾性樹脂を原料とするものである。特に弾性樹脂に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られたフィラメントは熱融着させやすいので、本実施形態の伸縮シートに好適である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性フィラメント13の成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。弾性フィラメント13には、親水化処理が施されていることが好ましい。親水化処理のためには、弾性フィラメント13に親水化剤を施せばよい。弾性フィラメント13が親水化されていることで、伸縮シート10の通液性を一層向上する。
液透過性シート11,12が不織布である場合、弾性フィラメント13と不織布を構成する繊維との好適な組み合わせは、弾性フィラメント13にSEBS樹脂又はSEPS樹脂を用い、不織布の構成繊維にPP/PE芯鞘型複合繊維又はPET/PE芯鞘型複合繊維を用いる組み合わせである。この組み合わせを採用することで、融着をしっかりと行うことができる。また、芯の融点が高いので、繊維が融着時に溶けきらず(芯が残る)、最大強度の高い伸縮シート10が得られる。
次に、本実施形態の伸縮シート10の好ましい製造方法を、図4を参照しながら説明する。本製造方法においては、紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13を所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメント13を液透過性シート11,12に融着させ、次いで該弾性フィラメント13が融着した複合体19を、該弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して該複合体19に伸縮性を付与する。
紡糸ノズル16は、紡糸ヘッド17に設けられている。紡糸ヘッド17は、押出機に接続されている。ギアポンプを介して紡糸ヘッド17へ樹脂を供給することもできる。該押出機によって溶融混練された弾性樹脂は、紡糸ヘッド17に供給される。紡糸ヘッド17には、多数の紡糸ノズル16が直線状に一列に配置されている。紡糸ノズル16は、第1及び第2の不織布11,12の幅方向に沿って配置されている。隣り合う紡糸ノズル16の間隔は、目的とする伸縮シート10における弾性フィラメント13の間隔に相当する。紡糸ノズル16は通常円形であり、その直径は弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。この観点から、紡糸ノズル16の直径は0.1〜2mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。液透過性シート11,12との接合強度を高める目的、弾性フィラメント13の紡糸性を上げる目的、及び伸縮シート10の伸縮特性を向上させる目的で、弾性フィラメント13を複合の形態(サイドバイサイド、芯鞘、海島構造)とすることもできる。具体的にはPP系のエラストマー樹脂とスチレン系のエラストマー樹脂とを組み合わせることが好ましい。
紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、それぞれ原反から互いに同速度で繰り出された液透過性シート11,12と合流し、両シート11,12間に挟持されて所定速度で引き取られる。液透過性シート11,12は、親水性の程度及び/又は嵩密度が相違している。弾性フィラメント13の引き取り速度は、両シート11,12の繰り出し速度と一致している。弾性フィラメント13の引き取り速度は、該弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。延伸によって弾性フィラメント13に生じる張力は、該弾性フィラメント13を液透過性シート11,12と貼り合わせるときの風や静電気に起因する該弾性フィラメント13の乱れを防止する。それによって弾性フィラメントどうしを交差させずに一方向へ配列させることができる。これらの観点から、弾性フィラメント13の引き取り速度は、紡糸ノズル孔内の樹脂吐出速度に対し、その延伸倍率が1.1〜400倍、特に4〜100倍、更に10〜80倍となるように調整されることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その固化前に、即ち融着可能な状態で第1及び第2の液透過性シート11,12と合流する。その結果、弾性フィラメント13は、液透過性シート11,12に挟持された状態で、これらのシート11,12に融着する。つまり、固化前の弾性フィラメントを搬送されるシート11,12に融着させながら弾性フィラメント13は引き取られて延伸される。弾性フィラメント13の融着に際しては液透過性シート11,12には、外部から熱は付与されていない。つまり、融着可能になっている弾性フィラメント13に起因する溶融熱によってのみ、該弾性フィラメント13と両シート11,12とが融着する。その結果、両シート11,12の構成材料のうち、弾性フィラメント13の周囲に存在する材料のみが該弾性フィラメントと融着し、それよりも離れた位置に存在する材料は融着しない。その結果、両液透過性シート11,12に加わる熱は最小限にとどまるので、該シート自身が本来的に有する良好な風合いが維持される。それによって、得られる伸縮シート10の風合いが良好になる。
紡出された弾性フィラメント13が、液透過性シート11,12と合流するまでの間、該弾性フィラメント13は延伸されて延伸方向に分子が配向する。また直径が小さくなる。分子配向によって、50%伸長時強度の行き/戻り比(ヒステリシス)の小さな弾性フィラメント13が得られる。弾性フィラメント13を十分に延伸させる観点及び弾性フィラメント13の糸切れを防止する観点から、紡出された弾性フィラメント13に所定温度の風(熱風、冷風)を吹き付けて、該弾性フィラメント13の温度を調整してもよい。
弾性フィラメント13の延伸は、原料樹脂の溶融状態での延伸(溶融延伸)だけでなく、その冷却過程における軟化状態の延伸(軟化延伸)であってもよい。溶融状態とは、外力を加えたとき樹脂が流動する状態である。樹脂の溶融温度は粘弾性測定による(例えば円形並行平板間に挟んだ樹脂に回転方向の振動歪を加えて測定される)Tanδのピーク温度として測定される。弾性樹脂の時に糸切れが起こらないようにするために、延伸区間を長く確保することがよい。また、同様に糸切れが起こらないようにするために弾性樹脂の溶融温度は130〜300℃が好ましい。更に、弾性樹脂の耐熱性の観点から、溶融温度は220℃以下が好ましい。弾性フィラメント13の成形温度(ダイスの温度)は樹脂の流動性を上げて成形性をよくするために原料樹脂の溶融温度の+50℃以上が好ましく、耐熱性のため+110℃以下が好ましい。軟化温度は、シート状にした弾性樹脂の測定試料の粘弾性特性におけるTg温度として測定される。軟化温度から溶融温度までの範囲を軟化状態という。また、軟化温度より低い温度の状態を固化状態という。軟化温度は、伸縮シート10の保存時における弾性樹脂の結晶の成長や、体温による伸縮シート10の伸縮特性の低下の観点から、60℃以上が好ましく、80℃〜180℃がより好ましい。
弾性フィラメント13と液透過性シート11,12とを接合させるときの弾性フィラメント13の温度は、繊維融着を確実にするために100℃以上であることが好ましい。より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上である。また弾性フィラメント13の形状を保持して伸縮特性の良好な伸縮シート10を得る観点から、弾性フィラメントの温度は180℃以下であることが好ましい。より好ましくは160℃以下である。これらの結果、最適なフィラメント温度は120〜160℃、更に好ましくは140〜160℃の範囲である。接合時の温度は、弾性フィラメント13と接合させるラミネート基材として、弾性フィラメントを構成する弾性樹脂の融点と異なる融点を有する変性ポリエチレンや変性ポリプロピレンなどからなるフィルムを用いて、その接合状態を観察することで測定できる。このとき、弾性フィラメントとラミネート基材が融着していれば、接合温度はラミネート基材の融点以上である。
弾性フィラメント13と液透過性シート11,12との接合時には、弾性フィラメント13は実質的に非伸長状態(外力を取り除いたときに縮まない状態)である。両者の接合状態においては、液透過性シート11,12を構成する材料の少なくとも一部が、弾性フィラメントへ融着するか、更には弾性フィラメント13と液透過性シート11,12を構成する材料の少なくとも一部との両方が融着することがより好ましい。十分な接合強度が得られるからである。得られる伸縮シート10の伸縮特性は、弾性フィラメント13と液透過性シート11,12との接合点の密度に影響を受ける。また、伸縮特性は、接合温度、接合圧力、後述する液透過性シート11,12の弾性発現処理による接合点のはずれによって調整することができる。液透過性シート11,12の構成材料を弾性フィラメント13に融着させることで、接合点一つ一つの接合強度が高くなる。接合点の密度を低くすると、液透過性シート11,12による伸縮阻害が少なくなり、かつ十分な接合強度を有する伸縮シート10が得られるので好ましい。
弾性フィラメント13を液透過性シート11,12と合流させるときには、各弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するようにする。そして、弾性フィラメント13を液透過性シート11,12と合流させて両シート11,12間に該弾性フィラメント13を挟持させた状態で、これら三者を一対のニップロール18,18によって挟圧する。挟圧の条件は、得られる伸縮シート10の風合いに影響を及ぼす。挟圧力が大きすぎると弾性フィラメント13が両液透過性シート11,12内に食い込みやすくなり、それに起因して得られる伸縮シート10の風合いが低下しやすい。この観点から、ニップロール18,18による挟圧力は、弾性フィラメント13が両液透過性シート11,12に接触する程度で足り、過度に高い挟圧力は必要とされない。
ニップロール18による挟圧の別の条件として、ニップロール18の温度が挙げられる。本発明者らの検討の結果、ニップロール18を加熱した状態で挟圧を行うよりもむしろ、加熱しないか(つまり成り行きにまかせるか)、又は冷却しながら挟圧を行う方が、風合いの良好な伸縮シート10が得られることが判明した。ニップロール18を冷却する場合には、冷却水等の冷媒を用い、ニップロール18の表面設定温度が10〜50℃になるように温度調節することが好ましい。
このようにして2枚の液透過性シート11,12間に弾性フィラメント13が挟持された複合体19が得られる。液透過性シート11,12として本来的に伸長性を有するものを用いた場合には、この複合体19が伸縮シート10そのものとなる。一方、液透過性シート11,12として本来的に伸長性を有しないものを用いた場合には、該液透過性シート11,12を含む複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して、該複合体19に伸縮性を付与する操作を行う。弾性発現処理の具体的な手段としては、先に述べたとおり、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによる噛み込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。以下の説明においては、これらの手段のうち特に好ましい手段である噛み込み延伸について説明する。噛み込み延伸においては、それぞれ歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用い、複合体19をその搬送方向、即ち弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理させる。
弾性発現処理装置22は、一方又は双方の歯溝ロール20,21の枢支部を上下に変位させる公知の昇降機構(図示せず)を有し、歯溝ロール20,21間の間隔が調節可能になっている。本製造方法においては、各歯溝ロール20,21を、一方の歯溝ロール20の歯が他方の歯溝ロール21の歯間に遊挿され、他方の歯溝ロール21の歯が一方の歯溝ロール20の歯間に遊挿されるように組み合わせ、その状態の両歯溝ロール20,21間に、複合体19を挿入してこれを弾性発現処理させる。
弾性発現処理装置22においては、一対の歯溝ロール20,21の両方が駆動源によって駆動するようになっていてもよく(共回りロール)、一方の歯溝ロール20又は21のみが駆動源によって駆動するようになっていてもよい(連れ回りロール)が、本製造方法においては、下側の歯溝ロール21のみが駆動源によって駆動し、上側の歯溝ロール20は駆動源に接続されておらず、歯溝ロール21の回転に伴って従動する(連れ回る)ようになっている。連れ回りロールを用いることは、弾性発現処理加工後において伸縮シート10に高坪量部分14及び低坪量部分15がくっきりと縞模様に現れやすく、伸縮シート10の意匠性が向上する点、及び低坪量部15がより低坪量になり通気性が向上する点で好ましい。歯溝ロール20,21の歯形としては、歯溝ロール20,21の歯形としては、一般的なインボリュート歯形、サイクロイド歯形が用いられるが、これらの歯幅を細くし、バックラッシ(噛み合った1対のロールの、お互いの歯と歯の隙間)を大きくしたものが好ましい。バックラッシの値としては好ましくは0.3mm〜3mm、好ましくは0.5mm〜1.5mmである。
図5には、複合体19が弾性発現処理される状態が模式的に示されている。複合体19が歯溝ロール20,21間を通過する際には、複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、ほとんど延伸されない。これに対し、駆動ロールである歯溝ロール21の歯24の歯面によって、従動ロールである歯溝ロール20の歯23の歯面に向けて押圧される領域(P2−P1間)においては、両歯20,21によって大きく延伸されて繊維が細くなる。また、歯溝ロール21の歯24の先端部によって、歯溝ロール20の歯23から引き離される領域(P4−P3間)においては、前記領域(P2−P1間)程ではないが、大きく延伸されて繊維が細くなる。
また複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24の先端部に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、前述のとおりほとんど延伸されないが、歯23,24の先端部によって、その径方向に、つまり複合体19の厚み方向に片押しされるので、厚み方向に薄くなる。ただし領域(P3−P2間)と領域(P1−P4間)とは片押しされる方向が反対向きであるため、薄くなる方向が反対向きとなる。
前記の延伸プロセスによって、弾性フィラメント13と両液透過性シート11,12との剥離を防止しつつ、複合体19における両液透過性シート11,12を効率的に延伸させ、複合体19に伸縮性を付与することができる。そして、大きく延伸される領域(P2−P1間及びP4−P3間)が低坪量部分15となり、ほとんど延伸されない領域(P3−P2間、P1−P4間)が高坪量部分14となる。
特に、液透過性シート11,12が不織布からなり、該不織布に、低延伸の繊維が含まれる場合には、上述した(P2−P1)間及び(P4−P3)間において、該繊維が引き伸ばされて細くなりその太さが周期的に変化した不定径繊維が形成される。低延伸の繊維の引き伸ばしは、(P2−P1)間及び(P4−P3)間の距離に応じて変化する。
液透過性シート11,12が低延伸の繊維を含む不織布からなる場合、歯溝ロール20,21による引き伸ばし力は、低延伸の繊維の引き伸ばしに主として作用し、液透過性シート11,12と弾性フィラメント13との接合部位には過度の力が加わらない。その結果、該接合部位の破壊や、液透過性シート11,12と弾性フィラメント13との剥離が生じるのを防止しつつ、複合体19を効率的に延伸させることができる。また、この延伸により、図6に示すように、繊維間の接合が破壊されずに液透過性シート11,12が十分に伸長され、それによって液透過性シート11,12が、弾性フィラメント13の自由な伸縮を阻害する程度が大きく低下する。その結果、本製造方法によれば、高強度・高伸縮性であり、また、破れや毛羽立ちの少ない外観の良好な伸縮シート10を効率的に製造することができる。なお図6においては、延伸によって生じた非弾性繊維の太さは便宜的に一様に表されている。
上述のとおり、液透過性シート11,12が低延伸の繊維を含む不織布からなる場合には、該繊維が首尾良く延伸されて、それらの繊維間の接合が延伸によって破壊されないので、弾性発現処理による液透過性シート11,12強度の低下が極力抑えられる。具体的には、弾性発現処理前の複合体19の引張強度に対する、弾性発現処理後に得られた伸縮シート10の引張強度の比は0.3〜0.99、特に0.5〜0.99、更には0.7〜0.99という1に近い値となる。ここで言う引張強度は、以下に述べる最大強度の測定法に従い測定される。
<最大強度の測定>
伸縮シート10の伸縮方向へ200mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで矩形の試験片を切り出した。チャック間距離は150mmとした。試験片を伸縮シート10の伸縮方向へ300mm/分の速度で伸長させ、そのときの荷重を測定した。そのときの最大点の荷重を最大強度とした。同様の方法によって、弾性発現処理前の複合体19についても最大強度を測定した。最大強度は、測定環境を20±2℃、湿度65±5%RHの条件で、好ましくは島津製作所製の引張試験機AG−1kNISを用いて測定される。
複合体19が一対の歯溝ロール20,21によって弾性発現処理されることで、目的とする伸縮シート10が得られる。得られた伸縮シート10は、歯溝ロール20,21を通過した後、自身の収縮復元力により速やかにMD方向への延伸状態が解放される。その結果、伸縮シート10は、搬送方向へ長さが概ね復元する。それによって、伸長した状態では高坪量部分14及び低坪量部分15が、弾性フィラメント13の延びる方向に交互に配列するようになる。なお、延伸状態を解放する場合、延伸状態が完全に解放されるようにしてもよく、伸縮性が発現する限度において、ある程度の延伸状態が維持された状態で延伸状態を解放してもよい。
前記の弾性発現処理加工によって、伸縮シート10の厚みは、弾性発現処理加工前の複合体19の厚みに対して1.1倍〜4倍、特に1.3倍〜3倍に増すことが好ましい。これによって、両液透過性シート11,12の構成繊維が塑性変形して伸びることで繊維が細くなる。これと同時に、両液透過性シート11,12が一層嵩高となり、肌触りが良く、クッション性が良好になる。
このようにして得られた伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って50%伸長させ、その状態から25%戻したときの荷重A(以下、25%戻り強度ともいう)と、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って50%伸長させたときの荷重B(以下、25%行き強度ともいう)との比(A/B)が50%以上、特に65%以上となることが、十分な伸縮特性の発現の点から好ましい。
また、具体的な用途にもよるが、伸縮シート10は、その全体の坪量が10〜150g/m2、特に25〜60g/m2であることが好ましい。伸縮シート10の厚みに関しては、0.05〜5mm、特に0.5〜2mmであることが好ましい。伸縮シート10の厚みは、先に述べた液透過性シート11の厚みの測定と同様の方法で測定される。
上述した組み合わせ以外に好適な実施形態を以下に示す。
(1)第1の液透過性シート11に伸長可能な薄用紙を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の透湿性フィルム(透湿性を示す開孔を有するが、液透過性を示さないもの)を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(2)第1の液透過性シート11に伸長可能な不織布を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の透湿性フィルム(元のフィルムは透湿性を示す開孔を有するが、液透過性を示さないもの)を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(3)第1の液透過性シート11に伸長可能な不織布を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性のクレープ加工薄葉紙を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(4)第1の液透過性シート11に伸長可能な透湿性フィルム(透湿性を示す開孔を有するが、液透過性を示さないもの)を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の不織布を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(5)第1の液透過性シート11に伸長可能な薄用紙を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の不織布を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(6)第1の液透過性シート11に伸長可能な不織布を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の不織布を用い、噛み込み延伸を施した伸縮シート。
(7)第1の液透過性シート11に伸長可能である不織布を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の透湿性フィルム(元のフィルムは透湿性を示す開孔を有するが、液透過性を示さないもの)を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(8)第1の液透過性シート11に伸長可能であるクレープ加工薄葉紙を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性の透湿性フィルム(元のフィルムは透湿性を示す開孔を有するが、液透過性を示さないもの)を用い、噛み込み延伸時に開孔加工を施した伸縮シート。
(9)第1の液透過性シート11に伸長可能である不織布を用い、第2の液透過性シート12に高伸長性のクレープ加工薄葉紙を用い、噛み込み延伸加工を施した伸縮シート。
以上の(1)ないし(9)の実施形態のうち、(2)、(6)及び(7)の実施形態の伸縮シートを、吸収性物品の表面シート又はセカンドシート(表面シートと吸収体との間に配されるシート)として用いると、液残りと液吸収の点で特に有用である。
これまでに説明してきた各実施形態の伸縮シート10は、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品の表面シートとして特に好適に用いられる。あるいは、吸収性物品における吸収体と表面シートとの間に配される液透過性の中間シートとしても好適に用いられる。またこれらの用途以外に、その良好な伸縮性や液の引き込み性等の利点を生かし、化粧落としシート、お掃除シート、医療用シート、包帯、絆創膏、等の各種の用途に用いることもできる。
次に、本発明の第2の実施形態を、図7ないし図9を参照しながら説明する。本実施形態に関し特に説明しない点については、前記の第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図7ないし図9において図1ないし図6と同じ部材には同じ符号を付してある。
本実施形態の伸縮シート10は、弾性フィラメント13の配置状態が第1の実施形態と相違している。図7に示すように、本実施形態においては、弾性フィラメント13は一方向に延び、かつランダムな波線を描くように蛇行している。「波線を描くように蛇行している」とは、図8(a)に示すように、弾性フィラメント13の延びる方向にY軸をとり、それと直交する方向にX軸をとり、弾性フィラメント13の任意の位置での接線のベクトルV1、V2、・・・Viを考えたときに、各ベクトルのY成分が0であるか又は正の方向を向くように蛇行していることを言う。したがって図8(b)に示すように、弾性フィラメント13の接線のベクトルViのY成分が負の方向を向く場合には、該弾性フィラメント13は、本発明に言う「波線を描くように蛇行している」に該当しない。例えば、螺旋形状は、「波線を描くように蛇行している」に該当しない。
弾性フィラメント13が、ランダムな波線を描くように蛇行していることで、該弾性フィラメント13は、その長さ方向の任意の位置において、近接する別の弾性フィラメント13と交差して交点を有する。この交点の位置において弾性フィラメント13どうしが結合している。その結果、弾性フィラメント13の全体としてみると、ランダムな網目構造が形成されている。それぞれの網目は弾性フィラメント13の延びる方向に概ね縦長の異方性のある形状になっている。1本の弾性フィラメント13に着目した場合、該弾性フィラメント13は、そのすぐ隣に位置する弾性フィラメント13と交差していることが多いが、場合によっては2本以上隣に位置している弾性フィラメント13と交差していることもある。
伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸縮可能になっている。また、弾性フィラメント13がランダムな網目構造を形成していることで、伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向にも伸縮可能になっている。ただし、伸縮性の程度は、弾性フィラメント13の延びる方向の方が顕著である。
伸縮シート10の伸縮性に関し、上述した25%戻り強度(A)/25%行き強度(B)の比は、弾性フィラメント13の延びる方向において50%以上、特に65%以上であることが好ましい。弾性フィラメント13の延びる方向1と直交する方向2における戻り強度の比(A1/(A1+A2))の値は60%以上、特に80%以上であることが好ましい。こうすることで幅縮みとタテヨコ伸縮の両立ができる。更に、弾性フィラメント13の延びる方向で測定された比(A/B)の値と、該方向と直交する方向で測定された比(A/B)の値との比率(前者/後者)は1.0〜1.5、特に1.0〜1.3であることが好ましい。
本実施形態の伸縮シート10は、第1の実施形態で用いた図4に示す装置と類似の装置である図9に示す装置によって好適に製造される。図9に示す装置では、図4に示す装置に加えて、紡糸ヘッド17に、気体の吹き出し部23が備えられている。吹き出し部23はスリット状の形状をしている。このスリットは、紡糸ノズル16の配列方向に沿って延びている。吹き出し部23は、紡糸ノズル16を挟んで一対設けられている。吹き出し部23からは空気を始めとする気体が、紡出されたフィラメント13に吹き付けられる。この気体は加熱されていないか、又は加熱されたものである。吹き出し部23は、紡糸ノズル16の近傍の位置であって、かつ弾性フィラメント13に気体を吹き付けられる位置に設置されている。
紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、それぞれ原反から互いに同速度で繰り出された、走行方向が同方向であるシート11及びシート12と合流する。そして、その合流位置において弾性フィラメント13をシート11とシート12との間に挟んで融着させる。これによって、弾性フィラメント13が、シート11及びシート12の走行方向に延びている複合体19を得る。
弾性フィラメント13をシート11及びシート12で挟んで引き取ることで、紡糸ノズル16と前記合流位置との間において弾性フィラメント13は延伸する。紡糸ノズル16と前記合流位置との間で延伸されている弾性フィラメント13には、吹き出し部23から吹き出された気体が吹き付けられる。気体の吹き付けによって、弾性フィラメント13には揺らぎが生じる。この揺らぎは、紡糸ノズル16と前記合流位置とを支点として、両支点の間において延伸方向と直交する方向に生じる。その結果、瞬間的に観察すると、弾性フィラメント13には、ランダムな波線を描くように蛇行する揺らぎが生じる。ただし、弾性フィラメント13は、紡糸ノズル16と前記合流位置とを支点として、両支点間において緊張状態にあるので、上述した図8(b)に示すような揺らぎの状態となることはない。
弾性フィラメント13の揺らぎの程度を適切に制御することで、一の弾性フィラメント13が、それに近接する他の弾性フィラメント13と交差し、その交差によって弾性フィラメント13どうしの交点が融着によって結合する。このような交差・結合がいたる場所において生じることで、紡糸ノズル16と前記合流位置の間において弾性フィラメント13による網目構造が形成される。弾性フィラメント13の揺らぎの結果で生じる結合を確実なものとするため、紡糸ノズル16と前記合流位置の間では、弾性フィラメント13は融着可能な状態になっていることが好ましい。この観点から、吹き出し部23から吹き出される気体は、所定温度に加熱されていることが好ましい。弾性フィラメント13の原料である弾性樹脂の溶融温度を、第1の実施形態に関して上述したする範囲に設定する場合には、吹き出し部23から吹き出される気体の温度は50〜400℃、特に80〜200℃とすることが好ましい。
弾性フィラメント13は、上述の網目構造を形成した状態で、その固化前に、即ち融着可能な状態でシート11及びシート12と合流する。その結果、網目構造を形成した弾性フィラメント13は、シート11及びシート12に挟持された状態で、シート11及びシート12に融着する。その後は第1の実施形態と同様の操作に付されて、目的とする伸縮シート10が得られる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。第1の実施形態においては、弾性フィラメント13はすべて同径で、等ピッチで配置されていたので、伸縮シート10のどの部分をとっても伸長応力は同じになっていた。しかし、これに代えて、弾性フィラメントの伸長方向における伸長応力が異なる2以上の領域からなるように伸縮シートを構成してもよい。2つ以上の該領域は、該伸長方向に対してほぼ並列配置されている。この場合、伸長応力が異なる各領域間では、隣り合う弾性フィラメントのピッチが異なっているか、及び/又は、弾性フィラメントの直径が異なっている。それによって各領域間での伸長応力を異ならせることができる。伸縮シートの製造時に、2種以上の異なる樹脂を、任意の紡糸ノズルに導入して紡糸を行うことでも、各領域間での伸長応力を異ならせることができる。
伸縮シート10に部分的にエンボス加工を行ったり、弾性フィラメント13を部分的にカットしたり部分的に熱シールしたりすることもできる。これらの操作は、伸縮シート10に伸縮しない部分を形成したり、強度を部分的に上げたりする目的で行われる。あるいは、他の部材と貼り合わせたり、デザイン性を持たせたりする目的で行う。
また、弾性フィラメント13を液透過性シート11,12に接合した後に行う弾性発現処理に関し、弾性発現処理方向は液透過性シート11,12の流れ方向のみでなく、例えば斜めであっても良い。更に、2種以上の弾性発現処理方法を組み合わせたり、段階的に延伸倍率を上げたり、部分的に弾性発現処理を行ったりすることもできる。弾性発現処理方向は一方向のみでなく、直交する二方向であってもよい。一方向に伸縮する不織布とこれに直交する方向に伸縮する不織布とを接合して、伸縮シートの全方向に伸縮性を持たせることもできる。
また前記実施形態の製造方法においては、複合体19の弾性発現処理加工に一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置を用いたが、これに代えてテンターを備えた弾性発現処理装置を用いて弾性発現処理加工を行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図4に示す装置を用いて図1及び図2に示す構造の伸縮シート10を製造した。第1の液透過性シート11として、坪量10g/m2のエアスルー不織布を用いた。この不織布の構成繊維は撥水油剤を用いて繊維処理されたもので、直径19μm、最大伸度180%、繊維長44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)であった。第2の液透過性シート12として坪量20g/m2のエアスルー不織布を用いた。この不織布の構成繊維は、親水油剤を用いて繊維処理されたもので、直径19μm、最大伸度170%、繊維長44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)であった。弾性フィラメント13の原料樹脂としては、SEPS樹脂(重量平均分子量5万、MFR60g/10min(230℃、2.16kg)(JIS K7210:1999)からなるエラストマーを用いた。紡糸条件は、紡糸ヘッド17の温度310℃、紡糸ノズル16の径450μm、紡糸ノズル16のピッチ1.5mmとした。弾性フィラメント13の直径は145μmであった。フィラメントの見掛け坪量(伸縮シート10中のフィラメント重量/伸縮シート10の面積)は10g/m2、延伸倍率9.6倍であった。延伸倍率は、(ノズル孔径/伸縮発現処理前繊維径)2で定義される。弾性発現処理加工は、歯と歯底が軸長方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用いて行った。歯間及び歯底間のピッチはそれぞれ2.0mmであった(噛み合った状態での歯間のピッチPは1.0mmとなる)。上下の歯溝ロールの押し込み量を調整し、延伸倍率3.0倍にて複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に弾性発現処理させた。これにより弾性フィラメント13の延びる方向に伸縮する坪量36g/m2の伸縮シート10が得られた。得られた伸縮シート10は、不織布越しに弾性フィラメント13に起因する縞模様を呈していた。また高坪量領域及び低坪量領域に起因する縞模様も呈していた。これら2つの縞模様によって、伸縮シートは格子状の模様も呈していた。また、伸縮シート10における弾性フィラメント13は、該シート10の平面方向に長軸を有する楕円形の断面を有しており、長軸/短軸の比は1.6であった。1.5倍伸長時の幅は元の96%であり、縮みは4%であった。伸縮シート10における液透過性シート11,12の構成繊維は、繊維の長手方向に沿う太さが一様になっていないものであることを、顕微鏡観察によって確認した。該構成繊維は、最大繊維径が26.1μmで、最小繊維径が6.8μmであり、繊維径比は3.8であった。また、繊維径は、この範囲で太さが周期的に変化していた。このようにして得られた伸縮シート10にピン開孔処理を施し、液透過性の伸縮表面シートを得た。肌側表面には第1の液透過性シートを用い、吸収体面側には第2の液透過性シートを用いた。この伸縮表面シートを用い、常法にて生理用ナプキンを製造したところ、このナプキンは液残り防止性及び伸縮性に優れるものであった。
〔実施例2〕
第1の液透過性シート11として、坪量20g/m2のエアスルー不織布を用いた。この不織布の構成繊維は撥水油剤を用いて繊維処理されたもので、直径20.5μm、最大伸度300%、繊維長44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)であった。これ以外は実施例1と同様に行った。実施例1と同様に常法にて生理用ナプキンを製造したところ、このナプキンは液残り防止性及び伸縮性に優れるものであった。
〔実施例3〕
第1の液透過性シート11として、坪量20g/m2で、炭酸カルシウム及びポリエチレンを含有する透湿度2.2g/(100cm2・hr)の延伸透湿性フィルムを用いた。これ以外は実施例1と同様に行った。噛み込みによる伸縮発現処理により周期的な開口部が透湿シート層に形成された。実施例1と同様に常法にて生理用ナプキンを製造したところ、このナプキンは液残り防止性及び伸縮性に優れるものであった。
図1は、本発明の伸縮シートの第1の実施形態を示す一部破断斜視図である。 図2(a)及び(b)はそれぞれ、図1に示す伸縮シートにおける弾性フィラメントの延びる方向に沿う自然状態及び伸長状態での縦断面図である。 図3は、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を示すSEM像である。 図4は、図1に示す伸縮シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。 図5は、図4に示す装置によって複合体が弾性発現処理される状態を示す模式図である。 図6は、非弾性繊維が弾性発現処理される状態を示す模式図である。 図7は、本発明の伸縮シートの第2の実施形態を示す一部破断斜視図(図1相当図)である。 図8(a)は、第2の実施形態の伸縮シートにおける弾性フィラメントの蛇行の状態を示す模式図であり、図8(b)は、第2の実施形態に含まれない蛇行の状態を示す模式図である。 図9は、図7に示す伸縮シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図(図4相当図)である。
符号の説明
10 伸縮シート
11 第1の不織布
12 第2の不織布
13 弾性フィラメント
14 高坪量領域
14' 頂部
14" 谷部
15 低坪量領域
15' 稜線部

Claims (15)

  1. 一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、親水性の程度及び/又は嵩密度が相違する2枚の伸長可能な非伸縮性の液透過性シート間に接合されている伸縮シート。
  2. 多数の前記弾性フィラメントが、互いに交差せずに一方向に延びている請求項1記載の伸縮シート。
  3. 多数の前記弾性フィラメントが、それぞれランダムな波線を描くように蛇行して、それらの交点で結合しランダムな網目構造を形成している請求項1記載の伸縮シート。
  4. 一方の面及び他方の面のそれぞれに、前記弾性フィラメントの延びる方向と交差する方向に延びる微小な凸部及び凹部が交互に形成されており、一方の面における凸部及び凹部の位置に、他方の面における凹部及び凸部が位置しており、
    伸縮シートのいずれかの位置に開孔が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の伸縮シート。
  5. 凸部又は凹部の位置に前記開孔が形成されている請求項4に記載の伸縮シート。
  6. 一方の面の凸部と、それに隣接する他方の面の凸部において、一方の面の凸部の長さが他方の面の凸部の長さよりも大きい請求項1ないし5のいずれかに記載の伸縮シート。
  7. 前記液透過性シートが伸長可能な非伸縮性不織布である請求項1ないし6のいずれかに記載の伸縮シート。
  8. 前記不織布が高伸長性である請求項7記載の伸縮シート。
  9. 一方の面の凸部と、それに隣接する他方の面の凸部との間の部位に位置する不織布の構成繊維の方が、該凸部に位置する不織布の構成繊維よりも細くなっている請求項1ないし8のいずれかに記載の伸縮シート。
  10. 前記弾性フィラメントが親水性である請求項1ないし9のいずれかに記載の伸縮シート。
  11. 前記液透過性シートが、親水化された後にそれよりも撥水性の処理を施された繊維からなるか、若しくは撥水化された後にそれよりも親水性の処理を施された繊維からなるか、
    又は前記液透過性シートは、シートを親水化した後にそれよりも撥水性の処理を施したものであるか、若しくはシートを撥水化した後にそれよりも親水性の処理を施したものである請求項1ないし10のいずれかに記載の伸縮シート。
  12. 前記液透過性シートは、シートを親水化した後にそれよりも撥水性の処理を部分的に施したものであるか、又はシートを撥水化した後にそれよりも親水性の処理を部分的に施したものである請求項1ないし11のいずれかに記載の伸縮シート。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の伸縮シートを具備してなる吸収性物品。
  14. 親水性の程度及び/又は嵩密度が相違する2枚の伸長可能な非伸縮性の液透過性シート間に、一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが実質的に非伸長状態で挟持されてなる複合体に、該弾性フィラメントの延びる方向に沿って弾性を発現させる工程を含む伸縮シートの製造方法であって、
    弾性を発現させる処理が、それぞれ歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロールを備えた弾性発現処理装置における該歯溝ロール間に前記複合体を噛み込ませる噛み込み延伸である伸縮シートの製造方法。
  15. 噛み込み延伸を、伸長可能な非伸縮性の液透過性シートの構成素材の融点よりも低い温度で行い、それによって伸縮シートの一方の面及び他方の面のそれぞれに、弾性フィラメントの延びる方向と交差する方向に延びる微小な凸部及び凹部を、弾性フィラメントの延びる方向に交互に形成するとともに、一方の面の凸部の長さを、それに隣接する他方の面の凸部の長さより小さくする請求項14記載の製造方法。
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