JP2010005246A - ステント主線と線状部品との接続部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステント主線に対し接合パイプを介してストラットやスタビライザー用フック等の線状部品を接続する際に、簡単な構造でこれらの線状部品に於ける折り返し端部、折り曲げ部、拡径部がバルーンや人工血管に悪影響を与えることがない接続部構造を提供する。
【解決手段】ステント主線と線状部品との接続部構造は、ステント主線2とストラット4を接合パイプ7を介して接続すると共に、接合パイプ7を貫通したストラット4の端部4aを折り返し、又は折り曲げ、或いは拡径し、折返端部11、又は拡径端部12、或いは折曲端部13の少なくとも外側を面取りして面取り部11a、12a、13aを形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ステント主線と線状部品との接続部構造は、ステント主線2とストラット4を接合パイプ7を介して接続すると共に、接合パイプ7を貫通したストラット4の端部4aを折り返し、又は折り曲げ、或いは拡径し、折返端部11、又は拡径端部12、或いは折曲端部13の少なくとも外側を面取りして面取り部11a、12a、13aを形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ステント主線に対してストラット、ステントにスタビライザー用フックを含む線状部品を接続する際のステント主線と線状部品との接続部構造に関するものである。
体内には血管、胆管、尿管或いは食道等多くの管状組織があり、夫々狭窄や閉塞等の特有の疾患が発生する虞がある。例えば血管の場合では、狭窄や閉塞、動脈瘤や静脈瘤等の疾患が生じることがある。そして、有効な治療を行なうために種々の器具の開発がなされている。
最近では、血管の狭窄部や動脈瘤を治療する際にステントと呼ばれる金属製の円筒状の器具が用いられることが多い。例えば、狭窄部を治療する場合には、ステントをシース或いはカテーテル(以下シースという)内に収容して患部に搬送し、患部に到達した後、シースから離脱させてバルーンによって拡径することで、狭窄部を拡大すると共に留置して治療するものである。また大動脈瘤を治療する場合には、ステントに人工血管を被覆したステントグラフトを動脈瘤の内側に留置し、このステントグラフトによって血液の圧力に対抗させ、これにより、動脈瘤に圧力が作用しないように治療するものである。
ステントとしては、網状に形成された金属製の円筒を用いた網状ステントがある。また、特許文献1、2に記載されているように、丸棒状の線材をジグザグに折り曲げると共に線材の端部どうしを接合することで、全体の形状を円筒状に形成したループを用いたループステントも提供されている。
特に、ループステントを用いたステントでは留置すべき患部の状況に対応させて最適なものが個別に用いられている。即ち、ループステントを単独で用いる場合と、患部の湾曲状態に合わせて複数のループステントを長手方向に配置すると共にこれらのループステントをストラットと呼ばれる線状部品によって互いに接続した複合ステントとして用いる場合とがある。
上記ステントでは、先頭に位置するループステントにはシースに収容されたステントを患部に留置する際に利用されるスタビライザー用フックが取り付けられている。更に、ステントを構成する何れかのループステントにはステントをシースに挿入する際に、或いは患部にステントを留置する際に該ステントの位置を調整したり、シースに引き戻す際に利用する線状部品も配置されている。
ステントを構成する、ループステント、先頭部分に取り付けられるスタビライザー用フック、隣設するループステントを接続するストラット、引き戻し用部材、は夫々金属製の丸棒状の線材によって形成されている。そして、ループステントとスタビライザー用フック、ループステントとストラット、ループステントと引き戻し用部材、の接続部位には夫々接続部が形成される。
ステントに於ける丸棒状の線材どうしを接続する接続部の構造の例を、特許文献1、2により説明する。先ず、ループステントに於ける対象部位のステント主線、及びストラット、スタビライザー用フック、引き戻し用部材の端部を扁平に成形しておく。その後、これらの成形部位を互いに重ね合わせて略矩形状に形成したパイプに挿入し、このパイプをかしめることで、ステント主線に対し、ストラット、スタビライザー用フック、引き戻し用部材の何れかを接続している。
本件出願人に於ける研究の結果、上記特許文献1、2に記載された接続部の構造では、ステントを患部に留置するとき、ステントを器官に固定してシースを引き抜く際に、ステントに作用する引張方向の力が作用することが判明した。この引張方向に力によって接続部に於けるステント主線と、スタビライザー用フック、ストラット、引き戻し用部材との間に滑りが生じることがあり、これらがパイプから離脱してしまう虞があることが判明した。
上記研究の結果から、本件出願人は特許文献3に記載したステントを提案している。この技術は、ステント主線、ストラット、スタビライザー用フックを含む線状部品を接合パイプを介して接合する際に、線状部品に係止部を形成するものである。このため、ステントに引張力が作用して接合パイプに嵌合された線状部品に滑りが生じた場合、係止部が接合パイプと係合し、線状部品が離脱することがない。
本件発明者等は、更に、ステントに関する開発を継続している。この過程で特許文献3に記載されているステントであっても未だ完全なものではなく、幾つかの改良すべき点が存在することが判明した。
即ち、特許文献3では、線状部品に形成された係止部が接合パイプからはみ出した部位での変形がある場合、この部分を研磨して折曲部や折返端が接合パイプの外径と略同じ寸法になるのが好ましいとされている。しかし、折曲部や折返端を接合パイプの外径と略等しくなるまで研磨することは容易ではなく、作業に要するコストが上昇するという問題がある。このため、より簡単は手法でバルーンや人工血管に悪影響を与えることがない接合部の構造を開発することが望まれている。
本発明の目的は、ステント主線に対し接合パイプを介してストラットやスタビライザー用フック等の線状部品を接続する際に、簡単な構造でこれらの線状部品に於ける折り返し端部、折り曲げ部、拡径部がバルーンや人工血管に悪影響を与えることがない接続部構造を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るステント主線と線状部品との接続部構造は、ステント主線と線状部品を接合パイプを介して接続すると共に、接合パイプを貫通した線状部品の端部を折り返し、又は折り曲げ、或いは拡径し、前記折り返した端部、又は折り曲げた端部、或いは拡径した端部の少なくとも外側を面取りしたものである。
本発明に係るステント主線と線状部品との接続部構造では、接合パイプを貫通した線状部品の折り返した端部、折り曲げた端部、拡径した端部の少なくとも外側を面取りすることによって、バルーンや人工血管に悪影響を与えることがない。前記端部の外側とはステント主線に沿わせた線状部品のステント主線から離隔した側であり、この外側を面取りする作業は極めて容易である。
従って、ステントに引張方向の力が作用した場合であっても、該ステントを構成する線状部品どうしの接続を確実に維持することができる。また、ステント主線と線状部品との接続部とバルーン或いは人工血管との間に相対的な移動が生じるような場合、この移動を円滑に行うことが可能であり、且つこの移動に際して折り返した端部や折り曲げた端部或いは拡径した端部がバルーンや人工血管を傷付けるような虞もない。
以下、本発明に係るステント主線と線状部品の接続部構造の好ましい実施形態について説明する。本発明の対象となるステントは、生体に於ける血管や胆管,尿管或いは食道等の管状組織に対して適用されるものであり、これらの管状組織に狭窄や閉塞等の疾患が発生したとき、特に、血管の場合には、動脈瘤や静脈瘤が発生したとき、患部に留置されて該患部に於ける管状組織を補強する機能を有するものである。
本発明のステント主線と線状部品の接続部構造は、金属製の丸棒状の線材によって構成されたステント主線と、ストラット或いはスタビライザー用フック等を含む線状部品を接合パイプを利用して接続したものである。そして、ステント主線に接続される線状部品の接合パイプを貫通した端部を折り返し又は折り曲げ或いは拡径し、これらの端部の外側を面取りしたものである。
従って、ステントが筒状ステントとして構成されているか、ループステントとして構成されているか、も問うものではなく、これらが線状の材料を利用しているか否かを問うものである。以下の例ではループステントを用いた場合について説明する。
ループステントは、金属製の丸棒状の線材(ステント主線)をジグザグに折り曲げると共に、両端部を突き合わせ溶接或いはスリーブに挿入してかしめることで筒状に形成されている。このループステントは、ステント主線の両端部が互いに突き合わされた状態で溶接或いはかしめられて相対的に回転不能に接続されているので、縮径してシースに挿入する際に変形することがなく、従って、シースから離脱して拡径する際に元の形状に正確に復帰することが可能である。
ステントは長さや太さを限定するものではなく、留置すべき患部に対応させて最適な形状と太さを持って構成される。このため、ステントは、1個のループステントによって構成される場合と、複数個のループステントを長手方向に接続して構成される場合とがある。何れの場合でも、ステントの先頭側にスタビライザー用フックが接続され、後端側に向けて引き戻し部材が接続されている。また複数個のループステントを長手方向に接続して構成する場合には、ループステントどうしがストラットを介して接続されている。
従って、ステントを構成する場合、1個のループステントと、このループステントに接続されるスタビライザー用フックは必須であるが、ストラット及び引き戻し部材を含む他の部品は必須ではない。即ち、ストラットは複数のループステントを接続してステントを構成する際に必要な部品であり、1個のループステントによってステントを構成する際には必要としない。
また、ステントは、ループステント、スタビライザー用フック、ストラット及び引き戻し部材のみによって構成されるものではなく、必要に応じて前記各部材に加えて人工血管を被覆する際に用いるリングやフィンを含む複数の部品を有して構成される。これらの部品は、夫々断面が円形の金属製の線材を用いた線状部品として構成されている。
即ち、本発明に於いて線状部品とは、ステントを構成するのに必要な部品であって金属製の線材からなり、ループステント或いはストラットに対し接合パイプを介して接続される全ての部品を対象とするものである。従って、以下の説明では省略されている部品であっても本発明のステントを構成するものであれば含むものである。
本発明に於いて、ループステントやストラットに代表される線状部品を構成する金属製線材の材料は特に限定するものではなく、適度な弾性と可撓性を有し且つ生体組織に悪影響を及ぼす虞のない金属を素材とするものであれば利用することが可能である。このような金属としては、ステンレス鋼やNi−Ti合金からなる形状記憶合金等の金属製の線材があり、これらの材料を選択的に用いることが可能である。
線状部品の材料としては、生体適合性に対し高い信頼性を持ったオーステナイト系ステンレス鋼からなる線材を用いることが好ましく、特に、所定の径を持ったオーステナイト系ステンレス線材を予め設定された減面率で冷間線引き加工することで、組織をファイバー状に伸長させた線材は、長期間にわたって、適度な弾性と可撓性を維持し且つ高い靱性を有するため好ましい。
本発明に於いて、接合パイプの形状を限定するものではなく、接続部に於ける線状部材を挿通することが可能な形状であれば良い。また、線状部品を構成する線材の接続部に於ける断面形状を限定するものではない。即ち、接続部に於ける線材の断面形状は、円形や扁平な四角形、或いは他の形状の何れの形状であっても良く、例えば、接続部に於ける相対的な回転を可能とするか、或いは不能とするか等の、接続部に要求される条件に応じて適宜設定することが好ましい。
従って、円形を平たくした長円形のパイプであって良い。特に、線状部品の相対的な回転を防止し得るように構成する場合には、これらの線状部品の接続部位を扁平に成形すると共に、接合パイプとしては扁平に形成された線状部品を挿通することが可能なように断面が角型に形成されたものを用いることが好ましい。
また接合パイプの長さも特に限定するものではなく、線状部品どうしを確実に接続し得る長さであれば良い。特に、ステントがループステントである場合、該ループステントに対して線状部品を接続する工程はループステントとして製作された後となる。従って、接合パイプはループステントの端面どうしを溶接する以前にステント主線に挿通されるため、ループステントに形成されたジグザグの屈曲部を円滑に通過し得ることが必要な条件となる。
このため、接合パイプは1個のパイプによって構成される場合もあるが、長さが短くジグザグの屈曲部を容易に通過し得るように形成された複数の単位パイプによって構成することが好ましい場合もある。従って、本発明では、接合パイプは必ずしも1個のパイプによって構成されているものに限定されず、複数個の単位パイプを連続させて構成したものを含む。
また接合パイプの材質も特に限定するものではなく、生体に対して悪影響を与えることがなく、且つかしめ力が作用したときこの力に応じて変形し、且つ長期間にわたって十分な強度を維持し得る材質であれば利用することが可能である。このような接合パイプを構成する材料として、オーステナイト系ステンレス鋼からなるパイプを用いることが好ましい。
本発明では、接合パイプを貫通した線状部品の端部を折り返し、折り曲げ、拡径することで、接合パイプに係止し得るように構成している(以下、折り返し端部、折り曲げ端部、拡径端部を総称して「係止部」という)。このため、線状部品であるループステント又はストラットに作用した力によって、これらの線状部品が接合パイプから引き抜かれようとしたとき、係止部が接合パイプに係止されて接続状態を維持することが可能である。
線状部品に形成される係止部は必ずしも接合部に於ける両方の線状部品に形成する必要はないが、端部が接合パイプに挿通される線状部品の場合、該端部を接合パイプに貫通させて係止部を形成することは必須である。即ち、ループステントとストラットとの接続部では、ストラットの接合パイプを貫通した端部に係止部を形成することで、ストラットの接合パイプからの離脱を防止することが可能である。
線状部品に形成する係止部の形状や構造は、前述したように、接合パイプを貫通した線状部品の端部を反対方向に180度折り返して接合パイプの端部に係止させるようにした折り返し端部によって、又は接合パイプを貫通した線状部品の端部を略直角に折り曲げて接合パイプの端部に係止させるようにした折り曲げ端部によって、或いは接合パイプを貫通した線状部品の端部をプレスして拡径して接合パイプの端部に係止させるようにした拡径端部によって構成することが可能である。
上記の如く形成された折り返し端部、折り曲げ端部、拡径端部(係止部)の少なくとも外側は面取りされることで、これらの端部に対して他の部品に相対的な移動が生じたときにも悪影響を与えることがないように構成されている。前記各端部に形成される面取りの形状は特に限定するものではなく、端部のエッジを曲面状にするR面取り、端部のエッジを45度の斜面に形成するC面取り、或いは単に端部のエッジを鈍角にする面取り、等の何れであっても良い。
次に本実施例に係るステント主線と線状部品との接続部構造について図を用いて説明する。図1は接続部構造を説明する図である。図2は複数のループステントをストラットによって接続して構成したステントとシースとの関係の例を説明する図である。図3は拡径したループステントとストラットとの関係を説明する図である。
本発明の実施例に係る接合部構造を説明するに先立って、複数のループステントを連結したステントの構成について簡単に説明する。
図2、3に示すように、ステント1は、ジグザグ状に曲げ加工したステント主線2の端面どうしを突き合わせ溶接することでループ状に形成した複数のループステント3を直列に配置し、これらのループステント3を少なくとも2本のストラット4を介して接続して構成されている。また先頭に位置するループステント3にはスタビライザー用フック5が接続されている。
ループステント3に於けるステント主線2の突き合わせ溶接部位及びその近傍では、ファイバー状に伸長したオーステナイト組織が溶接による熱影響を受けて粗大化した粒状組織となり強度が低下する。このため、溶接部位及びその近傍には保護パイプ6が配置され、該保護パイプ6によって溶接による劣化部分が補強されている。
また、ループステント3とストラット4との接続部、及びループステント3とスタビライザー用フック5との接続部には接合パイプ7が配置されており、接合パイプ7にステント主線2と後述するような係止部が形成されたストラット4或いはスタビライザー用フック5が挿入されてかしめによって一体的に接続されると共に、係止部が接合パイプ7に係止されるように構成されている。
ループステント3を構成するステント主線2は、インプラント用ステンレスとして好ましく利用されているSUS316Lからなる線材を冷間線引き加工によって組織をファイバー状に伸長させることで、加工硬化を発揮させると共に機械的性質を向上させた材料を用いている。またストラット4及びスタビライザー用フック5、更に、保護パイプ6、接合パイプ7もステント主線2と同様のオーステナイト系ステンレス鋼の線材、特にSUS316Lからなる線材を冷間線引き加工によって組織をファイバー状に伸長させた材料を用いている。
ループステント3、ストラット4、スタビライザー用フック5を構成する線材の太さは留置対象となる器官によって異なるものの、本実施例ではループステント3のステント主線は直径が約0.4mm〜0.5mm程度であり、ストラット4、スタビライザー用フック5は直径が約0.5mm程度である。
接合パイプ7は、ステント主線2をジグザグに形成した後、端部を溶接する以前にステント主線2に挿通される。このため、接合パイプ7は、ジグザグ状に形成されたステント主線2の最小半径部分(ジグザグの屈曲部)を容易に通過し得る程度の長さであることが必要となり、短い長さを持った複数の単位パイプを連接させて接合パイプ7としている。例えば、ステント主線2の径が0.45mmである場合、接合パイプ7を構成する単位パイプの長さを0.98mmに設定し、この単位パイプを3個連接させることで接合パイプ6を構成している。
次に、ステント1に於ける接続部構造について図3により説明する。尚、ステント1に於ける接続部は、ループステント3とストラット4、ループステント3とスタビライザー用フック5の接続部位、及び図示しない他の線状部品どうしの接続部位に夫々形成される。しかし、これらの接続部は同じ構成であり、代表してループステント3のステント主線2とストラット4との接続部の構成について説明する。
本実施例に係るステント1の接続部はループステント3のステント主線2とストラット4を接合パイプ7に挿通してかしめることで構成され、係止部はストラット4の接合パイプ7を貫通させた端部4aに形成された折返端部11によって構成されている。
接合パイプ7は、同じ寸法と材質を持った3個の単位パイプ7a〜7cと、これらの単位パイプ7a〜7cの長手方向の両側に配置された2個の補助パイプ7d、7eと、を有して構成されている。各パイプ7a〜7eは予めループステント3のステント主線2に挿通されており、該ステント主線2に沿ってストラット4を接続する接続部となる位置まで移動している。
ストラット4の端部4aは所定の長さ範囲が予め焼鈍により軟化しており、ステント主線2に沿って配置されて接合パイプ7を貫通して該接合パイプ7から突出している。そして、端部4aを180度折り返した折返端部11が形成され、この折返端部11によって係止部が構成されている。そして、折返端部11が形成されたストラット4は、接合パイプ7をかしめることでステント主線2に接続されている。
折返端部11は、ストラット4の端部4aを接合パイプ7に貫通させた後、ステント主線2に干渉することがない方向、即ち、ステント主線2から離隔する方向に180度折り返すことで構成されている。従って、折返端部ウェッジ11が形成された部位では、ステント1の太さは、ステント主線2の太さに、ストラット4の太さの2倍を加えた寸法となり、他の部位と比較して大きいものとなる。
このため、ステント1に於ける折返端部11が形成されている部分が、ステント1を患部に留置する際に、隣接する他の部品との間に相対的な移動が生じたとき、他の部品に引っかかったり、大きな摩擦を生じさせるような悪影響を生じる虞がある。
このため、折返端部11の外側、即ち、折返端部11が形成されている部位に於けるステント主線2とは反対側の縁が曲面状に面取りされることによって、面取り部11aが形成されている。
折返端部11の面取り部11aは少なくとも外側に形成されていれば良く、両側面にわたって形成されていても良いことは当然である。また前述したように、面取り形状は曲面状のR面取りに限定するものではなく、C面取りや縁を単に鈍角にした面取りであっても良い。更に、R面取りの場合の形状は厳密に円弧状である必要はなく、曲線によって形成された面取りであれば良い。同様にC面取りの場合も厳密に45度の面取り形状である必要はない。
このように、折返端部11の少なくとも外側に面取り部11aを形成することによって、ステント1を患部に留置する際に、折返端部11が隣接する他の部品との間に相対的な移動が生じた場合であっても、折返端部11が他の部品に対して傷付けるような悪影響を生じることがない。
尚、折返端部11に面取り部11aを形成する作業は、やすりを用いて手作業で行っても良く、接合パイプ7をかしめる際に、同時にプレス成形しても良い。しかし、他の部品に対して損傷させるような虞をなくすためには、プレス成形よりも研削によることが好ましい。
次に、上記接続部を構成する手順について説明する。予めステント主線2に挿通された接合パイプ7を、ストラット4を接続すべき位置に移動させておき、この接合パイプ7に端部4aを焼鈍したストラット4を挿通して端部4aを突出させる。そしてストラット4の接合パイプ7から突出している端部4を180度折り返して折返端部11を形成した後、ストラット4のステント主線2に対する位置を調整する。
このようにしてストラット4のステント主線2に対する位置(ループステント3に対するストラット4の位置)を調整した後、ストラット4を矢印a方向に引っ張って折返端部11を接合パイプ7の端面に係合させ、この状態で接合パイプ7を構成する単位パイプ7a〜7cを強固にかしめると共に補助パイプ7d、7eをかしめ或いはつぶす。
上記の如くしてループステント3のステント主線2に対し接合パイプ7を利用してストラット4を接続することが可能である。このように構成された接続部では、折返端部11を構成するストラット7の端面は面取りがなされている。また、ステントグラフトを拡径する際に折返端部11がバルーンに損傷を与えることがないように、ステント主線2や接合パイプ7との間に形成される段差が可及的に小さくなるように形成される。
上記の如く、接合パイプ7を貫通したストラット4の端面は予め面取りがなされており、且つ折返端部11の少なくとも外側に面取り部11aが形成されている。即ち、ストラット4の端面は引張力が作用したときに接合パイプ7の端面と当接してこの力に対抗する機能を有する。このため、ストラット4の端面の面取りはバリ落とし程度のものである。従って、ストラット4の端部4aを折り返した折返端部11に面取り部11aを形成することで、隣接する他の部品に対して損傷を与える虞を減少することが可能である。
尚、折返端部11は必ずしも接合パイプ7によるかしめに先立って形成する必要はなく、接合パイプ7にストラット4を挿通して端部4aを突出させた後、接合パイプ7のかしめを行い、その後、端部4aを180度折り返して折返端部11を形成しても良い。
またループステント3のステント主線2に於けるストラット4の接続位置、及びストラット4の接合パイプ7に挿通されてかしめられる位置、夫々の断面形状は元の円形のままであっても良く、また扁平状に成形されていても良い。
このような接続部を有するステント1では、ストラット4に図3に示す矢印a方向の力が作用し、この力に応じてストラット4が矢印a方向へ滑ろうとしても、折返部11が接合パイプ7の端面に当接して係止されるため、ストラット4が接合パイプ7から離脱することがない。
上記接合パイプ7では、主として単位パイプ7a〜7cによってループステント3を構成するステント主線2とストラット4との接続を行い、補助パイプ7d、7eによってストラット4がステント主線2に対し急激な角度で曲がるのを防止している。
次に、複数のループステント3をストラット4によって接続すると共にスタビライザー用フック5を接続したステント1を患部に留置する手順について図1により簡単に説明する。
ステント1には円筒状のグラフト21が形成されており、シース22の内径に対応させて縮径されて該シース22内に収容されている。シース22にはダイレーター23が収容され、更に、先端が外部に露出したガイドワイヤ24が収容されている。ステント1の先頭に設けたスタビライザー用フック5は、ダイレーター23に設けた切欠に引っ掛けられている。
そして、医師が手元にある操作部を操作してダイレーター23によってスタビライザー用フック5を器官に固定し、この状態でシース22を手元にひくことで、ステント1はシース22から引き出されて拡径し、患部に留置されて該患部を治療することが可能である。
また、ステント1がシース22から引き出されると共にグラフト21が拡径する過程で、ステント主線1とストラット4との接合部を構成する折返端部11とシース21或いはグラフト22との間に相対的な移動が生じた場合であっても、折返端部11に面取り部11aが形成されていることから、この折返端部11がシース21からの引き出し作業に悪影響を与えたり、グラフト22に損傷を与える虞がない。
次に、ステント1に構成された接続部に於けるストラット4に形成される係止部の異なる実施例について図4により説明する。尚、本発明のステントでは、接続部に於ける係止部の形状や構造以外の構成(ループステント3やストラット4の構成)は同じであるため、接続部の構造について説明するものとする。
図4(a)は、ストラット4の端部4aに拡径端部12を形成し、この拡径端部12によって係止部を構成したものである。拡径端部12はプレス加工によって形成することが可能であり、接合パイプ7の直径を選択することによって、ストラット4を接合パイプ7に挿通するのに先立って形成しておくことも可能である。
このように、ストラット4の端部4aに拡径端部12からなる係止部を形成した場合には、該拡径端部12が接合パイプ7の端面と当接して係止され、ストラット4に接合パイプ7から引き抜く方向の力が作用した場合でも離脱することがない。
また拡径端部12にはステント主線2と対向する面とは反対側の面(外側)及び該面の両側面にC面からなる面取り部12aが形成されている。従って、隣接する他の部品に対して損傷を与える虞を減少することが可能である。
同図(b)は、ストラット4の端部4aを略直角に折り曲げた折曲端部13を形成し、この折曲端部13によって係止部を構成したものである。折曲端部13は、ストラット4を接合パイプ7に挿通する以前に形成しても良く、また接合パイプ7に挿通して該接合パイプ7をかしめた後、形成しても良い。
このように、ストラット4の端部4aに折曲端部13からなる係止部を形成した場合には、該折曲端部13が接合パイプ7の端面と当接して係止され、ストラット4に接合パイプ7から引き抜く方向の力が作用した場合でも離脱することがない。
また折曲端部13にはステント主線2と対向する面とは反対側の面(外側)を鈍角面からなる面取り部13aが形成されている。従って、隣接する他の部品に対して損傷を与える虞を減少することが可能である。
本発明に係るステント主線と線状部品との接続部構造では、ステントを患部に留置する際にシースから引き出されるとき、ステント主線と線状部品との接続部が他の部品を損傷したり、引き出し作業に悪影響を与えることがない。また、ステント主線と線状部品との接続部に力が作用しても、この力によってストラットが接合パイプから離脱する虞がない。このため、長期間体内に留置されるステントを構成する際に利用したときに有利である。
1 ステント
2 ステント主線
3 ループステント
4 ストラット
4a 端部
5 スタビライザー用フック
6 保護パイプ
7 接合パイプ
7a〜7c 単位パイプ
7d、7e 補助パイプ
11 折返端部
11a〜13a 面取り部
12 拡径端部
13 折曲端部
21 グラフト
22 シース
23 ダイレーター
24 ガイドワイヤ
2 ステント主線
3 ループステント
4 ストラット
4a 端部
5 スタビライザー用フック
6 保護パイプ
7 接合パイプ
7a〜7c 単位パイプ
7d、7e 補助パイプ
11 折返端部
11a〜13a 面取り部
12 拡径端部
13 折曲端部
21 グラフト
22 シース
23 ダイレーター
24 ガイドワイヤ
Claims (1)
- ステント主線と線状部品を接合パイプを介して接続すると共に、接合パイプを貫通した線状部品の端部を折り返し、又は折り曲げ、或いは拡径し、前記折り返した端部、又は折り曲げた端部、或いは拡径した端部の少なくとも外側を面取りしたことを特徴とするステント主線と線状部品との接続部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008170025A JP2010005246A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | ステント主線と線状部品との接続部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008170025A JP2010005246A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | ステント主線と線状部品との接続部構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010005246A true JP2010005246A (ja) | 2010-01-14 |
Family
ID=41586399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008170025A Pending JP2010005246A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | ステント主線と線状部品との接続部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010005246A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005102815A (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-21 | Terumo Corp | 生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 |
WO2008013042A1 (en) * | 2006-07-25 | 2008-01-31 | Mani, Inc. | Stent |
JP2008519668A (ja) * | 2004-11-10 | 2008-06-12 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | 配備に要する力を減じた外傷回避ステントと、その製造方法、ステント配備設置方法および装置 |
-
2008
- 2008-06-30 JP JP2008170025A patent/JP2010005246A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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