JP2010004149A - ハウリング防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的複雑な処理を行うことなく、ハウリングが発生しないように位相を変化させながら音声を出力するハウリング防止装置を実現する。
【解決手段】位相制御部2は、経時的に徐々に変化する位相調整値θを生成し、位相シフタ1の調整信号発生部121へ与える。位相シフタ1の位相調整器111、112は、シフタ入力信号に基づいて互いに位相がπ/2異なる二つの第1段位相調整済信号を出力する。調整信号発生部121は、位相調整値θの余弦値cos(θ)と正弦値sin(θ)とを生成し、乗算器123A,123Bへそれぞれ与える。乗算器123Aは、一方の第1位相調整済信号と余弦値cos(θ)とを乗算し、乗算器123Bは、他方の第1位相調整済信号と正弦値sin(θ)とを乗算する。加算器13は、これら乗算済み信号を加算することで、シフタ入力信号に対して徐々に位相が変化するシフタ出力信号を出力する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、出力音声信号が入力音声信号として帰還することで生じるハウリングを未然に防止するハウリング防止装置に関するものである。
拡声装置等では、ユーザの音声をマイクで収音し、収音信号を増幅してスピーカから放音する。この際、放音音声が再度マイクで収音されるフィードバックループによりハウリングが発生することがある。ハウリング音は、通常ユーザ等にとって不快なものであるので、従来、各種のハウリングキャンセラ(ハウリング防止装置)が考案されている。例えば、特許文献1では、入力音声信号に対して、それぞれに異なる四つの位相シフト(0°、45°、90°、135°)を行い、状況に応じて、これら位相シフト後の音声信号を用いてそれぞれに位相の異なる複数の出力用音声信号を生成し、クロスフェーダ等を用いて切り替えて出力している。
特開2006−261965号公報
従来のハウリングキャンセラでは、各種複雑な処理を行って出力用音声信号を得ている。例えば、上述の特許文献1では、(1)一つの入力音声信号に対して位相の異なる四つの音声信号を生成し、(2)これらを組み合わせて位相の異なる複数の出力用音声信号を生成する。さらに、(3)これら複数の出力用音声信号を切り替えて出力する。この際、(4)クロスフェード処理を行うことで出力される音声信号のレベルを一定に保持する。
このように、従来は、レベルが一定で位相が変化する出力音声信号を得るために、位相の異なる多くの音声信号を同時に生成したり、クロスフェードを行う等の比較的複雑でリソースを要する処理を行わなければならなかった。
本発明の目的は、比較的複雑な処理を行うことなく、ハウリングが発生しないように位相を変化させながら音声を出力するハウリング防止装置を実現することにある。
この発明のハウリング防止装置は、調整用位相値制御手段、第1段位相調整手段、第2段位相調整手段、および出力段加算器を備える。
第1段位相調整手段は、入力音声信号の位相を調整して、互いに位相がπ/2ズレた二つの第1段位相調整済信号を同期させて出力する。調整用位相値制御手段は、第1段位相調整済信号をさらに位相シフトさせるための第2調整用位相を経時的に変化させながら出力する。第2段位相調整手段は、第2調整用位相の正弦値および余弦値の一方を第1乗算係数とし他方を第2乗算係数として算出する。第2段位相調整手段は、二つの第1位相調整済信号の一方に対して第1乗算係数を乗算することで第1乗算済信号を出力する。また、第2段位相調整手段は、二つの第1位相調整済信号の他方に対して第2乗算係数を乗算することで第2乗算済信号を出力する。出力段加算器は、第1乗算済信号と第2乗算済信号とを加算して出力音声信号を生成する。
この構成では、まず、入力音声信号から、位相が互いにπ/2ズレた二つの第1段位相調整済信号が生成される。これら二つの第1段位相調整済信号には、常時π/2の位相差を保ちながら位相が変化する第1乗算係数、第2乗算係数がそれぞれ乗算される。具体的には、二つの第1段位相調整済信号の一方に第1乗算係数が乗算されて第1乗算済信号が生成され、他方の第1段位相調整済信号には第2乗算係数が乗算されて第2乗算済信号が生成される。これら第1乗算済信号と第2乗算済信号が加算される。これは、具体的に、入力音声信号および第1段位相調整済信号の一方をcosφとし、他方をcos(φ−π/2)とし、第2調整用位相をθとし、第1乗算係数をcosθとし、第2乗算係数をsinθとした場合における、
cosφ・cosθ+cos(φ−π/2)・sinθ −式1
に相当する。これは、位相φとθとの加法定理で単項のcos(φ−θ)と置き換わることを意味する。すなわち、入力音声信号に対して、位相θが異なる出力音声信号が得られる。この位相θは、調整位相値制御手段により経時的に変化させられているので、結果として、入力音声信号に対して振幅が変化することなく、位相のみが経時的に変化する出力音声信号が得られる。
また、この発明のハウリング防止装置の第1段位相調整手段は、π/2位相シフト回路と遅延回路とが入力音声信号に対して並列に設置された構成からなる。
この構成では、位相シフト回路を二つ設けることなく一つで済むので、演算処理を簡素化できるとともに、リソースを節約することができる。
また、この発明のハウリング防止装置の調整用位相値制御手段は、第2調整用位相を経時的に変化させる区間と、変化させない区間とが順に繰り返される位相制御を行う。
この構成では、上述のように、位相を変化させると、位相変化速度に応じて出力音声信号の周波数特性が変化してしまうが、位相を変化させない区間を設けることで、出力音声信号の周波数特性の変化による聴感上の違和感を緩和することができる。
また、この発明のハウリング防止装置は、上述の第1段位相調整手段と、第2段位相調整手段と、出力段加算器とからなる位相調整部を複数備える。さらに、ハウリング防止装置は、入力音声信号をそれぞれに異なる周波数帯域に帯域分割して、複数の位相調整部の第1段位相調整手段へ出力する帯域分割手段と、各位相調整部の出力音声信号を加算して合成出力信号を生成する合成出力部と、を備える。
この構成では、位相の変化を周波数帯域毎に分割して行う。これにより、周波数帯域毎に適した位相変化を設定することもできる。
この発明によれば、比較的簡素な構成および処理で、入力音声信号に対して同等の振幅で且つ位相が変化する出力音声信号を生成でき、ハウリングを防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係るハウリング防止装置について図を参照して説明する。図1は、本実施形態のハウリング防止装置を備えた拡声装置の構成を示すブロック図である。
拡声装置は、マイクMIC、スピーカSP、位相シフタ1、位相制御部2、増幅器3、ADコンバータ(ADC)4、デジタルアンプ(DAMP)5、適応型フィルタ6、加算器7を備える。ここで、位相シフタ1と位相制御部2とからなる部分が、本発明の「ハウリング防止装置」に相当する。
マイクMICは、ユーザの発声音等を収音して増幅器3へ与え、増幅器3は、収音音声信号を増幅してADC4へ与える。ADC4は、アナログの収音音声信号をデジタル形式に変換して、加算器7へ出力する。加算器7は、後述する適応型フィルタ6から与えられた疑似回帰音信号を収音音声信号から減算して、位相シフタ1へ出力する。
位相シフタ1は、入力された回帰音除去済みの音声信号(以下、単に「シフタ入力音声信号」)に対して、位相制御部2から与えられたシフト位相値θに基づいて位相調整を行う。位相シフタ1から出力されるシフタ出力信号は、DAMP5と適応型フィルタ6とに与えられる。
適応型フィルタ6は、加算器7の出力信号であるシフタ入力信号から推定したフィルタ係数を用いてシフタ出力信号に基づく上述の疑似回帰音信号を生成して、加算器7へ与える。
DAMP5は、位相調整後信号を増幅してスピーカSPに与え、スピーカSPは増幅された信号を放音する。
次に、位相シフタ1の具体的構成について図2を参照して説明する。図2は、図1に示した位相シフタ1の構成を示すブロック図である。
位相シフタ1は、第1段位相調整部11、第2段位相調整部12、加算器13を備える。なお、以下の説明では、シフタ入力信号x(t)として説明する
第1段位相調整部11は、位相調整器111、112を備え、シフタ入力信号x(t)がそれぞれ分配されて入力される。このシフタ入力信号x(t)が本発明の「入力音声信号」に相当する。位相調整器111は単なる遅延回路からなり、位相調整器112での位相調整により生じる遅延量に応じた遅延処理を、シフタ入力信号x(t)に対して行う。位相調整器112は、所謂ヒルベルトフィルタ等からなり、入力音声信号x(t)の全帯域での位相調整量を一致させた状態で位相調整を行う。この位相調整器112が本発明の「π/2位相シフト回路」に相当する。これにより、第1位相調整部11から出力される第1段位相調整済信号Z1(t),Z2(t)は、互いの振幅レベルが同じで、位相差が常にπ/2[rad]になる。
第2段位相調整部12は、調整信号発生部121と乗算器123A,123Bとを備える。調整信号発生部121は、余弦値発生部122Aと正弦値発生部122Bとを備える。
余弦値発生部122Aは、位相制御部2から与えられた位相調整値θに応じて余弦値cos(θ)を生成して、乗算器123Aへ出力する。ここで、この余弦値cos(θ)が本発明の「第1乗算係数」に相当する。
正弦値発生部122Bは、位相制御部2から与えられた位相調整値θに応じて正弦値sin(θ)を生成して、乗算器123Bへ出力する。ここで、この正弦値sin(θ)が本発明の「第2乗算係数」に相当する。
なお、位相調整値θは、経時的に値が変化する(変化区間と一定区間とが繰り返してもよい)ものであり、この設定パターンについて後述する。
乗算器123Aは、第1段位相調整済信号Z1(t)に余弦値cos(θ)を乗算して、第1乗算済信号Z1(t)・cos(θ)を出力する。乗算器123Bは、第1位相調整済信号Z2(t)に正弦値sin(θ)を乗算して、第2乗算済信号Z2(t)・sin(θ)を出力する。
加算器13は、第1乗算済信号Z1(t)・cos(θ)と第2乗算済信号Z2(t)・sin(θ)とを加算して、シフタ出力信号y(t)を生成して出力する。このシフタ出力信号y(t)が本発明の「出力音声信号」に相当する。
このように、位相シフタ1で位相調整処理を行った場合、シフタ入力信号x(t)とシフタ出力信号y(t)とは、以下の関係になる。なお、これらの信号は音声信号であり、マイクで収音可能な周波数帯域内に含まれる複数の周波数成分を備えるが、以下では、説明を簡単にするために、シフタ入力信号x(t)を振幅が規格化(「1」)された特定の周波数fでの余弦波として説明する。
すなわち、シフタ入力信号x(t)は次式(式2)で表される。
x(t)=cos(2πft) −式2
位相調整器111から出力される第1段位相調整済信号Z1(t)は、位相調整器111における遅延をτとすると、式3で表される。なお、ここで
Z1(t)=cos{2πf(t−τ)} −式3
一方、位相調整器112から出力される第1段位相調整済信号Z2(t)は、シフタ入力音声信号x(t)に対してπ/2だけ位相がシフトしているので、式4で表される。
Z2(t)=cos{2πf(t−τ)−π/2} −式4
ただし、τは位相調整器112による位相シフト演算に伴う遅延である。以下、(t−τ)をtに置き換える。これにより、第2段位相調整部12の乗算器123Aから出力される、第1乗算済信号Z1(t)・cos(θ)は、式5で表される。
Z1(t)・cos(θ)=cos(2πft)・cos(θ) −式5
一方、第2段位相調整部12の乗算器123Bから出力される、第1乗算済信号Z2(t)・sin(θ)は、式6で表される。
Z2(t)・sin(θ)=cos(2πft−π/2)・sin(θ) −式6
したがって、加算器13から出力されるシフタ出力信号y(t)は、式7で表される。
y(t)=Z1(t)・cos(θ)+Z2(t)・sin(θ)
=cos(2πft)・cos(θ)
+cos(2πft−π/2)・sin(θ) −式7
ここで、sin(θ)とcos(θ)との変換関係および加法定理を用いると式7からなるシフタ出力信号y(t)は、次式で表される。
y(t)=cos(θ)・cos(2πft)+sin(θ)・sin(2πft)
=cos(2πft−θ) −式8
このように、シフタ出力信号y(t)は、シフタ入力信号x(t)に対して、振幅レベルが変化することなく、位相調整値θに準じた位相シフトが行われた信号となる。そして、位相調整値θが変化させられていることで、シフタ出力信号y(t)は、シフタ入力信号x(t)に対して、変化する位相調整値θに応じた位相シフト量の信号となる。
このように位相調整値θを変化させることで、帰還系すなわち使用環境とこの使用環境下で帰還の対象となる音声の周波数特性とによって決まるハウリングが発生しやすい周波数が時々刻々と変化する。これにより、正帰還による特定周波数成分の成長が防止され、ハウリングの発生を防止することができる。
また、第1段位相調整部11の位相調整器111、112の一方を、単なる遅延回路とすることで、位相調整器111,112の双方をフィルタで構成しなくてもよいので、互いにπ/2の位相差を有する第1段位相調整済信号Z1(t),Z2(t)の生成を、簡素な回路構成および処理で実現することができる。
次に、位相調整値θの具体的な設定方法について説明する。
位相制御部2は、図3に示すような予め設定した位相シフトパターンに基づいて、例えばサンプリングタイミング等の所定タイミング毎に位相調整値θを決定し、調整信号発生部121へ与える。図3は、位相シフトパターンの例を示しており、(A)は位相が変化する区間と位相が変化しない区間とが繰り返されるパターンを示し、(B)は位相が常時変化するパターンを示す。
具体的には、図3(A)のパターンであれば、初期(t=0)での位相調整値θ=0として、時刻t1に応じたタイミングまでに経時的に位相調整値θを0からπ/2まで連続的に正の位相方向へ変化させる。この変化区間の時間長は例えば、50msec.であり、当該時間長程度で且つ若干長いものがより良い。この後、所定時間(t2−t1)の間は、位相調整値θをπ/2で一定にする。
時刻t2になると、時刻t3に応じたタイミングになるまで経時的に位相調整値θをπ/2からπまで連続的に変化させる。この変化区間の時間長は、位相調整値θを0からπ/2まで連続的に変化させた場合と同じに設定されている。この後、所定時間(t4−t3)の間は、位相調整値θをπで一定にする。
時刻t4になると、時刻t5に応じたタイミングになるまで経時的に位相調整値θをπから3π/2まで連続的に変化させる。この変化区間の時間長は、位相調整値θを0からπ/2まで連続的に変化させた場合と同じに設定されている。この後、所定時間(t6−t5)の間は、位相調整値θを3π/2で一定にする。
時刻t6になると、時刻t7に応じたタイミングになるまで経時的に位相調整値θを3π/2から2π(=0)まで連続的に変化させる。この変化区間の時間長は、位相調整値θを0からπ/2まで連続的に変化させた場合と同じに設定されている。この後、所定時間(t8−t7)の間は、位相調整値θを2π(=0)で一定にする。
以下、位相制御部2は、上述の位相調整値θを変化させる区間と一定にする区間とを繰り返す制御を行う。
この図3(A)に示すようなパターンを用いることで、位相を変化させることによって生じてしまう周波数特性の変化(δf=δθ/δt)がユーザの聴感に与える影響を緩和することができる。なお、この一定区間の長さは、使用環境等によって適切な値は異なるが、定性的には、当該一定区間でハウリングが発生しない時間長であればよい。
一方、図3(B)のパターンであれば、初期(t=0)での位相調整値θ=0として、所定時刻t11になるまで、経時的に位相調整値θを0から2πまで連続的に正の位相方向へ変化させる。位相制御部2は、上述の位相調整値θの変化を繰り返す制御を行う。
この図3(B)に示すようなパターンを用いることで、図3(A)のように一定区間がなくなるので、これに起因するハウリングの発生は防止できる。
なお、上述の各パターンでは、50msec.の時間長からなる変化区間で位相がπ/2シフトする例を示したが、より長くても、場合によっては短くてもよい。長くする場合、すなわち位相を変化させる割合を緩やかにする場合には、変化区間における周波数シフト量を低減させることができる。この場合、位相の変化割合が緩やかすぎると、変化区間でもハウリングが発生する可能性があるので、これら周波数シフト量による聴感上の問題と、ハウリングの発生の問題との双方を加味して変化区間長および当該変化区間長で変化させる位相シフト量を設定するとよい。なお、調整用位相値の変化の仕方は、上述の例に限らない。音質の変化が少なく、ハウリングを防止する効果が得られればよい。
次に、第2の実施形態に係るハウリング防止装置について図を参照して説明する。図4は本実施形態のハウリング防止装置を備えた拡声装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の図4に示すハウリング防止装置は、第1の実施形態の図1、図2に示したハウリング防止装置に対して、周波数分割の概念を用いたものである。したがって、拡声装置として第1の実施形態と同じ部分に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のハウリング防止装置は、周波数分割型位相シフタ8と位相制御部2’とを備える。周波数分割型位相シフタ8は、バンドパスフィルタBPF(A)〜BPF(M)と、位相シフタ81A〜81Mと、加算器82とを備える。なお、この説明では、バンドパスフィルタおよび位相シフタの数が、A〜Mの13個の例を示したが、この個数は装置仕様に応じて適宜設定すればよい。
バンドパスフィルタBPF(A)〜BPF(M)は、それぞれに異なる周波数帯域を通過帯域とする。バンドパスフィルタBPF(A)〜BPF(M)は、それぞれの通過帯域に応じてシフタ入力信号を帯域通過処理し、この帯域通過処理済みの個別帯域信号を、位相シフタ81A〜81Mへ出力する。
位相シフタ81A〜81Mは、バンドパスフィルタBPF(A)〜BPF(M)にそれぞれ対応して設置されており、それぞれが第1の実施形態に示した位相シフタ1と同様の構成からなる。位相シフタ81A〜81Mは、個別帯域信号が入力されると、位相制御部2’からの個別位相調整値θA〜θMに基づいて位相調整処理を行って、シフト済個別帯域信号を出力する。なお、個別位相調整値θA〜θMは、位相制御部2’にて、個別帯域毎に個々に設定された位相調整値である。そして、個別位相調整値θA〜θMは、第1の実施形態の図3に示したような位相シフトパターンが個別帯域毎に予め設定されており、このパターンに準じて変化する。
加算器82は、位相シフタ81A〜81Mからのシフト済個別帯域信号を加算して、周波数分割型位相シフタ8としてのシフタ出力信号を出力する。
このような構成であっても、上述の第1の実施形態と同様にハウリングを防止することができる。さらに、個別帯域毎に位相シフトパターンを調整することができるので、例えば、個別帯域毎に正帰還する信号のレベルの成長を観測する機能部を設ければ、この成長をトリガとして、特定の周波数帯域のみの位相シフトパターンを変えることもできる。
なお、以上の各実施形態では、位相を正方向へ変化させる方法を例に示したが、位相を負方向(2π(0)から0へ向く方向)へ変化させるようにしてもよい。
また、上述の位相を変化させる区間と、位相を一定にする区間とが繰り返されるパターンでは、一つの位相を変化させる区間でπ/4の位相変化を与える例を示したが、例えば、π/3の位相変化等、他の位相変化量であってもよい。
また、上述の説明では、ハウリング防止装置を拡声装置に備える例を示したが、ハウリングの発生が好まれない装置に対しては、上述のハウリング防止装置を設置することができ、上述の作用効果を奏することができる。
第1の実施形態のハウリング防止装置を備えた拡声装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した位相シフタ1の構成を示すブロック図である。 位相シフトパターンの例を示す図である。 第2の実施形態のハウリング防止装置を備えた拡声装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,81A〜81M−位相シフタ、2,2’−位相制御部、3−増幅器、4−ADコンバータ(ADC)、5−デジタルアンプ(DAMP)、6−適応型フィルタ6、7−加算器、11−第1段位相調整部、12−第2段位相調整部、13−加算器、111,112−位相調整器、121−調整信号発生部、122A−余弦値発生部、122B−正弦値発生部、123A,123B−乗算器、8−周波数分割型位相シフタ、82−加算器

Claims (4)

  1. 入力音声信号の位相を調整して、互いに位相がπ/2ズレた二つの第1段位相調整済信号を同期させて出力する第1段位相調整手段と、
    第2調整用位相を経時的に変化させながら出力する調整用位相値制御手段と、
    前記第2調整用位相の正弦値および余弦値の一方を第1乗算係数とし他方を第2乗算係数として算出し、前記二つの第1位相調整済信号の一方に対して前記第1乗算係数を乗算することで第1乗算済信号を出力するとともに、前記二つの第1位相調整済信号の他方に対して前記第2乗算係数を乗算することで第2乗算済信号を出力する第2段位相調整手段と、
    前記第1乗算済信号と前記第2乗算済信号とを加算して、出力音声信号を生成する出力段加算器と、を備えたハウリング防止装置。
  2. 前記第1段位相調整手段は、π/2位相シフト回路と遅延回路とが前記入力音声信号に対して並列に設置されている、請求項1に記載のハウリング防止装置。
  3. 前記調整用位相値制御手段は、前記第2調整用位相を経時的に変化させる区間と、変化させない区間とが順に繰り返される位相制御を行う、請求項1または請求項2に記載のハウリング防止装置。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の前記第1段位相調整手段と、前記第2段位相調整手段と、前記出力段加算器と、からなる位相調整部が複数備えられ、
    前記入力音声信号をそれぞれに異なる周波数帯域に帯域分割して、複数の前記位相調整部の第1段位相調整手段へ出力する帯域分割手段と、
    各位相調整部の出力音声信号を加算して合成出力信号を生成する合成出力部と、
    を備えた、ハウリング防止装置。
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