JP2010000657A - ガスバリア積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性高分子と金属アルコキシドあるいは金属アルコキシド加水分解物を含むガスバリア被覆層用溶液において、液安定性を向上させ、さらに、高いガスバリア性を維持したガスバリア積層フィルムを提供する。
【解決手段】本発明のガスバリア積層フィルム10は、樹脂基材1と、該樹脂基材1上に設けられ、無機化合物を含むガスバリア蒸着層2と、該ガスバリア蒸着層2上に設けられ、i)一般式Si(OR…(1)(但し、一般式(1)中、RはCH、C又はCOCHを表す。)で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、ii)γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、ならびにiii)水酸基を有する水溶性高分子を含有する塗布液を乾燥して得られるガスバリア被覆層3とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品及び医薬品や電子部材等の非食品等の包装分野に用いられる包装用のプラスチックフィルム積層体において、特に高いガスバリア性を持つことで、大気中の酸素や水蒸気から内容物を遮断し、内容物の劣化や変質を抑制するガスバリア積層フィルムに関するものである。
近年、食品及び医薬品や電子部材等の非食品等の包装に用いられる包装材料は内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
そのため、従来のガスバリア層としては、アルミ等の金属からなる金属箔やそれら金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールとエチレンビニル共重合体やポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、これらの樹脂をコーティングしたプラスチックフィルム等が主に用いられてきた。
しかしながら、金属箔や金属蒸着フィルムは、ガスバリア性に優れるけれども、包装材料を透視して内容物が確認できないこと、検査の際に金属探知器が使用できないこと、及び廃棄の際に不燃物として処理しなければならないこと等の課題があった。また、ポリビニルアルコールやエチレンビニル共重合体は高湿下でガスバリア性の低下が著しく、ポリ塩化ビニリデンやポリアクリロニトリルも温湿度依存性がある。さらに、ガスバリア性樹脂及びそれらの樹脂をコーティングしたプラスチックフィルムに使用される塩化ビニリデン等は、廃棄又は焼却の際に有害物質の原料となりうる可能性がある。
樹脂をコーティングしたプラスチックフィルムの他の例として、特許文献1には、樹脂からなる基材上に、Si(O−CH等のアルコキシシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、及びポリビニルアルコールを含む組成物をゾル−ゲル法により重縮合して得られる積層フィルムが開示されている。しかし、このフィルムも、温湿度依存性が大きく、十分なガスバリア性を維持できない。
このようなことから、例えば特許文献2において、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、(1)水溶性高分子と、(2)I)1種類以上の金属アルコキシド又は金属アルコキシド加水分解物、あるいはII)塩化錫を含む、水溶液、又は水アルコール混合溶液とを主剤とするコーティング液を塗布し、加熱、乾燥してなるガスバリア被覆層を第2層として順次積層したガスバリア性包材が提案されている。しかしながら、このようなガスバリア性積層体におけるガスバリア被覆層のうち、金属アルコキシドのゾル−ゲル反応を用いて得られる被覆層用溶液は、時間経過にしたがって重縮合が進むため、液安定性に欠けるという問題点があった。
さらに、レトルト耐性及びボイル耐性を向上させた特許文献3には、基材上に、ガスバリア蒸着層と、ケイ素化合物及び水酸基を有する水溶性高分子を含有する塗布液を塗布して得られたガスバリア被覆層とを順次積層した構造を有するガスバリア積層フィルムが開示されている。しかしながら、このガスバリア積層フィルムに使用されるガスバリア被覆層溶液においても、前記液安定性についての問題点は依然として解決されていない。
特開平4−345841号公報 特開平7−164591号公報 国際公開WO2004/048081
本発明は、水溶性高分子と金属アルコキシドあるいは金属アルコキシド加水分解物を含むガスバリア被覆層用溶液において、液安定性を向上させることを目的としている。さらに、前記液安定性が向上したガスバリア被覆層溶液を使用して、高いガスバリア性を維持したガスバリア積層フィルムを提供することも目的とする。
本発明の一態様によると、樹脂基材と、該樹脂基材上に設けられ、無機化合物を含むガスバリア蒸着層と、該ガスバリア蒸着層上に設けられ、一般式Si(OR…(1)で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち1つ(但し、RはCH、C、又はCOCH)、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及びその加水分解物のうち1つ、ならびに水酸基を有する水溶性高分子を含有する塗布液を塗布、加熱、及び乾燥して得られたガスバリア被覆層を含むガスバリア積層フィルムが提供される。
本発明によると、水溶性高分子と金属アルコキシドあるいは金属アルコキシド加水分解物を含むガスバリア被覆層用溶液において、液安定性を向上させることが可能となる。さらに、前記液安定性が向上したガスバリア被覆層溶液を使用して、高いガスバリア性を維持したガスバリア積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明のガスバリア積層フィルムの一例を表す断面図である。図2は、本発明のガスバリア積層フィルムの他の例を表す断面図である。本発明のガスバリア積層フィルムは、2つの主面を有する樹脂基材の少なくとも一方の主面上に、ガスバリア蒸着層と、ガスバリア被覆層との積層を有することを特徴とする。
図1に示すガスバリア積層フィルム10は、樹脂基材1上に、ガスバリア蒸着層2、及びガスバリア被覆層3を積層した構造を有する。基材1上にガスバリア蒸着層2とガスバリア被覆層3とを順次積層することで高いガスバリア性が発現される。
図2に示すガスバリア積層フィルム10は、樹脂基材1上にプライマー層4、ガスバリア蒸着層2、及びガスバリア被覆層3を設けた構造を有する。基材と蒸着層の間にプライマー層を設けると、無機化合物からなる蒸着層が均一に形成されて平滑性が得られる。また蒸着層の組成及び存在比に影響されることなく、密着性が安定して得られる。
本発明に使用される樹脂基材1は、好ましくは透明である。このような樹脂材料として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、66−ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィルム等が挙げられる。
前記樹脂材料は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するものが良い。前記樹脂材料はフィルム状に加工して基材として使用される。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられる。
更に、包装材料に使用する場合、価格面、防湿性、充填適性、風合い、及び廃棄性を考慮すると、ポリアミドフィルム又はポリエステルフィルムが好ましいが、中でもポリエステルフィルムがより好ましい。
樹脂基材1の厚さは、包装材料としての適性、及び加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmが好ましく、より好ましくは6〜30μmである。
また、この樹脂基材1の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、又は酸化防止剤を必要に応じて適用することができる。
密着性を良くするために、樹脂基材1の表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理などを施すことができる。更に、樹脂基材1の表面に薬品処理、及び溶剤処理等を施すことができる。特に、プラズマ処理は、樹脂基材1の表面と次に積層させる無機化合物からなる蒸着層2あるいはプライマー層4との密着を強固にするため好ましい。
必要に応じて設けられるプライマー層4としては、例えば、アクリルポリオール、ポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、及びポリウレタンポリオール等から選択されるポリオール類と、イソシアネート化合物との2液反応によって得られる有機高分子、ポリイソシアネート化合物と水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンもしくはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、有機変性コロイダルシリカのような無機シリカ、又はシランカップリング剤もしくはその加水分解物のような有機シラン化合物を主剤とするものが挙げられる。
特に、アクリルポリオール、2官能以上のイソシアネート化合物、及びシランカップリング剤の組み合わせが好ましい。この組み合わせからなるプライマー層4を用いると、樹脂基材1と蒸着層2の間に、安定した高い密着性を得ることができる。
プライマー層4の厚みは、一般的には乾燥後の厚さで、0.005〜5μmの範囲になるようにコーティングすることが望ましく、より好ましくは0.01〜1μmである。0.01μm未満の場合は塗工技術の点から均一な塗膜が得られ難く、逆に1μmを越える場合は不経済となる傾向がある。
蒸着層2に使用される無機化合物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、もしくはマグネシウムなどの酸化物、それらの窒化物、又はそれらの弗化物、あるいは前記酸化物、窒化物、及び弗化物の複合物があげられる。なかでも、酸化ケイ素はバリア性が高く、高温高湿下においても高いバリア性を維持し、安全性も高いため、好ましい。
蒸着層2は、真空蒸着法、スパッタリング法、又はイオンプレーティング法などの真空プロセスにより形成され得る。例えば、酸化ケイ素の蒸着層をフィルム片面に形成する場合、蒸着物質として一酸化ケイ素あるいは二酸化ケイ素を用い、10−3〜10−5Torrの真空下で、抵抗加熱、誘導加熱、あるいは電子ビームで加熱蒸発させる。酸素ガスを供給しながら行う反応蒸着法も採用でき、この場合、金属ケイ素を用いてもよい。
蒸着層2の膜厚は、用途やガスバリア被覆層3の膜厚によって変わるが、数十Åから5000Åが望ましい。しかし、50Å以下では、薄膜の連続性に問題があり、また3000Åを超えると、クラックが発生しやすいため、好ましくは、50Åから3000Åである。また、蒸着層2は、好ましくは透明である。
ガスバリア被覆層3は、
i)一般式Si(OR…(1)(但し、RはCH,C,又はCOCH)で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、
ii)γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、ならびに
iii)水酸基を有する水溶性高分子
を含有する塗布液を塗布、加熱、及び乾燥して得られる。
一般式(1)のSi(OR及びγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランは、加水分解により水溶性高分子と水素結合を形成するため、バリアの孔が形成され難い。なお、バリアの孔とは、膜の中で緻密なネットワークを作らず気体の透過を容易にする部分をいう。
一般式(1)中、Rは、CH,C,COCH等で表せるものであればいずれも使用することができる。なかでも、テトラエトキシシランは加水分解後、溶液が比較的安定であるため好ましい。ここで、溶液が安定というのは、時間経過に従って、溶液の粘性が増加しない、ゲル化しない、白濁しない、固形物が析出しないことをいい、溶液の粘性が増加したとみなすのはザーンカップNo.3を用いた溶液の流出時間が60秒以上であることを言う。
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定となるため、本発明において好ましく用いられる。一方、イソシアネートの3量体であるイソシアヌレートを用いた場合、イソシアヌレート部の極性により、水溶液中、一般式(1)の加水分解物や水溶性高分子と分離しやすく、溶液が不安定となる。また、アルコキシル基がエトキシ以外たとえばメトキシである類似のイソシアネートを用いた場合にも、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを用いた場合と比較して、溶液が不安定となる。また、イソシアネート基の代わりにたとえばエポキシ基を有する類似の化合物を用いた場合にも、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを用いた場合と比較して、溶液が不安定となる。
Si(ORの加水分解は、一般に知られているように、酸又はアルカリ触媒とアルコール、水を用いて行われる。酸による加水分解が、制御しやすく好ましい。
コーティング溶液の混合方法については、加水分解したSi(OR、加水分解したγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及び水酸基をもつ水溶性高分子を、どの順番で混合しても効果は発現する。特に、SiOの微分散、Si(OR及びγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランの加水分解効率を考慮すると、Si(ORとγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを別々に加水分解してから水溶性高分子に添加することが望ましい。
金属アルコキシドは加水分解後に縮合し、セラミック膜を形成する。しかし金属酸化物は硬く、さらに縮合時の体積縮小による歪みによりクラックが入りやすいため、フィルム上に薄く透明で均一な縮合体被膜を形成することは非常に困難である。そこで、高分子化合物を添加することによって構造体に柔軟性を付与しクラックを防止して造膜することができる。
しかし高分子化合物の添加は目視では均一であっても、微視的にはケイ素又は金属酸化物と高分子とに分離している事が多く、ガスバリア性が低下しやすい。そこで、水酸基をもつ高分子を添加する。高分子の水酸基と金属アルコキシド加水分解物の水酸基との強い水素結合によって、金属酸化物が高分子の間に均一に分散され、セラミックに近い高いガスバリア性を発現する。
本発明において、ガスバリア被覆層3中の水酸基を有する水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、でんぷん、又はセルロース類が好ましい。特に、ポリビニルアルコール(以下PVA)を用いた場合にガスバリア性が最も優れる。なぜならPVAは最も多く水酸基を含む高分子であるため、加水分解後の金属アルコキシドの水酸基と非常に強固な水素結合をもつからである。
ここで言うPVAとは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分ケン化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化PVAまでを含む。PVAの分子量は重合度が300〜数千まで多種あるが、どの分子量のものを用いても効果に問題はない。しかし一般的にケン化度が高く、また重合度が高い高分子量のPVAは耐水性が高いため好ましい。
ガスバリア被覆層3の乾燥法として、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、又はUV照射などが挙げられる。ガスバリア被覆層3に熱をかけて、水やアルコールなどの溶媒を飛ばす方法であれば、これらのいずれでも、またこれらを2種類以上組み合わせてもかまわない。
乾燥後のガスバリア被覆層3の厚みは特に限定しないが、厚みが50μm以上を越えるとクラックが生じ易くなる可能性があるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。
ガスバリア被覆層3の形成方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、又はグラビアオフセット法等を用いることができる。これらの塗工方式を用いて蒸着層2の上に塗工する。
ガスバリア被覆層3上には必要に応じて、印刷層を積層する事も可能である。あるいは、接着剤を介して複数の樹脂を積層する事も可能である。また、樹脂基材1のガスバリア被覆層3と反対の面にも印刷層、ヒートシール層、接着剤を介する複数の樹脂の積層が可能である。
上述したような液安定性の良好なガスバリア被覆層用溶液を用いることにより、包装材料の製造工程におけるコストダウンや作業効率の向上に役立てることが可能である。
以下、本発明のガスバリア積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
厚さ12μmの片面にコロナ処理を施した二軸延伸PET(東レ(株)製、P60)を基材とし、そのコロナ処理をされた面にアクリルポリオール、トリレンジイソシアネート、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランの組み合わせからなる膜厚0.2μmのプライマー層を塗工した。このプライマー層上に、酸化ケイ素を抵抗加熱方式により加熱させ、所定の膜組成になるように調整し、膜厚300Åの酸化ケイ素蒸着層を形成した。
下記方法にて調液したガスバリア被覆層用溶液(A)〜(F)を下記の割合で混合し、これを塗布液とした。これを上記PETフィルムの処理面及び上記酸化ケイ素蒸着層の上面にバーコーターを用いて塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmのガスバリア被覆層を形成し、ガスバリア積層フィルムを得た。また、得られた塗布液はポリプロピレン製ケースに入れ、密閉し、室温にて60日間保存した。
ガスバリア被覆層用溶液
(A);メタノール10g、0.1N塩酸水溶液72.1gに、テトラエトキシシラン(Si(OC、以下TEOSと称す)17.9gを加え、30分撹拌し、加水分解させた、固形分5%(重量比SiO換算)の加水分解溶液
(B);ポリビニルアルコール5%(重量比)水/メタノール=95/5(重量比)溶液
(C);0.05N塩酸水溶液/メタノール=1/2(重量比)溶液81.8gに、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン18.2gを加え、30分撹拌し、加水分解させた、固形分10%(重量比RSiO1.5換算)の加水分解溶液
(D);0.05N塩酸水溶液/メタノール=1/2(重量比)溶液85.6gに、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン14.4gを加え、30分撹拌し、加水分解させた、固形分10%(重量比RSiO1.5換算)の加水分解溶液
(E);0.05N塩酸水溶液/メタノール=1/2(重量比)溶液85.6gに、1,3,5−トリス(3−メトキシシリルプロピル)イソシアヌレート14.4gを加え、30分撹拌し、加水分解させた、固形分10%(重量比RSiO1.5換算)の加水分解溶液
(F);0.05N塩酸水溶液/メタノール=1/2(重量比)溶液85.8gに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14.2gを加え、30分撹拌し、加水分解させた、固形分10%(重量比RSiO1.5換算)の加水分解溶液
ガスバリア被覆層塗布液の配合比(重量比)
実施例1・・・(A)/(B)/(C)=9/4/6.4
実施例2・・・(A)/(B)/(C)=12/4/6.4
実施例3・・・(A)/(B)/(C)=15/4/6.4
実施例4・・・(A)/(B)/(C)=9/4/3.2
比較例1・・・(A)/(B)/(D)=9/4/6.4
比較例2・・・(A)/(B)/(E)=9/4/6.4
比較例3・・・(A)/(B)/(F)=9/4/6.4
比較例4・・・(A)/(B)=5/4
比較例5・・・ガスバリア被覆層なし
ガスバリア被覆層塗布液の成分配合比(重量比;固形分重量比率に換算)
A;TEOSのSiO固形分(換算値)
B;PVA固形分
C;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランのRSiO1.5の固形分(換算値)
D;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのRSiO1.5の固形分(換算値)
E;1,3,5−トリス(3−メトキシシリルプロピル)イソシアヌレートのRSiO1.5の固形分(換算値)
F;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのRSiO1.5の固形分(換算値)
実施例1・・・A/B/C=8/4/6
実施例2・・・A/B/C=11/4/6
実施例3・・・A/B/C=14/4/6
実施例4・・・A/B/C=8/4/3
比較例1・・・A/B/D=8/4/6
比較例2・・・A/B/E=8/4/6
比較例3・・・A/B/F=8/4/6
比較例4・・・A/B=7/3
比較例5・・・ガスバリア被覆層なし
得られたガスバリア積層フィルムの酸素透過度は、モダンコントロール社製OXTRAN10/50を用いて、JIS K7126 B法に準拠し、30℃、相対湿度70%の雰囲気下で測定した。また、得られたガスバリア積層フィルムの水蒸気透過度は、モダンコントロール社製PERMATRAN3/31を用いて、JIS K7129 B法に準拠し、40℃、相対湿度90%の雰囲気下で測定した。さらに、塗布液の外観は、調液10日後、及び調液60日後に目視で観察した。塗布液の外観を表1、ガスバリア性を表2に示した。
Figure 2010000657
配合比:固形分重量比
溶液の粘度:
○・・・無色透明な粘度の低い溶液(ザーンカップNo.3を用いた溶液の流出時間が60秒以下)、
△・・・無色透明な粘度の高い溶液(ザーンカップNo.3を用いた溶液の流出時間が60秒以上)、
×・・・無色透明な固体ゲル
Figure 2010000657
配合比:固形分重量比
気体透過度(酸素):cm3/m2・day・MPa、気体透過度(水蒸気):g/m2・day
表1より、塗布液の様子においては、比較例4は調液10日後、無色透明な固体ゲルとなるのに対し、実施例1から4及び比較例1から3においては、無色透明な液体であった。さらに、60日後には、比較例1から3は無色透明な固体ゲルとなるのに対し、実施例4は粘度が高めの無色透明な液体、実施例1から3は粘度の低い無色透明な液体であった。したがって、A+Bの混合した塗布液は、C、D、EあるいはFを加えることで安定し、とりわけCを加えることで最も安定性を示すとわかった。
表2より、調液直後に塗工して得られたフィルムは、実施例1から4、及び比較例1から4において、比較例5よりも良好な酸素バリア性及び水蒸気バリア性を示した。また、実施例1から3においては、調液60日後に塗工して得られたフィルムにおいても、良好な酸素バリア性を示した。
本発明のガスバリア積層フィルムの一例を表す断面図。 本発明のガスバリア積層フィルムの他の一例を表す断面図。
符号の説明
1…樹脂基材、2…ガスバリア蒸着層、3…ガスバリア被覆層、4…プライマー層、10…ガスバリア積層フィルム。

Claims (3)

  1. 樹脂基材と、
    該樹脂基材上に設けられ、無機化合物を含むガスバリア蒸着層と、
    該ガスバリア蒸着層上に設けられ、
    i)一般式Si(OR…(1)
    (但し、一般式(1)中、RはCH、C又はCOCHを表す。)
    で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、
    ii)γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、ならびに
    iii)水酸基を有する水溶性高分子
    を含有する塗布液を乾燥して得られるガスバリア被覆層とを含むガスバリア積層フィルム。
  2. 前記ガスバリア蒸着層は、透明性を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層フィルム。
  3. 前記樹脂基材と前記ガスバリア蒸着層との間に、アクリルポリオール、2官能以上のイソシアネート化合物、及びシランカップリング剤からなるプライマー層を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア積層フィルム。
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