JP2009538325A - Reg1抗凝固系の投与 - Google Patents

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Abstract

ホストにおける血液凝固を調節するアプタマーと解毒薬の系の改善された投与方法が、所望の薬力学的反応を与える系の成分の、体重に応じて調節された、又は肥満度指数に応じて調節された投与に基づいて提供される。また、解毒薬用量がアプタマー用量とのその関係にのみ基づく、アプタマーの活性を所望の程度に逆転させる方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、すべて”Administration of the REG1 Anticoagulation System(REG1抗凝固系の投与)”という名称である、2006年5月26日に出願された米国仮出願第60/808,987号、2006年9月27日に出願された米国仮出願第60/847,809号、及び2006年11月10日に出願された米国仮出願第60/865,352号の優先権を主張するものである。その開示全体を本明細書に組み入れる。
ホストにおける血液凝固を調節するためのアプタマーと解毒薬の系の改善された投与方法が、系の成分の、体重に応じて調節された又は肥満度指数に応じて調節された、投与に基づいて提供される。
急性期治療用抗凝固
急性虚血性心疾患の病理生物学においては血栓形成が中心的役割を果たすことから、抗凝固注射剤は、不安定狭心症、心筋梗塞などの急性冠動脈症候群患者、及び冠動脈再建術を受けた患者に対する薬物療法の基礎になった(Harrington et al., 2004、Popma et al., 2004)。現在利用可能な抗凝固薬としては、非分画ヘパリン(UFH)、低分子量ヘパリン(LMWH)、及び組換えヒルジン、ビバリルジン、アルガトロバンなどの直接的トロンビン阻害薬(DTI)が挙げられる。抗凝固薬使用と不断の抗血栓薬開発の両方の現在のパラダイムは、虚血性事象のリスクを低下させることを意味する効力と、出血のリスクを最小化することを意味する安全性とのバランスを確立することである(Harrington et al., 2004)。利用可能な薬剤の各々は、出血リスクがプラセボよりも高い。
抗凝固薬及び抗血栓薬に付随する主要な有害事象は、恒久的な障害及び死をもたらし得る出血である(Ebbesen et al., 2001、Levine et al., 2004)。一般に、循環器の臨床医は、薬物が急性冠動脈症候群又は冠動脈再建術の虚血性合併症を抑制することができるときには、高い出血リスクを犠牲にするのをいとわない。しかし、最近のデータによれば、出血事象、特に輸血を必要とする出血事象は、ACS患者の治療の成果及び費用に重大な影響を及ぼす。待機的冠動脈バイパス移植(CABG)手術を行った患者の輸血率は30−60%であり、これらの患者における輸血は、短期、中期及び長期死亡率の増加と関連がある(Bracey et al., 1999、Engoren et al., 2002、Hebert et al., 1999)。出血は、経皮的冠動脈形成術(PCI)に付随する最も頻繁で費用のかかる合併症でもあり、輸血は患者の5−10%で実施され、$8000−$12,000の費用増加になる(Moscucci, 2002)。また、ACSの治療を受けた患者における重大な出血の頻度も同様に高く、(CABGを受けた患者を除いて)5%から10%の範囲であり、出血と輸血は別個に、短期死亡率のかなりの増加と関連する(Moscucci et al., 2003、Rao et al., 2004)。したがって、新規抗血栓薬の不断の開発にもかかわらず、より安全な抗凝固剤が臨床的に大いに求められている。
薬物活性は、注入の終了を逆転手段とする半減期の短い注入薬剤として薬物を処方することによって受動的に、又は薬物の活性を中和し得る第2の薬剤である解毒薬を投与することによって能動的に、迅速に逆転させることができる。
急性虚血性心疾患の入院患者の場合、理想的な抗凝固薬は、静脈内注射又は皮下注射によって送達可能であり、即効性であり、頻繁な監視を必要としないように容易に投与され、即時かつ予測どおりに可逆的である。
問題に対処する現行手法
UFHは、現在使用が認可されている唯一の解毒薬可逆性(antidote−reversible)抗凝固薬である。しかし、UFHには重大な制約がある。第1に、ヘパリンは、複雑な薬物動態を有し、その使用の予測可能性を困難なものにしている(Granger et al., 1996)。第2に、その解毒薬プロタミンの投与予測可能性は困難なものであり、その使用に付随した重篤な副作用がある(Carr and Silverman, 1999、Welsby et al., 2005)。最後に、ヘパリンは、血小板減少症(HIT)及び血栓形成を伴う血小板減少症(HITT)を引き起こすおそれがある(Warkentin, 2005、Warkentin and Greinacher, 2004)。
これらの制約にもかかわらず、ヘパリンは、第一に「可逆的」であるので、依然として入院患者に対して最も一般的に使用される抗凝固薬である。LMWHなどのより新世代の抗凝固薬は、UFH投与の予測可能性に関して改善され、定常的な使用の一部として検査室での監視が不要である。HIT及びHITTは、LMWHではUFHよりも少ないが、このリスクは解消されていない。3種類の市販DTIのうち2種類、レピルジン及びアルガトロバンは、HITを発症した患者又はHITの病歴を有する患者への使用が限定的に認可されている。ビバリルジンは、PCI中の抗凝固薬としての使用が認可され、したがってHIT患者において魅力的なUFH代替薬である。しかし、外科的又は経皮的冠動脈再建術を受けた患者における使用に特別なリスクを示すLMWHやDTIの抗凝固効果を逆転させる直接的で明確な解毒薬はない(Jones et al., 2002)。LMWH又はDTIを用いた処置を受けた患者における出血は、凝固因子を含めた血液製剤を投与することによって管理される。
血液凝固及びFIX
凝固の細胞モデル(図1)は、インビボでの生理的凝固の生じかたの現在最も明瞭な説明である(Hoffman et al., 1995、Kjalke et al., 1998、Monroe et al., 1996)。
このモデルによれば、凝血促進反応は、開始、増幅及び成長の3つの異なる段階で起こる。凝固の開始は、活性化された単球、マクロファージ、内皮細胞など、組織因子を有する細胞上で起こる。組織因子と複合体を形成する凝固第VIIa因子は、凝固第IX因子(FIX)及び第X因子(FX)の活性化を触媒する。凝固第IX因子(FIX)及び第X因子(FX)は、プロトロンビンから少量のトロンビンを生成する。(プライミング期とも称される)増幅期においては、開始期に生成した少量のトロンビンは、凝固第V、VIII及びXI因子を活性化し、更なる凝血促進反応が起こる表面を供給する血小板も活性化する。インビボでは、増幅期中に生成した少量のトロンビンは、アンチトロンビンIII、α−2−マクログロブリン、ヘパリンコファクターIIなどのセルピンと称する内在性トロンビン阻害剤が存在するために、フィブリノーゲンをフィブリンに転化するには不十分である。凝血促進反応の最終段階である成長は、活性化された血小板の表面で専ら起こる。成長中に、かなりの量のFIXaが、FXIaによって触媒されたFIXの活性化によって生成する。FIXaは、その必要不可欠な補因子FVIIIaと複合体を形成し、FXを活性化する。続いて、FXaは、その必要不可欠な補因子FVaと複合体を形成する。FXa−FVa複合体は、プロトロンビンを活性化し、トロンビン生成及びフィブリン沈着の「群発(burst)」をもたらす。最終的に、安定な血餅が形成される。
このモデルに基づくと、FIXaは、凝固において2つの役割を果たす。開始期には、FIXaは、FXからFXaへの活性化と、それに続くプロトロンビンの活性化によって、少量のトロンビンの生成に重要な役割を果たす。しかし、FIXaのこの役割は、組織因子FVIIaによって触媒されたFXからFXaへの転化と少なくとも部分的に重複する。FIXaのより極めて重要な役割は、成長期に起こる。成長期には、FVIIIa/FIXa酵素複合体が、活性化された血小板表面でのFXa生成の唯一の触媒として役立つ。したがって、FIXの遺伝的欠損(すなわち、血友病B)又はFIX/IXaの薬理的阻害によるFIXa活性の低下は、凝固に対して幾つかの効果を有すると予想される。第1に、FIXa活性の阻害又は低下は、凝固の開始をある程度鈍らせるはずである。第2に、FIXa活性の阻害又は低下は、凝固の成長期に対して大きな効果を有し、トロンビン生成のかなりの減少又は消失をもたらすはずである。最後に、成長期中のトロンビン生成の制限は、血小板及び第V、VIII、XI因子などの上流の凝固因子の活性化を抑制することによって、凝固のフィードバック増幅を少なくとも部分的に抑制する。
FIXa阻害剤の事前の動物及びヒト評価
活性部位が不活性化された第IXa因子(FIXai)、FIXに対するモノクローナル抗体(例えば、抗体BC2)などのFIX活性阻害剤は、動脈血栓症及び卒中の種々の動物モデルを含めて、複数の動物モデルにおいて強力な抗凝固及び抗血栓活性を示した(Benedict et al., 1991、Choudhri et al., 1999、Feuerstein et al., 1999、Spanier et al., 1998a、Spanier et al., 1997、Spanier et al., 1998b、Toomey et al., 2000)。一般に、これらの研究によれば、FIXa阻害剤は、動物において、非分画ヘパリンよりも高い抗血栓活性/出血リスク比を有する。しかし、これらの研究においては、有効量よりもわずかに高い用量で、これらの薬剤で処置された動物が、ヘパリンと異ならない出血プロファイルを示した。十分に管理された動物試験におけるかかる経験は、臨床現場において、FIXa阻害剤の活性を制御することができる能力によって、その安全性が高められ、その医学的使用が容易になることを示唆している。また、FIXaiは、合成貼付剤による血管修復のウサギモデル並びに心肺バイパスを用いたCABGのイヌ及び非ヒト霊長類モデルを含めて、抗凝固療法を必要とする複数の動物外科モデルにおいて、ヘパリン代替品として安全で有効であることが示された(Spanier et al., 1998a、Spanier et al., 1997、Spanier et al., 1998b)。FIXaiは、心肺バイパスを必要とする幾人かの危篤患者に対しても、また、Columbia College of Physicians and Surgeonsの医師による、特別な配慮により認められた治療に基づく体外膜型酸素供給(Spanier et al., 1998a)などの他の体外循環の設定においても、首尾よく使用された。したがって、FIXaは、冠動脈再建術(CABGとPCIの両方)における抗凝固療法、並びに急性冠動脈症候群患者における血栓形成の治療及び予防の有効な標的である。
アプタマー薬の開発、薬物−解毒薬の組合せ、及びREG1
抗凝固を制御する一手法は、一次抗凝固薬に特異的に結合して、中和することができる第2の薬剤と組み合わせた、比較的低用量で臨床的に適切な活性を得ることができ、約12時間以上の中期から長期の作用持続時間を有する、抗凝固薬の利用である。かかる「薬物−解毒薬」の組合せによって、薬物の抗凝固活性の予測可能で安全な中和及び逆転を確実なものにすることができる(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8、Rusconi et al., 2002, Nature 419(6902):90−4)。
出願人は、アプタマーに基づくREG1抗凝固系の発見に薬物−解毒薬技術を適用した(図2参照)。アプタマーは、モノクローナル抗体同然に、高い親和性及び特異性で標的タンパク質に結合する一本鎖核酸である(Nimjee et al., 2005)。しかし、アプタマーが標的タンパク質に結合して、標的タンパク質を阻害するためには、アプタマーは、特定の球状三次構造をとらなければならない。この球状三次構造を形成するには、アプタマーが適切な二次構造(すなわち、正確な塩基対及び非塩基対領域)をとる必要がある。
図2に漫画形式で示したように、アプタマーの一部に相補的であるオリゴヌクレオチドを導入すると、アプタマーの構造が変化して、その標的タンパク質にもはや結合することができず、したがってアプタマー薬の薬理活性が効果的に逆転又は中和される(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8、Rusconi et al., 2002, Nature 419(6902):90−4)。
REG1の薬物成分RB006(P−L−guggaCUaUaCCgCgUaaUgCuGcCUccacT(式中、P=mPEG2−NHSエステル MW 40kDa、L=C6 NHリンカー、G=2−OH G、g=2’−O−Me G、C=2−F C、c=2’−O−Me C、U=2−F U、u=2’−O−Me U、a=2−O−Me A、及びT=逆位2’−H T(配列番号1)。図2参照)は、凝固第IXa因子に高い親和性及び特異性で結合する直接的FIXa阻害剤である(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8、Rusconi et al., 2002, Nature 419(6902):90−4。Duke Universityの国際公開第05/106042号も参照されたい。)。RB006は、FVIIIa/FIXaによって触媒されたFXからFXaへの転化を阻止することによって、抗凝固効果を誘発する。RB006は、31ヌクレオチド長の修飾RNAアプタマーであり、2’−フルオロ及び2’−O−メチル糖含有残基の存在によってエンドヌクレアーゼ分解に対して適度に安定化されており、3’逆位デオキシチミジンキャップによってエキソヌクレアーゼ分解に対して安定化されている。アプタマーの核酸部分は、その血中半減期を延長するために、40キロダルトンのポリエチレングリコール(PEG)担体と複合化される。ボーラスIV注射後、マウスにおけるRB006の半減期は約8時間であり、サルでは約12時間である。したがって、RB006は、IV注入ではなく、1回のボーラス投与として投与して、抗凝固状態を数時間維持することができる。
図2に示すように、REG1の解毒成分RB007(cgcgguauaguccac(式中、g=2’−O−Me G、c=2’−O−Me C、u=2’−O−Me U及びa=2’−O−Me A(配列番号2)。図2参照)は、RB006に効果的に結合することができる、RB006の一部に相補的であるオリゴヌクレオチドであり、それによってその抗FIXa活性を中和することができるオリゴヌクレオチドである。RB007は、REG1の薬物成分の一部に相補的である15ヌクレオチド長の2’−O−メチルRNAオリゴヌクレオチドである。2’−O−メチル修飾は、適度のヌクレアーゼ耐性をRB007に付与して、RB006を捜し、結合するのに十分なインビボでの安定性を与えるが、インビボでの長期間にわたる残留を支持することはない。
REG1の非臨床開発
出願人は、FIXaに対するRB006アプタマーの特異性を及びRB006アプタマーに対する解毒薬RB007の親和性を示す薬理データを作成した。非臨床薬理試験の結果は、以下のように要約することができる。すなわち、REG1の薬物成分(RB006及び/又は関連する前駆体化合物)は、(1)凝固第X因子の活性化をインビトロで効果的に阻害することができ、(2)ヒト及び他の動物種由来の血しょうにおける血しょう凝固時間をインビトロで延長することができ、(3)静脈内ボーラス投与後の動物の血液凝固を全身的に阻止することができ、(4)動物動脈損傷血栓形成モデルにおいて血栓形成を防止することができ、(5)動物心肺バイパスモデルにおいてヘパリンを置換することができ、(6)REG1解毒成分による中和後30分以内に動物に効果的に再投与することができる。
現在までの非臨床薬理試験によれば、REG1の解毒成分(RB007及び/又はREG1薬物成分前駆体に特異的である解毒薬)は、(1)ヒト及び他の動物種由来の血しょうにおいて、REG1の薬物成分(RB006)の抗凝固活性をインビトロで急速かつ永続的に中和することができ、(2)この薬剤を用いて、血液凝固を全身的に阻止した動物におけるIVボーラス投与後に、REG1の薬物成分の抗凝固活性をインビボで急速かつ永続的に中和することができ、(3)治療量を超える量のREG1薬物成分と外科的外傷の組合せによって誘発される出血を防止することができ、(4)心肺バイパス後の動物におけるREG1薬物成分の抗凝固活性を中和することができる。また、解毒薬は、インビトロでのヒト血しょうにおいて、又はIVボーラス投与後の動物において、抗凝固活性又は他の薬理活性を何ら示さなかった。
国際公開第05/106042号 米国特許第7,087,735号 米国特許第5,475,096号 米国特許第5,270,163号 国際公開第91/19813号 米国特許第5,707,796号 米国特許第5,763,177号 米国特許第5,580,737号 米国特許第5,567,588号 米国特許第5,861,254号 米国特許第5,496,938号 米国特許第5,705,337号 米国特許第5,648,214号 米国特許第5,780,228号 米国特許第6,127,119号 米国特許第6,673,553号 米国特許第6,716,580号 米国特許第5,660,985号 米国特許第5,756,703号 米国特許第5,637,459号 米国特許第5,683,867号 米国特許第6,011,020号 米国特許第5,539,082号 米国特許第6,316,198号 米国特許第6,383,752号 米国特許第6,306,598号 米国特許第6,329,146号 米国特許第6,147,204号
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アプタマー−解毒薬系の予測可能で繰り返し可能な効果を可能にする、信頼できる投与方法を提供することが依然として求められている。
体重に応じて調節された、アプタマー(特にアプタマー抗凝固薬)の用量と、さらに重要なことには、肥満度指数に応じて調節された用量と、その薬力学的反応との間に明確な関係が存在することが見いだされた。また、驚くべきことに、アプタマーに対する解毒薬の用量は、アプタマーの活性を所望のレベルに抑制するために、追加の判定基準ではなく、ホストに投与されたアプタマーの量に基づいて調節することのみが必要であることが見いだされた。この新しい理解は、臨床用に予測可能で繰り返し可能な投与計画を可能にする特定の投与方式を支持するものである。
一実施形態においては、本発明は、1)ホストの肥満度指数(BMI)を測定すること、2)所望の薬力学的反応を確認すること、及び3)アプタマー抗凝固薬の1回分をホストに投与して、BMI当たりの用量と薬力学的反応との比較に基づいて、所望の薬力学的反応を得ることを含む、アプタマー抗凝固薬系を投与する改善された方法を提供する。ある実施形態において、アプタマーに対する解毒薬を続いてホストに投与し、アプタマー活性の所望の低下に対して調節された、先に投与されたアプタマーの用量との比に基づいて、解毒薬の1回分を投与する。ある例においては、解毒薬のこの用量を、アプタマー投与後の時間に基づいて調節する。ある例においては、アプタマーを24時間よりも前に投与した場合、解毒薬とアプタマーの比を半分にする。
ある実施形態においては、最大レベルの抗凝固効果が要求される。これらの例において、アプタマーを4mg/BMI以上のレベルで投与することができる。別の例においては、最大約75%の抗凝固レベルが要求される。これらの例において、約0.75.0−1.5mg/BMIの用量をホストに投与する。別の例においては、最大約50%の抗凝固レベルが要求される。これらの例においては、約0.25−0.5mg/BMIの用量を投与する。
ある一般的実施形態において、使用する抗凝固薬の投与量は0.1から10mg/BMIである。別の実施形態において、投与量は、0.2から8mg/BMI、又は0.2から6mg/BMI、0.2から5mg/BMI、0.2から4mg/BMI、0.2から3mg/BMI、0.2から2mg/BMI、又は0.2から1mg/BMIである。一部の実施形態においては、抗凝固薬の用量は、約.1mg/BMI、約.2mg/BMI、約.5mg/BMI、約.75mg/BMI、約1mg/BMI、約2mg/BMI、約3mg/BMI、約4mg/BMI、約5mg/BMI、約6mg/BMI、約7mg/BMI、約8mg/BMI、約9mg/BMI又は約10mg/BMIである。
別の実施形態において、本発明は、1)ホストの体重を測定すること、2)所望の薬力学的反応を確認すること、及び3)アプタマー抗凝固薬の1回分をホストに投与して、ホスト体重1キログラム当たりの用量と薬力学的反応との比較に基づいて、所望の薬力学的反応を得ることを含む、アプタマー抗凝固薬系を投与する改善された方法を提供する。ある実施形態において、アプタマーに対する解毒薬を続いてホストに投与し、アプタマー活性の所望の低下に対して調節された、先に投与されたアプタマーの用量との比に基づいて、解毒薬の1回分を投与する。ある例においては、解毒薬のこの用量を、アプタマー投与後の時間に基づいて調節する。ある例においては、アプタマーを24時間よりも前に投与した場合、解毒薬とアプタマーの比を2倍にする。
ある実施形態において、最大レベルの抗凝固効果が要求される。これらの例において、アプタマーを1.4mg/kg以上のレベルで投与することができる。別の例においては、最大約75%の抗凝固レベルが要求される。これらの例において、0.5から0.75mg/kgの用量をホストに投与する。別の例においては、最大約50%の抗凝固レベルが要求される。これらの例においては、約.0.2−.0.4mg/kgの用量を投与する。
ある一般的実施形態において、使用する用量は、0.1から2mg/kg、0.1から1.8mg/kg、0.1から1.6mg/kg、0.1から1.5mg/kg、0.1から1.4mg/kg、0.1から1.3mg/kg、0.1から1.2mg/kg、0.1から1.1mg/kg、0.1から1.0mg/kg、0.1から0.9mg/kg、0.1から0.8mg/kg、0.1から0.7mg/kg、0.1から0.6mg/kg、0.1から0.5mg/kg、0.1から0.4mg/kg、0.1から0.3mg/kg、又は0.1から0.2mg/kgである。別の実施形態においては、用量は、1から20mg/kg、1から18mg/kg、1から15mg/kg、2から15mg/kg、3から15mg/kg、4から15mg/kg、5から20mg/kg、5から15mg/kg、又は1から10mg/kg若しくは5から10mg/kgであり、又は約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg若しくは約10mg/kgである。原則的実施形態において、アプタマー抗凝固薬系はREG1系であり、アプタマー抗凝固薬とオリゴヌクレオチド解毒薬とを含む。ある非限定的実施形態において、アプタマーはRB006(配列番号1)であり、解毒薬はRB007(配列番号2)である。一実施形態において、薬力学的反応は、aPTT(血しょう又は全血)、活性凝固時間(ACT)などの凝固アッセイにおいて測定され、規定期間にわたる絶対値、効果パーセント、変化率、時間加重平均又は曲線下面積として報告することができる。
薬力学的反応のレベルは、ある特定の適用に対して要求される任意のレベルであり得る。例えば、ある例において、患者が血栓事象に対して低リスクにあるときには、低レベルの反応が要求され得る。特定の例においては、飽和量の抗凝固薬、特にRB006などのFIXaに対するアプタマーを用いることによって、凝固因子阻害、特にFIX又はFIXa阻害を最大にすることが望ましくない場合がある。別の例においては、患者が血栓事象に対して高リスクにあるときには、又は血栓のエピソードを有しているときには、高レベルの反応が要求され得る。かかる例においては、飽和量の抗凝固薬、特にRB006などのFIXaに対するアプタマーを用いることによって、凝固因子阻害、特にFIX又はFIXa阻害を最大にすることが望ましい場合がある。
一実施形態においては、RB006などの抗凝固薬アプタマーをIVボーラス送達する。別の実施形態においては、抗凝固薬アプタマーを皮下注射によって投与する。別の実施形態においては、アプタマーのIV又は皮下ボーラス送達後、解毒薬を注射する。
本明細書に記載の手技は、抗凝固薬と解毒薬の両方を段階的に送達して、一方又は両方の化合物の用量を目標阻害及び逆転の所望のレベルに設定することができる。
解毒薬とアプタマーの比は、所望のアプタマー阻害レベルに基づいて調節される。解毒薬用量は、アプタマー用量にのみ相関する必要があり、ホストに関連した因子に基づいて更に調節する必要はないことが判明した。一実施形態において、アプタマーと解毒薬の比は1:1である。別の実施形態においては、アプタマーと解毒薬の比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1以上など、1:1よりも大きい。これらの比は、解毒薬とアプタマーの比に基づいて計算することもできる。例えば、この比は、0.9:1若しくは約0.9:1、0.8:1若しくは約0.8:1、0.7:1若しくは約0.7:1、0.6:1若しくは約0.6:1、0.5:1若しくは約0.5:1、0.45:1若しくは約0.45:1、0.4:1若しくは約0.4:1、0.35:1若しくは約0.35:1、0.3:1若しくは約0.3:1、0.25:1若しくは約0.25:1、0.2:1若しくは約0.2:1、0.15:1若しくは約0.15:1、0.1:1若しくは約0.1:1などの約1:1未満、又は約0.005:1以下などの0.1:1未満であり得る。一部の実施形態においては、この比は、0.5:1から0.1:1、0.5:1から0.2:1、又は0.5:1から0.3:1である。別の実施形態においては、この比は、1:1から5:1、1:1から10:1、又は1:1から20:1である。
一部の実施形態において、アプタマー活性の部分的逆転のみが起こる。例えば、一部の実施形態において、アプタマー活性が、90%、又は約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%以下などの90%未満だけ逆転する。解毒薬とアプタマーの比は、重量と重量を比較して、又はモル基準で、計算することができる。
本発明の特定の実施形態において、投与系を適用するホスト又は対象は、ヒトである。特定の実施形態において、ホストは、抗凝固療法を必要とするヒトである。ある実施形態において、ホストは、CABG手術などの血管手術を受けるヒト患者である。
図1は凝固の細胞モデルを示す。TF−組織因子;vWF−フォンウィルブランド因子;II−プロトロンビン;IIa−トロンビン;Va、VIIa、VIIIa、IXa、Xa、XIa−凝固第V、VII、VIII、IX、X及びXI因子の活性型。 図2はREG1抗凝固系を示す。この系は、FIXa阻害剤RB006及びその対応解毒薬RB007で構成される。解毒薬による薬物の認識は、示したワトソン−クリック塩基対形成による。RB006は、2’−フルオロ残基(大文字) 2’−O−メチル残基(小文字)及び単一の2’−ヒドロキシル残基(下線部)で構成される修飾RNAアプタマーである。RB006は、6−炭素アミノリンカー(L)を介して40KDaポリエチレングリコール担体(P)と複合化されており、3’末端の逆位デオキシチミジン(idT)によってエキソヌクレアーゼ分解から保護される。RB007(解毒薬)は、2’−O−メチル修飾RNAオリゴヌクレオチドである。 図3はRB006が正常ヒトプール血しょうのAPTTにおいて濃度依存的増加を誘発することを示す、インビトロでのRB006 APTT用量−反応曲線のグラフである。「平均Sec」は、平均APTTである。データを4パラメータロジスティック式に当てはめて、曲線のIC50を求めた。 図4は個体から得られる血しょうにおけるRB006抗凝固効果のグラフである。RB006の抗凝固活性を4人の個体、すなわち、女性2人と男性2人において測定した。血しょう試料をGeorge King Biomedical(Overland Park、KS)から得た。個体をスクリーニングし、凝固因子レベルに関して正常であることを確認した。M/55はドナーが55歳の男性であることを意味し、F/49はドナーが49歳の女性であることを意味する。用いたAPTT試薬は、MDA Platelin L(Biomeriux)である。このAPTT試薬は、図3に示す試験に用いたAPTT試薬よりもFIXレベルに対して感度が高い。 図5は解毒薬RB007の薬物中和活性を示すグラフである。アプタマーRB006に対して低モル過剰の解毒薬RB007は、RB006の抗凝固活性を10分以内に完全に中和する。示したデータは、3つの独立した測定から得られた平均±SEMである。モル比は、アプタマーと解毒薬(AD)のオリゴヌクレオチドのモルに基づく。 図6は前の薬物用量を解毒薬で中和した後のアプタマーRB006の再投与のグラフである。ブタにアプタマーRB006 2.5mg/kgを投与し、15分後、RB007解毒薬3mg/kg(n=2)で処置して、この初回量を中和した。次いで、解毒薬RB007投与後30分(最初のアプタマー投与後45分)に、ブタにアプタマーRB006 2.5mg/kgを再投与した。(A)全血におけるACT(O)アッセイ、又は(B)血しょうにおけるAPTT(O)凝固アッセイにおいて、凝固時間の変化を測定した。示したデータは、各動物の2つ組の測定に対する平均±範囲である。(A及びB)の太線は、データポイントを通る単純なポイント間の線である。 図7はカニクイザル及びヒトから得られた血しょうにおけるRB006インビトロAPTT用量−反応曲線のグラフである。RB006は、サルから得られた血しょうにおいて、APTTの用量依存的延長を誘発する。この用量依存的延長は、ヒト血しょうにおいて認められる用量依存的延長に極めて類似している。サルにおいて実施した非臨床毒性試験における血しょう試料の分析に用いたものと同じブランドのAPTT試薬APTT−LSを用いて実験を実施した(REG1−TOX001及びREG1−TOX003)。したがって、これらのデータは、セクション8.4のREG1−TOX001及びREG1−TOX003のAPTT結果を解釈する基礎として役立つ。製造者(Pacific Hemostasis、Middletown、VA)によれば、この試薬は、<1%FIXレベルを含むヒト血しょう試料においてAPTTが約87.3秒であり、約20%正常FIX活性を含む試料において36.1秒であり、100%FIX活性を含む試料において27.5秒である。カニクイザルプール血しょうクエン酸塩は、Charles River Laboratories、Sierra Divisionによって提供された。 図8はRB006投与によるサルの全身的抗凝固のグラフである。サルにおける抗凝固レベルをAPTTによって監視した。15mg/kgで処置した動物に対するRB006データを平均±SEMとして示す。5及び30mg/kg用量レベルの動物では、これらの用量レベルの各々でわずか2匹の動物しかいなかったので、データを平均±範囲として示す。 図9はRB006を用い、解毒薬RB007を用いて逆転させた、サルの全身的抗凝固のグラフである。サルにおける抗凝固レベルをAPTTによって監視した。RB007をRB006投与後t=3時間に投与した。データを平均±SEMとして示す。 図10はヒトにおけるRB006の薬力学的活性のグラフである。 図11はヒトにおけるRB007によるRB006の薬理活性の中和のグラフである。 図11はRB007を投与した場合と投与しない場合のRB006の薬力学的活性を比較したグラフである。 図12はRB006 60mgで処置し、続いてRB007又はプラセボで3時間処置した対象における薬力学的反応を比較したグラフである。 図13はRB006を投与した全対象に対する、0−3時間のベースラインにわたるAPTTの相対増加のより詳細な分析結果を示すグラフである。 図14はRB006用量レベル(15、30、60又は90mg)によって整理された各対象に対するAUC 0−3のグラフである。相対効果を3時間測定しているので、例えば、「3」の値はRB006に対する反応がないことを示し、6の値はベースラインの平均2倍の増加を示す。 図15はRB006用量レベルの関数として体重に応じて調節されたRB006用量のグラフである。 図16は「体重に応じて調節された」RB006用量と比較したAUC0−3のグラフである。 図17はRB006用量レベルの関数として、RB006で処置された対象のBMIに応じて調節された用量のグラフである。 図18はBMIに応じて調節された用量に対するRB006のAUC0−3のグラフである。 図19は異なるRB006用量(15、30、60及び90mg)におけるAPTTを示す、%FIX活性に対するベースラインと比較したAPTTのグラフである。 図20は冠動脈疾患患者にIV投与されたRB006アプタマーとRB007解毒薬の4つの用量を用いて比較されたAPTT反応のグラフである。 図21は全処置グループにおける1、3及び5日におけるRB006(0.75mg/kg)投与後の時間加重APTTを示すグラフである。グループ1:単一用量のアプタマー(RB006 0.75mg/kg)を1、3及び5日に投与し、続いて固定用量の解毒薬(RB007 1.5mg/kg)を1時間後に投与した対象。グループ2及び3:単一用量のアプタマーRB006(0.75mg/kg)を1、3及び5日に投与し、続いて異なる単一用量のRB007を1時間後に投与した対象。 図23はRB006と比較して、RB006(0.75mg/kg)とRB007を種々の比で投与したグループにおける経時的な平均APTTのグラフである。 図24はRB006と比較して、記載した比で1時間目にRB007を投与した後のRB006投与からの時間加重APTTの回復率を示すグラフである。
詳細な説明
体重に応じて調節された、アプタマー、特にアプタマー抗凝固薬の用量、さらに重要なことには、肥満度指数に応じて調節された用量と、その薬力学的反応との間に明確な関係が存在することが見いだされた。また、驚くべきことに、アプタマーに対する解毒薬の用量は、アプタマーの活性を所望のレベルに抑制するために、追加の判定基準ではなく、ホストに投与されたアプタマーの量に基づいて調節することのみが必要であることが見いだされた。この新しい理解は、臨床用に予測可能で繰り返し可能な投与計画を考慮した特定の投与方式を支持するものである。
アプタマーの開発
核酸アプタマーをSystematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment(SELEX)プロセスによって単離する。この方法は、標的分子に極めて特異的に結合する核酸分子をインビトロで発生させることができる。SELEX法は、例えば、米国特許第7,087,735号、米国特許第5,475,096号及び米国特許第5,270,163号に記載されている(国際公開第91/19813号も参照されたい。)。
SELEX法は、結合親和性及び選択性の任意の所望の判定基準を実質的に達成するために、オリゴヌクレオチド候補の混合物からの選択と及び同じ一般的選択スキームを用いた結合、分割及び増幅の段階的反復とを含む。SELEX法は、無作為化配列のセグメントを含む混合物などの核酸混合物から出発して、結合に好都合な条件下で混合物を標的と接触させる段階、結合していない核酸を標的分子に特異的に結合した核酸から分割する段階、核酸−標的複合体を解離させる段階、核酸−標的複合体から解離された核酸を増幅して、リガンドに富む核酸混合物を得る段階、次いで結合、分割、解離及び増幅の各段階を所望の回数繰り返して、標的分子に対して極めて特異的な高親和性アプタマーを得る段階を含む。
基本的なSELEX法を改変して、幾つかの具体的目的が達成された。例えば、米国特許第5,707,796号は、ベントDNAなどの特定の構造特性を有する核酸分子を選択するためのゲル電気泳動と併せたSELEXの使用を記載する。米国特許第5,763,177号は、標的分子と結合及び/又は光架橋することができる、及び/又は標的分子を光不活化することができる、光反応性基を含むアプタマーを選択するSELEXに基づく方法を記載する。米国特許第5,580,737号は、Counter−SELEXと称する、密接に関連した分子を識別することができる極めて特異的なアプタマーを特定する方法を記載する。米国特許第5,567,588号及び同5,861,254号は、標的分子に対して高親和性を有するオリゴヌクレオチドと低親和性を有するオリゴヌクレオチドとを高い効率で分割するSELEXに基づく方法を記載する。米国特許第5,496,938号は、SELEXプロセスを実施した後に改善されたアプタマーを得る方法を記載する。米国特許第5,705,337号は、リガンドをその標的に共有結合させる方法を記載する。
溶液中の小ペプチドに対するアプタマーを特定する実現可能性は、米国特許第5,648,214号で実証された。リガンドを用いた親和溶出によって、標的分子上の特異的部位を標的にするアプタマーを生成することができる能力は、米国特許第5,780,228号に例示されている。米国特許第5,780,228号は、ある種のレクチンに結合する高親和性アプタマーの生成に関する細胞タイプのグループを含めて、ある組織に対するアプタマーを調製する方法が、米国特許第6,127,119号に記載されている。子ウシ腸ホスファターゼに対するある種の改変高親和性リガンドの生成が、米国特許第6,673,553号に記載されている。米国特許第6,716,580号は、ロボットマニピュレータの使用を含む、アプタマーを特定する自動プロセスを記載する。
その最も基本的な形態において、SELEXプロセスは、以下の一連の段階によって規定することができる。
1)配列の異なる核酸の候補混合物を調製する。候補混合物は、一般に、固定配列の領域(すなわち、候補混合物のメンバーの各々は、同じ位置に同じ配列を含む。)及び無作為化配列の領域を含む。固定配列領域は、(a)下記増幅段階を補助するように、(b)標的に結合することが知られている配列を模倣するように、又は(c)候補混合物中の核酸の所与の構造上の配置の濃度を高めるように、選択される。無作為化配列は、完全に無作為化することができ(すなわち、ある塩基を任意の位置に見いだす確率は1/4である。)、又は単に部分的に無作為化することができる(例えば、ある塩基を任意の位置に見いだす確率は、0から100パーセントの任意のレベルで選択することができる。)。
2)標的と候補混合物のメンバーとの結合に好都合な条件下で、候補混合物を、選択された標的と接触させる。これらの状況では、標的と候補混合物の核酸との相互作用によって、標的と標的に対して最大の親和性を有する核酸との核酸−標的対が形成されると考えることができる。
3)標的に対して最大の親和性を有する核酸を、標的に対してより低い親和性を有する核酸から分割する。最大親和性核酸に対応する極めて少数の配列(恐らく、核酸1分子のみ)しか候補混合物中に存在しないので、候補混合物中のかなりの量の核酸(約5から50%)が分割中に保持されるように分割基準を設定することが一般に望ましい。
4)次いで、標的に対して比較的高い親和性を有するので分割中に選択された核酸を増幅して、標的に対して比較的高い親和性を有する核酸が濃縮された新しい候補混合物を生成する。
5)上記分割段階と増幅段階を繰り返すことによって、新たに形成された候補混合物中の結合の弱い配列は漸減して、標的に対する核酸の平均親和度が一般に増加する。極端な場合には、SELEXプロセスは、標的分子に対して最大親和性を有する、最初の候補混合物からの核酸である1個又は少数の独特の核酸を含む候補混合物を生成する。
化学修飾
核酸を治療に使用する際に遭遇する一問題は、所望の効果が顕在化する前に、リン酸ジエステル型オリゴヌクレオチドがエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼなどの細胞内及び細胞外酵素によって体液中で急速に分解され得ることである。アプタマーにある種の化学修飾を施して、アプタマーのインビボでの安定性を増大させ、又はアプタマーの送達を増強若しくは媒介することができる。
アプタマーの修飾としては、アプタマー塩基又はアプタマー全体に追加の電荷、分極性、疎水性、水素結合、静電相互作用及びフラクショナリティーを組み込む他の化学基を与える修飾が挙げられるが、これらだけに限定されない。かかる修飾としては、2’位の糖修飾、5位のピリミジン修飾、8位のプリン修飾、環外アミンにおける修飾、4−チオウリジンの置換、5−ブロモ又は5−ヨード−ウラシルの置換、骨格修飾、ホスホロチオアート又はリン酸アルキル修飾、メチル化、イソ塩基(isobase)イソシチジン及びイソグアニジンなどの異常な塩基対組合せが挙げられるが、これらだけに限定されない。修飾は、キャッピングなどの3’及び5’修飾も含み得る。
SELEX法は、インビボでの安定性の改善、送達特性の改善などの改善された特性をリガンドに付与する修飾ヌクレオチドを含む高親和性アプタマーの特定を包含する。かかる修飾の例としては、リボース及び/又はリン酸及び/又は塩基位置における化学置換が挙げられる。SELEXによって特定された、修飾ヌクレオチドを含むアプタマーは、ピリミジンの5及び2’位が化学修飾されたヌクレオチド誘導体を含むオリゴヌクレオチドを記載した米国特許第5,660,985号に記載されている。米国特許第5,580,737号は、2’−アミノ(2’−NH2)、2’−フルオロ(2’−F)及び/又は2’−O−メチル(2’−OMe)で修飾された1個以上のヌクレオチドを含む特異的アプタマーを記載する。米国特許第5,756,703号は、種々の2’修飾ピリミジンを含むオリゴヌクレオチドを記載する。
SELEX法は、米国特許第5,637,459号及び同5,683,867号に記載の、選択されたオリゴヌクレオチドと選択された別のオリゴヌクレオチド及び非オリゴヌクレオチド機能単位との組合せを包含する。米国特許第5,637,459号は、2’−アミノ(2’−NH2)、2’−フルオロ(2’−F)及び/又は2’−O−メチル(2’−OMe)で修飾された1個以上のヌクレオチドを含む極めて特異的なアプタマーを記載する。SELEX法は、米国特許第6,011,020号に記載の、診断又は治療用複合体における、選択されたアプタマーと親油性又は非免疫原性の高分子量化合物との組合せを更に包含する。
アプタマーがSELEX法に由来する場合、修飾は、SELEX前修飾でもSELEX後修飾でもよい。SELEX前修飾は、その標的に対する特異性とインビボでの改善された安定性の両方を有するアプタマーを生成することができる。2’−OHアプタマーに対してなされたSELEX後修飾は、アプタマーの結合能に悪影響を及ぼさずに、インビボでの安定性を改善することができる。一実施形態においては、アプタマーの修飾としては、分子の3’末端における3’−3’逆位リン酸ジエステル結合、並びにヌクレオチドの一部又は全部の2’フルオロ(2’−F)、2’アミノ(2’−NH2)及び/又は2’Oメチル(2’−OMe)修飾が挙げられる。
一実施形態においては、アプタマー又はその制御因子を、コレステロール、ジアルキルグリセリン、ジアシルグリセリンなどの親油性化合物、非免疫原性高分子量化合物、又はポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーに共有結合させることができる。この場合、アプタマー又は修飾因子の薬物動態的諸性質が増強され得る。更に別の実施形態においては、アプタマー又は修飾因子をリポソームに封入することができる。親油性化合物又は非免疫原性高分子量化合物は、アプタマー又は修飾因子との非共有結合性相互作用によって共有結合的に結合又は会合することができる。共有結合を用いる実施形態においては、親油性化合物又は非免疫原性高分子量化合物は、塩基上の環外アミノ基、ピリミジンヌクレオチドの5位、プリンヌクレオチドの8位、リン酸のヒドロキシル基、5’又は3’末端のヒドロキシル基又は他の基など、アプタマー又は修飾因子の種々の位置に共有結合し得る。一実施形態において、共有結合は、5’又は3’ヒドロキシル基に対する。オリゴヌクレオチド修飾因子と複合体の他の成分との結合は、直接的に、又はリンカー若しくはスペーサーを利用して、実施することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、塩基部分、糖部分又はリン酸骨格において修飾して、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーションなどを改善することができる。オリゴヌクレオチドは、他の付加した基を含み得る。そのために、オリゴヌクレオチドを別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーションによって誘発された架橋剤、輸送(transport)剤、ハイブリダイゼーションによって誘発された開裂剤など)と複合化することができる。オリゴヌクレオチドは、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルチオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−イネチル(inethyl)シトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2α−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−イネチル(inethyl)チオ−N&イソペンテニルアデニン、ウラシルオキシ酢酸、ワイブトキソシン、シュードウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチルチオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、−ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシルオキシ酢酸(v)、5−メチルチオウラシル、3−(3−アミノ−3−Nカルボキシプロピル)及び2,6−ジアミノプリンを含めて、ただしこれらだけに限定されない群から選択される少なくとも1個の修飾塩基部分を含み得る。
本発明のアプタマー又は修飾因子は、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシロース及び六炭糖を含めて、ただしこれらだけに限定されない群から選択される少なくとも1個の修飾糖部分も含み得る。アプタマー又は修飾因子は、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホルアミドチオアート、ホスホルアミダート、ホスホロジアミダート、メチルホスホナート、アルキルリン酸トリエステル及びホルムアセタール又はこれらの類似体を含めて、ただしこれらだけに限定されない群から選択される少なくとも1個の修飾リン酸骨格を含み得る。
本発明のオリゴヌクレオチドのいずれも、当分野で公知の標準方法によって、例えば、(例えば、Biosearch, Applied Biosystemsなどから市販されている)自動DNA合成装置を用いて、合成することができる。
修飾因子
本発明の修飾因子は、オリゴヌクレオチド、小分子、ペプチド、オリゴ糖(例えば、アミノグリコシド)、アプタマーに結合することができる他の分子、若しくはアプタマーの活性を調節することができる他の分子又はこれらのいずれかのキメラ、融合若しくは連結生成物であり得る。
一実施形態において、修飾因子は、アプタマーの少なくとも一部に相補的であるオリゴヌクレオチドである。別の実施形態においては、修飾因子は、アプタマーを標的にするリボザイム又はDNAザイムであり得る。更なる実施形態において、修飾因子は、アプタマーの少なくとも一部に相補的である配列、又はアプタマーの少なくとも一部とハイブリッド形成する配列を含む、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ核酸(MNA)、ロックされた(locked)核酸(LNA)又は擬環状型オリゴ核酸塩基(PCO)であり得る。
アプタマーは、適切な安定二次構造の形成に依存する活性三次構造を有する。したがって、本発明の相補的オリゴヌクレオチド修飾因子とアプタマーの二重鎖の形成機序は、2本の短い線状オリゴリボヌクレオチド間と同じであるが、かかる相互作用を設計する規則、及びかかる生成物の形成の動力学は、分子内のアプタマー構造に影響される。核形成速度は、最終の安定な二重鎖の形成に重要であり、この段階の速度は、アプタマー中に存在する一本鎖ループ及び/又は一本鎖3’若しくは5’末端にオリゴヌクレオチド修飾因子を向けることによって大きく増大する。分子間二重鎖が形成されるには、分子間二重鎖の生成自由エネルギーが、標的アプタマー内の既存の分子内二重鎖の形成に対して有利なものでなければはらない。
修飾因子は、高度の特異性及び所望の親和度で、特定のアプタマーに結合するように設計することができる。修飾因子は、結合すると、アプタマーの構造がより高活性型又はより低活性型に改変されるように設計することもできる。例えば、修飾因子は、標的アプタマーに結合すると、アプタマーがその標的分子にもはや結合することができないように、又はその標的分子により低い親和性で結合するように、アプタマーの三次元構造が変化するように設計することができる。
或いは、修飾因子は、結合すると、その標的分子に対するアプタマーの親和性が増大するように、アプタマーの三次元構造が変化するように設計することができる。すなわち、修飾因子は、結合すると、アプタマーがその標的分子に結合することができるような構造モチーフがアプタマー中に生成されるように設計することができる。
本発明の別の実施形態において、修飾因子自体がアプタマーである。この実施形態においては、所望の治療標的に結合するアプタマーがまず生成される。第2の段階においては、第1のアプタマーに結合する第2のアプタマーが、本明細書に記載のSELEXプロセス又は他のプロセスを用いて生成され、治療用アプタマーと標的との相互作用を調節する。一実施形態においては、第2のアプタマーは、第1のアプタマーの効果を不活性化する。
別の実施形態において、標的に結合するアプタマーは、PNA、MNA、LNA又はPCOであり得、修飾因子はアプタマーである。或いは、標的に結合するアプタマーは、PNA、MNA、LNA又はPCOであり、修飾因子はPNAである。或いは、標的に結合するアプタマーは、PNA、MNA、LNA又はPCOであり、修飾因子はMNAである。或いは、標的に結合するアプタマーは、PNA、MNA、LNA又はPCOであり、修飾因子はLNAである。或いは、標的に結合するアプタマーは、PNA、MNA、LNA又はPCOであり、修飾因子はPCOである。これらはいずれも、天然の立体化学、非天然の立体化学、又はこれらの混合にて所望のとおりに使用することができる。例えば、好ましい実施形態において、アプタマーはD配置であり、別の実施形態においては、アプタマーはL配置である。
一実施形態において、本発明の修飾因子は、標的アプタマー配列の少なくとも一部に相補的である配列を含むオリゴヌクレオチドである。例えば、修飾因子オリゴヌクレオチドは、標的アプタマーの6−25ヌクレオチド、典型的には8−20ヌクレオチド、より典型的には10−15ヌクレオチドに相補的である配列を含み得る。有利には、修飾因子オリゴヌクレオチドは、アプタマーの6−25連続ヌクレオチド、又は8−20若しくは10−15連続ヌクレオチドに相補的である。修飾因子オリゴヌクレオチドの長さは、標的アプタマー及び求める効果を考慮して、最適化することができる。典型的には修飾因子オリゴヌクレオチドは5−80ヌクレオチド長であり、より典型的には10−30であり、最も典型的には15−20ヌクレオチド(例えば、15−17)である。オリゴヌクレオチドは、D若しくはL立体化学を有するヌクレオチド、又はこれらの混合を用いて作製することができる。天然ヌクレオシドは、D配置である。
種々の戦略を使用して、標的アプタマーに結合するオリゴヌクレオチドの最適部位を決定することができる。賞賛の(complimentary)オリゴヌクレオチドがアプタマーの周囲を「歩行する(walked)」経験的戦略を使用することができる。歩行実験は、逐次的に実施される2つの実験を含み得る。候補混合物のメンバーの各々が、目的オリゴヌクレオチド修飾因子に対応する固定核酸領域を有する、新しい候補混合物を生成することができる。候補混合物の各メンバーは、配列の無作為化領域も含む。この方法によれば、アプタマーの1個を超える結合ドメインに結合することができる領域を含む、「拡張」アプタマーと称するものを特定することができる。この手法によれば、アプタマー上で約5ヌクレオチドずつ互い違いに配置された約15ヌクレオチド長の2’−O−メチルオリゴヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルオリゴヌクレオチド)を使用することができる(例えば、アプタマーのヌクレオチド1−15、6−20、11−25などに相補的であるオリゴヌクレオチド)。ハイブリド形成効率に対するアプタマーの三次構造の影響を予測することは困難であり得るので、経験的戦略は特に有効であり得る。以下の実施例に記載のアッセイによって、アプタマーの完全な結合を得るのに必要なモル過剰のオリゴヌクレオチドに特に重点を置いて、特異的アプタマーとハイブリッド形成する種々のオリゴヌクレオチドの能力を評価することができる。種々のオリゴヌクレオチド修飾因子が、その標的分子からのアプタマーの解離速度を増加させる能力、又はその標的分子とのアプタマーの会合速度を増加させる能力は、例えば、BIACOREアッセイを用いた標準動態試験を実施することによって求めることもできる。オリゴヌクレオチド修飾因子は、アプタマーとその標的分子の相互作用を所望の様式で改変するのに5−50倍モル過剰又はそれ以下のオリゴヌクレオチドが必要であるように、選択することができる。
或いは、標的アプタマーは、オリゴヌクレオチド修飾因子との会合を促進するために、一本鎖末端(3’又は5’)を含むように修飾することができる。適切な末端は、1から20ヌクレオチド、好ましくは1−10ヌクレオチド、より好ましくは1−5ヌクレオチド、最も好ましくは3−5ヌクレオチド(例えば、2’−O−メチル配列などの修飾ヌクレオチド)を含み得る。末端を含む(tailed)アプタマーを(例えば、以下の実施例に記載のように)結合及びバイオアッセイにおいて試験して、一本鎖末端の付加によってアプタマーの活性構造が破壊されないことを検証することができる。末端配列と例えば1、3又は5塩基対を形成し得る一連のオリゴヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルオリゴヌクレオチド)を設計することができ、末端を含むアプタマーと単独で会合するその能力並びにその標的分子からのアプタマーの解離速度又はその標的分子とのアプタマーの会合速度を増加させるその能力について試験することができる。スクランブル配列制御(scrambled sequence controls)を用いて、効果が、二重鎖形成によるものであり、非特異的効果ではないことを検証することができる。
本発明のオリゴヌクレオチド修飾因子は、アプタマーの少なくとも一部に相補的である配列を含む。しかし、完全な相補性は不要である。本明細書では「アプタマーの少なくとも一部に相補的である」配列とは、アプタマーとハイブリッド形成するのに十分な相補性を有する配列を意味する。ハイブリッド形成能力は、相補性の程度とアンチセンス核酸の長さによって決まり得る。一般に、ハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドが大きいほど、含まれ得る、安定な二重鎖(場合によっては、三重鎖)をそれでも形成し得る、標的アプタマーとの塩基ミスマッチが増加する。当業者は、ハイブリッド形成した複合体の融点を測定する標準的手順を用いて、容認できるミスマッチ度を確認することができる。特定の態様においては、オリゴヌクレオチドは、少なくとも5又は少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも15又は17ヌクレオチド、少なくとも25ヌクレオチド又は少なくとも50ヌクレオチドであり得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、一本鎖のDNA、RNA、キメラ混合物、誘導体又はこれらの修飾体であり得る。
一実施形態において、修飾因子はリボザイム又はDNAザイムである。各々異なるタイプの特異性を示す少なくとも5クラスのリボザイムが存在する。例えば、グループIのイントロンは、大きさが約300から>1000ヌクレオチドであり、切断部位の5’に隣接した標的配列中にUを必要とし、切断部位の5’側に4−6ヌクレオチドを結合させる。別のクラスは、大きさが約290から400ヌクレオチドのRNaseP RNA(M1 RNA)である。第3の例は、大きさが約30から40ヌクレオチドのハンマーヘッド型リボザイムである。ハンマーヘッド型リボザイムは、切断部位の5’に隣接した標的配列UHを必要とし、切断部位の両側に可変数のヌクレオチドを結合させる。第4のクラスは、大きさが約50ヌクレオチドのヘアピン型リボザイムである。ヘアピン型リボザイムは、切断部位の3’に隣接した標的配列GUCを必要とし、切断部位の5’側に4ヌクレオチドを結合させ、切断部位の3’側に可変数のヌクレオチドを結合させる。第5のグループは、大きさが約60ヌクレオチドのデルタ型肝炎ウイルス(HDV)リボザイムである。
別のクラスの触媒作用分子は、「DNAザイム」と称する。DNAザイムは、一本鎖であり、RNAとDNAの両方を開裂させる。DNAザイムの一般的モデルが提案され、「10−23」モデルとして知られている。「10−23」モデルに従うDNAザイムは、各々7から9デオキシリボヌクレオチドの2個の基質認識ドメインが隣接した、15デオキシリボヌクレオチドの触媒ドメインを有する。
本発明のオリゴヌクレオチド修飾因子の核酸塩基は、(ペプチド核酸(PNA)の場合と同様に)核酸塩基間結合(例えば、ペプチド結合)(Nielsen et al.(1991) Science 254, 1497及び米国特許第5,539,082号)及びモルホリノ結合(Qin et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 10, 11(2000)、Summerton, Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7, 187(1997)、Summerton et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7, 63(1997)、Taylor et al., J Biol Chem. 271, 17445(1996)、Partridge et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 6, 169(1996))を介して、又は任意の他の天然の結合若しくは修飾結合によって、連結することができる。オリゴ核酸塩基は、ロックされた核酸(LNA)でもあり得る。Nielsen et al., J Biomol Struct Dyn 17, 175(1999)、Petersen et al., Jmol Recognit 13, 44(2000)、Nielsen et al., Bioconjug Chem 11, 228(2000)。
PNAは、オリゴヌクレオチドに類似した化合物であるが、構成が異なる。PNAにおいては、オリゴヌクレオチドのデオキシリボース骨格は、ペプチド骨格で置換されている。ペプチド骨格の各サブユニットは、天然又は非天然の核酸塩基に結合している。PNAは、N−(2−アミノエチル)グリシン単位からなるアキラルなポリアミド骨格を有することが多い。プリン又はピリミジン塩基は、メチレンカルボニルリンカー(1−3)を介して各単位に連結されて、相補的核酸を標的にする。PNAは、ワトソン−クリック塩基対合則に従って、相補的RNA又はDNAに平行又は逆平行の向きで結合する。PNAオリゴマーの無電荷性は、天然ホモ二重鎖に比較して、ハイブリッドPNA/DNA(RNA)二重鎖の安定性を高める。
モルホリノ核酸は、6員モルホリン環に結合した4種類の遺伝子塩基(アデニン、シトシン、グアニン及びチミン)の1種類をその各々が含むモルホリノサブユニットから組み立てられているので、このように命名されている。これらの4サブユニットタイプの18から25個のサブユニットは、非イオンホスホロジアミダートサブユニット間結合によって特定の順序で連結されて、モルホリノオリゴを与える。このモルホリノオリゴは、6員モルホリン骨格部分が非イオン結合によって連結され、RNA、DNA、及びイオン結合によって連結された5員リボース又はデオキシリボース骨格部分を有するその類似体よりもかなり良好なアンチセンス特性をもたらす(wwwgene−tools.com/Morphol−inos/body_morpholinos.HTML参照)。
LNAは、LNAを本発明の修飾因子の最も重要な候補にする幾つかの特徴を有するDNA類似体の1クラスである。LNAモノマーは、RNAモノマーに構造的に類似した二環式化合物である。LNAは、DNA及びRNAの化学的性質の大部分を共有し、水溶性であり、ゲル電気泳動、エタノール沈殿などによって分離することができる(Tetrahedron, 54, 3607−3630(1998))。しかし、LNAモノマーをDNA又はRNAオリゴに導入すると、ワトソン−クリック塩基対合則に従いつつ、相補DNA又はRNAとの二重鎖の熱安定性が高くなる。LNAオリゴマーと形成された二重鎖のこの高い熱安定性は、3’に位置するLNAを含むプライマーが酵素的伸長(例えば、PCR反応)の基質であるという知見と一緒に、本発明において、本願に記載のインビトロアッセイにおける変種核酸の検出の特異性をかなり増加させるのに利用される。個々の対立遺伝子の増幅過程は、高度に弁別的に起こり(交差反応は見えない。)、幾つかの反応が同一容器で起こり得る。例えば、米国特許第6,316,198号を参照されたい。
擬環状型オリゴ核酸塩基(PCO)も、本発明において修飾因子として使用することができる(米国特許第6,383,752号参照)。PCOは、その3’−3’又は5’−5’末端を介して結合した2個のオリゴヌクレオチドセグメントを含む。PCOのセグメントの1個(「機能セグメント」)は、何らかの機能性を有する(例えば、標的mRNAに相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチド)。別のセグメント(「保護セグメント」)は、(機能セグメントに結合する保護セグメントの末端次第で)機能セグメントの3’又は5’末端に相補的である。機能セグメントと保護セグメントとの間の相補性の結果として、PCOは、標的核酸(例えば、RNA)の非存在下で分子内擬環状型構造を形成する。PCOは、3’−3’又は5’−5’結合の存在及び分子内擬環状型構造の形成のために、従来のアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも安定である。マウスにおける薬物動態、組織分布及び安定性試験によれば、PCOは、PSオリゴヌクレオチド全般よりも高いインビボ安定性を有し、PSオリゴヌクレオチド全般に類似した薬物動態及び組織分布プロファイルを有するが、選択された組織から急速に排出される。蛍光団及びクエンチャー分子が本発明のPCOに適切に結合しているときには、分子は、線状配置では蛍光を発するが、環式構造では消光される。
アプタマーのペプチド系修飾因子は、オリゴヌクレオチド又はその類似体に対する別の分子クラスの修飾因子である。標的とオリゴヌクレオチド修飾因子の間の核形成を促進するのに十分な一本鎖領域が欠如しているために、標的アプタマーの十分に活性なオリゴヌクレオチド修飾因子を単離できないときに、このクラスの修飾因子は特に有用である。また、ペプチド修飾因子は、オリゴヌクレオチド修飾因子とは異なる生物学的利用能及び薬物動態を与える。
アミノグリコシドのようなオリゴ糖は、核酸に結合することができ、アプタマーの活性を調節するのに使用することができる。アプタマーと標的の間に介入する小分子、又はアプタマーと標的の結合を破壊若しくは改変する小分子を、治療用制御因子として使用することもできる。かかる小分子は、小分子を用いたときと用いないときのアプタマーと標的の結合の変化を測定するアッセイにおいて候補をスクリーニングすることによって、又は小分子を用いたときと用いないときの標的に対するアプタマーの生物学的効果の差を測定するインビボ若しくはインビトロアッセイによって、特定することができる。所望の効果を示す小分子を特定した後、コンビナトリアル手法などの技術を使用して、所望の調節効果に対して化学構造を最適化することができる。
標準結合アッセイによって、本発明の修飾因子を特定し、選択することができる。非限定的例は、ゲルシフトアッセイ及びBIACOREアッセイである。すなわち、試験修飾因子を標的アプタマーと試験条件下又は典型的な生理的条件下で接触させて、試験修飾因子が実際にアプタマーに結合するかどうか判定することができる。アプタマーに結合することが判明した試験修飾因子は、次いで、(アプタマーとその標的分子に応じて変わる)適切なバイオアッセイ(例えば、凝固試験)によって分析して、アプタマーによって引き起こされる、その標的分子に対する生物学的効果に試験修飾因子が影響を及ぼし得るかどうかを判定することができる。
ゲルシフトアッセイは、結合能力の評価に使用される技術である。例えば、試験配列を含むDNA断片を、まず、試験タンパク質と、又は推定上の結合タンパク質を含む混合物と一緒に温置し、次いでゲル上で電気泳動によって分離する。DNA断片にタンパク質が結合している場合には、サイズがより大きくなり、したがって、その移動は遊離断片よりも遅くなる。例えば、電気泳動ゲル移動度シフトアッセイの一方法は、(a)混合物中で核酸結合タンパク質を、分子プローブを含む非放射性又は放射性標識核酸分子と適切な条件下で接触させて、複合体形成におけるタンパク質とプローブの間の特異的結合相互作用を促進すること(前記プローブは、dsDNA、ssDNA及びRNAからなる群から選択される。)、(b)混合物を電気泳動させること、(c)陽圧ブロット転写又はキャピラリートランスファーによって、複合体を膜に転写すること(膜は、正に帯電したナイロンである。)、(d)複合体中の非放射性又は放射性標識を検出することによって、膜に結合した複合体を検出することができる。
Biacore法は、センサーチップ表面の結合事象を測定し、表面に結合した相互作用物によって分析の特異性を判定する。相互作用の特異性の試験は、異なる分子が固定化相互作用物に結合し得るかどうかを単に分析するものである。結合によって、表面プラズモン共鳴(SPR)信号が即時に変化し、相互作用が起きたかどうかが直接明らかになる。SPRに基づくバイオセンサーは、表面に近い生体分子の質量濃度を測定することによって、相互作用を監視する。表面は、相互作用相手の1つと結合することによって特異的になる。それ以外の相手を含む試料は、表面を流れる。試料由来の分子が、表面に結合した相互作用物に結合すると、局所的濃度変化及びSPR応答が測定される。応答は、表面に結合した分子の質量に正比例する。
SPRは、屈折率の異なる2種類の媒体の界面で伝導性膜から光がある条件下で反射されると生じる。Biacore法では、媒体は、試料とセンサーチップのガラスであり、伝導性膜は、チップ表面の金の薄層である。SPRは、特定の反射角で反射光強度を低下させる。この角度は、反射光の反対側の表面に近い屈折率とともに変化する。試料中の分子がセンサー表面に結合すると、表面の濃度、したがって屈折率が変化し、SPR応答が検出される。相互作用の経過時間に対して応答をプロットすると、相互作用の進行が定量的に測定される。Biacore法は、最小反射光強度の角度を測定する。光は、試料によって吸収されない。その代わりに、金膜におけるSPRによって光エネルギーが放散される。SPR応答値は、共鳴単位(RU)で表される。1RUは、最小強度の角度の0.0001°の変化を表す。大部分のタンパク質では、1RUは、センサー表面の約1pg/mm2の濃度変化に概略等しい。RUと表面濃度の正確な換算係数は、センサー表面の諸性質、及び濃度変化の原因である分子の性質によって決まる。
オリゴヌクレオチド若しくはその類似体、ペプチド、ポリペプチド、オリゴ糖又は小分子が、標的との相互作用が変わるようにアプタマーに結合することができるかどうかを判定することができる幾つかの別のアッセイが存在する。例えば、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)、滴定熱量測定、シンチレーション近接アッセイ、分析用超遠心を用いた沈降平衡アッセイ(例えば、www.cores.utah.edu/interaction参照)、蛍光偏光アッセイ、蛍光異方性アッセイ、蛍光強度アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ、ニトロセルロースフィルター結合アッセイ、ELISA、ELONA(例えば、米国特許第5,789,163号参照)、RIA、又は平衡透析アッセイを使用して、アプタマーに結合する薬剤の能力を評価することができる。薬剤とアプタマーの相互作用を直接測定する直接アッセイを実施することができ、又はアプタマーをその標的から移動させる薬剤の能力を実施することができる競合若しくは置換アッセイ(例えば、Green, Bell and Janjic, Biotechniques 30(5), 2001, p1094及び米国特許第6,306,598号参照)。調節剤(modulating agent)候補を特定した後、標的に対するアプタマーの活性を調節するその能力をバイオアッセイによって確認することができる。或いは、アプタマーとその標的の相互作用を調節することができる薬剤を特定した場合には、かかる結合アッセイを使用して、薬剤がアプタマーと直接相互作用することを検証することができ、かかる結合アッセイによって前記相互作用の親和性を測定することができる。
別の実施形態においては、質量分析法によって、アプタマーに結合する制御因子、制御因子とアプタマーの相互作用部位、及びアプタマーに対する薬剤の相対結合親和性を確認することができる(例えば、Crooke他、米国特許第6,329,146号参照)。かかる質量スペクトル法によって、アプタマーの修飾因子として使用することができる、選択された標的アプタマーに結合する個々の化合物について、化学混合物又はライブラリー、特にコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることもできる。また、質量スペクトル技術を使用して、例えば、化合物のコンビナトリアルライブラリーに対して、複数の標的アプタマーを同時にスクリーニングすることができる。さらに、質量スペクトル技術を使用して、複数の分子種、特に「小」分子と標的アプタマー上の分子相互作用部位との相互作用を確認することができる。
アプタマーと標的の相互作用を改変する制御因子の有効性を評価するインビボ又はインビトロアッセイは、処理順序に対して特異的である。周知の使用可能な、生物学的性質の標準アッセイは多数ある。バイオアッセイの例は、特定の適用例用のある種のアプタマーを記載した、本願に引用する特許に記載されている。
本発明は、アプタマーの修飾因子を特定する方法も提供する。修飾因子は、一般に、生物学的機能の改変を測定する結合アッセイ、分子モデリング又はインビボ若しくはインビトロアッセイによって、特定することができる。一実施形態においては、修飾因子と核酸の結合をゲルシフトアッセイによって測定する。別の実施形態においては、修飾因子とアプタマーの結合をBIACOREアッセイによって測定する。
一実施形態においては、修飾因子は、1.0マイクロモル(uM)未満、好ましくは0.1uM未満、より好ましくは0.01uM未満の修飾因子濃度で、溶液中のアプタマーに実質的に結合することができる能力を有する。「実質的に」とは、標的生物活性の少なくとも50パーセントの低下が、標的の存在下での調節によって認められることを意味する。50%の低下を本明細書ではIC50値と称する。
薬剤組成物
本発明のアプタマー又は修飾因子は、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含み得る薬剤組成物中に処方することができる。組成物の正確な性質は、安定化修飾のいずれかを含めたアプタマー及び/又は修飾因子の性質に、及び投与経路に少なくとも部分的に依存する。一般に、アプタマー又は修飾因子は、適宜、IV、IM、IP、SC、経口又は局所投与される。
本発明のアプタマー又は修飾因子を含む薬学的に有用である組成物は、薬学的に許容される担体の混合など、公知の方法に従って処方することができる。かかる担体及び処方方法の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。有効な投与に適切な薬学的に許容される組成物を形成するために、かかる組成物は、アプタマー又は修飾因子の有効量を含む。かかる組成物は、1種類を超える化合物の混合物を含み得る。
本発明の方法においては、化合物は、活性成分を形成することができ、典型的には、(本明細書では「担体」材料と総称される)適切な製薬用希釈剤、賦形剤又は担体との混合物として投与される。「担体」材料は、意図した投与剤形、すなわち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤、坐剤、ゲル剤などに関して適切に選択され、従来の製薬実務に矛盾しない。
錠剤又はカプセル剤の経口投与の場合、活性薬物成分は、エタノール、グリセリン、水など、無毒の薬学的に許容される経口不活性担体と組み合わせることができる。さらに、所望又は必要であれば、適切な結合剤、潤滑剤、崩壊剤及び着色剤を混合物に添加することもできる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース、ベータラクトースなどの天然の糖、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカント、アルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。これらの剤形に使用される潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。
液剤の場合、活性薬物成分は、合成及び天然ゴム、例えば、トラガカント、アラビアゴム、メチルセルロースなどの適切に風味をつけた懸濁剤又は分散剤中で混合することができる。使用することができる他の分散剤としては、グリセリンなどが挙げられる。非経口投与の場合、無菌懸濁液及び溶液が望ましい。適切な防腐剤を一般に含む等張製剤は、静脈内投与が望ましいときに使用される。
活性薬物成分を含む局所用製剤は、例えば、アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びEオイル、鉱油、PPG2ミリスチル(mydstyl)プロピオナートなど、当分野で周知の種々の担体材料と混合して、例えば、アルコール溶液、局所用クレンザー、クレンジングクリーム、スキンゲル、スキンローション及びクリーム又はゲル処方のシャンプーを形成することができる。
本発明の化合物は、小さい単層リポソーム、大きい単層リポソーム、多重膜リポソームなどのリポソーム送達系の形で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、ホスファチジルコリンなどの種々のリン脂質から形成することができる。
本発明の化合物は、標的送達となり得る薬物担体として可溶性ポリマーと組み合せることもできる。かかるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール(pbenol)、パルミトイル残基で置換されたポリエチレン(polyethyl−ene)オキシドポリリジンなどが挙げられる。また、本発明の化合物は、薬物の制御放出に有用である、あるクラスの生分解性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリラート、及びヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロック共重合体と(好ましくは、共有結合を介して)組み合せることができる。コレステロール及び類似の分子をアプタマーに結合させて、生物学的利用能を増大させ、延長させることができる。
これらの化合物は、(例えば、単独で、リポソーム処方で、又は担体(例えば、PEG)と複合化して)直接投与することができる(例えば、米国特許第6,147,204号、米国特許第6,011,020号参照)。一実施形態において、複数の修飾因子を単一のPEG分子と会合させることができる。修飾因子は、同じアプタマーに対してでも、異なるアプタマーに対してでもよい。同じアプタマーに対して複数の修飾因子が存在する実施形態において、アプタマーとの複数の結合相互作用によって結合活性が増加する。更なる実施形態においては、複数のPEG分子が互いに結合し得る。この実施形態においては、同じアプタマー又は異なるアプタマーに対する1個以上の修飾因子が、各PEG分子と会合することができる。これも、その標的に対する各修飾因子の結合活性を増加させる。
本発明で用いるために本発明の修飾因子を一緒に処方することができ、当分野で現在公知の種々の技術、又はその後に開発される種々の技術のいずれかによって調製することができる、親油性化合物及び非免疫原性高分子量化合物。典型的には、親油性化合物及び非免疫原性高分子量化合物は、リン脂質(例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン)から調製され、中性脂質(例えば、コレステロール)などの他の材料、及び正に帯電した化合物(例えば、コレステロールのステリルアミン(sterylamine)、アミノマンノース又はアミノマンニトール誘導体)、負に帯電した化合物(例えば、ジアセチルリン酸、ホスファチジルグリセリン)などの表面調節剤(modifier)を含み得る。多重膜リポソームは、従来の技術によって、すなわち、脂質を適切な溶媒に溶解し、次いで溶媒を蒸発させて容器の内側に薄膜を残すことによって、又は噴霧乾燥によって、選択された脂質を適切なコンテナ又は容器の内壁に堆積させて、形成することができる。次いで、回転又はボルテックス撹拌しながら、水相を容器に添加して、MLVを形成させる。次いで、MLVをホモジナイズし、超音波処理し、又は(フィルターを通して)押し出して、UVを形成することができる。また、UVは、洗浄剤除去技術によって形成することもできる。本発明のある実施形態においては、複合体は、リポソーム表面に会合したターゲティングアプタマーと、封入された治療薬又は診断薬とを含む、リポソームを含む。前もって形成されたリポソームを改変して、アプタマーと会合させることができる。例えば、陽イオン性リポソームは、静電相互作用によって核酸と会合する。或いは、コレステロールなどの親油性化合物に結合した核酸を、前もって形成されたリポソームに添加することができる。それによって、コレステロールは、リポソーム膜と会合する。或いは、リポソーム形成中に、核酸をリポソームと会合させることができる。
投与方法
ほ乳動物ホストへの本発明の材料の好ましい投与方式は、非経口、静脈内、皮内、関節内、滑液嚢内、鞘内、動脈内、心臓内、筋肉内、皮下、眼か内、嚢内、脊髄内、胸骨内、局所、皮膚貼付剤、経直腸、膣又は尿道の坐剤、腹膜、経皮、点鼻、外科移植、体内外科ペイント(internal surgical paint)、輸液ポンプ又はカテーテルである。一実施形態においては、薬剤及び担体を、移植片、ボーラス、微粒子、ミクロスフェア、ナノ粒子、ナノスフェアなどの徐放処方で投与する。製薬処方についての標準情報は、Ansel, et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Sixth Edition, Williams & Wilkins(1995)を参照されたい。
本発明のアプタマー又は修飾因子は、注射によって、又は徐々に注入することによって、非経口投与することができる。処置すべき組織に、通常体内において全身投与によって接近することができ、したがってほとんどの場合、処置すべき組織は、治療用組成物の静脈内投与によって処置することができるが、標的組織が標的分子を含む可能性がある場合には、他の組織及び送達技術が用意される。したがって、本発明のアプタマー及び修飾因子は、典型的には、経口、血管組織に局所的に、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、経皮投与することができ、ぜん動技術によって送達することができる。上述したように、薬剤組成物は、経口、血管組織に局所的に、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、経皮などの種々の経路によって個体に供給することができ、ぜん動技術によって送達することができる。血管組織への局所投与の代表的非限定的手法としては、(1)例えば、除去又はバイパスされた血管組織損傷部分又は血管組織患部の代わりに、塗布又は含浸された血管を移植することによって、インビボ送達用に、核酸リガンドを含むゲルを血管組織に塗布又は含浸すること、(2)送達が要求される血管へのカテーテルを介した送達、(3)患者に移植される血管に核酸リガンド組成物をポンプ輸送することなどが挙げられる。或いは、核酸リガンドを微量注入又はリポソーム封入によって細胞に導入することができる。有利には、本発明の核酸リガンドは、単一の1日量で投与することができ、又は総1日用量を幾つかの分割用量で投与することができる。その後、修飾因子の投与によって核酸リガンドの効果を変化させるために、修飾因子を任意の適切な手段によって供給する。
本発明の修飾因子ポリペプチドを含む治療用組成物は、静脈内に、例えば単位用量の注射として、従来法で投与される。本発明の治療用組成物に関連して使用される「単位用量」という用語は、対象に対して単位投与量として適切である物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な希釈剤(すなわち、担体又はビヒクル)とともに所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性材料を含む。
これらの組成物は、投与製剤に適合した様式で、本明細書に記載の治療有効量で投与される。適切な投与計画は多様であるが、典型的には、初期投与と、それに続く注射又は他の投与による1時間以上の間隔での反復投与である。或いは、インビボ療法用に指定された範囲の血中濃度を維持するのに十分な連続静脈内注入も企図される。
本明細書では、組成物、担体、希釈剤及び試薬に関して、「薬学的に許容される」、「生理的に容認できる」という用語及びその文法的な変形は、区別なく使用され、材料が実質的な又は衰弱性の毒性副作用なしに投与可能であることを示す。
本発明の修飾因子を含む薬学的に有用である組成物は、薬学的に許容される担体の混合など、公知の方法に従って処方することができる。かかる担体及び処方法の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。有効な投与に適切な薬学的に許容される組成物を形成するために、かかる組成物は、アプタマーの有効量を含む。かかる組成物は、1種類を超える修飾因子の混合物を含み得る。
実施例
凝固試験手段
標準凝固手段としては、血しょう及び全血における血しょうプロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)アッセイ、並びに全血活性凝固時間(ACT)アッセイが挙げられる。これらのアッセイの各々において凝固を惹起するのに使用される活性化因子は異なるが、アッセイのエンドポイントが血塊形成である共通した特徴を有する。重要なことには、これらのインビトロアッセイにおいては、低レベル、すなわち約10−30nMのトロンビンが、エンドポイントに到達するのに十分なフィブリンを生成するのに十分である。このトロンビンレベルは、プロトロンビンのわずか3−5%がトロンビンに転化するレベルであり、凝固反応の開始期中に生成するトロンビン量と一致する(Butenas et al., 2003、Mann et al., 2003)。したがって、これらのアッセイは、主として凝固反応開始期について報告するものであり、凝固成長期に主に関与する凝固因子の欠乏又は阻害の影響を十分に反映していない。
標準凝固アッセイがFIX/IXa活性を反映する様式は、重度の血友病A(FVIII欠乏)又はB(FIX欠乏)患者において異常な凝固測定値を検出できるか否かによって例示される。血友病の顕著な特徴は、他に類のないAPTTの延長であり、血友病患者は、異常なAPTTと正常なPTを有する(Bolton−Maggs and Pasi, 2003)。凝固の細胞モデルは、FVIII又はFIXの欠乏した個体が正常なPTを示す矛盾を説明する。PTアッセイは、11−15秒で血餅を生成するのに十分な超生理的レベルの組織因子を用いて開始される。したがって、反応開始に使用される高レベルの組織因子−FVIIa複合体は、FVIII又はFIXの非存在下でも、凝固エンドポイントに到達するのに十分なトロンビンを生成するのに十分な量のFXaを急速に生成する。したがって、凝固開始におけるFIXの役割がこのアッセイにおいては覆い隠され、又は回避されるので、FIX/FIXa活性の重大な阻害でも、PTアッセイに影響を及ぼさないと予想される。したがって、抗FIXaアプタマーRB006などのFIXaの薬理的阻害剤は、PT値を延長しないと予想される。
血しょう又は全血APTTアッセイは、血餅を約28−35秒で生成するのに十分な量のセライト又はカオリン、リン脂質表面、カルシウムなどの荷電粒子を用いて開始される。血友病B(及びA)患者は、異常なAPTT値を示すが、アッセイは凝固開始期について主として報告するので、これらの患者におけるAPTT延長の長さは有限である(すなわち、有限値を示す。)。APTTはFIXに加えて他の凝固因子にも依存するので、個体の血友病Bの重症度とそのAPTT値との間に密接な相関はない。したがって、FIXaの薬理的阻害がAPTTアッセイにおいて示されると予想される仕方を解釈するより良好な枠組みは、血しょうFIXアッセイである。血しょうFIXアッセイは、試験血しょうのFIXレベルが凝固時間の主決定要因であるように、APTTを実施する前に、試験血しょうを緩衝剤で希釈し、FIXの欠乏した血しょうと混合する、標準APTT方法の変法である。このアッセイは、典型的には、血友病Bの重症度の決定(すなわち、FIXレベルの測定)、又はFIXの後天的な阻害因子の診断に用いられる。FIXアッセイの結果は、試験試料の凝固時間をFIXレベル検量線と比較することによって解釈される。FIXレベル検量線は、FIX欠乏血しょうと混合する前に正常血しょうを緩衝剤で段階希釈して作成される。表1は、正常なヒト血しょうを用いて実施された典型的なFIXレベル検量線である。[注:このアッセイにおける絶対的APTT時間は試薬に依存する。]表1で認められるように、25%正常(すなわち、75%低下)であるFIXレベルでは、APTT凝固時間はベースラインの1.4倍増加する。FIXレベル約3%正常(すなわち、97%低下)では、APTT凝固時間はベースラインの2倍増加し、FIXレベル<1%正常(すなわち、>99%低下)では、APTT凝固時間はベースラインの2.5倍増加する。血友病Bの保有者(すなわち、約50%正常FIXレベル)は、正常なAPTT値を示し(Bolton−Maggs and Pasi, 2003)、FIXレベル検量線のデータと一致する。まとめると、これらの観察は、APTTが延長される前にかなりの割合のFIX活性が阻害されなければならないことを示している。
Figure 2009538325
ACTアッセイは、手術室及びカテーテル処置室において、手技中に抗凝固を監視するのに主に用いられ、典型的には、血友病患者は、かかる手技を実施する前に、因子補充療法(又は類似の療法)による処置を受けるので、FIX/FIXa活性の低下によってACTがどのような影響を受けるかについてのデータはほとんどない。しかし、ACTは、荷電粒子を用いて開始される凝固エンドポイントアッセイであるので、ACTアッセイにおけるFIXaの薬理的阻害の効果は、APTTアッセイにおいて認められる効果によく似ている可能性がある。すなわち、ACTの延長は、FIXa阻害がかなりの程度(>50%)に達するまで観測されないと予想される。したがって、APTTアッセイと同様に、ACT延長の長さは、非分画ヘパリンを用いて観察される延長と比較して、さほど大きくない可能性がある。最後に、アッセイは、FIXa阻害に応じて飽和する可能性がある。APTTとACT応答のこの類似性は、非臨床毒性試験において種々の用量のRB006で処置されたサルにおいて実証された。
凝固測定に対するREG1抗凝固系の効果
以前のデータによれば、抗FIXaアプタマーは、インビトロで、又は動物へのIV投与後に、PTを延長しない(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8、Rusconi et al., 2002, Nature 419(6902):90−4、Dyke, 2006, Circulation. 114(23):2490−7)。図3に示すように、RB006は、インビトロでの正常なヒトプール血しょうにおいてAPTTの用量依存的な増加を引き起こす。このデータによれば、RB006 APTT用量−反応曲線は、0から30−50μg/mLで最も感受性が高く、次いで横ばいになり始める。APTT用量−反応曲線の上昇期と横ばい期を含めたこれらの特徴は、ヒト、ブタ、マウス及びサルを含めて、RB006又は重要な抗FIXアプタマーが交差反応性を示すすべての種由来の血しょうで一貫している(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8)。抗FIXaアプタマーを用いたインビトロでの血しょうの処理に応じて得られる最大APTTは、用いたAPTT試薬、及び種に応じて決まる。しかし、重要なことには、この最大APTTは、FIXa活性の完全又はほぼ完全な阻害と一致する。これは、抗FIXaアプタマーに対する最大APTTが、<1%正常FIXレベル(ただし、他のすべての凝固因子レベルは正常)を含むヒト血しょうにおけるAPTTと同等であり、FIXノックアウトマウス由来の血しょうにおけるAPTTと同等であることによって証明される Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8)。したがって、RB006に対するAPTTの横ばい状態は、アプタマーによるFIX/FIXa阻害の飽和を反映している可能性がある。
また、図3のデータと表1の血しょうFIXアッセイ検量線とを比較することによって、RB006の効力への洞察が与えられる。APTTは、RB006濃度約5μg/mLでRB006に応答して約1.4倍増加し、RB006のこの濃度が約75%血しょうFIX活性を阻害するのに十分であることを示している。また、血しょうFIXアッセイに基づいて、血しょうFIXのほぼ95%阻害(APTTの2.0倍の増加)が10から15μg/mLのRB006濃度で得られる。
インビトロ試験を実施して、個体由来の血しょうにおいて、RB006濃度に依存したAPTTの延長を測定することによって、RB006の抗凝固効果の個々の可変性を評価した。正常ヒトプール血しょうと個体由来の血しょうにおけるインビトロでのRB006 APTT用量−反応曲線の比較を図4に示す。
図4に示すように、APTTのRB006濃度依存的増加は、個体の各々から得られる血しょうにおいて極めて類似している。また、個体由来の血しょうにおけるAPTTのRB006濃度依存的増加は、正常ヒトプール血しょう(20ドナー/プール)におけるそれに極めて類似している。RB006は、ACTアッセイにおいて測定される凝固時間も延長する(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8)。しかし、ACTアッセイは新しい全血を必要とし、時間の影響を受けやすいので、ACTによるインビトロ用量反応試験を実施することが困難であるため、RB006濃度の関数としてのACTの変化の解釈は、現時点では制限される。
解毒薬RB007によるRB006の抗凝固活性の中和を、APTTアッセイによってインビトロで測定した。図5に示すように、RB007濃度がヒトプール血しょう中のRB006の固定濃度よりも増加すると、APTT値の変化はベースラインレベルに戻る。これは、RB007の抗凝固活性の完全な中和を示している。ヒト血しょうにおけるインビトロでの完全なRB006中和に要するRB007の最小モル過剰は、約3から4倍(すなわち、解毒薬とアプタマーのオリゴヌクレオチド部分とのモル比)である。これは、測定されたRB006−RB007二重鎖の熱力学的安定性(T約90℃)と一致する。
図5に示すデータは、非臨床安全性薬理(safety pharmacology)、毒性試験及び臨床試験に用いられる、解毒薬RB007と薬物RB006の用量比の選択基準としても役立つ。ヒト血しょうにおいてRB006をインビトロで完全に中和するのに必要なRB006に対するRB007の最小モル過剰は、3から4倍である。RB007(5,269Da、ナトリウム塩)とRB006(約50,964Da、ナトリウム塩)の分子量差を考慮すると、これは、解毒薬:薬物0.5:1の重量/重量比になる。これはインビトロでの結果であり、したがってどちらかの成分の薬物動態がインビボでの薬物中和にどのような影響を及ぼすかを予測しないので、解毒薬:薬物0.5:1の重量比は、薬物を有効に中和すると予測される解毒薬の最小比を反映している。したがって、解毒薬:薬物2:1の重量/重量比は、インビトロでの最小有効量比の少数倍であり、非臨床及び臨床試験の出発用量として選択された。
要約すると、抗FIXaアプタマーRB006は、FIXa活性をインビトロで完全又はほぼ完全に阻害することができる、凝固FIXaの強力な阻害剤である。RB006の抗凝固活性は、RB007によるアプタマー活性の中和と同様に、APTT及びACTアッセイによって効果的に監視することができる。インビトロ試験から、FIX阻害割合とAPTT変化との関係がRB006に対して明確に定義された。アプタマー活性を完全に阻害するのに十分である解毒薬とアプタマーの適切なモル比もインビトロ試験から規定され、REG1抗凝固系に対して選択された解毒薬:アプタマーの用量比は2:1mg/kgであった。
非臨床薬理、薬物***(Disposition)及び毒性
REG1抗凝固系並びにその個々の薬物及び解毒成分(又はそれぞれRB002及びRB004と称する薬物及び解毒薬のより効力の低い原型)の薬理活性は、インビトロで、また、臨床的に関連する動物モデルにおいて、実証された。
抗FIXaアプタマーの抗凝固活性は、ブタにおける全身的抗凝固試験(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8)、ヒツジ心肺バイパスモデル、及びカニクイザルにおける安全性薬理試験において評価された。抗FIXaアプタマーの抗血栓活性も、マウス動脈損傷モデルにおいて実証された(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8)。解毒薬の薬物中和活性は、ヒト血しょうにおいてインビトロで(Rusconi et al., 2002, Nature 419(6902):90−4)、ブタ全身的抗凝固モデルにおいて、外科的外傷のマウスモデル(すなわち、高度に血液凝固を阻止された動物の尾部切断)(Rusconi et al., 2004, Nat Biotechnol. 22(11):1423−8)において、ヒツジ心肺バイパスモデルにおいて、また、カニクイザルにおける安全性薬理試験において、実証された。また、前の薬物用量を解毒薬で中和した直後に再投与することができる薬物の能力は、ブタ全身的抗凝固試験において実証された。
REG1抗凝固系の薬物動態の特性分析は、血しょう試料中のアプタマー、解毒薬及びアプタマー/解毒薬複合体の各レベルを定量化する新規方法に依拠するバイオ分析戦略を必要とした。これらの方法を、サル及びマウスにおける単一及び反復投与の条件下で全3種類の分子的実体の薬物動態測定を可能にするインビボ毒性試験から収集した試料に適用した。
REG1抗凝固系の徹底した安全性評価を実施した。一次毒性試験を、初期臨床試験において、生成物の意図した用途をシミュレートした投与条件下で(すなわち、アプタマーの連続投与と3時間後の解毒薬投与)、サル及びマウスにおいて実施した。各成分の小から大までの臨床的倍数(clinical multiples)を、臨床用に意図された用量比と同じ用量比で試験し、両方の種に対して、アプタマーと解毒薬の効果を別々に試験した。両方のサル試験においては、初期臨床試験において意図した投与を模倣したスケジュールに従って、アプタマー、解毒薬又は両方の試験物の単一用量を投与した処置グループが多数存在した。また、14日間のマウス試験、並びに単一及び反復投与サル毒性試験においては、2週間反復投与したグループが含まれた(マウスの場合、1日量を14回投与し、サルの場合、一日おきに2週間で7回投与した。オリゴヌクレオチドの薬力学的反応、REG1成分への曝露、及びクラス効果を評価するために、専用のエンドポイントを毒性試験に含めた。基本的な毒性試験に、サルにおける(無線遠隔測定を用いた)安全性薬理評価、一連の遺伝毒性アッセイ、及び血液交差適合試験を追加した。
ブタにおける抗凝固薬及び薬物中和活性の試験
アプタマーRB006の初回量を解毒薬RB007で中和した後にアプタマーを再投与できるかどうかをブタ全身的抗凝固モデルにおいて評価した。これらの試験では、薬物の第2の用量を解毒薬投与の30分後に投与した。解毒薬投与とアプタマー再投与の間の30分間は、第1のアプタマー用量の抗凝固活性の中和の実験的証明を明確にするために選択された。図6に示すように、アプタマーの第2の用量の最大抗凝固活性及び最大抗凝固活性までの時間は、最初のアプタマー用量と本質的に同じであり、第1のアプタマー用量の解毒薬中和後のアプタマー再投与が可能であることを示している。これらのデータは、マウスとサルの両方において観察されたRB007の薬物動態と一致する。これは、RB007が、極めて短い血しょう中半減期(すなわち、数分)を有し、この試験に用いたよりもかなり高い用量でも、認め得るほどの血しょう中濃度まで蓄積しないことを示している。解毒薬の半減期を考慮すると、アプタマーは、解毒薬投与後30分よりも短い時間間隔で有効に再投与できる可能性がある。
ヒツジにおける心肺バイパス中の冠動脈バイパス移植(CABG)におけるREG1抗凝固系の有効性
REG1は、冠動脈再建術[冠動脈バイパス移植(CABG)及び経皮的心臓介入(PCI)]において解毒薬可逆性抗凝固薬として、ヒトを含めた急性冠動脈症候群患者用の解毒薬可逆性抗凝固薬として、また、抗凝固療法又は抗血栓療法に解毒薬可逆性薬剤を使用することが有利である他の適応症用の抗凝固薬として、使用することができる。本明細書に記載の試験は、心肺バイパス(CPB)によるCABG手術を受けた動物におけるCPB回路の開存性を維持するのに必要なREG1の抗凝固薬成分RB006の用量範囲を規定しようとするものであり、このモデルにおいてRB006を中和するのに必要なREG1の解毒成分RB007の対応用量を規定しようとするものである。
冠動脈バイパス術の開始時に10匹のヒツジにRB006(抗凝固剤)を静脈内投与した。手術の終局において、RB007(RB006中和剤)を静脈内投与して、RB006の作用を逆転させた。28±3日後、動物をすべて安楽死させた。
右と左の腎臓、肝臓、肺及び脳全体の代表試料を収集した。心臓を血液が除去されるまで乳酸加リンゲル液又は等張食塩溶液で洗い流し、10%中性緩衝ホルマリン(NBF)を用いて約100mmHgで最低6時間加圧潅流固定した。完全に固定後、心臓を10%NBF中に置いた。剖検中に収集した代表的組織試料を10%NBFに浸漬固定した。
心臓を約1cmごとに(パンの塊(breadloaf)の様式で)横方向に切断し、異常の有無を検査した。10個の切片を各心臓から収集し、パラフィンで処理した。10個の切片のうち3個は、LCX吻合、大動脈吻合及び中央移植片(mid−graft)を含んだ。残りの7個の切片は、右心房壁、左心房壁、心房中隔、右心室自由壁、左心室自由壁、心室中隔及び心尖部を含んだ。心筋組織を含むパラフィンブロックのすべてを、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色用とMasson’s Verhoeffエラスチン(MVE)染色用に2回切断した。腎臓、肝臓、肺及び脳の試料をパラフィンに包埋し、各腎臓から1個の切片、肝臓から1個の切片、肺から1個の切片、及び脳組織の4個の試料の各々から1個の切片の合計8個の切片に切断した。生成したスライドをすべてH&Eで染色した。
この試験の巨視的観察及び組織相関物(histologic correlate)によれば、病変部の大部分は、外科的手技(例えば、癒着)又は安楽死(例えば、気管及び気管支中の気泡)に関係した。癒着は、このタイプの手技に共通した続発症であり、この試験において過剰とは考えられなかった。
1匹の動物において大動脈吻合に小さな最小限度に付着した血栓が存在した。血栓は、移植片への血流を妨害するようには見えなかった。この観察に対して特定の微視的相関物はなかった。吻合部位における微視的所見は、両方のグループの他の試験動物とタイプ及び規模が類似していた。1つの例外を除いて、どの試験動物においても冠動脈バイパスの任意の部分に血栓形成又は閉塞の巨視的証拠はなかった。偶然の血栓形成は、このモデルにおいては珍しいことではなく、したがって、RB006投与との関係は、疑わしいと考えられる。
カニクイザルにおけるREG1抗凝固系の薬力学的活性
カニクイザルから得られた血しょうにおけるRB006のインビトロ抗凝固活性は、APTTアッセイにおける凝固時間の濃度依存的延長によって示される。図7に示すように、RB006 APTT用量−反応曲線は、他の種と同様に、0から50μg/mLで最も感受性が高く、次いで横ばいになる。サルとヒトの用量−反応曲線は、反応範囲がヒトの方が大きいことを除いて、類似している。ヒト血しょうでは、約200μg/mLまでAPTTの濃度依存的延長があるのに対して、サル血しょうでは、濃度−反応曲線は、約50μg/mLで横ばいになる。ヒト血しょう曲線の横ばい状態は、<1%血しょうFIX活性を含むヒト血しょうにおいて観測されたAPTT値と同等のAPTT値で起こり、標的FIXaの飽和による可能性がある。血しょうFIXアッセイは、サル血しょうにおいて、RB006 APTT用量−反応曲線の解釈を助けるために実施された。表2に示すように、サル血しょうにおけるAPTTは、FIXレベルに敏感である。しかし、FIXレベルの低下に対する反応の規模は、比較的小さい。FIXレベルが75%低下するとAPTTが1.4倍増加し、FIXレベルが>95%低下するとAPTTが2倍になり、血しょうFIXレベルが99.9%低下するとAPTTが2.5倍増加する。
Figure 2009538325
図7のデータと表2のデータの比較によれば、サルにおいて血しょうFIX活性の約90%を阻害するのにRB006約6μg/mLが必要であり(すなわち、この濃度で、APTTは1.6倍増加する。)、RB006濃度10−12μg/mLで血しょうFIX活性の>95%阻害が起こる。インビトロRB006サルAPTT用量−反応曲線は、ベースラインの約2.5倍増加(ベースライン約24秒、最大APTT約60秒)で横ばい状態になる。これは、サル血しょうFIXアッセイにおいて<0.1%正常FIXレベルで認められるAPTTの増加規模と一致する(表2参照)。したがって、RB006 APTT用量−反応曲線の横ばい状態は、サル血しょうにおける標的の飽和(すなわち、FIX活性の完全阻害)である可能性がある。結論として、サル血しょうにおけるインビトロでの%FIX阻害と血しょうRB006濃度の関係は、ヒト血しょうにおいてインビトロで認められるものに一般に類似しており、重要な相違は、ベースラインから最大APTTまでのRB006濃度範囲がヒトにおいてより大きく、用量反応の増加がサル血しょうよりもヒト血しょうにおいてより緩慢であることである。
カニクイザルにおけるRB006及びRB007のインビボ活性
RB006及びRB006/RB007複合体の抗凝固特性と、これらの化合物の血しょう中濃度との関係をサルの安全性薬理試験REG1−TOX001において評価した。手短に述べると、12匹のサルを3つの処置グループに割り当てた。グループ1に抗FIXaアプタマーRB006を投与し、グループ2にRB006に対する解毒薬RB007を投与し、グループ3をREG1抗凝固系、すなわち、RB006、続いてRB007(3時間後)で処置した。試験物の2つの量によって用量を段階的に増大させた。第1の用量は試験4日目に、第2の用量は13日目に行われた。RB006に対する用量反応をよりよく理解するために、グループ1(RB006、アプタマー単独)に割り当てられた4匹のサルを13日目に2グループに細分した。2匹の動物に低用量(グループ1a、RB006 5mg/kg)を投与し、2匹の動物に高用量(グループ1b、RB006 30mg/kg)を投与した。
図8に示すように、5から30mg/kgの用量でRB006を投与すると、サルにおいて抗凝固レベルが増大した。各用量レベルにおける平均APTTは、RB006投与0.25から24時間後に60秒を超えた。これは、サルにおける<0.1%正常血しょうFIXレベルに相当する。RB006投与に応答してAPTTが用量依存的に増加する。
しかし、RB006投与6時間後の時点まで、RB006血しょう中濃度は、インビトロAPTT用量−反応曲線が横ばいに近づく濃度(約40−50μg/mL。表3及び図7参照)を超えたために、用量反応は直ちに明らかではない。RB006投与後6時間を超えた時間では、RB006濃度がこのレベルよりも低下するので、用量反応はより明白である。RB006用量5及び15mg/kgを投与したサルにおいては、APTTがベースラインに戻るまでAPTTを追跡した。平均APTTは、用量レベル5mg/kgでは120時間までに、用量レベル15mg/kgでは192時間までにベースラインに戻った。これは、インビトロAPTT用量−反応曲線(図7)とサルにおいて観測されたRB006の半減期約12時間(表3参照)の両方に一致する。全血活性凝固時間(ACT)データは、APTTデータ(データ示さず)によく似ている。
二重オリゴハイブリド形成ELISAアッセイによって、RB006投与後最初の24時間にわたって毒物動態データを幾つかの時点で収集した。表3に示すように、RB006濃度は投与量の関数として増加し、RB006半減期は12時間の範囲であった。図8のデータと一致して、RB006の血しょう中濃度(表3)と図7のインビトロ用量−反応曲線との比較によれば、全用量レベルにおいて、RB006投与後最初の24時間を通して、動物は、血液凝固が著しく阻止された。これらの用量レベルは、提案された臨床範囲を優に上回る。グループ1a動物における投与後24時間の平均RB006濃度とこれらの動物の平均APTTとには良好な対応関係がある。RB006 5mg/kgで処置した動物の24時間における平均RB006濃度は15.9μg/mLであり、平均APTTは61.1秒であった。これは、サルにおけるインビトロRB006用量−反応曲線(図7参照)に基づく予測結果よりも極めて良好である。したがって、この試験によって、RB006で処置されたサルにおいて抗凝固レベルを監視するAPTTの有用性が確認される。また、データは、初期臨床試験においてRB006を投与したヒトの抗凝固状態を監視するAPTTの使用を支持する。
Figure 2009538325
解毒薬RB007のみで処置されたグループ2動物では、平均APTT及びACTは、試験したどちらの用量レベル(30及び60mg/kg)でもRB007投与に影響されなかった。二重オリゴハイブリド形成ELISAアッセイによって、RB007投与後最初の24時間にわたって毒物動態データを幾つかの時点で収集した。表4に示すように、4日目に30mg/kg又は13日目に60mg/kgの注射後0.25時間において、RB007を投与した動物から得られた血しょう中に低いが測定可能なレベルの解毒薬が存在した。これらのレベルは、極めて変わりやすいが、一般に用量依存的であった。解毒薬の投与後レベルは、IV注射後の(グループ1における)アプタマー濃度に比べて極めて低かった。したがって、解毒薬が、単独で投与したときに血しょう中で極めて短い半減期を有し、注射後15分で循環から大部分は排除されることが明らかである。
Figure 2009538325
RB006で処置され、続いて3時間後にRB007で処置された動物(グループ3)のAPTTデータを図9に示す。RB006のみで処置された動物のデータと一致して、これらの用量レベルにおけるRB006の投与は、高い抗凝固レベルをもたらし、投与後0.25及び3時間における平均APTTは、両方の用量レベルにおける本質的に完全なFIX阻害と一致した。それに続くRB007の投与は、サルにおけるRB006の抗凝固効果を急速に完全に中和し、平均APTTは、両方の試験RB006/RB007用量レベルにおいて、RB007投与後15分(測定した最初の時点)以内にベースラインに戻った。RB006/RB007 30/60mg/kgで処置したグループ3動物では、RB006投与後5日間APTTを追跡した。この期間に収集したAPTTデータによれば、RB006の抗凝固効果は、永続的に中和され、サルにおいて120時間、すなわち、RB006の約10半減期にわたって、反発した抗凝固の証拠はなかった(図9)。解毒薬RB007によるRB006の抗凝固活性の中和の永続性は、この薬物−解毒薬複合体の観察された熱力学的安定性と完全に一致する。
毒物動態学データをグループ3動物においてRB006投与後24時間収集した(表5)。グループ3動物では、遊離RB006(すなわち、RB007が結合していないRB006)と複合型RB006(すなわち、RB007が結合したRB006)の両方の血しょう中濃度を測定した。図9のAPTTデータと一致して、投与後0.25及び3時間におけるRB006の平均血しょう中濃度は、かなり高かった。RB007投与の15分以内に、遊離RB006の平均濃度は、1/5,000−1/10,000に減少して、用いたアッセイの定量下限(LLOQ)以下のレベルに減少した。遊離RB006レベルの低下と同時に、複合型RB006の平均血しょう中濃度は、アッセイのLLOQ以下から15/30及び30/60mg/kg用量レベルにおいてそれぞれ約125から220μg/mLに増加し、遊離RB006濃度の急速な減少がRB007とRB006の結合によることが示された。遊離RB006濃度は、RB007投与後3時間もアッセイのLLOQ以下にあり、APTT結果と一致した。RB007投与後21時間(RB006投与後24時間)では、極めて低レベルのRB006が幾つかの動物において検出可能であった(わずか0.17μg/mL以下の平均)。しかし、これらのRB006レベルは低すぎて、測定可能な抗凝固効果を発揮することができず、REG1抗凝固系で処置した動物において24時間以降におけるAPTT延長の欠如と一致する。
Figure 2009538325
サルにおける非臨床薬理試験の概要
示した試験は、RB006がサルにおける強力な抗凝固薬であり、臨床用量を超える用量で薬物を単一ボーラスIV注射した後24時間以上FIX活性を本質的に完全に阻害できることを実証した。サルにおけるRB006の抗凝固活性のインビトロ試験をこの安全性薬理試験から得られるAPTT及び毒物動態データと比較すると、APTTの予想の及び実測の延長と血しょうRB006濃度との良好な一致が実証される。したがって、APTTアッセイは、RB006投与によって誘発される抗凝固を監視する有用なツールとして役立つ。インビトロでのヒトとサルのRB006−APTT用量−反応曲線の類似性は、このサル試験(REG1−TOX001)から得られるデータ、及びサルにおいて実施された大規模な一般毒性試験(REG1−TOX003)が、RB006投与に対するヒトの反応を予測する有用な指針として役立つことを示唆している。最後に、REG1−TOX001から得られるAPTT及び毒物動態データは、RB007がRB006の極めて有効な解毒薬であることを実証した。RB006で処置した動物におけるRB007のIVボーラス投与後15分以内に、平均APTT時間は、RB006処置前レベルに戻り、監視全期間(最高120時間)このベースラインレベルのままであった。RB007によるRB006抗凝固活性の観測された中和は、毒物動態データによって十分に支持され、RB006−RB007複合体の測定された熱力学的安定性と一致する。毒物動態試験は、遊離RB006レベルが、RB007投与後15分以内にアッセイのLLOQ以下に低下したことを示し、毒物動態分析期間(RB006投与後24時間)に遊離RB006レベルの認め得るほどの増加なしに、複合型RB006の濃度がかなり増加することと一致した。したがって、サル試験において得られたデータは、REG1抗凝固系が、アプタマーの単一IV注射に起因する安定で、永続的で、監視可能な抗凝固を達成し、続いて解毒薬のIVボーラス注射後にアプタマー活性を急速、完全かつ永続的に中和することに関して意図したとおりに作用することを実証した。REG1抗凝固系のこの性能は、動物に対する有害作用なしに、意図した臨床用量範囲(すなわち、毒性試験に適切な用量)の低から高倍数で得られた。
REG1毒物動態学
バイオ分析法を開発し、サル及びマウス由来の血しょう中の遊離アプタマー(RB006)、遊離解毒薬(RB007)及びアプタマー/解毒薬(RB006/RB007)複合体の濃度を定量化できることを確認した。これらの方法をサルにおける安全性薬理試験(試験番号REG1−TOX001)、マウスにおける14日間の試験(試験番号REG1−TOX002)、及びサルにおける単一/反復投与試験(試験番号REG1−TOX003)から収集された試料の分析に適用した。3つの試験のすべてにおいて、アプタマー単独、解毒薬単独、又はアプタマーと3時間後の解毒薬を投与した別々の動物グループが含まれた。試験のすべてにおいて各処置条件の複数回投与レベルを試験し、これらの試験のうち2つ(マウスにおける14日間の試験及びサルにおける単一/反復投与試験)は、試験物の反復投与も用いた。これらの試験で試験されたアプタマーの用量レベルは、サルにおいて0.25から45mg/kgの範囲であり、マウスにおいて2.5から22.5mg/kgの範囲であった。試験した解毒薬の用量は、アプタマーの用量の2倍であった(すなわち、サルにおいて最高90mg/kg及びマウスにおいて45mg/kg)。この比は、臨床試験用に意図される比に類似している。
3つの試験のすべてにおいて、毒物動態の結果は、REG1抗凝固系の以下の諸性質を立証することに関して類似していた。すなわち、
・静脈内注射後のアプタマーの血しょう中濃度は、広い用量範囲にわたって用量に比例し、動物間の変化は比較的小さい。サル又はマウスにおいては、明白な性差はない。
・血しょうからのアプタマーの排除は、比較的遅かった(すなわち、推定半減期は、サルにおいて少なくとも12時間であり、マウスにおいて約8時間であった。)。この低クリアランスは、アプタマーのPEG化構造に基づくと予想され、他のPEG化オリゴヌクレオチドの薬物動態についての文献報告と一致する。アプタマーの最小クリアランスは、その高い第IX因子抑制効力と組み合わせて、薬力学的マーカーの測定、すなわち、活性化部分トロンボプラスチン時間及び活性凝固時間に基づいて、比較的安定な抗凝固を6時間にわたって与えた。このプロファイルは、REG1抗凝固系のアプタマー成分の望ましい性質である。
・(アプタマーによる前処置なしの)解毒薬単独の静脈内注射は、注射後最初のサンプリング時間(10−15分間)でも、極めて低い血しょう中レベルが得られた。これらの初期の時間に測定された解毒薬レベルは、解毒薬用量レベルが2倍であるにもかかわらず、アプタマーレベルよりも(すなわち、アプタマー単独を投与したグループにおけるアプタマーレベルに比べて)数桁低かった。まとめると、解毒薬のデータは、解毒薬が、単独投与時に、血しょう中で極めて短い半減期を有することを示している。比較的高用量レベル(30mg/kg)でサルに一日おきに7用量(14日間)を投与したときには、血しょう中に解毒薬は蓄積しなかった。
・アプタマーと3時間後に解毒薬(すなわち、完全なREG1抗凝固系)を投与したグループでは、遊離アプタマー濃度は、解毒薬投与後数分で(高感受性ハイブリダイゼーション型アッセイを用いた)定量限界以下又は定量限界をわずかに超える濃度まで急激に低下した。これは、解毒薬による循環アプタマーの完全な結合を示している。解毒薬単独処置と同様に、これらの条件下では、極めて低レベルの遊離解毒薬が存在した。解毒薬によるアプタマーの結合は、アプタマー活性の実質的に完全な中和(すなわち、凝固パラメータの正常化)に関連し、意図したREG1抗凝固系の性能と一致した。
・遊離アプタマーの除去と同時に、アプタマー/解毒薬複合体は、解毒薬によるアプタマーの完全な結合と一致したレベルで血しょう中に検出された。複合体は、遊離アプタマーよりも(すなわち、アプタマーのみで処置したグループにおけるアプタマークリアランス速度に比べて)わずかに速い速度で血しょうから除去されたが、複合体内の(アプタマー由来の)ポリエチレングリコール部分の存在から予想されるように、遊離解毒薬よりもはるかに遅い速度で除去された。血しょうからのアプタマー/解毒薬複合体の大規模な除去は、解毒薬投与後21時間以内に明らかになった。アプタマーと解毒薬(REG1凝固系)をサルに2週間毎日反復投与した場合、血中複合体又は遊離アプタマーは蓄積せず、アプタマー薬物動態は変化せず(すなわち、解毒薬投与前の期間中)、アプタマーによる累積的な抗凝固の証拠はなかった。
・マウスとサルの薬物動態の唯一の相違は、サルにおけるアプタマーの中程度に長い半減期であった(マウスにおける約8時間に比べて、少なくとも12時間)。
ヒトにおけるREG1の臨床用途
個々の患者又は患者集団に対して使用する抗凝固方法を選択する際に、臨床医は、種々の薬理的戦略の諸特性を比較検討する。抗凝固の主要な有害作用が出血(すなわち、過度の薬理)であることを念頭に置いて、急性期治療の適応症に対する理想的な抗凝固薬は、1)静脈内又は皮下に送達可能であり、2)即効性(immediately therapeutic)であり、3)頻繁な監視を必要としないように容易に投与され、最も重要なことには、4)即時かつ予想どおりに可逆的である。REG1抗凝固系は、有効で、安全で、急速に可逆的な抗凝固薬に対するこのいまだ対処されていない医学的要求にこたえて、開発された。
REG1は、幾つかの医療現場でかかる治療を必要とするヒト及び他の動物の治療に使用することができる。例えば、REG1は、動脈疾患及び閉塞に関連した冠動脈及び末梢血管再生法に解毒薬可逆性抗凝固薬として使用することができる。特に、REG1は、冠動脈再建術(冠動脈バイパス移植(CABG)及び経皮的心臓介入(PCI))における解毒薬可逆性抗凝固薬として、急性冠動脈症候群患者用の解毒薬可逆性抗凝固薬として、また、抗凝固療法又は抗血栓療法に解毒薬可逆性薬剤を使用することが有利である他の適応症用の抗凝固薬として、使用することができる。本発明の方法を使用することができる障害及び手技としては、腸骨、頚動脈、上腕、大動脈、腎臓、腸間膜、大腿、膝か、けい骨及び腹膜の各血管に関連した移植術を含めた末梢血管移植術、深部静脈血栓の防止、整形外科後の、又は癌患者における、肺塞栓症の防止、心房細動の防止、脳血栓の防止、並びに血液透析及び体外膜型酸素供給を含めて、ただしこれらだけに限定されない血液の体外循環を必要とする適応症が挙げられるが、これらだけに限定されない。本発明の方法を使用することができる潜在的な障害及び手技の追加の例としては、心肺バイパスの内心臓手術を受けた患者、内心臓の血塊形成又は末梢塞栓を有する患者、及び他の凝固性亢進状態にある患者が挙げられるが、これらだけに限定されない。本発明の方法は、動けない患者のDVT及び肺塞栓形成の防止、並びに留置された静脈カテーテル及び動脈ライン又は静脈ラインの有効性の維持にも有用であり得る。
REG1の抗凝固薬成分RB006の用量範囲は、適応症に応じて決まる。例えば、RB006用量は、ヒトにおいて、約0.1mg/kgから約10mg/kgであり得る。ある適応症においては、用量範囲は、約.5mg/kgから約9mg/kg、約.75mg/kgから約8mg/kg、約1mg/kgから約7mg/kg、約1.5mg/kgから約6.0mg/kg、約2.0mg/kgから約5.0mg/kg、約2.5mg/kgから約4.0mg/kgである。ある適応症においては、薬物成分は、手技の有効性を維持するのに必要な用量で投与される。ある適応症においては、RB006は、それに続く中和解毒薬の投与なしに、単独で投与される。
RB006を中和又は部分的に中和するのに必要なREG1の解毒成分RB007の対応する用量は、投与するRB006の量に応じて決まる。解毒薬用量は、解毒薬:薬物重量比(解毒薬mg:薬物mg)で、約0.1:1から約20:1、約.25:1から約15:1、約.5:1から約12:1、約.75から約10:1、約1:1から約9:1、約1.5:1から約8:1、約2:1から約7.5:1、約2.5:1から約6:1、約3:1から約5:1の範囲であり得る。
その安全な臨床応用における信頼を助長するREG1抗凝固系の最も重要な性質は、アプタマーの薬理活性を用量依存的に予想どおりに逆転する、解毒薬の確立された能力である。
ヒトにおけるREGI抗凝固系の評価
この試験は、REG1抗凝固系がヒトにおいて評価された最初であった。REG1抗凝固系の単一静脈内(IV)用量増大試験を健康なヒトボランティアにおいて実施した。この試験の対象を、3つのアームの1つにおいて、4つの異なる用量レベルの1つで、試験項目又はプラセボに無作為に割り当てた。各用量レベルの各アームにおいては、対象を治療とプラセボに7:1で無作為化し、対象にREG1又はプラセボを投与した。塩化ナトリウム注射0.9%USPをすべてのプラセボ注射に使用した。対象を無作為化して、REG1又はプラセボを各用量レベルで投与した。
この試験に登録した対象に対するリスクを最小にし、安全性を最大にするために、3つのアームを以下の順序で指定した。
アーム1:プラセボ薬物とそれに続く活性RB007解毒成分、又はプラセボ薬物とそれに続くプラセボ解毒薬
アーム2:活性RB006薬物とそれに続く活性RB007成分、又はプラセボ薬物とそれに続くプラセボ解毒薬
アーム3:活性RB006薬物とそれに続くプラセボ解毒薬、又はプラセボ薬物とそれに続くプラセボ解毒薬。
アーム1は、REG1抗凝固系の解毒成分(RB007)を評価した。このアームの各対象に0時(すなわち、最初のボーラス注射を行う時間)にプラセボを注射した。3時間後、対象に活性解毒成分(RB007)を静脈内注射し、1名の対象にプラセボを投与した。
アーム2は、REG1抗凝固系の活性薬物成分(RB006)とそれに続くREG1抗凝固系の活性解毒成分(RB007)の組合せを評価した。このアームの対象に活性薬物成分(RB006)を0時に注射し、1名の対象にプラセボを投与した。3時間後、活性薬物成分を投与した対象に活性解毒成分(RB007)を注射し、薬物成分の代わりにプラセボを投与した1名の対象に解毒薬の代わりにプラセボを投与した。
アーム3は、REG1抗凝固系の活性薬物成分(RB006)を評価した。このアームの対象に活性薬物(RB006)を0時に注射し、1名の対象に解毒薬の代わりにプラセボを投与した。3時間後、対象全員に解毒薬の代わりにプラセボを投与した。
活性試験薬物成分(RB006)を4つの用量レベル、すなわち、(1)低用量(RB006 15mg)、(2)低中間用量(RB006 30mg)、(3)高中間用量(RB006 60mg)及び(4)高用量(RB006 90mg)で投与した。出発用量とそれに続く段階的増大を選択して、正常ヒトプール血しょうにおいてRB006に対するインビトロAPTT用量−反応曲線の3つの重要な局面を規定する最大血しょう中濃度を標的にした:RB006インビトロ用量−反応曲線においてAPTTが増加し始める最大血しょう中濃度を標的にした低用量(約4μg/mL)、インビトロRB006 APTT用量−反応曲線のIC50を取り囲む(bracket)血しょう中濃度を標的にした2つの中間用量(約8−16μg/mL)、及びインビトロRB006 APTT用量−反応曲線が横ばいになり始める血しょう中濃度を標的にした高用量(約25μg/mL)。
活性試験解毒成分(RB007)を、mg/kg基準で薬物(RB006)用量レベルの2倍に相当する4つの対応する用量レベル、すなわち、(1)低用量(RB007 30mg)、(2)低中間用量(RB007 60mg)、(3)高中間用量(RB007 120mg)及び(4)高用量(RB007 180mg)で投与した。表6は、この第1A相試験の各アームの用量の概略である。
試験薬物成分(RB006)、試験解毒成分(RB007)、及びそれぞれのプラセボを注射として各々1分間投与した。REG1試験薬物成分又はプラセボを0時に投与し、解毒成分又はプラセボを3時間目に投与した。
Figure 2009538325
REG1を健康なボランティアにおいて評価して、安全性プロファイルを求め、REG1抗凝固系のPK及びPD反応を記述した。この試験は、アプタマーとアプタマーに対するオリゴヌクレオチド解毒薬とを利用した抗凝固系をヒトに投与した最初であった。その結果によれば、APTTの用量反応は、薬物のボーラスIV注射後に見られ、解毒薬ボーラスIV注射後にベースラインAPTTに急速に持続的に戻った。ACTは、APTTと類似のパターンに従った。PTは、ベースラインに比べて不変であった。
対象にRB006又は0.9%等張食塩溶液を静脈内ボーラス注射として0時に投与し、血しょうAPTTを測定することによって、処置の抗凝固効果を経時的に評価した(図10)。各処置グループに対するAPTT値を相対APTTの平均±SEMとして表す。相対APTTは、所与のサンプリング時間における個々の対象のAPTT値を、該対象のRB006投与前ベースラインAPTT値で除算した値である。値1は、RB006に対して反応がないことを示し、値>1は、抗凝固効果を示す。RB006用量を15mgから60mgに段階的に増加させると、相対APTT値の明確な用量反応が認められる。APTTアッセイによって評価したRB006の薬力学的活性の半減期は、少なくとも12から18時間と考えられる。これは、RB006 60mgで処置した対象の平均相対APTTが、RB006 30mgで処置した対象において認められる最大相対APTTに減衰するのに必要な時間である。
対象にRB006又は0.9%等張食塩溶液(プラセボ)を静脈内ボーラス注射として0時に投与し、次いでRB007又はプラセボを静脈内ボーラス注射としてRB006投与の3時間後に投与した。RB006処置の抗凝固効果を、血しょうAPTTを測定することによって経時的に評価した(図11)。各処置グループに対するAPTT値を相対APTTの平均±SEMとして表す。相対APTTは、所与のサンプリング時間における個々の対象のAPTT値を、該対象のRB006投与前ベースラインAPTT値で除算した値である。RB006用量を15mgから90mgに段階的に増加させると、相対APTT値の明確な用量反応が認められる。RB007を投与すると、RB007投与後に相対APTTがベースライン値に戻ることによって明らかなように、RB006の薬理活性の完全で、急速で(5分以内)、永続的な中和がもたらされた。
上記図10及び11に記載の処置。RB006 60mgで処置し、続いて3時間目にRB007又はプラセボで処置した各対象の薬力学的反応を比較すると、RB007の急速で永続的な中和活性が実証される(図12)。RB007を投与した場合としない場合の3から24時間のAPTT反応曲線下面積を比較することによって明らかになるように、RB007の投与は、対象が更なる抗凝固に曝されるのを効果的に解消する。
補体活性化、したがって毒性の随伴が、他のタイプのオリゴヌクレオチド分子のかかるボーラス注射投与によって以前に認められた投与によって認められたことを考慮すると、霊長目において補体活性化を生じずにREG1凝固系をボーラスIV注射投与できる能力は驚くべきものである。例えば、Galbraith et al. (1994) ”Complement activation and hemodynamic changes following intravenous administration of phosphorothioate oligonucleotides in the monkey,” Antisense Research and Development 4:201−206及びLevin, A.A., Monteith, D.K., Leeds, J.M., Nicklin, P.L., Geary, R.S., Butler, M., Templin, M.V., and Henry, S.P.(1998) Toxicity of oligonucleotide therapeutic agents, In Handbook of Experimental Pharmacology, G.V.R.e.a. Born, ed.(Berlin:Springer−Verlag), pp. 169−215を参照されたい。
投与パラメータの戦略的分析
図13は、RB006を投与した全対象に対する、0−3時間のベースラインにわたるAPTTの相対増加のより詳細な分析結果である。サルの試験データと一致して、APTTレベルは、最大に達し、数時間横ばい状態になる。処置後の最初の3時間に測定したベースラインと比較して相対APTTの曲線下面積を評価することによって、データを分析した。図19は、RB006反応が%FIX阻害にどのように関係するかを示す。このデータによれば、抗凝固薬を用いて>99%FIX活性を段階的に阻害することができる。
図14は、RB006用量レベル(15、30、60又は90mg)によって整理された各対象に対するAUC 0−3である。相対効果を3時間測定しているので、例えば、「3」の値は反応がないことを示し、6の値はベースラインの平均2倍の増加を示す。
図15は、体重に応じて調節されたRB006用量をRB006用量レベルの関数として示す。図16は、RB006の薬力学的効果(AUC 0−3)と「体重に応じて調節された」RB006用量との関係である。体重に応じて調節された用量は、0.2mg/kgから1.6mg/kgの範囲であり、AUC0−3の範囲は約3から10単位である。このグラフによれば、反応と体重に応じて調節された用量との間には明確な関係があり、抗凝固薬に対する患者間の変動はかなり小さい。
図20及び21に見られるように、登録された対象の肥満度指数(BMI)とRB006用量レベルとの間には明確な関係がある。BMI 19−25は正常であり、25−30は過体重であり、>30は肥満である。試験の対象は、約16のBMIから35を超えるBMIまでの範囲であった。肥満度指数(BMI)は、人間の体重と身長から計算される数である。BMIは、人々の肥満の信頼できる指標である。BMIは、体脂肪を直接測定しないが、研究によれば、BMIは、水中体重秤量法、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)などの体脂肪の直接的測定法と相関がある。BMIは、体脂肪の直接的測定法の代替法とみなすことができる。BMIは、成人と小児の両方で同様に計算される。計算は以下の式に基づく。
Figure 2009538325
図17は、RB006で処置された対象のBMIに応じて調節された用量を、RB006用量レベルの関数として示す。図18は、RB006のAUC0−3とBMIに応じて調節された用量との関係である。投与量は、0.5mg/BMIから約4.5mg/BMIの範囲であった。AUC0−3の範囲は、約3から10単位であった。グラフから分かるように、薬力学パラメータとBMIに対して調節された投与量との間には明確な関係がある。この関係は、体重に応じて調節された用量関係よりも一層明白であり、変動はより小さい。BMIと相対AUC0−3の関係によれば、薬物は、脂肪や関連組織ではなく、主に中心身体区画(central body compartment)に分布している可能性がある。この分布は、非経口投与用抗凝固薬としてのREG1系の使用を更に支持するものである。
安定したCADを有する患者におけるREG1系の評価
アスピリン及び/又はクロピドグレルを服用する、安定した冠動脈疾患を有する50名の患者について試験を実施した。RB006とRB007の4つの用量レベルにわたって、患者を3グループ(RB006単独、RB006とそれに続くRB007、又はプラセボ単独)の1つに無作為化した。
ベースライン特性は、年齢中央値61歳(四分位数間範囲(IQR)56−68)、女性20%、既往の(prior)経皮冠動脈インターベンション80%、及び既往の冠動脈バイパス術34%を含んだ。RB006の低、低中間、高中間及び高用量の単一静脈内(IV)ボーラスの10分後の中央値aPTTは、29.2秒(IQR 28.1−29.8)、34.6秒(IQR 30.9−40.0)、46.9秒(IQR 40.3−51.1)及び52.2秒(IQR 46.3−58.6)、p<0.0001、(aPTT正常範囲27−40秒)であった。RB007は、1分の中央値(IQR 1−2)以内で正常上限を<10%超えるまでにaPTTを逆転し(図1)、反発した増加は7日までなかった。対象の38%において二重抗血小板療法を使用したにもかかわらず、生命にかかわる出血も他の重大な有害事象もなかった。
図20は、プラセボと比較した、4つのアプタマー/解毒薬用量におけるAPTT反応の比較結果である。グループ1「低用量」には、RB006 15mgを0時に投与し、RB007解毒薬30mgを3時間目にIVボーラス投与した。グループ2「低中間用量」には、RB006 30mgを0時に投与し、RB007解毒薬60mgを3時間目にIVボーラス投与した。グループ3「高中間用量」には、RB006 50mgを0時に投与し、RB007解毒薬100mgを3時間目にIVボーラス投与した。グループ4「高用量」には、RB006 75mgを0時に投与し、RB007解毒薬150mgを3時間目にIVボーラス投与した。RB006 50及び75mg/kgにおいて、aPTTの大きな上昇が見られ、これは、RB007を2×アプタマー濃度で投与すると完全に逆転した。
REG1系の反復投与
全般的に良好な健康状態の38名の患者に試験を実施した。3つの処置グループが確認された。グループ1:単一用量のアプタマー(RB006 0.75mg/kg)を1、3及び5日に投与し、続いて固定用量の解毒薬(RB007 1.5mg/kg)を1時間後に投与した対象。グループ2及び3:単一用量のアプタマーRB006(0.75mg/kg)を1、3及び5日に投与し、続いて異なる単一用量のRB007を1時間後に投与した対象。グループ2及び3の対象におけるRB007の用量滴定を下記表Aに示す。
Figure 2009538325
RB006用量(0.75mg/kg)を、体重に応じて調節された、RB006に対する反応に基づいて選択した。平均して、この体重に応じて調節されたRB006用量は、対象のAPTTを2倍増加させた。RB006アプタマー、解毒薬及びそれぞれのプラセボを注射として各々1分間投与した。図21は、異なる解毒薬処置にわたる、1、3及び5日におけるRB006(0.75mg/kg)投与後の時間加重APTTである。
図22は、それぞれのグループにおけるRB006投与のAPTTに対する効果パーセントである。APTTの約270%の増加が、3グループすべてにおいてアプタマー0.75mg/kgの投与後に見られ、3つの処置日でさほど異ならなかった。
図23は、RB006と比較した、RB006(0.75mg/kg)とRB007を種々の比で投与したグループにおける平均APTTである。RB006を0時に投与し、示した比のRB007を1時間目に投与した。グラフから分かるように、RB007は、アプタマーに対する解毒薬の抗凝固薬用量を逆転させた。また、図23に示すように、試験した各比におけるRB007の逆転効果は、経時的に比較的安定であり、RB006薬力学的活性は、この化合物に対して予想されるように、経時的に徐々に低下した。
図24は、RB006と比較した、RB006(0.75mg/kg)とRB007を種々の比で投与したグループにおける時間加重APTTの回復率である。RB006を0時に投与し、示した比のRB007を1時間目に投与した。試験した最低の比0.125:1において、RB007は、RB006の効果を約40%逆転させた。0.2:1においては、RB007は、RB006の効果を約50%逆転させた。0.3:1においては、RB007は、RB006の効果を約75%逆転させた。0.5:1においては、RB007は、RB006の効果を約85%逆転させた。1:1又は2:1のより高い比においては、RB007は、RB006の効果を効果的に完全に逆転させた。

Claims (30)

  1. a. ホストの肥満度指数(BMI)を測定すること、
    b. 所望の薬力学的反応を確認すること、及び
    c. アプタマーの1回分をホストに投与して、BMI当たりの用量と薬力学的反応との比較に基づいて、所望の薬力学的反応を得ること
    を含む、アプタマーの投与方法。
  2. アプタマーに対する解毒薬の1回分をホストに投与することを更に含み、解毒薬の1回分が、先に投与されたアプタマーの既知用量に基づき、解毒薬:アプタマー比が、アプタマー活性の所望の低下に基づく、請求項1に記載の方法。
  3. 所望の薬力学的反応が最大抗凝固レベルである、請求項1に記載の方法。
  4. アプタマーが4mg/BMI以上の用量で投与される、請求項3に記載の方法。
  5. 所望の薬力学的反応が最大約75%の抗凝固レベルである、請求項1に記載の方法。
  6. アプタマーが約3.0−4.0mg/BMIの用量で投与される、請求項5に記載の方法。
  7. 所望の薬力学的反応が最大約50%の抗凝固レベルである、請求項1に記載の方法。
  8. アプタマーが約2.0−3.0mg/BMIの用量で投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 抗凝固薬の用量が0.1から10mg/BMIである、請求項1に記載の方法。
  10. 抗凝固薬の用量が約5mg/BMIである、請求項1に記載の方法。
  11. a. ホストのkg単位の体重を測定すること、
    b. 所望の薬力学的反応を確認すること、
    c. アプタマーの1回分をホストに投与して、1kg当たりの用量と薬力学的反応との比較に基づいて、所望の薬力学的反応を得ること、及び
    d. アプタマーに対する解毒薬の1回分をホストに投与すること(解毒薬の1回分は、アプタマーとの比にのみ基づいて与えられる。)
    を含む、アプタマーの投与方法。
  12. アプタマーに対する解毒薬の1回分をホストに投与することを更に含み、解毒薬の1回分が、先に投与されたアプタマーの既知用量に基づき、解毒薬:アプタマー比が、アプタマー活性の所望の低下に基づく、請求項11に記載の方法。
  13. 所望の薬力学的反応が最大抗凝固レベルである、請求項11に記載の方法。
  14. 抗凝固薬の用量が1.4mg/kg以上である、請求項13に記載の方法。
  15. 所望の薬力学的反応が最大約75%の抗凝固レベルである、請求項11に記載の方法。
  16. 抗凝固薬の用量が約1.0mg/kgである、請求項15に記載の方法。
  17. 所望の薬力学的反応が最大約50%の抗凝固レベルである、請求項11に記載の方法。
  18. 抗凝固薬の用量が約.6−.8mg/kgである、請求項17に記載の方法。
  19. 抗凝固薬の用量が0.1から2mg/kgである、請求項11に記載の方法。
  20. 抗凝固薬の用量が5から10mg/kgである、請求項11に記載の方法。
  21. 解毒薬がオリゴヌクレオチド解毒薬である、請求項1又は11に記載の方法。
  22. アプタマーが配列番号1を含む、請求項1又は11に記載の方法。
  23. 薬力学的反応が凝固アッセイにおいて測定される、請求項1又は11に記載の方法。
  24. アプタマーがIVボーラス送達において投与される、請求項1又は11に記載の方法。
  25. アプタマーが皮下注射によって投与される、請求項1又は11に記載の方法。
  26. アプタマーと解毒薬が1:1の比で投与される、請求項2又は12に記載の方法。
  27. アプタマーと解毒薬が少なくとも2:1の比で投与される、請求項2又は12に記載の方法。
  28. アプタマーと解毒薬が0.5:1以下の比で投与される、請求項2又は12に記載の方法。
  29. アプタマー活性が90%未満だけ逆転する、請求項2又は12に記載の方法。
  30. アプタマー活性が約50%だけ逆転する、請求項2又は12に記載の方法。
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