JP2009530499A - 高強度を有する溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品 - Google Patents

高強度を有する溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品 Download PDF

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Abstract

高い機械的強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれにより得られる製品について記載されており、それは特に冷間引抜きのステンレス鋼を用いる製造に関するものであって、異なる厚さ及び形状に加工可能であり、動的用途に使用される軽量及び超軽量の構造フレームの製造に使用され、優れた機械的特性と溶接特性を有する。製造システムは、引き抜き装置を通過させるとともに、引き抜きのために組み合わせるために、管の端部を小さくするための傾斜作製工程と、材料を軟化させて変形しやすくするためのアニール熱処理工程を有する。システムには、材料の機械的特性を評価するための機械的試験と、材料の構造を観察し、それが引き抜きのための予め設定されたパラーメータの範囲内にあるかどうかを評価する金属組織学が含まれる。これらの工程の後に、表面の化学的調製工程があり、そこでは、管と引き抜き装置との間の接触面を滑らかにするとともに、材料を永久変形させる引き抜き時における膠着を抑制する。その工程は、管の厚さが所望の値になるまで繰り返して行う。工程が終了した後、仕上げの熱処理工程を行い、変形した鋼の構造を改質し、所望の最終特性を付与する。最後に、矯正工程を行い、引き抜いて炉で処理した管をまっすぐにし、そして不動態化工程を行い、緻密な酸化物のさびを生成させて鋼に耐蝕性を付与する。次いで、切断し、品質管理と包装を行う。

Description

本発明は、高強度を有する溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品に関し、さらに詳しくは、異なる厚さと形状に加工可能であって、動的な用途、例えば、レーシングカー等の競争用車輌や、ハイエンド(high-end)自転車や、航空学に使用される軽量及び超軽量な構造用フレームの製造に適した高性能の機械的特性及び溶接特性を備えた、冷間引き抜きで製造するステンレス鋼の管状部材に関する。
特に、上記の構造フレームには、強度と信頼性に加え、競走用車輌と航空学に用いる構造体の場合のように、軽量性と動的な圧力の下での優れた特性についての特別の性能が要求される。
知られているように、動的な用途で使用される鋼製構造フレームは、異なる品質の鋼で製造され、金属の接続部材により相互に連結された、多極管(multi-way tubes)である。
一つの動的なフレームの例は、自転車を製造する時に使用されているものである。
ハイエンドの自転車のフレームを製造する場合、溶接部の近傍でも良好な機械強度を確保しながら軽量化を図り、かつ構造体の堅さを増加させ、美的外観及びデザイン的な理由だけでなく、大きな堅さをも付与するためには、特別の加工(ブローチ削り(broaching)及び/又はコーニング(coning)により、賦形するとともに管に沿って厚さを変化させる。)を行う必要がある。
既に説明したように、問題の管は、溶接により互いに連結されていることが好ましい。平坦な接続にするためには、溶接部分でも材料の機械的特性を維持する必要があり、特別の技術で溶接する必要がある。用いた最初の溶接例は、TIGと呼ばれている(TIGは、タングステン不活性ガスを意味する。)。TIG溶接では、金属を加熱及び溶融するのに電気アークが使用されており、電気アークは、電極と溶接部分との間に発生させる。保護ガスは、ノズルを通過して、溶接バスとタングステン電極を保護する。TIG溶接における保護ガスの主たる目的は、部品のホットゾーンと溶融ゾーン、溶接材料、そして電極を周囲空気の悪影響から保護することにある。さらに、保護ガスは、アークの特性と溶接部分の美的外観にも影響を与える。TIG溶接の利点としては、接合部は高品質であること、スラグや飛散(spatter)が存在しないことが挙げられる。別の溶接方法として、鑞付けがある。これらの技術は、高度の正確性を必要とし、かつ熟練工が行うとしても精巧な溶接方法である。
別の、より技術的に進化した溶接方法として、電子ビームやレーザ溶接が知られており、これらは、航空・宇宙分野に使用される部品の製造に使用されているが、自転車の分野には使用されていない。
実際のところ、例えば、電子ビームは、特性の異なる2つの材料を高精度に溶接することができ、溶接ラインなしでそれらの材料を完全に付着(adhesion)させる。しかしながら、初期の投資額が高額であることに加え、電気の使用コストが、溶接する材料の大きさに比例して指数関数的に増加し、許容できない程の高額となる。
上述の理由に加え、電子ビーム溶接とレーザ溶接は、フレームのような特定の大きさの部品を接合する場合には適用できないため、自転車のフレーム製造分野に使用できるようにするためには、多大な投資を必要とする。さらに、溶接後、フレームを仕上げるにはさらに熱処理が必要であり、その結果移動コストがかかる等の問題があり、製造コストがかなり増大する。
すべての場合において、使用する溶接技術は、問題となるような結果又は他の事態を与えてはならず、さらには美観的に悪影響を与えるものであってもならない。
現在、上記のフレーム製造に使用されるすべての品質の鋼は、溶接部分の機械的特性が弱いという問題を有しており、そのため、接合部の近傍に補強部材を取り付けざるを得なくなったり、厚みの大きな管状部材を使わざるを得ない、という問題がある(電子ビーム法やレーザ法を用いて溶接した鋼製の管状部材は除く。)。
動的フレームの製造における別の問題は、今日、最も使用されている鋼の類型(typologies)(すなわち、25CrMoのようなカーボン鋼)は、好ましい機械的特性を有するが、腐食し易く、管の内部と外部が劣化し、結果として強度と耐久性が明らかに低下する、という事実から明らかになったものである。劣化を防ぐために、保護塗料による保護と仕上げをさらに追加する必要がある。しかし、特別な高コストの技術を用いても腐食が起きる管内部を保護することはできない。
保護用エナメルを用いると、フレームの製造及び維持管理によりもたらされるすべての環境への影響に加え、重量に関して悪影響が現れる。
弾性、強度そして軽量性に関し高性能を与える特定の非ステンレス鋼の中には、例えば、鋼15CrMoVがあり、それは塗装ではなくニッケルメッキがなされており、この場合、腐食防御は管の内部と外部とでなされている。ニッケルメッキ処理を行う場合、多くの悪影響を考慮する必要があり、適切にコントロールを行わないとさらに問題が発生する。事実、ニッケルメッキ処理において、環境に対し多大な悪影響を与える種々の有害物質、例えば、重金属、シアン化合物、そして強酸(硫酸、塩酸)の発生により、電解メッキの活性が環境に悪影響を与えることが知られている。無機塩、腐食製物質、そして溶剤を多量に使用すると、廃水と廃棄物の廃棄の両方の問題が発生する。さらに、加工により発生する有害な蒸気や粉体は、空気に大きな影響を与える。
腐食しにくい他の物質の中で、アルミニウムとチタン(これらはここで説明する材料のカテゴリーには含まれず、そして多くの特別かつ未解決の問題を有する。)、そしてフェライトステンレス鋼(機械的特性が弱く、酸化され易い。)を除いて、上記の問題点に対する解決策がステンレス鋼について過去10年間検討されたが、現在に至るまですべての要求を満たすものはない。
事実、オーステナイトステンレス鋼(例えば、AISI 304、AISI 308等)は、良好な溶接性とステンレス特性を有するが、機械的特性が弱い。すなわち、それらは延性があり、硬くなく、(単相であり)硬化せず、事実、変態温度(AC3)より高温に加熱した後で急冷しても、構造は変化せず、オーステナイトのままである。
より大きな機械的特性を付与するために、ステンレス鋼を機械的な力(例えば引き抜き)による処理により硬化させることができる。
しかしながら、この場合、溶接工程に関係した問題が未解決である。融点より高い温度に加熱すると、隣接する領域も加熱されるため(そして軟化する)、必要な機械的特性を得ることができない。溶接領域は、強度がより弱い場所として形成される。構造体の強度を確保する必要があるため、厚さを薄くしても、重量を大きく減らすほどの効果は期待できない。さらに、引き抜き(又は別の機械的な力)により一旦硬化させると、このタイプの鋼には別の加工上の複雑な問題が発生する。
クロム−ニッケルステンレス鋼は硬化させることはできないが、クロムマルテンサイトステンレス鋼は硬化させることができる。
換言すると、このタイプの鋼は、熱処理の間に溶解し、そして急冷されたオーステナイトは、マルテンサイト構造に変化し、高い機械的強度が得られる。
クロム含量が13%より大きいマルテンサイト鋼は、さらに、良好な耐蝕性を有する。しかしながら、この場合においても、溶接工程に関係した問題が発生する。すなわち、溶接を行う場合、すべてのマルテンサイト鋼にはマイクロクラックが発生するため(実際には、炭素含量を0.20%より大きくすることでこれを防止することを勧める。)、たとえそれがわずかであっても強度を低下させ、とりわけ、動的圧力を受ける構造体の強度を低下させる。いずれの場合でも、それらは自硬鋼であるので、溶接の前に前加熱を行い、その後直ぐに焼戻し又はアニールを行うことが必要である。このことから、競走用車輌又は航空機用の大きな圧力を受けるフレームの製造のため、溶接する管を製造するためにこの材料を用いることは好ましくなく、高コストである。
現在、市場には、析出硬化によるステンレス鋼(17−4PH鋼)も存在し、それは良好なステンレス鋼特性を有し、かつ合金元素(Al,Nb,Ti,Mo,Cu等)を含んでおり、その合金元素は、ヒートエージング処理の後、硬化相をマトリックスの中に析出させ、それにより、鋼に適度な引張強さと延性を伴った高強度を付与している。
マルテンサイト鋼の場合のように、これらのタイプの鋼は、引き続き再加工することは、多大なコストをかけない限り困難である。
さらに、この場合、溶接工程で炭化物の析出が起きないので、溶接性の問題は未解決である。溶接時に弱点が形成させることが、結果として最終構造体の信頼性を低下させている。
その問題を避ける唯一の方法は、溶接工程に続いてさらに熱処理を行うことであるが、結果としてさらにコストが上昇するという加工上の問題をもたらす。
また、上述の鋼に加え、別のステンレス材料が検討されている(例えば、アーメット(AerMet)100合金)。その材料の特徴は、5%より多い1種以上の合金元素を含むものであり、従来の考え方では”合金”とは見なされず、鉄、コバルト、ニッケルに基づく”超合金”である(すなわち、構造改質のメカニズムが異なり、特定の特性を付与することを可能とするものであり、添加元素の含有量だけでなく合金自身の複雑性にも依存するものである。)。
特に、これらの材料は、低弾性率を有し、鋼の場合よりも加工法がかなり複雑である。この材料を用いる場合、引き抜き、そして常にプレート溶接を用いて管を製造する(したがって、ビレット押し出しは決して使用しない。)。複雑な加工法と熱処理に加え、特定の直径と厚みに一旦製造したものは(すでに説明した材料のように)、製造が経済的ではなくなるため、コストをかけて改質することはない。さらに、溶接部分に近いフレーム部分は、外部の補強部材(ガスケット)を用いて強化する必要がある。
最後に、完全を期すため、ナノテクノロジーから得られた革新的な鋼であり、他の鋼のカテゴリーには入らない、ナノフレックス(Nanoflex)管の製造について説明する。
その材料は、高強度が期待できるかなり有望な材料であり(熱処理で得られるのではなく、還元率(reduction percentage)によって得られる。)、理論的には、この鋼で製造した管は、今までの最高の機械的特性、加工特性、そして仕上げ特性を有している。しかしながら、ナノフレックスでも、溶接時にはいくつかの問題を抱えているという事実は別としても、この材料はまだ市販はされていない。
本発明の目的は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品を用いて、上述の課題を克服して従来の技術の問題点を解決することであり、これにより、腐食が起きることがなく、高強度で、異なる厚さと形状を付与するための加工が容易であり、溶接部分の近傍における弱点部分の発生を抑制しながら容易に溶接できる、管を製造することが可能となる。
本発明の第2の目的は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品を製造することであり、これにより、溶接なしで製造された管を用いるために構造的に均一である、動的な用途に使用される軽量構造フレームや溶接された管状構造体、の製造に対する改良された技術的な対策を提供するものである。
本発明の第3の目的は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品を保有することであり、これにより高強度と、優れた安全性と品質を有する管を製造することができ、それにより、動的圧力にさらされるだけでなく、高強度が要求される過酷な条件、例えば、宇宙、航空学、核、化学、海、モータースポーツ、そしてサイクリング等の分野で使用可能な機械部品を製造することができる。
本発明の別の目的は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた加工性の高い指標を有する製品を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られた製品を提供することであり、それにより、製品の全ライフサイクルに関係する環境問題の多くを減らすことができ、すなわち、製造工程におけるプロセスを減らし、その結果として毒性のある有害な物質の消費を減らし、そして製品の有効なライフタイムにおいて寿命を延ばすことを可能とし、安全基準を上げ、維持管理に必要な化学物質の使用を抑制し、そして有効なライフタイムの最後においては、すなわち廃棄段階では、原材料の特性を損なうことなく全体のリサイクルを可能とする(軟金属のリサイクルで代わりに起きているように)。
本発明の少なからぬ目的は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られる、簡単に製造でき優れた機能を有する製品を提供することである。
これら及び他の目的は、本発明の説明の過程で明らかになるが、以下のクレームに記載された通りの、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られる製品により実質的に解決される。
本発明のさらなる特性と利点は、高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システム及びそれから得られる製品についての詳細な説明から明らかになる。本発明は、添付の図面を参照して以下に記載されている。図面は説明のためのものであり、発明を何ら限定するものではない。
本発明の方法は、”オーステナイト−マルテンサイト”で規定される鋼に対して使用するものであり、その化学組成としては、オーステナイトステンレス鋼は、炭素とモリブデンを含み、マルテンサイトステンレス鋼は、ニッケルとクロムを含んでいる。本発明では、オーステナイトステンレス鋼は、約95%に達するマルテンサイト率を有する。そのため、本発明の方法は、マルテンサイト鋼にも適用することができる。本発明の方法に好適に用いることができる鋼の一例は、X4CrNiMo 16−5−1と呼ばれるものである。
本発明の高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システムは、実質的に以下の工程からなる。
マルテンサイト鋼又はオーステナイト−マルテンサイト鋼を熱加工して、未成品の管(プリフォームとして知られている。)を作製し、
傾斜(tip)を作製し、それにより管の端部を小さくして、引き抜き装置を通過できるようにし、そして引き抜きのためにつなぎ、
熱処理によるアニールを行い、それにより材料を軟化させて変形可能にし、
必要に応じて機械的試験を行い、材料の機械的特性が管を引き抜きに供するのに適しているかを判定し、
必要に応じて金属組織学を行って材料の構造の観察を行い、それが規定のパラメータの範囲内にあれば、続いて引き抜きを行うと判定し、そうでなければ加工するために軟化のためのアニール処理を行う必要があると判定し、
表面を化学的に調製し、それにより管と引き抜き装置との接触面を滑らかにし、膠着を防ぎ、
材料を永久変形させるように引き抜き、
仕上げの熱処理を行い、それにより変形させた鋼の構造を改質し、所望の仕上げ特性を付与し、
矯正処理をし、それにより、引き抜いて炉で処理した管を真っ直ぐにし、
不動態化処理を行い、それにより、鋼に緻密な酸化物のさびを付与し、そして耐蝕性を確保する。
より取り扱いの容易な部品への管の切断、品質管理そして包装等の従来の工程を経て、本発明の方法は、終了する。
本発明の第一段階は、本発明の方法を実施するための最初の原材料である”プリフォーム”を得ることである。詳しくは、プリフォームは熱加工(約1300℃で)された管であり、すなわち、管を形成するホイールに巻き取らせたり、プレス機で押し出して作製する。プリフォームの特徴は、高温での加工に伴う典型的なものであり、酸化された表面、弱い耐性(coarse tolerances)、直径に比し大きな厚み、標準的な大きさのみしか得られないことである。
プリフォームは、硬化及び焼戻された状態の材料から構成され、高強度を有しているため引き抜きはできない。機械的強度を減らすには、静置炉(又はシャフト炉、ロード炉等)での1段階のアニール処理、又は連続炉又はマッフル炉での多段階のアニール処理が必要であり、その後、引き抜き装置を通過させて、直径と厚さを減らすことができる。
本発明の製造システムで用いるアニール熱処理は、雰囲気が制御された炉の中で行う必要があり、それにより材料の内部及び外部の表面の変質と、酸化と脱カーボンを防止することができる。”雰囲気が制御された”とは、不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)の雰囲気又は真空雰囲気を意味する。特に、本発明において好ましい雰囲気は、約50%の窒素と約50%の還元ガスとの混合物であり、その還元ガスには、例えば、蒸気改質から得られるような水素含有ガスを挙げることができる。
さらに詳しくは、連続炉でアニール熱処理を行う場合、所望の技術的特性を持った加工材を得るためには、管の重量、移動速度及び移動時間、そして炉の異なる領域における温度に注意する必要がある。この熱処理は、以降の工程及び加工のための、材料に対する予備的処理である。
アニール工程には、室温からアニール温度へ加熱する最初の加熱工程と、アニール温度における処理工程、そして冷却工程が含まれる。
室温からアニール温度への予備加熱は、通常1時間より短い時間で行う。
アニール処理は、600℃〜750℃、好ましくは650℃〜700℃で行う。本発明の好ましい態様としては、アニール処理は約680℃で行うことが好ましい。アニール処理の時間は少なくとも40分、好ましくは少なくとも1時間、さらに好ましくは3時間未満である。本発明の特に好ましい態様としては、アニール処理の時間は、1時間20分である。所望の特性、すなわち優れた機械的特性及び溶接特性を持った材料を得るには、処理温度と時間の組み合わせが重要である。一般的に、熱処理温度と処理時間は反比例するということが明確に言える。すなわち、上記の温度範囲の下限に近い温度で行う場合、処理時間を長くする必要がある。
アニールした管を冷却することは非常に重要な操作である。制御された雰囲気でゆっくり冷却することが重要である。一般的に、冷却時間は2〜4時間である。
必要に応じ、材料を次の工程に送るために必要な特性と仕様を有しているかどうかを確認するため、材料を機械的試験と金属組織学に供し、機械的試験では材料の構造が管を引き抜きに供するのに適しているかを判定し、そして金属組織学では材料の構造が規定のパラメータの範囲内にあるかどうかを評価し、その結果に基づいて続いて引き抜きを行い、そうでなければ加工するために、軟化のためのアニール処理を行う必要がある。これらの検査は、定常的に行う必要はなく、選定したマルテンサイト又はオーステナイト−マルテンサイト鋼の完成工程についてのみ行えばよい。本発明の通常の操作では、これらの工程を行う必要はない。
ここで、表面の化学的調製を含む次の工程のために材料を準備する。この工程では、適当な酸(硝酸−フッ化水素酸タイプ)を含む第1の管の中に管を所定時間(約40分)浸し、第2の管の水の中で濯ぎ、次にシュウ酸塩の浴の中に所定時間(約20分)浸し、最後に、管の外面を滑らかにするステアリン酸エステル(好ましくは3重量%)の中に浸す。好ましくは、酸処理では、56%硝酸を140kg/m使用し、38〜40%フッ化水素酸を40kg/m使用する。シュウ酸塩処理では、シュウ酸塩濃度は、一般的に、8〜16重量%である。
ここで、引き抜き工程のために材料を準備する。加工工程の始めに、引き抜き装置の器具に管を係合させるための傾斜を形成した。
引き抜きは、本ケースの鋼においては、材料を永久変形させるための機械加工である。機械(引き抜き装置)を用いて冷間、したがって室温で行う。ここで、機械は材料に力を加えて、すなわち材料の一端を引張ることにより、最終形状を決定する引き抜き装置を通過させる。管の場合、引き抜き装置は、管の内部と外部を加工できるように設計されている。一端を引っ張られた鋼は、それから引き抜かれかつ通過する器具の形状に合わせて加工される。
本発明の製造システムでは、すべての器具は、加工される材料よりは機械的強度の大きな”硬い金属”で作製されている必要がある。
特に、本発明の引き抜き工程では、所望の厚さの管を得るために、複数の通路が設けられており、各通路では厚さを約20%減らすことができる。引き抜き速度は、材料の厚さに依存し、例えば最初の厚さが5mm〜1.75mmでは、引き抜き速度は適度でよく、薄くなれば遅くする。
今まで説明した引き抜きは、マンドレルを用いたものであるが、バー引き抜きや冷間ピルジャーローリング(pilger rolling)等の他の引き抜き技術も排除されるものではない。
引き抜き装置をすべて通過した後、炉の中を通過させることにより、引き続き熱処理を行うことが好ましい。そうしないと、材料が割れるリスクを持つことになる。その熱処理は、焼きならし(normalisation)と呼ばれ、管の厚さを一旦薄くする必要がある(直径約5cmの管では厚さが2mm未満)。
炉に入れる前に、材料を洗浄して潤滑残留物を除去する。界面活性剤と炭酸塩を含む洗浄は、溶液が入った槽の中に材料を浸すことにより行う。
焼きならしは、通常、950℃〜1150℃で、10分以上1時間未満行う。
材料は所望の厚さが得られるまで、引き抜き、洗浄、炉を用いた熱処理による焼きならし、そして表面の化学的調製を別々に行う。
一旦所望の厚さの管が得られると、機械的特性(機械的強度、降伏強さ、そして伸び)を付与する仕上げの熱処理工程に材料を供する。
仕上げ状態の管の形状と最終的な機械的及び所望の微細構造特性の両方の関数として規定される温度と処理時間を調整することで、制御された雰囲気下で、仕上げの焼き鈍し熱処理と歪みの開放が起きる。上記の焼き鈍しは、950℃〜1150℃で、10分以上1時間未満行う。厚さが2mm以上の管の場合、それより薄いものよりも処理時間を長くする必要があることに留意すべきである。
最後の焼きならし工程では、高品質の製品を製造するためには、冷却方法が重要である。その熱処理方法は、従来のチャンバー又はマッフル炉の中でオイルの中に浸すことにより冷却するという従来の熱処理とは大きく異なる。鋼をより速く冷やすために、現在は白熱鋼(900℃)を室温のオイルの中に浸している。オイルの熱交換容量は非常に高く(900℃ではオイルは蒸発しない。)、そのため、急冷することができる。しかしながら、この場合、管の表面はオイルに接触し、そこに酸化の原因となる”汚染”が発生し、そのため、焼戻し(tempering)熱処理が必要となる。しかし、焼戻しは、それにより回復不可能に変形してしまうため、薄い管(1mm未満)には適用できない。
本発明の製造システムでは、熱処理後、管の周囲の雰囲気を制御した状態で(詳しくは、管は冷却水には接触していない。)強制的に冷却する、急冷工程を行うことが好ましく、さらに管を室温まで戻す徐冷工程を行う。
特に、冷却された制御された雰囲気を用いることが好ましくは、例えば、炉の下流側の冷却領域の内側に、加工される管の近傍となるように冷却水のジャケット又は配管を配置することができる。
従来技術の空冷法を用いた場合、熱はよりゆっくりと鋼から移動し、冷却は遅い。しかし、設備に上記の改良を施すことにより、十分な冷却速度を得ることができる。この場合、制御された雰囲気で加工を行うので、管の表面が破壊されることがない。約920℃(炉の出口温度)から約450℃へと急激に温度を降下させながら、30秒から2分、好ましくは約1分で管を加工することが重要である。
さらに、材料を加熱することにより、鋼に対し、所望の最終製品に関係する特定の出発構造を付与することができる。
さらに、処理時間により均一性を確保することができる。すなわち、鋼が、その全体積に亘り、均一であり、同じ構造である。
最後に、冷却により、特定の構造とさらに機械的特性を得ることができる。すなわち、冷却速度を変えることにより、異なる構造を得ることができる。
ここで、本発明の製造システムは、管を矯正する工程を有し、さらにそれに続く酸洗い工程及び/又は不動態化工程を有する。この工程では、処理により管の表面には緻密な酸化クロムのさびが生成し、それにより耐蝕性が付与される。その方法は従来のものと同じであり、上記(酸洗い)と同様に酸浴を用いる酸処理を含み、続いて、洗浄し、そしてより弱い酸浴(例えば、希釈した硝酸)に浸し、不動態化させる。
ここで、管を切断工程に供し、構造体のニーズに応じて所望の長さに切断し、保管のために包装し、販売する。切断は、酸洗い工程及び不動態化工程の前に行うこともできる。
本発明の製造システムは、酸素が管の表面に接触するのを防止するため、これまでの工程をすべて、制御された雰囲気下で行う。これは、高温では酸化反応が非常に活性であり、増幅されやすいからである。
本発明のシステムを用いた管の製造が一旦終了すると、図9に示すようなフレームを製造するために、2個以上の部材を結合する必要があり、図3,4,7,8及び10に示すように、高度な職人技術を用いて溶接を行う。
以上のようにして、本発明は目的を達成することができる。
実際、本発明の管状構造体の製造システムにより、優れた機械的特性と、優れた品質と安全基準を有する管を製造することができ、それにより、動的な圧力にさらされるだけでなく、高強度が要求される過酷な条件、例えば、宇宙、航空学、核、化学、海、モータースポーツ、そしてサイクリング等の分野で使用可能な機械部品を製造することができる。
さらに、本発明の管状構造体の製造システムにより、
構造体の品質の向上が可能となり、それは、仕上げの引き抜き管では、マルテンサイト鋼の結晶構造を保持されているだけでなくさらに向上しており、それは図1に示した微細かつ均一な構造(制御された雰囲気での焼きならしによる)から明らかであり、これにより構造特性が確保され、特に最終製品の機械的強度は、出発材料と従来の熱処理、ここで、従来の熱処理は、オイル又は水中で行うもので、焼戻しが必要であるが、その焼戻しは薄い管には適用できないものであり、を行った材料のいずれよりも優れており
管の外部及び内部の表面仕上げが可能となり、それは、図11に示すように従来の方法で熱処理された管よりも優れており、そこでは、同じタイプの2個のステンレス管が比較されており、一方はオイルで処理され、他方は本発明のシステムを用いて空気で処理されており、最初のものは変形しわずかに不透明であるのに対し、2番目のものは、当初の形状を維持し完璧な光沢を有しており、
大きさ及び形状特性の保持が可能となり、
加工に伴う廃棄物や廃物を減らすことが可能となり、それは、従来及び現在の熱処理では避けることのできない問題点を解決できるものであり、例えば、変形や割れを理由に成形品を廃棄したり、さらに仕上げ処理として焼き戻し/歪み除去の必要性、図11に示すように熱及び酸化による不可避的な汚れを除去するための仕上げ用の内部/外部の表面処理の必要性、そしてその表面処理により、機械的なサテン仕上げや酸を用いた化学処理の必要性等を解決できるものであり、
環境への悪影響を低減することを可能とするものであり、それは、製造プロセスの環境へのすべての影響を減らすことができ、なぜなら、従来の熱処理に使用していたオイルの廃棄や、サテン仕上げに必要な酸物質の廃棄に関係する問題がなくなるからであり、優れたステンレス特性により安定化され、最後に軽度の不動態化工程を行うことで得られる最終製品の品質によりそれらの問題は時代遅れの問題となる。
今までの説明に加え、本発明の製造システムによれば、塗料に関係する悪影響も低減することができる。また、従来の鋼に比べ、材料の回収及びリサイクル性が大きく向上する。
有益にも、本発明のシステムによれば、優れた溶接特性を保持することが可能であり(図3,4,5,6及び7に示す。)、特定の化学組成の材料を用いることにより、優れた溶接特性が得られ、図5に示すように溶接時にはマイクロクラックが発生していない。図5は、溶接線を囲むHAZ(熱変性領域)の拡大写真であり、そこでは、マルテンサイト変態が非常に限定されていることが明確に認められる一方、この領域ではマルテンサイト構造が保持され、第2の”混合”構造領域が溶接時の熱により形成されていることが認められる。溶接線は明確であり、どのような欠陥も認められない。
マイクロクラックがないことから、牽引試験で過重な圧力を受けた構造体は、図6に示すように、溶接部で割れたのではなく、管の非溶接線に沿って(すなわち、基材が)割れたものと説明できる。
通常、割れる部分は、溶接部(又はその近傍)である。それは、マイクロクラックの生成により材料が非常に脆弱となり、それにより脆弱部が形成される。
この問題を解決し、そして溶接部自身の近傍をより安全な状態とするために、通常、管に沿って厚みを変化させる方法が採用されており、これらの部分の厚さを増したり、補強部材を設ける。
一方、ここで説明した、管で得られる溶接品質によれば、加工プロセスを簡単にすることができ、さらに新たな基準に基づき管の厚さを変化させる成形方法を用いることができるという新たな機会をも提供することができる。その方法は、重量を減らしながらフレームの形状安定性を向上させることを目的とするものであり、一体に組み立てられる部材の異なる部分に異なるレベルの所望の剛性を付与するものである。
本発明の製造システムを用いて得られた、製品の向上した機械的特性を証明するため、現在市販されている最高の鋼類型と本発明のシステムを用いて製造した製品との間の比較を行った。以下の表に得られた結果を示す。
Figure 2009530499

一般的な特徴:
211,000MPaの高弾性率を有し、これはチタン管の2倍であり、アルミニウムの3倍であり、高い剛性を有する非常に軽量のフレームを製造することが可能となる。
良好な膨張係数を有し、野外で20÷100℃≦0.00001mmであり、その寿命期間では構造体は優れた形状安定性及び寸法安定性を有している。
有益にも、本発明のシステムにより得られる鋼は、ステンレスであり、かなり薄い厚さでも溶接が可能である。それは、溶接部の鋼と溶接部の周囲の鋼は、溶接時には加熱され、その後急冷されることにより、構造体の他の部分と同様の機械的特性を有することになるからである。
上述の点に加え、本発明の製造システムを用いて製造した鋼は、既存の装置、工具、そして公知の技術を用いて加工することができるので、管状構造体の製造コストをかなり節約することができる。
有益にも、本発明のシステムを用いることにより、製品の全ライフサイクルに亘り関係する多くの環境への影響を回避することができる。製造工程においては、システムは工程を減らすことが可能であり、その結果、従来技術では発生していた毒性があり有害な物質の消費量を減らすことができ、製品の寿命に関し、優れた耐久性と安全基準が改善される効果を有し、そして維持管理に必要な化学物質の量を減らすこともでき、廃棄の段階では、原材料の特性を低下させることなくリサイクルすることが可能である(軟鋼のリサイクルで代わりに起きているように)。
今まで説明したことに加え、本発明のシステムは、多くの用途に使用でき、かつ明確に革新的で信頼性の高い生産を可能とするものであり、環状部材がビレット押し出しによる材料を用いて製造されるものであれば、溶接は不要であり、冷間引抜きによる。さらに、環状部材は、マルテンサイト鋼の優れた技術的特性とオーステナイト鋼の優れた溶接特性とを併せ持っているため、公知のTIGやMIGとも好適に溶接することが可能であり、先行技術において、高強度と封止特性を得るために必要とされる複雑な方法は不要である。
特に、上述の説明から明らかなように、得られた環状部材は、高強度(1.000÷1.300MPa)、高弾性率(211,000MPa、チタン管の2倍でアルミニウム管の3倍)、優れた寸法安定性(20÷100℃―0.0001mm)を有し、それにより使用時の形状安定性に優れており、ステンレスの長期間に亘り劣化しにくくかつ摩耗しにくいという特性に加え、種々の形状及び厚さに容易に加工することができ、優れた仕上げ表面を有する。
本発明の大きな利点として、本発明の鋼管は、実用性に非常に優れ、製造が容易で、優れた機能を有する。
当然、本発明には多くの変形や変更が可能であるが、それらは、本発明の特徴的な概念の範囲に含まれるものである。
本発明の製造システムを用いて処理した後の、金属構造体の顕微鏡拡大写真である(100倍)。 本発明の製造システムとブローチングを用いて処理した後の、金属構造体の顕微鏡拡大写真である(200倍)。 2つの管の接合部における溶接後の2つの異なる金属構造を示す顕微鏡拡大写真である。 溶接後の金属構造を示す別の顕微鏡拡大写真である(100倍)。 本発明のシステムを用いて得られた金属の上の溶接部分を示す顕微鏡拡大写真である(50倍)。 牽引試験後の壊れた管を示す。 溶接部分の顕微鏡写真である。 本発明の製造システムで得られた管の溶接による接合を示す。 本発明の製造システムで得られた管で製造したフレームを示す。 図5の金属 分析用の溶接部の断面を示す。 オイル熱処理後の従来の管の表面外観と、同じ材料からなり本発明のシステムで処理した管との比較を示す。

Claims (27)

  1. 高強度を有し、溶接可能でステンレスの管状構造体の製造システムであって、
    マルテンサイト鋼又はオーステナイト−マルテンサイト鋼のプリフォームに対するアニール熱処理工程と、
    管と引き抜き装置との接触表面を滑らかにするための表面の化学的調製工程と、
    材料を永久変形させるための少なくとも1回の引き抜き通過工程とを、連続して行う環状構造体の製造システム。
  2. 変形させた上記の鋼の構造を改質し、所望の最終特性を決定するための仕上げの熱処理工程を有する請求項1記載の環状構造体の製造システム。
  3. 予め設定された厚さになるまで、少なくとも2回の引き抜き通過を行う、請求項1又は2に記載の環状構造体の製造システム。
  4. すべての引き抜き通過においては、それぞれ厚さを約20%減らす、請求項1、2又は3に記載の環状構造体の製造システム。
  5. 上記の少なくとも1回の引き抜き通過に先立って、上記環状構造体に対し焼きならしを行う請求項1から4のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  6. 上記の焼きならしを、950℃〜1150℃の温度範囲で、10分より長く好ましくは1時間未満で行う請求項5記載の環状構造体の製造システム。
  7. 上記のマルテンサイト鋼又はオーステナイト−マルテンサイト鋼のプリフォームのアニール工程が、室温からアニール温度まで加熱する最初の工程と、アニール温度で処理する工程と、冷却する工程とを有し、上記のアニール温度で処理する工程を、600℃〜750℃、好ましくは650℃〜700℃の温度範囲から選択された温度で行う、請求項1から6のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  8. 上記アニール温度が、約680℃である請求項7記載の環状構造体の製造システム。
  9. 上記のアニール温度で処理する工程の時間を、少なくとも40分、好ましくは少なくとも1時間、さらに好ましくは3時間未満まで延ばす請求項7又は8に記載の環状構造体の製造システム。
  10. 上記のアニール温度で処理する工程を、約1時間20分まで延ばす請求項9記載の環状構造体の製造システム。
  11. 上記の室温からアニール温度まで加熱する工程を、1時間以下で行う請求項8から10のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  12. 上記の冷却する工程を、2〜4時間の範囲内で行う請求項8から11のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  13. 上記の表面の化学的調製工程において、酸を含む第1の管の中に環状構造体を所定時間、好ましくは約40分浸し、第2の管の水の中で濯ぎ、続いてシュウ酸塩の浴の中に所定時間、好ましくは約20分浸し、最後に、環状構造体の外面を滑らかにするためにステアリン酸エステル、好ましくは3重量%の中に浸す、請求項1から12のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  14. 上記の酸処理では、56%硝酸を140kg/mと、38〜40%フッ化水素酸を40kg/mを使用し、上記のシュウ酸塩の処理では、シュウ酸塩の濃度が、一般的に、8〜16重量%の範囲である請求項13記載の環状構造体の製造システム。
  15. 上記の仕上げの熱処理工程を、950℃〜1150℃の温度範囲、10分より長く1時間未満で行う請求項2から14のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  16. 上記の仕上げの熱処理工程の後に、急冷工程とそれに続く徐冷工程とを有する請求項15記載の環状構造体の製造システム。
  17. 上記の急冷工程では、上記環状構造体を、冷却され制御されたガス雰囲気に接触させる請求項16記載の環状構造体の製造システム。
  18. 上記の急冷工程では、上記環状構造体の温度を約920℃(炉の出口温度)から約450℃へと、30秒から2分の時間範囲内で、好ましくは約1分で下げる請求項16又は17に記載の環状構造体の製造システム。
  19. 上記の仕上げの熱処理工程に先立って、潤滑残留物を除去するために上記環状構造体を洗浄操作に供する請求項2から18のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  20. 上記洗浄工程では、界面活性剤と炭酸塩とを含む溶液の中に浸す請求項19記載の環状構造体の製造システム。
  21. アニール、焼きならし、そして仕上げの熱処理の上記熱処理を、材料の内部及び外部の変質が起きないように、かつ酸化と脱カーボンを防止するために、制御された雰囲気を有する炉の中で行う請求項1から20のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  22. 上記の制御された雰囲気が、約50%の窒素と約50%の還元ガスとの混合物であり、その還元ガスは、好ましくは蒸気改質等から得られる水素含有ガスである請求項21記載の環状構造体の製造システム。
  23. 上記プリフォームが、マルテンサイト鋼又はオーステナイトーマルテンサイト鋼のビレット又は他の供給源を熱加工により、好ましくは押し出しにより製造した未成品の管である請求項1から22のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  24. 上記環状構造体を、上記の仕上げの熱処理工程の後、酸洗い処理及び/又は不動態化処理に供する請求項1から23のいずれか一つに記載の環状構造体の製造システム。
  25. 請求項1から24のいずれか一つに記載の方法により得られ、溶接可能で高い機械的強度を有するマルテンサイト鋼又はオーステナイトーマルテンサイト鋼からなる環状構造体。
  26. 上記の鋼が、X4Cr−Ni−Mo 16−5−1である請求項25記載の環状構造体。
  27. 上記の鋼の引張り強度が、>1100N/mmである請求項25又は26に記載の環状構造体。
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