JP2009529614A - 柑橘類の果皮繊維を含有する紙 - Google Patents
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Abstract
本発明は、コウゾ繊維100重量部に対し、柑橘類の果皮繊維20〜60重量部を含有する紙に関する。柑橘類果皮繊維とは、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、及びデコポンよりなる群から選ばれる柑橘類の果皮繊維である。
本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、引張強度、引裂強度、破裂強度及び耐折強度に優れ、中性に近いpHで、卓越した貯蔵性を有している。また、本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、黄色及び/又は赤系統の美麗な色、優れた感触、高い透湿性を有しているので、高級な壁紙及び窓戸紙への利用に適している。更に、本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、柑橘類の加工過程で発生する副産物を用いるため、紙の製造コストを抑えることができるばかりか、廃棄物を減らすことにより、環境汚染を防止する効果も有している。
【選択図】図2
本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、引張強度、引裂強度、破裂強度及び耐折強度に優れ、中性に近いpHで、卓越した貯蔵性を有している。また、本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、黄色及び/又は赤系統の美麗な色、優れた感触、高い透湿性を有しているので、高級な壁紙及び窓戸紙への利用に適している。更に、本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、柑橘類の加工過程で発生する副産物を用いるため、紙の製造コストを抑えることができるばかりか、廃棄物を減らすことにより、環境汚染を防止する効果も有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、柑橘類の果皮繊維を含有する紙、より詳細には、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、デコポン(不知火(シラヌイ))のような柑橘類の果皮繊維をコウゾ(楮)繊維と共に含有する紙に関する。
伝統的な韓国の紙(「韓紙」とも称される)は、コウゾ(papaer mulberry)又は桑の木(mulberry)の皮から得られる靭皮繊維を抄紙して製造され、一般的なパルプよりはるかに長い繊維長を有するので、組織の強度及び繊維の結合性に優れている。一般的な紙は、pH約4〜5.5といった強い酸性を示すことから、時間の経過とともに加水分解されて保存性が低下するが、韓紙は寿命が長く、高い透湿性を保持する(hygroscopic)(すなわち、蒸気の透過性が高い)。更に、韓紙は材質に由来する天然の美しさを有していることから、高級紙として評価されている。しかしながら、その使用量は次第に減少しており、現在では、工芸やインテリアといった分野での使用に限られている。韓紙はもはや、その命脈を保っているにすぎない。用途拡大のために、樫炭(oak charcoal)、漆(lacquer poison)などを添加した機能性韓紙を始めとする各種の韓紙が常時提供されている。
一方、韓国済州道では柑橘類の加工過程で大量の果皮が産出されている。その一部は餌料や漢方薬として利用されているが、大部分は廃棄されており、不法投棄されているものもある。海陸汚染の原因をとり除き、新たな付加価値を創出するために、柑橘類果皮の資源化を模索する必要がある。
本願出願日以前に、本発明者により出願された、韓国特許出願第10−2006−0004265号、発明の名称「柑橘類果皮製の韓紙」の明細書中には、粉砕した柑橘類果皮粉末を叩解工程で添加する、柑橘類の果皮を用いた韓紙の製造方法が示されている。柑橘類の果皮を用いて製造された韓紙は、従来の韓紙の材質を保持しているばかりか、柑橘類特有の色彩及び香りを呈している。
しかしながら、柑橘類果皮の粉末はコウゾ繊維との結合性が優れないことにより、柑橘類の果皮を含有する韓紙は、同量の粘剤を投入して製造した従来の韓紙に比べて分厚く、嵩張り、低密度のものであった。しかも、引張強度、破裂強度、引裂強度、耐折強度共に相対的に低いものであった。
従って、本発明は先行技術における前記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、柑橘類の果皮から産出される繊維を紙の材料として使用することにより、強度、蒸気の透過性、保存性に優れ、また、美麗で色彩豊かな模様(pattern)を有する高級紙を製造することである。また、本発明のその他の目的は、柑橘類加工過程で発生する廃棄物を資源として利用し、製造コスト抑える一方で環境汚染をも低減させることである。
本発明は、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、デコポン(シラヌイ)のような柑橘類の果皮繊維をコウゾの繊維と共に含有する紙に関する。
本発明において、「柑橘類」という用語は、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、デコポンなどを総称する。「柑橘類の果皮繊維」という用語は、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、デコポンのような柑橘類の果皮を水酸化ナトリウム溶液で蒸煮してセルロースオイルを除去し、蒸煮した柑橘類果皮を洗浄し、そして洗浄した柑橘類の果皮を水と共にビーター中で叩解して製造した繊維を総称する。
本発明において、コウゾ繊維は、一般韓紙と同じ方法で、コウゾを浸漬、蒸煮、叩解して製造される。
繊維を分散させて、絡まりを防止することによって、抄紙を容易にし、坪量を均一にし、紙の強度を増強させるために粘剤を添加してもよい。粘剤の例として、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアミドなどが挙げられる。
本発明の柑橘類の果皮繊維を含有する紙は、コウゾを叩解して製造したコウゾ繊維100重量部と、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、デコポンのような柑橘類の果皮から製造した柑橘類果皮繊維20〜60重量部に粘剤を混合して、抄紙し、圧縮、及び乾燥することによって製造される。
本発明の柑橘類の果皮繊維を含有する紙は、引張強度、引裂強度、破裂強度及び耐折強度に優れ、そしてpHが中性に近く、優れた貯蔵性を有している。本発明の柑橘類果皮繊維を含有する紙は、黄色及び/又は赤色系統の美麗な色相、優れた感触を有し及び蒸気の透過性も高いので、高級壁紙及び窓戸紙としての使用に適している。更に、本発明の柑橘類の果皮繊維を含有する紙は、柑橘類を加工する過程で発生する副産物を用いて製造するので、製造コストが抑えられるばかりか、廃棄物も減らすことができるので、環境汚染をも防止することできる。
(発明を実施するための最良の形態)
(発明を実施するための最良の形態)
蜜柑果皮紙1の製造
乾燥した蜜柑の果皮200gを5%の水酸化ナトリウム溶液に加え、100℃で30分間蒸煮してセルロースオイルを染み出させた。煮た果皮を水で3回洗浄し、1.8kgの水と共にホーレンダービーター(Holland beater)に入れて20分間叩解して、蜜柑果皮(mandarin peel)又は蜜柑果皮繊維(mandarin peel fiber)を製造した。
乾燥した蜜柑の果皮200gを5%の水酸化ナトリウム溶液に加え、100℃で30分間蒸煮してセルロースオイルを染み出させた。煮た果皮を水で3回洗浄し、1.8kgの水と共にホーレンダービーター(Holland beater)に入れて20分間叩解して、蜜柑果皮(mandarin peel)又は蜜柑果皮繊維(mandarin peel fiber)を製造した。
コウゾを蒸煮して製造したコウゾ繊維10kg(水分含量90重量%)、上記のように製造したした蜜柑果皮繊維2kg及びPEO((Polyethylene oxide))45gを混合して撹拌した。撹拌した混合物を製紙タンク(paper-making tank)に入れて、ツインワイヤー式抄紙機により抄紙した。この紙を脱水器で脱水圧縮させ、秤量を均一にした。圧縮された半乾燥状態(水分40重量%)の紙を乾燥ブラシで掃き、平坦に貼った(attached in a stack-by-stack manenr)後に、熱板乾燥機(hot plate dryer)で乾燥させて、蜜柑果皮紙1を製造した。
蜜柑果皮紙2の製造
コウゾを叩解して製造したコウゾ繊維10kg、蜜柑果皮繊維4kg及びPEO45gを混合することを除いては、実施例1と同じ方法により蜜柑果皮紙2を製造した。
コウゾを叩解して製造したコウゾ繊維10kg、蜜柑果皮繊維4kg及びPEO45gを混合することを除いては、実施例1と同じ方法により蜜柑果皮紙2を製造した。
レモン果皮紙1の製造
蜜柑に換えてレモンを用いたことを除いては、実施例1と同じ方法によりレモン果皮紙1を製造した。
蜜柑に換えてレモンを用いたことを除いては、実施例1と同じ方法によりレモン果皮紙1を製造した。
レモン果皮紙2の製造
蜜柑に換えてレモンを用いたことを除いては、実施例2と同じ方法によりレモン果皮紙2を製造した。
蜜柑に換えてレモンを用いたことを除いては、実施例2と同じ方法によりレモン果皮紙2を製造した。
レモン果皮紙3の製造
コウゾを叩解して製造したコウゾ繊維10kg、レモン果皮繊維6kg及びPEO45gを混合することを除いては、実施例4と同じ方法によりレモン果皮紙3を製造した。
コウゾを叩解して製造したコウゾ繊維10kg、レモン果皮繊維6kg及びPEO45gを混合することを除いては、実施例4と同じ方法によりレモン果皮紙3を製造した。
オレンジ果皮紙1の製造
蜜柑に換えてオレンジを用いたことを除いては、実施例1と同じ方法によりオレンジ果皮紙1を製造した。
蜜柑に換えてオレンジを用いたことを除いては、実施例1と同じ方法によりオレンジ果皮紙1を製造した。
オレンジ果皮紙2の製造
蜜柑に換えてオレンジを用いたことを除いては、実施例2と同じ方法によりオレンジ果皮紙2を製造した。
蜜柑に換えてオレンジを用いたことを除いては、実施例2と同じ方法によりオレンジ果皮紙2を製造した。
清見オレンジ果皮紙1の製造
蜜柑に換えて清見オレンジを用いたことを除いては、実施例1と同じ方法により清見オレンジ果皮紙1を製造した。
蜜柑に換えて清見オレンジを用いたことを除いては、実施例1と同じ方法により清見オレンジ果皮紙1を製造した。
清見オレンジ果皮紙2の製造
蜜柑に換えて清見オレンジを用いたことを除いては、実施例2と同じ方法により清見オレンジ果皮紙2を製造した。
蜜柑に換えて清見オレンジを用いたことを除いては、実施例2と同じ方法により清見オレンジ果皮紙2を製造した。
デコポン果皮紙1の製造
蜜柑に換えてデコポン用いたことを除いては、実施例1と同じ方法によりデコポン果皮紙1を製造した。
蜜柑に換えてデコポン用いたことを除いては、実施例1と同じ方法によりデコポン果皮紙1を製造した。
デコポン果皮紙2の製造
蜜柑に換えてデコポン用いたことを除いては、実施例2と同一な方法によりデコポン果皮紙2を製造した。
蜜柑に換えてデコポン用いたことを除いては、実施例2と同一な方法によりデコポン果皮紙2を製造した。
一般韓紙の製造
コウゾを蒸煮して製造したコウゾ繊維を製紙タンク中でツインワイヤー式抄紙機により抄紙した。この紙を脱水器で脱水圧縮させて秤量を均一にした。圧縮された半乾燥状態(水分40重量%)の紙を乾燥ブラシで掃き、平坦に貼った後に熱板乾燥機で乾燥させて、一般韓紙を製造した。
コウゾを蒸煮して製造したコウゾ繊維を製紙タンク中でツインワイヤー式抄紙機により抄紙した。この紙を脱水器で脱水圧縮させて秤量を均一にした。圧縮された半乾燥状態(水分40重量%)の紙を乾燥ブラシで掃き、平坦に貼った後に熱板乾燥機で乾燥させて、一般韓紙を製造した。
実施例1〜11に従って製造した本発明の柑橘類の果皮繊維を含有する紙は、一般韓紙には見られない黄色や赤色系統の美麗な模様、優れた感触を有していた。実施例1〜11に記載の柑橘類果皮紙の物性について次のような試験を行った。
試験例1:紙の物理的性質の測定
実施例1〜12に従って製造した紙の各試験片をTAPPI標準試験法T400に従って採取し、T402 om−83により温度20±1℃、相対湿度65±5%の恒温恒湿室で24時間の間調湿した。次いで、秤量(オーブン乾燥法)、厚み、引張強度、破裂強度、引裂強度及び耐折強度のような紙の物理的性質を測定するために試験を行った。表1に記載されたTAPPI試験方法に従い、表2に記載の装置を用いて紙の物理的性質を測定した。その結果を表3と表4に示す。
実施例1〜12に従って製造した紙の各試験片をTAPPI標準試験法T400に従って採取し、T402 om−83により温度20±1℃、相対湿度65±5%の恒温恒湿室で24時間の間調湿した。次いで、秤量(オーブン乾燥法)、厚み、引張強度、破裂強度、引裂強度及び耐折強度のような紙の物理的性質を測定するために試験を行った。表1に記載されたTAPPI試験方法に従い、表2に記載の装置を用いて紙の物理的性質を測定した。その結果を表3と表4に示す。
試験例2:紙の光学的性質の測定
実施例1〜11に従って製造した紙の各試験片をTAPPI標準試験法T400により採取し、T402 om−83により温度20±1℃、相対湿度50±2%の恒温恒湿室で24時間の間調湿した。次いで、Hunter白色度測定器(Model S4-M, Technidyne Corporation New Albany, India, USA)でこれらの白色度を、そしてSpectrophotometer(NF 333, Nippon Denshoku, Ind, Co., Ltd.)を用いてこれらの色度を測定するために紙試験片について試験を行った。結果を表5に示す。
実施例1〜11に従って製造した紙の各試験片をTAPPI標準試験法T400により採取し、T402 om−83により温度20±1℃、相対湿度50±2%の恒温恒湿室で24時間の間調湿した。次いで、Hunter白色度測定器(Model S4-M, Technidyne Corporation New Albany, India, USA)でこれらの白色度を、そしてSpectrophotometer(NF 333, Nippon Denshoku, Ind, Co., Ltd.)を用いてこれらの色度を測定するために紙試験片について試験を行った。結果を表5に示す。
試験例3:紙のpHの測定
実施例1〜12に従って製造した紙を1cm×1cm(サイズで)の断片に切断した。それぞれの紙片の1.0gをイオン交換水100mlと共に200mlの三角フラスコに入れて、2時間熱水抽出した後放冷した。得られたものをのpHを測定し、結果を表5に示す。
実施例1〜12に従って製造した紙を1cm×1cm(サイズで)の断片に切断した。それぞれの紙片の1.0gをイオン交換水100mlと共に200mlの三角フラスコに入れて、2時間熱水抽出した後放冷した。得られたものをのpHを測定し、結果を表5に示す。
試験例4:紙の透湿度の測定
KS F 2607の規格に従い図1に示されているような形態の透湿カップをカップ入口面積0.005m2以上になるように製造して、開口部から2±0.5cmの高さまで蒸溜水を満たした。実施例1〜12に従って製造した紙を、それぞれ、透浸カップの開口部に置き、温度25℃の恒温恒湿チャンバー中で、相対湿度32.8%に保持して、紙の透湿度を測定した。水蒸気は相対湿度84.3%の透湿カップの内部から紙を通過して恒温恒湿チャンバー側に移動する。移動した水蒸気の量を算出するために、試験開始2時間後から1時間間隔で24時間の間、透湿カップの重さを測定した。結果を表6に示す。
KS F 2607の規格に従い図1に示されているような形態の透湿カップをカップ入口面積0.005m2以上になるように製造して、開口部から2±0.5cmの高さまで蒸溜水を満たした。実施例1〜12に従って製造した紙を、それぞれ、透浸カップの開口部に置き、温度25℃の恒温恒湿チャンバー中で、相対湿度32.8%に保持して、紙の透湿度を測定した。水蒸気は相対湿度84.3%の透湿カップの内部から紙を通過して恒温恒湿チャンバー側に移動する。移動した水蒸気の量を算出するために、試験開始2時間後から1時間間隔で24時間の間、透湿カップの重さを測定した。結果を表6に示す。
試験例5:紙の表面分析
実施例1〜12に従って製造した紙を1cm×1cmの断片に切断した。画像入力装置(Kenko KCM-Z3, Japan)を用いて倍率200×、照度5000Luxで撮影して、イメージ分析プログラム(BMI plus, BumMi Universe Co., Ltd. USA)で実写画像を分析した。結果を図2に示す。
実施例1〜12に従って製造した紙を1cm×1cmの断片に切断した。画像入力装置(Kenko KCM-Z3, Japan)を用いて倍率200×、照度5000Luxで撮影して、イメージ分析プログラム(BMI plus, BumMi Universe Co., Ltd. USA)で実写画像を分析した。結果を図2に示す。
上記の表3に示された結果によれば、柑橘類の果皮繊維を含有している紙は一般の韓紙に比べて密度の低下が見出された。柑橘類の果皮が占める空間により繊維間の結合が疎らになり、体積が増加するためであると考えられる。蜜柑果皮及びデコポン果皮を含む紙は一般の韓紙に類似した相対的に高い密度を示したが、レモン果皮を含む紙の密度は、最も低い値を示した。
上記の表4の結果によると、オレンジ果皮、デコポン果皮及び清見オレンジ果皮を含有する紙の場合、一般韓紙に比べて裂断長が短いために引張強度が増大した。しかしながら、レモン果皮紙3を除くと、その他の柑橘類果皮紙は、優れた引張強度を示した。引張強度は韓紙に較べて低いとは言え、有意な差は見られなかった。伸び率は引張強度と相関性を示した。すなわち、引張強度が高い場合は、伸び率が低く、引張強度が低い場合は、伸び率が高かった。
一般韓紙に比べて柑橘類果皮紙は、破裂強度に関しては、全般的に低い値を示したが、その差は顕著なものではなかった。オレンジ果皮紙1は、一般韓紙と同様に優れた破裂強度を示した。全ての柑橘類果皮紙が実質的に優れた破裂強度を示した。
引裂強度は、オレンジ果皮紙1が、一般韓紙より高い値を示した。殆どの柑橘類果皮含有紙は一般韓紙より低い引裂強度を示したが、その差異は顕著なものではなかった。柑橘類果皮紙は、全般的に引裂強度が優れていると報告されている。
耐折強度は、蜜柑果皮紙1及び2、オレンジ果皮紙1及び2、及び清見オレンジ果皮紙1が一般韓紙より高い値を示し、清見オレンジ果皮含有紙2は一般韓紙と同様の耐折強度を示し、デコポン果皮紙1及び2とレモン果皮紙1及び2は、一般韓紙より低い耐折強度を示した。
表5において、Lが100であれば白色、0であれば黒色となり、aの+値が大きければ赤色、−値が大きければ緑色が強くなり、bの+値が大きければ黄色、−値が大きければ青色が強くなる。
表5の結果によると、柑橘類果皮紙は一般韓紙に比べて白色度が低くなり、黄色を帯びており、清見オレンジ果皮紙2及びデコポン果皮紙1は、やや赤い色を帯びている。pHは、殆どの柑橘類果皮紙が一般韓紙より若干高い値を示したが、レモン果皮紙1及び2は一般韓紙より若干低い値を示した。殆どの柑橘類果皮紙のpHは中性に近い値を示しているので、保存性が優れていると判断された。
表6の結果によると、レモン果皮紙1及び2、オレンジ果皮紙1及び3、及び清見オレンジ果皮紙1及び2は、一般韓紙に比べて透湿度が高く、蜜柑果皮紙1及び2、レモン果皮紙3、及びデコポン果皮紙1及び2は、一般韓紙に比べて透湿度が若干低かった。全ての柑橘類果皮紙が透湿度が高いので、壁紙や窓戸紙への使用に適したものと判断された。
図2に示すように、実施例1〜12に従って製造した紙を画像分析器で分析した結果、柑橘類果皮紙は一般韓紙に比べて黄色及び/又は赤色を帯びていた。更に、柑橘果皮が繊維間に分布しているので、実施例1〜12に示される紙で、一般韓紙に比べて繊維間孔隙が少ないことが確認された。
上記の結果を総合すると、本発明の柑橘類果皮紙は、引張強度、引裂強度、破裂強度、耐折強度、透湿度、及び貯蔵性の面において、一般韓紙に劣らない優れた物性を有することが示された。
Claims (3)
- 柑橘類の果皮繊維20〜60重量部及びコウゾ繊維100重量部を含有してなる紙。
- 柑橘類の果皮繊維が、柑橘類の果皮を水酸化ナトリウム溶液中で蒸煮してセルロースオイルを除去し、蒸煮した柑橘類果皮を洗浄し、そして、洗浄した柑橘類果皮を水と共にビーター中で叩解することにより製造される、請求項1に記載の紙。
- 柑橘類の果皮繊維が、蜜柑、レモン、オレンジ、清見オレンジ、デコポンよりなる群から選ばれる柑橘類の果皮繊維である、請求項1又は2に記載の紙。
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