JP2009520814A - 放出制御ゲル - Google Patents

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Abstract

本発明は、薬物または化粧剤等の関心対象の化合物のためのゲルに基づく送達システムの分野に関する。少なくとも1種類の非重合体ゲル化剤および少なくとも1種類の重合体を含むゲルを提供し、該ゲルの重合体含量は、5重量パーセント(wt%)を超え、好ましくは少なくとも10 wt%を超え、さらに好ましくは少なくとも20 wt%を超える。さらに、ゲルを調製するための方法および制御型送達システム(例えばpH感受性薬物送達システム)におけるゲルの使用を提供する。

Description

本発明は、薬物または化粧剤等の関心対象の化合物のためのゲルに基づく送達システムの分野に関する。とりわけ、非重合体の(nonpolymeric)低分子量ゲル化剤と重合体とを含むゲルに関する。このゲルは、制御型送達システムにおいて使用するのに特に適している。
従来、医薬剤は、主に経口的に(固体丸剤および液剤として)または注射可能物として調剤された、単純で速効性がある化合物からなっていた。しかしながら、最近30年間に、治療のために薬物送達の速度および時期を制御する(つまり時効性医薬)、ならびに身体の特定の領域を標的とする製剤が、ますます重要になってきた。また化粧品に対しては、活性剤の徐放または持続放出が望ましい。
制御型薬物送達は、予め考案された様式で活性剤が材料から放出されるように、送達ビヒクル(vehicle)が薬物またはその他の活性剤と適切に結合する場合に起こる。活性剤の放出は、長期間にわたって一定でもよく、長期間にわたって周期的でもよく、または環境もしくはその他の外部的事象によって誘導されてもよい。いずれの場合でも、薬物送達を制御する背後にある目的は、過少服用および過剰服用の双方の可能性を取り除くと共に、より効果的な治療を達成することである。制御型送達システムを使用することのその他の利点には、所望の範囲内での薬物レベルの維持、より少ない投与の必要性、問題の薬物の最適な使用、および患者のコンプライアンスの向上を含めることができる。
現代の薬物送達における中心問題の1つは、医薬剤の毒性と治療効果との間のバランスをとることである。特定の標的部位への送達を制限することによって、非標的部位において可能性がある毒作用を回避することができ、および薬物の有効性が増加する。この理由で、制御型薬物送達システムは、医薬剤および材料研究の主要な焦点となっている(総説として、Razzacki et al. Adv. Drug. Deliver. Rev., 2004, 56, 185-198(非特許文献1)またはKopecek et al., Eur. J. Pharm. Sci, 2003, 20, 1-161(非特許文献2)参照)。
薬物送達に対する制御の提供は、従来の経口または注射可能な薬物製剤が使用できない場合は、時々最も重要な要素となりうる。これらは、水溶性の薬物の徐放、低溶解性の薬物の迅速放出、特定の部位への薬物送達、ナノ粒子システムを使用する薬物送達、同じ製剤による2つ以上の薬剤の送達、ならびに溶解または分解することができ、かつ容易に除去される担体に基づくシステムが要求される状況を包含する。例えば、多くの薬物の効能および治療効果は、それらが身体内の所望の標的に到達する前に発生する(部分的な)分解のために制限されているか、またはそうでなければ減少している。理想的な薬物送達システムは、不活性で、生体適合性があり、機械的に強く、患者にとって快適で、高い薬物装填を達成することができ、偶発的な放出の心配がなく、投与および除去が簡単で、かつ製造および殺菌が容易であるべきである。
近年、制御(薬物)放出システムに対する低分子量ゲル化剤(LMWG)ゲルの可能性が、明らかになった。低分子LMWGのゲルは、化学修飾により、光、pHまたは化学物質に対する感受性を高くすることができる、自己組織化、熱可逆性、粘弾性の材料である。さらに、これらのLMWGのいくつかの水をゲル化する能力(ハイドロゲル化剤)は、これらのゲルを、例えば薬物送達の応用に対して興味ある新材料としている。Friggeri, A.らは、LMWGゲルからの薬物放出の研究を初めて報告した(2004, Journal of Controlled Release, Vol. 97, No. 2, pages 241-248(非特許文献3))。それは、非重合体ゲル化剤N,N'-ジベンゾイル-L-シスチン(DBC)のゲルからの小さな(モデル)薬物分子、つまり8-アミノキノリン(AQ)および2-ヒドロキシキノリン(HQ)の放出に関する。LMWGゲルからのモデル薬物の完全な放出は、およそ15分(HQ)から1時間(AQ)程度であることが分かった。さらに、HQの初期放出速度は、AQの初期放出速度よりおよそ7倍速く、後者の初期放出はゲル分解の速度論に従う。これらの結果は、小さな薬物分子のための送達ビヒクルとしてのLMWGゲルの可能性を示し、またそのようなシステムのための放出プロファイルがゲル化剤と薬物との組合せの適正な選択によって微調整することができることも示す。薬物送達デバイスの開発のためのLMWGシステムの可能性は、二段階の酵素仲介性薬物放出をもたらすために使用できる、酵素的に切断可能な低分子量ゲル化剤と(モデル)薬物との共役システムを報告する、Van Bommelらによるその後の研究(Organic & Biomolecular Chemistry, 2005, 3(16), 2917-2920(非特許文献4))で確認された。ゲル繊維の中への薬物の組み込みは、分子を酵素的切断から保護する。刺激(例えば、pHまたは温度変化による)を適用すると、これらのゲル繊維は酵素によって切断されうる個々の分子に解離し、薬物に対する二段階の放出機構がもたらされる。
よってLMWGのゲルは、従来法で研究された重合体システム(J. C. Tiller, Angew. Chem., Int. Ed., 2003, 42, 3072-3075(非特許文献5))では到達できない数秒程度の迅速な応答時間を有することができる。さらに、放出は外部的刺激によって制御されうる。
しかしながら、徐放または持続放出システムにおけるLMWGゲルの使用は、これまで制限されてきた。徐放LMWGゲルの調製は、多くのゲル化剤の限られた溶解性および/またはその他のゲル化剤の弱いネットワーク形成能力のために妨げられてきた。今までのところ、徐放システムに適したネットワーク密度を有するゲルは、溶媒の変更または温度の急冷の方法を含む従来の方法を使用して製造することが困難である。
Razzacki et al., Adv. Drug. Deliver. Rev., 2004, 56, 185-198 Kopecek et al., Eur. J. Pharm. Sci, 2003, 20, 1-161 Friggeri, A. et al., 2004, Journal of Controlled Release, Vol. 97, No. 2, pages 241-248 Van Bommel et al., Organic & Biomolecular Chemistry, 2005, 3(16), 2917-2920 J. C. Tiller, Angew. Chem., Int. Ed., 2003, 42, 3072-3075
本発明の目的は、従って、既存のLMWGシステムと比較するとより遅い放出プロファイルを示す、好ましくは、ゲル化剤と薬物との組合せの選択に依存しないLMWGシステムを提供することである。特に、pHまたは外部的誘因のその他の種類の変化後などに放出制御をもたらす、LMWGに基づく徐放ゲルを提供することを目的とする。
これらの目標は、LMWGゲルへの重合体の添加によって、密なネットワークを持つゲルがもたらされ、全体のゲル構造が強くなり、かつ最初はゲルの中に封入されている(溶存)種の拡散および放出が遅くなるという驚くべき所見によって満たされる。重合体を含むLMWGゲルは、重合体の非存在下で観察されたものよりも有意に遅い放出プロファイルを有する。例えば、ゲルからの化合物の初期放出は、ゲル中の重合体の20 wt%の組み込みにより、15分後の約80%から15分後の30%へ減少した。重合体と組み合わせて酸性のゲル化剤を含むゲルは、擬似胃液(pH 1.2)中で評価され、酸性環境における遅延薬物放出のために特に適していることが明らかになった。理論に束縛されることは望まないが、LMWGと好適な重合体との組合せは、ゲルネットワーク内の重合体鎖の固定化またはからみ合いにつながり、よって拡散が制限されるより密なゲル構造を提供すると考えられる。
従って、本発明は、少なくとも1種類の非重合体ゲル化剤および少なくとも1種類の重合体を含むゲルを提供する。下記の実施例で例証されるように、ゲルの中に封入されている化合物の放出速度は、ゲルの中に存在する重合体の量に逆相関することが明らかになった。ゲルの総重合体含量は、十分に密なゲルネットワークを保証するために、好ましくは、5重量パーセント(wt%)を超える。1つの態様では、ゲルは、少なくとも6 wt%(例えば7、8、または9 wt%)の重合体を含む。好ましくは、ゲルは、少なくとも10 wt%(例えば12または15 wt%)、さらに好ましくは、少なくとも20 wt%の重合体を含む。なお高い重合体含量(例えば25、30、35、40、50、55 wt%)の重合体を使用して、極めて良好な放出プロファイルを有するゲルが得られた。本発明に従うゲルの重合体含量に関する絶対最大値はない。通常、使用された特定の重合体の溶解性が、ゲルの中にどれほど組み込むことができるかを決定する。1つの態様では、前記ゲル中の重合体の総濃度は、6〜70 wt%、好ましくは、7〜60 wt%、さらに好ましくは、10〜50 wt%の範囲にある。
本発明の放出制御LMWGゲルを調製するために、重合体の様々な種類を使用することができる。また、2種類以上の異なった重合体の組合せを使用することができる。重合体は、少なくとも500ダルトン、好ましくは、少なくとも1キロダルトン(kDa)、さらに好ましくは、少なくとも1.5kDa、最も好ましくは、少なくとも3kDaの分子量を有することが好ましい。理論に束縛されることは望まないが、重合体の分子量が大きくなるほど、重合体鎖の間で起こる相互作用は強くなり、溶媒による影響は小さくなると考えられる。これは、閉じ込められた化合物の放出減少に帰着する。重合体は、グラフト重合体、分枝重合体、または直鎖重合体である。好ましい態様では、ゲルは、直鎖重合体または直鎖重合体と分枝重合体との組合せを含む。1つの局面では、重合体は、非ゲル化性重合体である。
1つの局面では、例えばゲルがインビボで適用される場合、重合体は生体適合性重合体が好ましい。それは生物分解性または非生物分解性でよい。
1つの態様では、徐放LMWGゲルは、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクティック、乳酸-グリコール酸共重合体、ラクチド-グリコリド共重合体、ポリエステルアミド、星形分枝重合体、ポリホスホエステル、アルブミン、フィブリン、フィブリノゲンの組合せ、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリ無水物、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリオルトカーボネート、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシバレレート、ポリアルキレンサクシネート、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、キチン、キトサン、ポリオルトエステル、ゼラチン、コラーゲン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエーテル、βシクロデキストリン、ポリサッカライド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン-ポリプロピレンブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類の生物分解性重合体、およびそれらの共重合体、三量体、ならびにそれらの組合せおよび混合物を含む。
あるいは、またはさらに、本発明のゲルは、本質的にエチルセルロース、アクリレート、メタクリレート、ピロリドン、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレン-ポリプロピレン共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリメチルメタクリレート、セルロースアセテートおよびそれらの誘導体、セラック、メタクリル酸に基づく重合体からなる群より選択される少なくとも1種類の非生物分解性重合体、それらの共重合体、組合せ、ならびにそれらの混合物を含む。
重合体は、水溶性であってもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。水溶性重合体(WSP)は、化学物質の多様なおよび変化に富む群を表す。ほぼすべての産業部門が、その事業のある過程の間にWSPを使用している。残念ながら、これは、用語の統一された一貫したセットを妨げた。確かに、1つの産業部門によって水溶性重合体として確認された物質が、異なった部門によって水溶性重合体と見なされなくてもよい。WSPは、由来、化学的構造、および応用によって分類することができる。それらは、天然の供給源(ゴム、タンパク質、セルロース、デンプンなど)、全合成の供給源(ポリビニル、ポリアクリレート、ポリイミン、石油スルホナートなど)、およびより望ましい特性を持った形態を製造するために天然の材料を修飾することにより形成された半合成の供給源に由来する。本発明に従って、もし、1)それが重合体鎖の内に少なくとも10の単量体単位を含む場合、2)それが一般に遭遇する工業条件において水溶液を形成する場合、および3)それが特定の消費市場部門によって所与の応用のための水溶性重合体として承認または販売される場合に、材料は水溶性重合体と見なされる。
1つの局面では、ゲルは、ポリエチレングリコール(PEG)系列(PEG 600、PEG 1000、PEG 1500、PEG 15440、PEG 4000、PEG 6000、PEG 9000、PEG 10,000を含む)、PEGブロック共重合体(例えば、PEG-ポリオキシプロピレンブロック共重合体;PEG-/ポリ(プロピレングリコール)トリブロック共重合体(PEG-PPG-PEG))からなる群より選択される少なくとも500の分子量(MW)を持つ少なくとも1種類の重合体を含む。低分子量を有するPEG(例えばPEG20、PEG30、PEG40、PEG60、PEG80、PEG100、PEG115、PEG200、PEG 300、PEG400)は、化合物の放出制御を示すゲルの製作のためにあまり適していないことが明らかになってきた。それ故、本発明の放出制御ゲルは、Hanabusaら(Chem. Mater. 1999, 11, 649-655)が開示したLMWGおよび低分子量PEG(PEG400)を含むゲル型の重合体の固体電解質とは区別される。
別の態様では、重合体はデキストラン系列から選択される。デキストランは、デキストランの生重合体の主鎖単位へ側鎖が1-3結合するα-D-1,6-グルコースが結合したグルカンである。分枝度はおよそ5%である。分枝は、ほとんど1〜2のグルコース単位の長さである。デキストランの分子量は、通常1,000から2,000,000ダルトンの間で変化し、本発明を実施する際すべてを使用してもよい。よい結果は、例えばデキストラン10,200またはデキストラン173,000を使用すると得られた。
さらに別の態様では、少なくとも1種類の重合体は、メチルセルロース(MC)またはその誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチル-セルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール(PVA)、キサンタンゴム、プルランもしくはプルラン(pullalan)誘導体である。プルランは、水溶性を持つ、α-1,4およびα-1,6グリコシド結合からなる中性の直鎖ポリサッカライドである。プルランは、多形性真菌オウレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)のある菌株によって、水溶性を持つ細胞外のポリサッカライドとして産生された。プルランは、その水溶性のために水溶液中で自己会合できない。そこで、たいていは疎水化されたプルラン誘導体が、薬物送達の担体として使用されている。これらの疎水化されたプルラン分子は、水中の自己凝集において、相対的に単分散した、およびコロイド的に安定したナノ粒子(20〜30 nm)を形成できる。
本明細書において使用する用語「非重合体ゲル化剤」は、溶液をゲル化または濃化する能力を有する低分子量ゲル化剤、濃化剤(thickener)、またはその他の種類のゲル化剤を指す。それらのいずれも、本明細書において「LMWG」と呼ぶ。本発明の非重合体ゲル化剤または濃化剤は、好ましくは、約5000g/mol未満の分子量、より詳細には、約100〜2000g/molの分子量を有する。LMWGは、当技術分野において周知である。非常に適しているのは、D.Robbの編集による「Specialist Surfactants」、1997年、p.209-263のP. Terechによる第8章に記載された有機ゲル化剤(organogelator)である。特に少なくとも8つの炭素原子、ならびに好ましくは、少なくとも12の炭素原子を含有する直鎖または分枝状の脂肪族炭素鎖を有する、カルボキシル基を持つヒドロキシル化された脂肪酸、例えば12-ヒドロキシステアリン酸または12-ヒドロキシオレイン酸およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属を有するそれらの塩;カルボン酸のアミド、特にトリカルボン酸のアミド、例えば、シクロヘキサントリカルボン酸とラウリルアミンとの反応から生じたシクロヘキサントリカルボキサミド(cyclohexane tricatboxamides);ウレイド誘導体、例えば、1,2-ビス(ウレイド-)ベンゼンおよびトランス-1,2ビス(ウレイド)シクロヘキサンの誘導体、特にR. M. Kellogg、B. L. FeringaらによるChem Eur. J.、1999年5月、No. 3の論文に記載のもの;バリンのエステルまたはアミド、特に「Specialist Surfactants」(上記参照)に記載のもの;N-アシルアミノ酸およびその誘導体、特にN-アシルアミノ酸のアミド、例えば、N-アシルアミノ酸と1〜22の炭素原子を含むアミンとの反応から生じたジアミド、例えば、WO93/23008に記載のもの、特にアシル基がC8〜C22のアルキル鎖を表すN-アシルグルタミン酸のアミド;1〜22の炭素原子、好ましくは、6〜18の炭素原子を有し、炭化水素鎖がエステル基、ウレア基、フルオロ基によって置換されてもよいジアミド(仏国特許出願第009317号参照);ステロイドのアミンまたはアミド、特にデオキシコール酸、コール酸、アポコール酸、リトコール酸およびそれらの塩、例えば、D-17,17-ジプロピル-17a-アザ-5-ホモアンドロスタン-3β-オール17a-オキシまたはD-17,17-ジプロピル-17a-アザ-5-ホモアンドロスタン-3β-オール;複数の芳香族環を有する化合物、特に8〜30の炭素原子を有する少なくとも2つのアルキル鎖を含むアントリル誘導体、例えば、2,3-ビス-n-デシクロキシアントラセン、2,3-ビス-n-デシクロキシアントラキノン、またはステロイド基を含むアントリル誘導体、例えば、4-(2-アントリロキシ)ブタン酸コレステリルまたはアントラキノン-2-カルボン酸コレステリルおよびそれらの誘導体;アゾベンゼンステロイド、例えば、文献「Specialist Surfactants」に記載のもの;有機金属化合物、例えば、単核性のβ-ジケトン酸銅(ビス(3,4ノニルオキシベンゾイル)メタンで八置換された銅の錯体)、双核性のテトラカルボン酸銅または三置換のパラ-カルボキシフェニルポルフィリンを有するZn(II)の錯体;少なくとも2つの直鎖または分枝アルキル鎖を含む塩の形態の界面活性剤、特に、8〜30の炭素原子を有する2つのアルキル鎖を含むアルカリ金属またはアルミニウムのアルキルホスフェート、例えば、ジヘキサデシルホスフェート(C16)またはジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸のアルミニウム塩およびそのアルカリ金属塩(Na);ベンジリデンソルビトールまたはベンジリデンアルジトールおよび誘導体、例えば、1,3:2,4-ジ-o-ベンジリデン-D-ソルビトールおよびそれらの混合物が挙げられる。1つの態様では、LMWGは、カルボキシル基を持つヒドロキシル化された脂肪酸、カルボン酸のアミド(例えばN,N'ジベンゾイル-L-シスチン、ウレイド誘導体、N-アシルアミノ酸および誘導体)、ステロイドのアミンまたはアミド、ならびにソルビトールのアミンまたはアミドを包含する有機ゲル化剤の群より選択される。LMWハイドロゲル化剤に関する最近の総説については、L. A. EstroffおよびA. D. Hamilton、Chem. Rev.、2004、104、1201-1217を参照のこと。
下記実施例に示すように、よい結果は、少なくとも500ダルトンの分子量を有する少なくとも1種類の重合体を、約5000g/mol未満の分子量を有するLMWGと組み合わせて含む放出制御LMWGゲルで得られた。
本発明の放出制御ゲルにおいて使用される非重合体ゲル化剤の量は、変更可能である。それは、使用されるゲル化剤および/または重合体の種類に依存してよく、かつ所望の放出プロファイルにも依存してもよい。一般的に言えば、ゲル中のゲル化剤の総濃度は、約0.01〜20 wt%、好ましくは、約0.03〜10 wt%、さらに好ましくは、約0.5〜7 wt%の範囲にある。
本発明の徐放ゲルを調製するために、よい結果は、下記式によって表されるゲル化剤により達成された。
Figure 2009520814
式中、
Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族または複素環式芳香族部分を表し; X1、X2、およびX3のそれぞれは、独立して、-N(H)-、-C(O)-、-O(CO)-、-OC(S)-、-C(S)-、-NHC(S)-、および-NH-C(O)-部分より選択され;
Am1、Am2、およびAm3のそれぞれは、独立して、1個のアミノ酸もしくはその誘導体、または多数のアミノ酸もしくはそれらの誘導体に基づく部分であり;
対応するX(Y1に対してX1、Y2に対してX2、およびY3に対してX3)が-C(O)-または-NH-C(O)-であり、かつn=1の場合は、Y1、Y2、およびY3のそれぞれは、好ましくは-OR、-N(OH)R、および-NR2の群より独立して選択され、ならびに対応するX(Y1に対してX1、Y2に対してX2、およびY3に対してX3)が-NH-であり、かつn=1または2の場合は、Y1、Y2、およびY3のそれぞれは、-C(O)R、-C(O)-NR2、-C(O)-OR、-C(S)R、-C(S)-NR2、-C(S)-OR、およびRの群より独立して選択される。
各Rは独立して、H、または置換もしくは非置換の、分枝、環状、もしくは直鎖アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基である。R基は、好ましくは、1〜40個の炭素原子を有し、芳香族、エステル、および/もしくはエーテル部分、ならびに/または、好ましくは、O、N、P、S、およびBから選択される1個もしくは複数のその他のヘテロ原子を含んでもよい(すなわち置換されていてもよい)。
好ましくは、X1、X2、および X3のそれぞれは、-NH-、-C(O)-、および-NH-C(O)-の部分より独立して選択される。
Am1、Am2、およびAm3のそれぞれは、独立して、1個のアミノ酸もしくはその誘導体、または多数(例えば最大12、最大6、または最大3)のアミノ酸もしくはそれらの誘導体に基づく部分である。本明細書において使用する用語「アミノ酸誘導体」は、天然アミノ酸の重要な構造上の特徴、つまり四面体およびキラル(すなわち、4個の官能基のそれぞれが異なる)である中心の不斉炭素(「α炭素」として知られている)ならびにアミノ基およびカルボン酸基を有する非天然化合物を指す。pH 7.0では、これらは共に(反対に)荷電している。アミノ酸の「側鎖」および/またはアミノ基もしくはカルボキシル基として知られている官能基は、例えば、BOCまたはその他の任意の保護部分による保護、メチル化、ベンゾイル化などにより修飾できる。例示的なアミノ酸誘導体には、Lys(BOC)、Ser(benzyl)、Asp(OMe)、Glu(OMe)が包含される。
Aが(ヘテロ)シクロアルキルである場合、すべての示した置換基(各X-Am-Y基)は、好ましくは、(ヘテロ)シクロアルキルのコアのエクアトリアル位に位置する。好ましい態様では、Aは、シクロアルキル、さらに好ましくは、シクロヘキシルである。例えば、それは、X1Am1(Y1)n、X2Am2(Y2)n、およびX3Am3(Y3)nによって、1、3、および5位がそれぞれ置換されたシクロヘキシルのコアである。
前述の通り、R基は芳香族部分で置換できる。用語「芳香族」は、非局在化された共役π系を含む(ここで、π非局在化電子の数は偶数だが、4の倍数ではない)1つまたは複数の環に配置される共有結合原子のセットを持つ基として定義される。芳香族基は、単結合および二重結合の交互の配列を含むものとして表すことができる。芳香族環系は、5〜30、好ましくは、5〜18の原子を含んでもよい。環系は、炭素原子だけを含んでもよい。あるいは、1つまたは複数の炭素原子が、ヘテロ原子によって置換されていてもよい。この場合、芳香族基は、複素式芳香族基と呼んでもよい。1つまたは複数のヘテロ原子は、同じであっても、または異なっていてもよい。環の中に存在しうる好ましいヘテロ原子は、酸素、硫黄、および窒素である。
芳香族基の例は、フェニル基、ナフチル基、アントラシル基、ピレン基、フラン基、ピリジン基、ピラジン基、ピロール基、イミダゾール基、キノリン基、およびチオフェン基である。
本発明のさらに特定の態様は、Aが1つまたは2つのX-Am-Yn基によって置換され、残りの1つまたは2つの置換基が-X-Z基である、非対称な三置換環状濃化剤またはゲル化剤を含む徐放ゲルに関する。式中、
Xのそれぞれは、独立して、-N(H)、C(O)、O(CO)-、-OC(S)-、-C(S)-、-NHC(S)-、および-NH-C(O)の部分より選択され;
Amのそれぞれは、独立して、1個のアミノ酸もしくはその誘導体、または多数のアミノ酸もしくはそれらの誘導体に基づく部分であり;
Yのそれぞれは、OR、-N(OH)R、-NR2、-C(O)R、C(O)-NR2、C(O)OR、-C(S)R、C(S)-NR2、C(S)-OR、およびRの群より独立して選択され、かつn=1または2である。対応するXが-C(O)-または-NH-C(O)-であり、かつn=1の場合は、Yのそれぞれは、好ましくは、-OR、-N(OH)R、および-NR2の群より独立して選択される、ならびに対応するXが-NH-であり、かつn=1または2の場合は、Yのそれぞれは、好ましくは、-C(O)R、-C(O)-NR2、-C(O)-OR、-C(S)R、-C(S)-NR2、-C(S)-OR、およびRの群より独立して選択される。
各Rは独立して、H、または置換もしくは非置換の、分枝、環状、もしくは直鎖アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基である。R基は、好ましくは、1〜40個の炭素原子を有し、芳香族、エステル、および/もしくはエーテル部分、ならびに/または、好ましくは、O、N、P、S、およびBから選択される1個もしくは複数のその他のヘテロ原子を含んでもよい(すなわち置換されていてもよい)。
各Zは、OH、COOH、C(O)NHR、NHC(O)R、およびNHRからなる群より独立して選択され、式中、各Rは、上記に定義したように独立して存在する。
そのような非対称な三置換ゲル化剤は、下記式の1つによって表すことができ、式中、Aは濃化剤またはゲル化剤の環(コア)を表し、各X、Y、Z、それぞれ、Amは、同じまたは異なるX、Y、Z、それぞれ、Amを表してもよい。
Figure 2009520814
部分A、X、Am、およびYに関して、式Iを考慮して記載したものと同じ定義および好ましい態様が適用できる。
式I、IIまたはIIIに従う化合物の調製およびそのような化合物の好ましい例は、出願者の名称における国際出願WO2003/097587、WO2004/103347、およびWO2005/047231から公知であり、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。WO2004/103347は、水中で難溶性(例えば、疎水性の医薬剤)である関心対象の化合物のナノ粒子の形成のための、様々な種類の非重合体ゲル化剤の使用を開示する。それは、徐放ゲルの製作のためのLMWGと非ゲル化性重合体との組み合わせの使用を開示または提案していない。
本発明に従う徐放ゲルの使用に関する特別の関心は、本発明の徐放ゲルからの関心対象の化合物のpH制御放出を許容するpH感受性ゲル化剤である。胃腸管の中ではpHの有意な変動が生じ、値の範囲は、胃の中のおよそ1、近位小腸の中の6.6および最大で遠位小腸の中の約7.5に及ぶ(Evans et al., 1988, Gut, 29:1035)。胃と小腸との間のpHの差は、pH感受性重合体コーティングの手段によって薬物を腸管に経口送達するためにこれまで活用されてきた。胃を通過する部位への薬物の送達は、胃の酸性条件もしくは酵素によって分解される薬物、または胃の中の局所的活性によって有害事象の原因となる薬物に対して特に望ましい。低い胃のpHおよび胃の酵素の存在は、薬物が腸溶コーティングと共に提供される様々な種類の経口薬物剤形の開発につながってきた。次に、本発明は、化合物(例えば、酸感受性薬物)の送達のためのゲルに基づくマトリックスを提供し、該マトリックスは、少なくとも1種類の重合体と組み合わせてpH感受性非重合体ゲル化剤を含む。ゲルマトリックスは、酸性環境において本質的に損なわれずに残るが、pH > 6で溶解する。重合体の存在は、胃の通過の間の化合物の拡散を有意に遅らせるが、pHが変化するとゲルは腸の中で急速に分解する。結果として、胃の通過の間の放出は少しまたは全くないが、一旦製剤が胃を通過すると迅速な放出がある。それ故、pHによって誘因できる本発明の放出制御ゲルは、胃の通過の間に分解する薬物の経口製剤のために特に適している。既存の重合体ゲルを超えるこれらのLMWGに基づくゲルの利点は、開始剤または触媒の洗浄を必要としないインサイチュー(超分子)重合を含む。さらに、好適なpH誘因の後に、ゲルは低分子量の成分に急速に分解する。
pH感受性LMWGは、当技術分野において公知である(例えば、出願人の名称におけるWO2003/084508を参照)。好ましい態様では、cHex(AmNleOH)3、cHex(AmPheAmGluOH)3、またはcHex(AmMetOH)3が、酸性のゲル化剤として使用されている(図1参照)。WO2003/097587は、そのような化合物の合成のための教示を提供する。Makarevicらによって記載されたOx(Leu)2(Chem. Eur. J. 2001, 7, 15, 3328-3341)も、酸性のゲル化剤として使用できる。
本発明に従って、ゲル化剤および重合体の多くの組合せは、徐放ゲルの製作のために使用することができる。少なくとも1種類のゲル化剤と少なくとも1種類の重合体とが、それらの物理化学的特性(例えば、親水性、酸性度、および/または電荷)に関して適合していることが好ましい。これは、ゲルネットワークと重合体との間の相互作用を許容し、この相互作用は密なゲル構造に寄与することができる。例えば、親水性のゲル化剤を、好ましくは、親水性の重合体と組み合わせる。逆に、疎水性の重合体は、疎水性のゲル化剤と最も適合する。また、ゲル化剤と重合体との間の電荷は、好ましくは、調和すべき、すなわち反発すべきではない。1つの態様では、pH感受性ゲル化剤とpH感受性重合体とが組み合わせられて、pH誘導性徐放ゲルを提供する。別の態様では、pH感受性ゲル化剤とpH非感受性重合体とが組み合わせられて、pH誘導性徐放ゲルを提供する。
1つの態様では、ゲルは、4 wt%のゲル化剤cHex(AmPheAmGluOH)3および30 wt%の重合体PEG4000を含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmPheOCH2CH2OCH2CH2OH)3および50 wt%のPEG4000を含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmPheOCH2CH2OCH2CH2OH)3および49 wt%のポリビニルピロリドン(PVP;MW 29 kDa)を含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmPheOCH2CH2OCH2CH2OH)3および25 wt%のデキストラン(MW 10.2 kDa)を含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmPheOCH2CH2OCH2CH2OH)3および15 wt%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)(MW 10.2 kDa)を含む。
さらに別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmMetOH)3および25 wt%のPEG4000を含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmMetOH)3および25 wt%のPVPを含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmMetOH)3および25 wt%のデキストラン(MW 10.2 kDa)を含む。別の態様では、ゲルは、0.5 wt%のcHex(AmMetOH)3および15 wt%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)の重合体(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)(MW 10.2 kD)を含む。
前述の通り、本発明の徐放ゲルまたは放出制御ゲルは、標的部位への化合物の送達のために特に適している。本明細書において提供されているのは、本発明に従い、さらに少なくとも1種類の関心対象の化合物を含むゲルである。関心対象の化合物は、生物学的活性分子でありうる。好ましくは、それは、薬学的化合物(薬物)または化粧用化合物である。ゲルは、ゲル中への組み込みが、分子の所望の標的特異性に寄与し、全身薬物毒性を低下させ、処置の吸収速度を向上させ、および/または生化学的分解に対抗する医薬剤に対する保護を提供する分子のいかなる種類を含んでもよい。関心対象の化合物は、例えば、ペプチド、ペプチド薬物、タンパク質、タンパク質薬物、治療抗体、脱感作剤、抗原、ビタミン、ワクチン、抗感染薬、抗生物質、抗菌剤、抗新生物薬、抗腫瘍薬、抗アレルギー薬、ステロイド性抗炎症剤、鎮痛剤、充血除去薬、縮瞳薬、抗コリン作用薬、交感神経作動薬、鎮静剤、催眠薬、抗精神病薬、精神賦活薬、精神安定剤、アンドロゲン性ステロイド、エストロゲン、プロゲステロン作用薬、体液性物質(humoral agent)、プロスタグランジン、鎮痛剤、鎮痙剤、抗マラリア剤、抗ヒスタミン剤、心臓作用薬、非ステロイド性抗炎症剤、抗パーキンソン病薬、降圧薬、βアドレナリン遮断薬、栄養剤、抗ウイルス薬、核酸(遺伝物質、オリゴヌクレオチド)、放射性同位体、またはこれらの化合物クラスの組合せ、または例えば、非荷電分子、分子錯体、塩、エーテル、エステル、アミド、および身体内への投与後に生物学的に活性化される、関心対象の化合物のその他の化学修飾形態などのその他の形態、老化防止剤、抗酸化剤、ならびに皮膚美白(whitening)剤からなる群より選択される。1つの態様では、関心対象の化合物は、タンパク質性物質である。図2はアミノ酸の徐放を示し、図4はタンパク質(シトクロムc)の徐放を示す。
本発明のさらなる局面は、本発明に従うゲルを調製するための方法に関する。溶媒の変更または温度の急冷の方法が含まれる、ゲルを調製するための従来の方法を使用することができる。1つの態様では、それは、重量で5%を超える量の少なくとも1種類の重合体の溶液、および任意で関心対象の化合物を、溶媒中に提供する工程、ならびに濃化溶液またはゲルを製造するために、少なくとも1種類の非重合体ゲル化剤を使用して前記溶液の濃化またはゲル化を誘発する工程を含む。溶媒は、水性溶媒でもまたは非水性溶媒でもよい。別の態様では、それは、溶媒中に少なくとも1種類の非重合体ゲル化剤の溶液を提供する工程、ならびに溶液を非溶媒と混合することによってゲル化または濃化を誘発する工程を含み、ここで少なくとも1種類の重合体および/または関心対象の化合物が溶媒中および/または非溶媒中に存在してもよい。しかしながら、その他の方法を使用してもよく、例えば、最初にゲルが調製され、次に関心対象の化合物が組み込まれる。下記実験の部は、どのように本発明のゲルを適切に調製するのかといった例を提供する。
このように得られた半固体ゲルは、そのようなものとして制御型送達システムにおいて使用することができる。あるいは、ゲルは乾燥させて、固体および/またはゲルの粒子形態を形成できる。乾燥させた形態でも、本発明のゲルは放出制御システムとして好適であることがわかった。粒子ゲルを得るためのゲルの乾燥は、当技術分野において公知である複数の方法(溶媒蒸発、凍結乾燥、噴霧乾燥を含む)または遠心分離によって達成できる。凍結乾燥が好ましい。乾燥ゲル組成物は、錠剤、カプセル剤、または丸剤等の従来の薬物製剤の中に組み込ませることができる。
さらなる態様では、本発明は、本発明に従うゲルを含む関心対象の化合物の放出制御、接近、または送達のためのシステムを提供する。既存のLMWGゲルと比べると、本発明のシステムは、機械的な強度が増加したゲルを含む(実施例1〜6参照)。ゲルからの封入化合物の放出は、化学的または物理的誘因などの誘因によって制御される。好ましくは、放出は、pH、電磁放射、温度、電気、(金属)イオンの存在、酸化種もしくは還元種の存在、酵素反応、および/または超音波処理によって制御される。pHが誘因となりうるゲルのゲル化剤の好適な例は、出願人によるWO2003/097587、およびWO2005/047231に見出すことができる。Van Bommelらは、酵素反応によって制御される放出システムを記載した(Organic & Biomolecular Chemistry, 2005, 3(16), 2917-2920)。電磁放射(光線)によるゲルのスイッチングの例は、De Jongらによって記載された(Science, 2004, 304(5668), 278-281)。システムは、例えば、pH制御型薬物送達システム等の薬物送達システムである。
特定の局面では、本発明は、生体接着性送達システムを提供する。用語「生体接着性」は、粘膜などの生物学的基質に結合できる材料(例えば、本発明の徐放ゲル)を指す。粘膜への生体接着性薬物送達デバイスの接着は、吸収部位における薬物濃度勾配の増加につながり、およびその結果として生物学的利用能の向上につながる。粘膜の標的部位は、目、口腔、鼻腔、胃腸管、および膣を含む。生体接着性剤形は、粘膜の表面における局所性障害を標的とし、必要とされる全体の投薬量を減少させ、かつ薬物の全身投与により生じる可能性がある副作用を最小限にするために特に適している。生体接着性の製剤は、通常接着性成分として重合体を使用する。本発明の生体接着性徐放ゲルを調製するために使用することができる生体接着性重合体は、架橋されたポリアクリル酸とポリ(エチレンオキシド)とを含む。ゲルは、生体接着性送達システムにおいて、目、胃腸管、口腔、およびその他の関心対象の粘膜部位への関心対象の化合物の送達のために使用することができる。特定の態様では、本発明は、粘膜の表面に接着するLMWGゲルに基づく生体接着性システムを提供し、かつワクチンの徐放(例えば、鼻腔または口腔の中で)を提供する。これとともに、本発明は、本発明に従うゲルまたは(生体接着性)送達システムを含む薬学的組成物も提供する。もちろん、組成物は、予防用組成物または治療用組成物でありうる。特定の局面では、化粧用組成物は、例えば、老化防止化合物、皮膚美白剤、および/または抗酸化剤の送達のために提供される。
また本明細書において提供されているのは、それを必要とする対象に、少なくとも1種類の治療的活性化合物を封入した徐放ゲルを含み本発明に従う薬学的組成物を投与する工程を含む、処置の方法である。1つの態様では、それは、本発明に従うゲルの中に封入された鎮痛薬を含む組成物を投与する工程を含む、痛みを和らげるための方法である。ゲルは、例えば、胃の通過の間は鎮静薬を保護し、さらに一旦ゲルネットワークを溶解するほどにpHが十分に高くなると急速に薬物を放出する酸性のゲル化剤を含む。
実験の部
実施例1
cHex(AmPheOCH2CH2OCH2CH2OH)3(図1)2.5 mg(2.7×10-3 mmol)に、水500μL(A)、またはポリエチレングリコール(PEG4000;MW 4 kD)の50%(w/v)水溶液500μL(B)、またはポリビニルピロリドン(MW 29 kD)の49%(w/v)水溶液500μL(C)を加えた。この試料を、ゲル化剤の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷し、その結果ゲル化させた。結果として得られたゲルの強度(firmness)は、最大30秒間ボルテックスで撹拌することによって、ゲルの破断を試みることにより評価された。破断時間は、ゲル(A)、ゲル(B)およびゲル(C)に対してそれぞれ4秒、30秒超、30秒超であった。
実施例2
cHexAm(PheAmAQ)(CH2CH2OCH2CH2OH)2(図1)2.5 mg(3.8×1O-3 mmol)に、水500μL(A)、またはデキストラン(MW 10.2 kD)の25%(w/v)水溶液500μL(B)、またはデキストラン(MW 10.2 kD)の50%(w/v)水溶液500μL(C)を加えた。この試料を、ゲル化剤の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷し、その結果ゲル化させた。結果として得られたゲルの強度は、最大30秒間ボルテックスで撹拌することによって、ゲルの破断を試みることにより評価した。破断時間は、それぞれ8秒(A)、30秒超(B)、30秒超(C)であった。
実施例3
cHexAm(PheAmCH2CH2Ph)(CH2CH2OCH2CH2OH)2(図1)2.5 mg(3.9×1O-3 mmol)に、水500μL(A)、またはポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)の30%(w/v)水溶液500μL(B)、またはポリビニルピロリドン(MW 29 kD)の49%(w/v)水溶液500μL(C)を加えた。この試料を、ゲル化剤の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷し、その結果ゲル化させた。結果として得られたゲルの強度は、最大30秒間ボルテックスで撹拌することによって、ゲルの破断を試みることにより評価した。破断時間は、それぞれ4秒(A)、30秒超(B)、30秒超(C)であった。
実施例4
cHex(AmNleOH)3(図1)2.5 mg(4.5×1O-3 mmol)に、水500μL(A)、またはキトサン(中間MW、Aldrich、製品番号448877)の2.5%(w/v)水溶液500μL(B)、またはキトサン(中間MW)の6%(w/v)水溶液500μL(C)を加えた。この試料を、ゲル化剤の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷し、その結果ゲル化させた。結果として得られたゲルの強度は、最大30秒間ボルテックスで撹拌することによって、ゲルの破断を試みることにより評価した。破断時間は、それぞれ 13秒(A)、1秒(B)、30秒超(C)であった。
実施例5
cHexAmNleOCH2CH2OCH2CH2OH(図1)2.5 mg(3.0×1O-3 mmol)に、水500μL(A)、またはポリビニルピロリドン(MW 29 kD)の49%(w/v)水溶液500μL(B)を加えた。この試料を、ゲル化剤の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷し、その結果ゲル化させた。結果として得られたゲルの強度は、最大30秒間ボルテックスで撹拌することによって、ゲルの破断を試みることにより評価した。破断時間は、それぞれ4秒(A)、30秒超(B)であった。
実施例6
Ox(AmLeu)2(図1)5 mg(1.6×1O-2 mmol)に、水500μL(A)、またはポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)の30%(w/v)水溶液500μL(B)、またはポリビニルピロリドン(MW 29 kD)の49%(w/v)水溶液500μL(C)を加えた。この試料を、ゲル化剤の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷した。(A)の組成物は透明な溶液となり、試料(B)および(C)はゲルを形成した。ゲルの強度は、最大30秒間ボルテックスで撹拌することによって、ゲルの破断を試みることにより評価した。破断時間は、それぞれ30秒超(B)、30秒超(C)であった。
実施例7
cHex(AmPheAmGluOH)3 40.4 mg(39×1O-3 mmol)、トリプトファン4.9 mg(24 ×1O-3 mmol)、PEG4000 100 mg、および水900μL(A)、またはcHex(AmPheAmGluOH)3 39.9 mg(38×1O-3 mmol)、トリプトファン5.1 mg(25×1O-3 mmol)、PEG4000 200 mg、および水800μL(B)、またはcHex(AmPheAmGluOH)3 39.9 mg(38×1O-3 mmol)、トリプトファン5.0 mg(24×1O-3 mmol)、PEG4000 300 mg、および水700μL(C)、またはcHex(AmPheAmGluOH)3 50.0 mg(48×1O-3 mmol)、トリプトファン4.9 mg(24×1O-3 mmol)、PEG4000 300 mg、および水700μL(D)、またはcHex(AmPheAmGluOH)3 61.4 mg(59×1O-3 mmol)、トリプトファン5.0 mg(24×1O-3 mmol)、PEG4000 300 mg、および水700μL(E)を、ゲル化剤とトリプトファンの両方の完全な溶解が達成されるまで加熱し、次いで、放冷し、その結果ゲル化させた。
実施例8
cHex(AmPheAmGluOH)3 164 mg(157×1O-3 mmol)を、1NのNaOH水溶液820μLに溶解させた。この原液の200μLを、ビタミンB12 1.1 mg(8.1×1O-4 mmol)、水600μL、および1NのHCl水溶液200μL(A)、またはビタミンB12 1.1 mg(8.1×1O-4 mmol)、PEG4000 200 mg、水400μL、および1NのHCl水溶液200μL(B)、またはビタミンB12 5.0 mg(3.6×1O-3 mmol)、水600μL、および1NのHCl水溶液200μL(C)、またはビタミンB12 5.1 mg(3.8×1O-3 mmol)、PEG4000 200 mg、水400μL、および1NのHCl水溶液200μL(D)を含有するボルテックスで撹拌させた溶液に加えた。ボルテックスでの撹拌を止めるとすぐにゲル化が起こった。
実施例9
500μLの量の1 wt%の染料エバンスブルー水溶液を、水500μL(A)、またはポリエチレングリコール(MW 4 kD)の50%(w/v)水溶液500μL(B)、またはポリビニルピロリドン(MW 29 kD)の49%(w/v)水溶液500μL(C)、またはデキストラン(MW 10.2 kD)の25%(w/v)水溶液500μL(D)、またはポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)の15%(w/v)水溶液500μL(E)中のcHex(AmPheOCH2CH2OCH2CH2OH)3(図1)2.5 mg(2.7×1O-3 mmol)のゲルの上に慎重にのせた。すべてのゲルは、完全溶解が起こるまでの加熱および続く冷却によって調製した。5時間(A)、24時間(B)、48時間(C)、19時間(D)、24時間(E)で、青色がゲルの全部分に拡散した。
実施例10
500μLの量の1 wt%のエバンスブルー水溶液を、水500μL(A)、またはポリエチレングリコール(MW 4 kD)の25%(w/v)水溶液500μL(B)、またはポリビニルピロリドン(MW 29 kD)の25%(w/v)水溶液500μL(C)、またはデキストラン(MW 10.2 kD)の25%(w/v)水溶液500μL(D)、または15%(w/v)の ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)水溶液(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)500μL(E)中のcHex(AmMetOH)3(図1)5.0 mg(8.2×1O-3 mmol)のゲルの上に慎重にのせた。すべてのゲルは、完全溶解が起こるまでの加熱および続く冷却によって調製した。4時間(A)、24時間(B)、24時間(C)、24時間(D)、24時間(E)で、青色がゲルの全部分に拡散した。
実施例11:LMWG-PEGハイドロゲルからのトリプトファンの放出
トリプトファン5 mg/mLならびに種々の量の非重合体の酸性ゲル化剤cHex(AmPheAmGluOH)3および重合体PEG4000を含有するハイドロゲルを、実施例8に従って調製した。UVを使用して、ゲルから擬似胃液(SGF;pH 1.2)へのトリプトファンの放出を追跡した(図2)。トリプトファン放出の初期速度は、少なくとも20%のPEG4000を含有するゲルにおいてきわめて低いことが明らかになった。cHex(AmPheAmGluOH)3の濃度を4〜6%(w/v)増加しても、放出の遅延は向上しなかった。10分間のSIF(pH 6.8)中でのインキュベーション後、すべての残りのトリプトファンを回収した。この実験は、LMWGゲル中への重合体の組み込みが、封入された低分子量化合物のゲルからの放出を有意に遅延できることを実証する。
実施例12:ゲルから擬似胃液へのビタミンB12の放出
1 mg/mLまたは5 mg/mLのビタミンB12、40 mg/mLのゲル化剤cHex(AmPheAmGluOH)3、および0%または20%のPEG4000を含有するハイドロゲルを調製した。UVを使用して、ゲルから擬似胃液(SGF;pH 1.2)へのビタミンB12の放出を追跡した(図3)。ゲルへの重合体の添加は、ビタミンB12の初期放出速度を明らかに遅らせた。
実施例13:シトクロムcを含む様々なハイドロゲルの調製
シトクロムc(ウシ心臓由来)1.25 mgおよびリン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH 7.4)800μl(A)、またはシトクロムc 1.04 mg、デキストラン(MW 15 kD)160 mg、およびPBS 800μl(B)、またはシトクロムc 1.04 mg、PEG4000 160 mg、およびPBS 800μl(C)、またはシトクロムc 1.04 mg、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)(MW 8.4 kD、80 wt% PEG)160 mg、およびPBS 800μl(D)、またはシトクロムc 1.04 mg、ポリビニルピロリドン(MW 29 kD)160 mg、およびPBS 800μl(E)を含有する溶液を、cHex(AmPheOEtOEtOH)3(図1)10 mg(1.1×1O-5 mol)、EtOH 133μl、および水67μlを含有する溶液に直ちに加え、それを50℃に保った。ゲル化が、シトクロムc溶液の添加直後に発生した。
実施例14:様々なハイドロゲルからのシトクロムcの放出
LMWG cHex(AmPheOEtOEtOH)3(図1)を加えた種々の種類の重合体および1.04 mg/mLのシトクロムcを含有するハイドロゲルを実施例13に従って調製した。UVを使用して、振盪インキュベーター(100 rpm、37℃)中におけるゲルからPBS 15 mLへのシトクロムcの放出を追跡した(図4)。異なった時間点において、少量のアリコート(0.5 ml)を試料から取り、新しいPBSと取り替えた。アリコートをろ過し、DTTを添加し、413 nmにおけるUV吸光度からシトクロムcの濃度を決定した。このデータは、重合体の添加によるゲルからのシトクロムcの放出の遅延を実証する。
非重合体ゲル化剤の構造を示す。 5 mg/mLトリプトファンを含むゲル0.5 mLからSGF(pH 1.2)2 mLへのトリプトファンの放出を示す。 PEG4000含有ハイドロゲルからのビタミンB12の放出を示す。 様々なハイドロゲルからのシトクロムcの放出を示す。

Claims (22)

  1. 少なくとも500ダルトン(Da)の分子量を有する少なくとも1種類の重合体と少なくとも1種類の非重合体(nonpolymeric)ゲル化剤とを含むゲルであって、該ゲルの重合体含量が、5重量パーセント(wt%)を超え、好ましくは少なくとも10 wt%を超え、さらに好ましくは少なくとも20 wt%を超える、ゲル。
  2. 重合体が、少なくとも1 kDa、好ましくは少なくとも1.5 kDaの分子量を有する、請求項1記載のゲル。
  3. 重合体が、グラフト重合体、分枝重合体、もしくは直鎖重合体であるか、またはゲルが、グラフト重合体、分枝重合体、および/もしくは直鎖重合体の混合物を含む、請求項1または2記載のゲル。
  4. 重合体が、生体適合性重合体および/または生物分解性重合体である、請求項1〜3のいずれか一項記載のゲル。
  5. 重合体が、PEG系列、デキストラン系列、メチルセルロース(MC)およびその誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール(PVA)、キサンタンゴム、ならびにプルランからなる群より選択される、前記請求項のいずれか一項記載のゲル。
  6. 非重合体ゲル化剤が、約5000g/mol未満の分子量、より詳細には約100〜2000g/molの分子量を有する低分子量ゲル化剤(LMWG)である、請求項1〜5のいずれか一項記載のゲル。
  7. LMWGが、カルボキシル基を持つヒドロキシル化された脂肪酸、N,N'ジベンゾイル-L-シスチンなどのカルボン酸のアミド、ウレイド誘導体、N-アシルアミノ酸および誘導体、ステロイドのアミンまたはアミド、ならびにソルビトールのアミンまたはアミドを含む有機ゲル化剤(organogelator)の群より選択される、請求項6記載のゲル。
  8. ゲル化剤が、pH感受性ゲル化剤、電磁放射感受性ゲル化剤、温度感受性ゲル化剤、電気感受性ゲル化剤、および/もしくは超音波処理感受性ゲル化剤であり、ならびに/またはゲル化剤が(金属)イオン、酸化、還元、および/もしくは酵素反応に対して感受性がある、請求項1〜7のいずれか一項記載のゲル。
  9. ゲル化剤が、下記式Iによって表されるゲル化剤からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項記載のゲル:
    Figure 2009520814
    式中、
    Aは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族または複素環式芳香族部分を表し;
    X1、X2、およびX3のそれぞれは、独立して、-N(H)-、-C(O)-、-O(CO)-、-OC(S)-、-C(S)-、-NHC(S)-、および-NH-C(O)-部分より選択され;
    Am1、Am2、およびAm3のそれぞれは、独立して、1個のアミノ酸もしくはその誘導体、または多数のアミノ酸もしくはそれらの誘導体に基づく部分であり;
    対応するX(Y1に対してX1、Y2に対してX2、およびY3に対してX3)が-C(O)-または-NH-C(O)-であり、かつn=1の場合は、Y1、Y2、およびY3のそれぞれは、好ましくは、-OR、-N(OH)R、および-NR2の群より独立して選択され、ならびに対応するX(Y1に対してX1、Y2に対してX2、およびY3に対してX3)が-NH-であり、かつn=1または2の場合は、Y1、Y2、およびY3のそれぞれは、-C(O)R、-C(O)-NR2、-C(O)-OR、-C(S)R、-C(S)-NR2、-C(S)-OR、およびRの群より独立して選択され、式中、各Rは独立して、H、または置換もしくは非置換の、分枝、環状、もしくは直鎖アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基であり、芳香族、エステル、もしくはエーテル部分、または1個もしくは複数のその他のヘテロ原子を含む可能性があり、1〜40個の炭素原子を有してもよく;ならびに
    nは1または2である。
  10. ゲル化剤が非対称な三置換環状ゲル化剤であり、環が1つまたは2つのX Am Yn基によって置換され、残りの1つまたは2つの置換基が-X Z基であり、
    例えば、下記の式IIまたは式IIIに示される、請求項1〜8のいずれか一項記載のゲル:
    Figure 2009520814
    式中、
    Xのそれぞれは、独立して、-N(H)、C(O)、O(CO)、OC(S)、C(S)、-NHC(S)-、および-NH-C(O)の部分より選択され;
    Amのそれぞれは、独立して、1個のアミノ酸もしくはその誘導体、または多数のアミノ酸もしくはそれらの誘導体に基づく部分であり;
    Yのそれぞれは、OR、N(OH)R、NR2、-C(O)R、C(O)-NR2、C(O)OR、-C(S)R、C(S)-NR2、C(S)-OR、およびRの群より独立して選択され、式中、各Rは、請求項9に定義したように独立して存在し;
    各Zは、OH、COOH、C(O)NHR、NHC(O)R、およびNHRからなる群より独立して選択され、式中、各Rは、請求項9に定義したように独立して存在し;ならびに
    n=1または2である。
  11. ゲル中のゲル化剤の総濃度が、0.01〜20重量パーセント(wt%)の範囲、好ましくは0.03〜10 wt%の範囲、さらに好ましくは0.1〜7 wt%の範囲にある、請求項1〜10のいずれか一項記載のゲル。
  12. 少なくとも1種類のゲル化剤と少なくとも1種類の重合体とが、それらの親水性、酸性度、および/または電荷に関して適合している、請求項1〜11のいずれか一項記載のゲル。
  13. 少なくとも1種類の関心対象の化合物、好ましくは薬学的化合物または化粧用化合物をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のゲル。
  14. 関心対象の化合物が、ペプチド、タンパク質、(治療)抗体、脱感作剤、抗原、ビタミン、ワクチン、抗感染薬、抗生物質、抗菌剤、抗新生物薬、抗腫瘍薬、抗アレルギー薬、ステロイド性抗炎症剤、鎮痛剤、充血除去薬、縮瞳薬、抗コリン作用薬、交感神経作動薬、鎮静剤、催眠薬、抗精神病薬、精神賦活薬、精神安定剤、アンドロゲン性ステロイド、エストロゲン、プロゲステロン作用薬、体液性物質(humoral agent)、プロスタグランジン、鎮痛剤、鎮痙剤、抗マラリア剤、抗ヒスタミン剤、心臓作用薬、非ステロイド性抗炎症剤、抗パーキンソン病薬、降圧薬、βアドレナリン遮断薬、栄養剤、抗ウイルス薬、核酸(遺伝物質、オリゴヌクレオチド)、放射性同位体、またはこれらの化合物クラスの組合せ、または例えば、非荷電分子、分子錯体、塩、エーテル、エステル、アミド、および身体内への投与後に生物学的に活性化される、関心対象の化合物のその他の化学修飾形態などのその他の形態、老化防止剤、抗酸化剤、ならびに皮膚美白(whitening)剤からなる群より選択される、請求項13記載のゲル。
  15. 請求項13または14記載の乾燥ゲル。
  16. 5 wt%を超える量の少なくとも1種類の重合体の溶液、および任意で関心対象の化合物を、溶媒中に提供する工程と、
    ゲルを製造するために、少なくとも1種類の非重合体ゲル化剤を使用して前記溶液の濃化またはゲル化を誘発する工程とを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載のゲルを調製するための方法。
  17. 少なくとも1種類の非重合体ゲル化剤の溶液を溶媒中に提供する工程と、
    溶液を非溶媒と混合することによってゲル化または濃化を誘発する工程とを含み、
    重合体の総量が5 wt%を超える条件で、少なくとも1種類の重合体および/または関心対象の化合物が、溶媒中および/または非溶媒中に存在してもよい、請求項1〜14のいずれか一項記載のゲルを調製するための方法。
  18. その後に、凍結乾燥、噴霧乾燥、または溶媒蒸発を好ましくは含むゲルを乾燥させる工程が続く、請求項16または請求項17記載の方法に従ってゲルを提供する工程を含む、請求項15記載の乾燥ゲルを調製するための方法。
  19. 請求項13もしくは14記載のゲルまたは請求項15記載の乾燥ゲルを含む、関心対象の化合物の制御型送達のためのシステム。
  20. 送達が誘因によって制御され、好ましくは、送達がpH、電磁放射、温度、電気、(金属)イオンの存在、酸化種もしくは還元種の存在、酵素反応、および/または超音波処理によって制御される、請求項19記載のシステム。
  21. 請求項1〜14のいずれか一項記載のゲル、請求項15記載の乾燥ゲル、または請求項19もしくは20記載の制御型送達システムを含む、化粧用組成物または薬学的組成物。
  22. それを必要とする対象に請求項21記載の組成物を投与する工程を含む、治療方法または化粧処置方法。
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