JP2009518681A - 楽器用弦および楽器 - Google Patents

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Abstract

本開示は、析出硬化型ステンレス鋼を含んでなる音楽用弦に関する。弦は緩和に対する優れた耐性を有し、耐食性であり、そのため調律安定性が向上しその音質を維持しており、その使用期間が長い。

Description

本発明は、請求項1の前文による音楽用弦に関する。
そのような弦は、特に、青銅色のねずみ鋳鉄の鋼心を含んでなる米国特許第4,333,379号に知られている。
音楽用弦は多くの異なる性質を持たなければならない。最も重要なものは、弦がその調律周波数に負荷でき、演奏時の弦の張力の変動に耐えることができる高い機械的強度である。必要とされる機械的強度のレベルは弦の直径による。より細い弦がより高い音に使用されており、一般的に弦が細いほど要求される機械的強度が高い。例えば、E音に使用される0.254mm(0.010インチ)のギター弦は、調律されるために少なくとも1500MPaの引張強度を持たなければならない。さらに、ピックによる演奏時に生み出される張力に安全に耐えるために、0.254mmの弦は、好ましくはおよそ2500MPaの引張強度を持たなければならない。
他の重要な性質は弦材料の緩和に対する耐性である。この性質は、基本的に、ギターの弦がその音をどの程度良好に維持するかを意味する。例えば、ギターのB音(すなわち247Hz)に負荷された直径0.33mmの弦において大きさ1Nの力の損失は、およそ2Hzの周波数低下に相当する。人間の耳は、例えば440Hzと441Hzの間の差を検知できるので、1Nの力の損失は人間の耳に容易に聞こえるだろう。このような低下が起こると、弦は調律し直さなければならない。頻繁な再調律は演奏者の心を乱し、時間が経つと弦の性質を劣化させるであろう。このため、最終的に弦の音質は影響を受け、それにより弦の寿命にも影響するだろう。したがって、向上した調律安定性、音質および弦の寿命にとって、弦材料が緩和に対する高い耐性を持つことが望ましい。
弦材料の他の必須な性質は、脆くなりすぎずに、要求されるワイヤ寸法に冷間引抜きされる能力である。さらに、弦は、単線でも、1本以上の撚り線または巻線であってもよい。この場合、弦のワイヤを撚るのが可能なほど十分な延性を材料が持つことが要求される。
エレキギターなど電気楽器のための弦の場合、弦の生み出す音は、弦の電磁気的性質の結果である。ほとんどのエレキギターは、永久磁石のついたコイルからなる電磁気ピックアップを利用している。弦の振動はコイルを通る磁束の変化を起こし、それにより電気信号を誘起し、それがアンプに送られ、そこでさらに信号が処理されて増幅される。弦の磁性が高いほど、より高い電圧がコイル中につくられ、作られる音がより大きくなる。
さらに、楽器の弦は、種々の腐食に曝される。腐食は弦を汚し、それにより徐々に機械的性質および調律性の両方に影響を与える。弦が受けやすい腐食の1種は大気腐食であり、湿度があり暖かい状態での炭素鋼に、または楽器が屋外で演奏される場合に顕著になることがある。さらに、汗や油脂などの物質が演奏者から弦に移ることがあり、これも弦の腐食の危険性の1つである。人間の汗は、腐食性の高い塩化ナトリウムを含む。その一方で、油脂は、弦を軽度に腐食させその表面を永久に変色させる他の物質を集めることがある。
普通の弦は、通常、種々のワイヤ直径に引き抜かれた高炭素鋼でできている。炭素鋼は、脆くならずに高強度レベルにワイヤを引き抜くのが容易なような良好な性質を多く有する。しかし、弦に使用される場合炭素鋼の主な欠点は、容易にさびてその表面を汚し、弦の音質および演奏特性に影響することである。汚れは、楽器の弦を張り替える通常の理由である。
炭素鋼弦の腐食を阻止する試みは、例えば、弦を天然ポリマーおよび合成ポリマーなどの異なる物質で被覆するなど数多くなされてきたが成功していない。しかし、被覆は一般的に弦の振動を低減するので、輝きの低下および劣った音質につながる。
弦に使用される場合の炭素鋼の他の欠点は、負荷された時に伸びる傾向である。材料の緩和により起こるこの効果は、新しい楽器に弦を張った後の最初の時期または古い楽器の弦の張り替えの後に、ピアノなどの大型で静的な楽器ならびにギターおよびバイオリンなどの小型で移動性の楽器の両方で特に顕著である。新しい弦には、安定した音に達するまで「設定時間(setting time)」が必要である。明らかに、湿度および温度の変動の結果として楽器自体が「離調(detuning)」の大部分の原因であるが、その効果の多くは弦自体に帰せられる。例えばピアノ製造者にとって、これは、新しい楽器の配送前の長くコストのかかる調律および再調律の期間を意味し、楽器演奏者にとっては、これは許容できる音の安定性に達するまでの頻繁な再調律を意味する。
したがって、上述の問題を克服する弦の必要性がある。
その結果、本発明の目的は、使用期間が長い音楽用弦を提供することである。
述べられた目的は、最初に定義され、請求項1の特徴部分の特徴を有する弦により達成される。
音楽用弦に析出硬化型ステンレス鋼を利用することにより、通常使用される炭素鋼に比べて、耐食性および緩和に対する耐性の両方がはるかに向上し、それにより弦の寿命が長くなる。
前記の弦は、アコースティックおよびセミアコースティック楽器ならびにエレキギターのように磁場中で振動する弦により音が発生する楽器に使用するものである。本開示による弦は、ギター、バイオリン、ピアノ、ハープなど全種の弦楽器に使用できる。
音楽用弦の性能に重要な種々の材料特性は、降伏強度および引張強度、緩和に対する耐性、耐食性、形状、表面仕上げであり、電気楽器では電磁気的性質である。
本発明による弦は、通常使用される弦に比べ長い使用期間を有する。この文脈において、使用期間は、弦の破壊までの時間あるいは調律安定性または音質の低下など弦の性質低下により弦を交換する必要を演奏者が感じるまでの時間と考えられる。
析出硬化型ステンレス鋼は、析出硬化により強化された耐食鉄合金である。析出硬化は多相組織を生みだし、転位運動に対する抵抗の増大およびより大きな強度または硬度が生じる。これらの種類の鋼は一般的に耐食構造部材などの用途に見いだすことができる。
材料の選択から、本開示による弦は、直径0.33mmで冷間引抜き状態において少なくとも1800MPaの引張強度などの高い機械的強度を有する。また、引張強度は、直径0.254mmで熱処理状態において、すなわち時効された状態で少なくとも2500である。さらに、通常の条件下で演奏された場合18時間に1回より頻繁な再調律を必要としない、緩和に対する耐性を有する。より具体的には、析出硬化型ステンレス鋼は、24時間に1回未満しか再調律を必要としない、緩和に対する耐性を有する。
さらに、本開示による弦は、環境により、または使用中に弦に移った物質により起こる腐食に耐性がある。結果として、弦は、向上した保護のために被覆する必要がなく、その輝く表面を維持し、時間が経ってもその音響特性を維持する。
炭素鋼およびステンレス鋼の耐食性の評価に利用される通常の方法はかなり異なり、そのため実験室試験に基づく直接の比較が困難である。しかし、炭素鋼は汗水中で強くさび、塩化物含有水中ではなおさらさびる。その一方で、ステンレス鋼は純水に耐性があるが、塩化物含有水中で孔食を受けることがある。腐食プロセスは、塩化物含量および/または高温が高い場合に加速される。その強度レベルのわりに、本発明の析出硬化型ステンレス鋼は水溶液中で非常に耐性があり、例えば、AISI 304のタイプのステンレス鋼に比べ性能が優れている。これは、この点でそれが炭素鋼音楽用弦よりも性能が優れていることも意味する。
弦の均一な形状およびなめらかな表面仕上げは、調和的な音および演奏時の弦の良好な手触りを得るのに重要である。弦の音響特性は定量するのは困難だが、演奏者および聞き手が弦の音をどのように体験するかにとって非常に重要である。本発明による弦のアコースティック音の認識は、通常使用される炭素鋼弦のものとよく似ている。
本発明による音楽用弦に使用すべき好適な析出硬化型ステンレス鋼は、一般的に10〜20重量%のCrおよび4〜10重量%のNiを含む。
音楽用弦として使用するのに好適な析出硬化型ステンレス鋼は、例えば、重量%で以下の組成を有することがある:
C 最大0.1
Si 最大1.5
Mn 0.2〜3
S 最大0.1
P 最大0.05
Cr 10〜19
Ni 4〜10
Mo+0.5W 最大6
Cu 最大4.5
元素Ti、Nb、TaおよびAlの1種または複数
>0〜2
残部Feおよび通常存在する不純物。
そのようなステンレス鋼の例は、UNS S46910、UNS S17700、UNS S17400およびUNS S45500である。好ましい実施形態によると、析出硬化型ステンレス鋼はUNS S46910である。
析出硬化型ステンレス鋼は、析出を達成するために種々の添加物を含んでよい。本発明の1実施形態によると、析出硬化型ステンレス鋼は、UNS S46910およびUNS S45500の場合など0.5〜1重量%のTiを含む。本発明の他の実施形態によると、UNS S17700およびUNS S46910の場合など0.2〜1.5重量%のAlを含む。他の実施形態によると、鋼は、UNS S45500およびUNS S17400の場合など0.1〜0.6重量%のTa+Nbを含む。
音楽用弦に好適な析出硬化型ステンレス鋼を選択する際に重要な基準は、弦を作るために材料のワイヤを製造する能力である。選択された組成物が、脆くならずに0.254mmまたは0.33mmなどの非常に微細な直径に冷間引抜きできることは必要条件である。
前記弦は、ワイヤ製造のための従来の冷間引抜きプロセスにより製造される。冷間引抜きプロセスは変形誘起マルテンサイトの形成を起こし、向上した機械的強度およびより磁性の高い材料を生み出す。冷間変形の量は、ワイヤの望まれる強度および磁気的性質を得るために重要である。
弦の性質をさらに向上させるため、析出硬化型ステンレス鋼に、通常最長4時間、400〜550℃の熱処理を施してよい。この時効熱処理は材料の析出硬化を生じさせ、その引張強度が著しく増加する。
析出硬化型ステンレス鋼のワイヤを製造する製造プロセスは、良好な表面仕上げの弦、すなわち演奏するのに心地よい均一で調和的な音を持つ弦を生み出す。
1実施形態によると、弦は金属繊維により包まれたコアを含んでなる。この実施形態において、コアまたは包みのいずれかが本発明による析出硬化型材料からなる。コアと包みの両方が析出硬化型ステンレス鋼を含んでなることも可能である。
本開示による弦は、ギター、バイオリン、ピアノ、ハープなど全種の弦楽器に使用できる。弦は単線でよいが、包まれた、または巻かれた弦の形態でもよい。弦は撚られていてもよい。
実施例1
以下のおおよその組成(全て重量%)を持つ析出硬化型ステンレス鋼で、試験ワイヤを作成した:
C 0.01%
Si 0.2%
Mn 0.3%
Cr 12%
Ni 9%
Mo 4%
Co 0.6%
Ti 0.9%
Cu 2%
Al 0.3%
残部Feおよび通常存在する不純物
この合金は、米国規格AISI UNS S46910で標準化されている。
ワイヤを、それぞれ0.254mm、0.33mmおよび0.43mmmの直径に冷間引抜きした。各直径のワイヤ1本を475℃で10分間熱処理し、向上した強度および材料の緩和に対するさらに向上した耐性を得た。
降伏強度および引張強度は、SS−EN10002−1による引張試験により測定し、炭素鋼弦の8種の異なる比較例と比較した。比較例のおおよその組成および弦直径を表1に示す。降伏強度(Rp0.2)および引張強度(Rm)値を表2に列記し、図1に示す。引き抜かれたままおよび時効状態の両方の析出硬化型ステンレス鋼の機械的性質は従来の弦の特性とよく合致する。時効の有益な効果が表2に明らかに示されている。
Figure 2009518681
Figure 2009518681
実施例2
0.254、0.33mmの直径および0.43mmの直径の弦を1分あたりおよそ200回ピックで鳴らすことにより緩和耐性を試験した。組成は実施例1と同じである。試験は24時間にわたって実施した。ピックの鳴らす点は、コンピュータと接続している力センサから18cmに設定した。各弦の全長は65cmであり、末端のそれぞれで2のプラスティックピースに弦を置いた。各末端と、対応する力センサとの間の距離は5cmであった。直径および対応する音の周波数を、その元々の張力および弦の工学応力とともに表3に示す。
Figure 2009518681
直径0.254mm、0.33mmおよび0.43mmの弦の緩和試験の結果をそれぞれ図2、図3および図4に示す。表4では、同じ結果を線形式1の形で列記するが、前式においてyは印加された負荷であり、kは定数であり、xは時間であり、y0は初期負荷である。周波数低下は、7700kg/m3の密度に基づいて計算する。
式1 y(x)=−kx+y0
Figure 2009518681
k値、すなわちある弦に対する線形の式の傾きが低いほど、緩和耐性が良好である。さらに、結果は、熱処理状態、すなわち時効された析出硬化型ステンレス鋼が、音楽用弦に使用されている従来の炭素鋼に比べてより良好な緩和耐性を有することを示している。緩和耐性に対する時効の強い有益な効果がはっきりと示されている。
人間の耳は1Hzの音の周波数変化を検出できる。比較例7の弦は24時間後1.5N失ったが(およそ2Hzの周波数低下に相当する)、これはそのような弦を12時間に1回再調律しなければならないことを意味する。その一方で、対応する直径を有し熱処理状態の本発明による弦は、およそ0.8Hzの周波数低下に相当する0.6Nを失ったが、これは30時間に1回再調律の必要がある。
比較すると、直径が0.254mmで熱処理状態にある本発明による弦は、およそ0.68Hzの周波数低下に相当する0.3Nを失った。これは、35時間に1回再調律する必要を生み出す。
実施例3
実施例1の合金の磁気共鳴をギターで試験し、比較例7のものと比較した。弦をブリッジから10cmの距離で鳴らし、0.10mm銅ワイヤの剪断切断点(shear-breaking point)に相当する力を与えた。鳴らしている弦の周りに銅のワイヤを垂直に巻き付け、切断点に達するまで引っ張った。このようにして同じ力を全ての試験で与えた。銅のワイヤの切断点は、鳴らしている弦との接触点でなくてはならず、銅のワイヤが他の点で切断したら手順を繰り返した。一連の認められた5回の試験を各弦に対して行い、結果を図5および6によりグラフに表す。結果は、時効プロセスが材料の磁気的性質に影響を与えないことを示す。
実施例4
さらに、材料の磁気重量(magnetic weight)を試験し、比較例4と比較した。磁性相の量を測定するには、磁気天秤を使用した。磁気天秤は、2つの主な構成部分、電磁石および歪み計を含む。電磁石は、試験試料が置かれる2つのV字型のポールの間に強い不均一な磁場を発生させる。磁性弦は磁力により下にひかれるだろう。次いで、磁性相の量に比例する力を歪み計により測定する。この測定は試料の飽和磁化をもたらし、この鋼の理論的飽和磁化を計算することにより、試料中に存在する磁性相の量、すなわち磁気重量を測定することが可能である。磁気重量試験から得た値を表5に示す。
Figure 2009518681
本発明による合金が、通常使用される炭素鋼ワイヤと同等な磁性を有するので、前記合金が、磁気材料を要する用途、すなわちエレキギターのような電磁ピックアップ楽器のための弦に特に好適であるようである。
図1は、本発明による弦および比較例の弦の引張り試験の結果を示す。 図2は、直径0.254mmのワイヤの緩和試験の結果を示す。 図3は、直径0.33mmのワイヤの緩和試験の結果を示す。 図4は、直径0.43mmのワイヤの緩和試験の結果を示す。 図5は、本発明による弦の磁気共鳴試験の結果を示す。 図6は、比較例の弦の磁気共鳴試験の結果を示す。

Claims (17)

  1. 析出硬化型ステンレス鋼を含んでなることを特徴とする音楽用弦。
  2. 前記析出硬化型ステンレス鋼が10〜20重量%のCrおよび4〜10重量%のNiを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の音楽用弦。
  3. 前記析出硬化型ステンレス鋼が、全て重量%で以下の組成を有することを特徴とする、請求項2に記載の音楽用弦:
    C 最大0.1
    Si 最大1.5
    Mn 0.2〜3
    S 最大0.1
    P 最大0.05
    Cr 10〜19
    Ni 4〜10
    Mo+0.5W 最大6
    Cu 最大4.5
    Ti、Nb、TaおよびAlの1種または複数
    >0〜2
    残部Feおよび通常存在する不純物。
  4. 0.5〜1重量%のTiを含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  5. 0.2〜1.5重量%のAlを含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  6. 0.1〜0.6重量%のTa+Nbを含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  7. 前記析出硬化型ステンレス鋼がUNS S46910であることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  8. 前記析出硬化型ステンレス鋼がUNS S17400であることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  9. 前記析出硬化型ステンレス鋼がUNS S17700であることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  10. 前記析出硬化型ステンレス鋼がUNS S45500であることを特徴とする、請求項3に記載の音楽用弦。
  11. 直径0.33mmの場合少なくとも1800MPaの引張強度を有することを特徴とする、請求項1に記載の音楽用弦。
  12. 少なくとも18時間の間に2Hzの周波数の低下に耐えるような緩和に対する耐性を有することを特徴とする、請求項1に記載の音楽用弦。
  13. 前記析出硬化型ステンレス鋼が冷間引抜き状態にあることを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の音楽用弦。
  14. 前記析出硬化型ステンレス鋼が熱処理状態にあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の音楽用弦。
  15. 直径0.254mmの場合少なくとも2500の引張強度を有することを特徴とする、請求項14に記載の音楽用弦。
  16. 金属繊維に包まれた析出硬化型ステンレス鋼のコアを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の音楽用弦。
  17. 上記請求項のいずれかに記載の弦を含んでなることを特徴とする楽器。
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