JP2009518546A - 磁性に優れた無方向性電気鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、電気機器の鉄心材料として広く用いられている無方向性電気鋼板およびその製造方法に関する。この無方向性電気鋼板は、C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が下記式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる:0.10+100×S(重量%)≦Mn(重量%)≦0.21+200×S(重量%) ・・・式(1)。本発明によれば、Sが微細な析出物を発生させて最終的な磁気的特性を大きく向上させるうえ、微細な析出物の形成を抑制するために適正なMn量を算定することができ、Sn、Ni、Cuを添加して析出物CuS、MnSを形成させて微細な析出物CuSの形成を抑制させ、熱延板の焼鈍温度および磁気的特性を決定する集合組織を制御して、低廉且つ最適の無方向性電気鋼板を製造することができる。
Description
本発明は、電気機器、例えばモーター、変圧器などの鉄心材料として広く用いられている無方向性電気鋼板およびその製造方法に係り、より詳しくは、鉄損を低減し且つ磁束密度を向上させた、磁性に優れた無方向性電気鋼板およびその製造方法に関する。
一般に、無方向性電気鋼板は、電気機器において電気的エネルギーを機械的エネルギーに変えることに必要な重要部品であって、省エネルギーのためには、その磁気的特性、すなわち鉄損を低減し且つ磁束密度を高めることが必要である。特に磁束密度が高い場合、電気機器の銅損を減らすことができて、電気機器の小型化を可能にする。
このような無方向性電気鋼板は、例えばモーターや発電機などの回転機器、および例えば小型変圧器などの静止機器の鉄心用材料として用いられており、このような電気製品における最も重要な部品である。鉄心は、電気を加えて磁場をかけるときに磁場の大きさを大きくするため使用する。この際、無方向性電気鋼板の磁気的特性が優れると、モーターの効率が高く、電気消耗も少ない。
最近、電気自動車を駆動するモーター用電気鋼板に関心が集中しているが、これはモーター用に使われる最も重要な材料が無方向性電気鋼板であるためである。
無方向性電気鋼板の磁気的特性は鉄損と磁束密度に大別されるが、鉄損は磁場をかけるときに発生する損失であり、磁束密度はそのときの仕事の量、すなわち、モーターの場合には回転させる力である。よって、鉄損はできる限り低いことが好ましく、磁束密度は高いことが要求される。
この際、鉄損は、厚さを低減し或いは合金元素を多く添加すれば低くなる可能性もあるが、鉄損と磁束密度を共に向上させることは難しい課題になる。
鉄損が低く且つ磁束密度が高い素材を製造するためには、不純物の少ない清浄鋼で製造し、或いはさらに元素を添加して磁性を向上させることが可能な鋼で製造するが、前者の場合は製造工程における追加工程に対するコストが増加し、後者の場合はさらに添加する元素に対するコストが増加するという欠点がある。
このような無方向性電気鋼板において磁気的特性に影響を及ぼす因子としては、成分の場合には添加成分および不純物成分があり、材料物性の場合には結晶粒のサイズと集合組織がある。
この際、結晶粒が大きくなると鉄損が低くなるが、そのとき、磁化に容易な集合組織が発達されなければ磁気的特性が悪くなるため、集合組織がより重要なものと判断される。集合組織において、圧延面に対して平行な方向に磁化し易い結晶方位を多く含有した(200)面が好ましく、(111)面または(211)面は少ないことが好ましい。
このような無方向性電気鋼板に対する従来の技術としては、例えば日本国公開特許第1996−283803号公報があり、ここではMn含量を0.1%以下に制限しており、微細な析出物であるMnSの発生を粗大化することが難しい。
また、日本国公開特許第1996−283853号公報では、不純物元素量をできる限り抑制しているが、その種類が多くて管理が困難であり、不純物元素が製造工程の条件とどのような関係にあるかが不明である。
また、日本国公開特許第平成11−222653号公報では、不純物元素としてのSなどの量が低ければ低いほど磁性に望ましいものと説明しており、S量と工程条件との関連性は無いものと開示している。
また、米国特許第6,139,650号明細書では、S量を0.001%以下に低くし、さらにSn、Sbなどの元素を添加する方法を使用しているが、不純物元素も低くし、追加元素まで添加しており、他の成分および製造条件との関連性は示されていない。
本発明は、上述したような従来の技術の諸般問題点に鑑みてこれを解決するために創案されたもので、その目的は、不純物元素を制御するが、磁気的特性を効率よく向上させながら、製造条件も考慮に入れて影響の大きい不純物元素を除去することにより、不純物元素と製造条件の両方ともを経済的に満足させることができる、磁性に優れた無方向性電気鋼板およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、或いは前記成分組成にSb:0.005重量%〜0.07重量%、Ni:0.005重量%〜0.50重量%、およびCu:0.005重量%〜0.2重量%をさらに含んでなる、磁性に優れた無方向性電気鋼板を提供することにその技術的特徴がある。
0.10+100×S(重量%)≦Mn(重量%)≦0.21+200×S(重量%) ・・・式(1)
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記成分組成からなり、製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度(texture coefficient)が下記式(2)で与えられることにもその技術的特徴がある。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記成分組成からなり、製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度(texture coefficient)が下記式(2)で与えられることにもその技術的特徴がある。
P200>P211 ・・・式(2)
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記成分組成からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍の際にS含量に応じて与えられる下記式(3)の温度で連続焼鈍した後、冷間圧延し、冷延板焼鈍する製造工程にもその技術的特徴がある。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記成分組成からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍の際にS含量に応じて与えられる下記式(3)の温度で連続焼鈍した後、冷間圧延し、冷延板焼鈍する製造工程にもその技術的特徴がある。
771+165000×S(重量%)≦熱延板焼鈍温度(℃)≦851+195000×S(重量%) ・・・式(3)
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記製造工程によって製造された鋼板の厚さの中央における集合組織が前記式(2)で与えられることにもその技術的特徴がある。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記製造工程によって製造された鋼板の厚さの中央における集合組織が前記式(2)で与えられることにもその技術的特徴がある。
この際、前記鋼スラブの熱間圧延の際に鋼スラブ再加熱温度は1200℃以下とし、前記鋼スラブの熱間圧延の際に巻取温度は680℃以下とし、前記冷間圧延の際に冷間圧延圧下率は70%〜88%とし、前記冷延板焼鈍の際に焼鈍温度は800℃〜1070℃とすることにもその技術的特徴がある。
本発明によれば、Sが微細な析出物を発生させて最終的な磁気的特性を大幅に向上させるうえ、微細な析出物の形成を抑制するために適正なMn量を算定することができ、Sn、Ni、Cuを添加して析出物CuS、MnSを形成させて微細な析出物CuSの形成を抑制し、熱延板の焼鈍温度および磁気的特性を決定する集合組織を制御して、低廉且つ最適な無方向性電気鋼板を製造することができる。
以下、本発明に係る好適な実施例によって本発明をより詳細に説明する。
Si、AlおよびMnを含有する無方向性電気鋼板において、Sは硫化物を形成する不純物元素として知られている。本発明では、不純物元素を制御するが、磁気的特性を効果的に向上させるための方法を提案する。
本発明において、Mnは、Sが微細な析出物CuSおよびMnSを形成することを抑制するために添加される。
但し、Mnは、微細に析出するMnSおよびCuSを抑制するためにS量に応じて適切に添加する元素である。
下記式(1)のようにS量に応じてMn量が決定され、無駄なMn量は最大限抑制されることが好ましい。
すなわち、Sの含量によってMn量が決定される。
下記式(1)によれば、Mn量が所定量より多いとMnは不純物になる。
0.10+100×S(重量%)≦Mn(重量%)≦0.21+200×S(重量%) ・・・式(1)
また、本発明は、Sの含量に応じてMn量が与えられ、鋼板製品の集合組織が下記式(2)で表される、磁性に優れた無方向性電気鋼板を提供する。
また、本発明は、Sの含量に応じてMn量が与えられ、鋼板製品の集合組織が下記式(2)で表される、磁性に優れた無方向性電気鋼板を提供する。
この際、電流を少しだけ流しても容易に磁化してしまう集合組織が、<100>方向を多く含む(200)面であり、(200)面に与えられる集合組織強度がHorta式によればP200である。
また、結晶組織に多量に含有され且つ最も磁化し難い面が(211)面であり、(211)面に与えられる集合組織強度がHorta式によればP211である。
本発明では、発明の成分と製造条件によって得られる鋼における集合組織強度が下記式(2)で表されることを特徴とする。
P200>P211 ・・・式(2)
また、上記目的を達成するために、本発明は、C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が上記式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍の際にSの量に応じて与えられる下記式(3)の温度で連続焼鈍および冷間圧延し、冷延板焼鈍する、磁性に優れた無方向性電気鋼板を提供する。
また、上記目的を達成するために、本発明は、C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が上記式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍の際にSの量に応じて与えられる下記式(3)の温度で連続焼鈍および冷間圧延し、冷延板焼鈍する、磁性に優れた無方向性電気鋼板を提供する。
この際、SはMnSに析出して結晶粒が微細になる原因になる。したがって、析出物の周辺から発生する磁性を低下させる(211)面などの集合組織が発生しやすくなるため、S量はできる限り低くするべきである。一方で、Sの量に応じて後工程における熱延板焼鈍温度を変化させなければならない。
S量による熱延板の焼鈍温度は、下記式(3)で与えられる。
771+165000×S(重量%)≦熱延板焼鈍温度(℃)≦851+195000×S(重量%) ・・・式(3)
また、上記目的を達成するために、本発明は、C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が上記式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延の際に鋼スラブの再加熱温度を200℃以下とし、巻取温度を680℃以下として熱間圧延し、熱延板焼鈍の際に上記式(3)で与えられる温度で焼鈍し、冷間圧延の際に圧延圧下率を70%〜85%として冷間圧延し、800℃〜1070℃で冷延板を連続焼鈍し、集合組織強度が上記式(2)で表される、磁性に優れた無方向性電気鋼板の製造方法を提供する。
また、上記目的を達成するために、本発明は、C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が上記式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延の際に鋼スラブの再加熱温度を200℃以下とし、巻取温度を680℃以下として熱間圧延し、熱延板焼鈍の際に上記式(3)で与えられる温度で焼鈍し、冷間圧延の際に圧延圧下率を70%〜85%として冷間圧延し、800℃〜1070℃で冷延板を連続焼鈍し、集合組織強度が上記式(2)で表される、磁性に優れた無方向性電気鋼板の製造方法を提供する。
以下、本発明に係る成分組成比に関する数値限定の事由を説明する。
[C:0.004重量%以下]
Cは、最終製品で磁気時効現象を起こして使用中に磁気的特性を低下させるので0.004重量%以下で含有する。また、Cの含量が低ければ低いほど磁気的特性に望ましいので、最終製品ではCの含量を0.003重量%以下に制限することが好ましい。
Cは、最終製品で磁気時効現象を起こして使用中に磁気的特性を低下させるので0.004重量%以下で含有する。また、Cの含量が低ければ低いほど磁気的特性に望ましいので、最終製品ではCの含量を0.003重量%以下に制限することが好ましい。
[Si:1.0重量%〜3.5重量%]
Siは、比抵抗を増加させて渦損失を低減する成分であって、1.0重量%未満で添加すると、磁性に有利な集合組織の発達が困難であり、3.5重量%超過で添加すると、冷間圧延性が低下して板破断が生ずることがある。よって、Siの含量は1.0重量%〜3.5重量%に制限することが好ましい。
Siは、比抵抗を増加させて渦損失を低減する成分であって、1.0重量%未満で添加すると、磁性に有利な集合組織の発達が困難であり、3.5重量%超過で添加すると、冷間圧延性が低下して板破断が生ずることがある。よって、Siの含量は1.0重量%〜3.5重量%に制限することが好ましい。
[P:0.02重量%以下]
Pは、比抵抗を増加させて磁性を向上させるので添加することもあるが、本発明では、Pは結晶粒界に偏析して結晶粒の成長を抑制する不純物として作用する。
Pは、比抵抗を増加させて磁性を向上させるので添加することもあるが、本発明では、Pは結晶粒界に偏析して結晶粒の成長を抑制する不純物として作用する。
また、過量添加すると、冷間圧延性が悪くなるので、Pの含量は0.02重量%以下に制限することが好ましい。
[S:0.001重量%以下]
Sは、微細な析出物であるMnSを形成して磁気的特性を劣化させるので、できる限り低くすることが有利であり、0.001重量%超過で含有すると、微細なCuSの析出を抑制するためにMn添加量を増加させなければならない。また、Sの含量が過度に増加すると磁気的特性が劣化するので、Sの含量を0.001重量%以下に制限することが好ましい。
Sは、微細な析出物であるMnSを形成して磁気的特性を劣化させるので、できる限り低くすることが有利であり、0.001重量%超過で含有すると、微細なCuSの析出を抑制するためにMn添加量を増加させなければならない。また、Sの含量が過度に増加すると磁気的特性が劣化するので、Sの含量を0.001重量%以下に制限することが好ましい。
[Mn:Sの含量によって与えられる式(1)、すなわち0.10+100×S(重量%)と0.21+200×S(重量%)との間の値]
MnはSと結合し、結晶粒の成長を抑制する微細な析出物であるMnSを形成するから、MnSをより粗大な析出物に形成するためにMnを添加し、Sがより微細な析出物であるCuSの形で結合することを防ぐことができる。また、Mnが多くても、本発明では磁性を向上させないので、Mnを0.4重量%以下で添加する。
MnはSと結合し、結晶粒の成長を抑制する微細な析出物であるMnSを形成するから、MnSをより粗大な析出物に形成するためにMnを添加し、Sがより微細な析出物であるCuSの形で結合することを防ぐことができる。また、Mnが多くても、本発明では磁性を向上させないので、Mnを0.4重量%以下で添加する。
より好ましくは、式(1)で与えられるS量によって与えられるMn量を添加することが最も好ましい。
[Al:0.2重量%〜2.5重量%]
Alは、比抵抗を増加させて渦損失を低減するのに有効な成分であって、0.2重量%未満で添加すると、結晶粒の成長を抑制する析出物AlNが発生し、2.5重量%超過で添加すると、添加量に比べて磁性向上の度合いが低下するので、2.5重量%に制限することが好ましい。よって、Alは0.2重量%〜2.5重量%で添加する。
Alは、比抵抗を増加させて渦損失を低減するのに有効な成分であって、0.2重量%未満で添加すると、結晶粒の成長を抑制する析出物AlNが発生し、2.5重量%超過で添加すると、添加量に比べて磁性向上の度合いが低下するので、2.5重量%に制限することが好ましい。よって、Alは0.2重量%〜2.5重量%で添加する。
[N:0.003重量%以下]
Nは、微細で長いAlN析出物を形成して結晶粒の成長を抑制するので少なく含有させる。本発明ではNの含量を0.003重量%以下に制限することが好ましい。
Nは、微細で長いAlN析出物を形成して結晶粒の成長を抑制するので少なく含有させる。本発明ではNの含量を0.003重量%以下に制限することが好ましい。
[Ti:0.005重量%以下]
Tiは、微細なTiN、TiCの析出物を形成して結晶粒の成長を抑制するので、本発明では0.005重量%以下にする。
Tiは、微細なTiN、TiCの析出物を形成して結晶粒の成長を抑制するので、本発明では0.005重量%以下にする。
これより多く添加すると、より多くの微細な析出物が発生して集合組織を悪くして磁性を悪くする。
[Sb:0.005重量%〜0.07重量%]
Sbは、結晶粒界偏析現象の原因になり、熱延板または焼鈍後鋼板の結晶粒界および表面に偏析するという特徴がある。本発明では、結晶粒界にSが侵入することを抑制し、結晶粒の成長が過度になされることを抑制し、集合組織の(200)を発達させるためにSbを添加するが、Sbは、0.005重量%未満で添加すると、添加の効果が少なく、0.07重量%超過で添加すると、添加してもその効果が低下するので、本発明では0.005重量%〜0.07重量%で添加する。
Sbは、結晶粒界偏析現象の原因になり、熱延板または焼鈍後鋼板の結晶粒界および表面に偏析するという特徴がある。本発明では、結晶粒界にSが侵入することを抑制し、結晶粒の成長が過度になされることを抑制し、集合組織の(200)を発達させるためにSbを添加するが、Sbは、0.005重量%未満で添加すると、添加の効果が少なく、0.07重量%超過で添加すると、添加してもその効果が低下するので、本発明では0.005重量%〜0.07重量%で添加する。
[Ni:0.005重量%〜0.50重量%]
Niは、集合組織を改善し、SbおよびCuと共に添加してSが微細なCuSの形で析出することを抑制し、酸化または腐食にも耐えるため、添加する。Niは、0.005重量%未満で添加すると、添加の効果が少なく、0.50重量%超過で添加すると、添加してもその効果が低下するので、本発明では0.005重量%〜0.50重量%で添加する。
Niは、集合組織を改善し、SbおよびCuと共に添加してSが微細なCuSの形で析出することを抑制し、酸化または腐食にも耐えるため、添加する。Niは、0.005重量%未満で添加すると、添加の効果が少なく、0.50重量%超過で添加すると、添加してもその効果が低下するので、本発明では0.005重量%〜0.50重量%で添加する。
[Cu:0.005重量%〜0.20重量%]
Cuは、集合組織を改善し、微細なCuSの析出を抑制し、粗大なCuS、MnSの析出を促進し、酸化または腐食にも耐えるため、添加する。Cuは、0.005重量%未満で添加すると、添加の効果が少なく、0.20重量%超過で添加すると、添加してもその効果が低下するので、本発明では0.005重量%〜0.20重量%で添加する。
Cuは、集合組織を改善し、微細なCuSの析出を抑制し、粗大なCuS、MnSの析出を促進し、酸化または腐食にも耐えるため、添加する。Cuは、0.005重量%未満で添加すると、添加の効果が少なく、0.20重量%超過で添加すると、添加してもその効果が低下するので、本発明では0.005重量%〜0.20重量%で添加する。
前述した組成以外に、残部はFeおよび不可避的不純物を含有する。
前述したような組成を有する鋼スラブを通常の条件、すなわち1200℃以下で再加熱した後、熱間圧延する。
熱間圧延する方法は、粗圧延した後、仕上げ圧延を行う方式を採用し、SiおよびAl含量が低い鋼は、オーステナイト相で圧延した後、フェライト相で圧延できる。仕上げ圧延の最終圧延は、フェライト相で終了し、板形状の矯正のために40%の最終圧下率で行う。
このように製造された熱延板は、680℃以下で巻き取り、空気中で冷却する。
熱延板焼鈍を行わない場合には、熱延板焼鈍を代替するために800℃以下で巻き取ることができる。
これは、800℃以上で巻き取ると多く酸化するおそれがあって、酸洗性が悪くなるおそれがあるためである。
このように巻き取られた熱延板は、焼鈍および酸洗を行った後、冷間圧延する。熱延板は、上記式(3)のようにS量に応じて与えられる熱延板焼鈍温度で焼鈍する。
すなわち、771+165000×S(重量%)と851+195000×S(重量%)の間の温度で熱延板を焼鈍する。
結晶粒のサイズが不純物の影響によって決定されるため、AlNはAl添加量によって調整し、本発明は特にSを基準として熱延板焼鈍温度を限定することにより、771+165000×S(重量%)より低い温度で熱延板を焼鈍すると、結晶粒の成長が足りなく、851+195000×S(重量%)より高い温度で熱延板を焼鈍すると、集合組織が悪くなる。
熱延板の焼鈍時間は10秒以上10時間以内とする。
これは、焼鈍時間があまり短ければ、結晶粒の成長がなく、焼鈍時間があまり長ければ、集合組織が劣化するためである。
熱延板は焼鈍し、酸洗した後、冷間圧延する。
冷間圧延は0.15mm〜0.70mmの厚さに最終圧延する。
この際、圧下率を70%〜88%の範囲とするのが、最終製品の結晶粒を大きく形成することに好ましい。
冷間圧延された鋼板は800℃〜1070℃で焼鈍する。この際、この焼鈍温度が800℃未満であれば、結晶粒の成長が足りなく、この焼鈍温度が1070℃超過であれば、表面温度があまり高くて板の表面に表面欠陥が発生するおそれがあるうえ、結晶粒があまり大きくなって磁気的特性も悪くなるので、この冷延板焼鈍温度は800℃〜1070℃に制限することが好ましい。
上述の焼鈍板は、絶縁皮膜処理の後、需要者に出荷される。
上述の絶縁皮膜は、有機質、無機質または有機−無機複合皮膜で処理することができ、その他、絶縁可能な皮膜剤で処理することも可能である。
その後、需要者は、鋼板を加工した後、そのまま使用することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
表1のように組成される鋼スラブを1100℃で再加熱し、冷間圧延の際に仕上げ圧延を860℃で行った。
この際、仕上げ圧延時の最後のスタンドにおける圧下率は18%であった。鋼スラブを1.8mmの厚さに圧延した後、650℃で巻き取った。
空気中で巻取り冷却した熱延鋼板を、表2に示すように、焼鈍し、酸洗した後、0.35mmの厚さに冷間圧延した。次いで、冷延板を1050℃の焼鈍温度で1分間水素35%、窒素65%の雰囲気にて焼鈍した。
表2に示すように、本発明の成分範囲を満足する発明鋼(A〜D)を用いて本発明の製造条件で製造した発明材(1〜7)は、発明の範囲の成分であっても製造条件が異なると、比較材(1〜2)に比べて鉄損が低く、磁束密度が高いことが分かる。
また、成分の異なる比較鋼(A〜E)は発明の製造範囲で製造しても磁性が悪いものと調査された。
それだけでなく、比較鋼A、BおよびDは、Mn含量が発明の上限値を超過し、比較鋼CおよびEは発明の上限値を超過しなかった。
C:0.0021重量%、Si:2.52重量%、P:0.011重量%、S:0.0005重量%、Al:0.55重量%、N:0.0012重量%、およびTi:0.0011重量%とともに、適正含量が0.15重量%〜0.31重量%であるMn0.21重量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを1150℃で再加熱した後、熱間圧延した。熱間圧延の際に、仕上げ圧延の最終圧延時の圧延温度は880℃とし、圧下率は17%とした。これにより、厚さ2.2mmの熱延鋼板を製造した。
この熱延鋼板を600℃で巻き取った後、空冷した。次いで、熱延板を920℃で5分間連続焼鈍し、酸洗し、0.5mmの厚さに冷間圧延した。
この際、熱延板焼鈍の適正温度範囲は854℃〜979℃であり、冷延板焼鈍は1000℃で窒素70%、水素30%の雰囲気にて1分間行った。
この焼鈍の後、連続して有機−無機複合の絶縁皮膜を被せた後、切断し、磁気的特性および結晶粒サイズを調査した。
この鋼板の磁気的特性のうち、鉄損(W15/50)は2.52W/kgであり、磁束密度(B50)は1.71Teslaであり、製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度P200は1.98、P211は1.03であり、(P200−P211)は0.95であった。よって、P200がP211より大きかった。
C:0.0023重量%、Si:3.12重量%、P:0.004重量%、S:0.0003重量%、Al:1.47重量%、およびN:0.0011重量%とともに、適正含量が0.13重量%〜0.27重量%であるMn0.23重量%を含有し、残部がFeおよび不可避な不純物からなる鋼スラブを1220℃で再加熱した後、熱間圧延した。
熱間圧延の際に、仕上げ圧延の終了温度を880℃とし、厚さ1.8mmの熱延鋼板を製造した。
この鋼板を620℃で巻き取った後、空冷し、しかる後、熱延板を890℃で5分間焼鈍した。
この際、適正の熱延板焼鈍温度は821℃〜940℃であり、焼鈍された熱板は酸洗し、0.35mmの厚さに冷間圧延し、冷延板を850℃で90秒間焼鈍した。
この焼鈍板は、有機−無機複合の絶縁皮膜を被せた後、乾燥し、しかる後、切断して磁気的特性と集合組織を調査した。
前述した鋼板の磁気的特性のうち、鉄損(W15/50)は1.95W/kgであり、磁束密度(B50)は1.66Teslaであり、製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度P200とP211はそれぞれ2.02および1.45であった。
表3のように組成され、Mnを表4のMn含量で添加した鋼スラブを1130℃で再加熱し、熱間圧延の際に仕上げ圧延を900℃で行った。熱間圧延の際に、鋼板は2.1mmの厚さとし、600℃で巻き取った。空気中で巻取り冷却した熱延鋼板を、表4の温度範囲を基準として表3のように焼鈍し、酸洗した後、0.35mmの厚さに冷間圧延して圧下率を83%とした。次いで、冷延板を1040℃の焼鈍温度で1分間水素40%、窒素70%の雰囲気にて焼鈍した。この焼鈍板を切断した後、磁気的特性およびHorta式の集合組織強度を調査して比較した。その結果を表5に示す。
表5に示すように、本発明の成分範囲を満足する発明鋼(A〜C)を用いて本発明の製造条件で製造した発明材(1〜5、6)は、鉄損が低く、磁束密度が高く、発明の範囲の成分であっても製造条件が異なると、比較材(1〜2)に比べて磁性が優れることが分かる。また、成分が発明鋼とは異なる比較鋼(A〜C)は、発明の製造範囲で製造しても磁性が悪いものと調査された。比較鋼(A、C)はMn量が発明の範囲から外れており、比較鋼(B)はSb添加量が発明の範囲から外れている。
C:0.0023重量%、Si:3.2重量%、P:0.0051重量%、S:0.0003重量%、Al:0.65重量%、N:0.0013重量%、Ti:0.0015重量%、Sb:0.02%、Ni:0.04%、およびCu:0.05%とともに、適正含量が0.13重量%〜0.27重量%であるMn0.23重量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを1100℃で再加熱した後、熱間圧延した。熱間圧延の際に仕上げ圧延の最終圧延圧時の圧延温度を860℃とし、厚さ2.1mmの熱延鋼板を製造した。この熱延鋼板を680℃で巻き取り、熱延板を890℃で5分間連続焼鈍し、酸洗し、0.5mmの厚さに冷間圧延した。熱延板焼鈍の適正温度範囲は821℃〜910℃であった。冷延板焼鈍は1000℃で窒素60%、水素40%の雰囲気にて1.5分間行った。この焼鈍の後、連続して有機−無機複合の絶縁皮膜を被せた後、切断し、磁気的特性および結晶粒サイズを調査した。調査結果から、この鋼板の磁気的特性のうち、鉄損(W15/50)は2.19W/kgであり、磁束密度(B50)は1.69Teslaであり、製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度P200は2.70、P211はそれぞれ1.21であり、(P200−P211)は1.49であった。よって、P200がP211より大きかった。
C:0.0021重量%、Si:3.5重量%、P:0.025重量%、S:0.0004重量%、Al:1.35重量%、N:0.0012重量%、Ti:0.0019重量%、Sb:0.03重量%、Ni:0.07重量%、およびCu:0.05重量%とともに、適正含量が0.14重量%〜0.29重量%であるMn0.24重量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを1150℃で再加熱した後、熱間圧延した。熱間圧延の際に仕上げ圧延の終了温度は880℃とし、厚さ1.6mmの熱延鋼板を製造した。この鋼板を600℃で巻き取り、熱延板を910℃で5分間焼鈍した。適正の熱延板焼鈍温度は837℃〜929℃であった。焼鈍された熱延板は酸洗し、0.35mmの厚さに冷間圧延した。次いで、冷延板を850℃で90秒間焼鈍した。この焼鈍板を切断した後、磁気的特性と集合組織を調査した。調査結果から、この鋼板の鉄損(W15/50)は1.85W/kgであり、磁束密度(B50)は1.65Teslaであり、製品の厚さの中央における集合組織強度P200とP211はそれぞれ2.35および1.12であった。よって、P200がP211より大きかった。
上述したように、本発明によれば、Sが微細な析出物を発生させて最終的な磁気的特性を大きく向上させるうえ、微細な析出物の形成を抑制するために適正なMn量を算定することができ、Sn、Ni、Cuを添加して析出物CuS、MnSを形成させて微細な析出物CuSを抑制させ、熱延板の焼鈍温度および磁気的特性を決定する集合組織を制御して、低廉且つ最適な無方向性電気鋼板を製造することができる。
Claims (7)
- C:0.004重量%以下、Si:1.0重量%〜3.5重量%、P:0.02重量%以下、S:0.001重量%以下、Al:0.2重量%〜2.5重量%、N:0.003重量%以下、およびTi:0.004重量%以下とともに、含量が下記式(1)で与えられるMnを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる磁性に優れた無方向性電気鋼板。
0.10+100×S(重量%)≦Mn(重量%)≦0.21+200×S(重量%) ・・・式(1) - 前記製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度が下記式(2)で与えられる請求項1に記載の磁性に優れた無方向性電気鋼板。
P200>P211 ・・・式(2)
(式中、P200は(200)面に与えられる集合組織強度であり、P211は(211)面に与えられる集合組織強度である。) - 前記電気鋼板は、Sb:0.005重量%〜0.07重量%、Ni:0.005重量%〜0.50重量%、およびCu:0.005重量%〜0.20重量%をさらに含んでなる請求項1または2に記載の磁性に優れた無方向性電気鋼板。
- 請求項1に記載の成分からなる鋼スラブを熱間圧延し、前記熱間圧延された鋼板をSの含量に応じて与えられる下記式(3)の温度範囲で熱延板焼鈍し、前記熱延板焼鈍された鋼板を冷間圧延した後、冷延板焼鈍を行う磁性に優れた無方向性電気鋼板の製造方法。
771+165000×S(重量%)≦熱延板焼鈍温度(℃)≦851+195000×S(重量%) ・・・式(3) - 前記方法によって製造された製品鋼板の厚さの中央における集合組織強度が、下記式(2)で与えられる請求項4に記載の磁性に優れた無方向性電気鋼板の製造方法。
P200>P211 ・・・式(2)
(式中、P200は(200)面に与えられる集合組織強度であり、P211は(211)面に与えられる集合組織強度である。) - 前記熱間圧延段階では鋼スラブを1200℃以下で再加熱し、680℃以下で巻き取り、
前記冷間圧延段階では冷間圧延圧下率を70%〜88%とし、
前記冷間板焼鈍段階では800℃〜1070℃の範囲で連続して焼鈍する請求項4または5に記載の磁性に優れた無方向性電気鋼板の製造方法。 - 前記鋼スラブは、Sb:0.005重量%〜0.07重量%、Ni:0.005重量%〜0.50重量%、およびCu:0.005重量%〜0.20重量%をさらに含んでなる請求項4から6のいずれか1項に記載の磁性に優れた無方向性電気鋼板の製造方法。
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