JP2009518276A - 凝結性複合材料用の多機能組成物および該組成物の製造方法 - Google Patents

凝結性複合材料用の多機能組成物および該組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

凝結性複合材料中に配合するための多機能組成物を提供している。この組成物は、複合材料の密度を調整し、かつその材料の硬化または強度発現の速度を速める添加剤として配合している。この添加剤の組成物には一般に、ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ性活性化化合物、および部分消化領域などの化学薬品により形態学的に変化を受けた少なくとも1つの領域を有する、改質低密度ケイ酸質材料が含まれる。この添加剤は、スラリー形態、粉末形態、または集塊化粒子形態とすることができる。この添加剤は、2段階工程を用い製造することができ、この工程ではケイ酸質材料の粒度を細かくし、溶液としたアルカリ化合物と結合させ、次いで大気圧もしくは加圧容器内で消化させる。いくつかの実施態様において、この溶液を噴霧乾燥して、アルカリ性活性化化合物と、1以上の部分消化領域を有する低密度ケイ酸質粒子とを含有する集塊化粒子を形成することができる。

Description

本発明は、一般に凝結性複合材料中に配合する組成物に関し、特に、複合材料の密度の調整およびその材料の強度発現速度の増進を含む多機能性を発揮する組成物に関する。本発明は、この組成物およびこの組成物を配合している複合材料の製造方法にも関する。
普通ポルトランドセメントで製造したものなどの凝結性複合材料についての強度発現または硬化の速度を増進できることが、長い間望まれてきている。発泡建築用ブロックおよび低密度繊維補強セメント被覆シートなどの軽量建材の製造に関連した用途において、急速な強度発現が特に望ましいことである。このため、セメント系建築用品の硬化または強度発現の速度を速めるいくつかの取組みが展開されている。これらの取組みには、蒸気または水熱養生を利用することによる熱的促進、ならびに促進剤および硬化増進剤を添加することによる化学的促進が含まれる。しかし、これらの従来の取組みは、設備および原材料における多大な資本投資が必要であるためかなりコストが高い。例えば、熱的促進方法では通例、蒸気養生室およびオートクレーブの設置を要する。化学的促進方法では通例、高価な添加剤の使用を伴う。
急速な強度発現の他に、ある種のセメント質材料の密度を低下させることが望ましい。特に、軽量建材において密度調整用フィラーが広く使用されている。1つのこのようなフィラーは、カリフォルニア州ロンポックのワールドミネラル社によりセライトマイクロセルAまたはEの名称のもとに販売されている市販の合成低密度ケイ酸カルシウム水和物である。ケイ酸カルシウム水和物は、繊維補強複合材料において密度調整剤として一般に使用されているが、高温高圧の消化工程が必要となるため、製造コストが高い。高い製造コストのため、この材料は軽量繊維補強製品における高コスト成分となっている。
したがって、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの不利点を克服または軽減すること、あるいは有用な代替策を提供することである。一実施形態において、硬化促進剤および低密度フィラーを組み合わせた性状を有する添加剤のような低コスト組成物を製造することは当技術分野における意義深い進展であろう。
本明細書で使用している用語「アルカリ性活性化化合物」は、幅広い用語であり、その通常の意味を有し、またアルミノケイ酸塩と反応することが可能である、特に架橋性化合物を形成することが可能であるアルカリ性化合物を含めるが、それらに限定されないものとする。アルミノケイ酸塩は、複合材料中に存在する成分でよく、および/または複合材料組成物に添加することができる。
用語「アルミノケイ酸塩材料」は、幅広い用語であり、その通常の意味を有するものとし、約10%以上の、好ましくは約20%を超える、より好ましくは約30%を超えるAl23含量を有する反応性ケイ酸質材料を含めるが、それらに限定されないものとする。
用語「ケイ酸質材料」または「ケイ酸質粒子」は、幅広い用語であり、その通常の意味を有するものとし、主としてシリカおよび/またはケイ酸塩を含有する材料を含むが、それらに限定されないものとする。この材料は、固体、中空状、繊維状、球状、もしくは一部丸い粒子、集塊または凝集体を含む任意の形状または形態とすることができる。
用語「化学薬品により変化された」は、幅広い用語であり、その通常の意味を有するものとし、化学薬品により引き起こされた材料の物理的および/または化学的性状の変化を含むが、それらに限定されないものとする。この変化は、実質的に固体の材料が、化学物質により浸出、反応、分解、部分的消化、破砕、または他の変化を受ける場合に生じる粗い、角張った、釘のように尖った、スポンジ様の、珊瑚様の、多孔性の、および/またはゲル様の状態などの形態学的外観として現れ得るものである。別法として、この変化は、例えば、微分的もしくは選択的反応、浸出、消化などのため、1つの領域が材料の他の領域よりも実質的にある物質または化合物に富みもしくはある物質または化合物に乏しくなる化学的性状もしくは組成の変化として現れ得るものである。形態学的もしくは化学的変化の両方が、一緒に存在することもできる。
用語「改質ケイ酸質粒子」は、幅広い用語であり、その通常の意味を有するものとし、改質粒子がその化学薬品により形態学的に変化を受けた1以上の領域を有するように、化学薬品により部分的に変化を受けているケイ酸質粒子を含めるが、それらに限定されないものとする。
用語「低密度」は、幅広い用語であり、その通常の意味を有するものとし、約1,500kg/m3以下のかさ密度を含めるが、それらに限定されないものとする。
一態様において、本発明の好ましい実施形態は、凝結性複合材料用の多機能添加剤組成物を提供する。この組成物は、アルカリ性活性化化合物と、複数の改質ケイ酸質粒子または凝集体であって、それぞれの改質ケイ酸質粒子が、化学薬品により形態学的に変化を受けている第1の領域を有するケイ酸質粒子または凝集体とを含む。それぞれの改質ケイ酸質粒子は、化学薬品により形態学的に変化を受けていない第2の領域をも有する。この第1の領域を、粒子の体積の約0.1%〜95%、より好ましくは約0.5%〜80%、より好ましくは約2%〜50%、またより好ましくは約4%〜30%含むことが好ましい。一実施形態において、改質ケイ酸質粒子の第1の領域は、ゲル様の、多孔性の、釘のように尖った、または角張ったものである。他の実施形態において、第1の領域は粒子の外部表面の部分を含み、また第2の領域は主として粒子の芯部を含む。他の実施形態において、第1の領域は、化学薬品によって化学的変化をも受ける。アルカリ性活性化化合物は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、およびケイ酸リチウム、またはこれらの組合せなどのケイ酸アルカリおよびシリカに富むケイ酸アルカリからなる群から選択されるのが好ましい。ある実施態様において、本組成物はセメント質配合物、繊維セメント建築用品、石膏複合体、またはポリマー性マトリックス中に配合することができる。いくつかの実施形態において、本添加剤組成物により、凝結性複合材料の凝結および硬化を促進することが可能になることが好ましい。他の実施形態において、本添加剤により非高温および/または非高圧条件で凝結性複合材料の硬化が可能になる。
他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、凝結性複合材料用の多機能添加剤組成物を提供する。この組成物は、アルカリ性活性化化合物と、複数のケイ酸質粒子(いくつかの実施形態においてケイ酸質凝集体を含む)であって、それぞれの粒子が少なくとも1つの、化学薬品により変化を受けている領域を有するケイ酸質粒子とを含む。化学薬品により変化を受けている少なくとも1つの領域は、粒子の体積の0.1%を超えること、より好ましくは粒子の約0.1%〜95%の体積を有することが好ましい。一実施態様において、化学薬品により変化を受けている少なくとも1つの領域は、アルカリ化合物により変化を受ける。化学薬品により変化を受けている少なくとも1つの領域は、実質的にゲル様の、釘のように尖った、粗い、角張った、および/または多孔性のものであることが好ましい。それぞれの粒子は、化学薬品により変化を受けていない少なくとも1つの領域をも有し、その場合化学薬品により変化を受けていない少なくとも1つの領域を、粒子の体積の約0.1%〜90%含むことが好ましい。一実施形態において、ケイ酸質粒子は約10μm未満の平均粒子直径を有する。ある好ましい実施形態において、アルカリ性活性化化合物は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、またはこれらの組合せからなる群から選択されるものなどのケイ酸アルカリ、シリカ富化ケイ酸アルカリを含む。一実施態様において、アルカリ性活性化化合物は、本質的にケイ酸ナトリウムからなる。ケイ酸質粒子は、長石、玄武岩、赤泥、凝灰岩、火山灰、黒曜石、珪藻土、反応性粘土、廃ガラス、スラグ、セメントキルンダスト、フライアッシュ、ボトムアッシュ、焼却灰、石炭選鉱廃物、シリカヒューム、シリカダスト、もみ殻灰、シリカ、ケイ酸塩、粘土、ガラス、岩石粉砕物、およびこれらの組合せからなる群から選択される供給源材料から由来するのが好ましい。一実施形態の組成物は、セメント配合物、繊維セメント建築用品、またはポリマー性マトリックスに配合することができる。凝結性複合材料は、アルミノケイ酸塩材料、セメント、コンクリート、繊維セメント、石膏、ポリマー、およびこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。本添加剤組成物により、好ましくは、凝結性複合材料は水熱養生条件にかけられる必要性なしに凝結および硬化することが可能になる。好ましい実施形態において、凝結とは一般に、材料が著しく変形しないで取り扱うことができる状態に到達した場合をいい、また硬化とは一般に、材料が有効な強度を達成する過程をいう。
一実施形態において、この多機能添加剤組成物はスラリーの形態であり、このスラリーはアルカリ性活性化化合物と、少なくとも1つの領域が化学薬品により変化を受けているケイ酸質粒子とを含む。アルカリ性活性化化合物は液相中に実質的に溶解しており、また少なくとも1つの領域が化学薬品により変化を受けているケイ酸質粒子は、実質的にスラリー中に混合している固体である。他の実施形態において、ケイ酸質粒子を、スラリーの約10重量%以上、より好ましくは約20重量%、より好ましくは約30重量%、より好ましくは約50重量%含む。多機能添加剤組成物は、アルミノケイ酸塩材料をさらに含むことができ、この場合アルミノケイ酸塩材料はスラリー内に分散される。他の実施形態において、多機能添加剤組成物はペースト形態であり、少なくとも1つの領域が化学薬品により変化を受けているケイ酸質材料を実質的に含む。さらに他の実施形態において、多機能添加剤組成物は、少なくとも1つの領域が化学薬品により変化を受けているケイ酸質粒子と組み合わせたアルカリ性活性化化合物で構成される、複数の集塊化粒子の形態にある。これらの集塊化粒子は、アルカリ性活性化化合物によって一緒に結合された、少なくとも1つの領域が化学薬品により変化を受けているケイ酸質粒子を含むことが好ましい。ケイ酸質粒子の重量百分率は、アルカリ性活性化化合物の重量百分率と少なくとも等しく、またはそれを超えることが好ましい。これらの集塊化粒子は、約1,500kg/m3以下のかさ密度を有することが好ましい。
さらに他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、凝結性複合材料用の多機能添加剤の形成方法を提供する。この方法は、(a)少なくとも1種のケイ酸質材料、および少なくとも1種のアルカリ化合物を提供するステップ、(b)このケイ酸質材料の粒度を細かくするステップ、ならびに(c)ケイ酸アルカリおよび複数の改質低密度ケイ酸質粒子を含む混合物を形成するような形で、ケイ酸質材料をアルカリ化合物と反応させるステップであり、その場合改質低密度ケイ酸質粒子において、それぞれの粒子が少なくとも1つの、前記アルカリ化合物により形態学的におよび/または化学的に変化を受けている第1の部分、および少なくとも1つの、前記アルカリ化合物により形態学的におよび/または化学的に変化を受けていない第2の部分を有するステップを含む。それぞれの粒子上の1以上の変化を受けた領域を、その粒子の体積の約0.1%〜95%含むことが好ましい。ケイ酸質材料の少なくとも1つの領域が、元の材料から変化を受けないまま残っていることが好ましい。アルカリ化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、弱酸のアルカリ金属塩、アルカリ性ケイ酸塩、およびこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。一実施形態において、この方法は、この多機能添加剤を凝結性複合材料組成物に添加して、この複合材料の凝結および硬化速度を速め、かつ密度を低下させるステップをさらに含む。この複合材料には、この複合材料の凝結および硬化にさらに寄与することができるアルミノケイ酸塩、ならびにポルトランドセメント、アルミナセメント、フライアッシュ、高炉スラグ、セメントキルンダストなどのカルシウム含有セメント質材料が含まれることが好ましい。
好ましい実施形態において、ケイ酸質材料およびアルカリ化合物を提供するステップは、ケイ酸質材料およびアルカリ化合物を一緒にして水性スラリーを形成するステップを含む。ケイ酸質材料をアルカリ化合物と反応させて改質低密度ケイ酸質材料を形成するステップは、ケイ酸質材料の消化を促進するのに十分な時間をかけてケイ酸質材料を熱に曝すステップを含むことが好ましい。一実施形態において、ケイ酸質材料の粒度を細かくするステップと、ケイ酸質材料を熱に曝すステップとは、同一の工程内で実質的に同時に起こる。好ましい一実施形態において、ケイ酸質材料をアルカリ化合物と反応させるステップは、大気圧で反応させることを含むのが好ましい。ケイ酸質材料の粒度を細かくするステップは、アルカリ化合物を含有する水性スラリー内で行われる湿式方法でケイ酸質材料を微粉砕するステップを含むのが好ましい。他の好ましい実施形態において、ケイ酸質材料の粒度を細かくするステップと、ケイ酸質材料をアルカリ化合物と反応させるステップとは、ケイ酸質材料を乾式または湿式微粉砕するステップに続いて、アルカリ化合物と一緒にするステップによって行われて、ケイ酸アルカリと改質低密度ケイ酸質粒子とを含有する混合物を形成する。一実施態様において、ケイ酸アルカリと改質低密度ケイ酸質粒子とを含有する混合物はスラリーである。いくつかの実施形態において、この方法は、このスラリーを乾燥して、いくらかのケイ酸アルカリゲルを間にはさんでいる改質ケイ酸質粒子を含む集塊化粒子を形成するのに適した方法をさらに含む。ある実施形態において、この方法は、このスラリーにアルミノケイ酸塩材料を添加するステップをさらに含む。好ましい実施形態において、改質低密度ケイ酸質粒子を、この混合物の約10重量%以上含む。他の実施形態において、この方法は、ケイ酸アルカリから、この改質低密度ケイ酸質粒子を分離するステップをさらに含む。
さらに他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、アルミノケイ酸塩を含有する凝結性複合材料用の多機能添加剤の形成方法を提供する。この方法は、(a)少なくとも1種のケイ酸質材料、および少なくとも1種のアルカリ化合物を提供するステップ、(b)ケイ酸アルカリ材料を形成するステップ、(c)複数の低密度ケイ酸質粒子を形成するステップを含み、この場合それぞれの粒子は少なくとも1つのゲル様領域を有し、この領域で低密度ケイ酸質粒子が複合材料の密度を低下させている。ケイ酸アルカリ材料、および低密度ケイ酸質粒子は、同一の工程内で実質的に同時に形成されるのが好ましい。一実施形態において、この工程は、ケイ酸質材料が、実質的に同時に微粉砕されかつアルカリ化合物と化学的に反応して、ケイ酸アルカリおよび低密度ケイ酸質粒子を形成するメカノケミカル過程である。
さらに他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、アルミノケイ酸塩を含有する凝結性複合材料の硬化を促進し、かつこの材料の密度を調整する方法を提供する。この方法は、(a)水ガラスと、アルカリ化合物により変化を受けている1以上の領域を有する複数の低密度ケイ酸質材料とを含む混合物を提供するステップ、(b)この混合物を、複合材料組成物に添加するステップ、ならびに(c)この混合物を、複合材料組成物中のアルミノケイ酸塩と反応させるステップを含む。一実施形態において、複合材料組成物は、ポルトランドセメント、水ガラス、およびこれらの組合せからなる群から選択されるバインダーを含む。他の実施形態において、この混合物は、複合材料の硬化速度を、この混合物を含まない同等の複合材料と比較して約5%〜100,000%増加させる。さらに他の実施形態において、この混合物により、複合材料は、水熱条件に実質的にかけられずに、および/または水熱条件にかけられる必要性なしに硬化することが可能になる。さらに他の実施形態において、この混合物は、複合材料の密度を、この混合物を含まない同等の複合材料と比較して約0.1%〜50%低下させる。
さらに他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、バインダー、アルミノケイ酸塩材料、ならびにケイ酸アルカリおよび、化学薬品により形態学的におよび/または化学的に変化を受けている第1の領域を有する複数の改質低密度ケイ酸質粒子を含む多機能添加剤であり、またそれぞれの改質低密度ケイ酸質粒子が、その化学薬品により形態学的におよび/または化学的に変化を受けていない第2の領域をも有する多機能添加剤を含む凝結性複合材料を提供する。この添加剤は、アルミノケイ酸塩と反応して複合材料の硬化速度を増加させ、かつこの場合低密度ケイ酸質粒子が複合材料の密度を低下させることが好ましい。一実施形態において、この複合材料はセメント質複合材料、好ましくは、繊維セメントパネル、繊維セメント管、または繊維セメント被覆ボードなどの繊維補強セメント質複合材料である。一実施形態において、この複合材料中のバインダーは水ガラスを含む。この多機能添加剤は、この複合材料の硬化速度を、この多機能添加剤を含まない同等の複合材料と比較して約5%〜1000%増加させることが好ましい。さらに他の実施形態において、この混合物により、複合材料は、水熱条件にかけられる必要性なしに、硬化することが可能になる。他の実施形態において、この複合材料は、未改質の低密度添加剤をさらに含む。この多機能添加剤は、複合材料の密度を、この多機能添加剤を含まない同じ複合材料と比較して約0.1%〜50%低下させることが好ましい。
さらに他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、凝結性複合材料用の多機能添加剤を提供する。この添加剤はスラリーを含み、このスラリーはアルカリ性活性化化合物と、複数の低密度ケイ酸質粒子とを含む。低密度ケイ酸質粒子は、溶液の約10%以上の乾燥重量を有することが好ましい。一実施形態において、アルカリ性活性化化合物は、本質的にケイ酸ナトリウムからなる。他の実施形態において、少なくとも一部の低密度ケイ酸質粒子は、1以上の部分消化領域を有する。
さらに他の態様において、本発明の好ましい実施形態は、低密度煉瓦を提供する。この煉瓦は、複数のケイ酸質粒子を含み、この場合それぞれの粒子は、化学薬品により変化を受けた少なくとも1つの領域を有し、ここでこの少なくとも1つの領域は、粒子の体積の約0.1%〜90%を含む。このケイ酸質粒子は、アルカリ化合物により部分的に溶解されたケイ酸塩を含むことが好ましい。このケイ酸質粒子は、約1,500kg/m3以下のかさ密度を有することが好ましい。他の実施形態において、この低密度煉瓦は、ケイ酸質粒子を一緒に結合するバインダーをさらに含む。さらに他の実施形態において、この低密度煉瓦は、補強用繊維をさらに含む。
本明細書に開示しているのは、凝結性複合材料に配合する、ある好ましい実施形態の多機能添加剤組成物である。好ましい実施形態の本組成物は、その複合材料の密度を調整し、硬化または強度発現の速度を速めるために配合している。驚くべきことに、この新規な添加剤組成物により、オートクレーブにおけるものなどの水熱条件にかけられる必要性がなく、凝結性複合材料を硬化させることが可能になることが発見された。やはりまた開示しているのは、この添加剤の製造方法、およびまたこの添加剤を配合している凝結性複合材料の製造方法でもある。本添加剤組成物および製造方法は、例えば空気中養生、蒸気養生、または水熱養生した建材、および特に繊維セメント建築用品の生産に有利に使用することができる。もちろん、この新規な多機能添加剤を配合して、例えばポリマー、洗剤、研磨剤、ガラスおよびセラミック物品、ならびに塗料などの他の用途とすることもできる。
多機能添加剤の組成物
この多機能添加剤の好ましい組成物は、一般にアルカリ性活性化化合物、および複数の改質低密度ケイ酸質粒子を含む。それぞれの改質ケイ酸質粒子は、化学物質により形態学的におよび/または化学的に変化を受けた1以上の領域を有することが好ましい。一実施形態において、それぞれのケイ酸質粒子は、化学物質により実質的に変化を受けないままである1以上の領域をも有する。好ましい実施形態において、形態学的におよび/または化学的に変化を受けた領域が、粒子の外部表面の部分を含み、また変化を受けない領域が主として粒子の芯部を含む。ある実施態様において、これらの変化を受けた領域は、ケイ酸質材料が、アルカリ化合物などの化学物質により部分的に溶解、反応、消化、浸出、および/または軟質化を受ける場合主としてもたらされる可能性のあるゲル様の、半固体の、粗い、釘のように尖った、角張った、珊瑚様の、クラスター状の、および/または多孔性の状態で存在している。いくつかの実施態様において、形態学的に変化を受けた領域は、化学的にも変化を受けている。一実施形態において、1以上の形態学的におよび/または化学的に変化を受けた領域は、粒子の約0.1%〜90%の体積を有する。以下により詳細に記述しているように、改質低密度ケイ酸質粒子は、長石、玄武岩、凝灰岩、火山灰、黒曜石、珪藻土、反応性粘土、廃ガラス、スラグ、セメントキルンダスト、フライアッシュ、ボトムアッシュ、焼却灰、石炭選鉱廃物、シリカヒューム、シリカダスト、もみ殻灰、シリカ、粘土、ガラス、岩石粉砕物、および赤泥などの種々様々なケイ酸塩−もしくはシリカ系材料から、処理することができる。
好ましい実施形態において、アルカリ性活性化化合物は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、またはこれらの組合せなどのケイ酸アルカリまたはシリカ富化ケイ酸アルカリを含む。一実施態様において、本組成物は本質的に、ケイ酸ナトリウムまたは廃ガラスと、少なくとも1つの部分溶解したゲル様外部領域を有するケイ酸塩系材料から、本質的になる改質低密度ケイ酸質粒子とからなる。多機能添加剤中の改質低密度ケイ酸質粒子の重量パーセントは、乾燥基準でケイ酸アルカリの重量パーセントを超え、もしくは等しいことが好ましい。他の実施形態において、改質低密度ケイ酸質粒子の重量パーセントは、乾燥重量で添加剤の約10重量%以上、より好ましくは乾燥重量で添加剤の約30重量%以上である。有利なことに改質低密度ケイ酸質粒子は、マトリックスにおいて低密度添加剤として機能するだけでなく、アルカリ性活性化化合物と相乗的に組み合わされてアルミノケイ酸塩を含有する凝結性複合体マトリックスの硬化または強度発現の速度を速める。凝結性マトリックスは、アルミノケイ酸塩材料、石灰質材料、セメント、繊維セメント、石膏複合体、ポリマー、およびこれらの複合体を含むがこれらに限定されない、いくつかの異なる材料を含むことができる。学説に捉われることなく、これらの添加剤による凝結および硬化の促進に寄与する多くの因子が存在することが示唆される。これらの因子には、アルカリ活性化化合物またはケイ酸質材料の反応性表面におけるケイ素原子の架橋度の増加による硬化/水和反応が含まれる可能性があるが、これらに限定されない。
ある好ましい実施形態において、この多機能添加剤は、凝結性複合体マトリックスの硬化または強度発現速度を、この添加剤を含まない同等の複合体マトリックスと比較して約5%以上、好ましくは約5%〜1000%、好ましくは約50%〜500%増加させる。いくつかの実施形態において、この多機能添加剤は、凝結性複合体マトリックスの硬化または強度発現速度を、この添加剤を含まない同等の複合体マトリックスと比較して約1,000倍まで増加させる。他の実施形態において、この多機能添加剤はまた、複合材料の密度を、この添加剤を含まない同等の複合体マトリックスと比較して約0.1%〜100%、好ましくは約10%〜50%低下させる。さらに他の実施形態において、この添加剤は、実質的に水熱条件にかけられる必要性なしに、複合材料を硬化させることが可能である。
多機能添加剤の物理的形態
この多機能添加剤は、いくつかの異なった物理的形態を取ることができる。一実施形態において、ケイ酸アルカリなどのアルカリ性活性化化合物と、改質低密度ケイ酸質粒子とを、溶液として、スラリーまたは懸濁液としてなど一緒に混合する。アルカリ性活性化化合物を溶液中に溶解し、この溶液中に改質低密度ケイ酸質粒子を実質的固体として配合するのが好ましい。他の実施形態において、ケイ酸アルカリ(アルカリ性活性化化合物)と、低密度ケイ酸質粒子とが、集塊化粒子の形態で一緒に組み合わされ、この場合ケイ酸質粒子は、これらの粒子間に位置するケイ酸アルカリゲルにより結合される。以下により大きく詳細に記述するように、アルカリ性活性化化合物およびケイ酸質粒子を含有する溶液またはスラリーを熱噴霧することにより、集塊化または集束(クラスター)状粒子が形成されることが好ましい。別法は、例えばスラリーをオーブンもしくはキルン乾燥し、次いで乾燥した材料を粉砕することにより、集塊化粒子を形成することである。この実施形態において、本多機能添加剤のかさ密度は、1,500kg/m3以下であることが好ましい。
原材料
本発明の好ましい実施形態の多機能添加剤を形成するのに使用する原材料には、一般にケイ酸塩系材料、アルカリ化合物、および場合によって無機フィラーが含まれる。
ケイ酸塩系材料
本明細書において定義している用語、ケイ酸塩はケイ素および酸素を含む化学物質を指すものとする。いくつかの好ましい実施形態において、このケイ酸塩は、1種以上の、アルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、リン、ホウ素などの金属酸化物を場合によって含むことができる。本明細書において使用するケイ酸塩系材料は、シリカおよび/またはケイ酸塩から完全になるもの、本質的にシリカおよび/またはケイ酸塩からなるもの、シリカおよび/またはケイ酸塩をかなり含むもの、あるいはケイ酸塩等を含むものがある。ケイ酸塩は広く自然界に分布していることが一般に知られている。大部分の一般的な造岩鉱物はケイ酸塩で作られている。しかし、本明細書において使用するケイ酸塩系材料は、天然もしくは合成ケイ酸塩、または他の過程からの副生物として形成されるもの、あるいはこれらの組合せを含むことができる。
天然のケイ酸塩は、選択されたケイ酸塩鉱物など、すなわち長石、玄武岩、凝灰岩、ならびに、火山灰、黒曜石、珪藻土および反応性粘土などの他のものなどガラス状のケイ酸塩相を含有するものなど、広い範囲のケイ酸塩を含むことができる。合成または副生ケイ酸塩は、他の適切な合成ケイ酸塩供給源の中で、仮焼粘土、および産業廃棄物のシリカ富化供給源
、すなわち廃ガラス、スラグ、シリカヒューム、シリカゲル、シリカフラワー、セメントキルンダスト、フライアッシュ、ボトムアッシュ、焼却灰、石炭選鉱廃物などを含むことができる。
ケイ酸塩系材料は、適切なケイ酸塩供給源の1つまたは組合せから得ることができる。1つの好ましいケイ酸塩供給源は、低コストのリサイクル材料である。低コストリサイクル材料の一供給源は、ガラス、好ましくはリサイクル廃ガラス、すなわち都市廃棄物からの選別ガラス、ガラス製造および加工プラントからのガラス板またはガラス瓶のスクラップ、ならびに建設および解体廃ガラスなどの廃ガラスを粉砕することにより得られるガラスカレットなどから得ることができる。大部分の廃ガラスは、本質的にケイ素、ナトリウムおよびカルシウムの酸化物と(ソーダ石灰ガラスと呼ばれる)、アルミニウムおよびマグネシウムなどの酸化物と他の少量成分の酸化物とからなる。
他の好ましいケイ酸塩供給源は、一般に、金属精錬過程の間に形成されるカルシウム−アルミノ−ケイ酸塩ガラス状材料である水砕高炉鋼スラグなどの低コスト産業廃棄物である。典型的な組成物は、SiO2約33〜35%、Al23約14〜18%、およびCaO約38〜45%を含む。水砕高炉スラグは、通常高炉の底部から廃棄物として取り出した溶融スラグを急冷することにより生成される。溶融したスラグを急冷するので、水砕高炉スラグは、大部分が結晶化されずにガラス化される。他の有効な低コスト産業廃棄物はフライアッシュであり、典型的には反応性アルミノ−ケイ酸塩(非晶質)ガラス約66〜68%を含み、発電所で微粉炭が燃焼される場合に生じる。
好ましい実施形態において、ケイ酸塩系材料は、約30重量%以上、好ましくは約40重量%以上、またより好ましくは約50重量%以上のシリカ(SiO2)含量を有する。他の好ましい実施形態において、ケイ酸塩系材料は、以下により大きく詳細に記述する技術を使用して微粉砕されることが好ましい。他の好ましい実施形態において、ケイ酸塩系材料のシリカ含量は、100%未満、好ましくは90%未満、より好ましくは80%未満である。
アルカリ化合物
本明細書において定義しているアルカリ化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、弱酸のアルカリ金属塩、ケイ酸アルカリ、または、水溶液中に溶解し水酸化物イオン(OH)-を放出する任意の他の化合物などの1種以上の塩基化合物を指す。適切なアルカリ金属水酸化物の例には、水酸化ナトリウムNaOH、水酸化カリウムKOH、および水酸化リチウムLiOHが含まれる。アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの組合せの1つであることが好ましい。適切なアルカリ土類金属水酸化物の例としては、水酸化カルシウムCa(OH)2および水酸化マグネシウムMg(OH)2が挙げられる。弱酸アルカリ金属塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、アルミン酸ナトリウムおよびアルミン酸カリウムが挙げられる。また、アルカリ炭酸塩および重炭酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩も挙げられる。
以下により詳細に記述するように、アルカリ化合物およびケイ酸塩系材料は水性スラリー中で一緒に混合されることが好ましい。水性スラリー中のこの化合物は、ケイ酸塩系材料と反応して、アルカリケイ酸塩およびアルミン酸塩を生成する。この場合、得られた溶液のpHは、14未満、好ましくは13未満、また最も好ましくは12未満のままである。したがって、ある好ましい実施形態においてアルカリ化合物とケイ酸塩系材料との間の重量比は、主としてアルカリ化合物中の(OH)-の、ケイ酸塩系材料中のSiO2に対するモル比によって決まる。ケイ酸塩供給源としてソーダ石灰廃ガラスを使用し、またアルカリ化合物として水酸化ナトリウムを使用するある実施態様において、SiO2に対する乾燥基準での水酸化物の質量百分率は、約45〜50重量%の、好ましくは約25〜30重量%の、より好ましくは約5〜10重量%の上限範囲を有する。しかし、ある実施形態において、14以上の高pHが好ましいであろう。高pHは、凝結性マトリックス中のアルミノケイ酸塩の活性化を促進するからである。より高いpHが所望される実施形態において、好ましくは約45%〜50%の間の範囲のより高い水酸化物の百分率が使用される。
アルカリ化合物とケイ酸塩系材料との間の重量比は、反応後かなりの量の固体が残存するようなものであることが好ましい。好ましい実施形態において、アルカリ化合物とケイ酸塩系材料との間の反応は、ケイ酸アルカリと改質ケイ酸質固体をもたらすように構成する。改質ケイ酸質固体は、1以上の、形態学的におよび/または化学的に変化を受けたケイ酸塩系材料の領域、ならびに変化を受けない元のケイ酸塩系材料の領域を有する。これは、残存固体をまったく含まない比較的純粋なケイ酸ナトリウムが生じ易い高温反応によってケイ酸ナトリウムを得るような、ケイ酸アルカリの一般的生成方法などについての従来の知恵に反するものである。
無機フィラー
無機フィラーは、ケイ酸質粒子の組成および密度を調整するためにアルカリ性活性化化合物中に場合によって配合できる。ケイ酸塩供給源としてケイ酸ナトリウム(水ガラス)が使用される実施形態において、無機フィラーは水ガラスのSiO2/Na2Oモル比を調節するために使用することができる。例えば、マイクロシリカ(Microsilica)(シリコンおよびフェロシリコン金属の生産から副生物として生成される「シリカヒューム」)などの反応性ケイ酸質供給源を利用して、水ガラスのSiO2/Na2Oモル比を大きくすることができる。他の例には、もみ穀灰、およびシリカゲルなどのコロイド状シリカが含まれる。セメントキルンダストまたはスラグなどのアルカリおよび石灰供給源も、複合添加剤をケイ酸カルシウムに富むものとするために石灰を提供し、また同時にケイ酸ナトリウムのSiO2/Na2O比を大きくするために添加できる。ケイ酸カルシウムは、ポルトランドセメントと全面的に適合性があり、水熱的に加熱すると軽量のトバモライト相を生成することが知られているので、低密度残存材料としてケイ酸カルシウムの生成を増進または増加させることが有利である。
アルミノケイ酸塩
多機能添加剤がスラリー形態にある、ある実施形態において、その組成物はアルミノケイ酸塩材料をさらに含むことができる。アルミノケイ酸塩材料は、フライアッシュ(タイプF、タイプCなど)、ボトムアッシュ、高炉スラグ、製紙灰、玄武岩質岩、安山岩質岩、長石、アルミノケイ酸塩粘土(仮焼または非仮焼)(カオリナイト粘土、イライト粘土、ベダラ
イト(bedalite)粘土、ベントナイト粘土、白土、耐火粘土など)、ボーキサイト、黒曜石、火山灰、火山岩、火山ガラス、またはこれらの組合せの群から選択することができる。上述のように、本添加剤は、水熱条件なしで凝結性複合材料の硬化速度を速める、または硬化を可能にするため、この複合材料においてアルミノケイ酸塩と反応させるように配合されている。この実施形態では、スラリー中の添加剤組成物の一部としてアルミノケイ酸塩を含むことを企図している。この実施形態は、アルカリ性活性化化合物と反応するアルミノケイ酸塩(反応性材料)の量をより良好に管理することを含む利点を提供する。
複合添加剤の形成方法
図1では、上述の多機能添加剤を形成する好ましい方法100を例示する。方法100は、ステップ102で始まり、ここではケイ酸質材料とアルカリ化合物とを一緒に混合する。ケイ酸質材料と、アルカリ化合物とは、スラリーなどの水溶液として混合するのが好ましい。方法はステップ104に続き、ここではケイ酸質材料の粒度を細かくする。ケイ酸質材料は、適切な湿式または乾式微粉砕方法によって粉砕することができる。幾つかの実施形態において、ケイ酸質材料はアルカリ化合物と同時粉砕する。ステップ106では、ケイ酸質材料がアルカリ化合物と反応する。ケイ酸質材料の一部分を、アルカリ化合物によって完全に消化または溶解してケイ酸アルカリを生成させ、一方ケイ酸質材料の他の部分は実質的に消化されずに残し、材料の一部だけがアルカリ化合物によって部分的に反応、軟質化、および/または溶解されるのが好ましい。一実施形態において、この反応は水溶液で行われ、そこではケイ酸質材料が、アルカリ化合物から放出される水酸化物と反応する。任意選択的な実施形態において、このステップに熱を使用してケイ酸質材料の消化をさらに増進させることができる。いくつかの好ましい実施形態において、ステップ104および106は同時に行われ、それによりケイ酸質材料はアルカリ化合物と混合されながら粉砕され、したがって同一の工程内で粒度を細かくする工程および化学的な消化工程を同時に行うことができる。幾つかの好ましい実施形態において、混合、粉砕および加熱を同時に行うことができる。図1でさらに示されるように、得られた添加剤(ケイ酸アルカリ、および部分的に消化された領域を有するケイ酸質粒子)がスラリー形態にある実施形態において、方法100は場合によってスラリーを熱噴霧するステップをさらに含み、アルカリケイ酸塩により一緒に結合されたケイ酸質粒子を含む集塊化粒子が得られる。
本明細書において考察している新規な組成物および物品を得るため原材料を処理する他の方法に頼ることもできるが、多くの好ましい方法には一般に、以下に記述する2段階処理が含まれ、この処理は湿式微粉砕によるメカノケミカル処理、それに続く加熱による消化/凝縮を伴う。
段階1:湿式微粉砕によるメカノケミカル処理
この段階では、破砕したリサイクルソーダ灰ガラスカレットなどのケイ酸質材料の希釈したスラリーを、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、またはソーダ灰などのアルカリ化合物と一緒に、処理温度に応じて5分〜3日間などの望ましい期間、微粉砕する。場合によって微粉砕の間、熱および/または非晶質シリカを導入して、この段階におけるシリカ溶解の範囲を最大限とする。もちろん、消化の前または消化の間、ボールミル粉砕、ジェット微粉砕、流体エネルギー移動微粉砕、およびローラー微粉砕を含む他の微粉砕技術を使用して、粒度を細かくし、全体的な表面積を増加させることができる。学説に捉われることなく、メカノケミカル処理によりシリカの反応性表面が露出され、それが本発明の新規な組成物の相乗的な凝結および硬化性能に結びついていることが示唆される。
段階2:加熱による消化
段階1からのスラリーを、好ましくは24時間未満、より好ましくは12時間未満の期間、一実施形態においては約60〜140℃の加熱温度で、開放または加圧タンク内で加熱する。一般に、消化温度が高いほど、消化時間は短くて済む。得られたスラリーは、アルカリまたはアルカリ金属ケイ酸塩などのアルカリ性活性化化合物、および1以上の部分的に消化もしくは変化を受けた領域を有する低密度固体を含むことが好ましい。アルカリ性活性化化合物は、スラリーの約5重量%、好ましくは約20重量%、より好ましくは約40重量%を下限量として、約1.0〜5.0のSiO2/R2Oモル比を有することが好ましい。(ただし、RはNa、K、および/またはLiを指すことが好ましい。)
低密度固体は、250〜1500kg/m3の乾燥かさ充填密度を有することが好ましい。一実施形態において、低密度固体は、スラリーの約10重量%、好ましくは約20重量%、より好ましくは約30重量%の下限濃度を有する。浸出および/または消化の微分的反応のおかげで、低密度固体は、ある化合物に富む表面の部分を有することができる。例えば、ソーダ石灰ガラス供給源材料については、いくらかのシリカが反応した後で、得られた低密度固体粒子は、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、および/または酸化マグネシウムに富むそれらの表面部分を有することができる。いくつかの実施形態において、アルカリ金属ケイ酸塩などのアルカリ性活性化化合物および低密度固体は、その後乾燥および造粒される。乾燥および造粒は、噴霧乾燥機におけるなどの単一ステップで行うことができ、あるいは、キルンに続いてボールミルによるなど多重ステップで実施できる。しかし、この新規な複合添加剤は、スラリー形態またはペースト形態で利用でき、乾燥して粉末または凝集体形態で使用でき、あるいはスラリーまたはペースト形態に濾過して、別個に使用できる。
低密度固体と一緒になったアルカリ金属ケイ酸塩が、新規な密度調整性急速硬化促進剤を提供する。本開示において記述する新規な密度調整性急速硬化促進剤は、さらに反応性アルミノケイ酸塩材料と組み合わせて、さらなる低密度複合材料を形成することができる。アルミノケイ酸塩材料の例には、なかんずく脱水酸化粘土、GGBFS(水砕高炉スラグ粉砕物)、およびフライアッシュが含まれる。
多機能添加剤を配合した凝結性複合材料
本多機能添加剤を、広く様々な凝結性複合材料に配合して、その凝結性材料の硬化または強度発現の速度を速める一方、同時にその材料の密度を調整することができる。
繊維セメント複合材料
一実施形態において、本添加剤は、アルミノケイ酸塩を含有する繊維セメント複合材料、好ましくはセルロース繊維および/または他の繊維で補強した繊維セメントマトリックスに配合される。繊維セメントマトリックスは、繊維セメント被覆シート、パネル、柱、パイプ、または成形物品の形態とすることができる。繊維セメント複合材料を製造する配合および方法に関するより詳細な説明は、参考としてその全体が組み込まれる米国特許第6872246号中に記述されている。一実施形態において、本多機能添加剤は、スラリー形態で繊維セメントに配合することができる。次いで、任意のいくつかの従来法によって、繊維セメントスラリーは未硬化の成形物品へ成形される。これらの方法としては、後成形プレス処理を有する、または後成形プレス処理を含まないHatcheckシート方法、Mazzaパイプ方法、Magnaniシート方法、射出成形、押出し、手動レイアップ、成形、注型、フィルタープレス、ロール成形機流し込み、および他の適切な方法が挙げられる。本複合添加剤は、有利にも繊維セメント材料の凝結時間および硬化の速度を速めながら材料に低密度フィラーを与えている。この複合添加剤により、オートクレーブ処理を必要とせずに繊維セメント材料の硬化が可能になることが有利である。
一実施形態において、この繊維セメント複合材料配合物は:
約20〜50%の、ポルトランドセメント、石膏セメント、アルミナセメントカルシウム、ポゾランセメント、石灰セメント、ならびにリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムセメント、または水ガラスなどのバインダーと、
約30〜70%の微粉砕シリカと、
約2〜20%のセルロース繊維と、
約1〜50%の、好ましい実施形態の多機能添加剤と
を含む。
ある実施態様において、この配合物は、市販の未改質低密度添加剤をさらに含む。好ましい実施形態の本多機能添加剤を配合したものは、同じ配合によるが本添加剤を含まずに製造した繊維セメント複合材料と比較し、同じ配合により製造した繊維セメント複合材料の硬化速度を約5%〜1000%、好ましくは約5%〜200%速める有利さがある。さらにまた、好ましい実施形態の本多機能添加剤を配合して、市販の未改質の低密度添加剤で本多機能添加剤を置き換えて同じ配合で製造した複合材料と比較し、同じ配合により製造した繊維セメント複合材料の密度を約0.1%〜500%、好ましくは約5%〜100%低下させてもいる。
実施例
実施例1は、前述の好ましい2段階方法を使用して、一実施形態の多機能添加剤の調製について例示する。次の組成を有するスラリー(1)を調製した:(a)約400グラムの、平均粒径約380ミクロンを有する微粉砕リサイクルソーダ石灰ガラス砂の形態のケイ酸質材料、(b)約28mgの、NaOHの形態のアルカリ化合物、(c)約40グラムの、鉱物質フィラー、Elkem社マイクロシリカ等級940(SiO2含量>90%)、および(d)約1900mlの水。この実施例に使用したリサイクルソーダ石灰ガラスの酸化物組成を、以下の表1に示している。
Figure 2009518276
このスラリーは、上述の2段階方法で処理し、その方法には、ケイ酸質材料を含有するスラリーを、1.5ガロンSzegvari社実験室バッチ摩砕機ミル内で約60分間微粉砕するステップと、試料200mlを加熱エレメント上に置き、沸騰温度まで加熱するステップとが含まれていた。沸騰すると直ぐに、試料を約90分間加熱して、アルカリ化合物をケイ酸質材料と反応させ、消化させた。2段階工程全体にわたるスラリー性状を、表2に示している。
Figure 2009518276
スラリー中のケイ酸質材料の平均粒径が、微粉砕前の約261.4ミクロンから微粉砕後の約5.1ミクロンまで細かくなり、沸騰後約6ミクロンに変化したことを見ることができる。スラリー中のケイ酸質材料の平均粒径は、おそらく沸騰/消化工程の間に小粒子の一部が溶解したため沸騰後わずかに増大した。この時点で、ケイ酸ナトリウムと、部分的消化領域を有する低密度ケイ酸質粒子とを含む新規な組成物が形成された。
次に来るのは、上記において形成された新規な組成物を特性付けるため、用いられる試験の記述である。加熱/消化が終わった後、0.8um硝酸セルロースメンブランフィルターを通して試料を保温濾過し、固相(部分的消化領域を有する低密度ケイ酸質粒子)から液相(ケイ酸ナトリウムまたは水ガラス)を分離した。高周波誘導プラズマ分光(ICP)分析のため液相を希釈した。固相を105℃で最小限12時間乾燥し、破砕し、振動台を使用してばら(loose)密度および充填密度を測定した。沸騰したスラリー中の液相および固相の性状を、表3に示している。
Figure 2009518276
表3に見られるように、この実施例において2段階方法により生成された好ましい実施形態のスラリー形態の多機能添加剤は、水ガラス(ケイ酸ナトリウム、SiO2/Na2O重量比=2.99)約22%、および低密度ケイ酸質粒子約78%(共に全固形分の%として計算した)を含有していた。大気圧および100℃で著しいケイ酸塩の溶解が行われた事実はかなり驚くべきことである。これは、水ガラスを生成させるのに高い圧力および温度が要求される現在の学説および実践に反することである。学説に捉われようとせずに、微粉砕前に既に露出していた表面よりも反応性に富む可能性のあるさらなる表面領域が、微粉砕工程により露出したと考えられる。原材料を配合し、液相の体積を最大としかつ固相を最少とするまたは無くするように工程を実行する従来のケイ酸ナトリウム製造方法に反して、本開示ではケイ酸質固体を増加させる方法を教示している。
実施例2は、実施例1で記述している新規な多機能添加剤組成物を含有する繊維セメント複合材料と、この多機能添加剤組成物の代わりに市販のケイ酸ナトリウムおよび未改質の低密度添加剤(LDA)を含有する繊維セメント複合材料との凝結および硬化性状の比較を例示している。
表4に示す処方および当技術分野で知られている方法を用い、2種の軽量繊維補強セメント系配合組成物を調製した。配合物(A)は、密度調整剤として市販等級の未改質LDAを、また凝結/硬化促進剤としてケイ酸ナトリウム(水ガラス)を含有する。配合物(B)は、水ガラスおよび未改質LDA市販添加剤を置換して実施例1で作製した多機能添加剤スラリーを含有している。配合物A&Bの他の成分は、シリカ量における小さな百分率の変動を除いて実質的に同じである。
一軸押出し機を使用して配合物を押出成形した。修正型土壌貫入計を使用して、生材料の凝結および硬化時間を測定し、その結果を表5に示している。
配合物AおよびBを表す押出成形試料をプラスチックで包み、平衡室(室温約20℃、相対湿度50%)内で7日間そのまま養生した。試料は幅約50mm(2インチ)および厚さ11mm(1/2インチ)となるように調製した。次いで試料は平衡条件下でスパン約215mm(8.5インチ)で曲げ試験を行った。配合物(飽和および平衡条件)についての機械的性状を表6で比較している。
Figure 2009518276
Figure 2009518276
本明細書において使用している凝結時間(Setting Time)は、直径6mm(0.25インチ)の載荷用ピストンを使用して、深さ6mm(0.25インチ)まで生ペースト中に沈ませた、平方フィート当り公称読み約4.75トン到達所要時間である。硬化時間(Hardening Time)は、直径6mm(0.25インチ)の載荷用ピストンを使用して、深さ1mmまで生ペースト中に沈ませた、平方フィート当り公称読み約4.75トン到達所要時間である。表5から、市販の、未改質LDAおよびケイ酸ナトリウムを含有する配合物Aは、好ましい一実施形態の新規な多機能添加剤スラリーを含有する配合物Bと比較して、凝結するのも硬化するのも共により長かった点を見ることができる。やはりまた思いがけないことは、表6に示すそれぞれの配合物から作製した試料の曲げ性状の比較である。
Figure 2009518276
配合物Aと比較して、配合物Bがより短い凝結および硬化時間を示した点を見ることができ(表5)、このことは、硬化促進剤としての新規な多機能性添加剤の有効性および相乗効果を実証した。さらに、2種の配合物から作製した試料は同等な密度を示し(表6)、密度調整剤としての多機能添加剤の有効性を示した。さらに、スラリー中に部分的消化領域を有するケイ酸質粒子が、市販の未改質の低密度添加剤に比較して同様な密度調整効果を示した事実も、かなり驚くべきことである。
飽和条件
表6を参照して、飽和条件下で、新規な多機能添加剤スラリーを含有する配合物Bが、市販の未改質低密度添加剤および凝結/硬化添加剤を含有する配合物Aと比較して約2.5倍高い7日強度を示した点も見ることができる。この驚くべき結果は、空気中養生繊維補強セメント系複合体用の硬化促進剤としての、新規な添加剤の機能性を実証した。
7日空気中養生における配合物Bの曲げ強度(MoR)が、そのオートクレーブ条件におけるMoR値に匹敵していたという事実もかなり驚くべきことである。空気中養生した配合物がこのような強度レベルを達成するには、はるかに高いセメントのレベル(全重量の80%まで)と、より長い空気中乾燥養生時間を要すると予想されるからである。この結果は、セメント質配合物中に配合物Bを組み込むことにより、類似した曲げ強度(MoR)、弾性係数(MoE)、および密度特性を有する空気中養生物品、およびオートクレーブ養生物品をもたらすことができることを示している。その上、新規なスラリーを配合した製品は、はるかに大きいMoRおよびMoEを呈し、したがって優れた強度特性および取扱い性特性を提供している。
平衡条件
配合物Bについて、配合物Aと比較し7日強度の著しい向上(約63%増加)も観察されている。これはかなり思いがけないことである。この特定の例ではメタカオリンであった反応性アルミノケイ酸塩材料については、市販添加剤および新規な多機能添加剤スラリーの両方とも、同様なアルカリ性活性化効果を示すことが予想されたからである。
実施例3は、アルカリ性活性化および消化による新規な多機能添加剤をもたらすさらなる選択肢を例示している。
好ましい実施形態のアルカリ性活性化および消化方法の強健性を実証するため、中間粉末度のリサイクルソーダ石灰ガラス(平均径約32ミクロン)を1.5ガロンのSzegvari社製実験室バッチ摩砕機ミル内でアルカリ性活性化剤なしで微粉砕することによりスラリー(2)を調製した。微粉砕したスラリーは、5ガロン攪拌式バッチ加熱槽内でアルカリ性活性化剤、鉱物質フィラー(マイクロシリカ)および水と共に3時間沸騰するまで加熱した。
スラリー(3)は、湿式微粉砕をせずにガラスをアルカリ化合物と一緒に沸騰することにより調製した。スラリー(3)は、微粉リサイクルソーダ石灰ガラス(平均径約16ミクロン)を5ガロン攪拌式バッチ加熱槽内でアルカリ性活性化剤(NaOH)、および鉱物質フィラー(マイクロシリカ)と共に3時間沸騰させることにより調製した。スラリー(2)および(3)の性状を、表7、8に示す。
Figure 2009518276
Figure 2009518276
それぞれスラリー2および3を含有する表9に示す処方により、2種の軽量繊維補強セメント系配合物(配合物CおよびD)を調製した。市販の配合物Aとの比較に際し、配合物Cは、市販等級の未改質低LDA(この場合シリカであった)およびケイ酸ナトリウムの代わりにスラリー(2)で置き換えた。同様に配合物Dは、市販等級の未改質LDA、ケイ酸ナトリウム、およびシリカフィラーの代わりにスラリー(3)で置き換えた。両配合物は、一軸押出し機を使用して押出成形した。修正型土壌貫入計を使用して、生材料の凝結および硬化時間を測定した。その結果を表10に示した。配合物CおよびDを表す押出成形試料をプラスチックで包み、室温約20℃および相対湿度50%の平衡室内で7日間そのまま養生した。次いで、試料(幅50mm、厚さ11mm)は、平衡条件においてスパン約215mmで曲げ試験を行った。配合物についての機械的性状を表11で比較した。
Figure 2009518276
Figure 2009518276
Figure 2009518276
市販添加剤を含有する配合物Aと比較した場合、配合物CおよびDは比較的急速な凝結および硬化時間(表10対表5)、ならびに同等な密度(表11対表6)を示すことが分る。
しかし、かなり驚くべきかつ思いがけない点は、新規な多機能添加剤を配合した混合物は、低密度添加剤および水ガラス添加剤を別々に含有する配合物Aの2倍を超える7日強度を示した事実である(表11対表6)。この驚くべき結果は、空気中養生性繊維補強セメント系複合体用の硬化促進剤としての新規な多機能添加剤の機能性を実証した。学説に捉われることなく、新規なスラリーに使用した添加剤は、従来使用した市販の水ガラスよりも大きい度合いの架橋をしているものと考えられる。このより大きい度合いの架橋により、添加剤が反応性のアルミノケイ酸塩とより反応し易くなり、結合するのに役立つ無機ポリマーを形成し、空気中養生複合体に強度をもたらすことが可能になっている。
実施例4は、他の好ましい実施形態の新規な多機能添加剤の急速硬化効果を例示している。
他の既述のスラリーと同様にして、本質的に下記からなるスラリー(4)を調製した:
約400グラムの、平均径約32ミクロンを有するリサイクルソーダ石灰ガラスなどのケイ酸質材料、
約28グラムの、NaOHの形態のアルカリ化合物、および
約40グラムの、SiO2含量>90%である、Elkem社製マイクロシリカ等級940の形態の鉱物質フィラー。
このスラリーを、1.5ガロンのSzegvari社製実験室バッチ摩砕機ミルで60分間微粉砕した。微粉砕したスラリーは、5ガロン攪拌式バッチ加熱槽内で3時間沸騰させた。2段階工程全体にわたるスラリーの性状を表12に示す。
Figure 2009518276
表13に示す成分、および公知の方法により、スラリー(4)を配合している軽量繊維補強セメント系配合物(配合物E)を調製した。配合物Aと比較して、配合物Eは、市販等級の未改質LDA密度調節剤およびケイ酸ナトリウム(水ガラス)の代わりに置き換えたスラリー(4)を含有する。この配合物を、一軸押出し機を使用して押出成形した。押出成形した試料(幅50mm、厚さ11mm)を、105℃で2時間、オーブン内で乾燥した。乾燥した試料を平衡室(室温20℃、相対湿度50%)内で貯蔵し、次いでスパン約215mmにおいて、押出成形後4時間および7日経過後に曲げ試験を行った。配合物Eについての4時間および7日の機械的性状を表14に示した。
Figure 2009518276
Figure 2009518276
配合物Eが4時間(105℃乾燥2時間および20℃コンディショニング2時間)後に顕著な曲げ強度(〜5MPa)を示したことが分る。乾燥した試料は、セメント水和に必要な水が不足していたので、この結果はかなり驚くべきことである。曲げ強度が7日経過後まで増加し続け、強度の増加が、配合物中に存在するアルカリ活性化されたアルミナケイ酸塩化合物の重合などの非水硬性反応に起因する可能性があることを示したこともわかる。実施例5は、繊維セメント複合体についての飽和強度対平衡強度比を例示している。
表15に示す成分、および公知の方法に従って2種の軽量繊維補強セメント系配合組成物(配合物FおよびG)を調製した。配合物(F)は、セルロース繊維9%と一緒にスラリー(1)を含有し、配合物(G)は、セルロース繊維2%およびPVA繊維2%と一緒にスラリー(1)を含有する。スラリー(1)は、実施例1で述べたようにして調製した。
配合物は、一軸押出し機を使用して押出成形した。配合物FおよびGを表す押出成形試料をプラスチックで包み、平衡室(室温20℃、相対湿度50%)内で7日間そのまま養生した。次いで、試料(幅50mm、厚さ11mm)を、平衡および飽和条件においてスパン約215mmで曲げ試験を行った。配合物FおよびGの機械的性状(飽和および平衡条件における)を表16で比較した。
Figure 2009518276
Figure 2009518276
両配合物が飽和/平衡強度比>0.9を示しており、濡れによる強度の劣化が約10%に過ぎないことを示している点を見ることができる。セメント系複合体の濡れによる強度劣化は通常50%を超えるので、この結果はかなり驚くべきことである。
実施例6は、他の好ましい実施形態の噴霧乾燥した新規な多機能添加剤を例示している。
4リットルのスラリー(1)を噴霧乾燥し、図2に示す微細球形粒子を形成した。この場合、本複合添加剤は、噴霧乾燥によりスラリー形態から固体形態に変換されている。
スラリーは、40〜50ミクロンの粒度分布を達成するため、1時間当り10〜20kg水分除去定格のNiro Production小型噴霧乾燥機により噴霧した。噴霧乾燥粉末AおよびBの性状を図2に示した。噴霧乾燥処理条件および粉末AおよびBの性状も図2に示した。図3はSEM像であり、噴霧乾燥したスラリーが、多孔性球状の集塊化粒子を形成していることを示している。図3に示すように、複合凝集物は、薄い非晶質ケイ酸ナトリウムコーティング化合物により一緒に接合されたミクロンサイズのガラス粒子を含んでいる。図4に示すように、改質ケイ酸質粒子は、形態学的に変化を受けた(多孔性)外部表面を有する。図5に示すように、小さな凝集体は一緒に集塊化して、ケイ酸ナトリウムの薄いコーティングで包まれたより大きい凝集体を形成することができる。
本発明の好ましい実施形態は、凝結性複合材料の硬化速度を速めかつ密度を調整する、低コストの水ガラス(ケイ酸ナトリウム)などのアルカリ性活性化化合物、および高品質、低密度の添加剤の同時生産方法を、比較的単純かつ費用効果的工程により提供する点が有利である。好ましい実施形態により、この多機能添加剤は、単純かつエネルギー効率的な工程を利用し、低コストの廃棄副生物から形成することができる。このような工程の例は2段階工程であり、それには水酸化アルカリ水溶液などのメカノケミカル処理液中での出発材料の同時微粉砕に続く、大気圧容器内または加圧容器内いずれかでの加熱消化が含まれる。この2段階工程により、水ガラス促進剤およびセラミック密度調整剤料を含む複合添加剤を生産するエネルギー効率的かつ低コストの方法が提供される。ある実施形態において、本複合添加剤および反応性アルミノケイ酸塩材料を配合した新規なセメント質組成物を生産することができる。この新規な多機能添加剤は、アルミノケイ酸塩材料を配合した急速硬化性低密度セメント質組成物を生産するのに利用することができる。例えば、この混合物から製造される繊維セメント製品は、低コスト、短い養生時間、および改善された上市期間を有するものである。
上記に示すように、かなり驚くべきかつ思いがけないことは、この新規な多機能添加剤を配合した組成物が、市販の未改質低密度添加剤および水ガラス添加剤を含有する組成物と比較して2倍を超える強度を示すという事実である。この驚くべき結果は、空気中養生繊維補強セメント系複合体の硬化促進剤としてのこの新規な多機能添加剤の機能性を実証している。この新規な多機能添加剤を配合した組成物が、市販の未改質の低密度添加剤および水ガラス添加剤を別個に配合した材料と比較して、より短い凝結および硬化時間を示し、硬化促進剤としてのこの新規な多機能添加剤の有効性および相乗効果をさらに実証している点も、驚くべきことである。
改質低密度ケイ酸質粒子
ある実施態様において、好ましい実施形態の改質低密度ケイ酸質粒子をアルカリ性活性化化合物と分離して、種々の建築用品に配合することができる。一実施形態において、この改質ケイ酸質粒子は、上述のスラリーから濾別し、乾燥し、他の成分と一緒に充填して、公知の方法を使用して低密度煉瓦を形成する。改質低密度ケイ酸質粒子を一緒に充填し、ポルトランドセメントなどのバインダーにより結合し、成形して低密度煉瓦および他の製品とするのが好ましい。この改質ケイ酸質粒子は、1,500kg/m3以下のかさ密度を有する。
本発明の好ましい実施形態の上述の説明は、本発明の基本的な新規な特徴を示し、記述し、かつ指摘しているが、例示した本発明の細部の形態、ならびにその使用における種々の省略、置換、および変更が、本発明の技術的思想から逸脱することなく、当業者によって実行できることが理解されるであろう。特に、本発明の好ましい実施形態は、それによって製造した物品の最終用途に適した他の配合物および組成物としてそれ自体を表現できることが理解されるであろう。
本発明の好ましい一実施形態の多機能添加剤を製造する好ましい工程の流れを例示する。 ある好ましい実施形態の複合添加剤スラリーから導かれた噴霧乾燥した添加剤Aを例示するSEM像である。 ある好ましい実施形態の複合添加剤スラリーから導かれた噴霧乾燥した添加剤Bを例示するSEM像である。 好ましい一実施形態の噴霧乾燥したスラリーで構成される多孔性集塊化粒子を示す、好ましい実施形態の複合添加剤を示すSEM像である。 ケイ酸質粒子の形態学的に変化を受けた領域を示す、好ましい実施形態の複合添加剤を示すSEM像である。 ケイ酸ナトリウムの薄いコーティングに包まれた、一緒に集塊化してより大きい集塊を形成する小凝集体の形態にある、好ましい実施形態の複合添加剤を示すSEM像である。

Claims (29)

  1. アルカリ性活性化化合物、および
    複数の改質ケイ酸質粒子であり、それぞれの改質ケイ酸質粒子が、化学薬品により形態学的に変化を受けている第1の領域を有し、該第1の領域が粒子の体積の約0.1%〜90%である改質ケイ酸質粒子
    を含む凝結性複合材料用の多機能添加剤組成物。
  2. 前記改質ケイ酸質粒子の第1の領域がゲル様である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記改質ケイ酸質粒子の第1の領域が多孔性である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記改質ケイ酸質粒子の第1の領域が、前記粒子の外部表面を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記第1の領域が、前記化学薬品により化学的に変化を受けている、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記アルカリ性活性化化合物が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、およびケイ酸リチウムからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記改質ケイ酸質粒子の重量百分率が、前記アルカリ性活性化化合物の重量百分率と少なくとも等しく、またはそれを超える、請求項1に記載の組成物。
  8. スラリーの形態であり、該スラリーが、液相中に溶解しているアルカリ性活性化化合物と、スラリー中に混合されている実質的に固体である改質ケイ酸質粒子とを含む、請求項1に記載の組成物。
  9. ペーストの形態であり、該ペーストが、アルカリ性活性化化合物と、改質ケイ酸質粒子とを含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 複数の集塊化粒子の形態であり、アルカリ性活性化化合物によって一緒に結合された改質ケイ酸質粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記複合材料が、実質的に水熱条件にかけられずに硬化することを可能にする、請求項1に記載の組成物。
  12. 請求項1に記載の組成物を含むセメント配合物。
  13. 請求項1に記載の組成物を含む繊維セメント建築製品。
  14. 請求項1に記載の組成物を含むポリマー性マトリックス。
  15. 凝結性複合材料用の多機能添加剤の形成方法であって、
    ケイ酸質材料およびアルカリ化合物を用意するステップと、
    該ケイ酸質材料の粒度を細かくするステップと、
    ケイ酸アルカリおよび複数の改質低密度ケイ酸質粒子を含む混合物を形成するような形で、ケイ酸質材料をアルカリ化合物と反応させるステップであって、改質低密度ケイ酸質粒子においてそれぞれの粒子が少なくとも1つの、アルカリ化合物により形態学的に変化を受けている第1の部分、および少なくとも1つの、アルカリ化合物により形態学的に変化を受けていない第2の部分を有するステップと
    を含む方法。
  16. 前記ケイ酸質材料の粒度を細かくするステップが、アルカリ化合物を含有する水性スラリー内で行われる湿式方法でケイ酸質材料を微粉砕するステップを含む、請求項15に記載の方法。
  17. スラリーを噴霧乾燥して、ケイ酸アルカリによって一緒に結合された前記改質低密度ケイ酸質粒子を含む集塊化粒子を形成するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  18. アルカリ化合物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、弱酸のアルカリ金属塩、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  19. ケイ酸質材料および前記アルカリ化合物を、非水熱条件で反応させて、前記ケイ酸アルカリおよび前記改質低密度ケイ酸質粒子を生成する、請求項15に記載の方法。
  20. ケイ酸質材料およびアルカリ化合物が、大気圧で反応して、ケイ酸アルカリおよび前記改質低密度ケイ酸質粒子を生成する、請求項15に記載の方法。
  21. ケイ酸アルカリから、改質低密度ケイ酸質粒子を分離するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  22. ケイ酸質材料をアルカリ化合物と反応させるステップが、ケイ酸質材料を、実質的に同時に微粉砕しかつアルカリ化合物と反応させて、ケイ酸アルカリおよび改質低密度ケイ酸質粒子を形成するメカノケミカル過程を使用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
  23. 凝結性複合材料であって、
    バインダー、
    アルミノケイ酸塩材料、
    ケイ酸アルカリおよび複数の改質低密度ケイ酸質粒子を含む多機能添加剤であり、各低密度ケイ酸質粒子が、化学薬品により形態学的に変化を受けている第1の領域を有し、それぞれの前記低密度ケイ酸質粒子がまた、前記化学薬品により形態学的に変化を受けていない第2の領域も有する多機能添加剤
    を含み、
    該添加剤が前記アルミノケイ酸塩と反応して、前記複合材料が実質的に水熱条件にかけられずに硬化することを可能にし、かつ前記改質低密度ケイ酸質粒子が複合材料の密度を低下させる複合材料。
  24. セメント質複合材料である、請求項23に記載の複合材料。
  25. 繊維セメントパネルである、請求項23に記載の複合材料。
  26. セメント質煉瓦である、請求項23に記載の複合材料。
  27. 前記バインダーが水ガラスを含む、請求項23に記載の複合材料。
  28. 前記多機能添加剤が、複合材料の硬化速度を、多機能添加剤を含まない同じ複合材料と比較して約5%〜100,000%速める、請求項23に記載の複合材料。
  29. 未改質の低密度ケイ酸質粒子をさらに含む、請求項23に記載の複合材料。
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