JP2009512630A - エポキシ化合物およびアルデヒドの調製方法 - Google Patents

エポキシ化合物およびアルデヒドの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、出発アルデヒドまたはケトンをα−ハロ酸のエステルと反応させてエポキシ化合物を形成する縮合工程を含む方法に関し、それによって、反応は、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチル亜リン酸トリアミド(HMPT)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、下式:(III)
Figure 2009512630

(式中、R、R、RおよびRが、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキル基であってもよく、それによって、RおよびRが、一緒になって複素環基を形成してもよい)
の尿素誘導体からなる群から選択される双極性非プロトン性化合物の存在下で行われる。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、出発アルデヒドまたはケトンをα−ハロ酸のエステルと反応させてエポキシ化合物、特にグリシド酸エステルを形成する縮合工程を含む方法に関する。
かかる方法の一例は、例えば米国特許第2,987,550号明細書に記載の公知のダルツェン(Darzens)タイプの縮合反応を含む方法である。米国特許第2,987,550号明細書には、ダルツェン反応による調製が、いわゆる「C14アルデヒド」の調製の一部として開示されている。米国特許第2,987,550号明細書、およびまた本発明の文脈内では、「C14アルデヒド」という用語は、以下の構造式(I):
Figure 2009512630

で表される、ビタミンAの調製などの様々な方法における重要な中間体である、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテナールを指す。
公知の方法では、ダルツェン縮合は、β−イオノンと、過剰のクロロ酢酸低級アルキル(例えばクロロ酢酸メチルまたはクロロ酢酸エチル)との反応混合物を生成することによって行われる。公知であるように、β−イオノンという用語は、下式(II):
Figure 2009512630

で表される化合物である4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オンを指す。
公知の方法におけるβ−イオノンとクロロ酢酸アルキルとの混合の際に、実質的に無水の希釈剤が加えられ、この希釈剤は、公知の方法では、ジメチルホルムアミド、ピリジン、α−、β−、もしくはγ−ピコリン、ジメチルアセトアミドおよびN−エチルアセトアミドからなる群から選択される。この希釈剤群は、双極性非プロトン性希釈剤を含む。乾燥した、アルコールを含まないアルカリ金属アルコキシドも反応混合物に加えられる。次に、反応混合物を、低温で冷たい水酸化ナトリウムのメタノール溶液で処理し、その後C14アルデヒドを回収する。回収は、公知の方法では、反応混合物を水に注ぎ入れ、その後ヘキサンなどの非混和性溶媒によって抽出することによって一般的に行われる。
公知の方法には、高収率を達成するために希釈剤として働く多量の化合物を使用しなければならないという欠点がある。この例示として、米国特許第2,987,550号明細書の実施例IおよびIIIが参照され、この実施例では、希釈剤であるジメチルホルムアミド対β−イオノンのモル比が、実施例Iの約2.2から実施例IIIの約1.1へと低下することにより、収率が84.8%から78%へと低下する。さらに、実施例Vが参照される。この実施例では、84.6%の収率が達成されるが、約5モルの希釈剤ピリジンを、β−イオノン1.11モル当たりに使用した。すなわち、比は約4.5であった。同様の過剰な比率の希釈剤が他の実施例で見られた。
本発明の目的は、公知の方法の欠点を軽減することである。
前記目的は、縮合工程が、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルフォスフォリックアシッドトリアミド(hexamethylfosforic acidtriamid(HMPT))、ジメチルスルホキシド(DMSO)、および下式(III):
Figure 2009512630

(式中、R、R、RおよびRが、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキル基であってもよく、それによって、RおよびRが、一緒になって複素環基を形成してもよい)
の尿素誘導体からなる群から選択される双極性非プロトン性化合物の存在下で行われることにより達成される。
本発明による方法には、非常に高い選択性および収率が、(出発アルデヒドまたはケトンに対して)多量の他の化合物(希釈剤として働く化合物など)を用いる必要なく、達成可能であるという利点がある。
また、本発明による方法の他の利点は、(出発アルデヒドまたはケトンと比較して)過剰モルのα−ハロ酸のエステルが、公知の方法と比較して低減され得ることである。
本発明による方法のさらに別の利点は、本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物が、健康上または環境上の問題がより少ないかあるいは全くなく、不快な臭気に関する問題がより少ないことであり、このことは、C14アルデヒドなどの化合物が香料の調製に用いられるため重要である。
CN1348947号明細書には、ダルツェン縮合によってかつ溶媒を用いてβ−イオノンからC14アルデヒドを製造するための方法が開示されている。CN1348947号明細書によれば、溶媒は、以下に示される式(IV)で表される化合物であるべきである。
Figure 2009512630
本発明による方法は、縮合工程を含む。この工程では、出発アルデヒドまたは出発ケトンが原料として存在する。アルデヒドおよびケトンはそれ自体公知である。本発明による方法では、様々なアルデヒドまたはケトンが用いられてもよいが、それらが芳香族であることが好ましい。出発ケトンの一例は、式(II)で表される化合物であるβ−イオノンである。好ましい出発アルデヒドまたは出発ケトンの他の例は下式(VII)によって表される。
Figure 2009512630

式中、Rは、好ましくは、式(VII)で表される化合物がベンズアルデヒドであるようにHであるか、あるいは式(VII)で表される化合物がアセトフェノンであるようにCHである。したがって、RはHまたはCHであり得るが、C〜Cアルキル基であってもよい。
縮合工程では、α−ハロ酸のエステルも存在する。好ましくは、α−ハロ酸のエステルは、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピルまたはクロロ酢酸ブチルであり、最も好ましくは、α−ハロ酸のエステルはクロロ酢酸メチルである。
本発明によれば、出発アルデヒドまたはケトンとα−ハロ酸のエステルとは互いに反応させられる。これは、好ましくは塩基の存在下で反応を行うことによって、エポキシ化合物が形成されるような方法で行われるべきである。公知であるように、エポキシ化合物は、その一部としての酸素含有3員環を特徴としている。特に、グリシド酸エステルがこの方法で形成され得る。これを達成する公知の一方法は、公知のダルツェンタイプの縮合反応によるものである。公知であるように、ダルツェン縮合反応では、出発アルデヒドまたはケトンが、α−ハロ酸のエステルと合わされ、これらが互いに反応させられ、アルカリ金属アルコキシド(好ましくは乾燥したアルコールを含んでいないもの)が塩基として加えられ、このようにして、グリシド酸エステルが形成される。アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメチレートが好ましい。一般的に言えば、アルカリ金属アルコキシドの「アルコキシド部分」は、好ましくはα−ハロ酸のエステルの「エステル部分」と適合するように選択され(例えば、アルカリ金属メチレートおよびクロロ酢酸などのα−ハロ酸のメチルエステル)、これには、異なるアルコールの混合物の生成が避けられるという利点がある。
縮合工程の好ましい実施形態では、β−イオノンが出発ケトンであり、クロロ酢酸メチルがα−ハロ酸のエステルであり、ナトリウムメチレートがアルカリ金属アルコキシドである。このように、下式(V):
Figure 2009512630

で表されるグリシド酸エステルが形成される。
縮合工程の別の好ましい実施形態では、ベンズアルデヒド、すなわち式(VII)(RがHである)で表される化合物が出発アルデヒドであり、クロロ酢酸低級アルキル(例えばクロロ酢酸メチルまたはクロロ酢酸エチル)がα−ハロ酸のエステルである。このように形成されるグリシド酸エステルは、下式(VIII):
Figure 2009512630

で表される化合物である3−フェニルグリシド酸エチルである。
縮合工程のさらに他の好ましい実施形態では、アセトフェノン、すなわち式(VII)(RがCHである)で表される化合物が出発アルデヒドであり、クロロ酢酸低級アルキル(例えばクロロ酢酸メチルまたはクロロ酢酸エチル)がα−ハロ酸のエステルである。このように形成されるグリシド酸エステルは、下式(IX):
Figure 2009512630

で表される化合物である3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチルである。
式(VIII)および(IX)で表される化合物はそれ自体、例えば、ウルマン工業化学百科事典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)(DOI 10.1002/14356007.a11 141、2003年1月15日にオンラインで公開)のFlavors and Fragrancesの章の第2.7.3項から公知である。
本発明によれば、縮合工程は、出発アルデヒドまたはケトン、α−ハロ酸のエステルまたはアルカリ金属アルコキシドではない他の化合物の存在下で行われる。前記他の化合物が公知の方法についての上記の説明中で詳述される群から選択される公知の方法に対して、他の化合物は、双極性非プロトン性化合物あるいは1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルフォスフォリックアシッドトリアミド(hexamethylfosforic acidtriamid(HMPT))、ジメチルスルホキシド(DMSO)、および下式:
Figure 2009512630

(式中、R、R、RおよびRが、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキル基であってもよく、それによって、RおよびRが、一緒になって複素環基を形成してもよい)
の尿素誘導体からなる群から選択される化合物の混合物である。化学理論に依存するものではないが、本発明による他の化合物は、縮合工程中あまり反応せず、希釈剤としておよび/または溶媒としておよび/または伝熱媒体としておよび/またはさらに別の形態で働くことができると考えられている。
公知であるように、化合物1−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、下式(VI)で表される。
Figure 2009512630
式(III)において、R、R、RおよびRがそれぞれ独立してHまたはメチル基またはエチル基であることが好ましい。別の実施形態では、R、R、RおよびRが同一であることが好ましい。式(III)で表される化合物の別の種類の好ましい実施形態では、RおよびRは、化合物(III)が複素環を含むようなものである。公知であるように、複素環という用語は、環形成原子が全て炭素であるわけではない環構造を示す。RおよびRは、環形成の場合に環形成原子として炭素原子を提供するのみであろうため、これは、本発明の文脈内において、2個の窒素原子が環構造内に含まれることを示唆する。式(III)で表される化合物が複素環を有する場合、この環は、好ましくは5員環または6員環である。式(III)で表される化合物の好ましい例は、尿素、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)または1,1,3,3−テトラメチル尿素(TMU)である。
本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物は、(出発アルデヒドまたはケトンおよび/またはα−ハロ酸のエステルが液体形態である場合には特に)液体形態である必要はないが、それでも液体形態であることが好ましい。最も好ましくは、縮合工程はNMPの存在下で行われる。
グリシド酸エステルなどのエポキシ化合物への高い収率が、NMPなどの比較的限られた量の他の化合物を利用することによって達成され得ることが本発明による縮合工程の利点である。本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物と出発アルデヒドまたはケトンとの間の、縮合工程におけるモル比が、0.05〜2の間にあることが好ましい。収率の向上の所望の効果がはっきりと顕著であるように、前記モル比は0.05より高いことが好ましい。より好ましくは、前記比率は、少なくとも0.08、0.10、0.12、または0.15である。本発明による縮合工程から最大の経済的利益を得るように、前記モル比は最大でも2.00であることが好ましい。より好ましくは、前記モル比は、最大でも1.90、1.80、1.75、1.70、または1.65である。
(出発アルデヒドまたはケトンと比較して)過剰モルのα−ハロ酸のエステルが、公知の方法と比較して低減され得ることが本発明による縮合工程の利点である。これは、上に詳述したように、本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物と出発アルデヒドまたはケトンとの間の低いモル比と組み合わせられ得る(好ましくは組み合わせられる)ため、特に有利である。好ましくは、α−ハロ酸のエステルと出発アルデヒドまたはケトンとのモル比は、1.00〜2.00の間にある。より好ましくは、前記比率は、少なくとも1.05、1.10、または1.15であり、最大でも1.90、1.80、または1.70である。
(出発アルデヒドまたはケトンと比較して)過剰モルのアルカリ金属アルコキシドなどの塩基が、公知の方法と比較して低減され得ることが本発明による縮合工程の他の利点である。これは、上に詳述したように、本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物と出発アルデヒドまたはケトンとの低いモル比と組み合わせられ得る(好ましくは組み合わせられる)ため、特に有利である。さらにより有利なのは、上に詳述したような範囲にしたがって、少量のアルカリ金属アルコキシドと少量のα−ハロ酸のエステルとをまた組み合わせるという好ましい実施形態である。好ましくは、アルカリ金属アルコキシドと出発アルデヒドまたはケトンとの間のモル比は、1.00〜2.00の間にある。より好ましくは、前記比率は、少なくとも1.05、1.10、または1.15であり、最大でも1.90、1.80、または1.70である。
本発明による縮合工程は、一般的には大気圧で行うことができ、通常、減圧または加圧下で操作する理由はないが、存在する化合物のうちの1種の特性が当業者の知識にしたがってこれを必要とする場合、これは確実に可能である。さらに、本発明による縮合工程を−20℃〜+10℃の間にある温度範囲で行うことがしばしば有益であることが分かったが、それはこの範囲において選択性および収率の両方が良好であるためである。この範囲内では、エポキシ化合物、特にグリシド酸エステル形成に対する選択性が、温度の低下とともに向上する傾向にある。より好ましくは、前記温度範囲は、−15℃〜+5℃である。
本発明による縮合工程では、米国特許第2,987,550号明細書またはCN1348947号明細書の方法などの公知の方法における希釈剤または溶媒として指定される化合物が、わずかな限られた量、すなわち、本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物の量と比較して50重量%未満、40、30、またはさらに10%未満で存在することが好ましい。公知の方法による前記化合物が実質的に存在しないことがより好ましい。
実際に、および本発明にしたがって好ましくは、縮合工程の後に鹸化工程が続く。原理自体が公知である鹸化工程では、縮合工程で形成されるグリシド酸エステルなどのエポキシ化合物が鹸化される。前記鹸化は、例えば、グリシド酸エステルを水酸化ナトリウムと接触させることによって公知の方法で行うことができ、ここで、前記水酸化ナトリウムは一般的に無水であり、多くの場合メタノールなどのアルコールに溶解される。本発明による好ましい実施形態によれば、鹸化工程は、式(V)で表されるグリシド酸エステルについて行われる。
実際におよびまた本発明にしたがって好ましくは、鹸化工程の後に加水分解工程が続く。この工程では、鹸化されたエポキシ化合物(例えば、鹸化されたグリシド酸エステル)が水相と接触され、これにより鹸化されたエポキシ化合物またはグリシド酸エステルの脱カルボキシル化が引き起こされ、それによって、アルデヒドまたはケトンが形成される。本発明による好ましい実施形態によれば、加水分解工程は、鹸化工程で鹸化される式(V)で表されるグリシド酸エステルについて行われ、その際、得られるアルデヒドは、式(I)で表されるC14アルデヒドである。
加水分解工程が完了すると、水、形成されるアルデヒドまたはケトン、およびまた本発明にしたがって選択される双極性非プロトン性化合物を含む水性系が存在する。形成されるアルデヒドまたはケトンは、当業者に公知の方法で回収され得る。かかる方法の一例は、水性系が抽出剤と接触される抽出工程であり、前記抽出剤は、限定的にまたは実質的に水と非混和性であり、アルデヒドまたはケトンが抽出剤中に優先的に入り込むように選択される。抽出剤の例は、ヘキサンなどのアルカンである。
本発明は、以下の実施例によって例示されるが、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
β−イオノン(212.7g、純度97%、1.07モル)、クロロ酢酸メチル(146.4g、1.35モル)およびNMP(75g、0.76モル)を攪拌反応器に入れ、0℃に冷却した。次いでナトリウムメチレート(87.6g、1.62モル)を添加し、対応するグリシド酸エステルへの反応を引き起こした。ナトリウムメチレートを加えた後、反応器の内容物を20℃にして、その温度で20分間保持した。この実施例では、NMP対β−イオノンのモル比が0.71であり、クロロ酢酸メチル対β−イオノンのモル比が1.23であり、ナトリウムメチレート対β−イオノンのモル比が1.51であった。
グリシド酸エステルの形成に続いて、鹸化が、水酸化ナトリウムを加えることによって行われ、ここで温度が35℃に上がった。次いで、反応混合物を第2の攪拌槽に移し、前記第2の攪拌槽において、C14アルデヒドへの加水分解反応を、水を加えることによって行った。次いで、ヘキサンを、攪拌しながら反応混合物に加えた。これにより、水性混合物からヘキサン相内へとC14アルデヒドが抽出される。ヘキサン相を水相から分離し、いくらかの水性酢酸を加えることによって酸性化した。次いで、C14アルデヒドを、ヘキサンを減圧下で蒸発させた後、蒸留することによって単離した。全部で205.6gのC14アルデヒドを回収した。これは、(原料β−イオノンから算出して)収率89.4%に相当する。
[実施例2〜5]
加えるNMPの量のみを変えて、実施例1の手順を繰り返した。結果を以下の表に示す。
Figure 2009512630
[実施例6〜10]
実施例1の手順を繰り返したが、ただし、NMPの代わりに、DMPUを様々な量で加えた。結果を以下の表に示す。
Figure 2009512630
[実施例11〜15]
実施例1の手順を繰り返したが、ただし、NMPの代わりに、TMUを様々な量で加えた。結果を以下の表に示す。
Figure 2009512630

Claims (12)

  1. 出発アルデヒドまたはケトンをα−ハロ酸のエステルと反応させてエポキシ化合物を形成する縮合工程を含む方法であって、
    それによって、前記反応は、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチル亜リン酸トリアミド(HMPT)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、および下式:
    Figure 2009512630

    (式中、R、R、RおよびRが、それぞれ独立してHまたはC〜Cアルキル基であってもよく、それによって、RおよびRが、一緒になって複素環基を形成してもよい)
    の尿素誘導体からなる群から選択される双極性非プロトン性化合物の存在下で行われる方法。
  2. 前記縮合工程が塩基の存在下で行われる請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩基がアルカリ金属アルコキシドである請求項2に記載の方法。
  4. 前記エポキシ化合物がグリシド酸エステルであり、前記方法が、前記グリシド酸エステルが鹸化される鹸化工程と、前記鹸化されたグリシド酸エステルが脱カルボキシル化されてアルデヒドが形成される加水分解工程とをさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記縮合工程のための原料がβ−イオノンを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記縮合工程のための原料が、β−イオノン、クロロ酢酸メチル、ナトリウムメチレートおよび1−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含み、それによって、前記加水分解工程において、C14アルデヒド2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテナールが形成される請求項4に記載の方法。
  7. 前記縮合工程のための原料が、ベンズアルデヒドおよび/またはアセトフェノンを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記双極性非プロトン性化合物と前記出発アルデヒドまたはケトンとの間の、前記縮合工程におけるモル比が、0.05〜2の間にある請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. α−ハロ酸のエステルと前記出発アルデヒドまたはケトンとの間の、前記縮合工程におけるモル比が、1.0〜2.0の間にある請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記アルカリ金属アルコキシドと前記出発アルデヒドまたはケトンとの間の、前記縮合工程におけるモル比が、1.0〜2.0の間にある請求項3〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記双極性非プロトン性化合物が、式(III)で表され、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)または1,1,3,3−テトラメチル尿素(TMU)である請求項1に記載の方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法を含むことを特徴とする、ビタミンAまたはビタミンAのエステルの調製方法。
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