JP2009511862A - 反応性表面、基質および同表面、基質の製造および使用方法 - Google Patents

反応性表面、基質および同表面、基質の製造および使用方法 Download PDF

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Abstract

反応性表面、基質およびかかる基質および表面を製造および使用する方法が提供される。基質および表面は、単一分子分析などの異なった適用において使用するために好ましくは、ほかの場合なら非反応性の表面上に低密度反応性基を提供する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年9月30日に出願されたロイトマン(Roitman)らの米国特許出願第11/240,662号明細書、「反応性表面、基質および同表面、基質の製造および使用方法」に対する優先権および利点を請求する。この先行出願は、あらゆる目的のために参照によって組み入れられる。
(連邦政府により支援された研究に関する記載)
適用可能でない
「神は固体状態を創った。神はその表面を悪魔に委ねた」−エンリコ・フェルミ(Enrico Fermi)
この考えは材料科学者には耳慣れないものではない。表面の特性およびその環境とのその相互作用に関して、理解またはその欠如は歴史的な発見、および歴史的な失敗の中心であった。この問題は、工学、化学または生物学の分野であれ、ナノ材料技術、地球外探査、半導体工学、バイオテクノロジー製造または薬剤管理および供給に焦点を合わせられるのであれ、ほとんど全ての技術的な試みに広がっている。材料のバルク性質は1つの問題点、すなわち、その材料が無くなる箇所を生じることを理解しながら、その材料の表面の性質を理解および/または扱わなければならず、その表面がその環境とどのように相互作用するのかは、まったく異なったものである。
米国特許第5,153,854号明細書 米国特許第5,405,783号明細書 米国特許第6,261,776号明細書 米国特許出願公開第2003/0044781号明細書 米国特許第6,917,726号明細書 米国特許出願第11/201,768号明細書 リン(Lin)ら著、J.Am.Chem.Soc.(2005年)、127:2686〜95ページ デヴェラジ(Deveraj)ら著、JACS 2005年、127:8600〜8601ページ ルマーストーファー(Lummerstorfer)ら著、J.Phys.Chem.B(2004年)108:3963〜3966ページ コールマン(Collman)ら著、ラングミュア(Langmuir)(2004年)20:1051〜1053ページ ギリア(Guillier)ら著、Linkers and Cleavage Strategies in Solid Phase Organic Synthesis and Combinatorial Chemistry,Chem.Rev.100:2091〜2157ページ(2000年) ホン(Hong)ら著、(2003)ラングミュア(Langmuir)2357〜2365 G.T.ハーマンソン(G.T.Hermanson)著、Bioconjugate Techniques(アカデミック・プレス(Academic Press)1996年
本発明は、望ましくない分子の過度の結合を防ぎながら、とりわけ、望ましい分子に選択的に結合するキャパシティおよび能力など、様々な異なった必要性を満たすように選択および/または構成される材料および/またはそれらの表面に関し、その他の有利な特性は、以下の開示内容を読めば明白であろう。
本発明は一般に、様々な異なった有用な適用において有用である、改質された表面を有する基質、ならびにこのような基質を製造する方法およびこれらの基質の使用および適用に関する。特に、本発明の基質は、その表面上に配置された反応性基を選択された密度で、好ましくは、このような反応性基を選択された低い密度で有する表面を有する。
第1の態様において、本発明は、第1の反応性部分が結合された表面を含む基質を提供する。本発明のこの態様によって、反応性部分は、50,000nm当たり約1の反応性部分〜100nm当たり1の反応性部分の間の密度において表面に結合されてもよい。同様に、本発明はまた、反応性部分が結合された表面を含む装置を提供し、反応性部分は、100nm当たり1未満の反応性部分の密度において表面に結合される。
関連して、本発明はまた、少なくとも第1の観察領域が設けられた基質を含むデバイスを提供し、観察領域は、約100nm〜50000nmの領域を有する。本発明のこれらの態様によって、基質は、観察領域内の表面に結合された1〜3の反応性部分を含有する。
本発明はまた、第1の反応性表面を有する基質を提供する工程と、次に第1および第2の表面改質剤の混合物を提供する工程であって、第1および第2の表面改質剤が各々、反応性表面に結合可能であると共に、第1および第2の表面改質剤が第2の比において反応性表面に結合するように選択された第1の比において混合物中に存在する工程とによって、本発明の基質およびデバイスを製造する方法を提供する。次に、反応性表面を混合物と接触させ、第1および第2の改質剤が第2の比において表面に結合された、改質された表面を製造する。
関連して、改質される表面を提供する工程と、改質される表面を表面改質組成物と接触させる工程とを含む、改質された表面を作製する方法もまた提供される。本発明のこの態様において、表面改質組成物が、所望の反応性部分に結合される第1の表面改質剤と、所望の反応性部分に結合されない第2の表面改質剤とを含む。第1の表面改質剤および第2の表面改質剤が、改質された表面を製造する比において表面改質組成物中に存在し、反応性部分が、50,000nm当たり約1の反応性部分〜100nm当たり1の反応性部分の間の密度において改質された表面上に存在する。
さらに別の態様において、本発明は、表面に実質的に均一に結合する組成物で表面を処理する工程であって、組成物が、反応性部分を含有しない第1の成分と反応性部分を含む第2の成分とを含み、第2の成分が、反応性部分を所望の密度において表面上に提供するように第1の成分に対する濃度において組成物中に存在する工程を含む、反応性部分の所望の密度をその上に提供するように表面を構成する方法を提供する。
〔図面の簡単な説明〕
反応性表面、基質および同反応性表面、基質の製造および使用方法
図1は低密度の反応性基をその上に有する表面の略図である。
図2は比較的低密度の反応性基をその上に提供するための層状、または多層機能化を有する基質の略図である。
図3は本発明の表面を製造するための1つの典型的なプロセスを図解的に示す。
図4は本発明の低密度反応性表面を製造するための別の典型的なプロセスを図解的に示す。
図5は選択的局在反応性基を提供する本発明の表面を製造するための立体障害に基づくプロセスの実施例を図解的に示す。
図6は比較的低密度の反応性表面を生じるために、2つの異なって官能化された誘導体化基が、その上に配置された表面の略図である。
図7はほかの場合なら非反応性の基の表面に混じった様々な濃度の反応性基の表面上の水接触角のプロットである。
本発明は一般に、材料およびそれらの表面を目的とし、以降、一般に基質と称され、そこで表面は、様々な適用のための望ましい性質を有するように選択および構成されている。また、本発明は、このような表面を製造するための方法およびプロセス、ならびに多数の異なった適用においてこのような表面を用いるための方法およびプロセスを目的とする。
本発明に関して特に重要であるのは、例えば、その上に分子結合部分を選択的に含有することによって選択的な分子結合またはカップリング特性を有する基質および表面であり、選択的な方法で所望の分子を表面に選択的に結合するためにこのような表面を用いることである。さらにより重要であるのは、予備操作および/または分析操作においてなど、化学的および/または生化学的プロセスにおいて使用するために化学的および/または生物学的活性分子に選択的に結合される時にこのような表面を用いることである。
次の開示内容から明らかであるように、本発明は広い適用可能性を有するが、1つの特に好ましい実施例において、低密度の反応性基を有する表面は、観察されているおよび/またはモニタされている領域内に単一反応性基、好ましいケースにおいて核酸ポリメラーゼなどの酵素を含有し、その単一酵素によって触媒された反応、例えば、DNA合成のリアルタイムの理解を観察者にもたらす。このようなシステムは、核酸の鋳型による分析、または配列決定において特に有用である。
I.基質および表面
A.概説
上に言及したように、表面が分子レベルでそれらの周囲と相互作用する能力および/または傾向は、化学および生物科学およびそれらの科学を利用する産業において特に重要である。例えば、表面上に存在する反応性基の操作のこれまでの試みは主に、一方の極端または他の極端に焦点が合わせられている。特に、特定の表面に結合した分子の密度を、その表面上の反応性基の数を最大にすることによって、例えば、高密度結合によって最大にすることから多数の適用が恩恵を受ける。他の適用において、所望の目標は、表面とそれらの表面に暴露された材料との間の、実質的に全ての結合または吸着などの他のカップリング相互作用を取り除き、表面上の反応性基をキャップするかあるいは他の方法でマスクすることによって、与えられた適用のために不活性表面を作り出すことであった。
例えば、生物学的反応性表面の場合、DNA配列技術は、例えば、与えられた領域内の同数の活性ポリヌクレオチドプローブを結合し、このようなプローブを用いて混成反応から発生された信号を最大にすることに焦点を合わせている。同じく、例えば、抗体を使用する親和表面は、感度を改良するために表面上の結合基の密度を増加させることに同様に焦点を合わせている。あるいは、多数の他の適用において、これまでの試みは、表面の結合作用を有効に中和して化学的または生化学的環境との表面の相互作用を最小にするかまたは除くことに向けられている。例えば、特に細管電気泳動技術など、マイクロフルイディクスの分野は、それらの表面との一切の分子会合を避けるために溶融シリカ細管の一切の官能基をマスクすることが意図される、研究者が認識するコーティング材料または他の表面処理の実施例が豊富である。
しかしながら、本発明は、所定の表面上の反応性化学基を最大にすることも、完全に除くことも意図しない表面を目的としている。代わりに、本発明は、表面上の選択された比較的低密度の反応性基を有する表面を提供すること、および多数の有益な適用においてのこのような表面の使用を目的としている。理解されるように、反応性基の性質は、別の基と共有結合することができる基を意味せず、または必要としないが、疎水性/親水性相互作用、ファンデルワールス(Van der Waals)相互作用等などの相互作用の他の形を生じる基を包含する。それ故に、表面の反応性は、一般に本明細書において記載されたように、とりわけ、共有結合および非共有結合による会合、例えば、吸着を包含する。
考察を簡単にするために、基質および表面は一般に、平面固体基質の点から本明細書において記載されるが、本発明の方法、プロセス、表面等は、本発明の反応性表面の性質が有用でありうる様々な異なった基質のタイプに適用可能であることは理解されよう。特に、このような表面は、シリカベースの基質(すなわち、ガラス、石英、溶融シリカ、ケイ素等)などの無機材料、他の半導体材料(すなわち、III−V族、II−VI族またはIV族半導体)、ならびにポリマー材料(すなわち、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、セルロース、アガロース、または反応性媒体のための支持体として通常に用いられる様々な有機支持材料のいずれか)などの有機材料などの平面固体表面を含んでもよい。基質として有用な様々な材料に加えて、このような材料は、マイクロ粒子、すなわち、ビーズ、ナノ粒子、すなわち、ナノ結晶、ファイバー、マイクロファイバー、ナノファイバー、ナノワイヤー、ナノチューブ、マット、平面シート、平面ウエハまたはスライド、多井戸プレートの他、付加的な構造物を含む光学スライド、細管、マイクロ流体チャネル等の様々な物理的構成において提供されてもよいことは理解されよう。
操作において、本発明の表面のこの選択的なおよび限られた反応性は、表面上のどこかの目的の分子および/または他の潜在的干渉分子の結合を防ぎながら、限られた方法で、特定の所望の目的の分子または分子のタイプ、典型的に目的の選択された反応性分子、例えば、特定の酵素、核酸等を表面上に提供することを目的としている。好ましい適用のために、所望の結果は、ほかの場合なら非反応性の表面によって囲まれた選択された反応性分子の比較的低密度を含有する表面である。目的の分子または分子のタイプの点から考察されたが、例えば、目的の2、3、4つ以上の異なった分子または分子のタイプなど、混合官能価の表面もまた、本発明の範囲に包含されることは理解されよう。
従って、本明細書中で用いられるとき、用語「反応性」および「非反応性」は本発明の基質表面上の異なった基を指すとき、(1)このような表面成分と与えられた目的の分子との相対的な反応性または会合を指し、好ましくはまた、(2)このような表面の所定の適用においてこのような表面成分と他の試薬(検出を妨げる場合がある標識反応体およびまたは生成物など、このような試薬はこのような適用を妨げることがある)、ならびに表面または他の箇所の反応性部分の目的の反応の進行を妨げる抑制剤または他の薬剤との相対的な反応性または会合を指す。
このような反応性の第1の態様を用いて、表面上の反応性部分または基は典型的に、非反応性表面よりも目的の分子に対して10倍大きい親和性、好ましくは100倍超の親和性、より好ましくは目的の分子に対して少なくとも1000倍大きい親和性を有する。それ故に、目的の分子と反応性表面との間の会合のレベルは同様な条件下で非反応性表面の場合よりも実質的に大きく、例えば、10倍超、100倍超、好ましくは1000倍超であることは理解されよう。このようなより大きな会合には、個々の会合のより大きな頻度および/またはより大きな存続時間を含める。
表面の反応性または非反応性の第2の態様の観点からいえば、多くの場合、このような反応性は第1の態様と一致している。特に、酵素が表面の反応性部分を構成する場合、それは一般にその基質に対する高い親和性を有し、従って、例えば、上に記載されたように、非反応性部分よりもずっと大きなレベルでこのような基質と会合する。しかしながら、いくつかの場合、表面の「反応性」部分は、特定の潜在的干渉分子と会合する能力を備えなくてもよい。このような場合、吸着および非吸着という用語もまた、用いてもよい。それにもかかわらず、このような干渉分子が表面の残部と会合しないようにすることが望ましい。それ故に、非反応性表面は、このような干渉成分とのその反応性の点から定義されてもよい。
多くの適用について望ましくない干渉の主要原因は、所望の反応性部分においてではなく試薬と表面の非反応性部分との非特異的相互作用にあるので、このような場合、非反応性表面は非反応性基と特定の干渉分子との間の会合平衡定数が反応性表面と反応性分子との会合平衡定数より好ましくは10倍低く、好ましくは100倍(以上)低いことを一般に特徴とする場合がある。また、非反応性表面の会合反応は低い活性化バリアを特徴とし、その結果、相当する解離反応の速度論は速いことが予想され、平均結合時間は好ましくは、適用の測定プロセスの相当な時間尺度より少なくとも10倍小さく、好ましくは100倍以上小さい。
理解されるように、このような非反応性および反応性表面の特性は典型的に、例えば、pH、塩の濃度等の環境的特性を含めて、表面が置かれる特定の適用に依存する。特に好ましい態様において、環境条件には典型的に、生化学系の環境条件、例えば、約2〜約9のpH、および生化学的に妥当なイオン強度の塩レベル、例えば、約0mM〜100mMが挙げられる。
図1は、ブロック線図の形の本発明の表面の簡略図を示す。示されるように、基質100は表面102を備える。本明細書中の他の箇所に記載したように、表面102を場合により誘導体化して全活性表面104を提供する。以下に記載したように、場合により、基質は本質的に、全反応性表面を有することができる。次に、反応性表面104を処理して、比較的低い密度において反応性表面104に結合された反応性基106を含有する表面を提供する。以下に記載したように、これらの反応性部分は好ましくは、ほかの場合なら中性または非反応性の表面108上または中に配置される。特に好ましい態様において、反応性基106は、同じく図1に示されるように、付加的な反応性基、例えば、酵素110等の触媒成分を含有するか、または含有するようにさらに処理されてもよい。
本発明の表面の1つの重要な利点は、比較的単離した反応性基を提供することである。反応性基の単離により、隣接した反応性基からの干渉を伴わずに特定の反応性を機能させるおよび/またはモニタすることができる。これは、単一分子反応に基づいた分析を行なう時に特に重要であり、そこでは例えば、反応性分子の間で光学的に識別する(光学的単離)、異なった反応性分子においての反応の間で電気化学的に識別することができる(電気化学的単離)ように、または1つの位置の1つの反応からの化学的汚染が隣接した位置の反応に影響を与えることがある(化学的単離)場合、検出分解能は単離を必要とする。
本発明の表面のさらに別の利点は、不活性である表面の残部が潜在的干渉分子、例えば、螢光性分析物または生成物と結合することができることである。特に、少数の選択された分子の結合は一連の適用のために望ましいが、表面の残部の制御されないまたは非特異的結合はしばしば非常に望ましくない。所望の反応性を有する部分をそれ自体含むか、またはいくつかの場合、所望の反応性を有する別の分子と反応させられる、所望の反応性基を選択された比較的低密度において提供することによって、表面の残部を必要に応じて選択的に処理してそれを望ましくない結合に対して有効に中性にすることができ、従って表面上の他の箇所のこのような望ましくない結合を実質的に低減するかまたは除くことができる。本発明の好ましい態様によって、このような望ましくない表面相互作用を低減するために、選択された反応性基を提供することと表面の残部の上に非反応性基を提供することとの両方が同じ工程段階において行なわれる。
B.密度
本発明によって、表面上の選択された所望の反応性部分または化学基の低密度が特定の適用において、例えば、単一分子分析において使用するために比較的大きな領域内に、その領域の残部は実質的に非反応性のまま、単一反応性部分を提供するように設計される。典型的に、これは、当該の表面積の残部の上にほかの場合なら存在する一切の反応性基がキャップ、マスクされるか、あるいは他の方法で非反応性にされることを意味する。それ故に、低密度の反応性基が典型的に、表面積の1/1×10nm超、約1/100nm未満の反応性基の密度において基質表面上に存在する。より好ましい態様において、表面上の反応性基の密度は1/100,000nm超、1/50,000nm超、1/20,000nm超および1/10,000nm超であり、約1/100nm未満、1/1000nm未満、および1/10,000nm未満である。特定の好ましい適用について、密度はしばしば約1/2500nm〜約1/300nmの間であり、いくつかの場合、約1/150nmまでである。
C.観察領域
特に好ましい態様において、本発明は、モニタリングまたは観察を受ける領域(「観察領域」)内に1個、2個、3個または少数の反応性基が存在するような密度において表面上に反応性基を提供する。観察領域内に個々のまたは少数の反応性基を提供することによって、個々の特異的反応性基とのまたはそれによって触媒された反応を特異的にモニタすることができる。このような観察領域は、例えば、モニタリングを行なっている検出システム、例えば、反応、例えば蛍光性(fluorescent)、蛍光発生性(fluorogenic)、発光性、発色性または発色団反応体を製造、消費またはそれらに結合する反応をインテロゲートする(interrogate)ために基質表面上に向けられたレーザースポットサイズ、または光学モニタリングシステムの光ファイバーのファイバー先端領域、化学電界効果トランジスタ(ChemFET)センサーのゲート領域等によって決定されてもよく、またはそれらは、例えば、観察領域をさらに画定および表現する構造閉じ込めまたは光閉じ込めの使用によって別々に画定されてもよい。
特に好ましい観察領域の1つの例は、ゼロモード導波路(ZMW)などの光閉じ込めを備える。ゼロモード導波路、ならびに単一分子分析においてのそれらの使用は、米国特許第6,917,726号明細書(その内容を参照によって全ての目的のためにその全体において本願明細書に組み入れるものとする)においてかなり詳細に記載されている。このようなZMWは、極度に小さい、例えば、ゼプトリットルのオーダーである観察体積を提供することができるので、単一分子分析において使用するために利用されている。このような場合、観察領域は一般に、観察体積の断面積、特に、当該の表面を横断する観察体積のその部分を含める。
好ましい態様において、本発明は、導波路の下部表面上に1つまたはごく少数の反応性基を提供する。このような場合、密度は、反応性基の数を導波路の下部表面の表面積によって割った値によって測定される。従って、純粋に例示目的のために、円形導波路が10nmの半径を有し、その下部表面上に固定化された単一反応性分子を有する場合、反応性基の密度は約1/314nmである。従って、ゼロモード導波路または他の観察領域を用いて、および例示目的のために、約10〜約100nmの半径を有する領域、または314nm〜約31,416nmの領域それぞれに、1、2、3または10個までの反応性分子の密度において存在する反応性分子(すなわち、より大きな領域により多数の分子)はここにに記載された密度によって包含されることは理解されよう。好ましい態様において、観察領域につき1、2または3個の分子が一般に好ましい。
多くの場合、ZMWは10、100、1000、10,000以上の導波路のアレイにおいて提供される。それ故に、各々および全てのZMW内に単一反応性基、例えば、酵素を固定化することは難しい。しかしながら、希釈ベースのプロトコルは、酵素によって占有されていないいくつかのZMWを生じるが、本発明の表面と組みあわされるとき、一般に、その中に配置された1つだけまたはほかの場合なら所望の数の酵素を有する大部分の占有ZMW(その中に固定化された少なくとも1つの酵素分子を有するZMW)をもたらす。特に、その中に配置された酵素のような反応性分子を有するZMWの場合、典型的に、占有ZMWの50%超が、その中に配置された単一または所望の数の反応性分子、例えば、特定のタイプの酵素分子を有し、好ましくは、占有ZMWの75%超、より好ましくは約90%超およびさらに95%超が、その中に配置された所望の数の反応性分子を有し、それは特に好ましい態様において、与えられたタイプの1、2、3または10個までの反応性分子であってもよい。他の箇所に記載したように、いくつかの状況において、また、異なった反応性分子を所望の密度において提供して混合官能価の表面を提供してもよい。本発明によって、参照される反応性基のタイプ、例えば、触媒または結合に応じて、単一占有ZMW上、またはアレイの多数のZMW上の密度の決定が行なわれてもよいことは理解されよう。
D.特定の反応性基
本発明の表面上に存在する反応性基または部分は、外からの添加によって材料または基質の表面に結合されるかまたはこのような表面上に本来存在している、化学活性および/または生物活性を有する広範囲の異なったタイプの反応性基を含有する。これらの反応性基は、他の化学基に対する結合活性、例えば、特異的または非特異的相互作用によって、共有結合、ファンデルワールス力、疎水性相互作用等によって別の化学的部分を結合する能力を有する表面上の基を包含する。表面上に広範囲の反応性基を提供することは本技術分野において容易に理解されるが、例えば、イオン性官能基、多イオン基、エポキシド、アミド、チオール、疎水性基、例えば、脂肪族基、単環式または多環式基等、例えば、逆相および/または疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)において一般に用いられる場合、スタウディンガーligation基(例えば、リン(Lin)ら著、J.Am.Chem.Soc.(2005年)、127:2686〜95ページを参照のこと)、化学選択的アジド−アセチレン結合を用いるクリックケミストリーカップリング(デヴェラジ(Deveraj)ら著、JACS 2005年、127:8600〜8601ページ;ルマーストーファー(Lummerstorfer)ら著、J.Phys.Chem.B(2004年)108:3963〜3966ページ、およびコールマン(Collman)ら著、ラングミュア(Langmuir)(2004年)20:1051〜1053ページ(その内容の各々を参照によって全ての目的のためにその全体において本願明細書に組み入れるものとする)を参照のこと)および非特異的に他の基と会合するかまたは結合されうるその他の基などがある。さらに、表面上の特異的結合基、例えば、相補的結合パートナーを特異的に認識する基、例えば、相補的核酸対、抗体−エピトープ対、特異的高分子構造、例えば、タンパク質の認識配列を認識する結合ペプチド、ペプチドまたは核酸、レクチン、キレーター、ビオチン−アビジン結合等の使用が記載されている。
反応性基の数および/または密度の同定は一般に、リポーター分子を用いて確認されてもよく、それは多くの場合、反応性基自体であってもよい。特に、例として、その酵素の活性の検定によって表面積に結合された酵素分子の数を確認することができる。同じく、他の反応性基が他の方法、例えば、標識基の滴定、カップリング等によって定量化されてもよい。
本明細書中で用いられるとき、反応性基および非反応性基の両方とも、表面がそこで適用されると共に反応性、または非反応性が明らかである環境を想定する。理解されるように、異なった基が特定の環境において反応性であり他の環境において非反応性であってもよく、本発明は、一般に実施されるとき、広範囲の異なった環境においての適用可能性を想定する。考察を簡単にするために、好ましい態様において、本発明の表面は非常にしばしば、生物学的または生化学的反応において適用され、そのままで適切な環境下におかれる。このような環境には典型的に、約2〜約9、好ましくは約5〜約8のpHの範囲である生化学的に妥当なイオン強度を有する水性系があるが、それは、実施される反応に応じて変化してもよい。
特定の好ましい態様において、反応性化学基にはまた、触媒活性を有する基、例えば、結合以外によって別の部分と相互作用してその部分を変える能力、すなわち、酵素活性、触媒電荷移動活性等を有する基がある。特に好ましい態様において、本発明の活性化学基には、化学的結合基、場合によりおよびさらに、触媒基があり、そこで結合基を用いて、本発明によって触媒基を所定の表面に結合する。例えば、酵素または他の触媒基が表面に中間結合基またはリンカー基を介して結合されてもよく、そして次に、それは、所望の密度において表面材料上に配置されている反応性基に直接に結合される。
多数の異なった反応性基が本発明によって用いられてもよく、ある程度、用いられる表面に依存することがあり、および反応性基が低密度の一般的または非特異的結合または会合機能、低密度の特異的結合機能、または低密度触媒機能を提供することが意図されるかどうかに依存することがある。
例えば、シリカベースの表面、例えば、ガラス、石英、溶融シリカ、ケイ素等については、反応性基は、例えばエポキシシラン、アミノシラン、活性化カルボン酸シラン、イソシアナトシラン、アルデヒドシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ヒドロキシ末端シラン、アクリレートシラン等を用いて、表面のシラン処理によって提供されてもよい。このような処理は、例えば、低密度の非特異的会合基の点からみて反応性基を生じることができ、またはそれらは、最終反応性基として特異的結合基または触媒基をもたらすかまたはさらに処理されて提供することができる。あるいはまたはさらに、他の無機または有機反応性基が表面上に提供されてもよい。シリカベースの基質のような無機表面の場合、このような付加的な材料は、例えば、シラン化学を用いて、すなわち、上に記載されたように、中間化学結合を介して表面に結合されてもよい。これらの付加的な材料には、小分子、例えば、イオン性基、金属イオン、小さな有機基、ならびにより大きなまたはポリマー/オリゴマー分子、例えば、有機ポリマーなどが挙げられる。考察を簡単にするために、同様な化学構造の多数のサブユニットを含有する分子を指すためにポリマーおよびオリゴマーは本明細書において交換可能に用いられる。
特に好ましい態様において、より長いリンカー分子、および好ましくは有機リンカー分子を用いて反応性基を表面に連結して、例えば、表面と反応性基との間により大きな空間を提供することによってさらなる柔軟性を結合全体に提供してもよい。特に、所望の反応性基を一方の端に有するポリマーまたはオリゴマー鎖は、ガラスの表面の場合、例えば、シラン結合を介して他方の端において表面に連結されてもよい。ポリマーリンカーの異なったタイプおよび長さを選択することによって、表面の性質、例えば、異なった基/領域の相対的な疎水性、表面に対する相対的な距離、全体または局部表面電荷等をさらに調節することができる。有用なポリマーリンカーの例には、例えば、セルロースポリマー(ヒドロキシエチル−セルロース、ヒドロキシプロピル−セルロース等)、アルカンまたはアケニルリンカー、ポリアルコール(ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)など)、アクリルポリマー(ポリアクリルアミド、ポリアクリレート等)、ポリエチレンポリマー(ポリエチレンオキシドなど)、バイオポリマー(ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン等のようなポリアミノ酸など)、他の炭水化物ポリマー(キサンタン、アルギナート、デキストランなど)、合成ポリアニオンまたはポリカチオン(ポリアクリル酸、カルボキシル末端デンドリマー、ポリエチレンイミン等)などがある。また、用いられたリンカーのタイプに応じて、リンカーは、それに結合した所望の反応性基をさらに含有してもよい。
反応性基の、表面への適用の点から一般に記載されるが、活性基が所望の反応性基に対して不活性またはそれほど反応性でない前駆物質として表面に適用され、次いで活性化されて所望の反応性基を生じることができることは理解されよう。特に、反応性基は、目的の反応性部分をブロックする、例えば、光分解性キャッピング基、温度感受性キャッピング基または酸または塩基不安定キャッピング基を有する光、熱的または化学的に活性化可能な前駆基として提供されてもよい。次に、その基を例えば、光、熱的または化学的処理を用いて選択的に活性化して所望の表面を生じてもよい。様々なこのような基は本技術分野に公知であり、例えば、ギリア(Guillier)ら著、Linkers and Cleavage Strategies in Solid Phase Organic Synthesis and Combinatorial Chemistry,Chem.Rev.100:2091〜2157ページ(2000年)に記載されている。
上に指摘したように、表面上の反応性基は、前述の特異的または非特異的結合部分から成ってもよく、または表面に直接に、上述の特異的または非特異的結合または会合基を介して、そして次にそれらは表面に直接にまたは間接的に結合されるか、または表面に結合された付加的な特異的または非特異的結合基を介してのいずれかで表面に結合される触媒基を含めてもよい。触媒基は、触媒化学物質、例えば、ニッケル、亜鉛、チタン、二酸化チタン、白金、金等の触媒金属または金属含有化合物を含めてもよい。しかしながら、好ましい態様において、本発明の表面上に所望の低密度において存在する触媒基は、例えば、核酸、核酸類似体、生物学的結合化合物、例えば、ペプチドまたはタンパク質、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン等、および酵素などの生物活性分子を含む。核酸または核酸類似体の場合、このような表面は、例えば、目的の核酸セグメントのための核酸の混合物をインテロゲートするための様々な特異的結合検定において有用である(例えば、米国特許第5,153,854号明細書、米国特許第5,405,783号明細書、および米国特許第6,261,776号明細書を参照のこと)。同じく、結合タンパク質およびペプチドはしばしば、目的の所定の分子の存在または不在について生物学的試料をインテロゲートするのに有用である。典型的にこのようなタンパク質またはペプチドは、抗体またはこのような抗体のそれらの結合フラグメントまたは結合エピトープに取り入れられる。特に好ましい態様において、触媒基を有する本発明の表面は、目的の酵素を含み、その酵素活性をモニタするために用いられる。多種多様な酵素が定期的にモニタされ、生物学的、生化学的および製薬研究および診断において検出される。好ましい酵素の例には、ポリメラーゼ、例えば、DNAおよびRNAポリメラーゼ、ヌクレアーゼ(エンドおよびエキソヌクレアーゼ)、リガーゼなどのDNA配列決定適用のような遺伝分析においてモニタされた酵素、およびキナーゼ、ホスファターゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等などの様々な他の製薬上および診断上妥当な反応に関与する酵素などがある。
本発明による表面上の酵素の固定化に関して、本発明の表面のさらに別の利点は、本明細書の他の箇所に示された組合せられた利点から生じる。特に、酵素のような生体分子を、特異的結合を介して選択的に固定化して、表面上の他の箇所のそれらの吸着を排除するとき、表面上に存在する生体分子の活性をより選択的に維持することができるが、吸着が存在するだけで、かなりの集団の不活性またはそれほど活性でない分子を生じた可能性がある。従って、得られた表面、存在する生体分子は、低密度において存在しながら、それにもかかわらず、比較的高い特異的活性、例えば、目的の活性生体分子の数対存在する生体分子の総数)において存在する。
特定の触媒反応性基、例えば、酵素の場合、このような反応性基の密度は、固定化された不活性分子とは対照的に活性分子の密度をさらに想定する。例えば、比較的低密度において表面上に固定化された酵素の場合、このような密度は典型的に、固定化された酵素の特異的活性、例えば、固定化プロセスの効率の分配を包含する。従って、固定化プロセスが50%の生存または活性酵素しか生じない場合、活性およびその他の酵素分子の全密度は一般に、活性分子の密度の2倍である。したがって、このような反応性基の所望の密度を確認するとき、活性分子を堆積させるときに固定化プロセスの相対的な効率を評価することがしばしば望ましい。本明細書中の他の箇所に記載したように、本発明の方法の特定の態様は、表面上に固定化された酵素の非常に高い特異的活性を保持するのに特に有用であり(実施例を参照のこと)、好ましくは、20%超、30%超、より好ましくは、50%超およびさらにより好ましい態様において、75%超、いくつかの場合90%超の特異的活性(活性を有する固定化された酵素の率)を提供する。
本発明の基質上の低密度の所望の反応性基と対照的に、当該の表面の残部が非反応性であることも典型的に好ましい。前に記載したように、このような非反応性は、反応性基と比較した時に目的の分子に対する実質的により低い親和性を有するが、さらに、表面の最終適用を場合によっては妨げる、分子との過度の結合または会合がないのが好ましい。例えば、付加的な触媒基が表面上の所望の反応性基の所望の低密度集団に結合される場合、このような触媒基は特異的にまたは非特異的に表面の残部と実質的に会合しないことが一般に望ましい。同じく、適用において、付加的な化学基が本発明の表面にさらされる場合、残部または非反応性表面がこのような材料との反応を触媒しないかまたは目的の反応性基の反応に対応しない不都合なまたはノイズのある信号をもたらす場合がある材料と結合あるいは他の方法で会合しないことが一般に望ましい。
蛍光性単一分子検定の場合、特に望ましいことの1つは、未反応蛍光性試薬または蛍光性生成物と、目的の反応性基、例えば、酵素以外の表面との過度の(例えば、時間および/または頻度において)非特異的結合または会合または「スティッキング」を避けることであり、このような会合は、時間が経つにつれて誤信号の生成、バックグラウンド信号ノイズおよび信号ノイズ発生につながることがある。一般に、化合物と表面の非反応性部分との非特異的会合が溶液中のこのような化合物の拡散速度に比較できることが望ましい。観察領域または光閉じ込めにおいて観察されている標識化合物の点から言い直すと、化合物と非反応性表面との非特異的会合から生じる信号は典型的に、与えられた分析のための流体の観察領域または体積へのおよびからのこのような化合物のランダム拡散から生じる信号と同じかまたは同様なオーダー、例えば、このような拡散に基づいた信号の100倍未満および好ましくはこのような拡散に基づいた信号の10倍未満(時間および頻度のどちらかまたは両方において)である。場合によっては所望の適用を妨げることがある蛍光性化合物または他の信号発生化合物の点から、このような化合物と非反応性表面との会合から生じた一切の信号(ここで「非特異的信号発生」と称される)は、反応性基によって発生された信号よりも少なくとも10倍低く、好ましくは100倍超少なく、さらにより好ましくは、反応性分子の作用、例えば、所望の酵素活性から生じた信号(「特異的信号発生」)よりも1000超少ないことが一般に望ましい。非特異的信号発生のこのような低減には、頻度または時間のどちらかまたは両方の低減、例えば、信号事象の数の低減またはこのような非特異的信号発生から出る信号の総量の低減などがある。
様々な非反応性基が表面の残部上で用いられてもよく、それはまた、表面がさらされる環境に依存する。しかしながら、一般に、例えば、非反応性アルコールおよびポリオールにおいて、末端ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、環状アルキル基、メトキシ基、ヒドロキシル基の他、不活化カルボキシレート基、酸化エチレン、スルホレン基、親水性アクリルアミド等。
E.層状表面/厚さ
何度も上に記載したように、反応性基は、上に示したように、基質の表面に直接に結合されるか、または所望の反応性基と支持材料の固有または自然表面との間に1つまたは複数の中間分子層を提供する1つまたは複数の中間連結基を介して結合されてもよい。再び述べると、表面の各成分は、反応性であろうと非反応性であろうと、成分の1つまたは複数の層から得られ、所望の得られた表面成分を提供することができる。
例えば、その最も簡単な形において、反応性および非反応性基の両方を基質の自然表面に直接に結合して本発明の低密度反応性表面を生じてもよい。あるいは、連結基の1つまたは複数の層を表面に加えて層状表面を生じてもよく、次に、それに反応性および非反応性基を結合して所望の表面を生じる。これらの場合のどちらにおいても、表面上に反応性および非反応性基を配分するためのプロセスが最終層の堆積において行なわれる。
さらにより複雑な構成において、最終表面層上の反応性および非反応性基の配分は、表面上の以前の層の選択および堆積において行なわれてもよい。言い換えれば、第1の低密度反応性層を用いて後続のまたは所望の低密度反応性層の堆積を実施してもよい。例として、低密度の非特異的結合基を含有する第1の層は、例えば、触媒基が結合基に結合する場合、低密度の触媒基を有する後続層の堆積のための鋳型として用いられてもよい。さらに別の態様において、このような配分は、堆積プロセスをより精密に調整するために、多数の層の上で行なわれてもよい。例えば、結合基および非結合基の混合物を例えば含有する第1の配分された層が、さらなる配分を有する付加的な層の下にあってもよい。また、このような複雑な層は、ほかの場合なら非反応性の表面上に多数の異なったタイプの反応性基、例えば、異なった酵素、異なった核酸、異なった抗体等を含有する本発明による表面を堆積するのに特に有用である。
前述の内容によって、いくつかの場合、表面の固有の性質が反応性または中間基をそれにカップリングするのを可能にすることがあり、多くの場合、表面を、そのままで用いるために、または中間連結基にさらにカップリングするために、最初に誘導体化して反応性基を提供しなければならない。多くの場合、誘導体化プロセスは、所望の反応性基を誘導体化化学物質の成分として提供することによって反応性基のカップリングと同時であってもよい。このような場合において、目的の反応性基を有する誘導体化剤は比較的低密度において表面に結合される。典型的に、および以下により詳細に示されるように、これは、表面を改質するその能力以外に実質的に非反応性である誘導体化剤を用いて適切な比で目的の反応性基を有する誘導体化剤を提供することによって行なわれてもよい。
別の構成において、全表面を前述の反応性基のいずれかを用いて誘導体化して、中間連結基が結合されてもよい反応性表面を提供してもよい。このような場合、中間連結基は、目的の反応性基を有する連結基および非反応性連結基の比において提供されるが、次に反応性表面と接触されて最終表面上に目的の反応性基の所望の密度を提供する。理解されるように、中間反応性基またはカップリング基は、中間基へのその最終基のカップリングのレベルに応じて、所望の最終反応性基が提供される密度よりも高い密度において提供されてもよい。例えば、最終反応性基が10の中間基ごとに1つの結合の率において中間カップリング基に結合することが予想される場合(または計画される場合でも)、このような中間反応性基は10倍高いレベルにおいて存在してもよい。典型的に、このような中間反応性基を用いるとき、それらの密度は、最終反応性基よりも約1〜約1000倍大きく、しばしば約1〜約100倍、いくつかの場合、最終反応性基、例えば、酵素の密度よりも1〜約10倍大きい。
このような「層状」表面の1つの実施例が図2に図解的に示され、それは、付加的な化学物質が結合されてもよい全反応性表面204を提供するために処理または誘導体化される初期または固有表面202を有する基質200を提供する。反応性表面204は、リンカー/スペーサー層206をそれに結合しており、そして次にそれは、末端層208を有する。末端層208は、比較的低密度において末端層208の残部の間に散在された反応性基210を有する。層の数、タイプ、および順序は、本明細書において記載された本発明の様々な態様によって、および所望の最終表面を達成するために変化されてもよい。
II.基質および表面の作製方法
多数の方法を用いて本発明の表面を作製することができる。少なくとも第1の方法において、用いられる本発明の方法は、比または希釈に基づく処理を表面に適用して所望の密度を生じる。特に、簡単な表面改質プロトコルは少なくとも2つの異なった表面改質剤の混合物を使用し、そこで第1の薬剤は、表面にカップリングするための部分のほかに、目的の反応性基を含有し、その結果、表面への第1の薬剤のカップリングはまた、その反応性を維持するように反応性基を提供する。第2の薬剤または希釈剤は、表面に結合するその能力以外に、表面が置かれる適用の環境に対してほかの場合なら非反応性である。
図1および2に示された線図と同様、プロセスの略図が図3に示される。示されるように、基質302上の表面、すなわち、ガラスまたはシリカベースの表面304を例えばシラン化学を用いて初期に誘導体化して全反応性表面304を提供する。次に、反応性表面304を、反応性表面304にカップリングされうる、表面改質剤306および308の混合物で処理する。薬剤の混合物は、目的の反応性基306を有する薬剤の濃度と非反応性基308を提供する薬剤の濃度とを含有する。2つの薬剤は、その表面上の所望の反応性基の密度306において反応性表面304への薬剤の結合をもたらす比において存在する。例えば、反応性表面への両方の改質剤のカップリングの結合速度論が等しい場合、反応性薬剤306の、非反応性薬剤308に対する1:10比が、その表面上の10個の非反応性基308ごとに反応性表面304に結合された1個の反応性基306の密度比を有効にもたらす。反応性表面304への接触およびカップリングの後、最終基質表面310は、所望の相対的な密度において(薬剤306によって提供された)所望の反応性基を有する。考察を簡単にするために、表面上にそれらの使用から生じる表面改質剤および基が同じ図解および数表示を用いて示されるが、薬剤および得られた基が異なった化学構造を有してもよいことは理解されよう。
関連しているが別の典型的な方法において、初期誘導体化プロセスは、異なった表面誘導体化剤の混合物を用いて低密度反応性を有する基質表面を生じる。例えば、シリカベースの表面は、表面に結合された時に反応性基を有する第1のシラン試薬、例えば、アミノシランと、キャップされるかあるいは他の方法で非反応性であるシラン試薬、例えば、ヒドロキシルシラン、メチルシラン、フルオロアルキルシラン等とを含有するシラン試薬の混合物を用いて初期に誘導体化されてもよい。例えば、図3を参照して、初期誘導体化プロセスは、付加的な反応性部分を有さない、例えば、キャップ、ブロックされるかあるいは他の方法で非反応性であるシランと、目的の反応性基を含有しないシランとの混合物を用いてもよい。この混合物による誘導体化は、全反応性層304の代わりに、例えば、層310に似た、低密度反応性層を備える基質表面を製造する。
前に記載したように、上に記載されたケースのいずれかにおいて比較的低密度において最初に表面に結合される目的の反応性基は、所望の最終適用のための所望の最終反応性基であってもよく、またはそれは、最終反応性基に連結することができる中間連結基であってもよい。例として、図3に示された低密度反応性表面310を目的の特定の反応性基、例えば、酵素312でさらに処理して、酵素312を反応性基306に結合してもよい。酵素をさらに処理して、それを例えば、リンカー部分、特異的結合パートナーを反応性基306に導入する等によって反応性基にカップリングしやすくしてもよい。例として、反応性基が特異的結合対の一方のメンバー、例えば、アビジンを含有してもよく、一方、酵素312は、結合対の相補的メンバー、例えば、ビオチンを含有する。次に、既存のまたは中間反応性基306への酵素312(最終的に望ましい反応性基)のカップリングは、相補的結合対メンバーの間の親和性相互作用のためになる条件下で酵素を表面と接触させる工程を必要とする。
理解されるように、低密度反応性表面を製造する方法は、同様な結果を生じる限りは、多数の異なった方向から取り組まれてもよい。例えば、上の図3を参照しておよび示されるように、酵素312を基質表面302に結合するために用いられる表面改質反応性基306を、最初に表面改質非反応性基308で希釈し、酵素(または目的の他の反応性基)が結合される低密度鋳型を生じる。
あるいは、表面改質反応性基306の一部が酵素312に前もって結合され、次に、反応性表面304に結合される時に所望の密度を生じるように適切な希釈において反応性表面結合剤306(または場合により、非反応性表面改質剤308)で希釈されてもよい。
このプロセスの実施例は図4に図解的に示される。示されるように、誘導体化表面404を有する基質400を実質的に均一にビオチニル化して、実質的に均一にビオチニル化された表面406を提供する。次に、ビオチン部分412が結合された酵素410を、中間アビジン/ストレプトアビジン結合414(説明を簡単にするために、以下、アビジンと称される)を用いてビオチニル化表面406に結合する。1つの態様において、ビオチニル化表面406をアビジン414で均一に処理して均一なアビジン表面を提供してもよい。比較的低密度において酵素410を提供するために、ビオチニル化酵素410/412は、混合物が全ビオチニル化表面406に結合される時に酵素の所望の密度を生じることが意図された比において、酵素を含有しないビオチン416と場合により混合される。あるいは、ビオチニル化表面406をアビジン414で処理し、ビオチニル化酵素410/412と遊離ビオチン416との混合物を適用する代わりに、ビオチニル化酵素410/412を過剰なアビジン414と所望の比において混合してそれをビオチニル化表面406に適用し、アビジン/ビオチン結合を介してビオチニル化表面406に結合された同じ低密度の酵素を生じることができる。この場合、ビオチニル化表面に対するカップリングの率がビオチニル化酵素に結合されたアビジンおよび未複合アビジンについて同等であることを純粋に実施例のために仮定すると、1:10の比のこのような種の混合物は、1:10の酵素の未複合アビジンに対するおよその密度を表面上に生じる。理解されるように、この仮定は例を容易にするために簡略化され、実際の結合率はおそらくかなり変化するが、一般に日常実験によって容易に較正される。
また、ビオチン/アビジン/ビオチン結合を介して誘導体化表面に連結された酵素の点から記載されるが、広範囲の異なった結合、異なった反応性基、異なった表面、および混合/希釈の異なった順等を用いて本発明の表面を遂行してもよいことは理解されよう。
別の代替の態様において、本発明は、介在空間からのこのような反応性基の立体排除によって表面上に比較的低密度の反応性部分を提供する。このような方法は、他の分子または分子成分を利用して、反応性部分を結合することができない表面上の排除領域を作り出す。このような分子または成分は、反応性部分の成分または反応性部分のための連結分子であってもよく、またはそれらは別個の分子成分を含んでもよい。例として、比較的大きな分子、例えば、不規則なポリマー、タンパク質、ポリアミノ酸、大きな有機種、例えば、デンドロン等は、単一または少数の反応性部分を有するが、それらが有する反応性部分間で空間セパレータとして用いられてもよい(例えば、ホン(Hong)ら著、(2003)ラングミュア(Langmuir)2357〜2365を参照のこと。
あるいは、表面会合分子の1つのクラスまたは種を表面の部分上に提供し、その部分内に反応性部分を有する表面会合分子結合を排除してもよい。例として、ゼロモード導波路、または他の構造閉じ込めの場合、表面会合分子の1つの群が閉じ込めの観察領域表面上にではなく、閉じ込めの壁部分上に選択的に提供されてもよい。壁上の表面会合分子の存在によって、閉じ込めの断面寸法を有効に低減してその領域の中心付近の観察領域に結合された一切の分子を局在化する。これの略図を図5に示す。示されるように、ゼロモード導波路502は、クラッディング層506がその上に配置された基礎基質504を備える。クラッディング層506は、それを通して配置された開口を構成する、導波路コアー508を備える。このようなコアーは断面寸法において変化してもよいが、好ましい態様において、それらは、直径約20nm〜200nmの間である。排除分子510を壁表面にカップリングすることによって、壁上の分子510の有効排除長さ(寸法512によって示される)によって、反応性基、例えば、酵素の結合のために有効な導波路コアー内の基質表面の半径(寸法514によって示される)を有効に低減する。また、クラッディング層、例えば、層506を製造するために用いられた材料は典型的に、下にある基質とは異なった材料、例えば、二酸化ケイ素とは対照的に、アルミニウム、金またはクロムのような金属、またはケイ素であるので、それらの異なった表面性質を利用して排除分子510を壁表面に選択的に結合することができる。金属クラッディング材料、例えば、アルミニウム、クロムまたは金の場合、下にあるガラスまたはシリカベースの表面とは対照的にクラッディング表面に優先的に結合する表面結合基が選択される。例えば、金属または金属キレート基を含む排除分子が、下にあるガラスまたはシリカベースの基質ではなく、金属クラッディング層と会合されてもよい。このような基の例には、クラッディング層上の薄い金層と会合するとき、チオール基、例えば、メルカプトウンデカン酸、またはクラッディング材料上のニッケル層と会合するとき、ニトリロ酢酸が挙げられ、それに大きな分子、例えば、ポリマー、不規則なポリマー、ポリアミノ酸、タンパク質等が結合される。次に、これらの大きな分子は、全表面上に存在する活性基を遮蔽して、比較的低密度のアクセス可能な反応性基を提供するか、または単一触媒反応性基、例えば、酵素が観察領域表面上の与えられた領域内に局在化するために十分なだけの空間を提供する。
さらに別の態様において、目的の反応性基の低密度は表面構造中の層の相互作用によって達成されてもよい。特に、いくつかの場合、表面に結合された第1の反応性層と後続の層との相互作用は、目的の反応性基に関して、後続の層の特定部分が非反応性にされるという結果をもたらすことがある。このような場合、その相互作用は、希釈工程と同じように有効に機能し、本発明の目標を遂行するために用いられてもよい。例として、第1の反応性層は、例えば、PEGリンカーを介して表面に結合されたビオチン基のフィールドを含有してもよい。ビオチン層の上のアビジンまたはストレプトアビジン層の堆積はアビジン層の一部の特定レベルの飽和をもたらすように見えるのが観察された。操作の特定の理論に縛られなければ、下にあるビオチンリンカーはアビジン層の適度の飽和をもたらしている場合があり、非反応性アビジンの一部を生じると考えられ、例えば、PEG/アビジン結合は、他のアビジン分子は下にある層によって不飽和であるまま、個々のアビジン分子上の多数の認識部位に表面結合ビオチン/リンカー基によって結合することを可能にする十分な配座柔軟性を有しうる場合がある。有効に、このような表面は機能的に希釈されたアビジン表面をもたらしており、そこで表面の一部は反応性であるが(例えば、不飽和アビジン)、一方、表面の残部はブロックされる(例えば、飽和アビジン)。
配座柔軟性リンカー、または様々な長さのリンカー、例えば、より短いリンカーとより長いリンカーとの混合物を利用して上にある層を部分的にブロックする副層を設計することによって様々な相互作用副層(interactive sublayers)を作製し、最終表面上に所望の反応性基の密度を生じてもよい。
前述の内容に加えて、本発明の表面を作り出すために異なった成分の混合物を参照する多数の方法が記載されるが、多くの場合、混合物として所望の材料を合成して、用いられる各成分の適切な比を確実にすることが望ましいことは理解されよう。この比率混合物の合成はそのようなものとして、(合成スキーム変動の点から、およびロット間変動性の点の両方から)異なった合成反応から生じる、表面を製造するのに用いられた構成要素の表面結合変動性を防ぐ。例として、単一シラン前駆物質と反応性である、例えば、反応性または非反応性末端を有する2つ以上の前駆物質backbonesを組み合わせることによって混合反応性基および非反応性基、例えば、混合シランを合成することにより、表面に対して、得られたシラン混合物の均一な反応性を確実にする。
III.基質および表面の典型的な適用
本発明の選択的反応性表面は、個々の分子またはそれらの反応を互いに単離することが望ましい場合がある様々な異なった適用を有する。例えば、単一または少数の反応性分子を有するビード基質を、FACSまたは他のビード選別方法を用いて容易をインテロゲートし、例えば、コンビナトリアル・ケミストリー・ライブラリ、定向進化ライブラリ、またはファージ・ディスプレイ・ライブラリにおいて所望の反応性基を確認することができる。本発明の表面改質技術はこのようなシステムに適用可能である。
あるいは、与えられた酵素システム上で単一分子分析を行い、単一反応およびその反応のエフェクターをモニタしてもよい。このような分析には、キナーゼ酵素、ホスファターゼ酵素、プロテアーゼ酵素、ヌクレアーゼ酵素、ポリメラーゼ酵素等、診断上または治療上重要である場合がある酵素検定が含まれる。
好ましい態様において、表面を用いて基質上の光学的に単離した位置において低い密度でDNAポリメラーゼ酵素を結合して、リアルタイムで配列決定反応を分析し、合成反応の配列をそれらが起こる時にモニタおよび同定する。本発明の表面の特に好ましい適用の例は、米国特許出願公開第2003/0044781号明細書(その内容を参照によって全ての目的のためにその全体において本願明細書に組み入れるものとする)に記載されており、特に、米国特許第6,917,726号明細書(参照によって全ての目的のためにその全体において本願明細書に予め組み入れるものとする)に記載されているようなゼロモード導波路構造物においてのこのような方法の適用が挙げられる。特に、上述の配列決定方法からの配列決定データは、個々の反応、すなわち、個々のポリメラーゼ酵素からのデータを他の酵素からのデータから分離することができるとき、より容易に分析される。このような酵素を表面上に低密度において提供することによって、物理的単離をもたらし、従って、1つの酵素を別の酵素から光学的に単離する能力をもたらす。その最も好ましい態様において、単一酵素分子が各ゼロモード導波路の観察表面上に提供され、各導波路が単一酵素分子の反応のためのデータを提供することを可能にする。全ての導波路または他の観察領域が単一酵素を有することを確実にするのは難しい場合があるので、密度が選択され、それによって多くの導波路が単一酵素を含有し、一方、若干は、2または3以上の酵素を含有する。
理解されるように、本発明の高度に画定された表面は、広範囲の適用、技術および産業にわたって適用することができる。例えば、他の適用において、本発明の表面は、表面の機能性のレベルを正確に制御してこのような表面の物理的性質を制御することが望ましい様々な適用のいずれにおいて用いられてもよい。例えば、多数の適用において、表面上のイオン性基の正確な制御は、表面がその環境と相互作用する時にこのようなイオン性基の影響の正確な制御をもたらすことができる。例として、材料の電気泳動および/または電気浸透輸送のために用いられるシステムにおいて、例えば、マイクロ流体導管、例えば、チャネル、細管等において、表面のゼータ電位の正確な制御は、このような導管中の材料の電気浸透移動度に広範な影響を与えることができ、そして次にそれは、例えば、電気泳動適用において、システムの相対的な有効性に影響を与えることができる。
さらに、高表面積導管、例えば、細管またはチャネルの適用において、材料と表面との間の過度の相互作用を防ぎながら表面においての特定の低いレベルの機能性を維持することが望ましい場合がある。例えば、細管電気泳動のための動的コーティングを提供するとき、コーティング材料と表面との間の特定のレベルの相互作用が望ましい場合があるが、一方、分析物と表面との間の相互作用はほとんどないかまたは全くないことが望ましい。
さらに他の適用において、本発明の表面を用いて医療インプラントおよびグラフトの表面改質を精密調整し、その上の表面改質のレベルをより正確に制御することによって、このようなデバイスの生体適合性を強化してもよい。
本発明による改質された表面の1つの実施例は、分子を含有する反応性/結合部位と、キャップされるかまたは非反応性の結合部位との混合層で基質表面をコーティングすることによって製造されてもよい。シリカベースの基質表面の場合、典型的な混合層組成物は、非反応性またはキャップされた部位についてはシラン−PEG−X(Xは−OHまたはCH2であってもよい)、およびカルボキシル、エポキシド、アミン、ビオチン、グルタチオン、Ni−NTA、または他の公知の結合基を含有する(例えば、G.T.ハーマンソン(G.T.Hermanson)著、Bioconjugate Techniques(アカデミック・プレス(Academic Press)1996年)を参照のこと)。表面上に比較的低密度の反応性/結合部位を達成するために、適用された混合物中のキャップされた/非反応性分子のモル含有量および反応性分子のモル含有量は、得られた表面上に所望の比または密度を生じるように選択される。この比は、表面に対する成分の結合速度論、ならびに最終表面上の反応性基の非反応性基に対する所望の最終比によって決定される。さらに、蒸着方法が用いられる場合、蒸着蒸気中の相対的な濃度が重要であり、それ故、蒸着チャンバ内の各成分の蒸気圧力は要因に入れられる。
改質された表面の略図を図6に示す。示されるように、ガラス基質は、シラン−PEG−OHおよびシラン−PEG−エポキシド分子が結合される上面を有し、そこで非反応性シラン−PEG−ヒドロキシル分子は、反応性エポキシドを有する基よりも数がはるかに多い。関連した態様において、エポキシド部分が、特異的結合分子、例えば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、結合ペプチド、抗体、抗原、グルタチオン、GSTに連結するために用いられてもよく、そして次にそれらは、付加的な分子、例えば、酵素のような触媒分子に結合するために用いられてもよく、またはこのような触媒分子がエポキシド基を介して直接に結合されてもよい。理解されるように、様々な適用においてゼロモード導波路の動作の機能の性質は、観察の課題である反応性基が導波路の下部表面の比較的近くにあることを要求する。それ故に、ゼロモード導波路の適用のための適切な結合スキームは典型的に、導波路の妥当な観察体積内に配置されている目的の反応性基をもたらすが、それは、使用されている光の波長に或る程度は依存する。特定の態様において、その距離は好ましくは、下部表面から約0nm〜約20nmである。本発明の好ましい表面の場合、所望のレベルの反応性基をもたらして他の場合なら非反応性である表面の厚さは典型的に、0.8nm〜約20nm、より好ましくは約1nm〜約10nmの範囲である。このような表面は、好ましい光閉じ込めの観察体積内に反応性基をもたらす一方で、干渉相互作用を十分に排除する。
前に記載したように、本発明の基質は、好ましい態様において、これらの低密度表面上に生じる特定の反応をモニタするために光学検出システムと共に用いられる。特に、これらのシステムは典型的に、励起源と、インテロゲートされる表面の方向に励起放射線を向けて、放射された光を基質から検出器上に集束させるための光学縦列とを備える蛍光検出システムを使用する。このようなシステムの1つの実施例は、2005年、8月11日に出願された米国特許出願第11/201,768号明細書(その内容を参照によって全ての目的のためにその全体において本願明細書に組み入れるものとする)に示されている。
IV.実施例
実施例1:シラン−PEG20−ビオチン/アビジン表面
トリメトキシシランPEG20−ビオチン分子はバイオリンク・ライト・サイエンス(BioLink Lite Sciences)(ノースカロライナ州、ケアリー(Cary,North Carolina))によって合成され、そこで「20」は、反復エチレン(ethlylene)グリコール単位の数を指す。前駆試薬は市販されている。
4時間、溶剤1g当たり1ug PEG20−ビオチン中で基質を培養することによってPEG20−ビオチン表面を製造した。溶剤は、メタノール、1重量%の水、および0.1%のTween 20非イオン性界面活性剤から成った。PEG20−ビオチンコートの厚さは、エリプソメトリーによって測定した時にt=1.1nmであり、(滴下付着の5秒以内に測定された)水接触角はθ=35度であった。
PEG20−ビオチンは、希釈メタノール溶液から溶融シリカスライドおよび自然酸化物を含有するSi基質上に薄いコーティング(約2nm)を形成し(メタノール1g中に約1mgのPEG20−ビオチン)、そこで厚さは、溶剤組成物、および室温においての培養時間に応じて変化する。(エリプソメトリーによって測定された)コーティングの厚さが1nm以上に達したとき、表面は一般に、方向付けられた結合(例えばビオチン−アビジン)に対して非常に良い特異性およびタンパク質非特異的結合の高度の排除を示すことが観察された。2nmより厚いコーティングは、さらなる改良を示さないことがわかり、一方、0.8nm未満のフィルムは、1nm以上のフィルムほどタンパク質結合に対して特異性を示さなかった。PEG20−ビオチンで改質された(自然酸化物を有する)Si表面上で行なわれたエリプソメトリー測定は、アレキサ(A1exa)488標識ストレプトアビジン(乾燥)に結合された時の層の厚さが約3nm〜4.3nmであることを示した。
これらの観察を明示および定量化するように試験パネルを設計した。パネルは溶融シリカスライド(約25mm×75mm)上の4つの別個の領域から成った。各四角形は6mm×6mmであり、96井戸フォーマットパターンを形成するプラスチック枠ウインドウ(シュライヒヤー&シュル・バイオサイエンス(Schleicher&Schuell Biosicences)によって販売されたファスト・フレーム(Fast Frame)(登録商標))上のポリジメチルシロキサン(pdms)ガスケットによって他の領域から単離された。典型的に、各コードラントまたは井戸は約70μLの溶液を必要とする。
陽性および陰性コントロールパネルは、蛍光標識ストレプトアビジン(アレクサ(Alexa)−488)またはニュートラアビジン(NeutrAvidin)(登録商標)、または過剰なビオチンで予め培養された標識ストレプトアビジンまたはニュートラアビジン(登録商標)でPEG20−ビオチン表面をインテロゲートし、適度の特異的対非特異的相互作用をもたらす。次に、試験パネルを標識Φ29ポリメラーゼでインテロゲートし、異なったイオン強度緩衝条件下、例えば、「低塩」(約25mM)および「高塩」(約150mM)でタンパク質の非特異的会合のレベル(または表面によって提供されたタンパク質「排除」のレベル)を定量した。
PEG20−ビオチン表面のストレプトアビジン(またはニュートラアビジン(登録商標))結合特異性およびポリメラーゼ排除特性を、無被覆溶融シリカスライドとの会合と比較した。全てのスライドをナノストリップ(Nanostrip)(登録商標)でよく清浄にし、その後、酸素プラズマクリーニング(中出力、2000mTorrで5分、Harrick xx)を行なった。タンパク質−結合スライドを蛍光走査計測器で走査した。典型的に光電子増倍管ゲインは550Vに設定され、ピクセル分解能は100μmであった。
培養条件は以下の通りであった。A488−SA(分子プローブ/インビトロゲン)を緩衝液中に溶解した。A488−SAをビオチンで予め培養した。Φ−29ポリメラーゼを市販の標識キットを用いてA488で標識した。酵素を25mM トリス、1mMおよび5mM β−メルカプトエタノール(βME)中で、および付加的な150mM KClで希釈した。溶液を典型的に、1時間培養した。その後、各井戸を緩衝液で、次いで水でリンスし、空気銃でブロー乾燥させた。
PEG20−ビオチンで改質された溶融シリカおよびSi基質は、Φ−29ポリメラーゼで攻撃された時に高レベルのタンパク質「排除」を示し、次いでそれを蛍光標識抗体エピトープで染色し、低および高塩条件の両方においてビオチンブロック蛍光標識ストレプトラビジン(streptravidin)またはニュートラアビジン(登録商標)と同等の蛍光強度を生じた。特に、結果は、未処理溶融シリカ上の陽性コントロール(A488−SA)またはタンパク質吸着の場合よりも100倍超で低い蛍光強度を示した。
溶融シリカおよびPEG20−ビオチン表面上のΦ−29ポリメラーゼの非特異的結合の比較は、低いイオン強度固定化条件下で溶融シリカ上に高いポリメラーゼ表面被覆率(40〜60%)を示し、溶融シリカと比較した時に(低いイオン強度において)PEG20−ビオチン上の非特異的吸着のほぼ200倍の低減を示した。また、それは、PEG20−ビオチンがストレプトアビジンに対して高度の結合特異性を与えることを示す。PEG層が厚さ1nm未満になる時に表面のポリメラーゼ排除特性が減少する。
次に、PEG20−ビオチン表面を有するパネルを、非標識ストレプトアビジンによって媒介された、ビオチニル化A488−ポリメラーゼでインテロゲートした。簡単に言えば、PEG20−ビオチン表面を有するスライド上の全ての井戸を、最初にストレプトアビジンで培養し、次いで、過剰な未標識ストレプトアビジンで予め培養されるかまたは予め培養されていないビオチニル化A488−標識ポリメラーゼでインテロゲートし、表面に対する特異的ストレプトアビジン媒体結合のレベルを定量した。表面とビオチニル化タンパク質との間の特異的相互作用は、非特異的相互作用の約50倍の増加を示した(そこでビオチニル化タンパク質を、それを表面と接触させる前にストレプトアビジンで予めブロックした)。
実施例2:シラン−PEG24−ビオチン/アビジン表面
α−ビオチニル−ω−トリメトキシシリル末端ポリ(エチレングリコール)(24単位)(PEG24−ビオチン)をポリマー・ソース(カナダ、モントリオールのドーバル(Dorval,Montreal Canada))によって合成した。
溶剤1グラム当たり0.6mgのPEG24−ビオチンの濃度においてPEG24−ビオチンをエタノール中に溶解することによって溶液を調製した。少量のメタノール(約0.4重量%)を混合物に添加して、シラン試薬の、(約2nmの自然酸化物を有する)Siチップに対する堆積速度を3〜5時間で(エリプソメトリーによって)1nm〜1.5nmに調節した。
また、PEG24−ビオチンで改質された溶融シリカおよびSi基質は、蛍光標識Φ−29ポリメラーゼならびにビオチンブロックニュートラアビジンで攻撃された時に低レベルの非特異的相互作用を示したが、一方、同時に、ニュートラアビジンおよびストレプトアビジンに対して高レベルの(特異的)結合を示した。再び述べると、本発明の表面は、所望の基、例えば、ビオチニル化タンパク質との高レベルの特異的相互作用を示し、一方、タンパク質、例えば、過剰な酵素、ならびに潜在的干渉ラベル分子(potentially interfering label molecules)、例えば、蛍光性アビジンの両方の低レベルの非特異的結合を示した(または類推によって、核酸分析の場合、標識ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体であり、それらは観察領域内で非特異的に吸着させられる場合、ほかの場合なら酵素反応の検出を妨げることがある)。この実験において、蛍光標識ストレプトアビジンおよびポリメラーゼは、蛍光強度とフルオロフォア表面密度との間の線形関係を維持するために1/10の比において未標識タンパク質と予混合された。
実施例3:反応性基の密度の調節
希釈プロトコルを用いて反応性官能基の表面密度を調節する能力を試験するためにシステムを作製した。特に、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド(TES−G)(市販品の試薬)(ペンシルベニア州、モリスビルのゲレスト社(Gelest Inc,PA)製品#SIT8189−0)の溶液中のPEG24−ビオチンの様々な希釈溶液を用いてPEG24−ビオチン表面を調製した。
TES−G原液を、エタノールと0.4%のメタノールとの溶剤混合物1g当たり2mgの試薬の希釈によって調製した。PEG24−ビオチン原液を、溶剤(エタノール/メタノール混合物)1グラム当たり1.5mgの濃度に調製した。各々10mLの5つのアリコートを調製し、PEG24−ビオチン原料の増加量、すなわち、0,40μL(0.3%)、80μL(0.6%)、200μL(1.4%)、400μL(2.7%)および800μL(5.4%)を各アリコートに添加した。溶融シリカブランクおよびSiウエハを15時間、5つのアリコート中で同時に培養した。その後、基質を反応溶液から除去し、メタノールで3回洗浄し、10分間80Cの空気中でアニールし、水中で10分間、超音波撹拌によって洗浄して弱く結合した分子を除去し、窒素ガス銃で乾燥させた。表面上の水接触角を測定することによって表面上のPEG24−ビオチンの量の尺度を提供したが、高純度PEG24表面は、約35°の接触角を有する。
図7は、水接触角対TES−G中のPEG24−ビオチンの濃度のプロットを示し、活性基の表面密度が希釈方法を用いて容易に制御可能であることを示す。
実施例4:混合官能価のPEG24表面
表面の均一性を提供するために、構造的に似た基を用いて、表面の結合基または反応性基、ならびに非反応性成分を提供した。特に、他の分子と相互作用するその能力以外に、均一な特性、例えば、厚さを有する表面を提供するために、PEG24−ビオチンを(上記の)実施例2に記載されたPEG24基と同様な、PEG24−メトキシ基で希釈した。PEG24−メトキシはポリマー・ソース社(Polymer Source Inc.)(カナダ、モントリオールのドーバル)によって特注で合成され、受け取られたまま使用された。0.4%のメタノールを有するエタノール中に試薬0.6mgを含有する溶液中で室温において基質を培養することによって、PEG24−メトキシを溶融シリカスライドおよびSiウエハ上に堆積した。Si基質を異なった時間間隔において溶液から除去し、接触角およびフィルム厚さを測定した。堆積速度およびフィルム厚さは、同様な溶剤および濃度条件下で堆積されたPEG24−ビオチンフィルムと同等であった。
PEG24−メトキシおよびPEG24−ビオチンの混合溶液から堆積されたシランフィルムを、4−コードラントパネルを用いて調査した。PEG24−メトキシ濃度はエタノール/メタノール溶剤(0.4%メタノール)1g当たり0.83mgであり、溶剤1g当たり0.67mgを含有するPEG24−ビオチン原液の増加量を混合することによって4つのアリコートを調製した。末端メトキシ基に対してビオチンのモルパーセントを用いての最終溶液濃度は0%、0.2%、0.7%、および2%であった。Siウエハおよび溶融シリカスライドを室温において3.5時間、各アリコート中で培養した。その後、基質を3回メタノール中でリンスし、空気中で乾燥させ、80℃において10分間アニールし、超音波混合によって水中で洗浄して、弱く結合したPEG分子を除去した。フィルムの厚さは全ての試料についてt=1.3nmに近く、相当する接触角は42°(PEG24−ビオチン無し)〜38°(2%のビオチン)であった。混合表面への標識ストレプトアビジンの結合は、混合表面のPEG24−ビオチンのモルパーセントの増加との十分な相関関係を示したが、一方、予めブロックされたストレプトアビジンの結合は大きく変化していなかった。
実施例5:結合媒介層の希釈による表面上の低密度反応性ポリメラーゼの堆積
本発明の方法は、各導波路内にPEG24−ビオチン表面を提供する工程と、ストレプトアビジンとビオチニル化ポリメラーゼとの混合物を堆積する工程とによって、ゼロモード導波路アレイ内に比較的低密度のΦ29DNAポリメラーゼ酵素を堆積するのに用いられる。ニュートラアビジンの、ビオチニル化ポリメラーゼに対する比を調節して、過剰なニュートラアビジンで残りの表面をブロックしたまま、ポリメラーゼとPEG−24−ビオチン表面との間の所望のレベルのニュートラアビジン媒介結合をもたらした。
初めに、統計分析を行なってストレプトアビジン中のポリメラーゼの相対的な希釈を定量し、各占有導波路が1つ以下のポリメラーゼ酵素を含有する許容範囲の確率を生じた。特に、平均密度μのポアソン統計の占有確率(Pocc)は、Pocc=1−Pμ(0)=1−e(−μ)として与えられる。小さな占有数についてはPocc=μ−μ/2+μ/6+O(μ)である。このように、μを測定する手段として占有確率を用いることによって、μのオーダーの誤差を生じる。このため、μが小さいときはいつでも平均占有数μの尺度として占有確率Poccを用いることができる。0.3の占有確率については、μの実際値を計算すると約0.3567である場合がある。すなわち、この場合、平均占有の推定値として占有確率を使用することによって16%の誤差をもたらす。0.3567の平均占有数については、一切の導波路が空になる70%の可能性があり、導波路が1つおよびちょうど1つのポリメラーゼを含有する25%の可能性があり、導波路が1つまたは複数のポリメラーゼを含有する5%の可能性があることは注目に価する。これは、十分に低い占有数については、占有確率の使用は平均占有数の許容範囲の推定値であることを示す。
次に、これは、50倍の過剰なニュートラアビジン中でのビオチニル化酵素の希釈を行なうことによって達成された。希釈および堆積の後、得られた導波路アレイを試験すると、ほぼ30%の占有を有し、確率とよく相関することがわかった。さらに、これらの導波路内の酵素の特異的活性は、平面表面上で生成された特異的活性データによく相関し(固定化された酵素の非常に高い特異的活性を示した)、統計的方法をさらに実証した。
説明目的のためにいくらか詳細に記載されたが、当業者に公知であるかまたは理解される多数の変型が本発明の範囲内で実施されてもよいことは容易に理解されよう。別途、文脈から明らかであるかまたは明記されない限り、本明細書中で与えられた一切の濃度の値は一般に、混合物の特定の成分を添加した時かまたは後に生じるいかなる変換にも関係なく混合値またはパーセンテージを用いて与えられる。本願明細書にすでに明らかに組み込まれていない程度まで、本開示において言及された全ての公開文献および特許文書は、あらゆる目的のためにそれらの全体において参照によって本願明細書に組み込まれる。
反応性表面、基質および同反応性表面、基質の製造および使用方法
低密度の反応性基をその上に有する表面の略図である。 比較的低密度の反応性基をその上に提供するための層状、または多層機能化を有する基質の略図である。 本発明の表面を製造するための1つの典型的なプロセスを図解的に示す。 本発明の低密度反応性表面を製造するための別の典型的なプロセスを図解的に示す。 選択的局在反応性基を提供する本発明の表面を製造するための立体障害に基づくプロセスの実施例を図解的に示す。 比較的低密度の反応性表面を生じるために、2つの異なって官能化された誘導体化基が、その上に配置された表面の略図である。 ほかの場合なら非反応性の基の表面に混じった様々な濃度の反応性基の表面上の水接触角のプロットである。

Claims (36)

  1. 第1の反応性部分が結合された表面
    を含み、前記反応性部分が、50,000nm当たり約1の反応性部分〜100nm当たり1の反応性部分の間の密度において前記表面に結合される、基質。
  2. 前記反応性部分が、8000nm当たり約1の反応性部分〜300nm当たり1の反応性部分の間の密度において前記表面に結合される、請求項1に記載の基質。
  3. 前記反応性部分が、8000nm当たり約1の反応性部分〜1000nm当たり1の反応性部分の間の密度において前記表面に結合される、請求項1に記載の基質。
  4. 前記反応性部分以外の前記表面の残部が実質的に非反応性の表面である、請求項1に記載の基質。
  5. 前記反応性部分がリンカー基を介して前記表面に結合される、請求項1に記載の基質。
  6. 前記リンカー基がポリマーを含む、請求項5に記載の基質。
  7. 前記リンカー基がポリエチレングリコールを含む、請求項5に記載の基質。
  8. 前記反応性部分がリンカー基を介して前記表面に結合され、前記実質的に非反応性の表面が、前記反応性部分のない前記リンカー基を含む、請求項4に記載の基質。
  9. 前記第1の反応性部分が結合部分を含む、請求項1に記載の基質。
  10. 前記結合部分が非特異的結合部分を含む、請求項9に記載の基質。
  11. 前記結合部分が特異的結合部分を含む、請求項9に記載の基質。
  12. 前記結合部分が特異的結合対の一方のメンバーを含む、請求項11に記載の基質。
  13. 前記結合部分が抗原、抗体、抗体の結合フラグメント、ポリヌクレオチド、結合ペプチド、ビオチン、アビジンおよびストレプトアビジンからなる群から選択される、請求項9に記載の基質。
  14. 前記第1の反応性部分が触媒部分を含む、請求項1に記載の基質。
  15. 前記触媒部分が触媒金属を含む、請求項14に記載の基質。
  16. 前記触媒部分が酵素を含む、請求項14に記載の基質。
  17. 前記酵素が核酸ポリメラーゼ、リガーゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、キナーゼおよびホスファターゼから選択される、請求項16に記載の基質。
  18. 前記酵素がDNAポリメラーゼを含む、請求項16に記載の基質。
  19. 前記表面が観察領域を含む、請求項1に記載の基質。
  20. 前記表面が光閉じ込めの観察表面を含む、請求項1に記載の基質。
  21. 前記観察領域がゼロモード導波路の観察表面を含む、請求項19に記載の基質。
  22. 前記基質の前記表面がシリカを含む、請求項1に記載の基質。
  23. 前記基質の前記表面がガラス、石英、溶融シリカ、およびケイ素から選択される、請求項1に記載の基質。
  24. 少なくとも第1の観察領域が設けられた基質であって、前記観察領域が、約100nm〜50000nmの領域を有する、基質と、
    前記観察領域内の前記表面に結合された1〜3の反応性部分と
    を含む、デバイス。
  25. 前記観察領域が、光学的に不透明なクラッディングによって境界を定められる、請求項24に記載のデバイス。
  26. 前記反応性部分が酵素を含む、請求項24に記載のデバイス。
  27. 前記酵素がDNAポリメラーゼを含む、請求項26に記載のデバイス。
  28. 第1の反応性表面を有する基質を提供する工程と、
    第1および第2の表面改質剤の混合物を提供する工程であって、前記第1および第2の表面改質剤が各々、前記反応性表面に結合可能であると共に、前記第1および第2の表面改質剤が第2の比において前記反応性表面に結合するように選択された第1の比において前記混合物中に存在する工程と、
    前記反応性表面を前記混合物と接触させ、第1および第2の改質剤が前記第2の比において表面に結合された、改質された表面を製造する工程と
    を含む、改質された表面を作製する方法。
  29. 改質される表面を提供する工程と、
    改質される前記表面を表面改質組成物と接触させる工程と
    を含み、前記表面改質組成物が、
    所望の反応性部分に結合される第1の表面改質剤と、
    前記所望の反応性部分に結合されない第2の表面改質剤と
    を含み、
    前記第1の表面改質剤および第2の表面改質剤が、改質された表面を製造する比において前記表面改質組成物中に存在し、前記反応性部分が、50,000nm当たり約1の反応性部分〜100nm当たり1の反応性部分の間の密度において前記改質された表面上に存在する、改質された表面を作製する方法。
  30. それに結合された反応性部分を有する表面を含み、前記反応性部分が100nm当たり1未満の反応性部分の密度において前記表面に結合される、装置。
  31. 前記反応性部分が1000nm当たり1未満の反応性部分の密度において前記表面に結合される、請求項30に記載の装置。
  32. 前記反応性部分が10000nm当たり1未満の反応性部分の密度において前記表面に結合される、請求項30に記載の装置。
  33. 前記反応性部分が分子結合基を含む、請求項30に記載の装置。
  34. 前記分子結合基が特異的分子結合基を含む、請求項33に記載の装置。
  35. 前記特異的分子結合基が、抗体、抗原、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、結合ペプチドから選択される、請求項34に記載の装置。
  36. 表面に実質的に均一に結合する組成物で表面を処理する工程であって、前記組成物が、反応性部分を含有しない第1の成分と前記反応性部分を含む第2の成分とを含み、前記第2の成分が、前記反応性部分を所望の密度において前記表面上に提供するように前記第1の成分に対する濃度において前記組成物中に存在する工程を含む、反応性部分の所望の密度をその上に提供するように表面を構成する方法。
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