JP2009301808A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分岐部分にて非垂直に延伸する同軸管を含んだ同軸管分配器を提供する。
【解決手段】マイクロ波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置10であって、処理容器100と、マイクロ波を出力するマイクロ波源900と、マイクロ波源900から出力されたマイクロ波を伝送する伝送線路900aと、処理容器100の内壁に設けられ、マイクロ波を処理容器内に放出する複数の誘電体板305と、複数の誘電体板305に隣接し、マイクロ波を複数の誘電体板305に伝送する複数の第1の同軸管610と、伝送線路900aを伝送したマイクロ波を複数の第1の同軸管610に分配して伝送する1段又は2段以上の同軸管分配器700と、を有する。同軸管分配器700は、入力部Inを有する第2の同軸管620と第2の同軸管620に連結された3本以上の第3の同軸管630とを含み、第3の同軸管630のそれぞれは、第2の同軸管620に対して非垂直に延伸する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電磁波を用いてプラズマを生成し、被処理体上にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。特に、伝送線路のインピーダンス整合に関する。
フラットパネルディスプレイや太陽電池用のガラス基板は年々大面積化が進んでおり、既に3m角を越える基板サイズが実用化されつつある。フラットパネルディスレイや太陽電池の製造には、基板サイズを超える広いエリアに均一で安定なプラズマを生成できるプラズマ処理装置が必要である。さらに、製品の高性能化・多機能化に伴いプラズマ処理が多様化しているため、広範囲な処理条件に対応できる装置が求められる。これらの要求を満たす有力な候補として、マイクロ波プラズマ装置がある。
マイクロ波のエネルギでプラズマを励起すると、周波数が高いために電子温度が低いプラズマが得られる。電子温度が低いと、基板表面やチャンバ内面に入射するイオンのエネルギが低く抑えられるため、イオン照射による損傷や不純物による汚染のない処理が行える。さらに、原料ガスの過剰解離が抑制されて狙い通りのラジカルやイオンを生成することができるため、高品質かつ高速な処理が行える。
一方、マイクロ波の波長は基板サイズと比較して短いため、大面積基板上に均一なプラズマを励起することが難しい。また、カットオフ密度(周波数の2乗に比例)が高いため、広範囲な処理条件に対応することが困難である。そこで発明者は、プラズマ励起周波数を低周波化するとともに、プラズマ励起エリアをセル状に分割して各セルに均等にマイクロ波電力を供給するセル分割方式を提案し、広範囲な条件において広いエリアに均一かつ安定なプラズマを励起することを可能にした(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2006−310794号公報
このセル分割方式では、1台か2台の少数のマイクロ波電源で発生させたマイクロ波電力を、最大数100の多数のセルに均等に分配して供給する。これには、全てのセルにマイクロ波を伝送させる多段の分配器が必要になる。
通常、プラズマ励起領域を基板サイズに対して60mm〜80mm程度大きくすれば、均一なプラズマ処理が行える。しかしながら、分配器に垂直に等ピッチで末端同軸管を連結すると、各セルに同一振幅、同一位相のマイクロ波を伝送させるためには末端同軸管のピッチを概ねπradの整数倍に等しくする必要がある。これによれば、セルサイズはマイクロ波の管内波長により制約を受け、基板サイズに合わせてセルサイズを決めることができない。さらに、実用的な分配器を構成できる分配数は限られている。例えば、2(mは整数)の分配器は構成しやすいが、それ以外の分配数では実用的な分配器を作成することが困難なことがある。このため、装置が必要以上に大型化してしまう。また、プラズマ励起領域が必要以上に大きくなり、プラズマを維持するために、本来、プロセスに必要な電力以上の電力を消費してしまう。大型装置では、極めて大きなマイクロ波電力を扱わなければならないため、基板サイズに合わせてプラズマ励起領域を適正化することは相当程度の使用電力の節約になり、コストの低減及び資源の有効利用に繋がる。
上記課題を解消するために、本発明は、分岐部分にて非垂直に延伸する同軸管を含んだ同軸管分配器を提供する。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、処理容器と、電磁波を出力する電磁波源と、前記電磁波源から出力された電磁波を伝送する伝送線路と、前記処理容器の内壁に設けられ、電磁波を前記処理容器内に放出する複数の誘電体板と、前記複数の誘電体板に隣接し、電磁波を前記複数の誘電体板に伝送する複数の第1の同軸管と、前記伝送線路を伝送した電磁波を前記複数の第1の同軸管に分配して伝送する1段又は2段以上の同軸管分配器と、を有し、前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は、入力部を有する第2の同軸管と前記第2の同軸管に連結された3本以上の第3の同軸管とを含み、第3の同軸管のそれぞれは、前記第2の同軸管に対して非垂直に延伸する部分を有するプラズマ処理装置が提供される。第3の同軸管のそれぞれは、前記第2の同軸管に対して非垂直に連結してもよいし、垂直に連結してそこから非垂直に伸びるものであってもよい。
これによれば、前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は、第2の同軸管と3本以上の第3の同軸管とを含み、各第3の同軸管は前記第2の同軸管に対して非垂直に延伸する。これにより、管内波長の制約を受けることなく基板サイズに合わせてプラズマ励起領域を定めることができるため、使用電力を低減できる。また、装置全体が必要以上に大きくなることを回避できる。第3の同軸管の形状の一例としては、湾曲した第3の同軸管が第2の同軸管に連結している場合や、棒状の第3の同軸管が第2の同軸管に斜めに連結している場合が挙げられる。
各第3の同軸管は、インピーダンス変換機構を有していてもよい。これにより、負荷としてのプラズマにインピーダンスを整合させながら、第2の同軸管から第3の同軸管に多分岐させることができ、大電力のマイクロ波を伝送できる。
前記第2の同軸管の入力部から前記第2の同軸管の端部までの間の前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分の数は、2以下であることが好ましい。電磁波の周波数が変動しても第3の同軸管に供給する電力のバランスが崩れにくいからである。
前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部間のうち前記入力部が介在しない連結部間の電気長は、概ねπradの整数倍に等しくてもよい。これによれば、第2の同軸管から第3の同軸管に均等に電力を分配することができる。また、前記連結部間の電気長を概ね2πradの整数倍にすると、振幅とともに位相も揃えることができる。
前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分では、前記第2の同軸管に対して前記第3の同軸管が2本ずつ連結されていてもよい。この結果、連結部分の数を減らすことにより、電磁波の周波数が変動しても第3の同軸管に供給する電力のバランスを崩れにくくすることができる。
前記第3の同軸管の内部導体は、前記第2の同軸管の内部導体よりも細くてもよい。前記第3の同軸管の外部導体は、前記第2の同軸管の外部導体よりも細くてもよい。同軸管を伝送する電磁波の伝送状態の乱れを小さくするためである。
前記第2の同軸管の内部導体と外部導体とは、前記第2の同軸管の少なくとも片方の端部にて短絡され、前記第2の同軸管の端部から前記端部に最も近い前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分までの電気長は、概ねπ/2radの奇数倍と等しくてもよい。これによれば、電磁波の伝送にとって前記第2の同軸管の端部から連結部分までの部分は存在しないに等しいものとなり、伝送線路の設計が容易になる。
前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分から前記第3の同軸管側を見たインピーダンスは概ね抵抗性であり、前記連結部分から前記第3の同軸管側を見た抵抗をRr3、前記第2の同軸管の入力部から前記第2の同軸管の片端までの間に連結される第3の同軸管の数をN、前記第2の同軸管の特性インピーダンスをZc2としたとき、前記第2の同軸管の特性インピーダンスZc2は概ねRr3/Nに等しくてもよい。この結果、分配器入力側から見たとき反射がなくなり大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。
前記第2の同軸管の入力部には、特性インピーダンスがZc4の第4の同軸管が連結され、前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分から前記第3の同軸管側を見たインピーダンスは概ね抵抗性であり、前記連結部分から前記第3の同軸管側を見た抵抗をRr3、前記第2の同軸管に連結される第3の同軸管の数をNとしたとき、特性インピーダンスZc4は概ねRr3/Nと等しくてもよい。この結果、分配器入力側から見たとき反射がなくなり大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。
前記第3の同軸管の電気長が概ねπ/2radとなっていてもよい。この結果、前記第2及び第3の同軸管の連結部分から前記第3の同軸管側を見たインピーダンスを概ね抵抗性にすることができる。
前記第3の同軸管の内部導体のうち、前記第2の同軸管との連結部分は他の部分より細くなっていてもよい。細くなっている部分の太さや長さを調整することにより、前記第3の同軸管の電気長を調整することができる。
前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見たインピーダンスが概ね抵抗性であり、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見た抵抗をRr5、前記第2の同軸管の入力部から前記第2の同軸管の片端までの間に連結される第3の同軸管の数をN、前記第2の同軸管の特性インピーダンスをZc2としたとき、前記第3の同軸管の特性インピーダンスZc3は、概ね(Rr5×N×Zc21/2と等しくてもよい。この結果、同軸管分配器の入力側から見たときの反射がなくなり大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。
前記第2の同軸管の入力部には、特性インピーダンスがZc4の第4の同軸管が連結され、前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見たインピーダンスが概ね抵抗性であり、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見た抵抗をRr5、前記第2の同軸管に連結される第3の同軸管の数をNとしたとき、前記第3の同軸管の特性インピーダンスZc3は、概ね(Rr5×N×Zc41/2と等しくてもよい。この結果、同軸管分配器の入力側から見たときの反射がなくなり大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。
前記第3の同軸管の出力端と第5の同軸管との連結部分はT分岐であってもよい。前記第3の同軸管の内部導体又は第5の同軸管の内部導体のうち少なくともいずれかは、前記T分岐の連結部分が他の部分よりも細くてもよい。前記第3の同軸管の外部導体又は第5の同軸管の外部導体のうち少なくともいずれかは、前記T分岐の分岐部が他の部分よりも太くなっていてもよい。
第3の同軸管に細くなっている部分や太くなっている部分が設けられている場合、その長さや太さを調整することにより、第3の同軸管の電気長を調整することができる。第5の同軸管の場合、その長さや太さを調整することにより、第5の同軸管の電気長を調整することができる。また、第3の同軸管と第5の同軸管の特性インピーダンスは、通常大きく異なる。分岐部において、第5の同軸管の内部導体を細くして緩衝部を設けることにより、分岐部における不要な反射を抑制することができる。
前記第5の同軸管の内部導体の細くなっている部分のうち、前記T分岐の連結部分から一方の分岐先に向かう部分の長さと前記T分岐の連結部分から他方の分岐先に向かう部分の長さとは異なっていてもよい。これにより、T分岐の2つの分岐先に供給されるマイクロ波の電力の比率を調整することができる。
前記処理容器の内壁に電気的に接続され、前記複数の誘電体板に一対一に隣接した複数の金属電極を有し、各誘電体板は、前記隣接した各金属電極と前記各誘電体板が配置されていない処理容器の内壁の間から露出し、前記各誘電体板と前記各誘電体板が配置されていない処理容器の内壁又は前記内壁に設けられた金属カバーとは、実質的に相似をなす形状か、または実質的に対称となる形状であってもよい。これにより、誘電体板から両側に概ね均等に電磁波の電力を供給することができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、処理容器と、電磁波を出力する電磁波源と、前記電磁波源から出力された電磁波を伝送する伝送線路と、前記処理容器の内壁に設けられ、電磁波を前記処理容器内に放出する複数の誘電体板と、前記複数の誘電体板に隣接し、電磁波を前記複数の誘電体板に伝送する複数の第1の同軸管と、前記伝送線路を伝送した電磁波を前記複数の第1の同軸管に分配して伝送する1段又は2段以上の同軸管分配器と、を有し、前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は、入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスが異なるプラズマ処理装置が提供される。
これによれば、同軸管分配器のうちの少なくとも一段は、入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスを変えることにより、入力側の同軸管と出力側の同軸管との連結部分にてインピーダンスの整合をとることができる。たとえば、前記入力側の同軸管と前記出力側の同軸管との連結部分は2分岐であり、前記2分岐は、前記入力側の同軸管の特性インピーダンスの2倍が、前記出力側の同軸管の特性インピーダンスと概ね等しくてもよい。これによれば、大電力のマイクロ波を伝送することができる。
前記2分岐を構成する出力側の同軸管の外部導体のうち、前記連結部分が他の部分よりも太くなっていてもよい。分岐部における内部導体と外部導体との間の静電容量を小さく抑えることにより、分岐部における反射を小さくすることができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、処理容器の内部にガスを導入し、電磁波源から電磁波を出力し、前記出力した電磁波を伝送線路に伝送し、前記伝送線路を伝送した電磁波を1段又は2段以上の同軸管分配器から複数の第1の同軸管に分配して伝送し、前記第1の同軸管を伝送した電磁波を、前記処理容器の内壁に設けられた複数の誘電体板から前記処理容器内に放出し、電磁波を前記同軸管分配器に伝送させる際、前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は入力部を有する第2の同軸管と前記第2の同軸管に連結された3本以上の第3の同軸管とを含み、前記第2の同軸管に対して非垂直に延伸する部分を有する各第3の同軸管に電磁波を伝送し、前記第1の同軸管を介して前記処理容器内に放出された電磁波により前記ガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理方法が提供される。
これによれば、同軸管分配器のうちの少なくとも一段は、第2の同軸管から第2の同軸管に非垂直に連結された3本以上の第3の同軸管に多分岐する。これにより、基板サイズに合わせて定められた複数のセルにマイクロ波を均等に分配することができる。この結果、装置全体が必要以上に大きくならず、プラズマ励起領域も必要以上に大きくならないため、使用電力を低減できる。
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、処理容器の内部にガスを導入し、電磁波源から電磁波を出力し、前記出力した電磁波を伝送線路に伝送し、1段又は2段以上の同軸管から形成され、その少なくとも一段では入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスが異なる同軸管分配器にて前記伝送された電磁波を複数の第1の同軸管に分配して伝送し、前記複数の第1の同軸管に隣接し、前記処理容器の内壁に設けられた複数の誘電体板に電磁波を伝送し、前記複数の誘電体板から処理容器内に電磁波を放出し、前記放出された電磁波によりガスを励起させて前記処理容器内にて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理方法が提供される。
これによれば、同軸管分配器の入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスを変えることにより、たとえば、マイクロ波を分配しながら伝送させる際の分岐部にてインピーダンスを整合させることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、分岐部分にて非垂直に延伸する同軸管を含んだ同軸管分配器により、管内波長の制約を受けることなく基板サイズに合わせてプラズマ励起領域を定めることができる。
発明を実施するための形態
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置について、図1〜3を参酌しながらその概要を説明する。図1は、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置の天井面を示す。図1は、図2の2−2断面である。図2は、マイクロ波プラズマ処理装置10の縦断面の一部を示す。図2は、図1の1−O−O’−1断面である。図3は、図1の領域Exの拡大図である。
(マイクロ波プラズマ処理装置の概略)
図2に示したように、マイクロ波プラズマ処理装置10は、ガラス基板(以下、「基板G」という。)をプラズマ処理するための処理容器100を有している。処理容器100は、容器本体200と蓋体300とから構成される。容器本体200は、その上部が開口された有底立方体形状を有していて、その開口は蓋体300により閉塞されている。蓋体300は、上部蓋体300aと下部蓋体300bとから構成されている。容器本体200と下部蓋体300bとの接触面にはOリング205が設けられていて、これにより容器本体200と下部蓋体300bとが密閉され、処理室が画定される。上部蓋体300aと下部蓋体300bとの接触面にもOリング210及びOリング215が設けられていて、これにより、上部蓋体300aと下部蓋体300bとが密閉されている。容器本体200及び蓋体300は、たとえば、アルミニウム合金等の金属からなり、電気的に接地されている。
処理容器100の内部には、基板Gを載置するためのサセプタ105(ステージ)が設けられている。サセプタ105は、たとえば窒化アルミニウムから形成されている。サセプタ105は、支持体110に支持されていて、その周囲には処理室のガスの流れを好ましい状態に制御するためのバッフル板115が設けられている。また、処理容器100の底部にはガス排出管120が設けられていて、処理容器100の外部に設けられた真空ポンプ(図示せず)を用いて処理容器100内のガスが排出される。
図1及び図2を見ると、処理容器100の天井面には、誘電体板305、金属電極310及び金属カバー320が規則的に配置されている。金属電極310及び金属カバー320の周囲には、サイドカバー350が設けられている。誘電体板305、金属電極310及び金属カバー320は、僅かに角が削られた略正方形のプレートである。なお、菱形であってもよい。本明細書において、金属電極310は、金属電極310の外縁部から誘電体板305が概ね均等に露出するように誘電体板305に隣接して設けられた平板をいう。これにより、誘電体板305は、蓋体300の内壁と金属電極310によりサンドイッチされる。金属電極310は、処理容器100の内壁と電気的に接続されている。
誘電体板305及び金属電極310は、基板Gや処理容器100に対して概ね45°傾いた位置に等ピッチで48枚配置される。ピッチは、一つの誘電体板305の対角線の長さが、隣り合う誘電体板305の中心間の距離の0.9倍以上になるように定められている。これにより、誘電体板305のわずかに削られた角部同士は隣接して配置される。
金属電極310と金属カバー320は、誘電体板320の厚さ分、金属カバー320の方が厚い。かかる形状によれば、天井面の高さがほぼ等しくなると同時に、誘電体板305が露出した部分やその近傍の凹みの形状もすべてほぼ同じパターンになる。
誘電体板305はアルミナにより形成され、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350はアルミニウム合金により形成されている。なお、本実施形態では、8枚の誘電体板305及び金属電極310が8列に6段配置されるが、これに限られず、誘電体板305及び金属電極310の枚数を増やすことも減らすこともできる。
誘電体板305及び金属電極310は、螺子325により4カ所から均等に支持されている(図3参照)。図2に示したように、上部蓋体300aと下部蓋体300bとの間には、紙面に垂直な方向に格子状に形成された主ガス流路330が設けられている。主ガス流路330は、複数の螺子325内に設けられたガス流路325aにガスを分流する。ガス流路325aの入口には、流路を狭める細管335が嵌入されている。細管335は、セラミックスや金属からなる。金属電極310と誘電体板305との間にはガス流路310aが設けられている。金属カバー320と誘電体板305との間及びサイドカバー350と誘電体板305との間にもガス流路320aが設けられている。螺子325の先端面は、プラズマの分布を乱さないように、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350の下面と面一になっている。金属電極310に開口されたガス放出穴345aと金属カバー320やサイドカバー350に開口されたガス放出穴345bとは均等なピッチで配設されている。
ガス供給源905から出力されたガスは、主ガス流路330からガス流路325a(枝ガス流路)を通過し、金属電極310内の第1のガス流路310a及び金属カバー320やサイドカバー350内の第2のガス流路320aを通ってガス放出穴345a、345bから処理室内に供給される。第1の同軸管610の外周近傍の下部蓋体300bと誘電体板305との接触面にはOリング220が設けられていて、第1の同軸管610内の大気が処理容器100の内部に入らないようになっている。
このようにして天井部の金属面にガスシャワープレートを形成することにより、従来生じていた、プラズマ中のイオンによる誘電体板表面のエッチング及び処理容器内壁への反応生成物の堆積を抑制し、コンタミやパーティクルの低減を図ることができる。また、誘電体と異なり金属は加工が容易であるため、コストを大幅に低減することができる。
蓋体300を掘り込んで形成された第1の同軸管の外部導体610bには、内部導体610aが挿入されている。同様にして掘り込んで形成された第2〜第5の同軸管の外部導体620b〜650bには、第2〜第5の同軸管の内部導体620a〜650aが挿入され、その上部は蓋カバー660で覆われている。各同軸管の内部導体は熱伝導のよい銅で形成されている。
図2に示した誘電体板305の表面は、第1の同軸管610から誘電体板305にマイクロ波が入射する部分と誘電体板305からマイクロ波が放出される部分を除いて金属膜305aにて被覆されている。これにより、誘電体板305とそれに隣接する部材間に生じた空隙によってもマイクロ波の伝搬が乱されず、安定してマイクロ波を処理容器内に導くことができる。
図1に示したように、誘電体板305は、誘電体板305に一対一に隣接した金属電極310と誘電体板305が配置されていない処理容器100の内壁(金属カバー320で覆われた処理容器100の内壁を含む)の間から露出している。誘電体板305と誘電体板305が配置されていない処理容器100の内壁(金属カバー320で覆われた処理容器100の内壁を含む)とは、実質的に相似をなす形状か、または実質的に対称となる形状となっている。これにより、誘電体板から金属電極側及び内壁側(金属カバー320及びサイドカバー350側)に概ね均等にマイクロ波の電力を供給することができる。この結果、誘電体板305から放出されたマイクロ波は、表面波となって電力を半分に分配しながら金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350の表面を伝搬する。処理容器内面の金属面とプラズマとの間を伝搬する表面波を、以下、導体表面波(金属表面波:Metal Surface Wave)という。これにより、天井面全体に、導体表面波が伝搬し、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置10の天井面下方にて、均一なプラズマが安定的に生成される。
サイドカバー350には、48枚の誘電体板305の全体を囲むように8角形の溝340が形成されていて、天井面を伝搬する導体表面波が、溝340より外側に伝搬することを抑制する。複数の溝340を平行に多重に形成してもよい。
一枚の金属電極310を中心として、隣接する金属カバー320の中心点を頂点に持つ領域を、以下、セルCel(図1参照)という。天井面では、セルCelを一単位として同一パターンの構成が48セルCel規則正しく配置されている。なお、セルCelのサイズは波長に制約されない。これについては後述する。
冷媒供給源910は、蓋体内部の冷媒配管910a、第2の同軸管の内部導体620aの冷媒配管910bに接続されていて、冷媒供給源910から供給された冷媒が冷媒配管910a、910b内を循環して再び冷媒供給源910に戻ることにより、蓋体300及び内部導体の加熱を抑止するようになっている。
(多分岐:対称8分岐)
次に、本実施形態に係る多分岐(対称8分岐)について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、同軸管分配器700を含む分岐回路の模式図である。図5は、図2の3−3断面を示す。
マイクロ波源900は、導波管と連結し、3分岐しながら同軸導波管変換器を介して第4の同軸管640にマイクロ波を伝送する。第4の同軸管640は、2分岐(T分岐)して第2の同軸管620に連結される。マイクロ波が第4の同軸管640から第2の同軸管620に入射される部分を以下、第2の同軸管の入力部Inと称する。同軸管分配器700は、入力部Inを有する第2の同軸管620及び第2の同軸管620に4カ所で連結され、非垂直に延伸する第3の同軸管630を含む多分岐構造である。第2の同軸管620と第3の同軸管630との連結部分では、第2の同軸管620に対して第3の同軸管630が2本ずつ連結されている。本実施形態では、8本の第3の同軸管630が第2の同軸管620に連結されている。8本の第3の同軸管630のそれぞれは、第5の同軸管650にT分岐し、第5の同軸管650の両端部にて第1の同軸管610に連結し、第1の同軸管610の末端にて誘電体板305に連結する。
これにより、一台のマイクロ波源900から出力された915MHzのマイクロ波は、アイソレータ、方向性結合器、整合器(不図示)、導波管3分配器及び3個の同軸導波管変換器を経て、第4の同軸管640を伝送し、第2の同軸管620および8本の第3の同軸管630からなる同軸管分配器700により電力を均等に分配しながら伝送される。第3の同軸管630を伝送されたマイクロ波は、第5の同軸管650、第1の同軸管610を介して誘電体板305に伝送され、金属電極310の周縁に露出した誘電体板305から処理容器内に放出される。本装置では、3本の第2の同軸管620が平行に等ピッチで配置されている。
本実施形態では、8本の第3の同軸管630が第2の同軸管620に連結されているが、第2の同軸管620には、3本以上の第3の同軸管630が連結されればよい。本実施形態にかかる同軸管分配器700に形成された分岐部は、対称な多分岐である。対称な多分岐とは、第2の同軸管の内部導体中央の入力部Inから一方の分岐先に連結された第3の同軸管630の数及び連結位置が他方の分岐先に連結された第3の同軸管630の数及び連結位置と等しく、入力部Inを中心として対称性がある3以上の分岐をいう。
一方、後述する第2実施形態にかかる同軸管分配器700に形成された分岐部は、非対称な多分岐である。非対称な多分岐とは、たとえば、図8及び図9に示したように、第2の同軸管の内部導体中央の入力部Inから一方の分岐先に連結された第3の同軸管630の数及び連結位置が他方の分岐先に連結された第3の同軸管630の数及び連結位置と等しくなく、入力部Inを中心として対称性がない3以上の分岐をいう。
図5に示したように、内部導体620a及び内部導体630aとの連結部A〜Aのうち、入力部Inは連結部Aと連結部Aとの中点である。入力部Inが介在しない、結部Aと連結部Aとの間及び連結部Aと連結部Aとの間の電気長がπradの整数倍になっていれば、全ての第3の同軸管630に伝送されるマイクロ波の振幅が等しくなる。さらに、これらの電気長がπradの奇数倍になっていれば、連結部Aと連結部Aとにそれぞれ連結された第3の同軸管630、及び連結部Aと連結部Aとにそれぞれ連結された第3の同軸管630に伝送されるマイクロ波の位相がそれぞれπradずれる。一方、これらの電気長がπradの偶数倍、即ち2πradの整数倍になっていれば、全ての第3の同軸管630に伝送されるマイクロ波の位相が等しくなる。本実施形態においては、位相を一致させる必要があるため、これらの電気長が2πradの整数倍になっていればよい。なお、連結部周辺では伝搬のモード(TEMモード)が乱されるため、電気長が変化する。このため、実際には、連結部Aと連結部Aと間の距離及び連結部Aと連結部Aと間の距離は、第2の同軸管620の管内波長λg=327.6mmよりも数mm長く設定されている。
同軸管分配器700の構造について、図5を参照しながらより詳しく説明する。第2の同軸管620は、その中央にて第4の同軸管640に連結される。第2の同軸管620の入力部Inから第2の同軸管620の端部までは、各端部に対していずれも2カ所ずつ第3の同軸管630が連結し、湾曲しながら延伸している。第2の同軸管620の入力部Inから第2の同軸管620の端部までの間に第3の同軸管630が連結する数は、2以下である方が好ましい。マイクロ波の周波数が変動しても第3の同軸管630に共有する電力のバランスが崩れにくいからである。
第2の同軸管の内部導体620aと外部導体620bとは、第2の同軸管620の両端にて短絡され、第2の同軸管620の端部からその端部に最も近い第2の同軸管620と第3の同軸管630との連結部分までの電気長は、概ねπ/2radの奇数倍(ここでは、1倍)と等しくなっている。これにより、この間は、一端を短絡された分布定数線路とみなすことができる。このように、一端が短絡された電気長がπ/2radの分布定数線路は、もう一端から見るとインピーダンスが無限大に見える。よって、マイクロ波の伝送にとって第2の同軸管620の端部から連結部分までの部分は存在しないに等しいものとなり、伝送線路の設計が容易になる。
内部導体630aの出力端(ロッド630a1の出力側端部)には、第5の同軸管650がそれぞれ連結され、T分岐になっている。第5の同軸管650の両端部には、紙面の奥側に向かって垂直に第1の同軸管610が連結している。以上の構成により、マイクロ波は、第2の同軸管620の入力部から同軸管分配器700に入力され、第2の同軸管620を伝送して、第3の同軸管630に多分岐して分配され、第5及び第1の同軸管650,610を通って隣接する複数の誘電体板305から処理容器内に放出される。
(第4の同軸管とT分岐)
図6は、図5の4−4断面であって、第4の同軸管640と第2の同軸管620との連結部分を示す。第4の同軸管640と第2の同軸管620との連結部分は、T字状に2分岐している(T分岐)。第4の同軸管の内部導体640aの先端は、パイプ705状になっていて、その内部を内部導体620aが貫通している。これにより、第4の同軸管の内部導体640aと第2の同軸管の内部導体620aとは密着する。マイクロ波は、第4の同軸管640から第2の同軸管620に伝送される。
第4の同軸管640の両側の内部導体620aの外周部には溝が形成され、その溝には誘電体リング710が嵌め込まれている。第4の同軸管の内部導体640aの外周部にも溝が形成され、その溝にも誘電体リング715が嵌め込まれている。誘電体リング710、715はテフロン(登録商標)から形成されている。これにより、第2及び第4の同軸管の内部導体620a,640aは、外部導体620b、640bにそれぞれ支持される。
第4の同軸管の外部導体640bは、第2の同軸管を貫通し、第2の同軸管の外部導体620bより外側にお椀状に丸みを帯びながら突出している。このように、2分岐の出力側の同軸管(ここでは、第2の同軸管620)の外部導体のうち、分岐部(連結部分)の外部導体を他の部分の外部導体よりも太くすることにより、連結部分にて第2の同軸管の内部導体620aと外部導体620bとの間の空間を大きくして、マイクロ波が分岐部分を伝送する際の反射を抑える。
内部導体640aのパイプ705の部分と内部導体620aとの接触面には、外側にシールドスパイラル720、内側にOリング725が設けられている。シールドスパイラル720は、第2の同軸管の内部導体620aと第4の同軸管の内部導体640aとの電気的接続を良好にするためであり、Oリング725は、冷媒が冷媒流路910bから外部に漏れないようにするためである。
第4の同軸管の内部導体640aは、第2の同軸管620の長手方向に摺動可能に連結されている。第3の同軸管の内部導体630aは、第2の同軸管620に螺子止めされているが、第2の同軸管620の長手方向に摺動可能に連結されていてもよい。加熱による部材の熱膨張に対して各同軸管にストレスを掛けないためである。
(特性インピーダンス)
2分岐では、入力側の同軸管に2つの出力側の同軸管が並列に接続されるから、入出力間のインピーダンスを整合させるには、入力側の同軸管の特性インピーダンスを、出力側の特性インピーダンスの1/2にすればよい。本実施形態においては、第4の同軸管640(入力側の同軸管)の特性インピーダンスは30Ω、第2の同軸管620(出力側の同軸管)の特性インピーダンスは60Ωに設定されており、この関係が成り立っている。したがって、分岐部の反射を抑えて大電力のマイクロ波を伝送させることができる。
(第3の同軸管と第2の同軸管の連結部分)
図2を参照すると、第3の同軸管の内部導体630aでは、ロッド630a1が内部導体連結板630a2に螺子Sにより固定されている。このように、第2の同軸管620と第3の同軸管630との連結部分では、第2の同軸管620に対して第3の同軸管630(ロッド630a1)が対向して連結されている。なお、第3の同軸管630は、各分岐部分にて1本のみ連結していてもよく2本以上連結していてもよい。また、各第3の同軸管630は、本実施形態のように対向して連結されていてもよいが、対向していなくてもよい。
第3の同軸管の内部導体630aのうち、第2の同軸管の内部導体620aと連結する部分(内部導体連結板630a2の部分)は、他の部分より細くなっている。第2の同軸管を伝送するマイクロ波の伝送状態の乱れを小さくするためである。さらに、細くなっている部分の長さ、及び太さを変えることにより、第3の同軸管630の電気長を調整することができる。第3の同軸管の内部導体630aを第2の同軸管の内部導体620aよりも細くしたり、第3の同軸管の外部導体630bを第2の同軸管の外部導体620bよりも細くすることにより、マイクロ波の伝送状態の乱れを小さくしている。内部導体連結板630a2と第2の同軸管の内部導体620aは、ロウ付け又は半田付けにより固定されている。なお、第3の同軸管630は、インピーダンス変換機構としても機能するが、これについては後述する。
(第5の同軸管とT分岐)
次に、図7を参照しながら、第3及び第5の同軸管630,650によるT分岐の構造を説明する。第3の同軸管630は、湾曲しながら第2の同軸管620と第5の同軸管650とを連結する。第5の同軸管の内部導体650aは、第2及び第3の同軸管の内部導体620a,630aと同様に銅から形成されている。第3及び第5の同軸管の内部導体630a、650aの連結部分は、第3の同軸管の内部導体630aを第5の同軸管の内部導体650aの凹部に嵌め込んだ状態で半田付け又はロウ付けにより固定されている。
第5の同軸管の内部導体650aの外周部には、T分岐の両側にて溝が形成され、その溝には誘電体リング730が嵌め込まれている。これにより、第5の同軸管の内部導体650aは、外部導体650bに支持される。第5の同軸管の内部導体650aは、誘電体ロッド735によって側部からも支持される。誘電体ロッド735は、第5の同軸管の内部導体650aに設けられた穴に挿入され、第1の同軸管の内部導体610aを第5の同軸管650に固定する。誘電体リング730及び誘電体ロッド735は、テフロンから形成されている。
(インピーダンス変換機構)
次に、第3の同軸管のインピーダンス変換機構について説明する。
同軸管分配器700における反射を無くすには、第2の同軸管620と第3の同軸管630の連結部から第3の同軸管側を見たインピーダンスが所望の値の実数となっていればよい。第3の同軸管630の出力側が整合されているとすれば、第3の同軸管630の電気長を、概ねπ/2radに設計することにより、連結部から第3の同軸管側を見たインピーダンスを実数にすることができる。さらに、第3の同軸管の特性インピーダンスを変えることにより、連結部から第3の同軸管側を見たインピーダンスを所望の値にすることができる。
図2に示したように、前述した第3の同軸管の内部導体630aでは、第2の同軸管の内部導体620aと連結する部分(内部導体連結板630a2)が他の部分(ロッド630a1部分)より細くなっている。このように、第3の同軸管の内部導体630aを細くすることにより、第3の同軸管630の電気長を長くすることができる。
また、図示していないが、第3の同軸管の内部導体630aの第5の同軸管の内部導体650aとの連結部を細くするか、又は外部導体630bを太くすることによっても、第3の同軸管630の電気長を長くすることができる。
さらに、第5の同軸管の内部導体650aの第3の同軸管の内部導体630aとの連結部を図7のくびれ部650a1のように細くするか、又は外部導体650bを太くすることにより、第3の同軸管630の電気長を長くすることができる。
以上のように、第3の同軸管630に細くなっている部分や太くなっている部分を設け、その長さや太さを調整することにより、第3の同軸管の電気長を調整することができる。また、第3の同軸管に連結された同軸管(ここでは、第2,第5の同軸管)の長さや太さを調整することにより、連結された同軸管の電気長を調整することができる。これらの調整手段(インピーダンス変換機構)により、第2の同軸管620に垂直な方向のセルピッチPi1(図1参照)を比較的自由に定めることができる。さらに、第3の同軸管630を湾曲させることにより、第2の同軸管620に水平な方向のセルピッチPi2を比較的自由に定めることができる。
これにより、マイクロ波の管内波長の制約を受けることなく基板サイズに合わせてセルの縦横のサイズを自由に定めることができる。通常、プラズマ励起領域Eaを基板サイズに対して60mm〜80mm程度大きくすれば、均一なプラズマ処理が行える。よって、プラズマ励起領域Eaを上記条件を満たした、ガラス基板のサイズよりやや大きい領域とすることにより、プラズマ励起領域が必要以上に大きくならず、使用電力を低減できる。また、装置全体が必要以上に大きくなることも回避できる。
(インピーダンス緩衝部)
内部導体が太いほど特性インピーダンスは小さくなり、内部導体が細いほど特性インピーダンスは大きくなる。よって、太さが異なる第3の同軸管の内部導体630aと第5の同軸間の内部導体650aとを直接連結すると、特性インピーダンスが大きく異なるため連結部分にて反射が大きくなる。そこで、第5の同軸管の内部導体650aと第3の同軸管の内部導体630aとの連結部分のくびれ部650a1は、反射を小さくする機能も有する。このようにして、くびれ部650a1がインピーダンス緩衝部となって、特性インピーダンスを徐々に段階的に変えながら連結させることができ、マイクロ波の反射を抑え、第5の同軸管650の左右にマイクロ波を入り込みやすくすることができる。さらに、第3の同軸管630の湾曲形状に合わせて、くびれ部650a1の太さだけでなく、第5の同軸管の内部導体650aの中点Rから右のくびれの長さLrと左のくびれの長さLlとを異ならせることにより、第5の同軸管650の左右に均等な電力のマイクロ波を伝送することができる。
対称多分岐の場合には、第2の同軸管620の入力部Inから両端を見たインピーダンスをそれぞれ整合させることができるし、且つ第4の同軸管640から負荷側を見たインピーダンスを整合させることもできる。この結果、同軸管分配器700の入力側から見たときの反射がなくなり大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。以下の条件を満たせば、第2同軸管620から負荷側を見たインピーダンスを整合させることができる。
すなわち、第1の同軸管610からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、第3の同軸管630の出力端から出力側を見たインピーダンスが概ね抵抗性であり、第3の同軸管630の出力端から出力側を見た抵抗をRr5、第2の同軸管620の入力部から第2の同軸管620の端部までの間に連結される第3の同軸管630の数をN、第2の同軸管620の特性インピーダンスをZc2としたとき、第3の同軸管630の特性インピーダンスZc3を、概ね(Rr5×N×Zc21/2と等しくするとともに、電気長をπ/2radにする。たとえば、図4に示した8分岐の場合、第3の同軸管630の出力端には、特性インピーンダンスが30Ωの2本の第5の同軸管650が並列に接続されているから、Rr5=15Ωである。また、N=4,Zc2=60Ωであれば、Zc3を60Ωにすればよい。
また、第2の同軸管620と第3の同軸管630との連結部分から第3の同軸管側を見たインピーダンスは概ね抵抗性であり、第2の同軸管620と第3の同軸管630との連結部分から第3の同軸管側を見た抵抗をRr3、第2の同軸管620の入力部Inから第2の同軸管620の片端までの間に接続される第3の同軸管630の数をN、第2の同軸管620の特性インピーダンスをZc2としたとき、第2の同軸管620の特性インピーダンスZc2を概ねRr3/Nに等しくする。
たとえば、図4に示した8分岐の場合、Rr3=240,Zc2=240/4=60Ωとなり、上記の関係が満たされている。
(第2実施形態:非対称6分岐)
次に、第2実施形態にかかるG4.5用ガラス基板の分岐回路について図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る同軸管分配器700を含む分岐回路の模式図である。図9は、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置10の天井面を示す。本実施形態は、同軸管を非対称に6分岐した多分岐である。G4.5用ガラス基板のサイズは、730×920mmである。
本実施形態では、図8に示したように、伝送線路900aは、導波管、同軸導波管変換器、複数の同軸管を含む。一台のマイクロ波源900から出力されたマイクロ波は、導波管にて3分岐しながら同軸導波管変換器に伝わり、第4の同軸管640を介して同軸管分配器700に伝送される。同軸管分配器700は、入力部Inを有する第2の同軸管620に非対称に6分岐した第3の同軸管630を含む多分岐構造である。
図9に示したように、セル数は、基板長手方向及び基板短手方向に6列ずつ、合計で36枚均等に配置される。入力部Inは、連結部Aと連結部Aとの中点、若しく連結部Aと連結部Aとの中点にある。前述したように、対称多分岐の場合には、第2の同軸管620の入力部Inから両端を見たインピーダンスをそれぞれ整合させることができるし、且つ第4の同軸管640から負荷側を見たインピーダンスを整合させることもできる。
しかし、非対称多分岐の場合には、仮に第2の同軸管620の入力部Inから両端を見たインピーダンスをそれぞれ整合させると、左右に伝送されるマイクロ波の電力が等しくなるから、各セルに供給させるマイクロ波の電力が左右で異なってしまう。このため、第2の同軸管620の入力部Inから両端を見たインピーダンスを整合させることはできない。しかし、以下の条件を満たせば、第4の同軸管640から負荷側を見たインピーダンスを整合させることはできる。この結果、大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。
すなわち、第2の同軸管620の入力部Inには、特性インピーダンスがZc4の第4の同軸管640が接続され、第1の同軸管610からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、第3の同軸管630の出力端から出力側を見たインピーダンスが概ね抵抗性であり、第3の同軸管630の出力端から出力側を見た抵抗をRr5、第2の同軸管620に接続される第3の同軸管630の数をNとしたとき、第3の同軸管630の特性インピーダンスZc3を、概ね(Rr5×N×Zc41/2と等しくするとともに、電気長をπ/2radにする。たとえば、図8に示した6分岐の場合、第3の同軸管630の出力端には、特性インピーンダンスが30Ωの2本の第5の同軸管650が並列に接続されているから、Rr5=15Ωである。また、N=6,Zc4=30Ωであれば、Zc3を52Ωにすればよい。
また、第2の同軸管620と第3の同軸管630との連結部分から第3の同軸管側を見たインピーダンスは概ね抵抗性であり、前記連結部分から第3の同軸管側を見た抵抗をRr3、第2の同軸管620に接続される第3の同軸管630の数をNとしたとき、特性インピーダンスZc4を概ねRr3/Nに等しくする。
たとえば、図8に示した6分岐の場合、Rr3=180,Zc4=180/6=30Ωとなり、上記の関係が満たされている。
対称多分岐の場合には、第2の同軸管620の入力部から両端を見たインピーダンスをそれぞれ整合させることができたため、連結部A〜Aの部分に定在波が立っておらず、連結部A〜Aの間隔は任意であった。一方、非対称分岐の場合には、連結部A〜Aの部分に定在波が立っており、連結部A〜A間の電気長を、2πradの整数倍(本実施の形態では1倍)に合わせなければならない。
ところが、入力部に同軸管が連結されると、連結部周辺で伝搬のモードが乱されるため、電気長が変化する。この電気長のずれを補正するために、テフロンからなる誘電体リング710が、入力部Inと連結部A、及び入力部と連結部Aとの間に設けられている。誘電体リング710の厚さ、位置、及び誘電率を最適化することにより、非対称多分岐においても、振幅と位相の揃ったマイクロ波を分岐先に伝送させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態にかかるG10用ガラス基板の分岐回路について図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、同軸管分配器700を含む分岐回路の模式図である。図11は、マイクロ波プラズマ処理装置上に載置された導波管分配器850を示す。本実施形態は、同軸管を対称的に8分岐した多分岐である。G10用ガラス基板のサイズは、2880×3080mmである。
導波管分配器850は、トーナメント方式の2×2×2分岐が、平面状に構成されている。マイクロ波源900及びチューナに対して、両側に対称的に導波管850が分岐している。平面状に構成されているため、導波管850の厚さ(図11の紙面に垂直方向の長さ)が薄く、装置上に容易に載置することができる。
セル数は、基板長手方向及び基板短手方向に16列ずつ、合計で256枚均等に配置される。同軸管対称8分岐が横方向に2列、縦方向に8列設置されている。
(インピーダンス変換機構の変形例)
次に、図12を参照しながら、インピーダンス変換機構の変形例について簡単に述べる。図5に示したように、上述した各実施形態に係る第3の同軸管630は湾曲していたのに対して、本変形例に係る第3の同軸管630は棒状であって、第2の同軸管に対して斜めに連結されている。これによっても、第3の同軸管630をインピーダンス変換機構として機能させることにより、分配器入力側から見たとき反射を抑え、大電力のマイクロ波を伝送できるようになる。
(第4実施形態:同軸管分配器の変形例)
最後に、図13〜図15を参照しながら、第4実施形態に係る同軸管分配器700の変形例について簡単に説明する。図13は、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置の断面である。図13は、図14の8−O−O’−8断面を示す。図14は、図13の6−6断面を示す。図15は、図13の7−7断面を示す。第4実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置10は、ウエハサイズが直径300mmの半導体基板用である。
本実施形態では、第4の同軸管640は、第3の同軸管630(ロッド630a1及び内部導体連結板630a2)にT分岐し、さらに、第3の同軸管630は、第5の同軸管650にT分岐する。第3の同軸管630の分岐部分は、他の部分より細いくびれ部630a11を有する。第3の同軸管630から第5の同軸管650へのT分岐は、図5のT分岐と基本的に同じであり、第3の同軸管630はインピーダンス変換を行っている。ただし、本実施形態では、第3の同軸管630が湾曲しておらず、第3の同軸管の内部導体630aが、第5の同軸管の内部導体650に垂直に連結されている。
第3の同軸管の出力端には、特性インピーンダンスが30Ωの2本の第5の同軸管650が並列に接続されている。従って、第1の同軸管610からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、第3の同軸管630の出力端から出力側を見たインピーダンスは30/2=15Ωになる。一方、第4の同軸管640の特性インピーダンスは50Ωである。従って、第4の同軸管と第3の同軸管の連結部から第3の同軸管側を見たインピーダンスが50×2=100Ωになっていれば、分配器における反射をなくして大電力のマイクロ波を伝送できる。この15Ωから100Ωのインピーダンス変換を、電気長がπ/2radの第3の同軸管が担っている。
本実施形態では、連結部分の内部導体630a側にくびれ部630a11が設けられている。くびれ部630a11の直径や長さによって、第3の同軸管630の電気長を調整している。
なお、2分岐を構成する出力側の同軸管の外部導体(図15の第5の同軸管の外部導体650b)のうち、連結部分が他の部分よりも太くなっていてもよい。
以上に説明した第1実施形態〜第3実施形態及び変形例に係るマイクロ波プラズマ処理装置10によれば、同軸管分配器700のうち少なくとも一段は、第2の同軸管620から第2の同軸管620に非垂直に連結された3本以上の第3の同軸管630に多分岐する。第3の同軸管630は、特性インピーダンスを調整する機構を持っていて、第3の同軸管630の入力側(電磁波源側)の特性インピーダンスを第3の同軸管630の出力側(プラズマ側)の特性インピーダンスに整合させることができる。この結果、マイクロ波の伝送効率を向上させることができる。
また、第4実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置10によれば、同軸管分配器700のうち少なくとも一段は、入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスが異なることにより、分岐部分にてインピーダンスを整合させることができる。この結果、大電力のマイクロ波を伝送することができる。
以上に説明した各実施形態では、915MHzのマイクロ波を出力するマイクロ波源900を挙げたが、896MHz、922MHz、2.45GHz等のマイクロ波を出力するマイクロ波源であってもよい。また、マイクロ波源は、プラズマを励起するための電磁波を発生する電磁波源の一例であり、100MHz以上の電磁波を出力する電磁波源であれば、マグネトロンや高周波電源も含まれる。
また、金属電極310の形状は、4角形に限られず、3角形、6角形、8角形でもよい。この場合には、誘電体板305及び金属カバー320の形状も金属電極310の形状と同様になる。金属カバー320やサイドカバーはあってもなくてもよい。金属カバー320がない場合には、蓋体300に直接ガス流路が形成される。また、ガス放出穴がなく、ガス放出機能がなくてもよいし、下段シャワーが設けられていてもよい。金属電極310や誘電体板305の数は8個に限定されず、1個以上の何れかであってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、第3の同軸管630のインピーダンス変換機構は、第2の同軸管620から非垂直に延伸する機構と、第2の同軸管の内部導体620aと第3の同軸管の内部導体630aとの間にテフロン等の誘電体からなるインピーダンス変換機構と、を組み合わせて構成されてもよい。
また、本発明では、同軸管分配器700のうち少なくとも一段が、第2の同軸管620と3本以上の第3の同軸管630とを有していれば、他の伝送線路を含んでいてもよい。また、各第3の同軸管630は、前記第2の同軸管に対して非垂直に延伸していれば、第2の同軸管620から斜め方向に延伸していても、湾曲しながら延伸していても、その他の形状であってもよい。
プラズマ処理装置は、上述したマイクロ波プラズマ処理装置に限られず、成膜処理、拡散処理、エッチング処理、アッシング処理、プラズマドーピング処理など、プラズマにより被処理体を微細加工する装置であればよい。
また、たとえば、本発明にかかるプラズマ処理装置は、大面積のガラス基板、円形のシリコンウエハや角型のSOI(Silicon On Insulator)基板を処理することもできる。
第1実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置の天井面を示した(図2の2−2断面)図である。 図1の1−O−O’−1断面図である。 図1の領域Exの拡大図である。 同実施形態にかかる分岐回路を示した図である。 図2の3−3断面図である。 図5の4−4断面図である。 インピーダンス変換部の機能を説明するための図である。 第2実施形態にかかる分岐回路を示した図である。 同実施形態に係る蓋体の切断面を示した図である。 第3実施形態にかかる分岐回路を示した図である。 同実施形態に係る導波管分岐及び同軸管多分岐を模式的に示した図である。 変形例にかかる同軸管分配器を示した図である。 第4実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置の縦断面図である。 図13の6−6断面図である。 図13の7−7断面図である。
符号の説明
10 マイクロ波プラズマ処理装置
100 処理容器
300 蓋体
305 誘電体板
310 金属電極
320 金属カバー
350 サイドカバー
610 第1の同軸管
620 第2の同軸管
630 第3の同軸管
630a1 ロッド
630a11、650a1 くびれ部
630a2 内部導体連結板
640 第4の同軸管
650 第5の同軸管
700 同軸管分配器
705 誘電体リング
900 マイクロ波源
Cel ユニットセル

Claims (27)

  1. 電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    処理容器と、
    電磁波を出力する電磁波源と、
    前記電磁波源から出力された電磁波を伝送する伝送線路と、
    前記処理容器の内壁に設けられ、電磁波を前記処理容器内に放出する複数の誘電体板と、
    前記複数の誘電体板に隣接し、電磁波を前記複数の誘電体板に伝送する複数の第1の同軸管と、
    前記伝送線路を伝送した電磁波を前記複数の第1の同軸管に分配して伝送する1段又は2段以上の同軸管分配器と、を備え、
    前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は、入力部を有する第2の同軸管と前記第2の同軸管に連結された3本以上の第3の同軸管とを含み、
    第3の同軸管のそれぞれは、前記第2の同軸管に対して非垂直に延伸する部分を有するプラズマ処理装置。
  2. 各第3の同軸管は、インピーダンス変換機構を有する請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  3. 前記第2の同軸管の入力部から前記第2の同軸管の端部までの間の前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分の数は、2以下である請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  4. 前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部間のうち前記入力部が介在しない連結部間の電気長は、概ねπradの整数倍に等しい請求項1〜3のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  5. 前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部間のうち前記入力部が介在しない連結部間の電気長は、概ね2πradの整数倍に等しい請求項4に記載されたプラズマ処理装置。
  6. 前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分では、前記第2の同軸管に対して前記第3の同軸管が2本ずつ連結されている請求項1〜5のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  7. 前記第3の同軸管は、湾曲している請求項1〜6のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  8. 前記第3の同軸管は、前記第2の同軸管に斜めに連結している請求項1〜7のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  9. 前記第3の同軸管の内部導体は、前記第2の同軸管の内部導体よりも細い請求項1〜8のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  10. 前記第3の同軸管の外部導体は、前記第2の同軸管の外部導体よりも細い請求項1〜9のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  11. 前記第2の同軸管の内部導体と外部導体とは、前記第2の同軸管の少なくとも片方の端部にて短絡され、
    前記第2の同軸管の端部から前記端部に最も近い前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分までの電気長は、概ねπ/2radの奇数倍と等しい請求項1〜10のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  12. 前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分から前記第3の同軸管側を見たインピーダンスは概ね抵抗性であり、
    前記連結部分から前記第3の同軸管側を見た抵抗をRr3、前記第2の同軸管の入力部から前記第2の同軸管の片端までの間に連結される第3の同軸管の数をN、前記第2の同軸管の特性インピーダンスをZc2としたとき、前記第2の同軸管の特性インピーダンスZc2は概ねRr3/Nに等しい請求項1〜11のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  13. 前記第2の同軸管の入力部には、特性インピーダンスがZc4の第4の同軸管が連結され、前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第2の同軸管と前記第3の同軸管との連結部分から前記第3の同軸管側を見たインピーダンスは概ね抵抗性であり、
    前記連結部分から前記第3の同軸管側を見た抵抗をRr3、前記第2の同軸管に連結される第3の同軸管の数をNとしたとき、特性インピーダンスZc4は概ねRr3/Nと等しい請求項1〜11のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  14. 前記第3の同軸管の電気長が概ねπ/2radとなっている請求項1〜13のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  15. 前記第3の同軸管の内部導体のうち、前記第2の同軸管との連結部分は他の部分より細い請求項1〜14のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  16. 前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見たインピーダンスが概ね抵抗性であり、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見た抵抗をRr5、前記第2の同軸管の入力部から前記第2の同軸管の片端までの間に連結される第3の同軸管の数をN、前記第2の同軸管の特性インピーダンスをZc2としたとき、前記第3の同軸管の特性インピーダンスZc3は、概ね(Rr5×N×Zc21/2と等しい請求項14又は請求項15のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  17. 前記第2の同軸管の入力部には、特性インピーダンスがZc4の第4の同軸管が連結され、前記第1の同軸管からプラズマ側を見たインピーダンスが整合されているとき、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見たインピーダンスが概ね抵抗性であり、前記第3の同軸管の出力端から出力側を見た抵抗をRr5、前記第2の同軸管に連結される第3の同軸管の数をNとしたとき、前記第3の同軸管の特性インピーダンスZc3は、概ね(Rr5×N×Zc41/2と等しい請求項14又は請求項15のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  18. 前記第3の同軸管の出力端と第5の同軸管との連結部分はT分岐である請求項1〜17のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  19. 前記第3の同軸管の内部導体又は第5の同軸管の内部導体のうち少なくともいずれかは、前記T分岐の連結部分が他の部分よりも細い請求項18に記載されたプラズマ処理装置。
  20. 前記第5の同軸管の内部導体の細くなっている部分のうち、前記T分岐の連結部分から一方の分岐先に向かう部分の長さと前記T分岐の連結部分から他方の分岐先に向かう部分の長さとは異なる請求項19に記載されたプラズマ処理装置。
  21. 前記第3の同軸管の外部導体又は第5の同軸管の外部導体のうち少なくともいずれかは、前記T分岐の分岐部が他の部分よりも太い請求項18〜20のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  22. 前記処理容器の内壁に電気的に接続され、前記複数の誘電体板に一対一に隣接した複数の金属電極を備え、
    各誘電体板は、前記隣接した各金属電極と前記各誘電体板が配置されていない処理容器の内壁の間から露出し、
    前記各誘電体板が配置されていると前記各誘電体板が配置されていない処理容器の内壁又は前記内壁に設けられた金属カバーとは、実質的に相似をなす形状か、または実質的に対称となる形状である請求項1〜21のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  23. 電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    処理容器と、
    電磁波を出力する電磁波源と、
    前記電磁波源から出力された電磁波を伝送する伝送線路と、
    前記処理容器の内壁に設けられ、電磁波を前記処理容器内に放出する複数の誘電体板と、
    前記複数の誘電体板に隣接し、電磁波を前記複数の誘電体板に伝送する複数の第1の同軸管と、
    前記伝送線路を伝送した電磁波を前記複数の第1の同軸管に分配して伝送する1段又は2段以上の同軸管分配器と、を備え、
    前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は、入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスが異なるプラズマ処理装置。
  24. 前記入力側の同軸管と前記出力側の同軸管との連結部分は2分岐であり、
    前記2分岐では、前記入力側の同軸管の特性インピーダンスの2倍が、前記出力側の同軸管の特性インピーダンスと概ね等しい請求項23に記載されたプラズマ処理装置。
  25. 前記2分岐を構成する出力側の同軸管の外部導体のうち、前記連結部分が他の部分よりも太い請求項24に記載されたプラズマ処理装置。
  26. 処理容器の内部にガスを導入し、
    電磁波源から電磁波を出力し、
    前記出力した電磁波を伝送線路に伝送し、
    前記伝送線路を伝送した電磁波を1段又は2段以上の同軸管分配器から複数の第1の同軸管に分配して伝送し、
    前記第1の同軸管を伝送した電磁波を、前記処理容器の内壁に設けられた複数の誘電体板から前記処理容器内に放出し、
    電磁波を前記同軸管分配器に伝送させる際、前記同軸管分配器のうち少なくとも一段は入力部を有する第2の同軸管と前記第2の同軸管に連結された3本以上の第3の同軸管とを含み、前記第2の同軸管に対して非垂直に延伸する部分を有する各第3の同軸管に電磁波を伝送し、前記第1の同軸管を介して前記処理容器内に放出された電磁波により前記ガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理方法。
  27. 処理容器の内部にガスを導入し、
    電磁波源から電磁波を出力し、
    前記出力した電磁波を伝送線路に伝送し、
    1段又は2段以上の同軸管から形成され、その少なくとも一段では入力側の同軸管と出力側の同軸管との特性インピーダンスが異なる同軸管分配器にて前記伝送された電磁波を複数の第1の同軸管に分配して伝送し、
    前記複数の第1の同軸管に隣接し、前記処理容器の内壁に設けられた複数の誘電体板に電磁波を伝送し、
    前記複数の誘電体板から処理容器内に電磁波を放出し、
    前記放出された電磁波によりガスを励起させて前記処理容器内にて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理方法。
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