JP2009300560A - ホログラム自己吸着ラベルの製造方法、ホログラム自己粘着ラベル、及びホログラム付き媒体 - Google Patents

ホログラム自己吸着ラベルの製造方法、ホログラム自己粘着ラベル、及びホログラム付き媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】
最表面が防汚性保護層を有し、被貼着体へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができるホログラム自己吸着ラベルの製造方法、ホログラム自己粘着ラベル、及びホログラム付き媒体を提供する。
【解決手段】
(1)ホログラム転写箔10の準備工程、(2)自己吸着ラベル20の準備工程、(3)前記ホログラム転写箔10と前記自己吸着ラベル20とを積層する積層工程、(4)剥離層13面を露出させる露出工程、(5)該露出した剥離層13面へ防汚性保護層14を設ける防汚性保護層形成工程、とからなることを特徴とし、また、防汚性保護層14が電離放射線硬化性樹脂と、該電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物とを含み、電離放射線の照射によって硬化されていることも特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ホログラム自己粘着ラベルに関し、さらに詳しくは、被貼着体へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができるホログラム自己吸着ラベルの製造方法、ホログラム自己粘着ラベル、及びホログラム付き媒体に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「印字」は「印画」の略語、同意語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明のホログラム自己吸着ラベル40を被貼着体101へ貼着してなるホログラム付き媒体100の主なる用途としては、社員証、会員証及び学生証などのIDカードや、液晶ディスプレー装置などであり、タッチパネルに好適である。しかしながら、被貼着体へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができ、最表面が保護性と共に防汚性を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)従来、パソコン、携帯端末、携帯電話などでは情報を画像として表示し、該画像は、通常、ディスプレー装置(画像表示装置)を用いて表示している。ディスプレー装置は、例えば液晶ディスプレーや有機エレクトロルミネッセンスディスプレーなどで、ディスプレーモジュールに光出射面を被覆する光学部材とから構成されている。該光学部材はガラス又はフィルム状であり、使用者はこれを通して画像を見たり、タッチパネルであれば触れて操作を行う。即ち、使用者が直接接触したり、不作為に接触したりするので、多数回の繰返しでは表面に汚れが付着したり、スリキズが付き易くなり、その結果、ディスプレイの画質の低下をもたらすため、表面の保護性と共に表面の防汚性も必要である。また、普及が進んだ携帯電話などでは、画像表示部を保護すると同時に、自分好みの装飾を施すことが求められ、保護機能及び/又は装飾機能を粘着ラベルを用いて行っているが、容易に貼着して固定できるが気泡が巻き込み易く、所望時にも取り外しができず、更に再貼着(固定)することもできない。さらに、例えば、IDカードでは媒体の表面へ文字、数字、顔写真等のような画像が形成される。これらの画像の形成は、近年、所謂溶融転写タイプ又は昇華転写タイプのインクリボンを用いて熱転写又は昇華転写による転写法で行われることが多い。該転写法は基材シート上に着色転写層を形成した熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドなどにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するものである。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によって、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別され、両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能である。特に、昇華転写型の熱転写シートで画像形成した場合、顔写真等の階調性画像を精密に形成することができるが、通常の印刷インキによる画像とは異なり、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に欠ける弱点がある。その解決策として、熱転写画像上に熱転写性樹脂層を有する保護層熱転写フィルムを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて、透明性を有する熱転写性樹脂層を転写させ、画像上に保護層を形成することが行われている。上記の保護層はサーマルヘッドまたは熱ロールによる転写時に、部分的に転写する必要があることから、箔切れ性を有する必要がある。この場合、保護層を数ミクロン程度の厚さの樹脂膜にせざるを得ないことから、強靱な耐擦傷性、耐薬品性等の耐久性を持たせることが出来ない。上記の保護層に装飾を施すこともできるが、固定図柄であり、自分好みの装飾を施すことはできない。
従って、ディスプレー装置やカードなどの媒体(被貼着体)へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができ、鋭利なものの接触に対しても耐擦傷性などの表面保護性に優れ、手指の脂などで汚染しにくく、かつ、自分好みの装飾を有する別のホログラム自己吸着ラベルに貼り替えることが容易にできるホログラム自己吸着ラベルの製造方法、ホログラム自己粘着ラベル、及びホログラム付き媒体が求められている。
(先行技術)従来、重量平均分子量Mw、重量平均分子量と数平均分子量Mnの比、DSC分析における融解ピーク温度、及び融解熱を限定したエチレン−α−オレフィン共重合体からなる粘着層と他のポリオレフィン系樹脂からなる基材とが共押出によって一体に形成されていることを特徴とする表面保護フィルムが知られてている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、これは所謂プロテクトフィルムであり、自己吸着性や再剥離性についての記載や示唆はない。
また、再剥離性能にすぐれ、装置内部に組み込まれて使用された場合でも、装置の部品に密着する接着剤の層から熱分解生成物が生成しないか、またはその熱分解生成物が残留し難い、光学フィルタが知られてている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、被着面に対して再剥離性を有するようにするオレフィンベースポリマー含有接着剤を用いる光学フィルム限定であり、気泡の界面反射による光透過率低下の防止し、フィルム基材はポリカーボネ−ト、フタレート系ポリマー(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、アクリル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、結晶性ポリウレタン(ポリカ−ボネ−ト系ポリウレタン等)などが例示されているが、これらのフィルムは一般的な耐久性はあるものの、スクラッチによる耐擦傷性が劣るという欠点がある。
さらに、基材に(A)オキセタン化合物、(B)エポキシ化合物、(C)特定一般式のフッ素含有硬化性化合物を含有する低屈折率層が形成された反射防止積層体が知られ(例えば、特許文献3参照。)、さらにまた、支持体、蛍光体層と、紫外線または電子線硬化樹脂と、紫外線または電子線硬化樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有する反応性シリコーンとを含み、紫外線または電子線の照射によって硬化させた保護膜とをこの順に積層してなる放射線発光パネルが知られてている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、特許文献3、4では、反射防止積層体又は放射線発光パネルへ直接加工しているので、所望時には取り外したり、さらに、再貼着(固定)することができず、高コストであるという欠点がある。
特開平8−157791号公報 特開2004−29673号公報 特開2005−316415号公報 特開2002−174697号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、液晶ディスプレー装置などの装置や社員証などの被貼着体の表面に貼着して、最表面が防汚性保護層を有する保護機能(ホログラム層)付き媒体となり、被貼着体へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができるホログラム自己吸着ラベルの製造方法、ホログラム自己粘着ラベル、及びホログラム付き媒体を提供する。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わるホログラム自己吸着ラベルの製造方法は、(1)転写基材と、該転写基材の一方の面に剥離層、ホログラム層及び反射層からなるホログラム転写箔を準備するホログラム転写箔準備工程と、(2)ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に、自己吸着性かつ再剥離性のある接着層を設け、該接着層面へ剥離自在に剥離紙を設けてなる自己吸着ラベルを準備する自己吸着ラベル準備工程と、(3)前記ホログラム転写箔の反射層面と前記自己吸着ラベルのラベル基材面とを接着剤層を介して積層して積層体とする積層工程と、(4)前記積層体から前記ホログラム転写箔の転写基材を剥離し除去して、剥離層面を露出させる露出工程と、(5)該露出した剥離層面へ、防汚性保護層を設ける防汚性保護層形成工程と、からなるように、したものである。
請求項2の発明に係わるホログラム自己粘着ラベルは、請求項1に記載のホログラム自己吸着ラベルの製造方法で製造されており、前記防汚性保護層、剥離層、ホログラム層、反射層、接着剤層、ラベル基材、及び自己吸着性かつ再剥離性のある接着層からなり、前記防汚性保護層が、電離放射線硬化性樹脂と、該電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物とを含み、電離放射線の照射によって硬化されているように、したものである。
請求項3の発明に係わるホログラム付き媒体は、請求項2に記載のホログラム自己吸着ラベルの露出した接着層面を被貼着体へ貼着してなるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、ホログラム転写箔10及び自己吸着ラベル20の製造、積層工程、露出工程及び防汚性保護層形成工程も、既存技術及び既存設備で製造できるので、低コストで、容易に製造することができるホログラム自己吸着ラベルの製造方法が提供される。
請求項2の本発明によれば、液晶ディスプレー装置などの装置や社員証などの被貼着体の表面に貼着して高い保護機能(防汚性保護層)、並びに、意匠及びセキュリティ機能(ホログラム層)付き媒体となり、被貼着体へ容易に貼着して固定でき、所望時には再剥離層し取り外して、再貼着(固定)でき、また、所望時には別のラベルへ貼り替えすることができ、最表面が保護性と共に防汚性も有するホログラム自己粘着ラベルが提供される。
請求項3の本発明によれば、防汚性の保護機能及び装飾機能を有するホログラム自己吸着ラベルを自分好みの装飾に貼り替えることができ、かつ、最表面が保護性と共に防汚性も有するホログラム層となって、耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐候性などの耐久性に優れるホログラム付き媒体が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法に使用するホログラム転写箔の断面図である。
図2は、本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法に使用する自己吸着ラベル転写箔の断面図である。
図3は、本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法の積層工程を説明する断面図である。
図4は、本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法の露出工程を説明する断面図である。
図5は、本発明の1実施例を示すホログラム自己吸着ラベルの断面図である。
図6は、本発明のホログラム自己吸着ラベルを被貼着体へ貼着したホログラム付き媒体の断面図である。
(ホログラム自己粘着ラベルの製造方法)本発明のホログラム自己吸着ラベル40の製造方法は、(1)転写基材11と、該転写基材11の一方の面に剥離層13、ホログラム層15及び反射層17からなるホログラム転写箔10を準備するホログラム転写箔10準備工程と、(2)ラベル基材21と、該ラベル基材21の一方の面に、自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29を設け、該接着層29面へ剥離自在に剥離紙23を設けてなる自己吸着ラベル20を準備する自己吸着ラベル20準備工程と、(3)前記ホログラム転写箔10の反射層17面と前記自己吸着ラベル20のラベル基材面21とを接着剤層39を介して積層して積層体30とする積層工程と、(4)前記積層体30から前記ホログラム転写箔10の転写基材11を剥離し除去して、剥離層13面を露出させる露出工程と、(5)該露出した剥離層面へ、防汚性保護層を設ける防汚性保護層形成工程と、からなる。
(ホログラム自己粘着ラベル)本発明のホログラム自己吸着ラベル40は、請求項1に記載のホログラム自己吸着ラベル40の製造方法で製造されてなるホログラム自己吸着ラベル40であって、防汚性保護層14、剥離層13、ホログラム層15、反射層17、接着剤層39、ラベル基材21、及び自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29からなり、前記防汚性保護層14が、電離放射線硬化性樹脂と、該電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物とを含み、電離放射線の照射によって硬化されている
(ホログラム付き媒体)本発明のホログラム付き媒体100は、請求項2に記載のホログラム自己吸着ラベル40の露出した接着層29面を被貼着体101へ貼着してなる。ホログラム付き媒体100は、保護機能及び/又は装飾機能を有するホログラム自己吸着ラベルが貼着され、その最表面が防汚性保護層付きホログラム層となっているので、耐熱性、耐溶剤性や耐候性などに加えて、フィルムの欠点である鋭利なものの接触に対しても耐擦傷性に優れ、手指の脂などで汚染しにくく、かつ、自分好みの装飾を有する別のホログラム自己吸着ラベルに貼り替えることが容易にできる。また、貼着に失敗した場合にも、同じホログラム自己吸着ラベルを剥離し、再度貼り直すことも容易にできる。
ホログラム自己吸着ラベル40は、次のような効果を奏する。(1)ホログラム自己吸着ラベル40は被貼着体101へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができる。従来の粘着層では構成する成分の分子量や同分布により、成分の一部が被貼着体101面へ残留したり、移行(ブリードアウト)したりして、安定した再剥離性や再自己吸着性が劣る。(2)ホログラム自己吸着ラベル40を被貼着体101へ貼着した際に、被貼着体101と接着層29との間に気泡を巻き込みにくく、気泡が巻き込んだとしても、再剥離し再貼着することで、気泡を逃がすことができる。気泡が巻き込まれると、外観が悪く空気界面での界面反射で透明性が低下するので、これらも防止することができる。(3)ホログラム自己吸着ラベル40を被貼着体101へ貼着した際に、被貼着体101面との吸着力(接着力)に経時的な低下が少なく、僅かな外力によって被貼着体101の表面から剥がれたり、部分的な剥離(所謂浮き)が発生したりすることがない。従来の粘着層では構成する成分の分子量や同分布により、成分の一部が被貼着体101面へ移行して、構成成分が変わって自己吸着性(接着力)が強くなったり、弱くなったりすることがある。(4)ホログラム自己吸着ラベル40を被貼着体101から剥離した後でも、被貼着体101表面を汚染することが少なく、かつ、再剥離したホログラム自己吸着ラベル40の接着層29の自己吸着性かつ再剥離性が適度に保持されており、繰り返し再使用することができる。(5)ホログラム自己吸着ラベル40の自己吸着性かつ再剥離性の接着層29は、再剥離してもゴミは単に付着しているだけで、気体の噴射や水洗で容易に取り除け、新品同様な状態で何度でも使用でき、ランニングコストを低くすることができる。(6)ホログラム自己吸着ラベル40は、被貼着体101からの除去(再剥離)が容易であることから、被貼着体101(部品等)をリサイクルする場合にも便利である。
ホログラム自己吸着ラベル40の製造方法は、ホログラム転写箔10、及び自己吸着ラベル20を別々に準備し、これらを積層体30とした後に、ホログラム転写箔10の一部(転写基材11)を剥離し除去して、剥離層13面を露出された後に、該剥離層13面へ、必要に応じてプライマ層16を介して、防汚性保護層14を形成する、する製造方法であり、次のような効果を奏する。(1)ホログラム転写箔10及び自己吸着ラベル20は、既存技術及び既存設備で製造できるので、低コストで、容易に製造することができる。また、これら汎用品として、予めまとめて作成しておくで、より低コストとすつことができる。(2)また、積層工程、剥離露出工程、防汚性保護層形成工程も、既存技術及び既存設備で製造できるので、低コストで、容易に製造することができる。(3)図5に示すホログラム自己吸着ラベル40を製造する方法には、(イ)一旦、図2に示す自己吸着ラベル20を製造し、このラベル基材21面にホログラム層15、反射層17、プライマ層16、防汚性保護層14を設ける方法、(ロ)ラベル基材21面にホログラム層15、反射層17、プライマ層16、防汚性保護層14を設けた後に、もう一方の面へ自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29を設け、剥離紙を積層する方法がある。しかしながら、(イ)の方法では、ホログラム層15へ微細な凹凸レリーフを賦型する際に、接着層29が柔軟でクッションとなって圧力が十分にかからず、賦型することができず、また、反射層17を真空成膜装置で形成する際に、接着層29からの脱ガスがあり形成することが難しい。(ロ)の方法では、高価なホログラム層15及び反射層17を形成した後に、プライマ層16、防汚性保護層14、もう一方の面へ接着層29、剥離紙を設けるために、反射層17以降の工程が多く、各工程で高価なホログラム層15及び反射層17をロスしてゆくので、歩留り低く高コストとなってしまう。
(ホログラム自己粘着ラベルの製造方法)ホログラム自己吸着ラベルの製造方法は、(1)転写基材11と、該転写基材11の一方の面に剥離層13、ホログラム層15及び反射層17からなるホログラム転写箔10を準備するホログラム転写箔10準備工程と、(2)ラベル基材21と、該ラベル基材21の一方の面に、自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29を設け、該接着層29面へ剥離自在に剥離紙23を設けてなる自己吸着ラベル20を準備する自己吸着ラベル20準備工程と、(3)前記ホログラム転写箔10の反射層17面と前記自己吸着ラベル20のラベル基材面21とを接着剤層39を介して積層して積層体30とする積層工程と、(4)前記積層体30から前記ホログラム転写箔10の転写基材11を剥離し除去して、剥離層13面を露出させる露出工程と、(5)該露出した剥離層13面へ、必要に応じてプライマ層16を介して防汚性保護層14を設ける防汚性保護層形成工程と、からなる。工程順に、材料も含めて説明する。
(ホログラム転写箔の準備工程)(1)ホログラム転写箔10準備工程で、ホログラム転写箔10は、転写基材11と、該転写基材11の一方の面に剥離層13及びホログラム層15からなっている。
(転写基材)転写基材11としては、用途に応じて種々のフィルム材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルムなどが例示できる。該転写基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。
また、該転写基材11は、延伸又は未延伸のフィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。厚さは、通常2.5〜50μm程度が適用できるが、2.5〜25μmが好適である。該転写基材11は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えてもよい。2軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルムが、耐熱性、機械的強度がよいため好適に使用され。
(剥離層)剥離層としては、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂等が例示できる。また、転写時の剥離性を向上させるために、必要に応じて、離型層と剥離層を設けてもよく、離型層及び剥離層13の両方を設けるとより転写性をより向上させることができる。剥離層及び剥離層13の両方を設ける場合には、適宜組み合わせて用いればよく、この場合には、剥離層は転写後に保護層としての機能を合わせ持つ。剥離層13の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で、塗布し乾燥し、必要に応じて硬化すればよい。
(離型層)離型層としては特に限定されないが、通常、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがある。好ましくはメラミン系樹脂である。
離型層の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で、塗布し乾燥して、温度150℃〜200℃程度で焼き付ける。離型層の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。
(ホログラム層)ホログラム層15としては、少なくとも電離放射線硬化樹脂を主成分とし、必要に応じてフィラーを含むようにする。該電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、必要に応じて、ポリエチレンワックスやシリカを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では電離放射線硬化性樹脂組成物Mと呼称する)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)、ユピマーUV・V3031(三菱化学(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
(フィラー)フィラーとしてはマイクロシリカやポリエチレンワックスなどが例示でき、ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。その添加量は、電離放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。転写後にはホログラム層15が最表面層となり、含まれるフィラーは、機械的な摩擦、及び摩耗から媒体を保護し、後述する画像などの固有情報も保護する。
(1)ポリエチレンワックスを含ませることで、転写後にはホログラム層15が最表面層となるが、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から被貼着体に設けられた画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。(2)ホログラム層15はメラミン系樹脂を用いた剥離層13と界面を接しているので、ホログラム層15と剥離層13との間で剥離し、安定した剥離性となる。
(ホログラム層の形成)ホログラム層15の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂、必要に応じてシリコーンやフィラー、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、ホログラムを賦型後に電離放射線で反応(硬化)させればよい。ホログラム層15の厚さは、通常、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μmである。
(ホログラム)ホログラム層15の表面に、光回折性の微細な凹凸を形成してホログラム層15とし、微細な凹凸面に反射層17を設けることで、ホログラムの持つ高意匠性及び偽造防止性を付与することができる。
(ホログラム)次に、ホログラム層15の表面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定の微細な凹凸(レリーフ構造)を賦型し、硬化させる。ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
ホログラム層15面へ、レリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
また、ホログラム層15に形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。ホログラム層15は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、紫外線や電子線などの電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(微細な凹凸=レリーフ構造=ホログラム)となる。
(反射層)反射層17は、所定のレリーフ構造を設けたホログラム層15面のレリーフ面へ、反射層17へ設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、ホログラム層15の反射率のより高れば、特に限定されない。該反射層17としては、真空薄膜法などによる金属薄膜などの金属光沢反射層、又は透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層は部分的に設け、透明反射層は被貼着体へ形成されている画像の面へ転写しても、画像が観察できるので好ましい。透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム層15よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が例示できる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム層15のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
(自己吸着ラベルの準備工程)(2)自己吸着ラベル20準備工程で、自己吸着ラベル20は、ラベル基材21と、該ラベル基材21の一方の面に、自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29を設け、該接着層29面へ剥離自在に剥離紙23を設けてある。
(ラベル基材)ラベル基材21としては、転写基材11の材料と同様なものが適用でき、易接着処理、添加剤も同様である、但し、厚さはハンドリング性からやや厚手とし、通常20〜250μm程度、好ましくは25〜188μmである。
(接着層)接着層29としては、自己吸着性かつ再剥離性のあるものを用いる。
ここで、自己吸着性とは自己粘着層とも呼ばれるが、粘着性はほとんどなく、被貼着体と接すると空気を押し退けながら密着する性質である。再剥離性とは、貼着面の一端を持ち上げることで、剥離が周辺に広がり全体が取り外せることをいう。即ち、自己吸着性かつ再剥離性とは、被貼着体へ貼着し固定する場合には、一端を密着させると貼着が周辺に広がって自己吸着し、剪断方向に強力で固定し、剥離方向には弱力で固定され、逆に被貼着体から剥離する場合には、貼着面の一端を持ち上げて剥離すると、剥離が周辺に広がり全体が取り外せることをいう。再剥離したものは、再び貼着することができる。
(接着層)自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29としては、シリコン樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、ポリウレタン系の熱可塑性エラストマー系などの自己粘着性樹脂、ゴム系、ポリ塩化ビニル樹脂系も例示できる。
自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29をPETやポリオレフィン系樹脂などの基材に形成してなる自己吸着性の複合シートが市販されている。例えば、住友化学(株)の商品名スミロンSやパナック(株)の商品名オレフィンゲルポリマーシートなどが好ましく用いることができる。
接着層29としては、好ましくは次の点からポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー系である。(1)ポリオレフィン系を含む接着層29は、被貼着体101へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(貼り替え)することができる。従来の粘着層では構成する成分の分子量や同分布により、成分の一部が被貼着体101面へ残留したり、移行(ブリードアウト)したりして、安定した再剥離性や再自己吸着性が劣る。また、熱安定性が高く、熱分解生成物の生成もほとんどないので、より安定している。(2)被貼着体101へ貼着した際に、被貼着体101と接着層29との間に気泡を巻き込みにくく、気泡が巻き込んだとしても、再剥離し再貼着することで、気泡を逃がすことができる。気泡が巻き込まれると、外観が悪く空気界面での界面反射で透明性が低下するので、これらも防止することができる。(3)被貼着体101へ貼着した際に、被貼着体101面との吸着力(接着力)に経時的な低下が少なく、僅かな外力によって被貼着体101の表面から剥がれたり、部分的な剥離(所謂浮き)が発生したりすることがない。従来の粘着層では構成する成分の分子量や同分布により、成分の一部が被貼着体101面へ移行して、構成成分が変わって自己吸着性(接着力)が強くなったり、弱くなったりすることがある。(4)被貼着体101から剥離した後でも、被貼着体101表面を汚染することが少なく、かつ、再剥離した接着層29の自己吸着性かつ再剥離性が適度に保持されており、繰り返し再使用することができる。(5)再剥離してもゴミは単に付着しているだけで、気体の噴射や水洗で容易に取り除け、新品同様な状態で何度でも使用でき、ランニングコストを低くすることができる。(6)被貼着体101からの除去(再剥離)が容易であることから、被貼着体101(部品等)をリサイクルする場合にも便利である。
さらに、ディスプレー装置のディスプレーモジュールの光出射面を覆う光学部材として用いる場合には、全光線透過率で90%以上の透明性が好ましい。被貼着体101に損傷を与えず、かつ再剥離し易い点で、接着層29のPET表面との剥離強度は、T型剥離で0.1〜10N/25mm幅が好ましい。
(剥離紙)剥離紙23(セパレート紙、セパ紙とも呼ばれる)は、上質紙・コート紙・含浸紙・プラスチックフィルムなどの基材の片面に剥離層を有している。該剥離層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。該剥離紙23には、剥がしやすくするためのマット処理やマット処理層、ゴミを付着しにくくするための帯電防止処理や帯電防止処理層を設けるのが好ましい。
(製造)自己吸着ラベル20の製造は、前記ラベル基材21面に、接着層29を熔融押出して塗布し、該接着層29面へ剥離紙23を積層すればよい。接着層29の厚さとしては、通常5〜300μm程度、好ましくは20〜150μmである。
(積層工程)(3)積層工程は、前記ホログラム転写箔10のホログラム層15面と前記自己吸着ラベル20のラベル基材21面とを接着剤層39を介して積層して、図3に示すような、積層体30とする。積層方法は公知のドライラミネーション法などが適用できる。
(ドライラミネーション法)ドライラミネーション法とは、溶媒へ分散または溶解した接着剤(接着剤層39となる)を塗布し乾燥させて、貼り合せ基材を重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させることで、2種の材料を積層させる方法である。ノンソルベントラミネーション法とは、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身を塗布し乾燥させて、貼り合せ基材を重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させることで、2種の材料を積層させる方法である。
(接着剤)ドライラミネーション法、またはノンソルベントラミネーション法で用いる接着剤層39の接着剤として、熱、または紫外線・電子線などの電離放射線で硬化する接着剤が適用できる。熱硬化接着剤としては、具体的には、2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エボキシ系接着剤、ゴム系接着剤などが適用できるが、2液硬化型ウレタン系接着剤が好適である。
(露出工程)(4)露出工程は、前記積層体30から前記ホログラム転写箔10の転写基材11を剥離し除去して、図4に示すよう剥離層13面を露出させる。露出工程の方法としては特に限定されず、積層体30から転写基材11を予め分離して2つとし、手作業でも巻取り機械でもよく、剥離すればよい。
(防汚性保護層形成工程)(5)防汚性保護層形成工程は、露出した剥離層13面へ、必要に応じてプライマ層16を介して、防汚性保護層14を設ける。
(プライマ層)プライマ層16は、剥離層13面へ防汚性保護層14を設ける際に、塗布液がはじいたりせず、安定した膜が得られるために用いる。また、プライマー層16の代わりに、コロナ放電処理、プラズマ処理などの易接着処理でもよい。プライマー層16としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、イソシアネ−ト系化合物などを使用することができる。上記の樹脂を主成分とし、必要ならば、例えば、各種の安定剤、充填剤、硬化剤などの添加剤を添加したりして、適宜溶剤に溶解又は分散し、必要に応じて充分に混練して、コ−ティング剤組成物(インキ、塗布液)を調整し、ロールコート法、グラビアコート法などの公知のコーティング法で塗布し乾燥するか、乾燥又は乾燥した後のエージング処理によって反応させればよい。
(防汚性保護層)防汚性保護層14としては、少なくとも電離放射線硬化性樹脂と、該電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物とを含む組成物とし、該組成物を電離放射線の照射によって硬化させて形成する。
(電離放射線硬化性樹脂)電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線や電子線などの電離放射線の照射で硬化する樹脂であり、アクリレート系モノマー、アクリレート系オリゴマー、カチオン重合系モノマー、カチオン重合系オリゴマーなどがある。電離放射線硬化性樹脂の具体例としては、日本合成化学(株)製の紫光シリーズ、昭和高分子(株)製のリポキシSP・VRシリーズ、新中村化学工業(株)製のNKエステル、NKオリゴ・シリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のLUMICURE、ユニデックの各シリーズ、などが例示できる。
(フッ素系化合物)電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系化合物としては下記一般式(1)、
d2d+1 一般式(1)
(dは1〜21の整数)で表されるパーフルオロアルキル基、−(CF2CF2g(gは1〜50の整数)で表されるパーフルオロアルキレン基、又はF−(−CF(CF3)CF2O−)e−CF(CF3)(ここで、eは1〜50の整数) で表されるパーフルオロアルキルエーテル基、並びに、CF2=CFCF2CF2−、(CF32C=C(C25)−、及び((CF32CF)2C=C(CF3)−等で例示されるパーフルオロアルケニル基を有することが好ましい。
上記の官能基を含む化合物であれば、フッ素系化合物の構造は特に限定されるものではなく、例えば、含フッ素モノマーの重合体、または含フッ素モノマーと非フッ素モノマーの共重合体等を用いることもできる。それらの中でも特に、含フッ素モノマーの単独共重合体、または含フッ素モノマーと非フッ素モノマーとの共重合体のいずれかで構成される含フッ素系重合体セグメントと、非フッ素系重合体セグメント、とから成るブロック共重合体またはグラフト共重合体が好ましく用いられる。上記フッ素系化合物は市販の製品として入手することができ、例えば、日本油脂製モディパーFシリーズ、大日本インキ化学工業社製ディフェンサMCFシリーズ、日本合成化学製紫光UTシリーズ等が好ましく用いられる。
含フッ素系重合体セグメントが、主に防汚性・撥水撥油性を高める機能を有し、一方、非フッ素系重合体セグメントが、バインダー成分との相溶性が高いことからアンカー機能を有する。従って、繰り返し表面を擦られた場合にもこれらのフッ素系化合物が取り去られにくく、また、長期に渡り防汚性などの諸性能を維持できるという効果がある。
(ケイ素化合物)電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するケイ素系化合物としては、下記一般式(2)、
Figure 2009300560
(式中、Raはメチル基などの炭素数1〜20のアルキル基を示し、Rbは非置換、もしくはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基、または( メタ) アクリロイル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、またはポリエーテル変性基を示し、各Ra、Rbは互いに同一でも異なっていても良い。また、mは0〜200、nは0〜200の整数である。)で示される構造を有することが好ましい。
上記一般式(2)のような基本骨格を持つポリジメチルシリコーンは、一般に表面張力が低く、撥水性や離型性に優れていることが知られているが、側鎖あるいは末端に種々の官能基を導入することで、更なる効果を付与することができる。例えば、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシ基等を導入することにより反応性を付与でき、前記電離放射線硬化型樹脂組成物との化学反応により共有結合を形成できる。また、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキルエーテル基を導入することで、耐油性や潤滑性等を付与でき、さらに、ポリエーテル変性基を導入することで、レベリング性や潤滑性を向上させることができる。
このような化合物は、市販の製品として入手することができ、例えば、フルオロアルキル基をもつシリコーンオイルFL100(商品名、信越化学工業社製)や、ポリエーテル変性シリコーンオイルTSF4460(商品名、GE東芝シリコーン社製) 等、目的に合わせて種々の変性シリコーンオイルを入手できる。
また、好ましい態様として、ケイ素系化合物は下記一般式(3)、
anSiX4-n 一般式(3)、
(式中、Raはパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、またはパーフルオロアルキルエーテル基を含む炭素数3〜1000の炭化水素基を示し、Xはメトキシ基、エトキシ基、もしくはプロポキシ基等の炭素数1〜3のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、もしくはメトキシエトキシ基等のオキシアルコキシ基、または、クロル基、ブロモ基もしくはヨード基等のハロゲン基等の加水分解性基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。)で示される構造であってもよい。
このような加水分解性基を含むことにより、特に無機成分、さらに好ましくは、シリカ成分の水酸基と共有結合や水素結合を形成し易く、密着性を保持できるという効果がある。このような化合物として、具体的には、TSL8257(商品名、GE東芝シリコーン社製)等のフルオロアルキルシランが挙げられる。
上記の電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物は、電離放射線硬化性樹脂に対して、0.01〜10%、好ましくは0.1〜3%の含有量であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、充分な防汚性や耐擦傷性を付与することができず、また10質量%を超えると塗膜の強度を極端に低下させる。これらフッ素化合物やケイ素化合物は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、適宜組み合わせることにより、防汚性、撥水撥油性、滑り性、耐擦傷性、耐久性、レベリング性等の諸性質を調節し、目的とする機能を発現させることができる。
電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物は、電離放射線硬化性樹脂と相溶性を有するものが好ましく、最表面に用いられる塗膜表面を平坦化し、防汚性、耐擦傷性向上に効果がある滑り性を付与することができる。なお、「相溶性」とは、フッ素系および/またはケイ素化合物が組成物塗膜中に、添加効果が確認できる量を加えた場合でも、塗膜の白濁やヘイズの上昇などによる透明性の低下が確認できない程度の親和性を有することを意味する。
上記の電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物の少なくとも一部が、組成物と、化学反応により共有結合を形成して塗膜最表面に固定されていることが好ましく、これにより、長期に渡る防汚性や耐擦傷性の向上に効果がある滑り性を安定して保持できる。
(防汚性保護層の形成)防汚性保護層14の形成は、電離放射線硬化性樹脂と、該電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素化合物とを含ませ、さらに必要に応じてラジカル系光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤、ラジカル系光重合促進剤、カチオン系光重合促進剤などの光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤、フィラー等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、紫外線などの電離放射線の照射によって反応(硬化)させればよい。なお、電子線の照射により硬化させる場合には光重合開始剤は不要である。
(防汚性保護層の厚味)防汚性保護層14の厚さは、過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤や機械的な摩擦及び摩耗、特に引掻きから画像を保護し、傷付きにくい耐久性を付与するために、1〜25μm程度、好ましくは3〜15μmである。
(ホログラム自己粘着ラベル)ホログラム自己吸着ラベル40は、以上の製造方法で製造され、図5に示すように、防汚性保護層14、プライマ層16(必要に応じて)、剥離層13、ホログラム層15、反射層17、接着剤層39、ラベル基材21、及び自己吸着性かつ再剥離性のある接着層29からなり、必要に応じて剥離紙23を設けている。また、剥離紙23を含めてカットして枚葉ラベルとしたり、剥離紙23だけを残してホログラム自己吸着ラベル40部分をハーフカット処理してもよい。ハーフカット処理法としては、カッター刃を取り付けた上型と台座の間に、カット前の積層状態のホログラム自己吸着ラベル40を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッター方法、レーザー加工手段により熱処理加工方法等、ハーフカットできる方法であれば特に制限はない。ラベル部分以外のカス部分を除去しなくてもよいが、ハーフカットしてラベル部分のみを残して、それ以外部分を予め剥離し除去しておく(当業者はカス取りという)のが好ましい。また、被貼着体101への貼着時に、カス取りしながら貼着してもよい。ラベルの形状としては、特に限定されないが、例えば矩形、楕円形、丸形、ドーナッツ形などが例示できる。
従来の特許文献3、4による反射防止積層体又は放射線発光パネルでは、前記反射防止積層体又は放射線発光パネルへ直接加工しているので、所望時には取り外したり、さらに、再貼着(固定)することができず、また、途中でロスが発生した場合には、そこまでに至る高価な部材や加工費が無駄となって、結果的には高コストとなる。本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法は、以上で説明してきたように、(1)ホログラム転写箔準備工程、(2)自己吸着ラベル準備工程、(3)積層工程、(4)露出工程、(5)防汚性保護層形成工程とからなり、一見工程が複雑に思えるが、既存の設備及び公知の技術を組合せた安定した工程を駆使した製造方法であり、各工程の歩留りも高く、総合的には低コストで製造することができるのである。
(ホログラム付き媒体)本発明のホログラム付き媒体100は、図6に示すように、本発明のホログラム自己吸着ラベル40から、剥離紙23を除去して露出させた接着層29面を被貼着体101へ貼着したものである。貼着は手作業でもラベラーなどの公知の自動機でもよく、特に限定されない。
(被貼着体)被貼着体101としては、特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等の外、社員証、会員証及び学生証などのIDカードや、例えば液晶ディスプレーや有機エレクトロルミネッセンスディスプレーなどディスプレー装置(画像表示装置)などの装置、部材、部品などのいずれのものでもよく、用途によって、適宜選択すればよい。また、被貼着体101には少なくとも1部に画像、着色、印画、印刷、その他の加飾が施されていてもよく、さらに、磁気記録層、光記録層、ICチップなどの情報記録体が塗布、積層、転写、埋め込みなどの手段で設けられていてもよい。
(耐久性)多数回の繰り返し使用でも、被貼着体101の表面と保護し、機械的化学的な損傷から長期間にわたって保護することができ、かつ、貼り換えることもできる。例えば、社員証、会員証及び学生証などのIDカード、特にIDカードでは媒体の表面へ文字、数字、顔写真等のような画像が形成される。これらの画像の形成は、近年、所謂溶融転写タイプ又は昇華転写タイプのインクリボンを用いて熱転写又は昇華転写による転写法で行われるが、通常の印刷インキによる画像とは異なり、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に欠ける弱点がある。その解決策として、熱転写画像上にホログラム自己吸着ラベル40を貼着させて、ホログラム付き媒体100となる。被貼着体101へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができ、鋭利なものの接触に対しても耐擦傷性などの表面保護性に優れ、手指の脂などで汚染しにくく、かつ、自分好みの装飾を有する別のホログラム自己吸着ラベルに貼り替えることも容易にできる。従って、極めて過酷な環境で使用されるガソリンスタンドカードや工事現場カード、及び、使用期限がなかったり、長期にわたる入退室カードやポイントカード、金融機関などの多数のセキュリティ管理された部屋への入退室を繰り返す入退室カードなどにも好適に使用することができる。
また、液晶ディスプレー装置などの装置表面へ容易に貼着して固定でき、所望時には取り外し、さらに、再貼着(固定)することができ、特に携帯電話では、画像表示部を保護すると同時に、所望時にも取り外して、自分好みの別の装飾や意匠のものへ貼り換えることもできる。さらに、例えば液晶ディスプレーや有機エレクトロルミネッセンスディスプレーなどで使用されるタッチパネルであれば、使用者が多数回にわたって直接接触したり、不作為に接触したりしても、手指の脂などでも表面に汚れが付着しにくい防汚性に優れ、鋭利なものの接触に対してもスリキズが付きにくい耐擦傷性に優れ、ディスプレイの画質を維持することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
(1)ホログラム転写箔10の準備工程
転写基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、下記の剥離層組成物(塗工液)を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、剥離層13を形成した。
・<剥離層組成物>
剥離ニス45−2(昭和インク工業所製、剥離ニス商品名) 25部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=1:1) 75部
該剥離層13面へ、下記のホログラム層15組成物をグラビアリバースコート法で乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた後に、2光束干渉法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を形成した。該レリーフ面へ、厚さ50nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して、透明な反射層17を形成して、ホログラム転写箔10とした。
・<ホログラム層組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.5部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.9部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70部
(2)自己吸着ラベル20の準備工程
厚さが100μmのPETフィルム(ラベル基材21)/厚さが30μmの自己吸着性かつ再剥離性の樹脂層(接着層29)/厚さ38μmのPETセパ紙(剥離紙23)からなる、パナック(株)の商品名オレフィンゲルポリマーシートを自己吸着ラベル20とした。
(3)積層工程
前記ホログラム転写箔10の反射層17面と前記自己吸着ラベル20のラベル基材21(予め易接着処理されている)面とを、接着剤層39としてウレタン系2液接着剤を用いて、公知のドライラミネーション法で積層して、積層体30を得た。
(4)露出工程
前記積層体30から前記ホログラム転写箔10の転写基材11剥離し除去して、剥離層13面を露出させた。
(5)防汚性保護層14形成工程
上記で露出させた剥離層13面へ、下記のプライマ層16組成物をグラビアコート法で乾燥後の厚さが1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層16を形成した。
該プライマ層16面へ、下記の防汚性保護層14組成物をグラビアリバースコート法で乾燥後の厚さが3μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた後に、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、防汚性保護層14を形成して、実施例1のホログラム自己吸着ラベル40を得た。
・<防汚層組成物>
紫光UT−4314
(日本合成化学社製、含フッ素系化合物紫外線硬化性樹脂商品名) 25部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.3部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 75部
(実施例2)防汚層組成物として、下記の防汚層組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例3のホログラム自己吸着ラベル40を得た。
・<防汚層組成物>
紫光UT−4314
(日本合成化学社製、含フッ素系化合物紫外線硬化性樹脂商品名) 25部
ケイ素系化合物(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.2部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.5部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 75部
(実施例3)防汚層組成物として、下記の防汚層組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2のホログラム自己吸着ラベル40を得た。
・<防汚層組成物>
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)25部
紫光UT−3841(日本合成化学社製、フッ素系化合物商品名) 0.7部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.5部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 75部
(実施例4〜6)被貼着体101として携帯電話を用い、液晶ディスプレイの表示画面へ、実施例1〜3のホログラム自己吸着ラベル40の剥離紙を剥離し除去して、露出した接着層29面に貼着して、実施例4〜6のホログラム付き媒体100を得た。
(評価)実施例1〜3のホログラム自己吸着ラベル40の防汚性保護層14面において、鉛筆硬度試験を、JIS−K−5400に準拠して測定したところ、2H以上の硬度を有していた。また、実施例1〜3のホログラム自己吸着ラベル40の防汚性保護層14面において、弱アルカリ性クリーナー〔クリーナーIC−100S:商品名(株式会社ライオン事務器製)〕をベンコットに浸漬して1kg荷重で30回往復した後に、絶対反射率及びヘイズ値を測定したが、著しい変化はなかった。なお、絶対反射率は島津製作所(株)製分光光度計(UV−3100PC:商品名)を用いて最表面の絶対反射率を測定し、ヘイズ値はJIS K 7105:1981「プラスチックの光学的特性試験方法」に準じて、最表面のヘイズ値を測定した。さらに、耐擦傷性評価試験として、実施例1〜3の防汚性保護層14表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(200〜1000gの範囲内で200g毎に変化させた)で10往復摩擦し、その後のヘイズ値を測定したが、著しい変化はなかった。
また、実施例4〜6のホログラム付き媒体100において、それぞれのホログラム自己吸着ラベル40部分を指で剥離すると容易に剥離でき、該剥離したラベルを再び貼着すると、正常に貼着でき、自己吸着性かつ再剥離性が確認することができた。さらに、実施例4〜6のホログラム付き媒体100ではホログラム(回折格子)の光輝性で意匠性にも優れていた。
本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法に使用するホログラム転写箔の断面図である。 本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法に使用する自己吸着ラベル転写箔の断面図である。 本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法の積層工程を説明する断面図である。 本発明のホログラム自己吸着ラベルの製造方法の露出工程を説明する断面図である。 本発明の1実施例を示すホログラム自己吸着ラベルの断面図である。 本発明のホログラム自己吸着ラベルを被貼着体へ貼着したホログラム付き媒体の断面図である。
符号の説明
10:ホログラム転写箔
11:転写基材
14:防汚性保護層
15:ホログラム層
16:プライマ層
17:反射層
20:自己吸着ラベル
21:ラベル基材
23:剥離紙
29:接着層
30:積層体
39:接着剤層
40:ホログラム自己粘着ラベル
100:ホログラム付き媒体
101:被貼着体

Claims (3)

  1. (1)転写基材と、該転写基材の一方の面に剥離層、ホログラム層及び反射層からなるホログラム転写箔を準備するホログラム転写箔準備工程と、(2)ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に、自己吸着性かつ再剥離性のある接着層を設け、該接着層面へ剥離自在に剥離紙を設けてなる自己吸着ラベルを準備する自己吸着ラベル準備工程と、(3)前記ホログラム転写箔の反射層面と前記自己吸着ラベルのラベル基材面とを接着剤層を介して積層して積層体とする積層工程と、(4)前記積層体から前記ホログラム転写箔の転写基材を剥離し除去して、剥離層面を露出させる露出工程と、(5)該露出した剥離層面へ、防汚性保護層を設ける防汚性保護層形成工程と、からなることを特徴とするホログラム自己吸着ラベルの製造方法。
  2. 請求項1に記載のホログラム自己吸着ラベルの製造方法で製造されており、前記防汚性保護層、剥離層、ホログラム層、反射層、接着剤層、ラベル基材、及び自己吸着性かつ再剥離性のある接着層からなり、前記防汚性保護層が、電離放射線硬化性樹脂と、該電離放射線硬化性樹脂と反応可能な官能基を末端に1つ以上有するフッ素系及び/又はケイ素系化合物とを含み、電離放射線の照射によって硬化されていることを特徴とするホログラム自己粘着ラベル。
  3. 請求項2に記載のホログラム自己吸着ラベルの露出した接着層面を被貼着体へ貼着してなることを特徴とするホログラム付き媒体。
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