JP2009298954A - 軟質フィルムまたはシート - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性と耐熱性のバランスに優れた軟質フィルムまたはシートの提供。
【解決手段】熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、ゴム強化スチレン系樹脂(B)5〜50重量部およびメルトフローレイト(300℃、1.2kg荷重)が10〜50g/10分であるポリカーボネート樹脂(C)5〜50重量部を配合してなる組成物を成形してなる軟質フィルムまたはシートであって、該フィルムまたはシートのショアA硬度が60〜100である軟質フィルムまたはシート。
【選択図】なし

Description

本発明は、軟質フィルムまたはシートに関するものである。詳しくは、柔軟性と耐熱性に優れた軟質フィルムまたはシートに関するものである。
自動車分野、家電機器分野、OA機器分野、建材分野等における軟質フィルムまたはシートに使用される材料として、PVC系、オレフィン系、スチレン系等の樹脂が使用されている。PVC系の軟質性材料は広く使用されているが、可塑剤を多量に添加する必要があるため加熱による重量減少が発生するという問題があるとともに、焼却時にダイオキシンが発生する恐れがある等の環境問題がある。また、PVC系以外の軟質性材料として、例えばスチレン系エラストマーによる軟質性材料では、軟質成分としてイソプレン、ブタジエン等のセグメントを持つ樹脂が提案されているが、ハードセグメントとソフトセグメントをブロック共重合体とするため、非水系での特殊な重合方法で合成する必要があり、設備、生産性等の点で特に経済性が劣るという欠点があった。一方、熱可塑性ポリウレタンは、耐摩耗性や柔軟性に富む反面、耐熱性が低く、特にフィルムやシート用途においては2次加工等の後工程で高温雰囲気下に曝された場合、フィルムやシートが容易に軟化し、形状を維持できなくなったり、ピンホールが生じ易くなる等の問題があった。
一方、特許文献1(特開平2−308850号公報)、特許文献2(特開平2−308851号公報)では、熱可塑性ポリウレタンと芳香族ポリカーボネートのブレンドが提案されているが、これらにおいては芳香族ポリカーボネートの混合割合が高いため熱可塑性ポリウレタン特有の柔軟性は発現できておらず、またこれらにおいては軟質フィルムまたはシートに関する記述はない。
特開平2−308850号公報 特開平2−308851号公報
本発明の目的は、柔軟性と耐熱性に優れた軟質フィルムまたはシートを提供することにある。
本発明者らはかかる課題に鑑み鋭意検討を行った結果、熱可塑性ポリウレタンに特定のポリマーを特定割合で混合することにより、上記の目的を達成することを見出し本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、ゴム強化スチレン系樹脂(B)5〜50重量部およびメルトフローレイト(300℃、1.2kg荷重)が10〜50g/10分であるポリカーボネート樹脂(C)5〜50重量部を配合してなる組成物を成形してなる軟質フィルムまたはシートであって、該フィルムまたはシートのショアA硬度が60〜100であることを特徴とする軟質フィルムまたはシートを提供するものである。
本発明にて得られた軟質フィルムまたはシートは、柔軟性、耐摩耗性に優れ、高温雰囲気下での耐熱変形性に優れることから、既存の軟質系材料では達成し得なかったフレーム処理などの高温処理を要する用途などに使用範囲が拡大できるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における軟質フィルムまたはシートとは、熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、ゴム強化スチレン系樹脂(B)5〜50重量部およびメルトフローレイト(300℃、1.2kg荷重)が10〜50g/10分であるポリカーボネート樹脂(C)5〜50重量部を配合してなる組成物を成形して得られるものである。
本発明における熱可塑性ポリウレタン(A)としては、ポリイソシアネート化合物(イソシアネート成分)とポリヒドロキシル化合物(高分子ポリオールおよび/または低分子量ポリオール)とを反応してなるポリウレタン樹脂である。
本発明の熱可塑性ポリウレタン(B)の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの変性物が挙げられる。このようなジイソシアネートの具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ピリジンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートおよびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられるポリヒドロキシル化合物としての高分子ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオールおよびこれらの混合物が好ましい。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられるポリエステルポリオールとは、多価アルコールと多塩基性カルボン酸の縮合物、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等が挙げられ、多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のグリコール単独あるいは混合物が挙げられる。多塩基性カルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の2塩基酸が例示される。ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合物としては、ひまし油、ひまし油とエチレングリコール、プロピレングリコール等の反応物も使用できる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる低分子ポリオールとしては、前記ジオールが使用できる。
さらに、本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられるポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクタムをグリコール等の存在下で開環付加重合したポリカプロラクトンジオール類も用いることができる。このカプロラクトンジオール類としては、先に述べた多価アルコール類にε−カプロラクタム、σ−バレロラクトン等の1種または2種以上を付加重合させたものを使用することができる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられるポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物であり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリメチレングリコール等が例示される。ここで2個以上の活性水素を有する化合物としては例えば先に述べた多価アルコール、多塩基性カルボン酸の他、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン類、レゾルシン、ビスフェノール等の多価フェノール類、ひまし油等が挙げられる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられるポリブタジエンジオールとは数平均分子量500〜25000の炭素数4〜12のジエン系重合体、共重合体で、更にはこれらのジエンモノマーと炭素数2〜22のオレフィン性付加重合体モノマーとの共重合体があり、例えばポリブタジエンホモポリマー、ポリイソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられるポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコール例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオールとホスゲン、クロル酢酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合により得られる数平均分子量300〜15000程度のものである。
本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂(B)としては、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体またはスチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体および必要に応じて他の共重合可能な単量体の1種または2種以上とを共重合してなる樹脂である。
ゴム強化スチレン系樹脂を構成することのできるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1−非共役ジエン共重合体等のエチレン−プロピレン系ゴム、またはポリブチルアクリレートなどのアクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム、さらにはこれら2種以上のゴムからなる複合ゴム等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。これらのうち、特にジエン系ゴム、エチレン−プロピレン系ゴムおよびアクリル系ゴムが好ましく、特にアクリル系ゴムが最も好ましい。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にアクリロニトリルが好ましい。また、スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体と共に用いることのできる他の共重合可能な単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル等の不飽和酸系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体などが挙げられ、それらはそれぞれ一種又は二種以上用いることができる。
ゴム強化スチレン系樹脂を構成するゴム状重合体と単量体合計(スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体および他の共重合可能な単量体)との組成比率には特に制限はないが、樹脂組成物の加工性、物性のバランス面、特に耐衝撃性の面より、ゴム状重合体5〜70重量%、単量体合計95〜30重量%であることが好ましい。
本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂については、公知の乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法あるいはこれらを任意に組み合わせた方法により得ることができる。
なお、本発明においては、これらゴム強化スチレン系樹脂単独、または、ゴム強化スチレン系樹脂とスチレン系共重合体樹脂、ポリ乳酸樹脂、熱可塑性デンプン、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチルテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂から選ばれた少なくとも1種を混合することができるが、特に、スチレン系共重合体樹脂が好ましい。これらのうち、特にスチレン系共重合体樹脂は、ゴム強化スチレン系樹脂中のゴム状重合体の含有濃度の調整を目的として使用することができるものであり、上記のスチレン系単量体またはスチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体および必要に応じて他の共重合可能な単量体の1種または2種以上とを共重合して得られるものである。
本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂(B)として、ゴム強化スチレン系樹脂とそれ以外の熱可塑性樹脂を混合方法する際には、バンバリーミキサー、押出機等公知の混練機を用いる方法が挙げられる。又混合順序にも何ら制限はなく、二成分の一括混合、さらには三成分の場合には三成分の一括混練はもちろんのこと、予め任意の二成分を混合した後に残る一成分を混合することも可能である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂(C)は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、;“ビスフェノールA”から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビスビス(4−ヒドロキシジフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル類等を混合しても良い。
さらに、上記のジヒドロキシジアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用しても良い。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−(4,4’−(4,4’−ヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。
なお、これらポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することが出来る。
さらに本発明の軟質フィルムまたはシートにおいては、上記(A)、(B)および(C)成分以外に、その物性を損なわない限りにおいて、その目的に応じて樹脂の混合時、成形時等に安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、補強剤(タルク、マイカ、クレー、ガラス繊維等)、着色剤(カーボンブラック、酸化チタン等)、無機微粒子(酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有機架橋微粒子(メタクリル系樹脂、シリコン樹脂等)等の公知の添加剤を使用することができる。
また、これら各成分を混合する際には、上記(A)、(B)および(C)、さらには必要に応じて他の添加剤を一括で溶融混練する方法や、特定の2成分を溶融混練した後、残りの1成分を溶融混練する方法等が挙げられるが、本発明においては、特に所定量のゴム強化スチレン系樹脂(B)およびポリカーボネート樹脂(C)を予め溶融混練して得られた溶融混練物(D)を、熱可塑性ポリウレタン(A)に対して所定量混合することが、コンパウンドによる熱可塑性ポリウレタンの熱による劣化を低減するという点で好ましい。
本発明の多層フィルムまたはシートを成形する際の成形温度には特に制限はないが、160〜200℃であることが好ましい。
また本発明の軟質フィルムまたはシートを成形する方法には特に制限は無く、例えばロール成形、カレンダー成形、シート押出機、インフレーション成形機等の押出機を用いた成形、あるいは、同様にして成形されたフィルムまたはシートを、接着剤あるいは熱プレス法にて複数枚または他のポリマーシートまたはフィルムと接着することにより積層することも可能である。さらに、本発明の軟質フィルムまたはシートは、無延伸状態であっても、公知の一軸または二軸延伸方法により、延伸されてもよい。
このようにして作成された軟質フィルムまたはシートは、防振フィルムやシーリング材、粘着加工を施したワッペンや各種ラベルに使用することが可能である。さらに、射出成形機やプレス成形機によるインサート成形法やインモールド成形法等を用いることにより、ABS樹脂やポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂の表面に貼合する基材フィルムとして使用することも可能である。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
−熱可塑性ポリウレタン(A−1)−
ダウケミカル社製 ペレセン2102−80A
−ゴム強化スチレン系樹脂(B)−
B−1:公知の乳化重合法に基き、アクリル系ゴム(重量平均粒子径:0.1μm)50重量部、スチレン35重量部およびアクリロニトリル15重量部からならアクリル系ゴム強化スチレン系樹脂(B−1)を得た。
B−2:公知の乳化重合法に基き、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム(重量平均粒子径:0.1μm)50重量部、スチレン35重量部およびアクリロニトリル15重量部からならアクリル系ゴム強化スチレン系樹脂(B−2)を得た。
B−3:公知の乳化重合法に基き、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム(重量平均粒子径:0.3μm)50重量部、スチレン35重量部およびアクリロニトリル15重量部からならアクリル系ゴム強化スチレン系樹脂(B−3)を得た。
−ポリカーボネート樹脂(C)−
C−1:住友ダウ社製 カリバー200−30(メルトフローレイト 30g/10分、300℃、1.2kg荷重)
C−2:住友ダウ社製 カリバー200−3(メルトフローレイト 3g/10分、300℃、1.2kg荷重)
上記ゴム強化スチレン系樹脂層(B)およびポリカーボネート樹脂(C)を表1に示す組成にて溶融混練し、溶融混錬物(D−1〜5)を得た。
Figure 2009298954
上記熱可塑性ポリウレタン(A)、ゴム強化スチレン系樹脂層(B)、ポリカーボネート樹脂(C)、溶融混錬物(D)を表2に示す組成にて配合し、下記条件にて軟質フィルムまたはシートを作成した。
〔実施例1〜5、比較例3〜5〕
軟質フィルムまたはシートの作成:シリンダー温度を200℃に設定し、65mm単軸押出機を用いて厚み0.1mmの無延伸フィルムを作成した。
〔比較例1〜2〕
軟質フィルムまたはシートの作成:シリンダー温度を230℃に設定し、65mm単軸押出機を用いて厚み0.1mmの無延伸フィルムを作成した。
Figure 2009298954
ショアA硬度:JIS K6301に順じ、シートの硬度を測定した。
耐熱性(流動開始温度):作成したフィルムまたはシートから約1グラム相当を切り出し、100℃のオーブンにて2時間乾燥した後、デシケーターにて室温にしたフィルムまたはシートを試料とした。(株)島津製作所製高架式フローテスターに試料約1gを入れ、30kgの一定荷重下、バレル温度を120℃から200℃まで昇温速度3℃/分で変化させたときのピストン変位量(mm)が0.2mmに達したときの温度を流動開始温度(℃)とした。オリフィスはL/D=10mm/1mmにて評価した。
本発明における軟質フィルムまたはシートは、柔軟性と耐熱性に優れるものであり、フレーム処理などの高温処理を要する用途や防振フィルム、シーリング材、粘着加工を施したワッペンや各種ラベルに使用することが可能である。

Claims (3)

  1. 熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、ゴム強化スチレン系樹脂(B)5〜50重量部およびメルトフローレイト(300℃、1.2kg荷重)が10〜50g/10分であるポリカーボネート樹脂(C)5〜50重量部を配合してなる組成物を成形してなる軟質フィルムまたはシートであって、該フィルムまたはシートのショアA硬度が60〜100であることを特徴とする軟質フィルムまたはシート。
  2. 熱可塑性ポリウレタン(A)に対して、ゴム強化スチレン系樹脂(B)およびポリカーボネート樹脂(C)を予め溶融混練して得られた溶融混練物(D)を混合して成形してなる請求項1記載の軟質フィルムまたはシート。
  3. ゴム強化スチレン系樹脂(B)が、アクリル系ゴム強化スチレン系樹脂である請求項1又は2何れかに記載の軟質フィルムまたはシート。
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