JP2009298736A - 没食子酸関連物質による難防除土壌病害用防除剤、及びそれを用いた難防除土壌病害防除方法 - Google Patents

没食子酸関連物質による難防除土壌病害用防除剤、及びそれを用いた難防除土壌病害防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】青枯病や放線菌病などの難防除土壌病害に対してのみ優れた抗菌性を有する、植物由来の生理活性物質を用いた低環境負荷型の新規な防除技術を提供すること。
【解決手段】ポリフェノールの一種である没食子酸メチル又はその誘導体を主たる有効成分として含有する難防除土壌病害用防除剤を提供する。これにより、没食子酸メチル誘導体の有する優れた抗菌作用により、ターゲットとなる難防除病害を選択的に防除することが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、没食子酸メチル及びその誘導体を有効成分とする難防除土壌病害(青枯病、放線菌病)の防除剤及びそれを用いた防除方法に関するものである。
シュウドモナス属の細菌Ralstonia solanacearumは、ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマン、タバコ等のウリ科やナス科などの様々な作物に感染し、植物体を萎ちょうさせ、更には枯死に至らしめる青枯病の病原細菌である。青枯病は降雨により畑全面に広がるため、降水量の多い地域では発生量が多くなり、大きな被害をもたらす。また、ストレプミセス属の放線菌Streptomyces scabiesは、主にバレイショやカンショなどのイモ類の表面にかさぶた、かいよう状の病斑を形成する立枯病の病原菌であり、発病した作物では商品価値が著しく損なわれるという問題を起こす。
これら病原細菌や病害放線菌は、防除が非常に困難な病害の原因体として知られており、その対策の確立が課題である。
従来、かかる土壌病害の防除には、臭化メチルにより土壌消毒を行う方法が用いられている。臭化メチルは、ウイルスや細菌、糸状菌、センチュウ、土壌害虫、雑草等の多くの土壌病害に対して広範囲な殺菌性を有し、低温条件下でも効果を発揮する上、処理方法が比較的簡便であることなどから、これまで広く普及してきた。
ところが、1992年に開催された「モントリオール議定書締約国会合」において、臭化メチルはオゾン層破壊ガスとして規制対象となり、2005年1月1日に全廃することが決定された。このため、臭化メチルに代わる防除法が求められている。
その一つとして、優れた防菌性、殺線虫性を有するクロロピクリン含有製剤を用いる方法が知られている。しかしながら、クロロピクリンは揮発性が高く、刺激性を有するため、住宅街と圃場が近接しているような場所では使用できず、また土壌の深い部分に生存する病原菌には比較的効果が低いという欠点を有している。更に、近年の農薬取締法の改正や消費者の「食の安全・安心」への関心の高まりに伴い、その使用範囲が制限される傾向にある。このような状況から、生産現場では、環境に優しい新たな防除技術の開発に対する要請が高まっている。
臭化メチルやクロロピクリンなどをはじめとする化学農薬は、一般的に即効性に優れているものの、長期連用による農地の生産性低下、或いは環境負荷などの問題が指摘されている。これに対して、天敵や微生物等を利用する生物農薬は、天然物由来であるため、環境への残留性が少なく、持続的病害防除手段として注目されている。生物農薬は、化学農薬に比べて耐性菌の出現の可能性が低いことや病原菌や病害虫に対する選択性が高いことなどの利点を有している反面、使用が難しく、経済性や長期保存性の点でも未だ課題は多いことから、現在盛んに研究開発が進められている。
生物農薬を用いて青枯病や立枯病などの難防除土壌病害を防除する技術として、本発明者により、アメリカフウロGeranium carolinianum L.の地上部の抽出物が上記土壌病害の防除に有効であることが公表されている(特許文献1参照)。アメリカフウロは沖縄県に自生し、群落を形成する野草であり、もともと自然に存在するものであることから、環境への負荷が少ない防除技術を提供し得るものと考えられる。
ところで、生物農薬とは、広義には生物中に含有される抗生物質や毒素など特殊な化学物質をいう場合もある。これまでに、抗菌成分を含有する植物を用いた土壌病害防除法として、例えばシナニッケイやトウガラシの抽出液やそのオイルを利用したPhytophtora nicotianae、Geranium pratenseによるジャガイモそうか病Streptomyces scabies、ニンニクによるパパイヤ苗立枯病Phytophthora palmivora、フシネハナカタバミによるトマト萎凋病Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici等の有効性が報告されている。
本発明者は、上述のアメリカフウロによる土壌病害防除法において、アメリカフウロの葉部分の生草や乾燥物を土壌に混和して散水処理することにより、土壌中に溶出した成分が土壌微生物に作用し、良好な抗菌活性が得られることを圃場レベルで確認している(非特許文献1)。そして、このアメリカフウロに含まれる有効成分を単離、同定したところ、ポリフェノールの一種である没食子酸エチルに抗菌活性があることを明らかにした(非特許文献2)。
しかしながら、没食子酸エチルによる抗菌性のみでは、アメリカフウロの優れた防除効果を十分に説明するには至っておらず(非特許文献2)、アメリカフウロを用いた防除技術の開発においては、その抗菌作用のメカニズムを解明することが望まれている。
一方、没食子酸エステルは、従来より酸化防止剤として食品添加物に利用されている。主に食品添加物として知られているのは、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルであり、これら没食子酸エステルの大腸菌などに対する抗菌活性は、エステル部分の炭素鎖が長いほど高いと言われている。
また、没食子酸メチルは消毒剤や収れん剤、或いは眼科用に使用されている。
更に、特許文献2に、天然物由来の没食子酸エステルをアルカリ存在下でハロゲン化物又はスルホン酸エステルと有機溶媒中で反応させて得られた没食子酸誘導体が、枯草菌や黄色ブドウ球菌等のグラム陽性菌に対して、選択的な抗菌性を示すことが開示されている。
このように、没食子酸エステルの抗菌活性についてはこれまでにも明らかにされているが、エステル部分の炭素数の大きいものや水に不溶の化合物において、その効果が確認されているのに過ぎず、また、難防除土壌病害防除への可能性については言及されていない。
特許第3831756号公報 特開2002−161075号公報 雑草研究, 51巻, 28−30頁(2006) 植物防疫, 62巻, 90−95頁(2008)
そこで、本発明は、青枯病や放線菌病などの難防除土壌病害に対するアメリカフウロの殺菌作用を解明し、アメリカフウロ由来の生理活性物質を用いた低環境負荷型の新規な防除技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、アメリカフウロに含有される抗菌成分を網羅的に単離・同定したところ、その有効成分が没食子酸関連物質であることを明らかにし、その構造活性相関を調べた結果、これまで知られている病原細菌に対する没食子酸関連物質の構造活性相関からの予測に反し、没食子酸関連物質のエステル部位の炭素鎖が短くなるにつれて抗菌活性が強くなり、没食子酸メチルに顕著な抗菌活性があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、(I)下記一般式(1)
Figure 2009298736
・・・(1)
[(1)式中、R1,R2,R3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩あるいは炭素数1から3のアルキル基のいずれか1つを表わし、R1,R2,R3のうちの少なくとも1つは水素原子を表わす。]で示される水溶性没食子酸メチル誘導体のうち少なくとも1種を有効成分として含有する難防除土壌病害用防除剤を提供する。
本発明は、(II)没食子酸メチルを有効成分として含有する難防除土壌病害用防除剤を提供する。
また、本発明は、(III)前記難防除土壌病害が青枯病及び/又は植物放線菌病であることを特徴とする上記(I)又は(II)に記載の難防除土壌病害用防除剤を提供する。
更に、本発明は、(IV)上記(I)〜(III)のいずれか1項に記載の難防除土壌病害用防除剤を用いて土壌消毒を行うことを特徴とする難防除土壌病害防除方法を提供する。
本発明においては、優れた抗菌作用を有する天然物由来成分を用いて青枯病菌や土壌病害放線菌を消毒することにより、沖縄等のジャガイモ生産地において慢性的に発生し問題となっている青枯病などを効果的に防除することが可能となる。このため、従来のイネ科作物との輪作に頼った被害回避方法に代え、持続的防除が可能な対策を提供することができる。
また、本発明によれば、ターゲットとなる土壌病害を選択的に防除できるので、従来の化学農薬による土壌消毒法のように土壌環境を撹乱するリスクが低減できる。従って、本発明により、生物農薬と化学農薬の利点を兼ね備えた、環境に優しく効果の高い新たな難防除技術を提供することが可能となる。
本発明の難防除土壌病害用防除剤は、ポリフェノールの一種である没食子酸メチル又はその誘導体(以下、没食子酸メチル誘導体と記す。)を主たる有効成分として含有する。これにより、没食子酸メチル誘導体の有する優れた抗菌作用により、ターゲットとなる難防除病害を選択的に防除することが可能となる。
また、かかる没食子酸メチル誘導体は、アメリカフウロの抗菌性に着目し、その抽出物中から見出されたものである。従って、天然物由来であることから、これを防除剤の有効成分として用いることにより、環境への負荷が少なく、且つ使用のし易さや経済性を備えた、生物農薬と化学農薬の両方の利点をあわせもつ画期的な新規農薬の提供が可能になると期待される。
該没食子酸メチル誘導体としては、下記一般式(1)で示される没食子酸メチル誘導体であって、水に可溶化するものがいずれも使用可能である。
Figure 2009298736
・・・(1)
ここで、(1)式中、R1,R2,R3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩あるいは炭素数1から3のアルキル基のいずれか1つを表わし、R1,R2,R3のうちの少なくとも1つは水素原子を表わす。
具体的に例示すれば、没食子酸メチル、没食子酸メチルエステル−3−メチルエーテル、没食子酸メチルエステル−4−メチルエーテル、没食子酸メチルエステル−3−エチルエーテル、没食子酸メチルエステル−3,5−メチルエーテル等いずれも使用可能であり、特に原料の入手のし易さ、製造コストの面から没食子酸メチルが好適である。これらは1種単独で使用しても良く、または2種以上を併用しても良い。
かかる没食子酸メチル誘導体は、該没食子酸メチル誘導体と同様に植物体から見出され、且つ青枯病菌や土壌病害放線菌に対して抗菌活性を有することが既に知られている没食子酸エチルと組み合わせて使用してもよい。これにより、より優れた抗菌効果を得ることができる。
該没食子酸メチル誘導体としては、化学合成により製造したもの、アメリカフウロなどの植物体から抽出・分離・精製したもの、或いは植物体から得られるリグニン等の抽出物を原料として化学合成法や生合成を適宜組合せた方法により合成したものなどがいずれも使用可能であり、特に限定されない。
植物体から抽出する場合、植物体としては、没食子酸メチル誘導体を含むものであれば特に限定されず、従来公知のものがいずれも使用可能であり、例えばアメリカフウロなどの供給安定性や収率などに優れたものを適宜選択すれば良い。
上記植物体としてアメリカフウロを用いる場合、有効成分は地上部に多く含まれることから、葉や茎を使用することが好ましい。このとき、生草、乾燥物のいずれを使用しても良い。
かかる没食子酸メチル誘導体は、液体担体や固体担体の他、安定剤や製剤補助剤など、病害に対する殺菌効果を有効に発揮させるために必要な成分と適宜配合することにより、防除剤としての利用が可能になる。
該難防除土壌病害用防除剤を用いた防除方法としては、該難防除土壌病害用防除剤を土壌中に混和処理や灌注処理することにより、土壌消毒を行う方法が挙げられる。
上記混和処理や灌注処理は、定植時に行っても良く、適当な時期に追加灌注を行っても良い。また、作物によって根の深さが異なるので、施用する深度や薬剤の使用量などの条件は、適宜設定されることが望ましい。
更に、該難防除土壌病害用防除剤を土壌中に混和処理した後、太陽熱土壌消毒や敷きわら被覆などを併用することにより、難防除土壌病害をより効果的に防除することができる。
このようにして土壌中にすきこまれた該難防除土壌病害用防除剤中の没食子酸メチル誘導体は、一定の速度で土壌中に溶出し、ターゲットとなる病原体に対して選択的に殺菌作用を発揮する。従って、本発明によれば、土壌環境を撹乱するリスクが少なく、環境に優しい新たな難防除技術を提供することが可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1
本発明にかかる難防除土壌病害用防除剤として、没食子酸メチルを有効成分とした場合において、青枯病菌と植物病原放線菌に対する防除効果を調べた。
[アメリカフウロからの没食子酸メチルの調製]
先ず、本実施例において抗菌成分として使用する没食子酸メチルを沖縄県に自生する野草のアメリカフウロからの分離・精製により調製した。
即ち、アメリカフウロ(Geranium carolinianum L.)の生草の地上部(葉及び茎)100gを70%エタノール1,200ml中に室温で2週間浸漬処理して、アメリカフウロに含まれる有効成分を抽出した。
得られた70%エタノール抽出物をろ過後、ろ液を濃縮し、濃縮液を室温にてヘキサンで液々分配を行い低極性不活性物質を除いた後、酢酸エチルで液々分配して活性画分を得た。
得られた酢酸エチル抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、次いで逆相カラムクロマトグラフィーで精製して、没食子酸メチルを調製した。
[没食子酸メチルの青枯病菌に対する抗菌活性評価]
9cmシャーレにジャガイモ半合成培地10mlを固化させ青枯病菌の菌液100μlを滴下し、コンラージ棒で均一に広げた。没食子酸メチルはメタノール溶液としてペーパーディスクにしみ込ませた後、減圧下で溶媒を除去した。ペーパーディスクを植菌したシャーレに置き、28℃で3日間静置培養した後、形成された生育阻止円の直径を計測した。結果を下記表1に示す。
表1中、数値は青枯病菌の生育阻止円の直径(cm)を表す。
Figure 2009298736
比較例1〜5
実施例1において抗菌成分として使用した没食子酸メチルを没食子酸(比較例1とする。)、没食子酸エチル(比較例2)、没食子酸プロピル(比較例3)、没食子酸オクチル(比較例4)及び没食子酸ドデシル(比較例5)にそれぞれ代え、その他は実施例1と同様にして青枯病菌に対する抗菌活性を調査した。この結果を上記表1に併せて示す。
表1中、生育阻止円がみられなかったものは「−(マイナス)」として表す。
表1から明らかなように、青枯病菌に対する没食子酸及びそのアルキルエステルの抗菌活性は、エステル部分の炭素鎖の違いに依存し、酸(比較例1)や、エステル部分の炭素数が大きいもの(比較例2〜5)では、十分な抗菌活性が見られなかった。
これに対して、没食子酸メチルを用いた実施例1では、きわめて優れた抗菌活性が得られ、特に0.5μmolの比較的低濃度の投与量においても十分な効果を有することが明らかとなった。この結果は、従来から知られる没食子酸関連物質の抗菌性から予想されるものとは異なり、青枯病菌に対する抗菌活性は全く逆の傾向をもつことがわかった。
実施例2,3及び比較例6〜12
次に、没食子酸メチルの青枯病菌以外の抗菌スペクトラムについて調べた。
即ち、実施例1において難防除土壌病害として用いた青枯病菌を各種病原菌に変えた場合において、上述と同様にして抗菌活性の評価を行った。供試菌には、ジャガイモそうか病菌(Streptomyces scabies:Ss(実施例2)、S. acidiscabies :Sa(実施例3))、サツマイモ炭腐病菌(Macrophomina phaseolina:Mp (比較例6))、レタス菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum:Ssc (比較例7))、ツルレイシ蔓割病菌(Fusarium oxysporum f. sp. Momordicae:Fo (比較例8))、パパイヤ軟腐病菌(Phytophthora nicotianae:Pn (比較例9))、キク斑点細菌病菌(Pseudomonas chicholli:Pc (比較例10))、ラッキョウ軟腐病菌(Erwinia carotovora:Ec (比較例11))を用いた。この結果を表2に示す。
Figure 2009298736
表2に示すように、没食子酸メチルは、難防除病害放線菌であるジャガイモそうか病菌の2菌種(Ss,Sa)には抗菌活性を示したが、比較例6〜11に示すように、サツマイモ炭腐病菌(Mp)、レタス菌核病菌(Ssc)、ツルレイシ蔓割病菌(Fo)、パパイヤ軟腐病菌(Pn)などの植物病原糸状菌や、キク斑点細菌病菌(Pc)とラッキョウ軟腐病菌(Ec)などの植物病原細菌の生育は阻害しないことがわかった。
以上の結果から、その抗菌スペクトラムは青枯病菌と植物病原放線菌に限定されることが明らかとなった。
従って、アメリカフウロに含まれる没食子酸メチル誘導体は、青枯病菌と植物病原放線菌に対して選択的に優れた抗菌作用を有するので、これを有効成分とする難防除土壌病害用防除剤を利用することにより、土壌環境を撹乱することの無い低環境負荷型の新規な化学農薬の開発が可能になると期待できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2009298736
    ・・・(1)
    [(1)式中、R1,R2,R3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩あるいは炭素数1から3のアルキル基のいずれか1つを表わし、R1,R2,R3のうちの少なくとも1つは水素原子を表わす。]で示される水溶性没食子酸メチル誘導体のうち少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする難防除土壌病害用防除剤。
  2. 没食子酸メチルを有効成分として含有することを特徴とする難防除土壌病害用防除剤。
  3. 前記難防除土壌病害が青枯病及び/又は植物放線菌病であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の難防除土壌病害用防除剤。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の難防除土壌病害用防除剤を用いて土壌消毒を行うことを特徴とする難防除土壌病害防除方法。
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