JP2009298006A - 電磁波透過性光輝樹脂製品及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造膜上に成膜された金属膜を含むことで光輝性を有しながら電磁波透過性も有する電磁波透過性光輝樹脂製品及びこの電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂基材11と、樹脂基材11上にスパッタリングで形成された酸化ケイ素の複数の付着体14からなる不連続構造の下地膜13と、下地膜13上にスパッタリングにより成膜されたアルミニウム膜12とを含み、アルミニウム膜12は膜厚が下地膜13の膜厚より薄く且つ付着体14の基部15に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄くなっている。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂基材11と、樹脂基材11上にスパッタリングで形成された酸化ケイ素の複数の付着体14からなる不連続構造の下地膜13と、下地膜13上にスパッタリングにより成膜されたアルミニウム膜12とを含み、アルミニウム膜12は膜厚が下地膜13の膜厚より薄く且つ付着体14の基部15に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄くなっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂基材上に金属膜を含む電磁波透過性光輝樹脂製品及びこの電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法に関するものである。
今日、自動車はその安全性を向上させるため、自動車が周囲の物に接近したことを運転者に警告する距離測定用のレーダー装置を自動車の各部、例えばラジエータグリル、バックパネル等の背後に設けることがある。このようなレーダー装置は、電磁波を対象物に照射して距離を測定していることから、レーダー装置と対象物との間に電磁波を遮断するもの(例えば金属等)があると、その機能を果たせなくなる。従って、レーダー装置の前面に位置するラジエータグリル等(レーダー装置のカバー部)の自動車の外装用樹脂製品についても電磁波透過性が必要となっている。
一方、樹脂からなるラジエータグリル等は、意匠性の観点から、表面にメッキを施して光輝性(金属光沢)を持たせることがある。
そのため、特許文献1記載のように、電磁波透過性を有する光輝性メッキとして、不連続構造(海島構造)の膜を形成できるインジウム(In)膜が提案されている。
しかし、インジウムは、今日、価格が高騰していることから、他の金属(特に安価な金属)での代替が必要になっている。
特開2007−144988号公報
今回、非導電性物質からなる不連続構造膜上に金属膜を成膜することにより、金属膜の表面抵抗が大きくなることを見出した。
そこで、本発明は、非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造膜上に成膜された金属膜を含むことで光輝性を有しながら電磁波透過性も有する電磁波透過性光輝樹脂製品及びこの電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法を提供する。
(A)電磁波透過性光輝樹脂製品
本発明の電磁波透過性光輝樹脂製品は、樹脂基材と、前記樹脂基材上に非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜と、前記下地膜上に成膜した金属膜とを含み、前記付着体は、端部間の長さが1000nm以下であり、前記金属膜は、膜厚が前記下地膜の膜厚より薄く且つ前記付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄いことを特徴としている。
本発明の電磁波透過性光輝樹脂製品は、樹脂基材と、前記樹脂基材上に非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜と、前記下地膜上に成膜した金属膜とを含み、前記付着体は、端部間の長さが1000nm以下であり、前記金属膜は、膜厚が前記下地膜の膜厚より薄く且つ前記付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄いことを特徴としている。
(B)電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法
本発明の電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法は、樹脂基材上に非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜をスパッタリングにより成膜し、前記下地膜上に膜厚が前記下地膜の膜厚より薄く且つ前記付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄くなるよう金属膜を乾式メッキにより成膜することを特徴としている。
本発明の電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法は、樹脂基材上に非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜をスパッタリングにより成膜し、前記下地膜上に膜厚が前記下地膜の膜厚より薄く且つ前記付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄くなるよう金属膜を乾式メッキにより成膜することを特徴としている。
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
1.樹脂基材
樹脂基材の形態としては、特に限定はされないが、板材、シート材、フィルム材等が例示できる。
樹脂基材の樹脂としては、上に成膜される金属膜の光輝性を活かすため、透明であること以外は、特に限定はされないが、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリウレタン等が例示できる。なお、透明は、無色透明だけでなく、有色透明であってもよい。
樹脂基材の形態としては、特に限定はされないが、板材、シート材、フィルム材等が例示できる。
樹脂基材の樹脂としては、上に成膜される金属膜の光輝性を活かすため、透明であること以外は、特に限定はされないが、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリウレタン等が例示できる。なお、透明は、無色透明だけでなく、有色透明であってもよい。
2.下地膜
下地膜の膜厚としては、特に限定はされないが、50〜300nmであることが好ましい。
下地膜の膜厚としては、特に限定はされないが、50〜300nmであることが好ましい。
3.非導電性物質
非導電性物質としては、特に限定はされないが、電気抵抗が107Ω・cm以上のものであることが好ましい。具体的には、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiOx)等が例示できる。
非導電性物質としては、特に限定はされないが、電気抵抗が107Ω・cm以上のものであることが好ましい。具体的には、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiOx)等が例示できる。
4.スパッタリング
下地膜を成膜するためのスパッタリングの条件としては、特に限定はされないが、金属(Si、Ti等)をターゲットに用い、成膜時の雰囲気中に酸素を導入して金属酸化物(SiOx、TiOx等)を成膜することが好ましい。
また、酸素(O2)の導入量(流量)としては、特に限定はされないが、アルゴン(Ar)の流量との比(Ar/O2)が4/6〜6/4となることが好ましい。
また、成膜時の圧力としては、特に限定はされないが、2〜4Paであることが好ましい。
また、成膜速度としては、特に限定はされないが、0.005〜0.1nm/秒であることが好ましい。
また、基材の配置の仕方としては、特に限定はされないが、ターゲットからのスパッタ飛来粒子の飛来方向と直交する面(以下、「直交面」という場合がある)に対し、図2aのように平行に基材を配置するよりも、図2bのように斜めに基材を配置する方が好ましい。これは、基材を図2aのように配置すると、図3aのように付着体が基材表面の水平方向及び垂直方向に成長してしまうが、基材を図2bのように配置すると、いわゆる「斜め堆積」となり、図3bのように付着体が基材表面の傾斜方向に成長するからである。なお、本明細書において、直交面と基材とのなす角を基材傾斜角度という(図2b)。
また、図3cのように、付着体を基材の垂直方向に成長させた下地膜上に、金属膜をスパッタリングで成膜する場合において、金属膜を「斜め堆積」により成膜してもよい。
下地膜を成膜するためのスパッタリングの条件としては、特に限定はされないが、金属(Si、Ti等)をターゲットに用い、成膜時の雰囲気中に酸素を導入して金属酸化物(SiOx、TiOx等)を成膜することが好ましい。
また、酸素(O2)の導入量(流量)としては、特に限定はされないが、アルゴン(Ar)の流量との比(Ar/O2)が4/6〜6/4となることが好ましい。
また、成膜時の圧力としては、特に限定はされないが、2〜4Paであることが好ましい。
また、成膜速度としては、特に限定はされないが、0.005〜0.1nm/秒であることが好ましい。
また、基材の配置の仕方としては、特に限定はされないが、ターゲットからのスパッタ飛来粒子の飛来方向と直交する面(以下、「直交面」という場合がある)に対し、図2aのように平行に基材を配置するよりも、図2bのように斜めに基材を配置する方が好ましい。これは、基材を図2aのように配置すると、図3aのように付着体が基材表面の水平方向及び垂直方向に成長してしまうが、基材を図2bのように配置すると、いわゆる「斜め堆積」となり、図3bのように付着体が基材表面の傾斜方向に成長するからである。なお、本明細書において、直交面と基材とのなす角を基材傾斜角度という(図2b)。
また、図3cのように、付着体を基材の垂直方向に成長させた下地膜上に、金属膜をスパッタリングで成膜する場合において、金属膜を「斜め堆積」により成膜してもよい。
5.付着体
付着体の大きさとしては、特に限定はされないが、端部間の最長長さ(図1の符号16)が30〜1000nmであることが好ましい。また、付着体の基部とは、付着体の樹脂基材側の部位である。
付着体の大きさとしては、特に限定はされないが、端部間の最長長さ(図1の符号16)が30〜1000nmであることが好ましい。また、付着体の基部とは、付着体の樹脂基材側の部位である。
6.金属膜
金属膜としては、特に限定はされないが、純金属(単体の金属)からなる膜であってもよいし、合金からなる膜であってもよい。具体的には、アルミニウム(Al)膜、クロム(Cr)膜、銀(Ag)膜、ニッケル(Ni)膜等が例示できる。
金属膜の膜厚としては、特に限定はされないが、15〜100nmであることが好ましい。
金属膜としては、特に限定はされないが、純金属(単体の金属)からなる膜であってもよいし、合金からなる膜であってもよい。具体的には、アルミニウム(Al)膜、クロム(Cr)膜、銀(Ag)膜、ニッケル(Ni)膜等が例示できる。
金属膜の膜厚としては、特に限定はされないが、15〜100nmであることが好ましい。
7.乾式メッキ
乾式メッキとしては、特に限定はされないが、物理蒸着(PVD)が好ましい。物理蒸着としては、特に限定はされないが、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が例示できる。
乾式メッキとしては、特に限定はされないが、物理蒸着(PVD)が好ましい。物理蒸着としては、特に限定はされないが、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が例示できる。
8.電磁波透過性光輝樹脂製品
電磁波透過性光輝樹脂製品の用途としては、特に限定はされないが、ミリ波レーダー装着用のカバーや通信機器の筐体等のように、光輝性を有しつつ電磁波透過性も有することが好まれるものが例示できる。
電磁波透過性光輝樹脂製品の用途としては、特に限定はされないが、ミリ波レーダー装着用のカバーや通信機器の筐体等のように、光輝性を有しつつ電磁波透過性も有することが好まれるものが例示できる。
本発明によれば、非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造膜上に成膜された金属膜を含むことで光輝性を有しながら電磁波透過性も有する電磁波透過性光輝樹脂製品及びこの電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法を提供することができる。
樹脂基材と、樹脂基材上にスパッタリングにより形成された酸化ケイ素の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜と、下地膜上にスパッタリングにより成膜されたアルミニウム膜又はクロム膜とを含み、
アルミニウム膜又はクロム膜は、膜厚が下地膜の膜厚より薄く且つ付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄いことを特徴とする電磁波透過性光輝樹脂製品。
アルミニウム膜又はクロム膜は、膜厚が下地膜の膜厚より薄く且つ付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄いことを特徴とする電磁波透過性光輝樹脂製品。
図1に示すように、本発明の電磁波透過性光輝樹脂製品10は、樹脂基材11と、樹脂基材11上にスパッタリングで形成された酸化ケイ素の複数の付着体14からなる不連続構造の下地膜13と、下地膜13上にスパッタリングにより成膜されたアルミニウム膜又はクロム膜の金属膜12とを含んでいる。金属膜12は膜厚が下地膜13の膜厚より薄く且つ付着体14の基部15に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄くなっている。
また、樹脂基材上に形成した酸化ケイ素(SiOx)の不連続構造膜の表面の顕微鏡写真と、酸化ケイ素の不連続構造膜上に成膜したアルミニウム(Al)膜又はクロム(Cr)膜の表面の顕微鏡写真を、それぞれ、図4(酸化ケイ素の不連続膜構造膜)、図5(アルミニウム膜)及び図6(クロム膜)に示す。
各膜は、スパッタリングの装置として芝浦メカトロニクス社の商品名「i−millerII」を用い(後に述べる、実施例及び比較例にも使用)、次の表1に示す条件で成膜した。到達真空度の値は、指数表示であり、例えば5.00E−03は、Eが10を表し、−03が10の累乗を表していることから、5.00×10−3、すなわち、0.005である。
各膜は、スパッタリングの装置として芝浦メカトロニクス社の商品名「i−millerII」を用い(後に述べる、実施例及び比較例にも使用)、次の表1に示す条件で成膜した。到達真空度の値は、指数表示であり、例えば5.00E−03は、Eが10を表し、−03が10の累乗を表していることから、5.00×10−3、すなわち、0.005である。
厚さ3mmの板状のポリカーボネート(PC)基材上に酸化ケイ素(SiOx)からなる不連続構造の下地膜をスパッタリングで成膜し、その上に膜厚が20nm、30nm若しくは40nmのクロム(Cr)膜をスパッタリングで成膜した3種類の実施例と、実施例に対し、不連続構造の下地膜を含まない3種類の比較例のミリ波透過減衰量、透過率、反射率及び表面抵抗を表2に示す。表面抵抗の値は、指数表示であり、例えば2.46E+03は、Eが10を表し、+03が10の累乗を表していることから、2.46×103、すなわち、2460である。
また、これらの表面抵抗とミリ波透過減衰量との関係のグラフを図7に示す。
また、各膜の成膜条件を表3に示す。
また、これらの表面抵抗とミリ波透過減衰量との関係のグラフを図7に示す。
また、各膜の成膜条件を表3に示す。
各試料(後に述べる、実施例及び比較例を含む)のミリ波透過減衰量、透過率、反射率及び表面抵抗を次のようにして測定した。
(1)ミリ波透過減衰量
ミリ波透過減衰量は、電磁波吸収測定装置(自由空間法、財団法人ファインセラミックスセンター所有)を用いて測定した。
具体的には、室温において、Wバンド(76.575GHz)の電磁波を発信器から入射角0°にて試料に入射させ、試料をはさんで発信器と対峙する受信器で試料を透過した電磁波を受信して、ミリ波透過減衰量を測定した。
ミリ波透過減衰量は、電磁波吸収測定装置(自由空間法、財団法人ファインセラミックスセンター所有)を用いて測定した。
具体的には、室温において、Wバンド(76.575GHz)の電磁波を発信器から入射角0°にて試料に入射させ、試料をはさんで発信器と対峙する受信器で試料を透過した電磁波を受信して、ミリ波透過減衰量を測定した。
(2)透過率
分光光度計(島津製作所社の商品名「UV−1650PC」)を用い、550nmの測定波長における透過率を測定した。
基準として、基材単体(クロム膜等を含まない)の透過率を100%とした。
分光光度計(島津製作所社の商品名「UV−1650PC」)を用い、550nmの測定波長における透過率を測定した。
基準として、基材単体(クロム膜等を含まない)の透過率を100%とした。
(3)反射率
分光光度計(島津製作所社の商品名「UV−1650PC」)を用い、550nmの測定波長における反射率を測定した。
基準として、アルミニウ蒸着のミラーの反射率を100%とした。
分光光度計(島津製作所社の商品名「UV−1650PC」)を用い、550nmの測定波長における反射率を測定した。
基準として、アルミニウ蒸着のミラーの反射率を100%とした。
(4)表面抵抗
表面抵抗が1.0×104(1.0E+0.4)Ω/□以下の場合については、JIS−K7194に準拠し、4端子4深針法により表面抵抗を測定した。
表面抵抗が1.0×104(1.0E+0.4)Ω/□以上の場合については、JIS−K6911に準拠し、2重リングプローブ法により表面抵抗を測定した。
表面抵抗が1.0×104(1.0E+0.4)Ω/□以下の場合については、JIS−K7194に準拠し、4端子4深針法により表面抵抗を測定した。
表面抵抗が1.0×104(1.0E+0.4)Ω/□以上の場合については、JIS−K6911に準拠し、2重リングプローブ法により表面抵抗を測定した。
以上の結果より、実施例は比較例より表面抵抗が大きくなり且つミリ波透過減衰量が小さくなった。
また、酸化ケイ素の付着体の基部付近に付着しているクロム膜の膜厚がより薄くなることから、クロム膜の成膜時間が短い、即ち、膜厚が薄いものほど表面抵抗が大きくなった。
また、酸化ケイ素の付着体の基部付近に付着しているクロム膜の膜厚がより薄くなることから、クロム膜の成膜時間が短い、即ち、膜厚が薄いものほど表面抵抗が大きくなった。
次に、厚さ3mmの板状のポリカーボネート(PC)基材上に膜厚が75nm若しくは135nmの酸化ケイ素(SiOx)からなる不連続構造の下地膜をスパッタリングで成膜し、その上に膜厚が20nm若しくは30nmのクロム(Cr)膜又は膜厚が11nm、15nm若しくは23nmのアルミニウム(Al)膜をスパッタリングで成膜した8種類の実施例と、実施例に対し不連続構造の下地膜を含まない5種類の比較例のミリ波透過減衰量、透過率、反射率及び表面抵抗を表4に示す。
また、各膜の成膜条件を表5に示す。
また、各膜の成膜条件を表5に示す。
以上の結果より、実施例は同じ金属膜(膜種及び膜厚が同じ)の比較例より表面抵抗が大きくなり且つミリ波透過減衰量が小さくなった。また、下地膜の膜厚が厚い実施例は薄い実施例より若干ではあるが表面抵抗が大きくなり且つミリ波透過減衰量が小さくなった。
次に、厚さ3mmの板状のポリカーボネート基材上に、膜厚(15nm、30nm、45nm、60nm、75nm若しくは90nm)及び成膜時の基材傾斜角度(0°若しくは70°)を変えて酸化ケイ素(SiOx)からなる不連続構造の下地膜をスパッタリングで成膜し、その上に膜厚23nmのアルミニウム(Al)膜をスパッタリングで成膜した12種類の実施例の表面抵抗、透過率及び反射率を表6に示す。
また、図3aに実施例18〜23の、図3bに実施例12〜17の膜状態の模式図を示す。
また、酸化ケイ素の膜厚と表面抵抗との関係のグラフを図8に示す。
また、各実施例の下地膜の成膜条件を表7に示す。なお、アルミニウム膜の成膜条件は、上記膜厚が23nmの場合の条件と同じである。
また、図3aに実施例18〜23の、図3bに実施例12〜17の膜状態の模式図を示す。
また、酸化ケイ素の膜厚と表面抵抗との関係のグラフを図8に示す。
また、各実施例の下地膜の成膜条件を表7に示す。なお、アルミニウム膜の成膜条件は、上記膜厚が23nmの場合の条件と同じである。
以上の結果より、不連続構造の下地膜の成膜時に、ターゲットからのスパッタ飛来粒子の飛来方向と直交する面に対し、70°傾けて(基材傾斜角度:70°)基材を配置したものの方が、直交する面に対し平行(基材傾斜角度:0°)に基材を配置したものより、同じ膜厚の下地膜において表面抵抗が大きくなった(図8)。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
10 電磁波透過性光輝樹脂製品
11 基材
12 金属膜
13 下地膜
14 付着体
15 基部
11 基材
12 金属膜
13 下地膜
14 付着体
15 基部
Claims (6)
- 樹脂基材と、前記樹脂基材上に非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜と、前記下地膜上に成膜した金属膜とを含み、
前記付着体は、端部間の長さが1000nm以下であり、
前記金属膜は、膜厚が前記下地膜の膜厚より薄く且つ前記付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄いことを特徴とする電磁波透過性光輝樹脂製品。 - 前記非導電性物質が酸化ケイ素である請求項1記載の電磁波透過性光輝樹脂製品。
- 前記金属膜がアルミニウム膜又はクロム膜である請求項1又は2記載の電磁波透過性光輝樹脂製品。
- 樹脂基材上に非導電性物質の複数の付着体からなる不連続構造の下地膜をスパッタリングにより成膜し、
前記下地膜上に膜厚が前記下地膜の膜厚より薄く且つ前記付着体の基部に付着した部位の膜厚が他部位の膜厚より薄くなるよう金属膜を乾式メッキにより成膜することを特徴とする電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法。 - 前記非導電性物質が酸化ケイ素である請求項4記載の電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法。
- 前記金属膜がアルミニウム膜又はクロム膜である請求項4又は5記載の電磁波透過性光輝樹脂製品の製造方法。
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