JP2009295324A - 固体高分子型燃料電池用電極電解質およびそれを用いた電極ワニス、電極ペースト、膜−電極接合体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極電解質およびそれを用いた電極ワニス、電極ペースト、膜−電極接合体 Download PDF

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JP2009295324A JP2008145694A JP2008145694A JP2009295324A JP 2009295324 A JP2009295324 A JP 2009295324A JP 2008145694 A JP2008145694 A JP 2008145694A JP 2008145694 A JP2008145694 A JP 2008145694A JP 2009295324 A JP2009295324 A JP 2009295324A
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芳孝 山川
Shingo Takasugi
晋吾 高杉
Yoshiharu Otsuka
巧治 大塚
Shigeo Nakagawa
薫生 中川
Takaki Nakagawa
尊基 中川
Ryuhei Ishimaru
竜平 石丸
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】プロトン伝導性や寸法安定性、機械的特性に優れ、しかも高温下でも高い発電出力を有し、かつ、加工適正性を付与した固体高分子型燃料電池用電極電解質を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造、
Figure 2009295324

(式中、Zは、特定の電子吸引基を示し、Rsは直接結合または任意の2価の有機基を示す。Rhは、ピロール基、チアゾール基等特定の含窒素環状基を示す。)および、下記一般式(2)で表されるスルホン酸基を有する構造を含むスルホン化ポリアリーレンを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 2009295324

(式中、Yは特定の電子吸引基、または特定のフッ素含有炭素基を示し、Wは直接結合または、特定のメチレン基等および、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは、特定のスルホン酸基含有化合物で表される有芳香族基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構成単位を有するポリアリーレンを含む固体高分子型燃料電池用電極電解質、該電解質を含む電極ワニス、電極ペースト、該電極ペーストから形成される固体高分子型燃料電池用電極および該電極を有する膜−電極接合体に関する。
固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温で作動可能であることから小型軽量化が可能であり、自動車用動力源、定置用発電電源、携帯機器用発電電源などとして実用化が期待されている。
固体高分子型燃料電池はプロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素を燃料ガスとして一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤としてもう一方の電極(空気極)へ供給し、発電を行うものである。
かかる燃料電池の電極は触媒成分が分散した電極電解質から構成され(このため電極は
、電極触媒層ということもある)、燃料極側の電極触媒層は、燃料ガスからプロトンと電
子を発生させ、空気極側の電極触媒層で酸素とプロトンと電子とから水を生成し、固体高分子電解質膜はプロトンをイオン伝導させる。そして、かかる電極触媒層を通して電力が取り出される。
また、かかる燃料電池では、従来、電極触媒層の電解質としてプロトン伝導膜と同様にNafion(商標)に代表されるパーフルオロアルキルスルホン酸系高分子が使用されてきた。この材料は優れたプロトン伝導性を有しているが、非常に高価であり、また分子内にフッ素原子を大量に有していることから、燃焼性が小さく、電極触媒に用いられる白金などの高価な貴金属の回収再利用を非常に困難にしている問題がある。
一方これにかわる材料として、種々の非パーフルオロアルキルスルホン酸系高分子の検討も行われている。特に発電効率の高い、高温条件で用いることを狙い、耐熱性の高い芳香族スルホン酸系高分子を電解質として用いることが試みられている。
たとえば、特開2005−50726号公報(特許文献1)には、スルホン化ポリアリーレン重合体を電極電解質として用いることが開示されており、さらに、特開2004−253267号公報(特許文献2)、特開2006−121051(特許文献3)には、特定のスルホン化ポリアリーレンを用いることが開示されている。
特開2005−50726号公報 特開2004−253267号公報 特開2006−121051号公報
これらのポリアリーレン系(芳香族スルホン酸系)の電解質材料は、前述のような価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとともに、その化学構造から高い耐熱性、耐溶剤性、熱水耐性を付与することができるために、Nafionと比較して高い温度・湿度領域での使用、優れたプロトン伝導性、寸法安定性、機械的特性に優れた固体高分子型燃料電池用電極電解質を提供することができる。
しかしながら、従来のポリアリーレン系の電極電解質は、その化学構造に由来する高い耐熱性、溶媒耐性のため、電極電解質としての加工性に乏しい問題がある。具体的には、高い熱変形温度のために膜-電極接合体(MEA)作製時にプロトン伝導膜およびガス拡散層と電極層との熱圧着接合が難しく、また、ポリマーの溶解性は低いために発電特性改良に際し電極層の構造制御するための溶媒の選択範囲が狭いといった問題があった。
特に自動車の車載用燃料電池などのように、高い温度に晒される用途になると、プロトン伝導膜およびガス拡散層と電極層との熱圧着接合が不十分となったり、加工が難しいなどの問題があった。
また、燃料電池自体にも、特に高温下でさらに高い発電出力を有するものが望まれていた。かかる燃料電池では、発電中にセル内で燃料の酸化によって過酸化水素が発生、それによりヒドロキシラジカルなどの活性種が生成するため、それにより電極電解質の分解を引き起こし性能低下の原因となることが知られている。そのため電極電解質の化学劣化に対する耐久性の向上も求められていた。
すなわち、本発明の課題は、前述のような、価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとともに、プロトン伝導性や寸法安定性、機械的特性に優れ、しかも高温下でも高い発電出力を有し、かつ、MEA作製時の加工適正性を付与した固体高分子型燃料
電池用電極電解質を提供し、さらに該電解質を含む、電極ワニス、電極ペースト、電極、膜-電極接合体を提供するものである。
このような状況のもと本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、スルホン化ポリアリーレンに、電子吸引性の官能基を介して含窒素複素環式芳香族基を導入することによって、複素環の電子密度を下げ、塩基性度を抑えることによって、電極電解質の化学劣化に対する耐久性も改良できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]下記一般式(1)で表される構造、および
Figure 2009295324
(式中、Zは −CO−、−SO2−、−SO−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Rsは直接結合または任意の2価の有機基を示す。
hは、ピロール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサ
ゾール基、ピリジン基、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピラゾール基、1,3,5−トリアジン基、ピリミジン基、ピリタジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、ベンズイミダゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズチアゾール基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基およびこれら含窒素複素環基の誘導体からなる群から選ばれる化合物から誘導される少なくとも1種の基を示す。)
下記一般式(2)で表されるスルホン酸基を有する構造を、
を含むスルホン化ポリアリーレンを含む固体高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 2009295324
(式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Wは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−
SO3Hまたは−O(CH2)hSO3Hまたは−O(CF2)hSO3H(hは1〜12の整数)
で表される置換基を有する芳香族基を示す。mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
[2]前記スルホン化ポリアリーレンが、下記一般式(3)で表される構造、および下記一般式(4)で表される構造を含む[1]の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 2009295324
(式(3)中、Z、RsおよびRhは、式(1)の場合と同様である。)
Figure 2009295324
(式(4)中、Y、W、Ar、m、nおよびkは、式(2)の場合と同様である。
なお、構成単位端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[3]前記スルホン化ポリアリーレンが、さらに式(3)および(4)で表される構造とともに
、下記一般式(5)で表される構造を含むことを特徴とする[2]の固体高分子型燃料電池
用電極電解質。
Figure 2009295324
(式(5)中、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2
、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン
基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子
、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、sおよびtは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。
なお、構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[4]前記スルホン化ポリアリーレンが、下記式(6)で表される構造を含む[3]の固体高
分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 2009295324
一般式(6)において、A、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、t、Rh、RsおよびR1〜R16は、それぞれ式(1)、式(2)および式(5)の場合と同様である。x、y、zは、x+y+z=100モル%とした場合のモル分率を示し、xは、99〜85モル%、yは、15〜1モル%、zは、15〜0.01モル%である。
なお、構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[5][1]〜[4]の固体高分子型燃料電池用電極電解質を含むことを特徴とする電極ワニス。
[6][1]〜[4]の固体高分子型燃料電池用電極電解質と触媒粒子を含むことを特徴とする電
極ペースト。
[7]ペーストを構成する溶媒が水と少なくとも1種類以上の有機溶剤との混合溶媒であり
、その混合溶媒がプロトン伝導膜の貧溶媒である[6]の電極ペースト。
[8][1]〜[4]の固体高分子型燃料電池用電極電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする
固体高分子型燃料電池用電極。
[9][8]の固体高分子型燃料電池用電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
本発明によれば、安価で、触媒金属の回収が容易であり、プロトン伝導性、寸法安定性、機械的特性、機械的特性、および加工性(プロトン伝導膜・ガス拡散層と電極層の接合
性)に優れ、さらに化学劣化に対する耐久性も改良された固体高分子型燃料電池用電極電
解質、該電解質を含む電極ワニス、電極ペースト、固体高分子型燃料電池用電極、膜−電極接合体が提供され、固体高分子型燃料電池の発電性能向上に寄与する。
以下、本発明に係る電極電解質、電極ワニス、電極ペースト、電極および膜−電極接合体(MEA)について詳細に説明する。
〔電極電解質〕
本発明の固体高分子型燃料電池用電極電解質は、スルホン酸基を有するポリアリーレン(以後、スルホン化ポリアリーレンという)に、含窒素複素環式芳香族基を効率的に導入され、かつ、該含窒素複素環を、電子吸引性基を介して導入された構造を含むポリアリーレンを含むことを特徴としている。
なお、本発明の電極電解質は、このようなポリアリーレン単独であっても、従来より電極電解質として公知のものを含んでいても良い。このような構造を有するスルホン化ポリアリーレンは、複素環の電子密度を下げて窒素の塩基性度が抑制され、これによって、耐熱性および化学耐久性も高まり、さらには低湿度領域でのプロトン伝導性も向上する。そして、本来、耐熱水性が高く、高いスルホン酸濃度を有し、優れたプロトン伝導性を示す重合体中に、含窒素複素環式芳香族基を導入できるので、プロトン伝導性を損なうことなく、高温下で高いスルホン酸の安定性を向上することができ。このため、かかるポリアリーレンを含む電極電解質は、広範囲な温度、湿度、特に高温下でも発電可能になり、発電出力を向上することができる。また、高温下で使用しても、スルホン酸基が高い安定性を有することから、電池寿命を大幅に向上させた燃料電池を得ることができる。
<スルホン化ポリアリーレン>
[含窒素複素環基を有する構造]
本発明で使用するスルホン化ポリアリーレンは、下記式(1)で表される含窒素複素環基を有する構造を有している。
Figure 2009295324
式中、Zは、電子吸引性基であれば特に限定されないが、好ましくは、−CO−、−SO2−、−SO−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
sは直接結合または特に限定されない、任意の二価の有機基を用いることができる。
二価の有機基としては、炭素数1〜20炭化水素基であればよく、具体的には、メチレン基、エチレン基などのアルキレン基、フェニレン基などの芳香族環があげられる。
hは含窒素複素環基を示し、窒素を含む5員環、6員環構造が挙げられる。また、複
素環内の窒素原子の数は、1個以上あれば特に制限されない、また複素環内には、窒素以外に、酸素や硫黄を含んでいても良い。
hを構成する含窒素複素環基として、具体的には、ピロール、チアゾール、イソチア
ゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリンからなる含窒素複素環化合物およびこれらの誘導体の炭素または窒素に結合する水素原子が引き抜かれてなる構造の基である。
これらの含窒素複素環基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等のアリール基、シアノ基、フッ素原子などがあげられる。
このような含窒素複素環基を有する構造は、スルホン化ポリアリーレン中に、好ましくは下記式(3)で表される構造単位を構成している。
Figure 2009295324
(式(3)中、Z、RsおよびRhは、式(1)の場合と同様である。構成単位の端部におけ
る単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
上記一般式(3)における、含窒素複素環基Rhは、ピリジン基であることが好ましい。ピリジン基であると、含窒素複素環の中でも元来Nの塩基性度が低めであるため、低湿度領域でのプロトン伝導度が向上するという特性が発揮される。
また、上記一般式(3)における、Zは−CO−か−SO2−であることが好ましい。−CO−はピリジン環と組合わせると、共役による安定化効果により熱的に安定な構造となりやすい。また、−SO2−は電子密度を下げて窒素の塩基性度がより抑制され、これに
よって、低湿度領域でのプロトン伝導性を特に高めることができる。
主鎖の芳香環と電子吸引性基Zは、直接結合しているのが安定性の面から好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲で任意の2価の基(すなわちRs)が介在しても良い。ここで介在構造としては、炭素数1〜20の二価の有機基であれば特に限定されない。
[スルホン酸基を有する構造]
本発明で使用されるスルホン化ポリアリーレンは、下記式(2)で表されるスルホン酸基を有する構造を有している。
Figure 2009295324
一般式(2)において、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−CO
O−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
Wは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、
−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。
Arは−SO3Hまたは−O(CH2)hSO3Hまたは−O(CF2)hSO3Hで表される置
換基(hは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。芳香族基は前記した−SO3Hまたは
−O(CH2)hSO3Hまたは−O(CF2)hSO3Hで表される置換基で、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Wは−O−であり、Arが置換基と
して−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yは−CO−であり、Wは−O−であり、Arが
置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Wは−O−であり、Arが置換基と
して2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Wは−O−であり、Arが置換基と
して−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造などを挙げることができる。
このようなスルホン酸基を有する構造は、スルホン化ポリアリーレン中に、好ましくは下記式(4)で表される構造単位を構成している。
Figure 2009295324
(式中、Y、W、Ar、m、nおよびkは、式(2)の場合と同様である。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[ポリアリーレン構造]
本発明で使用されるスルホン化ポリアリーレンは、下記式(5)で表されるポリアリーレン構造(以下、「疎水性ユニット」ということがある。)を有している。
Figure 2009295324
(式(5)中、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2
、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン
基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子
、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、sおよびtは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
ここで、−CR'2−で表される構造の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。R1〜R16は、互い
に同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
s、tは0〜4の整数を示す。rは0または1以上の整数を示し、上限は通常100、好ましくは1〜80である。s、tの値と、A、B、D、R1〜R16の構造についての好
ましい組み合わせとしては、
(1)s=1、t=1であり、Aが−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−で
あり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、Aが−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリル基である
構造が挙げられる。
[重合体の構造]
本発明で使用されるスルホン化ポリアリーレンは、さらに好ましくは、下記式(6)で表される構造を有している。
Figure 2009295324
一般式(6)において、A、B、D、W、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、t、Rh
、RsおよびR1〜R16は、式(1)、式(2)および式(5)の場合と同様である。x、y、zはx+y+z=100モル%とした場合のモル分率を示す。
ここで、xは、85〜99モル%、好ましくは、90〜97モル%、更に好ましくは、94〜96モル%であり、yは、1〜15モル%、好ましくは、1〜10モル%、更に好ましくは、1〜5モル%であり、zは、0.001〜50モル%、好ましくは、0.1〜25モル%、更に好ましくは、1〜10モル%である。
本発明に係る重合体のイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。イオン交換容量が、0.3meq/g以上であれば、プロトン伝導度が高く、かつ発電性能を高くすることができる。一方、5meq/g以下であれば、充分に高い耐水性を具備できる。
上記のイオン交換容量は、構造単位(3)、構成単位(4)および構成単位(5)の種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。したがって重合時に構成単位(3)〜(5)を誘導する前駆体(モノマー・オリゴマー)の仕込み量比、種類を変えれば調整することができる。
概して構造単位(4)が多くなるとイオン交換容量が増え、プロトン伝導性が高くなるが、耐水性が低下する。一方、構造単位(4)が少なくなると、イオン交換容量が小さくなり、耐水性が高まるが、プロトン伝導性が低下する。
構造単位(3)を含んでいると、高温条件下でのスルホン酸基の安定性が向上し、その結果耐熱性が向上する。含窒素複素環式芳香族化合物の窒素原子は、塩基性を有するため、スルホン酸基との間でイオン的な相互作用を形成する。これによって、スルホン酸基の安定性を高め、高温条件下でのスルホン酸基の脱離が抑制される。また、同様に高温条件下でスルホン酸基に由来するポリマー分子間の架橋反応をも抑制することができる。含窒素複素環式芳香族化合物は、プロトン伝導性を損なわず、これらの効果を発現できる適度な強さの塩基性を有する化合物である。また、含窒素複素環は、電子吸引性基を介して導入することによって、複素環の電子密度を下げて窒素の塩基性度が抑制され、これによって、低湿度領域でのプロトン伝導性も向上する。
構成単位(5)は任意成分であり、重合体中の(3)および(4)成分を除いた残りが構成単位(5)の量に相当する。また、(5)が含まれていなくともよい。この構成単位(5)を含んでいると、分子量の調整や、上記各繰り返し単位の含有量の調整などを行いやすくなるとともに、熱的、化学的に安定な重合体を得ることができる。
本発明の重合体の分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万、さらに好ましくは5万〜30万である。
<スルホン化ポリアリーレンの製造方法>
本発明のスルホン化ポリアリーレンの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
(A法)
例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法と同様に、下記一般式(A’)で表されるモノマー、下記一般式(B')で表されるモノマーおよび下記一般式(C')で表されるモノマーを共重合させ、スルホン酸エステル基を有する重合体を製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
モノマー(A’)
モノマー(A’)は、下記式(A’)で表される構造を有する化合物であり、スルホン化ポリアリーレンの中で前記式(2)又は前記式(4)で表される構造となる。
Figure 2009295324
(式中、Y、W、Ar、m、nおよびkは、式(2)の場合と同様である。)
Xは塩素原子、臭素原子および−OSO2Rb(ここで、Rbはアルキル基、フッ素置
換アルキル基またはアリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。(式中、Y、W、Ar、m、nおよびkは、式(2)の場合と同様である。)
一般式(A’)で表される化合物の具体的な例としては、下記一般式で表される化合物、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
Figure 2009295324
Figure 2009295324
一般式(A’)で表される化合物において、スルホン酸エステル構造は、通常、芳香族環のメタ位に結合している。
モノマー(B’)
モノマー(B’)は、下記式(B’)で表される構造を有する化合物であり、スルホン化ポリアリーレンの中で前記式(5)で表される構造となる。
Figure 2009295324
X’およびX”は塩素原子、臭素原子および−OSO2Rb(ここで、Rbはアルキル基
、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
1〜R16、A、B、D、s、tおよびrは前記一般式(B)と同じである。
モノマー(B’)の具体例としては、一般式(B’)におけるrが0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−
クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子ま
たはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
また、一般式(B’)におけるrが1の場合、下記に挙げる化合物および特開2003−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
Figure 2009295324
一般式(B’)におけるrがr≧2の場合、例えば下記に示す構造の化合物を挙げることができる。
Figure 2009295324
モノマー(C’)
モノマー(C’)は、下記式(C’)で表される構造を有する化合物であり、スルホン化ポリアリーレンの中で前記式(1)又は前記式(3)で表される構造となる。
Figure 2009295324
Xはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2Rb(ここで、Rbはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
Z、Rs、Rh、は前記した通りである。
一般式(C')で表される含窒素芳香族化合物の具体例として、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2009295324
前記化合物には、さらに、塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、塩素原子や臭素原子の結合位置の異なる異性体を挙げることができる。また−CO−結合が、−SO2
結合に置き換わった化合物を挙げることができる。
本発明の含窒素芳香族化合物を合成する方法として、例えば以下のような方法を挙げることができる。
モノマー(C’)はいくつかの一般的な合成反応を用いて合成することができる。含窒素複素環の酸塩化物とジハロゲン化ベンゼン、またはジハロゲン化ベンゾイルクロリドと含窒素複素環とのフリーデルクラフツ反応を用いる方法、ハロゲン化含窒素複素環化合物とチオールの求核置換反応によるチオエーテル化と過酸化物による酸化を用いる方法が挙げられる。
含窒素複素環の酸塩化物とジハロゲン化ベンゼンのフリーデルクラフツ反応を用いる場合、出発物質となる含窒素複素環の酸塩化物は、該当するカルボン酸置換された含窒素複素環を塩化チオニルで酸塩化物に変換して用いる。このとき、当該酸塩化物は塩酸塩となっていても次の反応は阻害しない。
フリーデルクラフツ反応を用いる製造方法について以下に一般的な例を記載する。
溶媒としては、一般的なハロゲン化炭化水素を用いることができるが、ジクロロベンゼンなどの融点が低いものの場合、融点以上に加温して溶解させて無溶媒で反応することもできる。
これらの溶液にルイス酸を加え反応させるが、ルイス酸としては塩化アルミニウムを用いるのが一般的で好ましい。塩化鉄、塩化亜鉛など他のルイス酸でも可能であるが、やや反応性がマイルドであるため反応に時間がかかる場合がある。
反応温度は0℃〜200℃程度の範囲で、反応基質、溶媒の種類に応じて適宜選択される。あまり高温にすると、出発物質の蒸発や分解などで収率が低下することがある。
反応後の生成物の回収は、含窒素複素環構造を有するため、酸−塩基相互作用を利用した方法を用いることができる。反応液をpH1以下の酸性の水に注ぎ、過剰のルイス酸を失活、溶解させる。このとき、含窒素複素環は塩基性のため、pH1以下にすると水層に溶解する。反応溶媒や過剰の有機基質についてはここで分離することができる。水層をアルカリで中和しpH3〜4に調整し、有機溶媒で生成物を抽出し、有機層を分離、濃縮することで目的の生成物を得ることができる。このときpHを高くしすぎると、水酸化アルミニウムなどが析出してしまい、分離が困難となり易い。また、抽出溶媒は水と分離できれば特に限定されない。
次に、ハロゲン化含窒素複素環化合物とチオールの求核置換反応によるチオエーテル化と過酸化物による酸化を用いる方法について具体的に記載する。
まず、フェノール性チオール基を有する構造体を、対応するアルカリ金属塩とする。このために、誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、または、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などのアルカリ金属化合物を加える。上記誘電率の高い極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。上記アルカリ金属は、フェノール性水酸基に対して、通常1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で用いる。
次いで、水と共沸する溶媒、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどを共存させて、生成する水を共沸により抜きながら、上記アルカリ金属塩と、ハロゲン化含窒素複素環とを縮合反応させる。反応性の観点から、ハロゲンはフッ素であることが好ましい。また、反応温度は60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。
反応後、前述のフリーデルクラフツ反応と同様の方法で生成物を回収できる。
回収した生成物を極性溶媒中で活性な酸素を発生する過酸化物と反応させ、チオエーテル部分をスルホンに酸化する。過酸化物としては、過酸化水素水や過ホウ酸ナトリウムなどを用いることができる。反応剤の種類、反応温度、反応時間の調整により、酸化をスルホキシドで止めることもできるが、本発明の効果を得るためにはスルホンまで参加することが好ましい。
重合反応
本発明の重合体を得るためはまず上記モノマー(A')、モノマー(B')およびモノマー(C')を共重合させ、前駆体を得る。
この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(
以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)
、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物および条件を採用することができる。
たとえば、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好適に使用され、また、配位子となる化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフ
ィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、2,2′−ビピリジンなどが好適に使用される。さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属(塩)としては、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′ビピリジン)が好適に使用される。還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。「塩」としては、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。反応には重合溶媒を使用してもよく、具体的には、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドンなどが好適に使用される。
触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩または配位子が配位された遷移金属(塩)が、モノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。この範囲にあれば、触媒活性が高く、また分子量も高く重合することが可能である。触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、モノマーの総計
1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。かかる範囲であれば、重合速度を上げる効果が充分となる。重合溶媒中におけるモノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。また、本発明の重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜100℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
次いで、得られた重合体を加水分解して、構成単位中のスルホン酸エステル基(−SO3R)をスルホン酸基(−SO3H)に転換する。
加水分解は、(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を投入し、5分間以上撹拌する方法、(2)トリフルオロ酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法、(3)重合体中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに
対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチルピロリドンなどの溶液中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法などにより行うことができる。
(B法)
例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法と同様に、上記一般式(A')
で表される骨格を有し、かつスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記モノマー(B')と、上記モノマー(C')を共重合させ、この重合体を、スルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
B法において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸基、またはスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特開2001−342241号公報、特開2002−293889号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
(C法)
一般式(A)において、Arが−O(CH2)hSO3Hまたは−O(CF2)hSO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−606254号公報に記載の方法と同様に、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーと、上記一般式(C)で表される構造単位となるモノマーを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
(C法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーの具体的な例として、特開2005−36125号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。具体的には、2,5−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンをあげることができる。またこれらの化合物のヒドロキシル基をテトラヒドロピラニル基などで保護した化合物をあげることができる。またヒドロキシル基がチオール基にかわったもの、塩素原子が、臭素原子、ヨウ素原子におきかわったものもあげることができる。
(C法)では前駆体の重合体(スルホン酸基を有さない)に、特開2005-60625号
公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。例えば、前駆体の重合体のヒドロキシル基と、プロパンスルトン、ブタンスルトンなどを反応させることで導入することができる。
上記スルホン化ポリアリーレンの分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用いて40℃で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(M
n)が0.5万〜50万、好ましくは1万〜40万であり、重量平均分子量(Mw)が1万
〜100万、好ましくは2万〜80万である。
<添加剤>
本発明の電極電解質は、上記スルホン化ポリマー以外に、酸化防止剤、硫酸、リン酸などの無機酸、リン酸ガラス、タングステン酸、リン酸塩水和物、β-アルミナプロトン置
換体、プロトン導入酸化物等の無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水などを添加されていてもよい。
上記酸化防止剤としては、分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物が好ましい。このような酸化防止剤を含有することにより、電解質としての耐久性をより向上させることができる。
上記ヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(
3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明の電極電解質に添加される添加剤の量は、特に限定されず、電極電解質に要求される酸化耐性、プロトン伝導性、強度および弾性率などに応じて、最適な量を用いればよい。たとえば、上記スルホン化ポリアリーレン100重量部に対して、添加剤の全重量が0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部の範囲で添加することが望ましい。また、添加剤は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
〔電極ペーストおよび電極ワニス〕
本発明の電極ワニスは上記電極電解質が溶媒中に分散ないし溶解したものであり、電極ペーストは、上記電極電解質、触媒粒子および溶媒を含むペーストであり、これらには必要に応じて分散剤、炭素繊維などの他の成分を含んでいてもよい。
<触媒粒子>
触媒粒子は、触媒が、カーボン、金属酸化物の担体に担持されたもの、または、触媒の単体からなる。
触媒としては、白金または白金合金が用いられる。白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。このような白金合金としては、白
金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、コバルト、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズから選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
触媒は、単体でも、担体に担持された状態でも、触媒粒子を形成している。上記触媒を担持する担体としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
これらのカーボンの形態としては、粒子状のほか、繊維状も用いることができる。また、カーボンに担持される触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれば特に制限されるものではないが、担持量がカーボン重量に対して、0.1〜9.0g-metal/g-carbon、好ましくは0.25〜2.4g-metal/g-carbonの範囲である。
また、担体としては、カーボンの他に、金属酸化物、たとえば、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、セリア、アルミナ、アルミナスピネル、マグネシア、ジルコニアなどであってもよい。
<溶媒>
本発明の電極ワニス、電極ペーストに用いられる溶媒としては、上記電極電解質を溶解または分散する溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また、1種類単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。触媒等の電極材料と混合してペーストを作製する前に、電極電解質を下記溶媒に溶解したワニスを調製しておくとハンドリングが容易になる。
具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル1−プロパノール、シクロヘキサノール
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類;γー
ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
上記溶媒のうち、特に水の混合溶媒系でプロトン伝導膜の貧溶媒であるものが望ましい。上記電極電解質と溶媒系の組み合わせではプロトン伝導膜への電極ペーストが塗工可能なためMEAの大量生産に好適である。水と併用する好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、γーブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好適に使用
できる。混合溶媒は、1種の溶媒と水、もしくは複数の溶媒と水を混合しても良い。
<分散剤>
本発明の電極ペーストやワニスには、必要に応じてさらに分散剤を添加してもよい。このような分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、たとえば、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチル
アンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル−2−牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物などが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、たとえば、ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω−フルオロアクカノイル−N−エ
チルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンス
ルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタインなどが挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、たとえば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2
型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)
、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記界面活性剤は、1種単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記界面活性剤の中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤、より好ましくはアニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤、さらに好ましくは、分子量5千〜3万の界面活性剤である。
本発明の電極ペーストやワニスに上記分散剤を添加すると、発電特性、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
<炭素繊維>
本発明の電極ペーストには、必要に応じてさらに炭素繊維を添加することができる。このような炭素繊維しては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
電極ペーストに炭素繊維を添加すると、電極中の細孔容積が増加することにより、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。
<その他の添加物>
本発明の電極ペーストやワニスには、必要に応じてさらに他の成分を添加することができる。たとえば、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーなどの撥水剤を添加してもよい。撥水剤は生成する水を効率よく排出する効果を奏し、発電性能の向上に寄与する。
<組成>
本発明の電極ペースト全量に対して、触媒粒子の含有量は1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%であり、電極電解質の含有量は0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重量%であり、溶媒の含有量は50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。また、必要に応じて用いられる分散剤の含有量は0〜10重量%、好ましくは0〜2重量%であり、炭素繊維の含有量は0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。なお、上記成分の含有量の合計が、100重量%を超えることはない。
上記触媒粒子の含有量が、1重量%以上であれば電極反応率を高くでき、20重量%以下であれば電極ペーストの粘度が高すぎることもないので、塗工時に塗りむらも抑制される。
上記電極電解質の含有量が、0.5重量%以上であると、プロトン伝導度が高いものが得
られ、かつ、電極電解質自体がバインダーとしての役割を果たすために、電極を容易に作製できる。また、30重量%以下であると、電極中の細孔容積を高く維持できる。
上記溶媒の含有量が、50〜95重量%の範囲内にあると、発電に必要な電極中の細孔容積が十分確保できるとともに、ペーストやワニスとしてのハンドリングに好適である。
上記分散剤の含有量が、0〜10重量%の範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペース
トや電極ペーストが得られる。
上記炭素繊維の含有量が、0〜20重量%の範囲内にあると、電極反応率の低下を抑制できる。
<ペーストおよびワニスの調製>
本発明の電極ペースト及び電極ワニスは、たとえば、上記各成分を上記含有量となるように混合し、従来公知の方法で混練することにより調製することができる。
各成分の混合順序は特に限定されないが、たとえば、全ての成分を混合して一定時間攪拌を行うか、分散剤以外の成分を混合して一定時間攪拌を行った後、必要に応じて分散剤を添加してさらに一定時間攪拌を行うことが好ましい。また、必要に応じて、溶媒の量を調整して、ペーストの粘度を調整してもよい。
〔燃料電池用電極〕
本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極は、上記電極ペーストを転写基材上に塗布し、溶媒を除去することにより得られる。すなわち、本発明の電極は、上記本発明の電極電解質および上記触媒粒子を含む。
上記転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系ポリマーからなるシート、または、表面を離型剤処理したガラス板、金属板、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートなども用いることができる。
電極ペーストを転写基材上に塗布する方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などがある。
また、上記電極電解質を含む電極ペーストを直接、プロトン伝導膜もしくはガス拡散層、カーボンペーパーに塗工してもよい。
〔膜−電極接合体〕
本発明の膜−電極接合体(以下「MEA」ともいう)では、上記電極が固体高分子電解質膜の少なくとも片面に備えられており、上記転写基材上に形成された電極層を、該電解質膜の少なくとも片面、好ましくは両面に転写することにより得られる。
上記固体高分子電解質膜としては、プロトン伝導性の固体高分子膜であれば、特に限定されることなく用いることができる。たとえば、Nafion(DuPont社製)、Flemion(旭硝子製)、Aciplex(旭化成製)などのパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーからなる電解質膜;パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーに、ポリテトラフルオロエチレンの繊維や多孔質膜と複合化した補強型電解質膜;ポリテトラフルオロエチレングラフトスルホン化ポリスチレンなどの部分フッ素化スルホン化ポリマーからなる電解質膜;スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルニトリル、スルホン化ポリフェニレンエーテル、スルホン化ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリベンズオキサゾール、スルホン化ポリベンズチアゾールなどの芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜;スルホン化ポリスチレン、スルホン酸含有アクリル系ポリマーなどの脂肪族スルホン化ポリマーからなる電解質膜;これらを多孔質膜と複合化した細孔フィリング型電解質膜;ポリベンズオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズチアゾールなどのポリマーにリン酸や硫酸などを含浸させた酸含浸型ポリマーからなる電解質膜などが挙げられる。これらの中では、芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜が好ましい。
また、固体高分子型燃料電池を製造する場合には、優れたプロトン伝導性と熱水耐性、加工性とを有するため、上述した構成単位(A)、(B)さらに(C)を含むスルホン化ポリアリーレンから得られる電極電解質と上記固体高分子電解質膜が好適に用いられる。
上記電極層の電解質膜への転写は、ホットプレス法により行うことができる。ホットプレス法は、カーボンペーパーまたは離型シートに電極ペーストを塗布し、電極ペースト塗布面と電解質膜とを圧着する方法である。ホットプレスは、通常、50〜250℃の温度範囲で1〜180分間、10〜500kg/cm2の圧力をかけて行う。
本発明のMEAを得るための別の方法として、プロトン伝導膜もしくはガス拡散層、カーボンペーパー上に直接、電極層を形成した後、MEAを作製してよい。このとき、塗布や乾燥の順序に特に制限はない。
たとえば、PETフィルム等の基材上に、高分子電解質溶液を塗布して乾燥することにより電解質膜を形成した後、該電解質膜上に上記電極ペーストを塗布し、乾燥して溶媒を除去することにより電極層を形成する。次に、上記基材をはがして、電解質膜のもう一方の面に電極ペーストを塗布し、溶媒を除去することにより、電解質膜の両面に電極層が形成されたMEAが得られる。
電極層の厚さは、特に制限されるものではないが、触媒として担持された金属が、単位面積あたり、0.05〜4.0mg/cm2、好ましくは0.1〜3.0mg/cm2の範囲で電極層中に存在することが望ましい。0.05〜4.0mg/cm2の範囲にあれば
、十分に高い触媒活性が発揮され、また効率的にプロトンを伝導することができる。
電極層の細孔容積は、0.05〜4.0ml/g、好ましくは0.1〜3.0ml/g
の範囲にあることが望ましい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、得られた電極電解質ポリマーの特性評価は、得られたスルホン化ポリアリーレンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、15重量%NMP溶液を調製した後、ガラス板上にキャストして作製した。膜厚は40μmであった。
(分子量)
上記化合物(D)の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として40℃で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
上記スルホン化ポリアリーレンの重量平均分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として用いて40℃で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に洗浄し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
[合成例1]3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジンの合成
Figure 2009295324
攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた1L三口フラスコに、1,4−ジクロロベンゼン183.8g(1.25mol)を量りとり、窒素雰囲気下オイルバスを用いて60℃で加熱し溶解させた。その後、塩化アルミニウム160.1g(1.20mol)
を加え、撹拌下、ニコチン酸クロリド塩酸塩89.0g(0.5mol)を、約1時間か
け少量ずつ添加した。添加終了後、内温を90〜100℃まで昇温し反応させた。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を約70℃まで放冷後、150mlのMIBK(メチルイソブチルケトン)を加え希釈した。この溶液を室温まで放冷後、反応液を1Lの2規定塩酸に徐々に加え、生成物を酸性水中に抽出した後、有機層を分液し過剰の1,4−ジクロロベンゼンを取り除いた。水層がpH3〜4になるまで4mol/lの水酸
化ナトリウム溶液を徐々に加え、MIBKにより生成物を抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポレーターにより溶媒を留去した。粗収量130g。粗生成物をヘキサン/酢酸エチル溶媒を展開溶媒にカラムクロマ
トグラフィーで精製し、目的物を無色透明な粘ちょうな液体として110g、収率87%で得た。得られた化合物の1H-NMRスペクトルを図1に示す。
[合成例2]4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジンの合成
Figure 2009295324
合成例1で、ニコチン酸クロリド塩酸塩89.0g(0.5mol)の代わりにイソニコチン酸クロリド塩酸塩を用いたこと以外は同様に行い、組成生物130gを得た。これをブタノールから再結晶し、目的物を白色固体として100.5g、収率79%で得た。得られた化合物の1H-NMRスペクトルを図2に示す。
[合成例3]2−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピロールの合成
Figure 2009295324
攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を取り付けた1L三口フラスコに、ジクロロメタン200mlを入れ、塩氷浴で0℃まで冷却した後、塩化アルミニウム80.4g(
0.6mol)、ピロール40.3g(0.6mol)を加えた。ついで、2,5−ジクロ
ロベンゾイルクロリド104.7g(0.50mol)をジクロロメタン100mlに溶解させたものを、滴下ロートを用いてゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷水浴で5〜10℃を保ちながら3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を1Lの2規定塩酸に徐々に加え、過剰の塩化アルミニウムを溶解させ除去した。有機層を5%重曹水、水、食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポレーターにより溶媒を留去した。粗収量120g。粗生成物をヘキサン/酢
酸エチルから再結晶し、乳白色固体の目的物を95g、収率79%で得た。
[合成例4]3−(2,5−ジクロロベンゼンスルホニル)ピリジンの合成
Figure 2009295324
攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた2L三口フラスコに、2,5−ジクロロベンゼンチオール89.5g(0.500mol)、3−フルオロピリジン53.4g(0.55mol)、炭酸カリウム82.9g(0.60mol)、脱水N,N'−ジメチル
アセトアミド 550mlを量りとった。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバスを用いて
100℃で3時間加熱した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を室温まで放冷した。その後、反応液を3Lの水に徐々に加え、生成物を凝固させ、ろ過した。ろ過により得られた生成物をトルエン2.5Lに溶解させた後、分液漏斗を用いて、水層が中性になるまで食塩水により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポレーターにより溶媒を留去し、中間体である2,5−ジクロロフェニルピリジルスルフィドを粗収量129gで得た。
攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた2L三口フラスコに、上記中間体の組成生物129g、過ホウ酸ナトリウム四水和物461.6g(3.0mol)、酢酸50
0ml、を量り取った。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバスを用いて60℃で5時間加熱した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、減圧蒸留により酢酸を留去し、酢酸エチルを加えて溶解させた。これを水、5%重曹水、食塩水で十分に洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポレーターにより溶媒を留去し、組成生物を130g得た。これをエタノールから再結晶し、白色固体115g、収率80%で得た。
[合成例5](比較合成例)2,5−ジクロロ−4'−(1−イミダゾリル)ベンゾフェノ
ンの合成
Figure 2009295324
攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた2L三口フラスコに、2,5−ジクロロ―4’―フルオロベンゾフェノン150.7g(0.560mol)、イミダゾール
114.4g(1.68mol)、炭酸カリウム100.6g(0.728mol)、N,N−
ジメチルアセトアミド 840mlを量りとった。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバス
を用いて110℃で2時間加熱した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を室温まで放冷した。その後、反応液を3Lの水に徐々に加え、生成物を凝固させ、ろ過した。ろ過により得られた生成物をTHF(1.2L)で溶かし、トルエン(
4L)を加えた後、水層が中性になるまで食塩水により洗浄した。有機層を硫酸マグネシ
ウムにより乾燥させた後、エバポレーターにより溶媒を留去した。粗収量180g。80℃に加熱したトルエン1Lとメタノール20mlの混合溶媒を用いて再結晶単離操作を行い、白色固体155gを収率87%で得た。
[合成例6](スルホン酸基を有するモノマーの合成)
3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの調製
Figure 2009295324
攪拌機、冷却管を備えた3Lの三口フラスコに、クロロスルホン酸(233.0g、2モル)を加え、続いて2,5−ジクロロベンゾフェノン(100.4g、400ミリモル
)を加え、100℃のオイルバスで8時間反応させた。所定時間後、反応液を砕氷(1000g)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、淡黄色の粗結晶(3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸クロリド)を得た。粗結晶は精製せず、そのまま次工程に用いた。
2,2-ジメチル-1-プロパノール(ネオペンチルアルコール)(38.8g、440ミリモル)をピリジン 300mLに加え、約10℃に冷却した。ここに上記で得られた粗結
晶を約30分かけて徐々に加えた。全量添加後、さらに30分撹拌し反応させた。反応後、反応液を塩酸水1000ml中に注ぎ、析出した固体を回収した。得られた固体を酢酸エ
チルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、粗結晶を得た。これをメタノールで再結晶し、目的物である3-(2,5-ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの白色結晶を得た。
[合成例7] 疎水性ユニットに相当する化合物の合成1
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル49.4g(0.29モル)、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン8
8.4g(0.26モル)、炭酸カリウム47.3g(0.34モル)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346ml、トルエン173mlを加えて攪拌した。フラスコをオイルバスにつけ、150℃に加熱還流させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を徐々に上げながら大部分のトルエンを除去した後、200℃で3時間反応を続けた。次に、2,6−ジクロロベンゾニトリル12.3g(0.0
72モル)を加え、さらに5時間反応した。
得られた反応液を放冷後、トルエン100mlを加えて希釈した。副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を2Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン250mlに溶解した。これをメタノール2Lに再沈殿し、目的の化合物107gを得た。
得られた目的の化合物のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は7300であった。得られた化合物は下記構造式表されるオリゴマーであった。
Figure 2009295324
[合成例8] 疎水性ユニットに相当する化合物の合成2
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、トルエン150mLをとり
、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
得られた重合体のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は11,200であった。得られた化合物は下記構造式で表されるオリゴマーであった。
Figure 2009295324
[合成例9] 水性ユニットに相当する化合物の合成3
前記合成例7において、4,4’−ジクロロベンゾフェノンの代わりとして、ビス(4-
クロロフェニル)スルホン(BCPS)を使用し、その最初の仕込み量を53.5g(0.2
14mol)とし、後添加する仕込み量を3.3g(0.0133mol)としたこと、また炭酸カリウムの使用量を58.0g(0.42mol)に変えた以外は、合成例7と同様にして重合を行った。その結果、目的の化合物が96%の収率で120g得られた。得られた目的の化合物のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は7,600であった。得られた化合物は下記構造式表されるオリゴマーであった。
Figure 2009295324
[実施例1] 含窒素複素環基含有スルホン化重合体P1Aの合成
撹拌機、温度計、窒素導入管を接続した1Lの3口フラスコに、乾燥したN,N−ジメ
チルアセトアミド(DMAc)166mLを合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 37.6g(93.7mmol)と、合成
例7で合成した化合物 13.4g(1.8mmol)、合成例1で得られた3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジン1.18g(4.7mmol)、ビス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケルジクロリド2.62g(4.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.5g(40.1mmol)、ヨウ化ナトリウム0.45g(3.0mmol)、亜鉛15.7g(240.5mmol)の混合物中に窒素下で加えた。
反応系を撹拌下に加熱し(最終的には82℃まで加温)、3時間反応させた。反応途中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液をDMAc 175mLで希釈し、30分
撹拌し、セライトを濾過助剤に用い濾過した。撹拌機を取り付けた1Lの3つ口で、この濾液に臭化リチウム24.4g(281mmol)を1/3ずつ3回に分け1時間間隔で加え、内温120℃で5時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、アセトン4Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、1N硫酸1500mLで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄後、80℃で一晩乾燥し、目的のスルホン化ポリマー38.0gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=63000、Mw=194000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.30meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーP1A)である。
Figure 2009295324
[実施例2] 含窒素複素環基含有スルホン化重合体P2Bの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)
ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 37.8g(94.3mmol)、合成例8で合成した化合物 13.4g(1.2mmol)、合成例2で得られた4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジン1.19g(4.7mmol)とした以外は同様に行い、目的のスル
ホン化ポリマー37.5gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=62000、Mw=184000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.30meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーP2B)である。
Figure 2009295324
[実施例3] 含窒素複素環基含有スルホン化重合体P3Aの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 37.6g(93.7mmol)と、合成例7で合
成した化合物 13.4g(1.8mmol)、合成例3で得られた2−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピロール1.13g(4.7mmol)、とした以外は同様に行い、目的
のスルホン化ポリマー36.5gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=58,000、Mw=192000であった。このポリマーのイオン交換容量は
2.32meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーP3A)である。
Figure 2009295324
[実施例4] 含窒素複素環基含有スルホン化重合体P4Cの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 37.6g(93.8mmol)と、合成例9で合
成した化合物 13.1g(1.7mmol)、合成例4で得られた3−(2,5−ジクロロベンゼンスルホニル)ピリジン1.35g(4.7mmol)とした以外は同様に行い
、目的のスルホン化ポリマー38.0gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=55,000、Mw=182,000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.32meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーP4C)である。
Figure 2009295324
[比較例1] 含窒素複素環基含有スルホン化重合体P6Cの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 37.6g(93.7mmol)と、合成例9で合
成した化合物 13.1g(1.7mmol)、合成例5で得られた2,5−ジクロロ−4'−(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン1.49g(4.7mmol)とした以外は同
様に行い、目的のスルホン化ポリマー36.0gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=63,000、Mw=202,000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.23meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーP6C)である。
Figure 2009295324
[比較例2]スルホン化重合体PAの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 39.4g(98.2mmol)と、合成例7で合
成した化合物 15.0g(2.1mmol)とした以外は同様に行い、目的のスルホン化ポリマー40.0gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=54,000、Mw=188,000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.31meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーPA)である。
Figure 2009295324
[比較例3]スルホン化重合体PBの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 39.7g(98.9mmol)と、合成例8で合
成した化合物 15.2g(1.4mmol)とした以外は同様に行い、目的のスルホン化ポリマー41.2gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=6
2,000、Mw=200,000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.30meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーPB)である。
Figure 2009295324
[比較例4] スルホン化重合体PCの合成
実施例1において、ネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体を合成するために用いたモノマーを、合成例6で合成した3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 39.4g(98.2mmol)と、合成例9で合
成した化合物 15.2g(2.0mmol)とした以外は同様に行い、目的のスルホン化ポリマー39.4gを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、Mn=57,000、Mw=190,000であった。このポリマーのイオン交換容量は2.30meq/gであった。得られたスルホン酸基を有するポリマーは、下記構造式で表される化合物(ポリマーPC)である。
Figure 2009295324
[プロトン伝導膜の評価]
上記実施例1〜4および比較例1〜4で得られたプロトン伝導膜を用い、それぞれのスルホン化重合体のスルホン酸当量を求めた。結果を表1に示す。
[実施例5]
[電極用ペーストの調製]
50mlのガラス瓶に直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)1.51g、蒸留水0.88g、実施例1で合成
したスルホン化重合体の15%水−1,2−ジメトキシエタン溶液(重量比10:90)3.23g、1,2−ジメトキシエタン13.97gを加え、ウエーブローターで60分間攪拌し、粘度50cp(25℃)のペーストを得た。
[ガス拡散層の作製]
カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布し、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなる拡散層を作製した。
[ガス拡散電極の作製]
上記で作製した拡散層上に、前記電極用ペーストを白金塗布量が0.5mg/cm2
なるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを95℃で10分間加熱乾燥し、ガス拡散電極層を作成した。
[膜−電極接合体の作製]
比較例4で得られたスルホン化ポリマーからなる電解質膜(膜厚30μm)を1枚用意
し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力100kg/cm2下で、160
℃×15minの条件でホットプレス成形して、膜−電極接合体を作成した。
[実施例6〜8]
実施例5における電極ペースト作成時のスルホン化ポリマーをそれぞれ実施例2〜4で得られたスルホン化ポリマーに変更した他は実施例5と同様にして、膜−電極接合体を作成した。
[比較例5〜8]
実施例5における電極ペースト作成時のスルホン化ポリマーをそれぞれ合成比較例1〜4に変更した他は実施例5と同様にして、膜−電極接合体を作成した。
[電極電解質の化学耐久性評価]
[発電試験]
上記で得た膜―電極接合体の両側にガス流路を兼ねるセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成させた。これを単セルとして、一方を酸素極として空気を供給し、一方は燃料極として純水素を供給して発電させた。発電条件は、セル温度95℃、空気極側相対湿度75%、空気極側流量4L/min、燃料極側相対湿度40%、燃料極側流量1L/minで初期発電特性評価を行った。電流密度1.0A/cm2時の出力
電圧を表2に示す。初期特性評価後、セル温度95℃、空気極側相対湿度75%、空気極側流量0.6L/min、燃料極側相対湿度40%、燃料極側流量0.2L/minで、電流密度を0.1A/cm2に保持し、1000時間連続発電を行った。1000時間発
電後、セルを解体し、膜−電極接合体を取り出した。
[電極電解質の評価]
上記取り出した膜−電極接合体を60℃の温水に12時間程度浸漬し、電解質膜から電極層を剥離した。剥離した電極層の電極部分を金属さじで削り取り、NMPを溶媒として電極電解質を抽出した後、真空乾燥にてNMPを留去して電極電解質を単離した。
単離された電極電解質をそれぞれGPCを用いて分子量測定し、発電試験前後の電解質の分子量を比較、保持率を算出した。保持率は下記式で求めた。
分子量保持率(%)=発電試験後の重量平均分子量/電極電解質に用いたスルホン化重
合体の重量平均分子量×100
得られた結果を表1にまとめた。
Figure 2009295324
表1に示された結果より、本発明によるスルホン化重合体を用いることにより、電極電解質の発電時の化学劣化に対する耐久性が向上することが確認された。
合成例1で得られた化合物の1H-NMRスペクトルを示す。 合成例2で得られた化合物の1H-NMRスペクトルを示す。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される構造、および
    Figure 2009295324
    (式中、Zは −CO−、−SO2−、−SO−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Rsは直接結合または任意の2価の有機基を示す。
    hは、ピロール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサ
    ゾール基、ピリジン基、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピラゾール基、1,3,5−トリアジン基、ピリミジン基、ピリタジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、ベンズイミダゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズチアゾール基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基およびこれら含窒素複素環基の誘導体からなる群から選ばれる化合物から誘導される少なくとも1種の基を示す。)
    下記一般式(2)で表されるスルホン酸基を有する構造を、
    を含むスルホン化ポリアリーレンを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 2009295324

    (式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l
    −(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Wは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは
    −SO3Hまたは−O(CH2)hSO3Hまたは−O(CF2)hSO3H(hは1〜12の整数
    )で表される置換基を有する芳香族基を示す。mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
  2. 前記スルホン化ポリアリーレンが、下記一般式(3)で表される構造、および下記一般式(4)で表される構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 2009295324
    (式(3)中、Z、RsおよびRhは、式(1)の場合と同様である。)
    Figure 2009295324
    (式(4)中、Y、W、Ar、m、nおよびkは、式(2)の場合と同様である。
    なお、構成単位端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
  3. 前記スルホン化ポリアリーレンが、さらに式(3)および(4)で表される構造とともに、
    下記一般式(5)で表される構造を含むことを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 2009295324
    (式(5)中、A、Dはそれぞれ独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2
    、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン
    基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子
    、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、sおよびtは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。
    なお、構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
  4. 前記スルホン化ポリアリーレンが、下記式(6)で表される構造を含むことを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 2009295324
    一般式(6)において、A、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、t、Rh、RsおよびR1〜R16は、それぞれ式(1)、式(2)および式(5)の場合と同様である。x、y、zは、x+y+z=100モル%とした場合のモル分率を示し、xは、99〜85モル%、yは、15〜1モル%、zは、15〜0.01モル%である。
    なお、構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質を含むことを
    特徴とする電極ワニス。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質と触媒粒子を
    含むことを特徴とする電極ペースト。
  7. ペーストを構成する溶媒が水と少なくとも1種類以上の有機溶剤との混合溶媒であり、その混合溶媒がプロトン伝導膜の貧溶媒であることを特徴とする請求項6に記載の電極ペースト。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質と触媒粒子と
    を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極。
  9. 請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101385505B1 (ko) * 2011-12-19 2014-04-21 한양대학교 산학협력단 플루오렌 기반의 폴리(아릴렌 에테르 술폰) 공중합체 및 이를 이용한 고분자 전해질막

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