JP2009294348A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射層の凹凸面上に平坦化層を介して電極を形成する構成を有し、コンタクトホール内の断線を抑えかつ開口率が大きな液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】素子基板10の液晶層40側には、TFT素子20と、少なくとも反射表示領域Rに凹凸面を有する樹脂層22と、樹脂層22を貫通するコンタクトホール22aと、樹脂層22の凹凸面を反映した表面を有する導電膜からなり、コンタクトホール22aを介してTFT素子20に電気的に接続された反射層24と、少なくとも反射層24を覆う平坦化層26と、画素4の領域外に位置しており、平坦化層26を貫通するコンタクトホール26aと、平坦化層26上に設けられ、コンタクトホール26aを介して反射層24に電気的に接続された画素電極16と、を備え、コンタクトホール22aとコンタクトホール26aとは、互いに平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】素子基板10の液晶層40側には、TFT素子20と、少なくとも反射表示領域Rに凹凸面を有する樹脂層22と、樹脂層22を貫通するコンタクトホール22aと、樹脂層22の凹凸面を反映した表面を有する導電膜からなり、コンタクトホール22aを介してTFT素子20に電気的に接続された反射層24と、少なくとも反射層24を覆う平坦化層26と、画素4の領域外に位置しており、平坦化層26を貫通するコンタクトホール26aと、平坦化層26上に設けられ、コンタクトホール26aを介して反射層24に電気的に接続された画素電極16と、を備え、コンタクトホール22aとコンタクトホール26aとは、互いに平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、液晶表示装置および電子機器に関する。
液晶層に入射した外光を反射する反射層を有し、反射表示を行うことができる液晶表示装置が知られている。この反射層は、例えば、凹凸面を有する下地層上に反射層を形成することで付与された凹凸面を有している。このような液晶表示装置では、凹凸面の凹部と凸部とで液晶層の厚みが異なるため、反射表示におけるコントラスト低下が生じる場合がある。これに対して、反射層上に平坦化層を設けることにより、液晶層側の面を平坦化する構成が知られている。
ところで、反射層上に設けられた平坦化層の上に形成された電極と、基板上に形成されたスイッチング素子との間をコンタクトホールを介して電気的に接続する場合、コンタクトホールの深さは下地層および平坦化層の層厚分の深さとなる。コンタクトホールが深くなると、コンタクトホールの内面に形成される導電膜の膜厚が不足する部分が生じることにより、コンタクトホール内で断線が発生しやすくなる。
このようなコンタクトホールの深さに起因して発生する断線を防止する方法として、コンタクトホール内に導電材料を充填する方法が提案されている(例えば特許文献1)。また、2つのコンタクトホールをそれぞれ異なる層に設け、両コンタクトホールおよびそれらの間に位置する反射層を介して駆動素子と電極とを電気的に接続する方法が提案されている(例えば特許文献2および特許文献3)。このような方法によれば、コンタクトホールの深さを浅くできるので、コンタクトホール内での断線が抑えられる。
しかしながら、コンタクトホール内に導電材料を充填する方法では、製造工程における工数が増大し、サイクルタイムの上昇を招く。また、2つのコンタクトホールを設ける方法では、電極側に設けられたコンタクトホールが表示領域内に配置されると、このコンタクトホールの設けられた部分が実質的に表示に寄与しないため、画素の開口率が低下するという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る液晶表示装置は、互いに対向して配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に狭持された液晶層と、反射表示領域を有する複数の画素と、を備えた液晶表示装置であって、前記第1の基板の前記液晶層側には、スイッチング素子と、前記スイッチング素子上に形成され、少なくとも前記反射表示領域に対応した領域に凹凸面を有する下地層と、前記下地層を貫通して前記スイッチング素子に到達する第1のコンタクトホールと、前記下地層上の前記反射表示領域と前記画素の領域外とに亘って形成され、前記凹凸面を反映した表面を有する導電膜からなり、前記第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に電気的に接続された反射層と、少なくとも前記反射層を覆うように形成された平坦化層と、前記画素の領域外に位置しており、前記平坦化層を貫通して前記反射層に到達する第2のコンタクトホールと、前記平坦化層上に設けられ、前記第2のコンタクトホールを介して前記反射層に電気的に接続された第1の電極と、を備え、前記第1のコンタクトホールと前記第2のコンタクトホールとは、互いに平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、互いに平面的に重ならないように配置された第1のコンタクトホールと第2のコンタクトホールとを介して、第1の電極がスイッチング素子に電気的に接続されている。このため、一つのコンタクトホールで平坦化層と下地層とを貫通させる場合に比べて、それぞれのコンタクトホールの深さを浅くできる。これにより、それぞれのコンタクトホールの内面に形成される導電膜の膜厚不足が生じにくくなる。また、第1の電極のうち第2のコンタクトホールが位置する部分は表示に寄与しないが、第2のコンタクトホールが画素の領域外に配置されているので、実質的に表示に寄与する領域を大きくできる。この結果、平坦化層により液晶層の厚みのムラや第1の電極の断線を抑える構成を有しながら、コンタクトホール内での断線が抑えられ、かつ開口率が大きな液晶表示装置を提供できる。
[適用例2]上記適用例に係る液晶表示装置であって、前記反射層は、前記スイッチング素子に平面的に重なるように配置されていてもよい。
この構成によれば、反射表示領域をスイッチング素子に平面的に重なる領域まで大きくできるので、画素の開口率をより大きくできる。
[適用例3]上記適用例に係る液晶表示装置であって、前記第2の基板には、前記第1の電極との間で電界を生じさせる第2の電極が設けられていてもよい。
この構成によれば、基板に垂直な方向の縦電界により液晶分子の配向制御を行う方式で、コンタクトホール内での断線が少なく開口率の大きな液晶表示装置を提供できる。
[適用例4]上記適用例に係る液晶表示装置であって、前記第1の基板には、前記第1の電極との間で電界を生じさせる第2の電極が設けられていてもよい。
この構成によれば、基板に平行な方向の横電界により液晶分子の配向制御を行う方式で、コンタクトホール内での断線が少なく開口率の大きな液晶表示装置を提供できる。
[適用例5]上記適用例に係る液晶表示装置であって、前記画素の領域内に、前記反射層が配置されていない透過表示領域をさらに有し、前記平坦化層は、前記反射表示領域と前記透過表示領域とに亘って形成されていてもよい。
この構成によれば、半透過反射型で、コンタクトホール内での断線が少なく開口率の大きな液晶表示装置を提供できる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、電子機器は、上記の液晶表示装置を表示部として有しているので、表示品位の向上が図られる。
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面において、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の層厚や寸法の比率、角度等は適宜異ならせてある。また、参照する各図面において、素子、配線、接続部等を省略してある。
<液晶表示装置>
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成について図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。詳しくは、(a)は斜視図であり、(b)は(a)中のA−A’線に沿った断面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の表示領域を拡大して示した平面図である。図3は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成について図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。詳しくは、(a)は斜視図であり、(b)は(a)中のA−A’線に沿った断面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の表示領域を拡大して示した平面図である。図3は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
本実施形態に係る液晶表示装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子を備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置であるとともに、TN(Twisted Nematic)方式の半透過反射型の液晶表示装置である。図1に示すように、液晶表示装置100は、第1の基板としての素子基板10と、素子基板10に対向して配置された第2の基板としての対向基板30とを備えている。素子基板10と対向基板30とは、枠状のシール剤41を介して対向して貼り合わされている。
素子基板10と対向基板30とシール剤41とによって囲まれた空間には、液晶層40が封入されている。素子基板10の液晶層40とは反対側の面には、偏光板44が配置されており、対向基板30の液晶層40とは反対側の面には、偏光板45が配置されている。素子基板10は、対向基板30より大きく、一部が対向基板30に対して張り出した状態で貼り合わされている。この張り出した部位には、液晶層40を駆動するためのドライバIC42が実装されている。液晶表示装置100は、液晶層40が封入された表示領域2において表示を行う。
図2に示すように、表示領域2には、赤(R)、緑(G)、青(B)の表示に寄与する画素4R,4G,4B(以下では、対応する色について区別しない場合には単に画素4とも呼ぶ)が複数配置されている。画素4は、液晶表示装置100の表示の最小単位であり、隣り合う画素4同士の間に間隔が空くように、X軸およびY軸に沿ってマトリクス状に配置されている。画素4の領域は、例えば矩形状である。画素4の領域外、すなわち隣り合う画素4同士の間には、遮光層32が配置されている。遮光層32は、格子状に形成されており、画素4の領域を区画している。遮光層32は、画素4同士の間から漏れる光を遮って表示のコントラストを向上させる役割を果たす。なお、X軸は画素4の行方向を示し、Y軸は画素4の列方向を示している。
それぞれの画素4は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとを有している。X軸に沿った方向には反射表示領域R同士または透過表示領域T同士が対向するように配列され、Y軸に沿った方向には反射表示領域Rと透過表示領域Tとが互いに対向するように配列されている。画素4R,4G,4Bから画素群6が構成されている。液晶表示装置100では、画素群6において画素4R,4G,4Bのそれぞれの表示の輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。
図3に示すように、表示領域2には、複数の走査線12と複数のデータ線14とが交差するように形成され、走査線12とデータ線14との交差に対応して画素4が設けられている。画素4のそれぞれには、第1の電極としての画素電極16と、画素電極16をスイッチング制御するためのTFT素子20とが形成されている。
TFT素子20のソース電極20s(図5参照)は、データ線駆動回路13から延在するデータ線14に電気的に接続されている。データ線14には、データ線駆動回路13からデータ信号S1、S2、…、Snが線順次で供給される。TFT素子20のゲート電極20g(図5参照)は、走査線駆動回路15から延在する走査線12の一部である。走査線12には、走査線駆動回路15から走査信号G1、G2、…、Gmが線順次で供給される。TFT素子20のドレイン電極20d(図5参照)は、画素電極16に電気的に接続されている。
データ信号(画素信号)S1、S2、…、Snは、TFT素子20を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線14を介して画素電極16に所定のタイミングで書き込まれる。このようにして画素電極16を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画素信号は、第2の電極としての共通電極18(図4参照)との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、走査線12に沿って形成された容量線17と画素電極16との間に蓄積容量17aが形成され、液晶容量と並列に配置されている。
次に、液晶表示装置100の詳細な構成について図を参照して説明する。図4および図5は、液晶表示装置100の画素4の構成を示す図である。詳しくは、図4は、図5中のB−B’線に沿った断面図である。図5は、対向基板30側から見たときの平面図であり、対向基板30の図示を省略している。なお、図5において、画素4の領域を2点鎖線で示すが、この画素4の領域外に平面的に重なるように遮光層32(図4参照)が配置されている。また、X軸およびY軸は、それぞれ図2におけるX軸およびY軸の方向を示している。
図4に示すように、素子基板10は、基板11を基体として構成されており、基板11上に、TFT素子20と、絶縁層21と、下地層としての樹脂層22と、反射層24と、平坦化層26と、画素電極16と、配向膜28とを備えている。基板11は、透光性を有する材料からなり、例えばガラスからなる。基板11の材料は、石英や樹脂であってもよい。
基板11の液晶層40側には、ゲート電極20gが形成されている。ゲート電極20gは、同層に形成された走査線12の一部である。絶縁層21は、基板11とゲート電極20g(走査線12)とを覆うように形成されている。絶縁層21は、例えばSiO2(酸化ケイ素)からなる。
絶縁層21上には、図5に示す半導体層20aとソース電極20sとドレイン電極20dとが形成されている。半導体層20aは、走査線12に平面的に重なる位置に形成されている。半導体層20aは、アモルファスシリコンやポリシリコン等の半導体からなる。ソース電極20sは、データ線14から分岐した部分であり、その一部が半導体層20aの一部を覆うように形成されている。ドレイン電極20dは、一部が半導体層20aの一部を覆うように形成されている。
ゲート電極20gと半導体層20aとソース電極20sとドレイン電極20dとで、TFT素子20が構成される。反射表示領域Rは、画素4の領域においてTFT素子20側に位置しており、TFT素子20および走査線12に平面的に重なっている。
図4に戻って、樹脂層22は、TFT素子20および絶縁層21の上に形成されている。樹脂層22は、透光性を有する樹脂からなり、例えばポジ型の感光性アクリル樹脂からなる。樹脂層22は、液晶層40側の少なくとも反射表示領域Rに対応した領域と画素4の領域外とに亘って形成された凹凸面を有している。この凹凸面は、凹凸形状の凸部の非形成領域に露光光が照射される開口パターンを有するマスクを用いてパターニングした後、加熱処理を施して凸部の上端面をだれさせることにより形成される。樹脂層22の層厚は、例えば2μm程度であり、凹凸面の凸部と凹部との段差は、例えば0.5μm〜1μm程度である。樹脂層22には、反射表示領域Rに、樹脂層22を貫通してTFT素子20のドレイン電極20dに到達する、第1のコンタクトホールとしてのコンタクトホール22aが設けられている。
反射層24は、樹脂層22の凹凸面上に位置しており、樹脂層22の凹凸面を反映した表面、すなわち凹凸面を有している。反射層24は、画素4のそれぞれに対応して個別に形成されている。反射層24は、反射表示領域Rと画素4の領域外とに亘って形成されており、TFT素子20のドレイン電極20dに平面的に重なるように配置されている。反射層24をドレイン電極20dに重なるように配置することにより、反射表示領域Rをより大きくすることができる。
反射層24は、光反射性を有する金属膜からなり、例えばアルミニウムからなる。反射層24の材料は、APC(銀−パラジウム−銅の合金)であってもよい。反射層24の層厚は、例えば100nm程度である。反射層24は、凹凸面を有することにより、液晶層40側から入射した光を散乱反射する。反射層24は、コンタクトホール22aを介してドレイン電極20dに電気的に接続されている。
コンタクトホール22aには、反射層24の材料からなる金属膜がコンタクトホール22aの内面に接するように形成されている。この金属膜は、反射層24を形成する工程と同一の工程において、反射層24の材料を堆積させて形成される。この金属膜が介在することにより、反射層24がドレイン電極20dに電気的に接続される。
平坦化層26は、樹脂層22と反射層24とを覆うように形成されている。平坦化層26は、反射表示領域Rと透過表示領域Tと画素4の領域外とに亘って配置されている。平坦化層26は、透光性を有する樹脂からなり、例えばネガ型の感光性樹脂からなる。平坦化層26の材料は、UV硬化型樹脂であってもよい。平坦化層26は、反射層24の凹凸面の段差を埋めることにより反射表示領域Rにおける液晶層40側の面を略平坦化するとともに、反射表示領域Rと透過表示領域Tとに亘って略平坦な面を構成している。したがって、平坦化層26の材料は、低粘度であることが好ましい。平坦化層26の層厚は、例えば1.5μm〜2μm程度である。
平坦化層26には、画素4の領域外に位置しており平坦化層26を貫通して反射層24に到達する、第2のコンタクトホールとしてのコンタクトホール26aが設けられている。コンタクトホール26aとコンタクトホール22aとは、互いに平面的に重ならない位置に配置されている。
画素電極16は、平坦化層26上に、反射表示領域Rと透過表示領域Tとに亘って形成されている。画素電極16は、コンタクトホール26aに平面的に重なるように、反射表示領域R側から画素4の領域外に張り出した張出部16aを有している。画素電極16は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる。画素電極16は、例えばスパッタリング法を用いて形成される。画素電極16は、反射層24の凹凸面が反映されない略平坦な平坦化層26上に形成されるので、略平坦な表面を有している。画素電極16は、張出部16aにおいて、コンタクトホール26aを介して反射層24に電気的に接続されている。なお、画素電極16のうちコンタクトホール26aが位置する部分は表示に寄与しないが、コンタクトホール26aが画素4の領域外に配置されているので、実質的に表示に寄与する領域を大きくできる。
コンタクトホール26aには、画素電極16の材料からなる導電膜がコンタクトホール26aの内面に接するように形成されている。この導電膜は、画素電極16を形成する工程と同一の工程において、画素電極16の材料を堆積させて形成される。この導電膜が介在することにより、画素電極16が反射層24に電気的に接続される。この結果、画素電極16は、コンタクトホール26aと反射層24とコンタクトホール22aとを介してドレイン電極20dに電気的に接続される。したがって、反射層24には、画素電極16と同一の信号(電位)が印加される。
ここで、コンタクトホール22a,26aは、平坦化層26の画素電極16が形成されている面に対して略垂直方向に形成されている。このため、コンタクトホール22a,26aの深さが深いと、コンタクトホール22a,26aの内面に形成される導電膜の膜厚が不足する部分が生じ易くなるので、コンタクトホール22a,26a内での断線が発生し、液晶表示装置100の製造歩留り低下を招くおそれがある。例えば、素子基板10においてコンタクトホール22aとコンタクトホール26aとが平面的に重なるように位置している場合、換言すれば、平坦化層26と反射層24と樹脂層22とを貫通するようにコンタクトホールが設けられている場合、コンタクトホールの深さは、樹脂層22と反射層24と平坦化層26との合計の層厚相当、すなわち3.6μm〜4.1μm程度となる。
これに対して、本実施形態では、コンタクトホール22aとコンタクトホール26aとが平面的に重ならない位置に配置されているので、コンタクトホール22aは樹脂層22の層厚分の深さであり、コンタクトホール26aは平坦化層26の層厚分の深さである。これにより、コンタクトホール22a,26aの内面に形成される導電膜の膜厚不足が生じにくくなるので、コンタクトホール22a,26a内での断線を抑えることができる。
続いて、配向膜28は、素子基板10の液晶層40に接する側、すなわち平坦化層26と画素電極16とを覆うように形成されている。配向膜28は、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜28の表面には、例えば、画素4の行方向(図5のX軸方向)に沿った方向を配向方向とするラビング処理等の配向処理が施されている。
次に、対向基板30は、液晶表示装置100の観察側に位置している。対向基板30は、基板31を基体として構成されており、基板31上に、遮光層32と、カラーフィルタ層34と、オーバーコート層35と、配向膜36と、位相差層37と、共通電極18と、配向膜38とを備えている。基板31は、透光性を有する材料からなり、例えばガラスからなる。基板31の材料は、石英や樹脂であってもよい。
遮光層32とカラーフィルタ層34とは、基板31の液晶層40側に形成されている。遮光層32は、基板31上の隣り合う画素4同士の間の領域に配置されている。カラーフィルタ層34は、画素4の領域に対応して配置されている。カラーフィルタ層34は、例えばアクリル樹脂等からなり、画素4で表示するR、G、Bの各色に対応する色材を含有している。オーバーコート層35は、遮光層32とカラーフィルタ層34とを覆うように形成されている。オーバーコート層35は、透光性を有する樹脂からなる。
配向膜36は、オーバーコート層35を覆うように形成されている。配向膜36は、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜36の表面には所定の方向に配向処理が施されている。
位相差層37は、配向膜36上に設けられ、反射表示領域Rに配置されている。位相差層37は、例えば、複屈折性を有する光硬化性材料が配向膜36に施された配向処理により配向された状態で硬化されて形成されている。位相差層37は、入射される可視光の波長に対し所定の位相差、例えば1/4波長分の位相差を付与する。位相差層37は、自身の層厚により、反射表示領域Rと透過表示領域Tとにおいて液晶層40の層厚を異ならせる液晶層厚調整層としての役割も果たしている。なお、位相差層37は、オーバーコート層35と同じ材料で形成された保護層であってもよいし、保護層と位相差層とを含む構成であってもよい。
共通電極18は、配向膜36と位相差層37とを覆うように形成されている。共通電極18は、画素電極16に平面的にほぼ重なる領域に、画素電極16に対向するように配置されている。共通電極18は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITOからなる。共通電極18は、画素電極16との間に、素子基板10および対向基板30に垂直な方向の縦電界を発生させる。
配向膜38は、対向基板30の液晶層40に接する側に、共通電極18を覆うように形成されている。配向膜38は、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜38の表面には、配向膜28の配向方向と略直交する方向に配向処理が施されている。
液晶層40は、素子基板10と対向基板30との間に配置されている。液晶層40は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで層厚が異なる。具体的には、液晶層40の反射表示領域Rにおける層厚は、液晶層40の透過表示領域Tにおける層厚の略1/2となっている。
液晶層40において、画素電極16と共通電極18との間に電界が発生していない状態(オフ状態)では、液晶分子は配向処理面に対してほぼ水平に配向した状態となり、配向膜28と配向膜38とに施された配向処理によって略90°ツイストしている。オフ状態では、液晶層40は入射される可視光の波長に対して、例えば、反射表示領域Rにおいて1/4波長分の位相差を付与し、透過表示領域Tにおいて1/2波長分の位相差を付与する。
また、液晶層40において、画素電極16と共通電極18との間に電界が発生している状態(オン状態)では、液晶分子は素子基板10および対向基板30に垂直な電界の方向に沿って立ち上がる。液晶層40は、オン状態では入射される可視光の波長に対して位相差を付与しない。
なお、反射表示領域Rにおける素子基板10の液晶層40に接する面は、平坦化層26により反射層24の凹凸面が反映されない略平坦な面となっている。これにより、液晶層40の反射表示領域Rにおける厚みのばらつきが抑えられる。また、液晶層40を通過して反射層24の凹凸面に入射した光は、反射層24の液晶層40側の表面が凹凸面であることから、散乱反射されて液晶層40に再度入射する。これにより、オン状態における外光の正反射を防止して視認性に優れた反射表示となる。
偏光板44の透過軸は、画素4の列方向(図5のY軸方向)に沿うように設けられており、偏光板45の透過軸は、画素4の行方向(図5のX軸方向)に沿うように設けられている。したがって、偏光板44の透過軸と偏光板45の透過軸とは、互いに略直交するように設けられている。なお、図示しないが、偏光板44の側にはバックライト装置が、偏光板44に対向して配置されている。
次に、液晶表示装置100の動作について説明する。まず、透過表示(透過モード)について説明する。素子基板10の外面側から透過表示領域Tに入射した光は、偏光板44によって画素4の列方向に平行な直線偏光に変換されて液晶層40に入射する。ここで、オフ状態の場合には、液晶層40に入射した直線偏光は、液晶分子のツイストによって入射時の偏光方向と直交する直線偏光に変換されて液晶層40から射出される。そして、この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と平行であるため、偏光板45を透過して表示光として視認されるので、明表示となる。
一方、オン状態の場合には、液晶層40に入射した直線偏光は、液晶層40により入射時と同一の偏光状態で液晶層40から射出される。そして、この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と直交するため、偏光板45で遮断されるので、暗表示となる。
続いて、反射表示(反射モード)について説明する。対向基板30の外面側から入射した光は、偏光板45によって画素4の行方向に平行な直線偏光に変換された後、位相差層37により円偏光に変換されて液晶層40に入射する。ここで、オフ状態の場合には、液晶層40に入射した円偏光は、画素4の列方向に平行な直線偏光に変換されて反射層24に到達する。そして、反射層24でそのままの偏光状態で反射された直線偏光は、液晶層40により再び円偏光に戻り、位相差層37により画素4の行方向に平行な直線偏光に変換される。この直線偏光は偏光板45を透過して表示光として視認されるので、明表示となる。
一方、オン状態の場合には、液晶層40に入射した円偏光は、そのままの状態で反射層24に到達する。そして、反射層24で反射され回転方向が逆転された円偏光は、そのままの状態で液晶層40を通過した後、位相差層37により入射時の偏光方向と直交する直線偏光に変換される。この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と直交するため、偏光板45で遮断されるので、暗表示となる。
ここで、素子基板10の液晶層40側のコンタクトホール26aが設けられた位置では、配向膜28の配向規制力が素子基板10に平行に作用しない。また、この位置では、画素電極16と共通電極18との間に発生する電界が素子基板10および対向基板30に垂直な方向にならない。そのため、コンタクトホール26aが設けられた位置では、オン状態およびオフ状態において液晶分子の配向に乱れが生じる。したがって、コンタクトホール26aが設けられた位置は実質的に表示に寄与しない部分となる。液晶表示装置100は、コンタクトホール26aが画素4の領域外に配置された構成を有しているので、画素4の実質的な開口率を大きくできる。
上記第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)互いに平面的に重ならないように配置されたコンタクトホール22aとコンタクトホール26aとを介して、画素電極16がTFT素子20に電気的に接続されている。このため、一つのコンタクトホールで平坦化層26と樹脂層22とを貫通させる場合に比べて、コンタクトホール22a,26aのそれぞれの深さを浅くできる。これにより、コンタクトホール22a,26aのそれぞれの内面に形成される導電膜の膜厚不足が生じにくくなるので、コンタクトホール22a,26aのそれぞれでの断線を抑えることができる。
(2)反射層24がTFT素子20に平面的に重なるように配置されているため、反射表示領域RをTFT素子20に平面的に重なる領域まで大きくできる。また、コンタクトホール26aが画素4の領域外に位置しているため、実質的に表示に寄与する領域を大きくできる。したがって、画素4の開口率を大きくできる。
(3)平坦化層26により、反射表示領域Rにおける液晶層40側の面が略平坦化されるとともに、反射表示領域Rと透過表示領域Tとに亘って略平坦な面が構成される。これにより、液晶層40の厚みのムラが抑えられる。
これらの結果、良好な明るさとコントラスト特性を有し、製造歩留り低下を抑えた液晶表示装置100を提供できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成について図を参照して説明する。図6は、第2の実施形態に係る液晶表示装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図7および図8は、第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素4の構成を示す図である。詳しくは、図7は、図8中のC−C’線に沿った断面図である。図8は、対向基板側から見たときの平面図であり、対向基板の図示を省略している。なお、図8において、画素4の領域を2点鎖線で示すが、この画素4の領域外に平面的に重なるように遮光層32(図7参照)が配置されている。また、X軸およびY軸は、それぞれ図2におけるX軸およびY軸の方向を示している。
次に、第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成について図を参照して説明する。図6は、第2の実施形態に係る液晶表示装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図7および図8は、第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素4の構成を示す図である。詳しくは、図7は、図8中のC−C’線に沿った断面図である。図8は、対向基板側から見たときの平面図であり、対向基板の図示を省略している。なお、図8において、画素4の領域を2点鎖線で示すが、この画素4の領域外に平面的に重なるように遮光層32(図7参照)が配置されている。また、X軸およびY軸は、それぞれ図2におけるX軸およびY軸の方向を示している。
第2の実施形態に係る液晶表示装置は、第1の実施形態に係る液晶表示装置に対して、素子基板が共通電極を備え、素子基板に平行な方向の横電界により液晶分子の配向制御を行う点が異なっている。第1の実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。本実施形態に係る液晶表示装置は、FFS(Fringe-Field Switching)方式の半透過反射型の液晶表示装置である。
図6に示すように、液晶表示装置200において、画素4のそれぞれには、画素電極56と、画素電極56を制御するためのTFT素子20と、画素電極56との間で横電界を発生させるための共通電極58とが形成されている。TFT素子20のドレイン電極20d(図7参照)は、画素電極56に電気的に接続されている。共通電極58は、共通配線57に電気的に接続されている。
データ信号(画素信号)S1、S2、…、Snは、データ線14を介して画素電極56に所定のタイミングで書き込まれる。このようにして画素電極56を介して、液晶層40に書き込まれた所定レベルの画素信号は、共通電極58との間で一定期間保持される。ここで、画素電極56と共通電極58との間には保持容量59が形成されており、画素電極56の電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも長い時間保持される。これにより、電荷の保持特性が改善されるので、液晶表示装置200はコントラスト比の高い表示を行うことができる。
図7に示すように、素子基板50は、基板11を基体として構成されており、基板11上に、TFT素子20と、絶縁層21と、樹脂層22と、反射層24と、平坦化層26と、共通配線57と、共通電極58と、絶縁層54と、画素電極56と、配向膜28とを備えている。
共通配線57と共通電極58とは、平坦化層26上に形成されている。共通電極58は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとに亘ってベタ状に形成されている。共通電極58は、その一辺部において共通配線57に重なっており、この部分で共通配線57に電気的に接続されている。共通電極58は、平坦化層26上に配置されることにより、反射層24の凹凸面の影響を受けることなく、略平坦に形成されている。共通電極58は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITOからなる。共通電極58には、開口部58aが設けられている。開口部58aは、共通電極58が後述するコンタクトホール26bに接しないように、コンタクトホール26bよりも一回り大きく形成されている。
絶縁層54は、平坦化層26と共通配線57と共通電極58とを覆うように形成されている。絶縁層54は、平坦化層26の液晶層40側に配置されることにより、反射層24の凹凸面が反映されない略平坦な表面を有している。絶縁層54は、例えばSiN(窒化ケイ素)からなる。絶縁層54の層厚は、例えば0.1μm〜0.5μm程度である。
絶縁層54と平坦化層26とには、画素4の領域外に位置しており、絶縁層54と平坦化層26とを貫通して反射層24に到達するコンタクトホール26bが設けられている。
画素電極56は、絶縁層54上に、反射表示領域Rと透過表示領域Tとに亘って形成されている。図8に示すように、画素電極56は、共通電極58に平面的にほぼ重なる領域に形成され、複数のスリット状の開口部56aを有している。また、画素電極56は、コンタクトホール26bに平面的に重なるように、反射表示領域R側から画素4の領域外に張り出した張出部56bを有している。画素電極56は、例えばITOからなる。画素電極56は、例えばスパッタリング法を用いてベタ状の膜を形成した後、画素電極56の外形と開口部56aとに対応した部分をパターニングすることにより形成される。画素電極56は、反射層24の凹凸面が反映されない略平坦な絶縁層54上に形成されるので、開口部56aの周辺や張出部56bにおける断線の発生が抑えられる。
図7に示すように、画素電極56は、張出部56bにおいて、コンタクトホール26bを介して反射層24に電気的に接続されている。この結果、画素電極56は、コンタクトホール26bと反射層24とコンタクトホール22aとを介してドレイン電極20dに電気的に接続される。したがって、反射層24には画素電極56と同一の信号(電位)が印加される。
上述の通り、画素電極56と共通電極58とが絶縁層54を間に介して対向しており、画素電極56と共通電極58との間に絶縁層54を誘電体膜とする保持容量59(図6参照)が形成されている。なお、反射表示領域Rにおいて共通電極58と反射層24とが平坦化層26を間に介して対向しており、共通電極58と反射層24との間にも平坦化層26を誘電体膜とする容量成分が形成される。この容量成分は保持容量59に並列に電気的に接続されるので、保持容量59が小さい場合にこの容量成分で補うようにしてもよい。
素子基板50では、画素電極56と共通電極58との間に電圧が印加されると、スリット状の開口部56aおよびその周辺に素子基板50に平行な方向の横電界が発生する。この横電界によって、液晶層40の液晶分子の配向が制御される。
ところで、素子基板50において、コンタクトホール26bが反射表示領域R内に設けられた場合、画素電極56には、コンタクトホール26bに平面的に重なる位置に開口部56aを設けることができない。一方、共通電極58には、コンタクトホール26bに平面的に重なる位置に開口部58aが設けられる。したがって、コンタクトホール26bが反射表示領域R内に設けられた場合、コンタクトホール26bの周囲には、画素電極56と共通電極58との間に電圧が印加されても横電界が発生しない部分、すなわち実質的に表示に寄与しない部分が生じてしまう。本実施形態では、コンタクトホール26bが画素4の領域外に配置された構成を有していることにより、画素4の領域の開口率を実質的に大きくすることができる。
コンタクトホール26bには、画素電極56の材料からなる導電膜がコンタクトホール26bの内面に接するように形成されている。この導電膜は、画素電極56を形成する工程と同一の工程において、画素電極56の材料を堆積させて形成される。この導電膜が介在することにより、画素電極56が反射層24に電気的に接続される。
ここで、コンタクトホール22a,26bは、平坦化層26の画素電極56が形成されている面に対して略垂直方向に形成されている。このため、コンタクトホール22a,26bの深さが深いと、コンタクトホール22a,26bの内面に形成される導電膜の膜厚が不足する部分が生じ易くなるため、コンタクトホール22a,26b内での断線が発生し、液晶表示装置200の製造歩留り低下を招くおそれがある。例えば、素子基板50においてコンタクトホール22aとコンタクトホール26bとが平面的に重なるように位置している場合、換言すれば、絶縁層54と平坦化層26と反射層24と樹脂層22とを貫通するようにコンタクトホールが設けられている場合、コンタクトホールの深さは、絶縁層54と樹脂層22と反射層24と平坦化層26との合計の層厚相当、すなわち3.7μm〜4.6μm程度となる。
これに対して、本実施形態では、コンタクトホール22aとコンタクトホール26bとが平面的に重ならない位置に配置されているので、コンタクトホール22aは樹脂層22の層厚分の深さであり、コンタクトホール26bは絶縁層54と平坦化層26との層厚分の深さである。これにより、コンタクトホール22a,26bの内面に形成される導電膜の膜厚不足が生じにくくなるので、コンタクトホール22a,26b内での断線を抑えることができる。
配向膜28は、素子基板50の液晶層40に接する側、すなわち絶縁層54と画素電極56とを覆うように形成されている。配向膜28の表面には、例えば、画素4の行方向(図8のX軸方向)に沿った方向を配向方向とするラビング処理等の配向処理が施されている。
次に、対向基板60は、基板31を基体として構成されており、基板31上に、遮光層32と、カラーフィルタ層34と、オーバーコート層35と、配向膜36と、位相差層62と、配向膜38とを備えている。
位相差層62は、配向膜36上に設けられ、反射表示領域Rに配置されている。位相差層62は、例えば、複屈折性を有する光硬化性材料が配向膜36に施された配向処理により配向された状態で硬化されて形成されている。位相差層62は、入射される可視光の波長に対し所定の位相差、例えば1/2波長分の位相差を付与する。位相差層62は、自身の層厚により、反射表示領域Rと透過表示領域Tとにおいて液晶層40の層厚を異ならせる液晶層厚調整層としての役割も果たしている。なお、位相差層62は、オーバーコート層35と同じ材料で形成された保護層であってもよいし、保護層と位相差層とを含む構成であってもよい。
配向膜38は、配向膜36と位相差層62とを覆うように形成されている。配向膜38の表面には、配向膜28の配向方向と同方向の配向処理が施されている。
液晶層40は、素子基板50と対向基板60との間に配置されている。液晶層40の液晶分子は、画素電極56と共通電極58との間に電界が発生していない状態(オフ状態)では、配向膜28と配向膜38とに施された配向処理によって規制される方向、すなわち図8に示すX軸方向に沿って水平に配向する。また、液晶層40の液晶分子は、画素電極56と共通電極58との間に電界が発生している状態(オン状態)では、開口部56aの延在方向と直交する方向に沿って配向する。したがって、液晶層40では、オフ状態とオン状態とにおける液晶分子の配向状態の差異に基づく複屈折性を利用して液晶層40を通過する光に対して位相差を付与している。
なお、反射表示領域Rにおける素子基板50の液晶層40に接する面は、平坦化層26により反射層24の凹凸面が反映されない略平坦な面となっている。これにより、液晶層40の反射表示領域Rにおける厚みのばらつきが抑えられる。
偏光板44の透過軸は、画素4の列方向(図8のY軸方向)に沿うように設けられており、偏光板45の透過軸は、画素4の行方向(図8のX軸方向)に沿うように設けられている。したがって、偏光板44の透過軸と偏光板45の透過軸とは、互いに略直交するように設けられている。
次に、液晶表示装置200の動作について説明する。まず、透過表示(透過モード)について説明する。素子基板50の外面側から透過表示領域Tに入射した光は、偏光板44によって画素4の列方向に平行な直線偏光に変換されて液晶層40に入射する。ここで、オフ状態の場合には、液晶層40に入射した直線偏光は、液晶層40により入射時と同一の偏光状態で液晶層40から射出される。そして、この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と直交するため、偏光板45で遮断されるので、暗表示となる。
一方、オン状態の場合には、液晶層40に入射した直線偏光は、入射時の偏光方向と直交する直線偏光に変換されて液晶層40から射出される。そして、この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と平行であるため、偏光板45を透過して表示光として視認されるので、明表示となる。
続いて、反射表示(反射モード)について説明する。対向基板60の外面側から入射した光は、偏光板45によって画素4の行方向に平行な直線偏光に変換されて液晶層40に入射する。ここで、オフ状態の場合には、液晶層40に入射した直線偏光は、円偏光に変換されて反射層24に到達する。この円偏光が反射層24で反射されると、回転方向が反転する。その後、円偏光は、液晶層40により入射時の偏光方向と直交する直線偏光に変換されて液晶層40から射出される。そして、この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と直交するため、偏光板45で遮断されるので、暗表示となる。
一方、オン状態の場合には、液晶層40に入射した直線偏光は、液晶層40により入射時と同一の偏光状態で反射層24に到達する。そして、反射層24で反射された直線偏光は、入射時と同一の偏光方向で液晶層40から射出される。その後、この直線偏光は、その偏光方向が偏光板45の透過軸と平行であるため、偏光板45を透過して表示光として視認されるので、明表示となる。
上記第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)互いに平面的に重ならないように配置されたコンタクトホール22aとコンタクトホール26bとを介して、画素電極56がTFT素子20に電気的に接続されている。このため、一つのコンタクトホールで絶縁層54と平坦化層26と樹脂層22とを貫通させる場合に比べて、コンタクトホール22a,26bのそれぞれの深さを浅くできる。これにより、コンタクトホール22a,26bのそれぞれの内面に形成される導電膜の膜厚不足が生じにくくなるので、コンタクトホール22a,26bのそれぞれでの断線を抑えることができる。
(2)反射層24が、TFT素子20に平面的に重なるように配置されているため、反射表示領域RをTFT素子20に平面的に重なる領域まで大きくできる。また、コンタクトホール26bが画素4の領域外に配置されているため、実質的に表示に寄与する領域を大きくできる。したがって、画素4の開口率を大きくできる。
(3)平坦化層26により、反射表示領域Rにおける液晶層40側の面が略平坦化されるとともに、反射表示領域Rと透過表示領域Tとに亘って略平坦な面が構成される。これにより、液晶層40の厚みのムラが抑えられるとともに、画素電極56の断線の発生を抑えることができる。
これらの結果、良好な明るさとコントラスト特性を有し、製造歩留り低下を抑えた液晶表示装置200を提供できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る液晶表示装置の構成について図を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係る液晶表示装置の画素4の構成を示す断面図である。
次に、第3の実施形態に係る液晶表示装置の構成について図を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係る液晶表示装置の画素4の構成を示す断面図である。
第3の実施形態に係る液晶表示装置は、第2の実施形態に係る液晶表示装置に対して、画素4における反射表示領域の位置と透過表示領域の位置とが互いに入れ替わっており、反射層がTFT素子に平面的に重ならない配置となっている点が異なっているが、その他の構成は同じである。第2の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
図9に示すように、液晶表示装置300において、素子基板70は、基板11を基体として構成されており、基板11上に、TFT素子20と、絶縁層21と、樹脂層22と、反射層24と、接続電極72と、平坦化層26と、共通配線57と、共通電極58と、絶縁層54と、画素電極56と、配向膜28とを備えている。液晶表示装置300では、画素4の領域において、透過表示領域TがTFT素子20側に位置しており、反射表示領域RがTFT素子20とは反対側に位置している。
樹脂層22には、樹脂層22を貫通してTFT素子20のドレイン電極20dに到達するコンタクトホール22bが設けられている。
反射層24は、TFT素子20とは反対側に配置されており、TFT素子20および走査線12に平面的に重なっていない。
樹脂層22上には、コンタクトホール22bと反射層24とを電気的に接続する接続電極72が形成されている。接続電極72は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITOからなる。接続電極72は、例えばスパッタリング法を用いて成膜された導電膜をパターニングして形成される。コンタクトホール22bには、接続電極72の材料からなる導電膜がコンタクトホール22bの内面に接するように形成されている。この導電膜は、接続電極72を形成する工程と同一の工程において、接続電極72の材料を堆積させて形成される。反射層24は、接続電極72とコンタクトホール22bとを介して、ドレイン電極20dに電気的に接続されている。
上記第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られる。ただし、反射層24がTFT素子20および走査線12に平面的に重ならない配置となっているので、画素4の開口率は第2の実施形態よりも低下する。しかしながら、第2の実施形態のようにTFT素子20および走査線12と反射層24とが対向して配置されることにより、TFT素子20および走査線12と反射層24との間に寄生容量が生じて液晶表示装置200の動作に影響を及ぼす場合に、第3の実施形態の構成によれば、このような寄生容量が生じるのを回避できる。
なお、第3の実施形態の構成を第1の実施形態の液晶表示装置100に適用してもよい。
<電子機器>
上述した液晶表示装置100,200,300は、例えば、図10に示すように、電子機器としての携帯電話機500に搭載して用いることができる。携帯電話機500は、表示部502に液晶表示装置100,200,300を備えている。この構成により、表示部502を有する携帯電話機500は優れた表示品質を有している。
上述した液晶表示装置100,200,300は、例えば、図10に示すように、電子機器としての携帯電話機500に搭載して用いることができる。携帯電話機500は、表示部502に液晶表示装置100,200,300を備えている。この構成により、表示部502を有する携帯電話機500は優れた表示品質を有している。
また、電子機器は、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、オーディオ機器、液晶プロジェクタであってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記の第1の実施形態の液晶表示装置は、TN方式の半透過反射型の液晶表示装置であったが、この形態に限定されない。液晶表示装置は、TN方式と同様に素子基板と対向基板との間に生じる縦電界により液晶分子の配向制御を行う、VA(Vertical Alignment)方式やECB(Electrically Controlled Birefringence)方式の液晶表示装置であってもよい。このようなVA方式やECB方式の液晶表示装置においても、同様の効果が得られる。
上記の第1の実施形態の液晶表示装置は、TN方式の半透過反射型の液晶表示装置であったが、この形態に限定されない。液晶表示装置は、TN方式と同様に素子基板と対向基板との間に生じる縦電界により液晶分子の配向制御を行う、VA(Vertical Alignment)方式やECB(Electrically Controlled Birefringence)方式の液晶表示装置であってもよい。このようなVA方式やECB方式の液晶表示装置においても、同様の効果が得られる。
(変形例2)
上記の第2の実施形態および第3の実施形態の液晶表示装置は、FFS方式で画素電極が共通電極よりも液晶層側に配置された半透過反射型の液晶表示装置であったが、この形態に限定されない。液晶表示装置は、共通電極が画素電極よりも液晶層側に配置された構成を有していてもよい。このような構成の場合は、画素電極がベタ状に形成され、共通電極にスリット状の開口部が設けられる。また、液晶表示装置は、FFS方式と同様に横電界により液晶分子の配向制御を行うIPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であってもよい。液晶表示装置がIPS方式である場合、例えば、画素電極と共通電極とは、ともに平坦化層上に櫛歯形状に形成され、互いの櫛歯形状が噛み合うように配置される。これらの液晶表示装置においても、同様の効果が得られる。
上記の第2の実施形態および第3の実施形態の液晶表示装置は、FFS方式で画素電極が共通電極よりも液晶層側に配置された半透過反射型の液晶表示装置であったが、この形態に限定されない。液晶表示装置は、共通電極が画素電極よりも液晶層側に配置された構成を有していてもよい。このような構成の場合は、画素電極がベタ状に形成され、共通電極にスリット状の開口部が設けられる。また、液晶表示装置は、FFS方式と同様に横電界により液晶分子の配向制御を行うIPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であってもよい。液晶表示装置がIPS方式である場合、例えば、画素電極と共通電極とは、ともに平坦化層上に櫛歯形状に形成され、互いの櫛歯形状が噛み合うように配置される。これらの液晶表示装置においても、同様の効果が得られる。
(変形例3)
上記の実施形態および変形例の液晶表示装置は、半透過反射型の液晶表示装置であったが、この形態に限定されない。液晶表示装置は、反射型の液晶表示装置であってもよい。このような反射型の液晶表示装置においても、同様の効果が得られる。
上記の実施形態および変形例の液晶表示装置は、半透過反射型の液晶表示装置であったが、この形態に限定されない。液晶表示装置は、反射型の液晶表示装置であってもよい。このような反射型の液晶表示装置においても、同様の効果が得られる。
2…表示領域、4…画素、6…画素群、10,50,70…素子基板、11…基板、12…走査線、13…データ線駆動回路、14…データ線、15…走査線駆動回路、16…画素電極、16a…張出部、17…容量線、17a…蓄積容量、18…共通電極、20…TFT素子、20a…半導体層、20d…ドレイン電極、20g…ゲート電極、20s…ソース電極、21…絶縁層、22…樹脂層、22a,22b…コンタクトホール、24…反射層、26…平坦化層、26a,26b…コンタクトホール、28…配向膜、30,60…対向基板、31…基板、32…遮光層、34…カラーフィルタ層、35…オーバーコート層、36…配向膜、37,62…位相差層、38…配向膜、40…液晶層、41…シール剤、42…ドライバIC、44…偏光板、45…偏光板、54…絶縁層、56…画素電極、56a…開口部、56b…張出部、57…共通配線、58…共通電極、58a…開口部、59…保持容量、72…接続電極、100,200,300…液晶表示装置、500…携帯電話機、502…表示部。
Claims (6)
- 互いに対向して配置された第1の基板および第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に狭持された液晶層と、反射表示領域を有する複数の画素と、を備えた液晶表示装置であって、
前記第1の基板の前記液晶層側には、
スイッチング素子と、
前記スイッチング素子上に形成され、少なくとも前記反射表示領域に対応した領域に凹凸面を有する下地層と、
前記下地層を貫通して前記スイッチング素子に到達する第1のコンタクトホールと、
前記下地層上の前記反射表示領域と前記画素の領域外とに亘って形成され、前記凹凸面を反映した表面を有する導電膜からなり、前記第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に電気的に接続された反射層と、
少なくとも前記反射層を覆うように形成された平坦化層と、
前記画素の領域外に位置しており、前記平坦化層を貫通して前記反射層に到達する第2のコンタクトホールと、
前記平坦化層上に設けられ、前記第2のコンタクトホールを介して前記反射層に電気的に接続された第1の電極と、を備え、
前記第1のコンタクトホールと前記第2のコンタクトホールとは、互いに平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1に記載の液晶表示装置であって、
前記反射層は、前記スイッチング素子に平面的に重なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1または2に記載の液晶表示装置であって、
前記第2の基板には、前記第1の電極との間で電界を生じさせる第2の電極が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1または2に記載の液晶表示装置であって、
前記第1の基板には、前記第1の電極との間で電界を生じさせる第2の電極が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶表示装置であって、
前記画素の領域内に、前記反射層が配置されていない透過表示領域をさらに有し、
前記平坦化層は、前記反射表示領域と前記透過表示領域とに亘って形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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JP2008146672A JP2009294348A (ja) | 2008-06-04 | 2008-06-04 | 液晶表示装置および電子機器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013195807A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Japan Display West Co Ltd | 液晶表示装置、および、電子機器 |
JP2017125894A (ja) * | 2016-01-12 | 2017-07-20 | 株式会社 オルタステクノロジー | 薄膜トランジスタアレイ及び反射型表示装置 |
CN111164500A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-05-15 | 夏普株式会社 | 显示设备 |
-
2008
- 2008-06-04 JP JP2008146672A patent/JP2009294348A/ja active Pending
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