JP2009292303A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

Abstract

【課題】軽量・コンパクト化を図ると共に、シールの密封性能の向上を図り、軸受性能を長期間に亘って維持することができる車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】車輪取付フランジ６の基部６ｂにバックアップシール１９が装着され、バックアップシール１９が、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに圧入される円筒部２０ａを有する芯金２０と、この芯金２０に加硫接着により一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びて先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップ２１ｂを有するシール部材２１とからなると共に、サイドリップ１９が外方部材３の端面３ｃに所定のシメシロを介して摺接されているので、車輪取付フランジ６と外方部材３の端部とが離れて配設された構造であっても、そのスペースに対応するバックアップシール１９を配設することができると共に、シール８の密封性能の向上を図ることができる。
【選択図】図２

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、密封性能の向上を図った車輪用軸受装置に関するものである。

従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。この車輪用軸受装置には、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。一方、オフロードカーやトラック等、車体重量が嵩む車両には複列円錐ころ軸受が使用されている。

これらの車輪用軸受装置は、泥水等がかかり易い部位に配置されるため、シール装置が装着され、外方部材と内方部材との間を密封するように構成されている。一般的に、シール装置は、シールリップを備えたシール部材が固定側部材となる外方部材に装着され、シールリップが内方部材の外周面に摺接されている。特に、オフロードカーやピックアップトラック等のように、劣悪な環境で運転される車両においては、密封性をさらに向上させるための手段が種々講じられている。

こうした密封性を向上させた車輪用軸受装置が知られている。この車輪用軸受装置は、図１４（ａ）に示すように、ハブ輪５１と車輪用軸受５２とからなり、車輪用軸受５２は、外方部材５３と、複列の円錐ころ５４、５４を介して内嵌された一対の内輪５５、５５とを備えている。

ハブ輪５１は、一端部に車輪（図示せず）を取り付けるための車輪取付フランジ５６を一体に有し、この車輪取付フランジ５６から軸方向に延びる小径段部５１ａが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション（またはスプライン）５１ｂが形成されている。車輪取付フランジ５６にはハブボルト５６ａが周方向等配に植設されている。

車輪用軸受５２は、ハブ輪５１の小径段部５１ａに所定のシメシロを介して圧入され、小径段部５１ａの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部５１ｃによってハブ輪５１に対して軸方向に固定されている。

車輪用軸受５２の外方部材５３は、外周にナックル（図示せず）に取り付けられるための車体取付フランジ５３ｂを一体に有し、内周にそれぞれ外向きに開いたテーパ状の複列の外側転走面５３ａ、５３ａが一体に形成されている。

一方、内輪５５の外周には、前記複列の外側転走面５３ａ、５３ａに対向するテーパ状の内側転走面５５ａと、この内側転走面５５ａの大径側に円錐ころ５４を案内する大鍔５５ｂ、および小径側に円錐ころ５４の脱落を防止するための小鍔５５ｃがそれぞれ形成されている。そして、外方部材５３と一対の内輪５５、５５の両転走面間に複列の円錐ころ５４、５４が収容され、保持器５７、５７によって転動自在に保持されている。また、外方部材５３と内輪５５との間に形成される環状空間の開口部にはシール５８、５８が装着されている。これらのシール５８、５８によって、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。

さらに、外方部材５３の端部外周に外方部材５３と車輪取付フランジ５６との間を塞ぐ外側シール部材５９が装着されている。この外側シール部材５９は、（ｂ）に示すように、外周面一端部に嵌め込まれる固定基部６０を有する本体筒部６１と、この本体筒部６１の先端部６１ａ周縁に沿って一体状に設けられ、かつ車輪取付フランジ５６の一側面に弾性的に圧接される弾性体よりなるシールリップ６２とを有する。本体筒部６１は、固定基部６０から先端部６１ａに向けて次第に縮径されたテーパ筒状に形成されている。

この構成によると、車両走行時において、本体筒部６１の外周面上部に跳ね上げられた泥水が本体筒部６１の外周傾斜面に沿って下方に円滑に流れ、泥水の不測の浸入を防止することができる。ひいては、内側のシール５８を泥水から保護することができ、車輪用軸受５２の耐久性を向上させることができる。
特開２００７−２７０９６０号公報

この種の外側シール部材を図１５に示すような車輪用軸受装置に適用した場合に課題が残る。すなわち、この車輪用軸受装置は、ハブ輪６３と車輪用軸受６４とからなり、車輪用軸受６４は、外方部材６５と、複列の円錐ころ６６、６６を介して内嵌された一対の内輪６７、６７とを備えている。

ハブ輪６３は、一端部に車輪取付フランジ６８を一体に有し、この車輪取付フランジ６８から軸方向に延びる小径段部６３ａが形成されている。車輪用軸受６４は、ハブ輪６３の小径段部６３ａに所定のシメシロを介して圧入され、小径段部６３ａの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部６３ｂによってハブ輪６３に対して軸方向に固定されている。

車輪用軸受６４の外方部材６５は、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周にそれぞれ外向きに開いたテーパ状の複列の外側転走面６５ａ、６５ａが一体に形成されている。一方、内輪６７の外周には、前記複列の外側転走面６５ａ、６５ａに対向するテーパ状の内側転走面６７ａが形成されている。そして、外方部材６５と一対の内輪６７、６７の両転走面間に複列の円錐ころ６６、６６が収容され、保持器６９、６９によって転動自在に保持されている。また、外方部材６５と内輪６７との間に形成される環状空間の開口部にはシール７０、７０が装着され、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。

この車輪用軸受装置はトラック等の大型の車両に組み込まれ、車輪取付フランジ６８と外方部材６５の端部とが離れて配設されている。然しながら、このような仕様の車輪用軸受装置では、外側シール部材７１の摺動面を確保するために、車輪取付フランジ６８の基部６８ａに余肉を設ける必要がある。これでは、重量が嵩み、車両の燃費が悪くなるだけでなく、鍛造成形性が悪くなり、コストアップを招来して好ましくない。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図ると共に、シールの密封性能の向上を図り、軸受性能を長期間に亘って維持することができる車輪用軸受装置を提供することを目的としている。

係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項１記載の発明は、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に嵌合された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのインナー側基部にバックアップシールが装着され、このバックアップシールが、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に圧入される円筒部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びて先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップを有するシール部材とからなると共に、当該バックアップシールによって、前記車輪取付フランジと外方部材の端部との間が塞がれている。

このように、外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールを備えた車輪用軸受装置において、車輪取付フランジのインナー側基部にバックアップシールが装着され、このバックアップシールが、車輪取付フランジのインナー側の基部に圧入される円筒部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びて先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップを有するシール部材とからなると共に、当該バックアップシールによって、車輪取付フランジと外方部材の端部との間が塞がれているので、車輪取付フランジと外方部材の端部とが離れて配設された構造であっても、従来のように、摺接面を確保するために車輪取付フランジの基部を肉厚に形成する必要はない。したがって、ハブ輪の軽量・コンパクト化を図ると共に、シールの密封性能の向上を図り、軸受性能を長期間に亘って維持することができる車輪用軸受装置を提供することができる。

また、請求項２に記載の発明のように、前記芯金の円筒部の端部に環状のリブが突設されていれば、このリブによって芯金の剛性が高くなり抜け耐力が向上すると共に、サイドリップの安定した接触を維持することができる。

また、請求項３に記載の発明のように、前記芯金の円筒部の中央部に環状の突条が形成され、この突条が前記基部に形成された環状溝に係合されていれば、芯金の剛性が高くなり、抜け耐力が一層向上する。

また、請求項４に記載の発明のように、前記芯金の円筒部の端部に径方向内方に延びる環状の折曲片が形成され、この折曲片が前記基部に形成された環状溝に係合されていれば、芯金の剛性が高くなり、抜け耐力が一層向上する。

また、請求項５に記載の発明のように、前記芯金の円筒部から径方向外方に拡径または縮径されたテーパ部が形成されていれば、車輪取付フランジと外方部材の端部とが相当離れて配設された構造であっても、そのスペースに対応するバックアップシールを配設することができ、設計自由度が広がると共に、芯金のテーパ部に沿って泥水が下方に円滑に流れ、軸受に装着されたシールが直接泥水等に曝されるのを防止することができる。

好ましくは、請求項６に記載の発明のように、前記テーパ部にドレーン孔が穿設されていれば、バックアップシールを通過した泥水等が容易に排水され、車両の停止時に泥水等が固化して悪影響を及ぼすのを防止できる。

また、請求項７に記載の発明のように、前記芯金が、前記円筒部から径方向外方に延びる鍔部と、この鍔部から軸方向に延びる先端部とを有し、この先端部が、前記外方部材の端面と僅かな軸方向すきまを介して対向してラビリンスシールが構成されていれば、泥水等がシールに直接侵入するのを確実に防止することができると共に、芯金の円筒状の先端部によってサイドリップを保護することができ、長期間に亘って密封性を確保することができる。

また、請求項８に記載の発明のように、前記サイドリップが前記外方部材の端面に所定のシメシロを介して摺接されていても良い。

好ましくは、請求項９に記載の発明のように、前記外方部材の端面が焼入れによって表面に硬化処理が施されていれば、摩耗を抑制して長期間に亘って密封性を確保することができる。

また、請求項１０に記載の発明のように、前記外方部材の端部に、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成されたシール環が装着され、このシール環が、前記外方部材の端部外周に嵌合される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、当該外方部材の端面に密着するフランジ部とを有すると共に、このフランジ部に前記サイドリップが所定のシメシロを介して摺接されていても良い。

また、請求項１１に記載の発明のように、前記シールのうちアウター側のシールが、断面が略Ｌ字状をなして互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に嵌合され、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成された円筒状の嵌合部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とからなると共に、前記嵌合部から径方向外方に延び、前記外方部材の端面に密着するフランジ部が形成され、このフランジ部に前記サイドリップが所定のシメシロを介して摺接されていても良い。

好ましくは、請求項１２に記載の発明のように、前記シール部材が前記芯金の嵌合部にまで回り込んで接合されていれば、芯金と外方部材との接合面の気密性を高め、泥水や雨水等が浸入するのを防止することができる。

また、請求項１３に記載の発明のように、前記バックアップシールが複数のサイドリップを有していれば、バックアップシールの密封性が一層向上し、泥水等が軸受に装着されたシールに直接侵入するのを確実に防止することができる。

また、請求項１４に記載の発明のように、前記バックアップシールの芯金が、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成されていれば、長期間に亘って芯金の発錆を防止することができる。

本発明に係る車輪用軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に嵌合された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのインナー側基部にバックアップシールが装着され、このバックアップシールが、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に圧入される円筒部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びて先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップを有するシール部材とからなると共に、当該バックアップシールによって、前記車輪取付フランジと外方部材の端部との間が塞がれているので、車輪取付フランジと外方部材の端部とが離れて配設された構造であっても、従来のように、摺接面を確保するために車輪取付フランジの基部を肉厚に形成する必要はない。したがって、ハブ輪の軽量・コンパクト化を図ると共に、シールの密封性能の向上を図り、軸受性能を長期間に亘って維持することができる車輪用軸受装置を提供することができる。

一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に圧入された車輪用軸受とからなり、この車輪用軸受が、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内輪とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって所定の軸受予圧が付与された状態で前記車輪用軸受が前記ハブ輪に対して軸方向に固定されている車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのインナー側基部にバックアップシールが装着され、このバックアップシールが、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に圧入される円筒部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びて先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップを有するシール部材とからなると共に、前記サイドリップが前記外方部材の端面に所定のシメシロを介して摺接されている。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図２は、図１の要部拡大図、図３は、図２のバックアップシールの変形例を示す要部拡大図、図４〜図１３は、バックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側（図１の左側）、中央寄り側をインナー側（図１の右側）という。

この車輪用軸受装置は第２世代と呼称される従動輪用であって、ハブ輪１と車輪用軸受２とからなり、車輪用軸受２は、外方部材３と、複列の転動体（円錐ころ）４、４を介して内嵌された一対の内輪５、５とを備えている。

ハブ輪１は、一端部に車輪（図示せず）を取り付けるための車輪取付フランジ６を一体に有し、この車輪取付フランジ６から肩部１ａを介して軸方向に延びる小径段部１ｂが形成されている。車輪取付フランジ６にはハブボルト６ａが周方向等配に植設されている。車輪用軸受２は、ハブ輪１の小径段部１ｂに所定のシメシロを介して圧入され、小径段部１ｂの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部１ｃによって所定の軸受予圧が付与された状態でハブ輪１に対して軸方向に固定されている。

ハブ輪１はＳ５３Ｃ等の炭素０．４０〜０．８０ｗｔ％を含む中高炭素鋼で形成され、車輪取付フランジ６のインナー側に円弧状に形成された基部６ｂから肩部１ａを介して小径段部１ｂに亙って高周波焼入れによって表面硬さを５０〜６４ＨＲＣの範囲に硬化処理されている。なお、加締部１ｃは鍛造加工後の表面硬さのままとされている。これにより、車輪取付フランジ６に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、内輪５、５の嵌合部となる小径段部１ｂの耐フレッティング性が向上すると共に、加締加工が容易にでき、この加締加工に伴う微小クラックの発生を防止することができる。

車輪用軸受２の外方部材３は、外周にナックル（図示せず）に取り付けられるための車体取付フランジ（図示せず）を一体に有し、内周にそれぞれ外向きに開いたテーパ状の複列の外側転走面３ａ、３ａが一体に形成されている。この外方部材３はＳ５３Ｃ等の炭素０．４０〜０．８０ｗｔ％を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面３ａ、３ａが高周波焼入れによって表面硬さを５８〜６４ＨＲＣの範囲に硬化処理されている。

一方、内輪５の外周には、前記複列の外側転走面３ａ、３ａに対向するテーパ状の内側転走面５ａと、この内側転走面５ａの大径側に転動体４を案内する大鍔５ｂ、および小径側に転動体４の脱落を防止するための小鍔５ｃがそれぞれ形成されている。内輪５および転動体４はＳＵＪ２等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで５８〜６４ＨＲＣの範囲に硬化処理されている。そして、外方部材３と一対の内輪５、５の両転走面間に複列の転動体４、４が収容され、保持器７、７によって転動自在に保持されている。この車輪用軸受２は、アウター側の内輪５の大端面がハブ輪１の肩部１ａに当接され、内輪５の小鍔５ｃがそれぞれ突合せ状態で衝合する、所謂背面合せタイプの複列円錐ころ軸受からなる。

また、外方部材３と内輪５との間に形成される環状空間の開口部にはシール８、８が装着されている。これらのシール８、８によって、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。

本実施形態では、外方部材３の複列の外側転走面３ａ、３ａ間にセンサ取付孔９が外方部材３の径方向に貫通して形成されている。そして、このセンサ取付孔９にＯリング等からなるシールリング１０を介してセンサ１１が嵌挿されている。センサ１１にはハーネス１２が接続されている。

また、センサ１１に所定の径方向すきま（エアギャップ）を介して磁気エンコーダ１３が配設されている。アウター側の内輪５の外周には金属環１４が嵌合固定され、磁気エンコーダ１３はこの金属環１４に設けられている。この磁気エンコーダ１３は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、加硫接着によって金属環１４の外周に一体に接合されると共に、周方向に交互に磁極Ｎ、Ｓが着磁されてロータリーエンコーダを構成している。

シール８は、図２に拡大して示すように、断面が略Ｌ字状をなして互いに対向配置された環状のシール板１５とスリンガ１６とからなるパックシールを構成している。シール板１５は、外方部材３の端部内周に圧入される芯金１７と、この芯金１７に一体に加硫接着されたシール部材１８とからなる。芯金１７は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面が略Ｌ字状に形成され、外方部材３の端部内周に嵌合される円筒状の嵌合部１７ａと、この嵌合部１７ａから径方向内方に延びる内径部１７ｂとを有している。シール部材１８は、芯金１７の内径部１７ｂに接合され、サイドリップ１８ａと、このサイドリップ１８ａの内径側に二股状に形成されたグリースリップ１８ｂと中間リップ１８ｃとを有している。

一方、スリンガ１６は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面が略Ｌ字状に形成され、内輪５の外径に圧入される円筒部１６ａと、この円筒部１６ａから径方向外方に延びる立板部１６ｂとからなる。そして、シール部材１８のサイドリップ１８ａが立板部１６ｂに摺接されると共に、中間リップ１８ｃが円筒部１６ａに摺接されている。なお、グリースリップ１８ｂは、円筒部１６ａに僅かな径方向すきまを介して対向し、ラビリンスシールが構成されている。

さらに、本実施形態では、外方部材３のアウター側の端部外周にバックアップシール１９が装着されている。このバックアップシール１９は、芯金２０と、この芯金２０に一体に加硫接着されたシール部材２１とからなる。芯金２０は、長期間に亘って発錆を防止できるオーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面略Ｌ字状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向内方に延びる鍔部２０ｂとを有している。

一方、シール部材２１はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金２０の鍔部２０ｂに固着された固定基部２１ａと、この固定基部２１ａから径方向外方に傾斜して延び、先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップ２１ｂとからなる。このサイドリップ２１ｂは、外方部材３のアウター側の端面３ｃに所定のシメシロを介して摺接され、泥水等が前記シール８に直接侵入するのを防止して密封性を向上させることができる。すなわち、バックアップシール１９が泥水等に曝されても、サイドリップ２１ｂの外周傾斜面が所謂樋のように作用し、泥水が外周面に沿って下方に円滑に流れ、シール８が直接泥水等に曝されるのを防止することができる。ここで、サイドリップ２１ｂの摺接面となる外方部材３の端面３ｃが、高周波焼入れによって表面に硬化処理が施されていれば、摩耗を抑制して長期間に亘って密封性を確保することができる。

本実施形態では、このようにハブ輪１の基部６ｂにバックアップシール１９が装着され、このバックアップシール１９のサイドリップ２１ｂが外方部材３の端面３ｃに摺接されているので、車輪取付フランジ６と外方部材３の端部とが離れて配設された構造であっても、従来のように、摺接面を確保するために車輪取付フランジ６の基部６ｂを肉厚に形成する必要はない。したがって、ハブ輪１の軽量・コンパクト化を図ると共に、シール８の密封性能の向上を図り、軸受性能を長期間に亘って維持することができる車輪用軸受装置を提供することができる。

なお、ここでは、従動輪側の第２世代構造を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置はこれに限らず、第３または第４世代構造であっても良い。また、駆動輪側であっても良い。さらに、本実施形態では、転動体４に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受を例示したが、これに限らず、転動体４にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受であっても良い。

図３に、図２のバックアップシール１９の変形例を示す。このバックアップシール２２は、芯金２３と、この芯金２３に一体に加硫接着されたシール部材２４とからなる。芯金２３は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面略Ｌ字状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向外方に延びる鍔部２３ａとを有している。

シール部材２４はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金２３の鍔部２３ａに固着された固定基部２４ａと、この固定基部２４ａから径方向外方に傾斜して延び、先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップ２４ｂとからなる。このサイドリップ２４ｂは、外方部材３のアウター側の端面３ｃに所定のシメシロを介して摺接され、泥水等が前記シール８に直接侵入するのを防止して密封性を向上させることができる。

以下にバックアップシールの変形例を示す。図４は、図２に示したバックアップシール１９と基本的には摺接部位が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。軸受に装着されたシール２５は、断面が略Ｌ字状をなして互いに対向配置された環状のシール板２６とスリンガ１６とからなるパックシールを構成している。

シール板２６は、外方部材３の端部内周に圧入される芯金２７と、この芯金２７に一体に加硫接着されたシール部材１８とからなる。芯金２７は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面がクランク形状に形成され、外方部材３の端部内周に嵌合される円筒状の嵌合部１７ａと、この嵌合部１７ａから径方向内方に延びる内径部１７ｂと、嵌合部１７ａから径方向外方に延び、外方部材３の端面３ｃに密着するフランジ部２７ａとを有している。

バックアップシール１９のサイドリップ２１ｂは、シール２５を構成する芯金２７のフランジ部２７ａに所定のシメシロを介して摺接され、泥水等がシール２５に直接侵入するのを防止している。なお、ここでは、シール２５のシール部材１８が芯金２７の嵌合部１７ａにまで回り込んで接合されている。これにより、芯金２７と外方部材３との接合面の気密性を高め、泥水や雨水等が浸入するのを防止することができる。

図５は、図４に示したバックアップシール１９と基本的にはシール部材の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。このバックアップシール２８は、芯金２０と、この芯金２０に一体に加硫接着されたシール部材２９とからなる。

シール部材２９はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金２０の鍔部２０ｂに固着された固定基部２１ａと、この固定基部２１ａから径方向外方に傾斜して延び、先端部が拡径するラッパ状に形成された一対のサイドリップ２１ｂ、２９ａとからなる。これらのサイドリップ２１ｂ、２９ａは、シール２５を構成する芯金２７のフランジ部２７ａに所定のシメシロを介して摺接されている。これにより、バックアップシール２８の密封性が一層向上し、泥水等がシール２５に直接侵入するのを確実に防止することができる。

図６は、図２に示したバックアップシール１９と基本的には摺接部位が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。この実施形態では、外方部材３の端部にシール環３０が装着されている。

シール環３０は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面が略Ｌ字状に形成され、外方部材３の端部外周に嵌合される円筒状の嵌合部３０ａと、この嵌合部３０ａから径方向内方に延び、外方部材３の端面３ｃに密着するフランジ部３０ｂとを有している。バックアップシール１９のサイドリップ２１ｂは、シール環３０のフランジ部３０ｂに所定のシメシロを介して摺接され、泥水等がシール８に直接侵入するのを防止している。

図７は、図２に示したバックアップシール１９と基本的には芯金２０の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール３１は、芯金３２と、この芯金３２に一体に加硫接着されたシール部材２１とからなる。芯金３２は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面略Ｌ字状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向内方に延びる鍔部２０ｂとを有し、円筒部２０ａの端部に環状のリブ３２ａが突設されている。このリブ３２ａによって芯金３２の剛性が高くなり抜け耐力が向上すると共に、サイドリップ２１ｂの安定した接触を維持することができる。

図８は、図２に示したバックアップシール１９と基本的には芯金２０の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール３３は、芯金３４と、この芯金３４に一体に加硫接着されたシール部材２１とからなる。芯金３４は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面略Ｌ字状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部３４ａと、この円筒部３４ａから径方向内方に延びる鍔部２０ｂとを有し、円筒部３４ａの中央部に環状の突条３５が形成されている。そして、この突条３５が基部６ｂに形成された環状溝３６に係合されている。こうした構成を採用することにより、芯金３４の剛性が高くなり、抜け耐力が一層向上する。

図９は、図３に示したバックアップシール２２と基本的には芯金２３の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール３７は、芯金３８と、この芯金３８に一体に加硫接着されたシール部材２４とからなる。芯金３８は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面略Ｌ字状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向内方に延びる鍔部２３ａとを有し、円筒部２０ａの端部に径方向内方に延びる環状の折曲片３９が形成されている。そして、この折曲片３９が基部６ｂに形成された環状溝４０に係合されている。こうした構成を採用することにより、芯金３８の剛性が高くなり、抜け耐力が一層向上する。

図１０は、図３に示したバックアップシール２２と基本的には芯金２３の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール４１は、芯金４２と、この芯金４２に一体に加硫接着されたシール部材２４とからなる。芯金４２は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて円筒状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向外方に拡径されたテーパ部４２ａと、このテーパ部４２ａから軸方向に延びる先端部４２ｂとを有している。こうした構成を採用することにより、車輪取付フランジ６と外方部材３の端部とが相当離れて配設された構造であっても、そのスペースに対応するバックアップシール４１を配設することができ、設計自由度が広がると共に、芯金４２のテーパ部４２ａに沿って泥水が下方に円滑に流れ、シール８が直接泥水等に曝されるのを防止することができる。

図１１は、図１０に示したバックアップシール４１と基本的には芯金４２の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール４３は、芯金４４と、この芯金４４に一体に加硫接着されたシール部材２４とからなる。芯金４４は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて円筒状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向外方に縮径されたテーパ部４４ａと、このテーパ部４４ａから軸方向に延びる先端部４２ｂとを有している。そして、円筒部２０ａの端部に環状のリブ３２ａが突設されている。このリブ３２ａによって芯金４４の剛性が高くなり抜け耐力が向上すると共に、サイドリップ２４ｂの安定した接触を維持することができる。

図１２は、図１１に示したバックアップシール４３と基本的には芯金４４の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール４５は、芯金４６と、この芯金４６に一体に加硫接着されたシール部材２４とからなる。芯金４６は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて円筒状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向外方に縮径されたテーパ部４６ａと、このテーパ部４６ａから軸方向に延びる先端部４２ｂとを有している。そして、円筒部２０ａの端部に環状のリブ３２ａが突設されると共に、テーパ部４６ａにドレーン孔４７が穿設されている。こうした構成を採用することにより、芯金４６の剛性が高くなり抜け耐力が向上すると共に、バックアップシール４５を通過した泥水等が容易に排水される。したがって、車両の停止時に泥水等が固化して悪影響を及ぼすのを防止できる。

図１３は、図３に示したバックアップシール２２と基本的には芯金４４の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一の部品部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。

このバックアップシール４８は、芯金４９と、この芯金４９に一体に加硫接着されたシール部材５０とからなる。芯金４９は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＵＳ３０４系等）、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑（ＪＩＳ規格のＳＰＣＣ系等）からプレス加工にて断面がクランク形状に形成され、車輪取付フランジ６のインナー側の基部６ｂに嵌合される円筒部２０ａと、この円筒部２０ａから径方向外方に延びる鍔部２３ａと、この鍔部２３ａから軸方向に延びる先端部４９ａとを有している。

シール部材５０はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、芯金４９の鍔部２３ａから先端部４９ａに亙って固着された固定基部５０ａと、この固定基部５０ａから径方向外方に傾斜して延び、先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップ５０ｂとからなる。このサイドリップ５０ｂは、外方部材３の端面３ｃに所定のシメシロを介して摺接されている。そして、シール部材５０の固定基部５０ａが外方部材３の端面３ｃと僅かな軸方向すきまを介して対向じ、ラビリンスシールが構成されている。こうした構成を採用することにより、泥水等がシール８に直接侵入するのを確実に防止することができると共に、芯金４９の円筒状の先端部４９ａによってサイドリップ５０ｂを保護することができ、長期間に亘って密封性を確保することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。

本発明に係る車輪用軸受装置は、駆動輪用、従動輪用に拘わらず、第２乃至第４世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。

本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図１の要部拡大図である。 図２のバックアップシールの変形例を示す要部拡大図である。 図２のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 図４のバックアップシールの変形例を示す要部拡大図である。 図２のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 図２のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 図２のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 図３のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 図３のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 図１０のバックアップシールの変形例を示す要部拡大図である。 図１１のバックアップシールの変形例を示す要部拡大図である。 図３のバックアップシールの他の変形例を示す要部拡大図である。 （ａ）は、従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 （ｂ）は、（ａ）の要部拡大図である。 他の従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。

符号の説明

１・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
１ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・肩部
１ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
１ｃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・加締部
２・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
３・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
３ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
３ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
３ｃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材の端面
４・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
５・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
５ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
５ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大鍔
５ｃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小鍔
６・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
６ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
６ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・基部
７・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
８、２５・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール
９・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・センサ取付孔
１０・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シールリング
１１・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・センサ
１２・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハーネス
１３・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
１４・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・金属環
１５、２６・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール板
１６・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
１６ａ、２０ａ、３４ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・円筒部
１６ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・立板部
１７、２０、２３、２７、３２、３４、３８、４２、４４、４６、４９・・芯金
１７ａ、３０ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
１７ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内径部
１８、２１、２４、２９、５０・・・・・・・・・・・・・・シール部材
１８ａ、２１ｂ、２４ｂ、２９ａ、５０ｂ・・・・・・・・・サイドリップ
１８ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
１８ｃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中間リップ
１９、２２、２８、３１、３３、４１、４３、４５、４８・・バックアップシール
２０ｂ、２３ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鍔部
２１ａ、２４ａ、５０ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・固定基部
２７ａ、３０ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フランジ部
３０・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール環
３２ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リブ
３５・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突条
３６、４０・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・環状溝
３９・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・折曲片
４２ａ、４４ａ、４６ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・テーパ部
４２ｂ、４９ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先端部
４７・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドレーン孔
５１、６３・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
５１ａ、６３ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
５１ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・セレーション
５１ｃ、６３ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・加締部
５２、６４・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
５３、６５・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
５３ａ、６５ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
５３ｂ、６５ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
５４、６６・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円錐ころ
５５、６７・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
５５ａ、６７ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
５５ｂ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大鍔
５５ｃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小鍔
５６、６８・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
５６ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
５７、６９・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
５８、７０・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール
５９、７１・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外側シール部材
６０・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・固定部材
６１・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本体筒部
６１ａ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先端部
６２・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シールリップ
６３・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・固定基部

Claims (14)

1. 外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
   一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に嵌合された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
   この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
   前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、
   前記車輪取付フランジのインナー側基部にバックアップシールが装着され、このバックアップシールが、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に圧入される円筒部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びて先端部が拡径するラッパ状に形成されたサイドリップを有するシール部材とからなると共に、当該バックアップシールによって、前記車輪取付フランジと外方部材の端部との間が塞がれていることを特徴とする車輪用軸受装置。
2. 前記芯金の円筒部の端部に環状のリブが突設されている請求項１に記載の車輪用軸受装置。
3. 前記芯金の円筒部の中央部に環状の突条が形成され、この突条が前記基部に形成された環状溝に係合されている請求項１に記載の車輪用軸受装置。
4. 前記芯金の円筒部の端部に径方向内方に延びる環状の折曲片が形成され、この折曲片が前記基部に形成された環状溝に係合されている請求項１に記載の車輪用軸受装置。
5. 前記芯金の円筒部から径方向外方に拡径または縮径されたテーパ部が形成されている請求項１乃至４いずれかに記載の車輪用軸受装置。
6. 前記テーパ部にドレーン孔が穿設されている請求項５に記載の車輪用軸受装置。
7. 前記芯金が、前記円筒部から径方向外方に延びる鍔部と、この鍔部から軸方向に延びる先端部とを有し、この先端部が、前記外方部材の端面と僅かな軸方向すきまを介して対向してラビリンスシールが構成されている請求項１乃至４いずれかに記載の車輪用軸受装置。
8. 前記サイドリップが前記外方部材の端面に所定のシメシロを介して摺接されている請求項１乃至７いずれかに記載の車輪用軸受装置。
9. 前記外方部材の端面が焼入れによって表面に硬化処理が施されている請求項８に記載の車輪用軸受装置。
10. 前記外方部材の端部に、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成されたシール環が装着され、このシール環が、前記外方部材の端部外周に嵌合される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、当該外方部材の端面に密着するフランジ部とを有すると共に、このフランジ部に前記サイドリップが所定のシメシロを介して摺接されている請求項１乃至７いずれかに記載の車輪用軸受装置。
11. 前記シールのうちアウター側のシールが、断面が略Ｌ字状をなして互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に嵌合され、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成された円筒状の嵌合部を有する芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とからなると共に、前記嵌合部から径方向外方に延び、前記外方部材の端面に密着するフランジ部が形成され、このフランジ部に前記サイドリップが所定のシメシロを介して摺接されている請求項１乃至７いずれかに記載の車輪用軸受装置。
12. 前記シール部材が前記芯金の嵌合部にまで回り込んで接合されている請求項１１に記載の車輪用軸受装置。
13. 前記バックアップシールが複数のサイドリップを有している請求項１乃至１２いずれかに記載の車輪用軸受装置。
14. 前記バックアップシールの芯金が、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成されている請求項１乃至１３いずれかに記載の車輪用軸受装置。

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