以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態は、立体的に表示されるオブジェクトの奥行き幅を変更して表示する一例を示すものである。特に、指定したオブジェクトの視認性を向上させるために、指定したオブジェクト以外のオブジェクトの奥行き幅を変更して表示するものである。
まず、第1の実施の形態の受信装置101について、図1を用いて説明する。受信装置101は、受信部102と分離部103、デコーダ104、映像信号処理部105、制御部106、入力部107、記憶部108、3D変換部109、表示部110を備えている。
例えば、受信装置101とはテレビであり、勿論ケーブルテレビ網に接続して番組を受信したり、電話回線に接続してインターネット接続や通信カラオケを提供するような様々なサービスを受けられるテレビであってもよい。また、受信装置101は必ずしも上記構成を満たさなければならないものではなく、例えば表示部110を有さず、新たに表示を行う別機器に接続する必要があるようなSTB(セット・トップ・ボックス)であってもよい。
受信部102は、送信装置から送られてくる信号を受信して復調し、分離部103へ出力する。
分離部103は、受信部102から出力された信号に含まれる映像信号及び音声信号と番組に関する情報等の付加情報とを分離する。そして、映像信号及び音声信号はデコーダ104に出力され、付加情報は制御部106に出力される。
デコーダ104は、分離部103から出力された映像信号をデコード処理し、3D変換部109へ出力する。また、分離部103から出力された音声信号をデコード処理し、音声信号処理部(図示せず)を介しスピーカ等の音声出力部(図示せず)へ出力する。
3D変換部109は、デコーダ104から出力された映像信号に対して所定の処理を施し、映像信号部へ出力する。ただし、3D変換部109が所定の処理を行うのは、映像信号にオブジェクトデータ等の立体映像を表示するための情報が含まれている場合である。
記憶部108は、制御部106からの付加情報を記憶する以外に、受信装置101に予め格納されている設定値や、視聴者からの要求で表示部110に表示が行われるオブジェクトデータも記憶している。例えば、後に述べる図16に示すような設定を行うためのメニューオブジェクトや、図31に示すような放送番組一覧オブジェクト、図37に示すような多画面一覧オブジェクトのオブジェクトデータを記憶している。
入力部107は、表示映像を構成しているオブジェクトから特定のオブジェクトを指定するためのオブジェクトIDを制御部106に出力する。
制御部106は、分離部103からの付加情報を記憶部108に出力する以外に、入力部107から出力されたオブジェクトIDを3D変換部109に出力する。また、受信部102に対して所望の映像信号を受信するように制御を行う。
映像信号処理部105は、3D変換部109から出力されたオブジェクトデータに基づいて、表示映像を作成する。表示映像とは、例えば、ディスプレイに映される映像のことである。
表示部110は、映像信号処理部105により作成された表示映像を表示する。なお、表示映像を立体的に表示する方法としては、視聴者に赤と青の色フィルタをつけたメガネを着用させて左眼用、右眼用の映像を見せる方法や、上記に挙げたような立体映像を表示するための専用のメガネを用いずにディスプレイに左眼用、右眼用映像を交互に切り替えて表示する方法や、スリットを設ける方法等があるが、いずれの方法であってもよい。
ところで、第1の実施の形態の受信装置101で扱うオブジェクトデータは、図2に示すように、オブジェクトの識別を行うためのオブジェクトID201と、オブジェクトを表示するためのオブジェクト表示情報202から構成されているものとする。
オブジェクト表示情報202は、オブジェクト空間内に設定されるx軸、y軸、z軸から成る絶対的な座標系を使用して位置が特定されるドットの集合として表される。
具体的に述べると、以下で説明する図6のオブジェクト602は、8つのドット605、606、607、608、609、610、611、612から構成されているので、オブジェクト602のオブジェクト表示情報には8つのドット605、606、607、608、609、610、611、612の位置情報がそれぞれ記されている。
座標系に関しては、図3に示すように、表示を行うディスプレイ左下を原点301とし、x軸は画面右方向、y軸は画面上方向、z軸は画面手前方向をそれぞれ正の方向として設定する。また、z軸座標値が正の値で表されるドットは、表示画面を眺める視聴者にとって、表示画面よりも手前に飛び出て見えるように表示される。ところで、本発明の実施の形態を説明するにあたり、奥行き方向とはz軸に対して負の方向であるとし、手前とはz軸に対して正の方向、奥側とはz軸に対して負の方向であるとする。
また、オブジェクトの奥行き位置とは、オブジェクト表示情報のうちのすべてのドットから得られるz軸座標値のうちの最大値とする。
さらに、オブジェクトの奥行き幅とは、オブジェクト表示情報のうちのすべてのドットから得られるz軸座標値のうちの最大値からz軸座標値のうちの最小値を減じた値とする。
また、オブジェクトは複数のオブジェクトの集合により構成することができる。例えば、景色を表すオブジェクトであれば、木を表すオブジェクトや山を表すオブジェクトから構成される。
次に、第1の実施の形態の受信装置101が行う処理手順について述べ、そのフローを図4に示す。
まず、視聴者はリモコン等の入力部107から特定のオブジェクトを指定するためのオブジェクトIDを入力する(ステップS401)。
次に、入力したオブジェクトID以外のオブジェクトIDを有するオブジェクトの奥行き幅を狭めるために倍率値の数値入力を入力部107から行う(ステップS402)。倍率値とは、あるオブジェクトのオブジェクト表示情報から求められる奥行き幅に対する奥行き幅を狭めた後のオブジェクトの奥行き幅の割合のことである。例えば、倍率値を0.5と定めたとき、オブジェクトの奥行き幅は半分に狭められる。
次に、制御部106は、入力部107により入力された倍率値とオブジェクトIDを3D変換部109に出力する(ステップS403)。
3D変換部109は、制御部106から受け取ったオブジェクトIDを有するオブジェクトを除き、映像を構成するオブジェクトの奥行き幅を狭めるように、倍率値に基づいてオブジェクト表示情報を変更する(ステップS404)。
映像信号処理部105は、変更されたオブジェクト表示情報に基づいて立体映像を作成する(ステップS405)。
表示部110は、映像信号処理部105で作成された立体映像を表示する(ステップS406)。
なお、ステップS402において、一定時間の間に視聴者から倍率値の入力が行われない場合は、予め設定された倍率値に基づいて処理が続行されるようにしてもよい。
例えば、視聴者が入力部107から特定のオブジェクトのオブジェクトIDを入力した後、制御部106は視聴者から倍率値に数値入力が行われるまで処理を中断する。そして、中断した時間が予め定めた設定時間を超えた場合、制御部106は、記憶部108に予め設定された倍率値を取得し、3D変換部109に出力してもよい。
また、上記したように倍率値に入力を待つことなく、予め設定された倍率値を用いてもよい。その場合、図4に示した処理手順において、ステップS402は行われず、ステップS401のあと、ステップS403が行われることになる。
また、ステップS401が行われない場合も考えられる。例えば、後に述べる第6の実施の形態には、送信装置から特定のオブジェクトを選択できる例が示されており、受信装置で必ずしも特定のオブジェクトを指定する必要はない。
次に、図4に示した処理手順において、3D変換部109が行う処理を詳細に述べ、そのフローを図5に示す。
入力部107により指定されたオブジェクトのオブジェクトIDを制御部106から受け取ったとき、3D変換部109は表示映像を構成するためにデコーダ104から出力されるオブジェクトのオブジェクトIDを読みとる(ステップS501)。
読みとったすべてのオブジェクトのオブジェクトIDの中に、指定されたオブジェクトIDと一致するものがあるかを確認する(ステップS502)。
もし、指定されたオブジェクトIDと一致するものがなければ(ステップS502でN)、3D変換部109が行う処理を終了する(ステップS503)。
もし、指定されたオブジェクトIDと一致するものがあれば(ステップS502でY)、処理を続行する。そして、指定されたオブジェクトIDと一致しないオブジェクトを選び出し(ステップS504)、そのオブジェクトのオブジェクト表示情報に含まれるすべてのドットのz軸座標値からz軸座標値の最大値、即ちオブジェクトの奥行き位置を求める(ステップS505)。
そして、ステップS504で選びだしたオブジェクトを構成する各ドットのz軸座標値を変更する。例えば、ステップS505で求めたオブジェクトの奥行き位置をDとし、倍率値をMとして表すと、変更後のドットのz軸座標値を、(D−M×(D−変更前のドットのz軸座標値))に基づいて変更する(ステップS506)。
その後、デコーダ104から出力されたすべてのオブジェクトのオブジェクトIDが確認されたかを調べる(ステップS507)。
もし、指定されたオブジェクトIDと一致しないオブジェクトで、表示映像に映し出されるすべてのオブジェクトのオブジェクトIDが確認されたならば(ステップS507でY)、3D変換部109が行う処理を終了する(ステップS503)。なお、すべてのオブジェクトとは、後に述べる図6を用いると、選択されたオブジェクト602以外のオブジェクト603とオブジェクト604のことである。 もし、すべてのオブジェクトのオブジェクトIDが確認されていなければ(ステップS507でN)、ステップS504に戻って処理を続ける。
次に、第1の実施の形態を図6に示した表示映像に基づいて説明を行う。
図6は、表示画面601に映し出される表示映像が示され、表示映像はオブジェクト602、オブジェクト603、オブジェクト604により構成されている。さらに、表示映像を上から眺めたときの、各オブジェクトのx軸座標とz軸座標による位置が示されている。
なお、各オブジェクトの識別を行うため、オブジェクト602のIDを「001」、オブジェクト603のIDを「002」、オブジェクト604のIDを「003」とする。
また、各オブジェクトは8つのドットから構成されているとし、オブジェクト602を構成する8つのドットの座標値は、ドット605(1、3、5)、ドット606(1、3、7)、ドット607(4、3、5)、ドット608(4、3、7)、ドット609(1、5、5)、ドット610(1、5、7)、ドット611(4、5、5)、ドット612(4、5、7)とする。また、オブジェクト602の奥行き幅は、オブジェクト602を構成するすべてのドットのうち、z軸座標値の最大値からz軸座標値の最小値を減じた値となるので、7−5=2である。
同様に、オブジェクト603を構成する8つのドットの座標値は、ドット613(7、3、1)、ドット614(7、3、3)、ドット615(10、3、1)、ドット616(10、3、3)、ドット617(7、5、1)、ドット618(7、5、3)、ドット619(10、5、1)、ドット620(10、5、3)とする。このとき、オブジェクト603の奥行き幅は、3−1=2である。
オブジェクト604を構成する8つのドットの座標値は、ドット621(12、3、5)、ドット622(12、3、6)、ドット623(15、3、5)、ドット624(15、3、6)、ドット625(12、5、5)、ドット626(12、5、6)、ドット627(15、5、5)、ドット628(15、5、6)とする。このとき、オブジェクト604の奥行き幅は、6−5=1である。
まず、視聴者は入力部107から特定のオブジェクトを指定するためのオブジェクトIDをリモコン等から入力する。ここでは、オブジェクト602を指定するために、オブジェクト602のオブジェクトIDである「001」がリモコンから出力されたとする。
次に、オブジェクト603とオブジェクト604の奥行き幅を狭めるために倍率値の数値入力をリモコン等から行う。第1の実施の形態では、倍率値を0.5とする。
なお、特定のオブジェクトの選択や、倍率値の数値入力をリモコン等から行うと書いたが、上記方法以外でもよい。例えば、図7に示すようなリモコン701を用いる方法が考えられる。リモコン701は、電源ボタン702とチャンネル切換ボタン703と十字オブジェクト選択ボタン704と操作ハンドル705を備えている。視聴者は十字オブジェクト選択ボタン704により、映像を構成しているオブジェクトから特定のオブジェクトを選択できる。また、操作ハンドル705を矢印方向706に操作することにより、画面上で確認しながら倍率の数値設定を行うことができる。なお、図8に示すようなリモコン801を用いる方法も考えられる。リモコン801は、電源ボタン802とチャンネル切換ボタン803と十字オブジェクト選択ボタン804と球体805を備えており、オブジェクト選択ボタン804により特定のオブジェクトを選択し、矢印方向806に球体を回転しながら設定を行えるようにしてもよい。
また、図6に示す表示映像に関して、視聴者が操作ハンドル705または球体805を操作したとき、表示映像は図9に示すような映像になる。なお、図9の構成について、図6に示したものと同じ構成であるものに関しては、図6で付した番号を援用する。
図9には、表示画面601に選択したオブジェクト602、表示映像を構成するオブジェクト603とオブジェクト604、右下に制御状況表示オブジェクト901が表示されている。
制御状況表示オブジェクト901は、倍率値の大小の程度をグラフ表示902にして、簡単に把握できるためのものである。制御状況表示オブジェクト901には、「狭く」903、「元の幅」904、「広く」905と表示されており、「元の幅」904は倍率値が1となる地点である。図9では、グラフ表示が「元の幅」904と「狭く」903の中間あたりとなっており、本来の幅よりも若干狭めて表示されている、と確認できる。
また、表示画面601の中で、選択したオブジェクト602を瞬時に把握できるように矢印906が表示されている。
なお、制御状況表示オブジェクト901は、上記したように倍率値の大小の程度を示すのではなく、数値で表示してもよい。また、制御状況表示オブジェクト901が表示されるのは、操作ハンドル705または球体805により倍率値を設定するときのみ表示させてもよいし、選択したオブジェクト以外に表示映像を構成するオブジェクトの奥行き幅を狭めるように制御している間、表示させておいてもよいものとする。
なお、操作ハンドル705または球体805は、第2の実施の形態で述べる差分値の数値を設定できるようにしてもよく、その場合、制御状況表示オブジェクト901は差分値の数値や程度を示すものであってもよい。
また、矢印906は、選択したオブジェクト602を瞬時に把握できるような表示を行うものであれば他の手段でもよく、例えば制御状況表示オブジェクト901内に選択したオブジェクト602を縮尺して形状を表して表示するようなものであってもよい。
次に、制御部106はオブジェクト602のIDである「001」と、倍率値0.5を3D変換部109に出力する。
3D変換部109は、映像を構成するオブジェクト602とオブジェクト603とオブジェクト604のオブジェクトIDをそれぞれ読みとり、その中からオブジェクトID「001」を有するオブジェクトと有さないオブジェクトとを識別する。
そして、オブジェクトID「001」を有さないオブジェクト603とオブジェクト604のうち、まずオブジェクト603のオブジェクトデータのオブジェクト表示情報から8つのドットの座標値を読みとる。そして、8つのドットのz軸座標値から最大値を求める。この場合、最大値は3である。
なお、オブジェクト表示情報のすべてのドットから得られるz軸座標値の最大値はオブジェクトの奥行き位置であるので、オブジェクト603の奥行き位置は3となる。
次に、オブジェクト603を構成する8つのドットのz軸座標値を、オブジェクト603の奥行き位置を変更せず、オブジェクト603の奥行き幅を狭めるように変更する。例えば、オブジェクトの奥行き位置をDとし、倍率値をMとして表すと、変更後のドットのz軸座標値を(D−M×(D−変更前のドットのz軸座標値))に基づいて変更する。
変更の一例を示すと、オブジェクト603を構成するドット617のz軸座標値は1であるので、z軸座標値の更新値は上式より、変更後のドットのz軸座標値=3−0.5(3−1)=2となる。この演算は、オブジェクト603を構成するすべてのドットについて行われる。
次に、表示映像を構成するオブジェクトの中で、オブジェクト603以外でオブジェクトID「001」を有さないオブジェクトがあるかを調べる。そして、オブジェクト604についてはまだ処理が行われていないため、オブジェクト604について、オブジェクト604を構成するすべてのドットについて演算を行う。
表示映像を構成するオブジェクトの中ですべてのオブジェクトについて処理を行ったので、映像信号処理部105は、3D変換部109により更新されたオブジェクトデータに基づいて、オブジェクト602とオブジェクト603とオブジェクト604の立体映像を作成し、立体映像を表示する。
上記処理により、図6に示した表示映像は図10のようになる。なお、図10において、図6と同様の構成には同一番号を付し、説明は図6のものを援用する。
図10において、表示映像を構成しているオブジェクトのうち、オブジェクト603を構成するドットと、オブジェクト604を構成するドットの位置は変更され、新たにオブジェクト1003、オブジェクト1004として表示されている。
オブジェクト1003を構成する8つのドットの座標値は、ドット1005(7、3、2)、ドット1006(7、3、3)、ドット1007(10、3、2)、ドット1008(10、3、3)、ドット1009(7、5、2)、ドット1010(7、5、3)、ドット1011(10、5、2)、ドット1012(10、5、3)となっている。
オブジェクト1004を構成する8つのドットの座標値は、ドット1013(12、3、5.5)、ドット1014(12、3、6)、ドット1015(15、3、5.5)、ドット1016(15、3、6)、ドット1017(12、5、5.5)、ドット1018(12、5、6)、ドット1019(15、5、5.5)、ドット1020(15、5、6)となっている。
従って、変更を行う前のオブジェクト603の奥行き幅が2であったのに対して、倍率値を0.5と設定したことにより、変更を行った後のオブジェクト1003の奥行き幅は3−2=1となって表示される。
同様に、変更を行う前のオブジェクト604の奥行き幅が1であったのに対して、倍率値を0.5と設定したことにより、変更を行った後のオブジェクト1004の奥行き幅は6−5.5=0.5となって表示される。
なお、図6から図10の表示映像に至る過程における3D変換部109の処理手順を図5に示したが、例えば、図6から図10の表示画面に至る処理の途中に、図11に示すように別のオブジェクト1101が表示映像に現れることが考えられる。このとき、3D変換部109は、オブジェクト1101に対しても図5に示した処理を行うことにより、表示映像中の選択したオブジェクト602以外のオブジェクトの奥行き幅を狭める。
また、上記した例では、倍率値を0.5と設定して、選択したオブジェクト以外で表示映像を構成しているオブジェクトの奥行き幅を狭めて表示させたが、例えば倍率値を1以上の値で設定して、選択したオブジェクトの奥行き幅を広めて設定するように処理してもよい。その時、上記したステップS502の後で、ステップS504として、選択されたオブジェクトのオブジェクトIDと一致するオブジェクトを選び出し、ステップS505の処理を行えばよい。要は、選択したオブジェクトを際立たせて表示させるために、選択したオブジェクトの奥行き幅を他のオブジェクトの奥行き幅に比べて相対的に広く表示できればよい。
以上、第1の実施の形態によれば、視聴者に対する立体映像特有の圧迫感を抑制することができ、視聴者が指定したオブジェクトの表示を際立たせることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、立体的に表示されるオブジェクトの奥行き位置を変更して表示することにより、表示画面全体のオブジェクトの奥行き位置の遠近差が解消され、立体映像特有の圧迫感が抑制されるものである。
なお、第2の実施の形態の受信装置101は図1に示したものと同じ構成であり、以下の説明では図1で付した番号を援用する。
また、第2の実施の形態の受信装置101が行う処理手順については、ステップS402以外の処理については図4と同様に行われる。
第2の実施の形態の受信装置101では、ステップS402において、差分値を入力する。差分値とは、指定したオブジェクトIDを有するオブジェクト以外で表示映像を構成するオブジェクトの奥行き位置を、指定したオブジェクトIDを有するオブジェクトの奥行き位置に近づけるときに、移動できるz軸座標値のことである。
また、3D変換部109が行うオブジェクト表示情報変更処理について、第1の実施の形態において示した図5のステップS506以外のステップでは同様の処理が行われるので、ステップS506について詳細に説明する。
第2の実施の形態において、ステップS506では、指定されたオブジェクトIDを有するオブジェクトの奥行き位置と映像を構成するオブジェクトの奥行き位置との大きさを比較する。
もし、指定されたオブジェクトの奥行き位置が、ステップS504で選び出されたオブジェクトの奥行き位置よりも大きい値であれば、ステップS504で選び出されたオブジェクトを構成する各ドットのz軸座標値を(各ドットのz軸座標値+差分値)に基づいて変更する。
もし、指定されたオブジェクトの奥行き位置が、ステップS504で選び出されたオブジェクトの奥行き位置よりも小さい値であれば、ステップS504で選び出されたオブジェクトを構成する各ドットのz軸座標値を(各ドットのz軸座標値−差分値)に基づいて変更する。
次に、上記した第2の実施の形態の処理を図6に示す表示画面に適用した例を示す。差分値は2とする。
3D変換部109において、オブジェクト603とオブジェクト604を構成するドットを変更する。
例えば、オブジェクト603を構成するドット617を例にして説明する。オブジェクト602の奥行き位置は7であり、ドット617のz軸座標値は1である。従って、指定されたオブジェクトの奥行き位置がオブジェクトの奥行き位置よりも大きい値であり、各ドットのz軸座標値を(各ドットのz軸座標値+差分値)に基づいて変更する。即ち、ドット617のz軸座標値の更新値は、上式より(1+2)=3となる。この演算をオブジェクト603を構成するすべてのドットについて行う。同様に、オブジェクトID「001」を有さないオブジェクト604についても、オブジェクト604を構成するすべてのドットについて演算を行う。
上記処理により、図6に示した表示映像は図12のようになる。なお、図12において、図6と同様の構成には同一番号を付し、説明は図6のものを援用する。
図12において、表示映像を構成しているオブジェクトのうち、オブジェクト1203を構成するドットと、オブジェクト1204を構成するドットの位置は変更されている。
オブジェクト1203を構成する8つのドットの座標値は、ドット1205(7、3、3)、ドット1206(7、3、5)、ドット1207(10、3、3)、ドット1208(10、3、5)、ドット1209(7、5、3)、ドット1210(7、5、5)、ドット1211(10、5、3)、ドット1212(10、5、5)となる。このとき、奥行き位置は5、奥行き幅は2となる。
オブジェクト1204を構成する8つのドットの座標値は、ドット1213(12、3、7)、ドット1214(12、3、8)、ドット1215(15、3、7)、ドット1216(15、3、8)、ドット1217(12、5、7)、ドット1218(12、5、8)、ドット1219(15、5、7)、ドット1220(15、5、8)となる。このとき、奥行き位置は8、奥行き幅は1となる。
図12のオブジェクト1203とオブジェクト1204は、オブジェクト603、オブジェクト604と比較して、オブジェクト602に近づいて表示されている。実際、各オブジェクトの奥行き位置の差が緩和されている。そのため、画面全体のオブジェクトの遠近差が解消され、立体映像特有の圧迫感が抑制され、視聴者の眼の負担も緩和され疲労感を抑えることができる。 なお、第2の実施の形態における3D変換部109の処理のステップS506において、オブジェクトの奥行き幅を倍率値分だけ変更させるとともに、奥行き位置も倍率値分だけ変更させるために、各ドットのz軸座標値を(各ドットのz軸座標値×倍率値)に基づいて変更してもよい。この式によれば、オブジェクトの奥行き幅が倍率値分だけ変更されるとともに、奥行き位置も倍率値分だけ変更される。
上式によれば、図6に示した表示映像は図13のようになる。なお、図13において、図6と同様の構成には同一番号を付し、説明は図6のものを援用する。
図13には、オブジェクト602と、オブジェクト603を構成するドットに変更処理を行った後のオブジェクト1303と、オブジェクト604を構成するドットに変更処理を行った後のオブジェクト1304が示されている。
オブジェクト1303を構成する8つのドットの座標値は、ドット1305(7、3、0.5)、ドット1306(7、3、1.5)、ドット1307(10、3、0.5)、ドット1308(10、3、1.5)、ドット1309(7、5、0.5)、ドット1310(7、5、1.5)、ドット1311(10、5、0.5)、ドット1312(10、5、1.5)と変更される。このとき、奥行き位置は1.5、奥行き幅は1となる。
オブジェクト1304を構成する8つのドットの座標値は、ドット1310(12、3、2.5)、ドット1314(12、3、3)、ドット1315(15、3、2.5)、ドット1316(15、3、3)、ドット1317(12、5、2.5)、ドット1318(12、5、3)、ドット1319(15、5、2.5)、ドット1320(15、5、3)と変更される。このとき、奥行き位置は3、奥行き幅は0.5となる。
図13のオブジェクト1303とオブジェクト1304は、オブジェクト603、オブジェクト604と比較して、奥行き幅が半分に狭めて表示されている。さらに、オブジェクト1303とオブジェクト1304の奥行き位置は、x座標軸を含む平面、即ち表示を行うディスプレイに近づいている。
そして、ディスプレイに近い位置にあるオブジェクトを見る視聴者は鮮明にオブジェクトを見ることができ、全体的に鮮明な映像を確保しながら、オブジェクト602以外のオブジェクト1303とオブジェクト1304の奥行き幅を狭めることができる。
なお、上記のように、各ドットのz軸座標値を(各ドットのz軸座標値×倍率値)に基づいて変更する場合において、例えば図14に示すように視聴者が選択したオブジェクト1401のz軸座標値が正の値をとる一方で、オブジェクト1402とオブジェクト1403のz軸座標値が負の値をとるような場合でもよい。
つまり、オブジェクト1402とオブジェクト1403の奥行き幅と奥行き位置を変更して図15のように変更したことにより、オブジェクト1502とオブジェクト1503の奥行き位置はオブジェクト1401の奥行き位置に近づき、各オブジェクト間の遠近差が解消される。そのため、立体映像特有の圧迫感が抑制され、視聴者の眼の負担が緩和されるたけでなく、選択したオブジェクトが見やすく表示されるのである。なお、第2の実施の形態では、倍率値は1以下である場合について述べた。
以上、第2の実施の形態によれば、視聴者が指定したオブジェクトの奥行き位置と指定したオブジェクト以外で表示映像を構成するオブジェクトの奥行き位置との差を狭めることにより、画面全体のオブジェクトの奥行き位置の遠近差が解消され、立体映像特有の圧迫感を抑制することができる。
また、視聴者が指定したオブジェクト以外で表示映像を構成するオブジェクトの奥行き位置を、ある基準となる平面に対して近づけて表示することにより、指定したオブジェクトが際立って表示され、その一方で画面全体のオブジェクトの奥行き位置の遠近差が解消され、立体映像特有の圧迫感を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、映像を構成するオブジェクトの中からオブジェクトを選択し、選択したオブジェクトの視認性を向上させるために、選択したオブジェクト以外のオブジェクトの奥行き幅や奥行き位置を変更して表示するものであった。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態を活用して、メニュー表示を行うためのメニューオブジェクトの表示を見やすくする場合について説明する。
ところで、メニューオブジェクトとは、図16に示すように、メニュー項目を表示する1つ以上の項目ボタンオブジェクトから構成されている。第3の実施の形態では、メニューオブジェクト1601は項目Aボタンオブジェクト1602、項目Bボタンオブジェクト1603、項目Cボタンオブジェクト1604、項目Dボタンオブジェクト1605から構成されている。
また、メニューオブジェクト1601のオブジェクトIDを「900」、項目Aボタンオブジェクト1602のオブジェクトIDを「901」、項目Bボタンオブジェクト1603のオブジェクトIDを「902」、項目Cボタンオブジェクト1604のオブジェクトIDを「903」、項目Dボタンオブジェクト1605のオブジェクトIDを「904」として、説明を行う。
図17は、メニューの表示を行う受信装置1701の構成を示すものであり、受信部102と分離部103、デコーダ104、映像信号処理部105、入力部107、制御部1702、記憶部1703、3D変換部1704、メニュー変換部1705、表示部110を備えている。なお、図17において、図1と同様の構成には同一番号を付し、説明は図1のものを援用する。
入力部107は、視聴者からのメニュー表示要求を受け付ける。また、入力部107により、メニューに表示されている項目ボタンを選択できる。
制御部1702は、入力部107からメニュー表示要求が出されたとき、記憶部1703からメニューオブジェクト1601とメニューオブジェクト1601を構成する各項目の項目オブジェクトを取得し、メニュー変換部1705に出力する。また、メニューオブジェクト1601のオブジェクトID「900」を3D変換部1704に出力する。
メニュー変換部1705は、制御部1702から出力されるメニューオブジェクト1601と項目ボタンオブジェクト1602、1603、1604、1605のオブジェクトデータを受け取る。そして、メニューオブジェクト1601と項目ボタンオブジェクト1602、1603、1604、1605に対して所定の処理を行い、映像信号処理部105に出力する。
次に、図17に示した受信装置1701が扱うオブジェクトデータについて説明する。
まず、メニューオブジェクト1601のオブジェクトデータは、図18に示すように、オブジェクトID1801と、構成オブジェクトID格納情報1802と、オブジェクト表示情報1803により構成されている。構成オブジェクトID格納情報1802には、メニューオブジェクト1801を構成する項目ボタンオブジェクトのオブジェクトIDが格納されている。例えば、図16の場合であれば、構成オブジェクトID格納情報1802には、メニューオブジェクト1601を構成する項目Aボタンオブジェクト1602、項目Bボタンオブジェクト1603、項目Cボタンオブジェクト1604、項目Dボタンオブジェクト1605のオブジェクトIDである「901」と「902」と「903」と「904」というオブジェクトIDが格納されている。
さらに、項目ボタンオブジェクトのオブジェクトデータは、図19に示すように、オブジェクトID1901と、リンクオブジェクトID格納情報1902と、オブジェクト表示情報1903により構成されている。リンクオブジェクトID格納情報1902には、項目ボタンオブジェクトが選択されたときに、次に表示されるオブジェクトのオブジェクトIDが格納されている。
次に、第3の実施の形態の受信装置1701が行う処理手順について述べ、そのフローを図20に示す。
まず、視聴者は入力部107からメニューオブジェクト1601を表示要求する(ステップS2001)。
次に、制御部1702は、選択されたメニューオブジェクト1601のオブジェクトデータを記憶部1703から取得する(ステップS2002)。
そして、オブジェクトデータのうち構成オブジェクトID格納情報からメニューオブジェクト1601を構成する項目ボタンオブジェクト1602、1603、1604、1605のオブジェクトデータを記憶部1703から取得し、メニュー変換部1705に出力する(ステップS2003)。
さらに、制御部1702は、3D変換部1704から、メニューオブジェクト1601が表示要求されたときの表示映像を構成するオブジェクトの奥行き位置のうち最大値となる値を取得し、メニュー変換部1705に出力する。(ステップS2004)。
そして、メニューオブジェクト1601の奥行き位置を制御部1702から出力された最大値に基づいて、その最大値よりも大きな値となるようにメニューオブジェクト1601と項目ボタンオブジェクトの奥行き位置を設定し(ステップS2005)、メニューオブジェクト1601を構成するすべての項目ボタンオブジェクト1602、1603、1604、1605のオブジェクトデータを映像信号処理部105に出力する。
映像信号処理部105は、3D変換部1704とメニュー変換部1705から受け取ったオブジェクトデータに基づいて立体映像を作成する(ステップS2006)。
表示部110は、映像信号処理部105で作成された立体映像を表示する(ステップS2007)。
なお、図20に示した処理手順には、メニューオブジェクト1601以外で表示映像を構成するオブジェクトの奥行き幅や奥行き位置を変更する処理が記載されていないが、その処理は、例えば第1、第2の実施の形態に記載した処理方法により行えばよい。
次に、第3の実施の形態を図21に示した表示映像に基づいて説明する。
図21は、メニュー表示が行われる前の表示画面2101に映し出される表示映像であり、表示映像は人物オブジェクト2102と家オブジェクト2103から構成されている。さらに、表示映像を上から眺めたときの、x軸座標値とz軸座標値による各オブジェクトの位置が示されている。
視聴者はメニュー表示を行うために、入力部107からメニューオブジェクト1601を表示要求する。
次に、制御部1702は、記憶部1703からメニューオブジェクト1601のオブジェクトデータを取得する。
そして、メニューオブジェクト1601のオブジェクトデータのうち構成オブジェクトID格納情報1802からメニューオブジェクト1601を構成する項目ボタンオブジェクトのオブジェクトIDを読み取り、記憶部1703から項目Aボタンオブジェクト1602、項目Bボタンオブジェクト1603、項目Cボタンオブジェクト1604、項目Dボタンオブジェクト1605のオブジェクトデータを取得し、メニューオブジェクト1601と取得した項目ボタンオブジェクト1602、1603、1604、1605をメニュー変換部1705に出力する。
更に、制御部1702は、3D変換部1704から、表示映像を構成するオブジェクトのうち、最も大きい奥行き位置の値を取得し、メニュー変換部1705に出力する。図21では、人物オブジェクト2102が家オブジェクト2103よりも手前にあるので、制御部1702は人物オブジェクト2102の奥行き位置をメニュー変換部1705に出力する。
なお、3D変換部1704は、予め視聴者が定めた倍率値に基づいて表示映像を構成する人物オブジェクト2102と家オブジェクト2103の奥行き幅を狭めて表示するように、それぞれのオブジェクトデータのオブジェクト表示情報を変更する。この処理については、既に第1の実施の形態で述べたので、説明を省略する。
メニュー変換部1705は、制御部1702から送られたメニューオブジェクト1601と項目ボタンオブジェクトに対して、映像を構成するすべてのオブジェクトよりも手前に位置するような処理を行ったあと、映像信号処理部105に出力する。つまり、人物オブジェクト2102がメニューオブジェクト1601とそれぞれの項目ボタンオブジェクト1602、1603、1604、1605の奥行き位置よりも奥側となるように奥行き位置が設定される。
映像信号処理部105は、3D変換部1704とメニュー変換部1705から送られてくるオブジェクトデータに基づき、メニューオブジェクト1601と人物オブジェクト2102と家オブジェクト2103の立体映像を作成し、表示する。
上記処理により、図21に示した表示映像は図22のようになる。
図22によれば、人物オブジェクト2201と家オブジェクト2202は、人物オブジェクト2102と家オブジェクト2103と比較して倍率値分だけ奥行き幅が狭められて表示されている。また、メニューオブジェクト2203の奥行き位置が、映像を構成する他のオブジェクトの奥行き位置よりも手前に位置して表示されるようになる。その結果、メニューオブジェクト2203が他のオブジェクトと比較して際立って表示され、メニューの視認性が向上する。なお、上に示した例において、倍率値は1以下の値であれば任意の値を設定してよい。
ところで、メニューが表示されている最中に、メニューの前方にオブジェクトが移動することがある。例えば、図23に示すように、メニューオブジェクト2203の後方に位置するオブジェクト2302は矢印2303に沿って移動し、メニューオブジェクト2203の前方に移動する。その結果、表示されたメニューオブジェクト2203の一部分がオブジェクト2302によって遮られてしまい、メニューオブジェクト2203の内容が正しく認識できなくなる。
そこで、メニューオブジェクト2203の前方にオブジェクト2302が移動しても、視聴者がメニューオブジェクト2203の表示を確認できるように、3D変換部1704は図24に示す処理を行う。
なお、第3の実施の形態における以下の説明において、メニューオブジェクト2203の奥行き位置は、メニューオブジェクト2203とメニューオブジェクト2203を構成する項目ボタンオブジェクトのうちで最も小さな値をとる奥行き位置のことを指すものとする。
まず、制御手段を介してメニュー変換部1705からメニューオブジェクト2203の奥行き位置の値を取得する(ステップS2401)。
次に、メニューオブジェクト2203以外で映像を構成するオブジェクトの中から一つオブジェクトを選び出し、そのオブジェクトの奥行き位置を求め(ステップS2402)、メニューオブジェクト2203の奥行き位置とメニューオブジェクト2203以外で表示されているオブジェクト2302の奥行き位置との大小を比較する(ステップS2403)。
もし、メニューオブジェクト2203の奥行き位置より手前となる奥行き位置を有するオブジェクト2302があれば(ステップS2403でY)、オブジェクト2302の奥行き位置をメニューオブジェクト2203の奥行き位置より手前とならないように変更する(ステップS2404)。
その後、メニューオブジェクト2203以外で表示されているすべてのオブジェクトのオブジェクトIDが確認されたかどうかを調べる(ステップS2405)。
もし、メニューオブジェクト2203以外で表示されているすべてのオブジェクトのオブジェクトIDが確認されたならば(ステップS2405でY)、3D変換部1704が行う処理を終了する。
もし、メニューオブジェクト2203以外で表示されているすべてのオブジェクトのオブジェクトIDが確認されていなければ(ステップS2405でN)、ステップS2402に戻って処理を継続する。
図25は、図24に示した処理を施したときの表示画面を示したものである。3D変換部1704は、表示映像を構成するオブジェクトのうち、メニューオブジェクト2203の奥行き位置よりも大きな値である奥行き位置を有するオブジェクト2302に対して、メニューオブジェクト2203の奥行き位置よりも小さな値をとるように奥行き位置を変更する。
そのため、メニューオブジェクト2203よりも前方に移動しようとするオブジェクト2302の奥行き位置を変更することにより、メニューオブジェクト2203の表示は遮られないようになる。
なお、オブジェクト2302の奥行き位置の制御に関しては、図25に示したオブジェクト2302の動きを示した矢印に限らず、一例を示したものである。
なお、図24に示した処理手順のステップS2404で、メニューオブジェクト2203の奥行き位置よりも大きな値をとる奥行き位置を有するオブジェクト2302があれば、メニューオブジェクト2203の奥行き位置をオブジェクトの奥行き位置よりも大きくなるように変更してもよい。
また、図24に示した処理手順のステップS2404で、メニューオブジェクト2203の奥行き位置より大きな奥行き位置を有するオブジェクト2302があれば、そのオブジェクト2302の表示色を映像信号処理部105において半透明に変更するようにしてもよい。半透明に変更することにより、オブジェクト2302がメニューよりも手前に移動しても、視聴者はメニューの表示を見ることができる。
なお、図26に示すように、メニューオブジェクト2203の手前に新たにオブジェクト2601が現れる場合もある。このような場合にも、図24に示した処理手順に従うことにより、手前に新たに現れるはずのオブジェクト2601をメニューオブジェクト2203の奥側に移動させた上でオブジェクト2602として表示させることができる。
なお、図24に示した処理は、メニューオブジェクト2203のように複数のオブジェクトから構成されるオブジェクトだけでなく、例えば第1の実施の形態で述べたような1つから成るオブジェクトに対しても適応できるものである。
ところで、図22において、視聴者が入力部107からメニューに表示されている項目ボタンを選択しているとき、メニュー変換部1705は選択している項目ボタンオブジェクトの奥行き幅を広くすることにより、更に見やすいメニュー表示を行うことができる。
以下、メニュー変換部1705の処理手順について、図22とともに図27を用いて説明を行う。
まず、入力部107から現在視聴者が選んでいる項目ボタンオブジェクトのオブジェクトIDを受け取る(ステップS2701)。例えば、図22において項目Aボタンオブジェクト1602を選択したとする。
次に、受け取ったオブジェクトIDを有する項目Aボタンオブジェクト1602をメニュー変換部1705から探し出す(ステップS2702)。
次に、探し出した項目Aボタンオブジェクト1602の奥行き幅を広くして、奥行き位置が前面に出るように、オブジェクト表示情報を変更する(ステップS2703)。
なお、変更方法については、例えば第1の実施の形態のように行えばよい。その際、奥行き位置が前面に出るようにして奥行き幅を広めるために、例えば、((1−倍率値)×(オブジェクトを構成するドットのうち最小値のz軸座標値)+(倍率値)×(各ドットのz軸座標値))に基づいて変更することが望ましい。この式によれば、オブジェクトの奥行き幅を変更する際に、オブジェクトの奥行き位置が変更される。
そして、変更したオブジェクト表示情報を映像信号処理部105に出力する(ステップS2704)。
図28は、図22の後に、視聴者がメニューオブジェクト2203のうち項目Aボタンオブジェクト1602を選んでいる状態を示すものである。図28によれば、視聴者が現在どのボタンを選択しているのかが瞬時に分かり、操作性が向上するものである。また、項目Aボタンオブジェクト1602は、メニューオブジェクト2203よりも前方に出ているため、他の項目ボタンオブジェクトよりも若干大きく表示されて見える。
なお、図28では選択した項目Aボタンオブジェクト2601を、その奥行き幅を広めることにより他の項目ボタンオブジェクトよりも強調して表示したが、選択した項目Aボタンオブジェクト2601以外の、項目Bボタンオブジェクト1603、項目Cボタンオブジェクト1604、項目Dボタンオブジェクト1605の奥行き幅を狭めて表示してもよい。
また、制御部1702は、項目Aボタンオブジェクト2601の奥行き位置を更に前面に移動するように、項目Aボタンオブジェクト2601のオブジェクトデータを変更するようにしてもよい。その結果、項目Aボタンオブジェクト2601は前面に表示され、また他の項目ボタンオブジェクトよりも大きく表示されて見え、視聴者が現在どのボタンを選択しているのかが瞬時に分かり、操作性が向上する。
また、制御部1702は、項目Bボタンオブジェクト1603、項目Cボタンオブジェクト1604、項目Dボタンオブジェクト1605の奥行き位置を更に奥側に移動するように、それぞれの項目ボタンオブジェクト1603、1604、1605のオブジェクトデータを変更するようにしてもよい。
ところで、視聴者が入力部107により項目Aボタンオブジェクト1602を選択決定したとき、さらに新たな下位階層のメニューが表示される。
このように、上位階層に対して下位階層メニューが表示されたとき、上位階層のメニューオブジェクト2203に対して下位階層のメニューオブジェクトの奥行き幅を更に広く設定することにより、更に視聴者にとって見やすいメニュー表示を行うことができる。
なお、第3の実施の形態における以下の説明において、メニューオブジェクトのリンクオブジェクトID格納情報に記載のオブジェクトIDを有するメニューオブジェクトのことを下位階層のメニューオブジェクトとし、リンクオブジェクトID格納情報に下位階層のメニューオブジェクトのオブジェクトIDを有するメニューオブジェクトのことを下位階層のメニューオブジェクトに対して上位階層のメニューオブジェクトとする。
そこで、メニュー変換部1705の処理手順について述べ、そのフローを図29に示し、説明する。
まず、入力部107から、視聴者が選択した項目ボタンオブジェクトのオブジェクトIDを受け取る(ステップS2901)。
次に、項目ボタンオブジェクトのオブジェクトIDを有する項目ボタンオブジェクトを探し出す(ステップS2902)。
次に、探し出した項目ボタンオブジェクトのリンクオブジェクトID格納情報を読みとる(ステップS2903)。
次に、リンクオブジェクトID格納情報に指定されたオブジェクトIDを有するオブジェクトを制御部1702を通じて記憶部1703から取得する(ステップS2904)。
次に、制御部1702から取得したオブジェクトの奥行き幅が広まるようにオブジェクト表示情報を変更する(ステップS2905)。なお、変更方法については、既に第1の実施の形態で述べたのでここでは説明を省略する。
そして、変更したオブジェクト表示情報を映像信号処理部105に出力する(ステップS2906)。
次に、図29に示した処理手順を、図22に示した表示映像に基づいて説明する。
まず、入力部107から、視聴者が項目Aボタンオブジェクト1602を選択決定する。
その後、メニュー変換部1705は、項目Aボタンオブジェクト1602のオブジェクトデータを探し出す。
次に、項目Aボタンオブジェクト1602のリンクオブジェクトID格納情報を読みとり、次に表示する下位階層のメニューオブジェクトのオブジェクトIDを取得する。この場合、リンクオブジェクトID格納情報に「910」という情報が格納されているとする。
メニュー変換部1705は、制御部1702を介して、新たな下位階層としてオブジェクトID「910」を有するオブジェクトを表示するためのオブジェクトデータを記憶部1703から取得する。
次に、上位階層に対して下位階層のメニューオブジェクトの奥行き幅を広く表示するために、奥行き幅を変更する。なお、本実施の形態では上位階層に対して一つ下位である階層のメニューオブジェクトの奥行き幅を2倍に変更するものとする。また、上位階層に対する下位階層のメニューオブジェクトの奥行き幅は、視聴者がリモコン等の制御装置から入力を行い設定してもよいし、視聴者等により予め設定してもよいものとする。
そして、変更された下位階層のメニューオブジェクトのオブジェクトデータは映像信号処理部105に出力され、表示される。
図29に示した処理手順の結果、図30に示す表示映像が得られる。
図30には、上位階層であるメニューオブジェクト2203に対して、その下位階層であるメニューオブジェクト3001が表示されたものである。図30によれば、視聴者が最も注視する可能性が高い、つまり視聴者の注目度が高いと考えられる下位階層メニューオブジェクト2801の奥行き幅を上位階層メニューオブジェクト2203よりも広くすることにより、映像を構成する他のオブジェクトと表示が差別化され、操作性が向上する。
なお、上記では、下位階層のメニューオブジェクト3001を際立たせて表示するために、上位階層に対して下位階層のメニューオブジェクト3001の奥行き幅を広めて表示したが、逆に上位階層のメニューオブジェクト2203の奥行き幅を下位階層のメニューオブジェクト3001の奥行き幅に対して狭めて表示してもよい。このとき、図29に示した処理手順において、ステップS2902において、メニュー項目選択部178から受け取った項目Aボタンオブジェクト1602のオブジェクトIDを有する項目ボタンオブジェクト以外の項目ボタンオブジェクトを探し出し、ステップS2903、ステップS2904の後、ステップS2905において制御部1702から取得したオブジェクトの奥行き幅が狭まるようにオブジェクト表示情報を変更して、ステップS2906を行っても良い。
要は、下位階層のメニューオブジェクト3001を際立たせて表示するために、上位階層のメニューオブジェクト2203の奥行き幅と比較して、下位階層のメニューオブジェクト3001の奥行き幅が広くなっていればよい。
以上から、第3の実施の形態によれば、メニューオブジェクトのような、指定されたオブジェクトを最前面に表示し、指定されたオブジェクトを構成するオブジェクト以外のオブジェクトの奥行き幅を狭めて表示することにより、指定されたオブジェクトが見やすくなる。さらに、指定されたオブジェクトを他のオブジェクトにより表示が遮られなくすることができる。
また、視聴者が注目したいと考える、例えば項目ボタンのようなオブジェクトや下位階層のオブジェクトの奥行き位置が前面に出てくるように、これらのオブジェクトの奥行き幅を広くすることにより、指定されたオブジェクトの視認性を向上することができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、視聴者が関心を持つ可能性が高いと考えられるオブジェクト自体の奥行き幅を調整することにより、見やすい映像を提供するものである。
そこで、本発明をチャンネルとそのチャンネルに対応する放送番組が表示される放送番組一覧表示に適用した例を説明する。この放送番組一覧表示は、視聴者は視聴率の高い番組ほど関心があるという観点から、番組名を表示する際に、その番組の視聴率を反映させた表示を行うものである。換言すれば、番組の視聴率を注目度として見なし、視聴者の視聴率、つまり注目度が高い番組名を表示しているオブジェクトの奥行き幅ほど、その幅が広くなるようにオブジェクトのオブジェクトデータを変更するものである。
図31は、放送番組一覧表示を行う放送番組一覧オブジェクト3101であり、放送番組一覧オブジェクト3101はチャンネル表示オブジェクト3102、番組名表示オブジェクト3103、放送時刻表示オブジェクト3104により構成されている。
図32は、放送番組一覧表示を行う受信装置3201であり、受信部102と分離部103、デコーダ104、映像信号処理部105、入力部107、制御部3202、番組一覧制御部3203、記憶部108、視聴率記憶部3204、3D変換部3205、表示部110を備えている。なお、図32において、図1と同様の構成には同一番号を付し、説明は図1のものを援用する。
視聴率記憶部3204は、送信装置やインターネット等から送信される各番組の視聴率を格納する。そして、後述する番組名表示オブジェクト3103のチャンネル表示情報に格納されているチャンネルに対応する番組の視聴率を、番組名表示オブジェクト3103の視聴率情報に書き込む。
制御部3202は、入力部107から放送番組一覧表示要求が出されたとき、記憶部108から放送番組一覧オブジェクト3101とチャンネル表示オブジェクト3102、番組名表示オブジェクト3103、放送時刻表示オブジェクト3104のオブジェクトデータを取得し、番組一覧制御部3203に出力する。
番組一覧制御部3203は、制御部3202から出力される放送番組一覧オブジェクト3101のオブジェクトデータと番組名表示オブジェクト3103を受け取る。そして、放送番組一覧オブジェクト3101を構成する番組名表示オブジェクト3103に対して所定の処理を行い、映像信号処理部105に出力する。
図33には、放送番組一覧オブジェクト3101のオブジェクトデータが示されており、オブジェクトID3301と、構成オブジェクトID情報3302と、オブジェクト表示情報3303が格納されている。構成オブジェクトID情報3302には、放送番組一覧オブジェクト3101を構成するオブジェクトのオブジェクトIDが格納されている。
また、図34には、番組名表示オブジェクト3103のオブジェクトデータが示されており、オブジェクトID3401と、チャンネル表示情報3402と、視聴率情報3403と、オブジェクト表示情報3404により構成されている。
チャンネル表示情報3402には、番組が放送されるチャンネルが格納されている。視聴率情報3403には、そのチャンネルで放送される番組の視聴率が格納されている。また、オブジェクト表示情報3404には、番組の番組名を表示するためのデータが格納されている。
なお、チャンネル表示オブジェクト3102、放送時刻表示オブジェクト3104のオブジェクトデータは、図2で示したものと同様の構成であり、オブジェクト表示情報に表示する文字データが格納されている。
次に、第4の実施の形態の受信装置3201が行う処理手順について述べ、そのフローを図35に示す。
まず、視聴者は入力部107から放送番組一覧オブジェクト3101の表示要求をする(ステップS3501)。
次に、制御部3202は記憶部108から放送番組一覧オブジェクト3101のオブジェクトデータを取得する(ステップS3502)。
さらに、放送番組一覧オブジェクト3101の構成オブジェクトID情報から、必要なチャンネル表示オブジェクト3102、番組名表示オブジェクト3103、放送時刻表示オブジェクト3104のIDを取得し、記憶部108からそれらを取得する(ステップS3503)。
そして、放送番組一覧オブジェクト3101とチャンネル表示オブジェクト3102、番組名表示オブジェクト3103、放送時刻表示オブジェクト3104のオブジェクトデータを番組一覧制御部3203に出力する(ステップS3504)。
番組一覧制御部3203は、番組名表示オブジェクト3103の視聴率情報3403から視聴率を取得し、各番組の視聴率に応じて番組名表示オブジェクト3103の奥行き幅を設定する(ステップS3505)。例えば、視聴率が1%であるときのオブジェクトの奥行き幅を予め決めておき、各番組の視聴率に対して(視聴率)×(視聴率が1%であるときの奥行き幅)に基づいてそれぞれの番組名を表すオブジェクトの奥行き幅を決定する。
映像信号処理部105は、番組一覧制御部3203で設定された奥行き幅に基づきメニューの立体映像を作成する(ステップS3506)。作成された立体映像は表示部110を介して表示される(ステップS3507)。
なお、放送番組一覧オブジェクト3101以外の表示映像を構成しているオブジェクトに関しては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に示した処理が行われている。しかし、放送番組一覧が全画面に表示されるのであれば、特にその処理は行われなくてもよい。
次に、上記処理を行った結果表示される表示映像について図36をもとに説明を行う。
図36は、左端にチャンネル数を表示するチャンネル表示オブジェクト3102と、各チャンネルに対応した放送時刻表示オブジェクト3104と番組名表示オブジェクトが配置されている。そして、チャンネル100で放送される「Program A」という番組を表示している番組名表示オブジェクト3601の奥行き幅が最も広く、次いで「Program D」を表示している番組名表示オブジェクト3602と「Program E」を表示している番組名表示オブジェクト3603、「Program B」を表示している番組名表示オブジェクト3604と「Program C」を表示している番組名表示オブジェクト3605という順番で奥行き幅が狭くなっている。
これは、表示されている番組名の視聴率に基づき決定されたもので、視聴率が高い番組であるほど番組名表示オブジェクトの奥行き位置が前面に出でくるように奥行き幅を広くすることによって、視聴者の関心が高いと考えられる高視聴率番組を目立ちやすく表示している。
なお、視聴率により番組名表示オブジェクトの奥行き幅を決定する場合を説明したが、視聴率に限るものではない。例えば、視聴者が一定期間に見る番組の回数に基づき奥行き幅を決定したり、予めお好みの番組を登録しておき、放送番組一覧表の中にお好みの番組が表示されたとき、その番組を表示しているオブジェクトが、例えば他の番組を表示しているオブジェクトよりも前面に出てくるように奥行き幅を広くなるように設定してもよい。また、視聴者が予めお好みの番組ジャンルを入力しておき、その番組ジャンルの番組を表示しているオブジェクトが前面に出てくるように奥行き幅を広くなるように設定してもよい。
また、番組名表示オブジェクトを前面に出てくるように表示するためには、例えば第1の実施の形態で述べたような処理により、番組名表示オブジェクトの奥行き位置を前面に出してもよい。
なお、視聴率が高い番組であるほど番組名表示オブジェクトの奥行き位置が前面に出でくるように奥行き幅を広くしたが、視聴率が低い番組であるほど番組名表示オブジェクトの奥行き位置が奥側に引っ込むように奥行き幅を狭くしてもよい。
以上から、第4の実施の形態によれば、視聴者が関心を持つ可能性が高いと考えられるオブジェクトの奥行き位置ほど、より前面に出るように調整することにより、見やすい映像を提供できる。
特に、放送番組が表示される放送番組一覧表示に適用することにより、視聴者の関心の高い番組が際立って表示することができる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、第1の実施の形態等で述べたオブジェクトに対する処理を、多画面表示に応用したものである。
多画面表示とは、1つの表示画面上に複数の表示小画面を表示するものである。視聴者は、複数の表示小画面のうち一つの表示小画面を選択し、その表示小画面を通して映像を観ることができる。また、それぞれの表示小画面には別々の内容の映像が映し出されている。
第5の実施の形態では、説明を簡便にするために2つの表示小画面を有する多画面表示を行う場合を例にとる。
多画面表示を行うために、多画面一覧オブジェクトを用いる。図37は、多画面一覧オブジェクト3701を表すものであり、多画面一覧オブジェクト3701は表示小画面を映し出すための画面オブジェクト3702、3703から構成されている。さらに、画面オブジェクト3702、3703は、画面オブジェクト3702、3703を備えるオブジェクト3704,3705から構成されている。また、画面オブジェクト3702、3703を構成するオブジェクトト3704,3705の奥行き位置と奥行き幅が分かるように、x軸座標軸とz軸座標軸を示す。
図38は、多画面一覧表示機能を有する受信装置3801の構成を示すものである。受信装置3801は、受信部102、分離部103、デコーダ104、記憶部3802、制御部3803、入力部107、多画面生成部3804、映像格納部3805、映像信号処理部105、多画面3D変換部3806、表示部110を備えている。
制御部3803は、入力部107から多画面一覧表示の表示要求が出されたとき、記憶部3802から多画面一覧オブジェクト3701と多画面一覧オブジェクト3701を構成する画面オブジェクト3702、3703を取得し、多画面3D変換部3806に出力する。更に、視聴者が現在選択している画面オブジェクトのオブジェクトIDも、選択が切り替えられる度に多画面3D変換部3806に出力される。
また、制御部3803はそれぞれの表示小画面に映し出される映像の映像信号を取得するために、一定時間毎に画面オブジェクトに対応した映像信号を受信するように受信部102を制御する。
更に、制御部3803は、受信部102で受信している映像信号から得られるオブジェクトによって構成される画面オブジェクトのオブジェクトIDを多画面生成部3804に出力する。
多画面生成部3804は、デコーダ104から出力される映像信号に対して、所定の処理を行った後、その映像信号を映像格納部3805または多画面3D変換部3806に出力する。
映像格納部3805は、多画面生成部3804から映像格納部3805へ出力された映像信号と、多画面生成部3804から多画面3D変換部3806へ出力される映像信号とが同時に多画面3D変換部3806へ出力されるために設けられたものである。従って、多画面生成部3804から多画面3D変換部3806へ出力される映像信号に合わせて、映像格納部3805に格納された映像信号は多画面3D変換部3806に出力される。
多画面3D変換部3806は、現在視聴者によって選択されている画面オブジェクト以外の画面オブジェクトを構成するオブジェクトに対して、奥行き幅が更に狭くなるようにオブジェクトデータに変更を行い、そのオブジェクトデータを映像信号処理部105へ出力する。
なお、入力部107から多画面一覧表示の表示要求が出されていないときは、デコーダ104から出力された信号は多画面生成部3804を通り、多画面3D変換部3806へ出力する。多画面3D変換部3806では、第1の実施の形態等で述べた3D変換部と同様の処理を行い、表示映像を構成するオブジェクトのオブジェクトデータに対して処理が行える。
次に、図38に示した受信装置3801が扱うオブジェクトデータについて説明する。
まず、多画面一覧オブジェクト3701のオブジェクトデータは、図39に示すように、オブジェクトID3901と、構成画面オブジェクトID情報3902と、オブジェクト表示情報3903から構成されている。構成画面オブジェクトID情報3902には、多画面一覧オブジェクト3701を構成する画面オブジェクト3702、3703のオブジェクトIDが格納されている。
また、画面オブジェクト3702、3703のオブジェクトデータは、図2で述べた構成と同様のものとする。
また、多画面生成部3804は、デコーダ104から出力される映像信号に含まれるそれぞれのオブジェクトデータについて、図2に示されるようなオブジェクトデータから、図40に示すようなオブジェクトデータに変換する。変換されたオブジェクトデータは、オブジェクトID4001と画面オブジェクトID情報4002、オブジェクト表示情報4003から構成されている。画面オブジェクトID情報4002には、オブジェクトID4001を有するオブジェクトがどの画面オブジェクトに属するものであるかの識別を行えるように、画面オブジェクトのオブジェクトIDが格納されている。
次に、第5の実施の形態の受信装置3801が行う処理手順について述べ、そのフローを図41に示し、図37とともに説明する。なお、以下の説明において、画面オブジェクト3702、3703のオブジェクトIDをそれぞれ「1001」、「1002」とする。 まず、視聴者は入力部107から多画面一覧の表示要求を行う(ステップS4101)。
次に、制御部3803は、記憶部3802から多画面一覧オブジェクトのオブジェクトデータを取得する(ステップS4102)。
次に、制御部3803は多画面一覧オブジェクトの構成オブジェクトID情報から必要な画面オブジェクトを記憶部3802から取得し、多画面3D変換部3806に出力する(ステップS4103)。
次に、制御部3803は、入力部107から出力された現在視聴者が選択している画面オブジェクトのオブジェクトIDを受け取り、多画面3D変換部3806へ出力する(ステップS4104)。図37に則すると、視聴者が画面オブジェクト3702を選択しているとすると、制御部3803は画面オブジェクト3702のオブジェクトID「1001」を受け取り、多画面3D変換部3806へ出力する。
また、制御部3803は、受信部102に対して受信するチャンネルを指定するとともに、指定したチャンネルを表示している画面オブジェクトのオブジェクトIDを多画面生成部3804に出力する(ステップS4105)。
図37に則すと、制御部3803は、まずチャンネルが2である画面オブジェクト3703を構成するオブジェクトを受信するように受信部102を制御し、画面オブジェクト3703のオブジェクトID「1002」を多画面生成部3804に出力する。
次に、多画面生成部3804は、制御部3803から受け取った画面オブジェクト3703のオブジェクトID「1002」を、デコーダ104から出力されている映像信号に含まれるオブジェクトデータに付加して、図40に示すようなオブジェクトデータに変換し、映像格納部3805に出力する(ステップS4106)。なお、映像格納部3805に格納された映像信号は、他の映像信号が多画面生成部3804から多画面3D変換部3806に出力されるまでの間、格納される。
次に、制御部3803は、受信部102に対してステップS4106で指定したチャンネル以外のチャンネルを指定するとともに、多画面生成部3804に対して指定したチャンネルを表示している画面オブジェクトのオブジェクトIDを出力する(ステップS4107)。
図37に則すと、制御部3803は、受信部102に対してチャンネルが1である映像信号を受信するように制御し、多画面生成部3804に対してチャンネルが1である映像を表示している画面オブジェクト3702のオブジェクトID「1001」を出力する。
次に、多画面生成部3804は、制御部3803から受け取った画面オブジェクト3702のオブジェクトID「1001」を、デコーダ104から出力されている映像信号に含まれるオブジェクデータに付加して、図40に示すようなオブジェクトデータに変換し、多画面3D変換部3806に出力する。この時、ステップS4106で述べた映像格納部3805に格納されていた映像信号も多画面3D変換部3806に同時に出力される(ステップS4108)。
多画面3D変換部3806は、制御部3803から出力された現在視聴者が選択している画面オブジェクト3702のオブジェクトIDと、多画面生成部3804あるいは映像格納部3805から送られる変換されたオブジェクトデータの画面オブジェクトID情報とを比較し(ステップS4109)、一致しない画面オブジェクトID情報を有する変換されたオブジェクトデータに対して、オブジェクト3705の奥行き幅を狭めるように設定し、映像信号処理部105へ出力する(ステップS4110)。
図37に則すと、ステップS4104で受け取った視聴者が選択している画面オブジェクト3702のオブジェクトID「1001」と、ステップS4108より多画面生成部3804から送られる変換されたオブジェクトデータの画面オブジェクトID情報である「1001」と、ステップS4106より映像格納部3805から送られる変換されたオブジェクトデータの画面オブジェクトID情報である「1002」とを比較する。
そして、多画面3D変換部3806は、ステップS4104で受け取ったオブジェクトID「1001」を有さないID情報を格納しているオブジェクト、即ち、変換されたオブジェクトデータの画面オブジェクトID情報に「1002」が格納されているオブジェクトの奥行き幅を狭めるように設定し、映像信号処理部105へ出力する。そして、映像信号処理部105で立体映像を作成し(ステップS4111)、表示部110において表示する(ステップS4112)。
なお、ステップS4110において、オブジェクト3704の奥行き幅を狭めるために記憶部3802から予め設定された倍率値を用いてもよいし、また、視聴者が数値入力を行ったり、図7や図8で述べたような操作ハンドルを備えたリモコンにより設定してもよい。
次に、上記した処理手順による表示映像について説明を行う。
図42は、図37において、視聴者が入力部107から画面オブジェクト3702を選択したときの表示結果示すものであり、画面オブジェクト3702は画面オブジェクト4202に、画面オブジェクト3703は画面オブジェクト4203に対応している。また、画面オブジェクト4202はオブジェクト4204から構成されており、画面オブジェクト4203はオブジェクト4205から構成されている。
図42では、画面オブジェクト4203を構成しているオブジェクト4205の奥行き幅は狭めて表示されている。
その結果、画面オブジェクト4202を構成するオブジェクト4204は画面オブジェクト4203を構成するオブジェクト4205と比較して際立って表示され、視聴者は選択した画面オブジェクト4202をすぐに認識することができる。
なお、第5の実施の形態では、説明を簡便にするために2つの表示小画面を有する多画面表示を例に挙げたが、2つ以上の表示小画面を有した多画面表示でもよい。
以上から、第5の実施の形態によれば、複数の画面オブジェクトから構成される多画面一覧オブジェクトにおいて、選択した画面オブジェクト以外の画面オブジェクトを構成するオブジェクトの奥行き幅を狭めることにより、選択した画面オブジェクトからの表示映像が際立って表され、視聴者は選択した表示小画面が見やすくなる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は、オブジェクトデータを送信する送信装置と、第1の実施の形態等で述べたようにそのオブジェクトデータを受信し、そのオブジェクトデータの奥行き方向に関する情報に関して変更を行える受信装置とから構成される放送システムであり、例えばBSデジタル放送を実現する衛星放送システム等である。さらに、送信装置側において、番組制作者等が特定のオブジェクトを指定し、受信装置ではその特定されたオブジェクト以外で受信装置の表示映像に映っているオブジェクトの奥行き方向に関する情報について変更できるようなデータを送信する送信装置と、そのデータに基づいてオブジェクトの処理を行うことができる受信装置とを備えた放送システムである。
図43は、第6の実施の形態である放送システムの構成を示すものである。放送システム4301は、送信装置4302と受信装置4303を備える。
送信装置4302は、音声信号送出部4304と映像信号送出部4305、多重化部4306、変調部4307、送信部4308を備えている。
また、受信装置4303は、受信部102と分離部103、デコーダ104、映像信号処理部105、制御部106、入力部107、記憶部108、3D変換部109、表示部110を備えている。
まず、送信装置4302について説明を行う。音声信号出力部4304と映像信号出力部4305からは映像表示を行うための音声信号とオブジェクトデータを含む映像信号が出力される。なお、映像信号は必ずしもオブジェクトデータを含むものでなくてもよく、平面的な映像の表示を行うためのデータも扱うことができる。
そして、多重化部4306は、音声信号出力部4304と映像信号出力部4305から出力される信号を多重化する。多重化された信号は、変調部4307で変調され、送信される。
一方、受信装置4303は、送信装置4302から送信されてくる信号を受信して以下その処理を行うが、その処理については、第1の実施の形態等で述べた処理手順をと同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、図43に示した受信装置4303は、第1の実施の形態と第2の実施の形態で挙げた受信装置を示したが、第3の実施の形態で述べた図17の受信装置や、第4の実施の形態で述べた図30の受信装置、第5の実施の形態で述べた図36の受信装置でもよい。
次に、送信装置側において、番組制作者等が特定のオブジェクトを指定し、受信装置ではその特定されたオブジェクト以外で受信装置の表示映像に映っているオブジェクトの奥行き方向に関する情報について変更できるようなデータを送信する送信装置と、そのデータに基づいてオブジェクトの処理を行うことができる受信装置とを備えた放送システムについて述べる。
図44は、第6の実施の形態である放送システムの構成を示すものである。放送データ通信システム4401は、送信装置4402と受信装置4403を備える。
送信装置4402は、音声信号送出部4304と映像信号送出部4305、映像付加情報送出部4406、操作部4407、多重化部4306、変調部4307、送信部4308を備えている。
また、受信装置4403は、受信部102と分離部103、デコーダ104、映像信号処理部105、制御部106、入力部107、記憶部108、3D変換部4412、表示部110を備えている。
まず、送信装置4402について説明を行う。番組制作者は操作部4407を通して、例えば図45に示すような編集画面4501を用いて映像中のオブジェクトを選択し、そのオブジェクトに対して第1の実施の形態等で述べた処理を受信装置において行うように指定することができる。
編集画面4501には視聴者が視聴する表示映像が映し出される表示画面4502と、詳細なオブジェクトデータが表示されるデータ表示画面4503がある。番組制作者が、表示映像から表示画面4502に映し出されているオブジェクト4504を選択したとき、データ表示画面4503にはオブジェクト4504の奥行き位置や奥行き幅等が表示され、自由に変更することができる。また、倍率値と差分値に関しても、表示画面4502を確認しながら設定を行うことができる。
操作部4407で決定した操作内容を示すデータは映像付加情報送出部4406に出力され、映像付加情報送出部4406では、操作内容を示すデータに基づき図46に示すオブジェクトデータを作成する。
図46に示すオブジェクトデータは、オブジェクトID4601、操作コード4602、設定値4603、オブジェクト表示情報4604から構成される。
操作コード4602は、オブジェクトID4601により指定されたオブジェクト以外のオブジェクトに対してどのような処理を行うかを指定するための数値が格納されている。操作コード4602が1であるとき、設定値4603は第1の実施の形態で述べた倍率値を示すものとする。また、操作コード4602が2であるとき、設定値4603は第2の実施の形態で述べた差分値を示すものとする。また、操作コード4602が0であるときは、第1の実施の形態等で述べた処理を行わないものとする。
送信装置4402は、音声信号送出部4304から出力された音声信号と映像信号送出部4305から出力された映像信号以外に、もし映像付加情報送出部4406からオブジェクトデータが出力されたとき、映像信号と映像信号とオブジェクトデータを多重化部4306で多重化する。多重化部4306で多重化された信号は変調部4307で変調され、送信部4308で送信される。
受信装置は図46に示すようなオブジェクトデータを含む送信信号を受信したとき、図47に示す処理手順により処理を行う。
3D変換部4412は、デコーダ104から出力されたオブジェクトデータのうち操作コード4602を読み取り、操作コードが0であるかを調べる(ステップS4701)。
操作コード4602が0であるときは(ステップS4701でY)、第1の実施の形態、第2の実施の形態で述べた処理は行われず、オブジェクトデータを映像信号処理部105に出力する(ステップS4702)。
そして、映像信号処理部105は、3D変換部4412から受け取ったオブジェクトデータに基づいて立体映像を作成する(ステップS4703)。
表示部110は、映像信号処理部105で作成された立体映像を表示する(ステップS4704)。
ステップS4701において、読み取った操作コード4602の値が0でなければ(ステップS4701でN)、操作コード4602が1であるかを調べる(ステップS4705)。
操作コード4602が1であったとき(ステップS4705でY)、そのオブジェクトデータのうちオブジェクトIDと設定値4603から数値を読み込む(ステップS4706)。
そして、ステップS4706で読み込んだオブジェクトデータ以外で、操作コードや設定値を含んでいないオブジェクトデータを有するオブジェクトの奥行き幅を設定値4603の数値分だけ変更し、映像信号処理部105に出力する(ステップS4707)。
映像信号処理部105は、3D変換部4412から受け取ったオブジェクトデータに基づいて立体映像を作成する(ステップS4703)。
表示部110は、映像信号処理部105で作成された立体映像を表示する(ステップS4704)。
ステップS4705において、読み取った操作コード4602の値が1でなければ(ステップS4705でN)、操作コード4602が2であるかを調べる(ステップS4708)。
操作コード4602が2であったとき(ステップS4708でY)、そのオブジェクトデータのうちオブジェクトIDと設定値4603を読み込む(ステップS4709)。
そして、ステップS4709で読み込んだオブジェクトデータ以外で、操作コードや設定値を含んでいないオブジェクトデータを有するオブジェクトの奥行き位置を設定値4603の値の分だけ変更し、映像信号処理部105に出力する(ステップS4710)。
映像信号処理部105は、3D変換部4412から受け取ったオブジェクトデータに基づいて立体映像を作成する(ステップS4703)。
表示部110は、映像信号処理部105で作成された立体映像を表示する(ステップS4704)。
なお、第6の実施の形態は、操作コード4602と設定値4603を含むオブジェクトデータを受信したときに、必ずしも図47に示す処理手順が行われるものではない。例えば、受信装置側での設定によっては、たとえ操作コード4602と設定値4603を含むオブジェクトデータを受信したとしても、強制的に操作コード4602を0と書き換え、図47に示す処理を行わないようにしてもよい。また、操作コード4602を含まないで送信信号を受信したときは、操作コード4602が0であるものとして扱ってもよい。
また、上記処理では、ステップS4706やステップS4709で読み込んだオブジェクトデータ以外で、操作コードや設定値を含んでいないオブジェクトデータを有するオブジェクトの奥行き幅を設定値の数値分だけ変更したが、ステップS4706やステップS4709で読み込んだオブジェクトIDを有するオブジェクトのオブジェクトデータのみを変更するようにしてもよい。
その場合、ステップS4706やステップS4709において、オブジェクト表示情報4604に示されるオブジェクトを読み込み、ステップS4707やステップS4710において、読み込んだオブジェクトの奥行き幅や奥行き位置を設定値4603分だけ変更し、映像信号処理部105に出力するようにすればよい。
また、送信するオブジェクトデータは、上記の構成に限らず、特定のオブジェクトを指定するオブジェクトID4601のみを含むもの、操作コード4602のみを含むもの、設定値4603のみを含むものであってもよい。そのとき、指定されるオブジェクト、処理方法や設定値は、例えば受信装置で予め設定した値を用いる。
また、オブジェクトID4601、操作コード4602、設定値4603のみを含むオブジェクトデータにより、受信装置にすでに蓄積されているオブジェクトをオブジェクトID4601により指定することもできる。
なお、オブジェクトの奥行き位置と奥行き幅とを変更するように新たな操作コード4602を設け、受信装置に対して指定できるようにしてもよい。
なお、送信信号のオブジェクトデータに設定値が含まれていない場合や、あるいは受信装置が読み取れない場合は、受信装置で予め設定された倍率値や差分値に基づいて処理できるようにする。
また、送信信号のオブジェクトデータに操作コードや設定値が含まれている場合であっても、受信装置側でその設定値を使用するかどうかは任意であり、視聴者が受信装置に対して使用しないように設定することができる。また、送信信号のオブジェクトデータに含まれている操作コードや設定値を取得したとしても、予め設定された倍率値や差分値を用いて処理してもよい。
また、第1の実施に形態から第5の実施の形態では、入力部107によりオブジェクトを指定したが、第6の実施に形態ではオブジェクトID4601によりオブジェクトを指定する。しかし、制御部106は入力部107により指定されたオブジェクトでもオブジェクトID4601により指定されたオブジェクトでも同様に処理するため、オブジェクトを指定する方法の相違を除いては、第1に実施に形態から第5の実施の形態で述べた受信装置のオブジェクトの処理方法がそのまま適用できる。
以上から、第6の実施の形態によれば、送信装置と、送信装置から送信されるオブジェクトデータに対して、そのオブジェクトデータの奥行き方向に関する情報に変更を行える受信装置とを備える放送システムにより、立体的に表示される映像の視認性は向上し、視聴者の眼にかかる負担が軽減される。
また、送信装置側で番組制作者等が指定したオブジェクトを指定できる送信装置と、その指定したオブジェクト、あるいは指定したオブジェクト以外で表示映像を構成しているオブジェクトの奥行き方向に関する情報について変更できる受信装置とから構成される放送システムにより、番組制作者は視聴者に対して趣向を凝らした映像効果を提供できる。特に、番組制作者がテレビニュース速報などの重要な情報を表示したいときに活用でき、文字情報を表示できるため、視聴者が表示を見逃さないようにすることができる。
なお、第1の実施の形態から第6の実施の形態に示した受信装置において、必ずしも送信装置から映像データが送られてくるような形態に限らない。例えば、DVD等の蓄積メディアに記録されている映像データを表示する場合でも、本発明を実施できる。
なお、第1の実施の形態から第6の実施の形態に示した受信装置において、送信されてくる信号にオブジェクトデータが含まれていない場合や、平面的な映像の表示を行うためのデータしか含まれていない場合もある。その場合、まず受信装置において、受信した映像が立体的に表示されるものか、平面的に表示されるものかの判断は制御部で行われる。
視聴者が入力部から特定のオブジェクトを選択しようとするとき、入力部は制御部を通じて3D変換部からオブジェクトに関する情報を入手できるようにする。このときに、制御部はデコーダから取得したデータから、例えばz軸座標値が取得できるかどうかや立体映像信号の中に立体映像データであることを表すフラグの有無により、表示映像が立体表示か平面表示の判別を行い、もし受信しているデータが平面的に表示される映像データであるならば、視聴者にオブジェクトを選択できない旨を表示することができる。
しかし、受信しているデータが平面的に表示される映像データであっても、メニュー表示や多画面一覧表示、放送番組一覧表示に関しては、記憶部に記憶されているオブジェクトデータを参照して表示されるので、常時選択入力部から表示要求を行える。
そして、その時のメニュー表示に関しては立体表示を行ってもよいし、平面的に表示させてもよい。
また、受信しているデータが平面的に表示される映像データであっても、3D変換部において映像データに処理を行うことにより映像を立体化して見せるようにしてもよい。そのときは、例えば第1から第5の実施の形態で述べたように、映像の立体化の度合いを抑制しながらメニューの表示を行えばよい。
また、第1から第5の実施の形態では、オブジェクトデータを含む送信データを想定したが、送信装置から左眼と右眼用で相違する平面映像を送信データとすることにより、受信装置で立体映像を再現する方法も考えられる。
この場合、受信装置側の3D変換部では、メニュー以外の映像に関して、左眼と右眼用の平面映像の相違の度合いを緩和するように処理すれば、メニュー以外の映像は奥行きが狭まって表示されることが知られている。従って、送信データはオブジェクトデータを含むものでも、左眼と右眼用で相違する平面映像を含むものでも、本発明に影響を及ぼさない。
更に、本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。