JP2009289965A - GaN系半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】GaN系発光素子又はGaN系受光素子が2次元状に多数形成された半導体装置で、入射光や出射光が電極間の配線に遮られないようにしたGaN系半導体を提供する。
【解決手段】成長用基板1上に選択成長用マスク11が形成され、選択成長用マスク11の一部が除去された領域にAlNバッファ層2が形成される。AlNバッファ層2上には、アンドープGaN層3、n型GaN層4、活性層5、p型GaN層6が順に積層され、素子間を分離する分離溝Aが形成される。各GaN系半導体素子Dのp側透明電極8及びn電極7が半導体素子Dの光の取り出し面又は受光面側に形成される。各電極を接続する配線12、13の一部は、p側透明電極8と同じ材料で構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】成長用基板1上に選択成長用マスク11が形成され、選択成長用マスク11の一部が除去された領域にAlNバッファ層2が形成される。AlNバッファ層2上には、アンドープGaN層3、n型GaN層4、活性層5、p型GaN層6が順に積層され、素子間を分離する分離溝Aが形成される。各GaN系半導体素子Dのp側透明電極8及びn電極7が半導体素子Dの光の取り出し面又は受光面側に形成される。各電極を接続する配線12、13の一部は、p側透明電極8と同じ材料で構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、GaN系の半導体発光素子又は半導体受光素子が2次元状に多数形成されたGaN系半導体装置に関する。
従来から、基板上に複数の化合物半導体層を積層して形成した半導体発光素子又は半導体受光素子が知られている。半導体発光素子の代表的なものとしてLED(Light Emitting Diode)や半導体レーザ等が知られている。例えば、LEDは化合物半導体(GaAs、GaP、AlGaAs等)のpnまたはpinの接合を形成し、これに順方向電圧を印加することにより接合内部にキャリアを注入、その再結合の過程で生じる発光現象を利用したものである。このようなLEDは従来、GaAsやInPなどの単結晶基板上にGaAs、AlGaAs、InP、InGaAsPなどそれぞれの基板に格子整合した化合物半導体をLPE(liquid phase epitaxy)法、MOCVD(metal organic chemical vapordeposition)法、VPE(vapor phase epitaxy)法、MBE(molecular beam epitaxy)法などの結晶成長法を用いてエピタキシャル成長し、加工を施すことで製造される。
また、近年では、窒化物半導体が、照明、バックライト等用の光源として使われる青色LED、多色化で使用されるLED、LD等に用いられている。窒化物半導体発光素子では、サファイア基板等の基板上に、MOCVD法等を用いて、pnまたはpinの接合を形成する。一方で、窒化物半導体を用いて、青色や紫外領域の光を受光するフォトダイオード等の半導体受光素子が作製されている。
以上のような半導体素子を共通の基板上に多数形成して、アレイ状に半導体素子を配置した半導体装置が提案されている。例えば、特許文献1には、上記半導体装置の一例として、窒化物半導体を用いた発光装置が記載されている。
特開2004−6582号公報
特許文献1に示されるように、個々の半導体発光素子は、通常、p型GaN層上面を光取り出し面としているために、p型GaN層上にp型透明電極を形成し、p型透明電極と他の半導体発光素子の電極とをAu、Ti、Al等の金属配線により接続している。複数の半導体発光素子を共通の基板上に形成した場合、発光層からの光を遮らないようにするため、光取り出し面となるp型透明電極上面を金属配線が横切らないように、各素子の電極間を接続している。
しかし、発光層で発生した光は、p型透明電極上面方向だけではなく、上下左右360度方向に放射されるので、素子の側面から取り出される光や、素子の内部の反射によりn側電極上面方向に取り出される光もある。これらの光は、上記従来技術では、金属配線により吸収、反射されて遮られて取り出されることができないため、光の取り出し効率が低下するという問題があった。特許文献1では、電極間を接続する金属配線のため、素子の側面に放射される光が遮られるだけでなく、n側電極の面積が大きく形成され、そのn側電極の全面に金属配線が接続されているために、光が遮られる面積も大きく、光出力の低下が大きい。
上記従来技術では、発光装置について述べたが、半導体受光素子を2次元状に形成した受光装置についても、金属配線により、各素子のpn接合における空乏層に向かう光が遮られ、受光装置の検出感度を低下させるという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、GaN系発光素子又はGaN系受光素子が2次元状に多数形成された半導体装置で、入射光又は出射光が電極間の配線に遮られないようにしたGaN系半導体装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基板上にGaN系発光素子又はGaN系受光素子となる半導体素子が2次元状に複数形成されたGaN系半導体装置であって、前記半導体素子の正電極及び負電極が受光面側又は光取り出し面側に設けられ、GaN系半導体層と接する領域に前記正電極として透明電極が形成されるとともに、電極間を接続する配線の一部が透明電極材料で形成されていることを特徴とするGaN系半導体装置である。
また、請求項2記載の発明は、前記透明電極材料は、ZnO又はITOで構成されていることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体装置である。
また、請求項3記載の発明は、前記電極間を接続する配線の一部とは、ワイヤーボンディング電極領域を除く配線であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置である。
また、請求項4記載の発明は、前記正電極は、前記透明電極材料のみで構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置である。
また、請求項5記載の発明は、前記正電極は、前記透明電極と該透明電極上の一部に設けられた金属電極とで構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置である。
また、請求項6記載の発明は、前記負電極は、透明電極と同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置である。
また、請求項7記載の発明は、前記負電極は、金属電極であることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置である。
また、請求項8の発明は、前記金属電極は、Al膜、AlとNiの多層膜、TiとAuの多層膜のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項7のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置である。
本発明によれば、基板上にGaN系発光素子又はGaN系受光素子となる半導体素子が2次元状に多数形成されているが、半導体素子の正電極及び負電極が受光面側又は光取り出し面側に設けられ、GaN系半導体層と接する領域に正電極として透明電極が形成されるとともに、電極間を接続する配線が透明電極材料で形成されているので、金属配線と異なり、配線による光の吸収や反射が極めて少なくなり、発光装置であれば、光の取り出し量が増加して光出力が向上し、受光装置であれば、受光感度が向上する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の1枚のウエハからなるGaN系半導体装置を示す。
本発明のGaN系半導体装置は、共通の基板上にGaN系半導体素子を2次元状に多数形成した構成となっており、図1は、GaN系半導体素子が並列に接続された構造を示す。
GaN系半導体は、既知のMOCVD法等によって形成する。ここで、GaN系半導体は、AlGaInN4元混晶で、いわゆるIII−V族窒化物半導体と呼ばれるもののうち、GaNを含む化合物で、AlxGayInzN(x+y+z=1、0≦x≦1、0<y≦1、0≦z≦1)で表すことができる。GaN系半導体素子は、主としてGaN系半導体により構成されている。
成長用基板1上に選択成長用マスク11が形成され、選択成長用マスク11の一部が除去された領域にAlNバッファ層2が形成される。AlNバッファ層2上には、アンドープGaN層3、n型GaN層4、活性層(発光層又は受光層)5、p型GaN層6が順に積層されており、これらの各半導体層は、MOCVD法によって形成される。各GaN系半導体素子Dは、選択横方向成長と呼ばれる方法によって分離した状態に形成され、丁度、選択成長用マスク11の上部に、素子間を分離する分離溝Aが形成される。ここで、選択成長又は選択横方向成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)は、転位を低減する方法として良く知られている。
また、活性層5は、GaNからなる障壁層と、InX1Ga1−X1N(0<X1)からなる井戸層との多重量子井戸構造で構成される。また、成長用基板1としてはサファイア基板等が用いられるが、その他にも六方晶構造(ウルツ鉱構造)を持つ基板であれば良い。また、アンドープGaN層3に替えてn型不純物SiドープGaN層で構成しても良い。
ここで、順バイアス時に於いて、活性層5でキャリアの再結合が発生する。この時、禁制帯幅が光子のエネルギーより大きければ、再結合に伴って光が放出される場合があり、これを応用すると発光素子として構成できる。逆に、活性層5に禁制帯幅よりも大きなエネルギーの光子などが入射すると、価電子帯から電子が励起されて伝導電子となり、内蔵電場に引かれてドリフト電流を増大させる光起電力効果が発生し、これを応用すると、受光素子として構成できる。したがって、組成比率等を除けば、基本的には、図1の構成で、発光装置としても受光装置としても用いることができる。
AlNバッファ層2〜p型GaN層6までを選択成長させるための選択成長用マスク11には、絶縁膜が用いられ、絶縁膜としては、SiO2、Si3N4、ZrO2等がある。
次に、p型GaN層6からn型GaN層4の一部が露出するまでメサエッチングして、六角形状のメサ領域D1が形成される。したがって、半導体素子Dは、台座領域D2とメサ領域D1とで構成される。露出したn型GaN層4上にn電極(負電極)7が、p型GaN層6上にp側透明電極(正電極)8が設けられる。p側透明電極8は、ZnO(酸化亜鉛)又はITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)等で構成される。
p側透明電極8の上面の一部とn電極7の上面を除いて、各半導体素子Dの表面はすべて絶縁膜9で覆われている。絶縁膜9には、絶縁性が高く発光波長又は入射光波長に対して透明なSiO2、Si3N4、ZrO2等が用いられる。絶縁膜9には、n電極7上及びp側透明電極8上の一部にコンタクトホールが設けられており、コンタクトホールを介して配線12や配線13、配線14、配線15と接続されている。
配線12、13は、透明電極材料で形成され、例えば、p側透明電極8で用いるZnO又はITOで構成される。配線12、13の膜厚は、例えば2000Å〜5000Åとすることができる。このように配線を透明電極と同じ材料で形成することにより、活性層5で発生する光を遮ることなく、取り出すことができる。活性層5で発生した光は、上方向や下方向だけでなく、側面にも向かい、素子側面から放射される光等がある。一方、図1の構成を受光装置とした場合には、活性層5に向かう光は、素子の上面からだけではなく、素子の側面から入射する光や素子内部で反射して活性層へ向かう光等がある。
従来技術のように、配線を金属で形成した場合には、金属により光の吸収、反射が起こり、光が遮られてしまうが、本発明では、p側透明電極と同じ材料で配線を形成しているので、光を透過させることができるとともに、導電性も得られる。したがって、発光装置であれば光出力が向上し、受光装置であれば、光の検出感度が向上する。
また、n電極7は、p側透明電極8と同じ材料であるZnO又はITOで形成される。このようにすると、発光装置の場合、活性層5で発生した光が、素子内部で反射されてn電極7側方向に向かう光を外部に取り出すことができる。受光装置とした場合は、n電極7の上面方向から入射する光を内部に取り込んで、素子内部の反射等により活性層5へ導くことができる。
特に、n電極7の面積が大きい場合には、光がn電極7を透過させることができるので効果が大きい。なお、n電極7の面積が小さい等、n電極7での遮光を問題にする必要がない場合には、n電極7をAl等の金属、若しくは下層から順にAl/Niと積層された金属多層膜やTi/Auと積層された金属多層膜等で形成しても良い。このように、n側電極7を金属電極にした場合は、配線13等が剥がれにくくなる。
次に、図2は、図1と同様、素子を並列に接続した構造で、ほぼ同じ構成であるが、p側透明電極8の上面の一部にp側金属電極81を積層し、このp側金属電極81を介してp側透明電極8と配線12とを接続している点が異なる。図2のp側金属電極81はAl等の金属、若しくは下層から順にAl/Niと積層された金属多層膜やTi/Auと積層された金属多層膜等が用いられる。図1の場合は、素子の正電極(p電極)は、p側透明電極8のみで構成されているが、図2の場合は、素子の正電極(p電極)は、p側透明電極8とp側金属電極81とで構成されている。これは、光の取り出し又は入射を最大限にするためには、図1のようにp側透明電極8と配線12とを直接接合するのが良いのであるが、このようにすると、剥がれやすくなる可能性があるので、確実に接合するために、図2のように、p側金属電極81を介してp側透明電極8と配線12を接合している。
図7は、図1又は図2の構成を上から見た平面図であり、n電極7、p側透明電極8又はp側金属電極81、金属配線12、13との関係をわかりやすくするために、絶縁膜9を透した状態で記載している。ここで、活性層5からの発光は、p側透明電極8の上面方向から取り出されるようになっている。受光装置として機能する場合は、p側透明電極8の上面方向から光を活性層5で受光するようになっている。
図7の例えば、C−C断面の一部が、図1、2に相当し、各GaN系半導体素子Dのp側透明電極8又はp側金属電極81とn電極7について、同極性の電極を接続し、各GaN系半導体素子Dを並列接続した場合の構成を示している。8aは、p側金属電極81が形成されている場合は、p側金属電極81と配線12又は配線14とが接触する領域、p側金属電極81が形成されていない場合は、p側透明電極8と配線12又は配線14とが接触するp側電極接合領域を表わすもので、言い換えればコンタクトホールでもある。
図7に示すように、端部の配線14、15と接続される電極を除いては、隣接する半導体素子のp電極同士、又はn電極同士が素子間を分離する分離溝Aを挟んで隣接するように形成されている。また、配線12、13、14、15は、図示されていない他の多くの半導体素子の電極と接続されている。配線14、15についても、p側透明電極8と同じ材料で構成され、上述したように、例えばZnO又はITOで構成しても良い。また、半導体素子群の外側に配置される配線14、15は、透明でない金属配線としても良い。
図7の場合、例えば、配線14と配線12とを同一のプラス電極に、配線13と配線15とを同一のマイナス電極に接続すれば、図7の12個の各GaN系半導体素子Dは、すべて並列に接続される。このとき、複数の半導体素子Dが形成された半導体装置には、外部から電力を供給しなければ、各半導体素子Dは作動しない。
したがって、外部から電力を供給するためのワイヤーを半導体装置に接続する必要がある。このワイヤーと接続するために、特定の1個の半導体素子上にワイヤーボンディング用金属を形成し、このワイヤーボンディング用金属とワイヤーとを接続する。通常、ワイヤーボンディングは、プラスとマイナスの電極が必要であるので、2箇所に設けられるが、例えば、図7に示すWBが、ワイヤーボンディング用半導体素子の1箇所だとする。ワイヤーに過大な力が加わりやすく、WB周辺の配線がZnO又はITO材料では剥がれ易い。そこで、WBの周辺領域に形成される配線については、p側透明電極8と同じ材料ではなく、Al又はAu等の金属で形成する。
WBの周辺領域とは、図の点線で示される金属配線領域のことであり、半導体素子WBの電極と隣接する他の半導体素子の電極とを結ぶ配線、及び半導体素子WBの周辺の分離溝Aに沿って設けられている配線等を金属配線とする。これは、後述する図8でも同様である。なお、図7では、金属配線領域の一例として、隣り合う2つの素子Dに渡る領域を示しているが、これに限らず、3つ以上の素子に渡る領域であっても良い。また、金属配線領域のために選択する素子Dとして、n型層が露出した構造例を示しているが、この構造に限定されるものではない。例えば、p型層や透明導電膜まで積層し、n型層を露出させるためのエッチングに対するマスクを形成して、メサエッチングされない積層部を作製しておき、この積層部をWBとしても良い。
一方、図3、4は、図1、2とは異なり、各GaN系半導体素子Dのp電極(正電極)とn電極(負電極)について、異極性の電極を接続し、各GaN系半導体素子Dを直列接続した構成を示している。
図3、4に示すように、一方の素子のp側透明電極8又はp側金属電極81と他方の素子のn電極7が素子間を分離する分離溝Aを挟んで隣接するように形成されている。図1、2と同じ符号は、同じ構成を示しており、GaN系半導体素子Dを直列に接続したこと以外の層構造や材料構成は同じであり、図1が図3に、図2が図4に対応する。ここで、配線20は、配線12、13と同様、透明電極材料で形成され、例えば、p側透明電極8で用いるZnO又はITOで構成される。
図8は、各GaN系半導体素子Dが直列に接続した構成を含む配置状態を上から見た平面図であり、絶縁膜9を透した状態で記載している。この図のB−B断面の一部が図3、4に相当する。図7とは異なり、各GaN系半導体素子Dが4個並列に接続されたグループが、3列直列に接続された構成となっている。端部の配線21、22と接続される電極を除き、直列接続されている素子については、隣接する半導体素子間において、一方の素子のp電極と他方の素子のn電極が素子間を分離する分離溝Aを挟んで隣接するように形成されている。また、配線21、22は、p側透明電極8と同じ材料で構成されており、上述したように、例えばZnO又はITOで構成される。また、図7の場合と同様、半導体素子群の外側に配置される配線21、22は、透明でない金属配線としても良い。図示はしていないが、配線20〜22は、ワイヤーボンディング用電極に接続され、電圧が供給される。
なお、図7、8のいずれの構成の場合でも、分離溝を挟んで隣接する半導体素子間のp電極とp電極を接続する配線、あるいは、p電極とn電極とを接続する配線は平面図上で光取り出し面又は受光面を跨らずに、最短距離で接続されている。
さらに、隣接する半導体素子間のp電極とp電極を接続する配線、あるいは、p電極とn電極とを接続する配線は、六角形状の半導体素子Dに形成された12個の頂点をすべてを避けた構成としている。GaN系半導体素子Dの台座領域D2における六角形の頂点及びメサ領域D1における六角形の頂点のいずれも角を形成しているため、電界が集中する。したがって、電極間の配線がGaN系半導体素子Dに形成された12個の頂点のいずれかの上を跨って形成されると、配線とGaN系半導体素子Dとが短絡しやすくなるので、これを避けるためである。
他方、各GaN系半導体素子Dに形成されるp電極、n電極の形状について、図5に示す。これは、図1〜図4に記載したGaN系半導体素子Dを上から見た平面図で示したものである。電極の配置は、活性層5での発光面積が最大で、かつ、各半導体素子相互の配線が簡単になる位置に形成される。
正電極又は負電極は、図5(a)〜(c)に示すように、素子形状と相似な六角形の一辺又は頂点を挟んだ二辺を利用した形状の電極接合領域となっており、正と負の電極接合領域は対向して配置されている。
図5(a)は、p側電極接合領域8a、n電極7ともに、GaN系半導体素子Dの形状の六角形の一辺と平行な長辺を有する四角形に形成されている。図5(b)は、p側電極接合領域8a、n電極7ともに、半導体素子形状の六角形の頂点を挟んだ二辺と平行な二辺を用いており、「く」の字形状に形成されている。図5(c)は、p側電極接合領域8a、n電極7ともに、半導体素子形状の六角形の頂点を挟んだ二辺と平行な二辺を利用しており、扇形状に形成されている。図5(c)では、扇形とせずに、円弧部分を直線形状にして三角形としても良い。
図1〜4に示すGaN系半導体装置の製造方法を以下に説明する。まず、成長用基板1上に選択成長用マスク11を形成する。例えば、成長用基板1としてサファイア基板をMOCVD(有機金属化学気相成長)装置に入れ、水素ガスを流しながら、1050℃程度まで温度を上げ、サファイア基板をサーマルクリーニングする。その後、サファイア基板上に選択成長用マスク11として絶縁膜であるSiO2を形成する。スパッタパワー300W、スパッタ原子Arを20cc/分で供給し、圧力1Paの雰囲気中で20分スパッタを行ってサファイア基板上にSiO2を膜厚1000Å程度形成する。
次に、フォトリソグラフィー技術により所定のパターンにレジストをSiO2膜上に形成し、ドライエッチング、例えば、CF4ガスを圧力3Pa、パワー100Wでプラズマ状態にして供給し、エッチングを行う。このときの選択成長用マスク11のパターンは後述するように、図6のようになる。
その後、AlNバッファ層2を成長させる。このAlNバッファ層2は、高温AlNバッファ層であり、温度900℃以上で(例えば900℃)、成長圧力は200Torrとし、キャリアガスとしては水素を用い、このキャリア水素(H2)の流量を14L/分とし、TMA(トリメチルアルミニウム)の流量については20cc/分、NH3(アンモニア)の流量については500cc/分とした。このときのNH3/TMAのモル比を計算すると、約2600となる。この成長条件下で膜厚30Åの高温AlNバッファ層2を形成する。なお、選択成長用マスク11として用いる絶縁膜には、上記SiO2の他に、Si3N4、ZrO2等がある。
このようにAlNバッファ層2を積層すると、AlNバッファ層2を薄く形成できるだけでなく、選択成長用マスク11上へは、AlNバッファ層2は堆積せずに、選択成長用マスク11の間を埋めるように形成される。
ところで、図1〜4のように、分離した半導体素子Dを形成するためには、横方向の成長レートよりも縦方向の成長レートを大きくしておく必要がある。このようにするために、選択成長用マスク11の開口部は絶縁膜の一部を除去して作製するのであるが、その開口部の形状が図6に示されている。
図6のように、六角形状の開口部11aを多数形成した選択成長用マスク11を用いる。このようにして、六角形状の素子が得られる。窒化物半導体は、(0001)方位のウルツ鉱型(六方晶)の結晶構造を持ち、Ga原子又はN原子が成長表面方向になる結晶極性(c軸方向に成長)を有している。
したがって、成長用基板には、同じウルツ鉱型の結晶構造を有するサファイア基板等が用いられ、サファイア基板の主面がC面を有し、その主面に窒化物半導体が積層された場合は、すべてC面が成長表面方向となる。その場合、図6の六角形状の開口部11aを有する選択成長用マスクであれば、六角形の一辺L1を成長用基板のM面と平行に配置すれば、選択成長によって成長する結晶は、ほとんど縦方向方向に成長を行うので、分離した半導体層になる。
次に、MOCVD装置において、成長温度を1020℃〜1040℃にし、NH3とTMAのうち、TMAの供給を停止し、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)を20μモル/分供給し、アンドープGaN層3を厚さ0.5μm程度積層する。
その後、n型ドーパントガスとしてシラン(SiH4)を供給してn型GaN層4を膜厚4μm程度成長させる。次に、TMGa、シランの供給を停止し、アンモニアと水素の混合雰囲気中で基板温度を700℃〜800℃の間に下げて、トリエチルガリウム(TEGa)を20μモル/分供給して活性層5のアンドープGaN障壁層を積層し、トリメチルインジウム(TMIn)を200μモル/分供給してInGaN井戸層を積層する。そして、GaN障壁層とInGaN井戸層との繰り返しにより多重量子井戸構造とする。活性層5の膜厚は例えば0.1μm程度形成する。
活性層5成長後、成長温度を1020℃〜1040℃に上昇させて、Ga原子の原料ガスであるトリメチルガリウム(TMGa)、窒素原子の原料ガスであるアンモニア(NH3)、p型不純物Mgのドーパント材料であるCP2Mg(ビスシクロペンタジエチルマグネシウム)を供給し、p型不純物MgドープのGaN層6を膜厚約0.3μm成長させる。
次に、p型GaN層6からn型GaN層4が露出するまでメサエッチングを行い、p型GaN層6上にp側透明電極8として例えばZnOを膜厚2000Å程度で形成し、p側透明電極8上の一部にp側金属電極81を形成する場合は、p側金属電極81を、また、露出したn型GaN層4の面上にn電極7を形成する。n電極7にもZnOを用いる場合は、ZnOを例えば膜厚2000Å程度形成する。
その後、絶縁膜9としてSiO2を0.5μm〜2μm程度、ウエハ上の表面全体に渡って堆積させる。ウエハ表面をSiO2で被覆するために、プラズマCVDが用いられ、パワー300W、成長温度400℃にして、シラン(SiH4)を10cc/分、N2Oを500cc/分供給して、SiO2を0.5μm〜2μm程度形成する。
次に、p側透明電極8又はp側金属電極81、n電極7上のSiO2をウエットエッチング又はドライエッチングにより除去してコンタクトホールを形成する。図1〜4、7、8の構成で、配線にZnOを用いる場合、ZnOを2000Å〜5000Åの厚さで堆積させて、一部をエッチングして配線12〜15、配線20〜22のパターンを作製する。これで、コンタクトホールを介して、配線とp側透明電極8又はp側金属電極81、配線とn電極7が接続される。また、ワイヤーボンディング領域に形成される配線12〜15、配線20〜22については、Al又はAu等の金属で形成する。このときの膜厚は、5000Å程度に作製する。
また、配線12〜15、配線20〜22、p側透明電極8、n電極7等をZnOにより形成する場合には、パルスレーザーデポジション(PLD)法で作製する。この場合、レーザ照射のターゲットには、2%〜3%のGa(ガリウム)が含まれた焼結ZnOを用いる。GaドープZnOとすることにより、アニールを行うことなく、p側透明電極8とp型GaN層とオーミック接触させることができ、また、配線等については、導電性が向上する。
なお、各半導体層の製造については、キャリアガスの水素又は窒素とともに、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)などの各半導体層の成分に対応する反応ガス、n型にする場合のドーパントガスとしてのシラン(SiH4)、p型にする場合のドーパントガスとしてのCP2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)等の必要なガスを供給して、700℃〜1200℃程度の範囲で順次成長させることにより、所望の組成で、所望の導電型の半導体層を、必要な厚さに形成することができる。
1 成長用基板
2 AlNバッファ層
3 アンドープGaN層
4 n型GaN層
5 活性層
6 p型GaN層
7 n電極
8 p側透明電極
81 p側金属電極
9 絶縁膜
11 選択成長用マスク
12 配線
13 配線
20 配線
2 AlNバッファ層
3 アンドープGaN層
4 n型GaN層
5 活性層
6 p型GaN層
7 n電極
8 p側透明電極
81 p側金属電極
9 絶縁膜
11 選択成長用マスク
12 配線
13 配線
20 配線
Claims (8)
- 基板上にGaN系発光素子又はGaN系受光素子となる半導体素子が2次元状に複数形成されたGaN系半導体装置であって、
前記半導体素子の正電極及び負電極が受光面側又は光取り出し面側に設けられ、GaN系半導体層と接する領域に前記正電極として透明電極が形成されるとともに、電極間を接続する配線の一部が透明電極材料で形成されていることを特徴とするGaN系半導体装置。 - 前記透明電極材料は、ZnO又はITOで構成されていることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体装置。
- 前記電極間を接続する配線の一部とは、ワイヤーボンディング電極領域を除く配線であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置。
- 前記正電極は、前記透明電極材料のみで構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置。
- 前記正電極は、前記透明電極と該透明電極上の一部に設けられた金属電極とで構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置。
- 前記負電極は、透明電極と同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置。
- 前記負電極は、金属電極であることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置。
- 前記金属電極は、Al膜、AlとNiの多層膜、TiとAuの多層膜のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項7のいずれか1項に記載のGaN系半導体装置。
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JP2008140801A JP2009289965A (ja) | 2008-05-29 | 2008-05-29 | GaN系半導体装置 |
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-
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- 2008-05-29 JP JP2008140801A patent/JP2009289965A/ja not_active Withdrawn
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