JP2009287537A - 圧縮機 - Google Patents

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Nobuhira Sekiguchi
展平 関口
Takehiro Kanayama
武弘 金山
Masanori Yanagisawa
雅典 柳沢
Naoto Tomioka
直人 富岡
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Abstract

【課題】いわゆるリア軸部の信頼性を向上する技術を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機1は、シリンダ本体8と、シリンダ本体8を挟むように設けられるフロント軸受12及びリア軸受13と、フロント軸受12とリア軸受13によって軸支され、シリンダ本体8内に収容される偏心部14を有するクランク軸5と、シリンダ本体8とフロント軸受12を挟んで反対側に設けられ、クランク軸5を回転させる、モータ22と、を備える。クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央よりも、フロント軸受12側に位置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧縮機に関する。
この種の技術として特許文献1は、密閉容器内の上部に伝動要素部、下部に圧縮要素部を収納し、伝動要素部の回転力を回転軸にて圧縮要素部に伝達し駆動するロータリ圧縮機を開示する。上記の回転軸は、回転軸の長軸と、回転軸の偏心軸部と、回転軸の短軸と、から構成される。そして、ローリングピストンを偏心軸部へ外嵌するために、短軸の外径は、長軸の外径より小さく設定される。この際、短軸の信頼性が低下しないよう、特許文献1では、短軸にリングを挿入固定することとしている。
特開2006−132414号公報
上記特許文献1の構成は、構造が複雑である。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、いわゆるリア軸部(上記特許文献1における短軸に相当)の信頼性を、上記特許文献1の構成と比較して簡素な構成で、向上することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
第1の発明にかかる圧縮機は、シリンダ本体と、前記シリンダ本体を挟むように設けられる第1の軸受及び第2の軸受と、前記の第1の軸受と第2の軸受によって軸支され、前記シリンダ本体内に収容される偏心部を有し、この偏心部を前記シリンダ本体の内周面に沿って旋回可能に支持する、クランク軸と、前記シリンダ本体と前記第1の軸受を挟んで反対側に設けられ、前記クランク軸を回転させる、原動機と、を備える。前記クランク軸の軸方向における前記偏心部の中央は、前記クランク軸の軸方向における前記シリンダ本体の中央よりも、前記第1の軸受側に位置する。
以上の構成によれば、前記クランク軸と前記第2の軸受との間に発生する荷重の一部を前記クランク軸と前記第1の軸受に負担させる構成が実現するので、前記第2の軸受における前記クランク軸の信頼性が向上する。
第2の発明にかかる圧縮機は、第1の発明にかかる圧縮機において、前記原動機から離れる方向へ前記偏心部から延びる前記クランク軸の部分としてのリア軸部の直径は、前記原動機へ向かって前記偏心部から延びる前記クランク軸の部分としてのフロント軸部の直径よりも小さい値に設定される。
このように、前記リア軸部が前記フロント軸部に対して小径に設定されて前記リア軸部の信頼性に不利な条件となったとき、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
第3の発明にかかる圧縮機は、第1又は第2の発明にかかる圧縮機において、前記原動機から離れる方向へ前記偏心部から延びる前記クランク軸の部分としてのリア軸部の直径をφとし、前記偏心部の直径をφとすると、下記式(1)を満足する。
このように、前記リア軸部が前記フロント軸部に対して小径に設定されて前記リア軸部の信頼性に不利な条件となったとき、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
Figure 2009287537
第4の発明にかかる圧縮機は、第1〜3の何れかの発明にかかる圧縮機において、前記冷媒として炭酸ガスを採用する。
このように炭酸ガス向けの圧縮機では、前記冷媒の圧縮によって生じる差圧荷重が一際大きくなり、前記第2の軸受における前記クランク軸の信頼性に不利な条件となる。このような条件下、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、前記クランク軸と前記第2の軸受との間に発生する荷重の一部を前記クランク軸と前記第1の軸受に負担させる構成が実現するので、前記第2の軸受における前記クランク軸の信頼性が向上する。
また、第2の発明では、このように、前記リア軸部が前記フロント軸部に対して小径に設定されて前記リア軸部の信頼性に不利な条件となったとき、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
また、第3の発明では、このように、前記リア軸部が前記フロント軸部に対して小径に設定されて前記リア軸部の信頼性に不利な条件となったとき、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
また、第4の発明では、このように炭酸ガス向けの圧縮機では、前記冷媒の圧縮によって生じる差圧荷重が一際大きくなり、前記第2の軸受における前記クランク軸の信頼性に不利な条件となる。このような条件下、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
以下、図面を参照しつつ、本願発明の第一実施形態を説明する。
先ず、図1に基づいて、本願発明の第一実施形態に係るロータリ圧縮機の構成を概説する。図1は、本願発明の第一実施形態に係るロータリ圧縮機の立面視断面図である。
図1に示されるロータリ圧縮機1は、例えば空気調和機などの冷凍システムの一部を構成するものとして利用される。即ち、空気調和機は、図示しない凝縮器や膨張機構、蒸発器と、上記のロータリ圧縮機1を主たる構成として備える。そして、ロータリ圧縮機1は、上記空気調和機内の冷媒(例えば炭酸ガスなど)を吸入し、所定の圧力で吐出する。
このロータリ圧縮機1は、本図に示されるように、密閉容器2と、この密閉容器2内に収容されるモータ部3及び圧縮部4と、を主たる構成として備える。モータ部3はクランク軸5を介して圧縮部4を駆動し、圧縮部4は略示のアキュームレータ6から低圧の冷媒を吸引して圧縮し、吐出する。密閉容器2内の高圧の冷媒は、吐出管7を介してロータリ圧縮機1の外部へ排出される。
圧縮部4は、円形孔8aを有するシリンダ本体8と、このシリンダ本体8を挟むように設けられるフロントヘッド9及びリアヘッド10と、を主たる構成として備え、シリンダ本体8に形成される上記の円形孔8aがフロントヘッド9及びリアヘッド10によって区画されることでシリンダ室11が形成される。
前記のクランク軸5は、フロントヘッド9に形成されるフロント軸受12(第1の軸受)と、リアヘッド10に形成されるリア軸受13(第2の軸受)と、によって軸支され、シリンダ本体8内に収容される偏心部14を有し、この偏心部14をシリンダ本体8の円形孔8aの内周面8bに沿って旋回可能に支持する。上記の偏心部14は、クランク軸5の回転に伴って上記の内周面8bに沿って旋回するように、クランク軸5と一体的に形成される。
次に、図2を参照されたい。図2は、図1の2−2線矢視断面図である。本図に示されるように、クランク軸5の偏心部14には円筒状に形成されるローラ15が外嵌され、このローラ15の外周面15aからクランク軸5の軸方向に対して垂直な方向へブレード16が延出し、このブレード16は、シリンダ本体8の内周面8bに凹設されるブレード収容部17内へ一対のブッシュ18を介して収容される。そして、上記のブレード収容部17の近傍には、前記のアキュームレータ6から冷媒の供給を受けるための供給ポート19が形成され、この供給ポート19にはアキュームレータ6に接続される供給管20(図1併せて参照)が挿嵌されると共に、供給ポート19はシリンダ本体8の円形孔8aの内周面8bに供給口21を有する。
次に、図1と図3を併せて参照されたい。図3は、図1の3−3線矢視断面図である。図1及び図3に示されるように、上記のフロントヘッド9は、板状に形成され、シリンダ本体8の円形孔8aを閉塞すると共に、クランク軸5が貫通する貫通孔9aを有する板部9bと、この板部9bの貫通孔9aの縁からモータ部3へ向かって円筒状に延出して形成される前述のフロント軸受12(第1の軸受)と、から構成される。フロントヘッド9の板部9bには、シリンダ室11内で圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔23が穿孔されると共に、この吐出孔23を介した冷媒の吐出を適宜に制御するための吐出制御機構24が付設される。更に、フロントヘッド9には、冷媒の脈動に起因する騒音を低減するマフラ25が覆設される。このマフラ25は、吐出孔23から吐出された冷媒をマフラ25の外部へ放出するためのマフラ吐出孔26を有する。ここで、図4を参照されたい。図4は、図2に類似する図であって、ロータリ圧縮機の動作説明図である。本図において二点鎖線で略示するように、上記の吐出孔23は、供給口21とブレード16を挟んで反対側に位置する。換言すれば、図4のようなシリンダ本体8の平面視において、供給口21と吐出孔23とがブレード16を挟む関係となるように、フロントヘッド9はシリンダ本体8に対して回転位置決めされる。この構成で、本図に示されるように、ローラ15がシリンダ本体8の円形孔8aの内周面8bに対する当接状態を維持したまま旋回すると、ブレード16がブレード収容部17に対して進退移動すると共に、シリンダ本体8内に供給された冷媒の圧縮が行われる。なお、本図における太線矢印は、ローラ15の旋回方向(クランク軸5の回転方向)を示す。
以下、説明の便宜上、図1においてモータ部3を構成するモータ22(原動機)へ向かって偏心部14から延びるクランク軸5の部分をフロント軸部5fと称する。一方、モータ22から離れる方向へ偏心部14から延びるクランク軸5の部分をリア軸部5rと称する。
前述したリアヘッド10の形状は、フロントヘッド9の主たる形状と類似する。即ち、リアヘッド10は、図1に示されるように、板状に形成され、シリンダ本体8の円形孔8aを閉塞すると共に、クランク軸5が貫通する貫通孔10aを有する板部10bと、この板部10bの貫通孔10aの縁から、モータ部3から離れる方向へ円筒状に延出して形成される前述のリア軸受13(第2の軸受)と、から構成される。このリアヘッド10と密閉容器2との間には図示しない潤滑油が収容される。
以上の構成で、本実施形態に係るロータリ圧縮機1では、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央が、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央よりも、フロント軸受12側に位置する(図5(b)参照)。
また、リア軸部5rの直径φは、フロント軸部5fの直径φよりも小さい値に設定される(図5(b)を併せて参照)。更に、リア軸部5rの直径φと、偏心部14の直径φと、は下記式(1)を満足する。
Figure 2009287537
次に、本実施形態に係るロータリ圧縮機1の作動を概説する。
図2の状態では、シリンダ室11内には低圧の炭酸ガスが供給ポート19から供給口21を介して供給されている。この状態で、偏心部14(クランク軸5)が本図において時計回りに旋回し、偏心部14が供給口21を周方向に通り過ぎると、上記の炭酸ガスの圧力が上昇し始め、この炭酸ガスの圧力が図1に示される吐出制御機構24を用いて設定された設定圧を超えた時点で、吐出制御機構24が開弁し、高圧の炭酸ガスが吐出孔23を介してマフラ25内へ吐出される。マフラ25内へ吐出された高圧の炭酸ガスは、マフラ25内で消音された後、マフラ吐出孔26を介して圧縮部4から排出される。圧縮部4において圧縮された高圧の炭酸ガスは、モータ部3を構成するモータ22内を通過し、やがて、密閉容器2に設けられる吐出管7を介してロータリ圧縮機1の外部へ排出される。
次に、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央が、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央よりも、フロント軸受12側に位置することの技術的意義について図5を参照しつつ詳細に説明する。図5は、ロータリ圧縮機の特徴部分を誇張して描いた部分図である。
図5(a)は従来例を示し、図5(b)は実施例を示す。図5(a)に示されるように従来例では原則として、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央と、クランク軸5の軸方向において略一致するようになっていた。より詳しく言えば、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中心とフロント軸受12との間の距離bと、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中心とリア軸受13との間の距離cと、は、可及的に同値とされていた。従って、偏心部14に差圧荷重が作用した際、その差圧荷重の反力は、フロント軸受12−フロント軸部5f間と、リア軸受13−リア軸部5r間と、で略同程度に発生していた。
一方で、図5(b)に示されるように、実施例では、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央よりも、フロント軸受12側に位置する。より詳しく言えば、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中心とフロント軸受12との間の距離bと、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中心とリア軸受13との間の距離cと、は、b<cの関係を満たす。従って、偏心部14に差圧荷重が作用した際、その差圧荷重の反力は、リア軸受13−リア軸部5r間よりもフロント軸受12−フロント軸部5f間の方が強力となる。換言すれば、リア軸部5rとリア軸受13との間に発生する荷重の一部をフロント軸部5fとフロント軸受12に負担させる構成が実現するので、リア軸受13におけるリア軸部5rの信頼性が向上する。
(まとめ1)
以上説明したように上記実施形態において、ロータリ圧縮機1は、以下のように構成される。即ち、ロータリ圧縮機1は、シリンダ本体8と、前記シリンダ本体8を挟むように設けられるフロント軸受12(第1の軸受)及びリア軸受13(第2の軸受)と、前記のフロント軸受12とリア軸受13によって軸支され、前記シリンダ本体8内に収容される偏心部14を有し、この偏心部14を前記シリンダ本体8の内周面8bに沿って旋回可能に支持する、クランク軸5と、前記シリンダ本体8と前記フロント軸受12を挟んで反対側に設けられ、前記クランク軸5を回転させる、モータ22(原動機)と、を備える。クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央よりも、フロント軸受12側に位置する。以上の構成によれば、前記リア軸部5rと前記リア軸受13との間に発生する荷重の一部を前記フロント軸部5fと前記フロント軸受12に負担させる構成が実現するので、前記リア軸受13における前記リア軸部5rの信頼性が向上する。
付言するならば、機械的損失を低減する観点からは、偏心部14の直径φは小さい方が好ましい。しかし、偏心部14はクランク軸5に対して偏心する必要があり、更に、偏心部14には上記実施形態のようにローラ15を外嵌する必要がある。従って、機械的損失を低減するためには、リア軸部5rの直径φを小さくする必要がある。しかし、リア軸部5rの直径φを小さくすると、リア軸部5rの信頼性が低下する。即ち、機械的損失と、リア軸部5rの信頼性と、は技術面でのトレードオフの関係にある。そこで、上述した荷重の分担を調整する技術は、このようなトレードオフを解決する一つの手段として有益であろう。
なお、上記実施形態において、ブレード16は図4に示されるようにローラ15と一体的に形成されるとしたが、これに代えて、ブレード16はローラ15と別体で形成される構成が考えられる。かかる場合、ブレード16は、例えば、圧縮コイルバネなどの適宜の付勢手段によってローラ15の外周面15aに対して押圧されると考えられる。
(まとめ2)
上記のロータリ圧縮機1は、更に、以下のように構成される。即ち、リア軸部5rの直径φは、フロント軸部5fの直径φよりも小さい値に設定される。このように、前記リア軸部5rが前記フロント軸部5fに対して小径に設定されて前記リア軸部5rの信頼性に不利な条件となったとき、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
(まとめ3)
上記のロータリ圧縮機1は、更に、以下のように構成される。即ち、前記リア軸部5rの直径をφとし、前記偏心部14の直径をφとすると、下記式(1)を満足する。このように、上記の式(1)を満足して前記リア軸部5rの信頼性に不利な条件となったとき、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
Figure 2009287537
以下、上記式(1)を満足すると、リア軸部5rの信頼性に不利な条件となることを説明する。図6〜8を参照されたい。図6は、φ/φの影響を説明するための第一説明図である。図7は、φ/φの影響を説明するための第二説明図である。図8は、φ/φの影響を説明するための第三説明図である。
即ち、ロータリ圧縮機1のリア軸受13の損傷パターンは、例えば以下の通りである。
高差圧運転時において、軸が運転差圧によりたわむことで、軸受と軸に傾きが生じる。傾きが生じると、軸と軸受間の油膜が薄くなり、金属接触が発生し易くなる。金属接触のし易さは、傾き量と運転差圧により発生する荷重によって決まる。金属接触が生じると摩擦係数が増加し、軸受部での発熱量が増加する。発熱量は回転速度が増すことで、増加する。発熱量の大小を知る目安として、PV値(面圧×速度)がある。PV値と軸受部周辺のオイルによる冷却の関係において、軸受に損傷が発生するかが決まる。PV値が大きく、オイルによる冷却量が少ない場合、軸受損傷が発生する確率が増加する。即ち、(1)荷重値が高い領域、(2)PV値が高い領域、である。本願の技術は、軸受と軸の傾きを低減することで、軸受信頼性を向上させる。下記に示すパラメータ(図6を併せて参照)において、ロータリ圧縮機のリア軸受の荷重とPV値を算出した。結果をまとめると図7(荷重)、図8(PV値)の領域となる。図7と図8より、φ/φが2以下の領域において、荷重及びPV値が増加することがわかる。即ち、φ/φが2以下の領域において、リア軸部5rの信頼性に不利な条件となる。
・リア軸部5rの直径d[mm]=8.0〜28.0
・ローラ15の肉厚t[mm]=2.0〜8.0
・段差β[mm]=0.0〜0.4
・シリンダ本体8の厚みHc[mm]=6.0〜16.0
・リア軸受13の軸受有効長さL[mm]=6.0〜25.0
・運転差圧ΔP[MPa]=3.0
・運転回転数N[Hz]=90.0
(まとめ4)
上記のロータリ圧縮機1は、前記冷媒として炭酸ガスを採用するものである。このように炭酸ガス向けのロータリ圧縮機1では、前記冷媒の圧縮によって生じる差圧荷重が一際大きくなり、リア軸受13におけるクランク軸5の信頼性に不利な条件となる。このような条件下、前述した荷重の負担を緩和する効果は一層有意義となる。
次に、図9を参照しつつ、本願発明の第二実施形態を説明する。図9は、図1に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係るロータリ圧縮機の立面視断面図である。
ここでは、上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する点についてはその説明を割愛する。第一実施形態に係るロータリ圧縮機1と、第二実施形態に係るロータリ圧縮機1と、で共通する部材については同じ符号を付すものとする。
先ず、上記第一実施形態ではシリンダ本体8は一つのみ設けられているが、本実施形態ではシリンダ本体8はクランク軸5の軸方向に二つ、並設される。並設される二つのシリンダ本体8の間には、ミドルプレート28が介装される。前記の偏心部14は、並設される二つのシリンダ本体8の夫々に収容される。即ち、クランク軸5は、二つの偏心部14を含む。この二つの偏心部14を区別するため、二つの偏心部14のうちモータ部3に近い方には符号30を付し、モータ部3から遠い方には符号31を付した。即ち、クランク軸5は、フロント偏心部30と、リア偏心部31と、を含む。
上記第一実施形態ではマフラ25はフロントヘッド9にのみ付設されているが、本実施形態では、更にリアヘッド10にも付設される。
上記第一実施形態ではフロント軸部5fがフロント軸受12と当接し、リア軸部5rがリア軸受13と当接しているが、この点は、第二実施形態でも同様である。並設される二つの偏心部14の間におけるクランク軸5の部分としてのミドル軸部29は、ミドルプレート28に対して遊挿される関係にある。
上記第一実施形態に係るロータリ圧縮機1は、1シリンダ型のロータリ圧縮機であり、図5(b)に示されるように、クランク軸5の軸方向における偏心部14の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8の中央よりも、フロント軸受12側に位置するとした。
これに対し、第二実施形態に係るロータリ圧縮機1は、2シリンダ型のロータリ圧縮機である。そして、本実施形態では、クランク軸5の軸方向におけるフロント偏心部30の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8(ただし、フロント偏心部30が収容されるもの。)の中央よりも、フロント軸受12側に位置する。同様に、クランク軸5の軸方向におけるリア偏心部31の中央は、クランク軸5の軸方向におけるシリンダ本体8(ただし、リア偏心部31が収容されるもの。)の中央よりも、フロント軸受12側に位置する。平たく言えば、フロント偏心部30はミドルプレート28よりもフロント軸受12に対して近設され、リア偏心部31はリア軸受13よりもミドルプレート28に対して近設される。
上記の特徴的な構成に基づく作用効果を更に詳細に説明する。例として、リア偏心部31に関する作用効果について説明する。即ち、図10に示されるように、クランク軸5の軸方向におけるリア偏心部31の中心とミドルプレート28との間の距離bと、クランク軸5の軸方向におけるリア偏心部31の中心とリア軸受13との間の距離cと、は、b<cの関係を満たす。従って、リア偏心部31がリア軸受13とミドルプレート28の丁度中央に来るようにされていた従来のもの(即ち、b=c)と比較して、リア偏心部31に差圧荷重が作用した際にリア軸受13−リア軸部5r間に発生する反力の一部をフロント軸受12−フロント軸部5fに負担させる構成が実現するので、リア軸受13におけるリア軸部5rの信頼性が向上する。
上記の「リア軸受13におけるリア軸部5rの信頼性が向上する」という作用効果は、リア偏心部31がリア軸受13よりもミドルプレート28に対して近設されることによって奏されるが、これに限らず、フロント偏心部30がミドルプレート28よりもフロント軸受12に対して近設されることによっても同様に奏される。前者の構成による作用効果は、後者の構成による作用効果と比較して、リア軸部5rに対して相対的に近い分、一層明瞭に発揮される。
本発明を利用すれば、前記リア軸部5rと前記リア軸受13との間に発生する荷重の一部をフロント軸部5fと前記フロント軸受12に負担させる構成が実現するので、リア軸受13におけるリア軸部5rの信頼性が向上する。
本願発明の第一実施形態に係るロータリ圧縮機の立面視断面図 図1の2−2線矢視断面図 図1の3−3線矢視断面図 図2に類似する図であって、ロータリ圧縮機の動作説明図 ロータリ圧縮機の特徴部分を誇張して描いた部分図 φ/φの影響を説明するための第一説明図 φ/φの影響を説明するための第二説明図 φ/φの影響を説明するための第三説明図 図1に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係るロータリ圧縮機の立面視断面図 ロータリ圧縮機の特徴部分を誇張して描いた部分図
符号の説明
1 ロータリ圧縮機
3 モータ部
4 圧縮部
5 クランク軸
8 シリンダ本体

Claims (4)

  1. シリンダ本体と、
    前記シリンダ本体を挟むように設けられる第1の軸受及び第2の軸受と、
    前記の第1の軸受と第2の軸受によって軸支され、前記シリンダ本体内に収容される偏心部を有し、この偏心部を前記シリンダ本体の内周面に沿って旋回可能に支持する、クランク軸と、
    前記シリンダ本体と前記第1の軸受を挟んで反対側に設けられ、前記クランク軸を回転させる、原動機と、
    を備え、
    前記クランク軸の軸方向における前記偏心部の中央は、前記クランク軸の軸方向における前記シリンダ本体の中央よりも、前記第1の軸受側に位置する、
    圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機において、
    前記原動機から離れる方向へ前記偏心部から延びる前記クランク軸の部分としてのリア軸部の直径は、前記原動機へ向かって前記偏心部から延びる前記クランク軸の部分としてのフロント軸部の直径よりも小さい値に設定される、
    圧縮機。
  3. 請求項1又は2に記載の圧縮機において、
    前記原動機から離れる方向へ前記偏心部から延びる前記クランク軸の部分としてのリア軸部の直径をφとし、前記偏心部の直径をφとすると、下記式(1)を満足する、
    圧縮機。
    Figure 2009287537
  4. 前記冷媒として炭酸ガスを採用する、請求項1〜3の何れか一に記載の圧縮機。
JP2008144187A 2008-06-02 2008-06-02 圧縮機 Pending JP2009287537A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017150425A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 2シリンダ型密閉圧縮機

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