JP2009284580A - サージ防護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 故障時に壊れたSPD1−1にかかる電圧は商用電源電圧程度のため、接地とSPD1−1間に接続されるスイッチング型SPD(ガス入り放電管型SPD等)5と他の2つの正常なSPD1−2及び6は絶縁状態である。そのためSPD1−1の短絡電流は接地された給電線4−2の電源側へ追加抵抗7を通って流れる。このため、SPD故障時の短絡電流が抑制されるので、入力ブレーカ3より先に、SPD分離器2−1が遮断される。よって、SPD1−1の劣化状況(抵抗値)に関わらず、故障したSPD1−1を保護対象装置10への影響なしに給電系から切離すことが可能になった。
【選択図】 図4
Description
SPDを構成する非直線素子は、素子にかかる両端電圧で抵抗値が変化し、素子両端電圧が低い場合は抵抗が高く、殆ど導通しないが、素子両端の電圧が高くなると抵抗値が小さくなる特性を持っている。そのため雷サージが給電線へ侵入するとサージ電流が接地へ分流し、保護対象装置を防護できる。
また、図6は、接地線をもつ三線式給電方式(TT式)における従来のサージ防護装置の構成図である。
さらに、本発明は、SPD劣化時の短絡電流を低減できるため、SPD故障時にSPD分離器動作時に発生する跳ね上り電圧(開閉サージ電圧)を低減させることを目的のひとつとする。
保護対象装置側の第1の給電線、及び、保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第2の給電線と、
電源側で接地された第3の給電線、及び、電源側の非接地の第4の給電線と、
前記第1の給電線と接地された前記第3の給電線との間、及び、非接地の前記第2の給電線と前記第4の給電線との間に設けられ、前記第1の給電線と前記第3の給電線とを接続又は切離し、前記第2の給電線と前記第4の給電線とを接続又は切離す入力ブレーカと、
保護対象装置側の接地に接続されたスイッチング型サージ防護デバイスと、
保護対象装置側の前記第2の給電線と保護対象装置側の接地間に、前記スイッチング型サージ防護デバイスを介して直列に設けられた、第1の分離器及び第1のサージ防護デバイスと、
保護対象装置側の前記第1の給電線と、前記第1のサージ防護デバイスの接地側且つ前記スイッチング型サージ防護デバイスの接地と反対側との間に、並列に設けられた、第2のサージ防護デバイス及び第1の抵抗と
を備え、
前記第1のサージ防護デバイスが故障時に、前記第1のサージ防護デバイスを通る短絡電流を、前記第2の給電線から、前記第1の分離器及び前記第1のサージ防護デバイス、前記第1の抵抗を介して、前記第1の給電線へ電流値を抑制して流すことで、前記第1の分離器が前記入力ブレーカより先に切断されるようにした、サージ防護装置が提供される。
本発明によると、SPD劣化時の短絡電流を低減できるため、SPD故障によりSPD分離器動作時に発生する跳ね上り電圧(開閉サージ電圧)の低減が可能になる。
本実施の形態は、接地線をもつ三線式給電方式(TT式)に適用した例である。なお、TT式とは、配電用トランスの高低圧部分に高圧がかかることを防止する系統接地と低圧電路に接続される負荷装置を保護する機器接地がそれぞれ別の場所で取られていて、等電位化されていない給電方式である。なお、本発明はこれらに限らず、二線式や、系統接地と機器接地が別の場所で取られている他の給電方式でも適宜適用することができる。
・SPD1−1又は1−2の正常時は、雷サージ電流がながれても切れない。
・SPD1−1又は1−2の故障時は電流ヒューズ(SPD分離器2−1又は2−2)が既に遮断されている。そのためSPDが故障した系統については、雷サージ電流は流れない。電流ヒューズ(SPD分離器2−1又は2−2)が切れる場合は、SPD1−1又は1−2が劣化して、SPD1−1又は1−2の絶縁が低下してSPD1−1又は1−2から漏れ電流が流れた場合である。
図2にはSPD分離器2−1又は2−2に使用される電流ヒューズと、その定格容量にほぼ等しい入力ブレーカ3の遮断特性(遮断時間と遮断電流の関係)の一例を示す。ブレーカの遮断動作は機械的動作なので、最も速い遮断時間が0.01(s)程度のため、電流ヒューズが0.01(s)で遮断できるI(TH)より短絡電流が大きい場合では電流ヒューズが先に遮断動作すると考えられ、また、短絡電流がI(TL)以下の場合についても保護対象装置10への給電を妨げることなく異常SPD1−1又は1−2の分離が可能である。しかし、短絡電流の大きさがI(TH)〜I(TL)の場合、入力ブレーカ3が電流ヒューズより先に動作してしまい、SPD1−1又は1−2の故障により保護対象装置10への給電が停止する場合があった。なお、通常は、ブレーカの遮断特性についてはメーカによらず同様の特性を示す傾向がある。
図3に、本実施の形態のサージ防護装置において、通常時に雷サージが侵入した場合の雷サージ電流の流れについての説明図を示す。
この図では、一例として、SPD1−1が故障した場合のSPD1−1を通る短絡電流を矢印で示す。故障時に壊れたSPD1−1にかかる電圧は商用電源電圧程度のため、接地とSPD1−1間に接続されるスイッチング型SPD(ガス入り放電管型SPD等)5と他の2つの正常なSPD1−2及び6は絶縁状態である。そのためSPD1−1の短絡電流は接地された給電線4−2の電源側へ追加抵抗7を通って流れる。このため、SPD故障時の短絡電流が抑制される(I(TL)以下に)ので、入力ブレーカ3より先に、SPD分離器2−1が遮断される。よって、SPD1−1の劣化状況(抵抗値)に関わらず、故障したSPD1−1を保護対象装置10への影響なしに給電系から切離すことが可能になった。なお、SPD1−2が故障した場合も同様である。
この図では、一例としてSPD1−1が故障時に雷サージが給電線に侵入した場合に流れる電流(雷サージ電流)を、矢印で示す。このとき既に、SPD分離器2−1が遮断の状態であり、SPD1−1には雷サージ電流は流れない。雷サージ電流は、非接地の給電線4−1においては、SPD分離器2−2を経てSPD1−2を通り、さらにスイッチング型SPD5を通り、接地へ流れることで、雷サージ電流を正常に大地へ逃がすことができる。雷サージ電流は接地された給電線4−2についてもSPD6を通り(追加抵抗7へはほとんど流れない)、さらに、スイッチング型SPD5を通り、接地へ流れることで、雷サージ電流を正常に大地へ逃がすことができる。
2−1、2−2 SPD分離器
3 入力ブレーカ
4−1、4−2、4−3 給電線
5 スイッチング型SPD
7 抵抗
10 保護対象装置
Claims (10)
- 保護対象装置側の第1の給電線、及び、保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第2の給電線と、
電源側で接地された第3の給電線、及び、電源側の非接地の第4の給電線と、
前記第1の給電線と接地された前記第3の給電線との間、及び、非接地の前記第2の給電線と前記第4の給電線との間に設けられ、前記第1の給電線と前記第3の給電線とを接続又は切離し、前記第2の給電線と前記第4の給電線とを接続又は切離す入力ブレーカと、
保護対象装置側の接地に接続されたスイッチング型サージ防護デバイスと、
保護対象装置側の前記第2の給電線と保護対象装置側の接地間に、前記スイッチング型サージ防護デバイスを介して直列に設けられた、第1の分離器及び第1のサージ防護デバイスと、
保護対象装置側の前記第1の給電線と、前記第1のサージ防護デバイスの接地側且つ前記スイッチング型サージ防護デバイスの接地と反対側との間に、並列に設けられた、第2のサージ防護デバイス及び第1の抵抗と
を備え、
前記第1のサージ防護デバイスが故障時に、前記第1のサージ防護デバイスを通る短絡電流を、前記第2の給電線から、前記第1の分離器及び前記第1のサージ防護デバイス、前記第1の抵抗を介して、前記第1の給電線へ電流値を抑制して流すことで、前記第1の分離器が前記入力ブレーカより先に切断されるようにした、サージ防護装置。 - 前記第2の給電線からの雷サージを、前記第1の分離器、前記第1のサージ防護デバイス、及び、前記スイッチング型サージ防護デバイスを介して、又は、前記第1の給電線からの雷サージを、前記第2のサージ防護デバイス及び前記スイッチング型サージ防護デバイスを介して、保護対象装置側の接地へ流すことを特徴とする請求項1に記載のサージ防護装置。
- 前記第1及び第2のサージ防護デバイスは、電圧制限型サージ保護デバイスであることを特徴とする請求項2又は3に記載のサージ防護装置。
- 前記第1の分離器は、電流ヒューズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 前記第1の分離器は、温度ヒューズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 前記温度ヒューズは、前記第1のサージ防護デバイスの漏れ電流による発熱で、前記第1のサージ防護デバイスを回路から切離すように構成したことを特徴とする請求項5に記載のサージ防護装置。
- 少なくとも、前記第1の分離器及び前記第1のサージ防護デバイス、前記第2のサージ防護デバイス及び前記第1の抵抗、前記スイッチング型サージ防護デバイスを、1つのユニットへまとめて一体化させた構造を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 前記第1の抵抗の抵抗値は、
前記第1のサージ防護デバイスが故障して低抵抗値になった場合の短絡電流が、前記分離器の遮断時間が前記入力ブレーカの遮断時間より小さくなるような電流値又は電流範囲とするような抵抗値に定められることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のサージ防護装置。 - 保護対象装置側の非接地の第5の給電線と、
前記入力ブレーカにより、前記第5の給電線とを接続又は切離される、電源側の非接地の第6の給電線と、
保護対象装置側の前記第5の給電線と保護対象装置側の接地間に前記スイッチング型サージ防護装置を介して直列に設けられた、第2の分離器及び第3のサージ防護デバイスと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のサージ防護装置。 - 分離接地系のTT系統の給電系統で用いられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のサージ防護装置。
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