JP2009282783A - リスク融合認識システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シーンリスク認識部2で外界を撮像した画像情報から画像全体のリスク分布を認識し、抽出リスク認識部3で画像中のリスク対象を認識する。そして、互いに独立して動作するシーンリスク認識部2及び抽出リスク認識部3の各認識結果を、リスク融合部4の処理結果ベクトル生成部41でベクトルデータ化し、このベクトルデータを入力データとして融合リスク認識部42で総合的なリスクを認識し、音声装置5や画像表示装置6へ出力してドライバへの警告や情報伝達を行うことで、複数のリスク要素認識からの情報を総合的に判断して実際の運転環境に適応した認識を可能とし、個々のドライバに最適な安全運転環境を実現する。
【選択図】図1
Description
各状態 :ドライバに或る提示をすべき状態
出力値(観測値):その状態のとき、各リスク要素認識部が出力するリスク情報
(1−1)リスク融合認識処理よりもリスク要素認識処理の処理周期が長い場合
(1−2)リスク融合認識処理よりもリスク要素認識処理の処理周期が短い場合
(2−1)最新値を取り込む。
(2−2)前の周期の処理後に入力された複数データの最大値を取り込む。
(2−3)前の周期の処理後に入力された複数データの平均値を取り込む。
本実施の形態においては、1次元256段階のSOMを用いており、各ユニットの番号をu、各ユニットの代表値をprotu(i)とすると、代表値protu(i)は、N次元のベクトルであり、i=0,1,…,N−1となる。更に、入力ベクトルをIn(i)とすると、入力ベクトルとSOMユニットとの距離L(u)は、以下の(1)式によって求められ、(2)式に示すように、この距離L(u)が最も短いユニットが勝者ユニット(ユニット番号K)として選択され、認識結果となる。
L(u)=(Σi(protu(i)−In(i))2)1/2 …(1)
K=argminu(L(u)) …(2)
L(u)=(ΣiW(i)・(protu(i)−In(i))2)1/2 …(3)
但し、W(i):次元iの重み
L(u)=(Σi(protu(i)−In(i))Σ-1(protu(i)−In(i)))1/2 …(4)
但し、Σ-1:入力ベクトルIn(i)の共分散行列の逆行列
L(u)=(ΣiF(i)2)1/2 …(5)
但し、│protu(i)−In(i)│<thのとき、F(i)=protu(i)−In(i)
│protu(i)−In(i)│≧thのとき、F(i)=th
L(s)=(ΣiF(i)2)1/2 …(6)
但し、F(i)=α1(protu(i)−In(i))
SOMは入力データに距離が一番近いユニットが選ばれるという構造のため、2つのユニットと距離が等しくなる領域(境界付近)では、認識がハンチングする可能性があり、状態認識自体がハンチングしてしまう虞がある。そのため、1周期前の勝者ユニットに関しては、距離に定数β(β<1)をかけることでヒステリシス的な処理を行い、ハンチングを防止する。すなわち、勝者ユニットを過去の計算時の情報を用いて決定することで、時間的に安定したSOM出力とすることができる。
Q(u)=exp(−L(u)/minu(L(u))/σ)/z …(7)
但し、z=Σiexp(−L(u)/minu(L(u))/σ)
SOMは、入力ベクトルから自律的に学習を行うことが可能であり、どのデータも均等に学習される。しかしながら、一般の走行中は安全な状態が圧倒的に多いことから、危険状態のユニットに対する十分な学習がなされないことが予想される。そこで、後述するHMMの教師有り学習を行う場合、SOM学習にリスクレベルの事前確率分布で重みをつける。すなわち、HMMの状態Sにおいて、事前確率をp(s)とすると、そのときのSOM学習時にかけるゲインG(s)をG(s)=const/p(s)とする。但し、ゲインが最大設定値以上になった場合は、最大設定値で制限する。また、このゲインは、HMMの各状態の重要度によって明示的に設定しても良い。
protu(i)=protu(i)+α2(In(i)−protu(i)) …(8)
但し、α2=a・b(t)・c(D(u,K),t)・G(s)
HMMの状態の設定は、本実施の形態においては、音声提示を基本として「…の音声提示をすべき状態」として設定し、また、リスクに関しては、リスクの大きさ(リスクレベル)、リスクの種類、リスクの位置(画像上の位置)の3つの指標を尺度として状態を設定している。
HMMによる状態の推定は、以下の(3−1),(3−2)に示すように、一般的に用いられるビタビアルゴリズム(Viterbi algorithm)若しくは前向きアルゴリズム(forward algorithm)を用いて行われる。この推定は、1周期前の状態St-1、現在観測された入力データを離散値に変換したユニット番号Ktにより行われ、現在が状態Stである確率P(st)が出力される。
ビタビアルゴリズムは、HMMに対する最尤系列推定手法の一つであり、最尤系列推定は、現在観測されているデータがどのステートから出力されているとするのが最も尤もらしいかを推定(最尤推定)する手法である。遷移系列を計算する際の最も尤もらしい系列とは、発生する確率が最大となる系列を特定することに相当する。
LPt(Sj)=maxi(LPt-1(Si)+LA(Sj|Si))+LB(Kt|Sj) …(9)
前向きアルゴリズムは、イベントと各ステートとのトレリス上を前向きに辿る手法であり、以下の(10)式に示すように、ステップ毎の逐次計算により、各時刻、各状態の存在確率を再帰的に計算する。(10)式においては、左辺のPt(Sj)は時刻tに状態Sjである確率、右辺第1項内のA(Sj|Si)は状態Siから状態Sjへ遷移する確率、第2項のB(Kt|Sj)は状態Sjのときの時刻tで観測値Xを出力する確率である。
Pt(Sj)=Σi(Pt-1(Si)・A(Sj|Si))+B(Kt|Sj) …(10)
次に、HMMの学習について説明する、HMMの学習は、2段階のステップを踏んでおり、第1段階は基本的な認識処理を学習するためのオフラインの事前学習フェーズ、第2段階は走行中に環境に合わせて学習を行うオンライン学習フェーズである。
以上の処理を経て得られるHMMのモデルパラメータは、図11〜図15に示される。図11は、各リスク要素認識部が出力するリスク情報を観測値として計算される状態遷移確率を示しており、ステート番号は大きいほど高いリスクレベルであることを示している。このグラフから所定のHMM駆動周波数の枠組みでは、自己遷移(同じ番号のステートにとどまる遷移)と、上下1ステート分の遷移確率が大きいこと、高リスクステートでは急激にリスクレベルが下がる遷移確率も比較的大きいこと等が見て取れる。これは、一般的に、中低程度のリスクは連続的に上下することや、高いリスク要因は車両の通過等と共に急激に解消すること等に相当し、一般的な運転状況の感覚との乖離は無いものと判断することができる。
2 シーンリスク認識部
3 抽出リスク認識部
4 リスク融合部
5 音声装置
6 画像表示装置
41 処理結果ベクトル生成部
42 融合リスク認識部
Claims (17)
- 移動体の外界環境を検出し、この外界環境に含まれるリスクを認識する複数のリスク認識部と、
上記複数のリスク認識部を並列に動作させたときの各認識結果を融合処理し、該融合処理の結果に基づいて認識したリスク情報を出力するリスク融合部と
を備えることを特徴とするリスク融合認識システム。 - 上記リスク融合部は、上記リスク情報として、音声出力と各リスク認識部からのリスク情報を統合した画像とのうち、少なくとも上記音声出力を提示することを特徴とする請求項1記載のリスク融合認識システム。
- 上記リスク融合部は、状態の時系列的な変化を状態遷移で表現した確率的状態遷移モデルを用いて、上記リスク情報をドライバに提示すべき状態を現在の状態の存在確率として認識することを特徴とする請求項1又は2記載のリスク融合認識システム。
- 上記確率的状態遷移モデルにおける状態として、上記複数のリスク認識部で認識したリスクのレベルと位置と種類とを指標とした設定を行うことを特徴とする請求項3記載のリスク融合認識システム。
- 上記確率的状態遷移モデルをオフライン及びオンラインで学習し、自律的に認識構造を構築することを特徴とする請求項3記載のリスク融合認識システム。
- 認識される現在の状態の確率を信頼度として、上記リスク情報の提示を行うか否かを判断することを特徴とする請求項3記載のリスク融合認識システム。
- 推定される現在の状態の遷移確率を用いて、未来の状態の予測を行うことを特徴とする請求項3記載のリスク融合認識システム。
- 上記確率的状態遷移モデルの1回の認識周期に対して、上記複数のリスク認識部のそれぞれから複数回の認識情報が出力される場合、該複数回の認識情報の最大値若しくは最新値若しくは平均値を、上記確率的状態遷移モデルへの入力情報とすることを特徴とする請求項3記載のリスク融合認識システム。
- 上記確率的状態遷移モデルの状態の出力値を、上記複数のリスク認識部の各認識結果を自己組織化マップを用いて離散化した変換値とすることを特徴とする請求項3記載のリスク融合認識システム。
- 上記確率的状態遷移モデルの状態推定に際して、上記自己組織化マップの確率的出力を用いることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの距離計算に際して、認識の重要度に応じたゲインを用いることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの距離計算に際して、入力ベクトルの共分散行列によるマハラノビス距離を用いることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの距離計算に際して、各次元の入力データとユニットとの差が閾値以上の場合には、同じ入力値とすることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの距離計算に際して、入力の各次元毎にユニットとの差に応じた重みを用いることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの勝者ユニットを過去の計算時の情報を用いて決定し、時間的に安定した出力とすることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの出力を、勝者ユニットではなく各ユニットとの距離に基づく確率分布とすることを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
- 上記自己組織化マップの教師有り学習を行う際に、各教師状態の登場確率若しくは各状態の重要度に応じて学習係数を変更することを特徴とする請求項9記載のリスク融合認識システム。
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