JP2009280024A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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智也 馬越
Takuhiro Saito
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Abstract

【課題】複雑な摩擦抵抗の設定等が不要でモータとスプールとの間に介在するクラッチ機構の構成が簡単なウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】パウル90を回動させるための弾性片114を有するパウルガイド110は、リング部112がクラッチカバー98に取り付けられており、パウル90の係合部122に対する弾性片114の干渉は、弾性片114が弾性変形することで解除される。このため、パウルガイド110の動作に関してクラッチカバー98との間の摩擦係数等は特に関係がなく、摩擦係数等の複雑な設定が不要で、材質等の選定が容易で構成も簡単である。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートベルト装置を構成するウエビングベルトを巻き取って格納するウエビング巻取装置に係り、特に、モータの駆動力でウエビングベルトの巻き取りができるウエビング巻取装置に関する。
下記特許文献1に開示されたウエビング巻取装置は、例えば、車両前方の障害物までの距離が一定値未満になった場合等にモータを作動させ、モータの駆動力でスプールにウエビングベルトを巻き取らせてウエビングベルトの僅かな弛み、所謂「スラック」を解消する。また、この種のウエビング巻取装置は、スプールとモータとの間にクラッチホイールを介在させている。クラッチホイールはそのベース部材に対して相対回転可能で且つ所定の摩擦力で回転が抑止されたパウルガイドを備えている。
モータの駆動力でクラッチホイールのベース部材が回転し、これにより、ベース部材とパウルガイドとの間に相対回転が生じると、ベース部材に支持されたパウル部材にパウルガイドの押動片が干渉し、パウル部材を揺動させる。これにより、パウル部材がスプール側のラチェット部に連結され、モータの駆動力でスプールが回転する。
特開2006−282097の公報
ところで、ベース部材がモータの駆動力で回転を開始した直後の状態ではパウルガイドの回転が摩擦で抑制されていないとパウルガイドはパウル部材からの押圧力でベース部材と共に回転してしまいパウル部材が揺動しない。しかしながら、パウル部材がラチェットに係合した後にはベース部材と共に回転するパウル部材がパウルガイドの押動片を押圧してパウルガイドを伴って回転するので、パウルガイドの回転を抑制する摩擦が大きいと、モータの駆動力をスプールに伝えるに際しての損失が大きい。このため、パウルガイドの回転を抑制するための摩擦抵抗の設定が難しい。
本発明は、上記事実を考慮して、複雑な摩擦抵抗の設定等が不要でモータとスプールとの間に介在するクラッチ機構の構成が簡単なウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端部が係止されて、自らの軸心周りの一方である巻取方向へ回転することで前記ウエビングベルトをその長手方向基端側から巻き取るスプールと、前記スプールを直接又は間接的に回転自在に支持するフレームと、前記スプールに対して直接又は間接的に連結可能に設けられると共にモータの出力軸に直接又は間接的に連結され、前記モータの駆動力で回転すると共に、前記スプールに対する直接又は間接的な連結状態では前記モータの駆動力を前記スプールの回転力として前記スプールに伝達可能な連結手段と、前記フレームに直接又は間接的に保持されて、前記モータの駆動力で回転する前記連結手段に干渉して前記連結手段を前記スプールに直接又は間接的に連結させると共に、前記スプールに対する前記連結手段の連結状態では前記モータの駆動力で回転する前記連結手段に押圧されて前記連結手段に対する干渉が解除されるガイド手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、モータが作動してモータの駆動力で連結手段が回転すると、フレームに直接又は間接的に保持されたガイド手段に連結手段が干渉される。このようにガイド手段に干渉された状態でモータの駆動力で連結手段が回転すると連結手段がスプールに直接又は間接的に連結される。これによって、モータの回転力が連結手段を介してスプールに伝わり、例えば、スプールが巻取方向に回転してウエビングベルトを巻き取る。
また、このように連結手段がスプールに直接又は間接的に連結された状態で、モータの駆動力によって連結手段が回転すると、ガイド手段が連結手段に押圧される。この連結手段からの押圧力で連結手段に対するガイド手段の干渉が解除される。ここで、ガイド手段はスプールを支持するフレームに直接又は間接的に保持されて、上記のようにガイド手段は連結手段からの押圧力で連結手段に対する干渉を解除する。このため、ガイド手段と他の部材との間の複雑な摩擦抵抗の設定等が不要で、連結手段を含めてスプールとモータとを連結するための構成を簡単にできる。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記スプールに対する前記連結手段の連結状態で前記モータの駆動力で回転する前記連結手段からの押圧力で弾性変形可能に前記ガイド手段を設定し、前記ガイド手段の弾性変形で前記連結手段に対する前記ガイド手段の干渉が解除される。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、連結手段がスプールに直接又は間接的に連結された状態で、モータの駆動力によって連結手段が回転すると、ガイド手段が連結手段に押圧される。この連結手段からの押圧力でガイド手段が弾性変形し、このガイド手段の弾性変形によって連結手段に対するガイド手段の干渉が解除される。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項2に記載の本発明において、所定方向への変位で前記スプールに直接又は間接的に連結可能な連結部と、外周部が前記ガイド手段に干渉されることで前記ガイド手段に案内されて変位し、前記連結部を前記スプールに直接又は間接的に連結させる方向へ変位させる係合部と、を含めて前記連結手段を構成すると共に、弾性変形した前記ガイド手段が元の形状に復元する際の復元軌跡の範囲の外側に、前記係合部の外周部のうち前記ガイド手段に干渉される部位とは反対側の部位が位置するように設定している。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、連結手段を構成する係合部の外周部がガイド手段に干渉されると、係合部がガイド手段に案内されて変位する。この係合部の変位に伴い連結手段を構成する連結部が変位して、スプールに直接又は間接的に連結する。
連結部がスプールに直接又は間接的に連結された状態で、モータの駆動力によって連結手段が回転すると、係合部に押圧されたガイド手段が弾性変形する。ここで、係合部の外周部のうちガイド手段に干渉される部位とは反対側の部位は、弾性変形したガイド手段が元の形状に復元する際の復元軌跡の範囲の外側に位置するように設定される。このため、弾性変形することで係合部への干渉が解除されたガイド手段が、素早く元の形状に復元できる。
請求項4に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項2又は請求項3に記載の本発明において、前記スプールに直接又は間接的に連結され、自らの回転を前記スプールに伝えて前記スプールを回転させる従動回転体と、前記従動回転体に対して連結する向きに変位可能に前記連結手段を支持すると共に、前記従動回転体に対して同軸的に相対回転可能で、前記モータの駆動力を受けて回転する原動回転体と、を備え、更に、各々が前記原動回転体の回転軸心を中心とした放射状に設けられると共に、前記原動回転体の回転周方向に沿って所定間隔毎に複数設けられ、各々が前記原動回転体の回転周方向に弾性変形可能な弾性片を含めて前記ガイド手段を構成している。
請求項4に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、モータが作動してモータの駆動力で原動回転体が回転し、この原動回転体に支持された連結手段が原動回転体と共に回転する。原動回転体と共に連結手段が回転すると、ガイド手段を構成する複数の弾性片の何れかが連結手段に干渉し、弾性片に干渉された状態で連結手段が原動回転体に伴われて回転すると連結手段が従動回転体に連結される。このように連結手段と従動回転体とが連結した状態で、モータの回転力により原動回転体が回転すると、モータの回転力が原動回転体及び連結手段を介して従動回転体に伝わって従動回転体が回転し、更に、この従動回転体の回転がスプールに伝わってスプールを回転させる。
また、このように連結手段が従動回転体に連結された状態で、モータの駆動力によって原動回転体が連結手段を伴い回転すると、連結手段が弾性片を押圧して弾性片を原動回転体の回転方向に弾性変形させ、これにより、連結手段に対する弾性片の干渉が解除される。
ここで、本発明に係るウエビング巻取装置では、ガイド手段を構成する弾性片が原動回転体の回転軸心を中心に放射状に設けられる。このため、弾性片が連結手段に干渉するまでに原動回転体の1回転を必要としない。このため、原動回転体が回転開始してから素早く連結手段を従動回転体に連結させることができ、モータの駆動力を素早くスプールに伝えることができる。
なお、本発明において、弾性片は原動回転体の回転周方向に複数あればよく、弾性片間の間隔や弾性片の数に関してなんら限定されるものではないが、弾性片の間隔が狭いほど原動回転体の回転開始から連結手段と従動回転体との連結までのタイムラグを小さくでき、また、逆に弾性片の間隔が広く、且つ、弾性片の数が少ないほど、従動回転体に連結手段が連結された状態で原動回転体に伴われて連結手段が回転した際に、原動回転体が1回転する間の弾性片に対する連結手段の当接回数を少なくできる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置は、複雑な摩擦抵抗の設定等をしなくても、モータとスプールとの間に介在するクラッチ機構の構成が簡単にできる。
<本実施の形態の構成>
図4には本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置10の要部の構成の概略が分解斜視図によって示されている。
図4に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は平板状の背板14を備えており、背板14がボルト等の図示しない締結手段によって、例えば、車両のセンターピラーの下端部近傍にて車体に固定され、これにより、本ウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる。背板14の幅方向両端からは、略車両前後方向に互いに対向した一対の脚板16、18が互いに平行に延出されている。これらの脚板16、18間には略円筒形状のスプール20が配置されている。
スプール20は軸方向が脚板16、18の対向方向とされており、自らの軸周りに回転可能とされている。また、スプール20には長尺帯状のウエビングベルト22の長手方向基端部が係止されている。ウエビングベルト22はスプール20がその軸周り一方である巻取方向に回転することでスプール20の外周部に基端側から層状に巻き取られて格納される。さらに、ウエビングベルト22を先端側から引っ張れば、スプール20に巻き取られたウエビングベルト22が引き出され、これに伴い、巻取方向とは反対の引出方向にスプール20が回転する。
また、上記のスプール20の内側には図示しないトーションシャフトがスプール20に対して同軸的に配置されている。トーションシャフトは長手(軸)方向がスプール20の軸方向に沿った棒状に形成されており、その軸方向中間部よりも一端側でスプール20の軸線周りにスプール20に対して相対回転不能な状態でスプール20に連結されている。
さらに、脚板16の脚板18とは反対側にはスプリングハウジング24が脚板16に取り付けられている。スプリングハウジング24は中空形状に形成されており、その内側には図示しない渦巻きばねが収容されている。渦巻きばねの渦巻き方向外側の端部はスプリングハウジング24に係止されている。これに対して、渦巻きばねの渦巻き方向内側端部は、脚板16を貫通してスプリングハウジング24内に入り込んだトーションシャフトの脚板16側の端部、又は、スプリングハウジング24内に配置されてトーションシャフトに対して同軸的且つ一体的に連結されたアダプタ等の他の部材に係止されており、トーションシャフトが引出方向に回転すると、渦巻きばねが巻き締められてトーションシャフトを巻取方向に付勢する。
一方、脚板18の脚板16とは反対側ではクラッチハウジング40が脚板18に取り付けられている。クラッチハウジング40には脚板18とは反対側へ向けて開口したギヤ収容部42が形成されている。ギヤ収容部42には減速ギヤ列44が収容されている。減速ギヤ列44は外歯で平歯のギヤ46を備えている。ギヤ46は軸方向がスプール20の軸方向と同じ状態でギヤ収容部42内に配置されている。
ギヤ46はクラッチハウジング40を貫通してギヤ収容部42に入り込んだモータ48の出力軸50に同軸的且つ一体的に固定されている。ギヤ46の回転半径方向側方にはギヤ46よりも歯数が多い外歯で平歯のギヤ52が設けられている。ギヤ52に対応してギヤ収容部42には支持軸54が形成されている。支持軸54は軸方向がスプール20の軸方向と同じ向きとされており、ギヤ52はギヤ46に噛み合った状態で支持軸54周りに回転自在に支持軸54に支持されている。
ギヤ52の軸方向側方には外歯で平歯のギヤ56がギヤ52に対して同軸的且つ一体的に形成されている。ギヤ56の回転半径方向側方にはギヤ56よりも歯数が多い外歯で平歯のギヤ58が設けられている。ギヤ58に対応してギヤ収容部42には支持軸60が形成されている。支持軸60は軸方向がスプール20の軸方向と同じ向きとされており、ギヤ58はギヤ56に噛み合った状態で支持軸60周りに回転自在に支持軸60に支持されている。
また、ギヤ収容部42には軸方向がスプール20の軸方向と同じ向きとされた支持軸62が形成されており、この支持軸62には外歯で平歯のギヤ64が支持軸62周りに回転自在に支持されている。ギヤ64には図示しない外歯で平歯のギヤが同軸的且つ一体的に形成されており、このギヤ64に対して同軸的且つ一体的に形成されたギヤには、ギヤ58の軸方向側方でギヤ58に対して同軸的且つ一体的に形成された外歯で平歯のギヤが噛み合っている。これにより、モータ48の出力軸50の回転をギヤ64まで伝えることができるようになっている。
さらに、ギヤ64の回転半径方向側方には、クラッチ70が設けられている。クラッチ70は原動回転体として外輪部72を備えている。外輪部72は全体的に円板状に形成されている。外輪部72に対応してギヤ収容部42には軸受部74が形成されている。外輪部72は、ギヤ収容部42内でスプール20に対して同軸的に配置された状態でギヤ64に噛み合い、軸受部74に回転自在に支持されている。
この外輪部72の回転半径方向中央側には脚板18とは反対側へ向けて開口したラチェット収容部76が形成されている。ラチェット収容部76の内側には従動回転体としてのラチェットホイール78が外輪部72に対して同軸的に配置されている。このラチェットホイール78に対応して上記のトーションシャフトの脚板18の側の端部にはアダプタ80がトーションシャフトに対して相対回転不能な状態で取り付けられている。アダプタ80は脚板18、クラッチハウジング40のギヤ収容部42を通過してラチェット収容部76に入り込んでおり、このアダプタ80に対してラチェットホイール78が相対回転不能な状態でアダプタ80に取り付けられている。
外輪部72の回転半径方向に沿ったラチェット収容部76の側方には脚板18とは反対側へ向けて開口したパウル収容部82が形成されている。パウル収容部82には支持ピン84が設けられている。支持ピン84は軸方向がスプール20の軸方向と同じ向きとされている。また、パウル収容部82の内側では連結手段としてのパウル90が支持ピン84周りに回動可能に支持ピン84に支持されている。
パウル90は連結部92を備えている。連結部92は支持ピン84周りの一方へパウル90が回動することでラチェットホイール78の外周部へ接近し、更に、支持ピン84周りの一方へパウル90が一定角度回動することで、連結部92がラチェットホイール78の外周部に形成されたラチェット歯に噛み合う。上記のように、パウル90は支持ピン84に支持されていることで、外輪部72が回転するとパウル90は外輪部72に伴われて回転する。このため、ラチェットホイール78の外周部に形成されたラチェット歯に連結部92が噛み合った状態で外輪部72が巻取方向に回転した際には、外輪部72の回転が連結部92を介してラチェットホイール78に伝わりラチェットホイール78を巻取回転させる。
但し、ラチェットホイール78の外周部に形成された歯はラチェット歯であるため、ラチェットホイール78の外周部に形成されたラチェット歯に連結部92が噛み合った状態で外輪部72が引出方向に回転した際には、外輪部72の回転が連結部92を介してラチェットホイール78に伝わることはなく、連結部92はラチェットホイール78のラチェット歯の引出方向側の面の上を滑る。
さらに、パウル収容部82内にはリターンスプリング94が設けられている。リターンスプリング94は捩じりコイルばねとされており、その一端は支持ピン84の底部に係止されている。また、リターンスプリング94の他端部は、パウル90の支持ピン84による支持位置を介して連結部92とは別の向きの側のばね係合部96に係合しており、リターンスプリング94は支持ピン84周りに連結部92をラチェットホイール78の外周部から離間させる向きにパウル90を付勢している。
以上のクラッチ70や減速ギヤ列44が設けられたクラッチハウジング40の脚板18とは反対側にはクラッチカバー98が設けられている。クラッチカバー98はねじ等の締結手段や嵌合突起等の嵌合手段によってクラッチハウジング40に一体的に連結されていると共に、ねじ等の締結手段や嵌合突起等の嵌合手段によって脚板18に一体的に連結され、クラッチハウジング40のギヤ収容部42や、外輪部72のラチェット収容部76やパウル収容部82がクラッチカバー98により閉止されている。
一方、図4に示されるように、クラッチカバー98の脚板18の側にはガイド手段としてのパウルガイド110が設けられている。パウルガイド110はリング部112を備えている。リング部112は正面視円形のリング状に形成されており、クラッチ70の外輪部72に対して同軸的にクラッチカバー98に保持されている。リング部112の外周部からは複数本の弾性片114が延出されている。弾性片114はリング部112の中心周りに一定角度毎に放射状に延出されている。これらの弾性片114は先端側(リング部112とは反対側)が、リング部112の中心軸線方向と同じ方向を軸方向とする軸周りに回動するように弾性変形可能とされている。
これらの弾性片114に対応して上記のパウル90の脚板18とは反対側の面からは係合部122が突出形成されている。弾性片114は軸方向がスプール20の軸方向と同じ向きとされた円柱形状に形成されている。この係合部122は、上述した複数本の弾性片114のうち、リング部112周りに互いに隣り合う2本の弾性片114の間に位置するように形成位置が設定されている。しかも、図1に示されるパウル90の初期状態(連結部92がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合う向きへ動く前の状態)で、アダプタ80の中心軸線と支持ピン84の中心軸線とを結ぶ仮想線上に係合部122が位置するように係合部122の形成位置が設定されている。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の動作の説明を通して、本ウエビング巻取装置10の作用並びに効果について説明する。
本ウエビング巻取装置10では、例えば、レーダー測距装置や赤外線測距装置等の前方監視手段(図示省略)の検出結果に基づいて、本ウエビング巻取装置10を搭載した車両の前方で走行又は停止している他の車両等の障害物までの距離が一定値未満になったとECU等の制御手段(図示省略)が判定すると、制御手段がモータ48を正転駆動させる。モータ48の正転駆動力で出力軸50が正転すると、この出力軸50の正転が減速ギヤ列44を介してクラッチ70の外輪部72に伝えられ、外輪部72を巻取方向に回転させる。外輪部72が巻取方向に回転すると、支持ピン84に支持されたパウル90が外輪部72と共に巻取方向に回転する。
このようにパウル90が巻取方向に回転しようとすると、パウル90の係合部122が巻取方向側で係合部122と対向する弾性片114に干渉される。係合部122が弾性片114に干渉された状態で外輪部72が巻取方向に回転すると、リターンスプリング94の付勢力に抗して支持ピン84周りにパウル90が回動し、連結部92がラチェットホイール78の外周部に接近する。これにより、図2に示されるように、連結部92がラチェットホイール78の外周部に形成されたラチェット歯に噛み合う。連結部92がラチェットホイール78の外周部に形成されたラチェット歯に噛み合った状態で更に外輪部72が巻取方向に回転すると、この外輪部72の回転がパウル90を介してラチェットホイール78に伝わり、ラチェットホイール78を巻取方向へ回転させる。
さらに、ラチェットホイール78はトーションシャフトを介してスプール20に同軸的且つ一体的に繋がっているため、ラチェットホイール78が巻取方向へ回転することでスプール20が巻取方向に回転し、これにより、ウエビングベルト22がその長手方向基端側からスプール20に巻き取られる。これにより、乗員の身体に装着されているウエビングベルト22の僅かな弛み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビングベルト22により乗員の身体が強く拘束される。
また、上記のようにラチェットホイール78が巻取方向に回転する際には、パウル90がラチェットホイール78に伴われて巻取方向に回転する。これに対し、パウルガイド110はクラッチカバー98に取り付けられているので、パウルガイド110が回転することはない。したがって、係合部122に干渉した弾性片114は外輪部72に伴われてのパウル90の回転を規制しようとする。しかしながら、弾性片114は上記のように弾性変形可能であるため、外輪部72に伴われて回転するパウル90の係合部122は、その回転方向(すなわち、巻取方向)に弾性片114を押圧して、図3に示されるように、弾性片114を弾性変形させる。
この状態で、更に、外輪部72に伴われてパウル90が回転すると、弾性片114は弾性変形でその先端が係合部122を越えて、係合部122の引出方向側にそれまで係合部122に干渉していた弾性片114が位置し、弾性片114が元の形状に復元する。さらに、このように元の形状に復元した弾性片114に対して巻取方向側で隣り合う別の弾性片114は、パウル90が外輪部72に伴われて更に巻取方向に回転することで係合部122に干渉するが、その前の弾性片114と同様に動作する。これにより、外輪部72は特に支障なく巻取方向に回転でき、巻取方向への回転をラチェットホイール78、ひいては、スプール20に伝えることができる。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、パウル90を回動させるための弾性片114は、リング部112を介してクラッチカバー98に取り付けられているので、その動作に関してクラッチカバー98との間の摩擦係数等は特に関係がない。このため、摩擦係数等の複雑な設定が不要で、材質等の選定が容易で構成も簡単である。
なお、本実施の形態では、弾性片114の本数やリング部112周りの間隔に関して特に言及していないが、弾性片114の本数やリング部112周りの間隔等は基本的に任意に設定して構わない。弾性片114の本数を少なくしてリング部112周りの弾性片114の間隔を大きく設定すれば、外輪部72が1回転する間に弾性片114が係合部122に干渉する回数が少なくなるので、弾性片114が係合部122に干渉することに起因する動作音の発生を軽減できる。
これに対して、リング部112周りの弾性片114の間隔が係合部122の直径寸法程度になるようにリング部112周りの弾性片114の間隔や弾性片114の本数を設定すれば、外輪部72の回転開始直後に係合部122は弾性片114に干渉されるので、連結部92をラチェットホイール78の外周部のラチェット歯に素早く噛み合わせることができる。
また、本実施の形態では、パウル90の初期状態でアダプタ80の中心軸線と支持ピン84の中心軸線とを結ぶ仮想線上に係合部122が位置するように係合部122の形成位置を設定したが、係合部122の形成位置がこのような位置に限定されるものではなく、係合部122の形成位置は基本的に任意に設定して構わない。
但し、パウル90の初期状態でアダプタ80の中心軸線と支持ピン84の中心軸線とを結ぶ仮想線上に係合部122が位置するように係合部122の形成位置を設定した場合、弾性片114に干渉された直後に係合部122が弾性片114から受ける押圧反力の向きは、支持ピン84を中心とする接線方向に向くので、弾性片114からの押圧反力をパウル90の回動に大きく寄与させることができるというメリットがある。
さらに、本実施の形態では、係合部122の形状を円柱形状としたが、係合部122の形状が円柱形状に限定されるものではなく、係合部122の形状は基本的に任意に設定して構わない。
例えば、図5に示されるように、外輪部72の半径方向に沿った係合部122の中央よりも引出方向側で係合部122の外周面を部分的に切除し、外輪部72の半径方向に沿った係合部122の中央よりも引出方向側に弾性片114の先端が到達した場合に弾性片114が復元する際の変形の軌跡の範囲よりも外側に係合部122の外周面が位置するように係合部122の形状を設定すれば、図6に示されるように、弾性片114が素早く元の形状に復元できる(換言すれば、係合部122への干渉が解除されるまでの弾性片114の弾性変形を比較的小さくできる)。
また、本実施の形態では、クラッチ70は1つのパウル90を備える構成であったが、パウル90の数に関しては何ら限定されるものではないので、複数のパウル90をクラッチ70に設ける構成であっても構わない。また、複数のパウル90をクラッチ70に設ける構成とした場合、外輪部72の中心周りに複数のパウル90を等間隔に配置してもよいし、外輪部72の中心周り隣り合うパウル90の間隔を異ならせてもよい。
さらに、外輪部72の中心周りに複数のパウル90を等間隔に配置した構成の場合、ラチェットホイール78のラチェット歯を、パウル90の数の整数倍としてラチェットホイール78の中心周りに等間隔に形成すれば、全てのパウル90が同時にラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合う。このため、パウル90がラチェットホイール78のラチェット歯に付与する荷重が各パウル90及び各ラチェット歯に分散されるので、パウル90やラチェットホイール78の機械的強度を低く設定でき、軽量化が可能になる。
これに対し、例えば、図7に示されるように、外輪部72の中心周りに複数(2枚)のパウル90を等間隔に配置したうえで、ラチェットホイール78のラチェット歯を、パウル90の数の整数倍とは異なる数(パウル90が2枚の場合には奇数個)のラチェット歯をラチェットホイール78の中心周りに等間隔に形成する構成とした場合には、何れかのパウル90がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合った状態で他の何れかのパウル90がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合わない。
したがって、外輪部72が巻取方向に回転を開始した際に、何れか1つのパウル90がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合いそびれても、ラチェット歯の1ピッチ未満の外輪部72の回転で他の何れかのパウル90がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合う。これにより、外輪部72が巻取方向への回転を素早くにラチェットホイール78に伝えてスプール20を巻取方向へ回転させることができる。
さらに、本実施の形態では、連結部92がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合った状態でも弾性片114が係合部122に干渉する構成であった。しかしながら、例えば、ラチェットホイール78のラチェット歯の歯先に連結部92の先端が係合するまで弾性片114が係合部122に干渉し、ラチェットホイール78のラチェット歯に誘導されてラチェットホイール78のラチェット歯の歯元まで連結部92の先端が到達した際には、弾性片114の先端が係合部122から離間するように弾性片114や係合部122の形状や形成位置を設定することで、連結部92がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合った後には弾性片114が係合部122に干渉しないか、又は、このような干渉が小さくなる構成とすることも可能である。
このような構成にすると、連結部92がラチェットホイール78のラチェット歯に噛み合った状態では弾性片114が係合部122に干渉しないか、このような干渉が小さくなるので、弾性片114が係合部122からの押圧力を受けることがなく弾性変形が生じないか、又は、係合部122からの押圧力を受けた弾性片114が大きく弾性変形する前に係合部122を乗り越える。このため、上述した動作音の発生を防止又は効果的に軽減でき、静粛性能を向上できる。
また、本実施の形態では、ガイド手段としてのパウルガイド110を独立した一部材として設けた構成であったが、ガイド手段をガイド手段以外の部材の一部として構成してもよい。したがって、例えば、外周部に複数本の弾性片114が形成されたリング部112を、クラッチカバー98に一体形成する構成、すなわち、パウルガイド110をクラッチカバー98の一部とする構成等、パウルガイド110をパウルガイド110以外の構成の一部としてもよい。
さらに、本実施の形態では、弾性片114の基端部がリング部112に繋がり、弾性片114の先端側が自由端とされて、係合部122に押圧された弾性片114の先端側が弾性変形する構成であった。しかしながら、ガイド手段の構成がこのような弾性片114を含む構成に限定されるものではない。例えば、スプール20の軸方向に沿ったクラッチカバー98側の弾性片114の端部(すなわち、本実施の形態における弾性片114で言えば、弾性片114の幅方向一端)をクラッチカバー98に繋げて固定端として、クラッチカバー98とは反対側の弾性片114の端部を自由端とし、係合部122に弾性片114が押圧されると、弾性片114のクラッチカバー98とは反対側が弾性変形することで、係合部122を越える構成としてもよい。
本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す側面図である。 連結手段がスプールに間接的に連結された状態を示す図1に対応した側面図である。 連結手段に押圧されたガイド手段が弾性変形している状態を示す図1に対応した側面図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の変形例を示す側面図である。 弾性変形していたガイド手段が復元した状態を示す図5に対応した側面図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の他の変形例を示す側面図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
12 フレーム
20 スプール
22 ウエビングベルト
48 モータ
72 外輪部(原動回転体)
78 ラチェットホイール(従動回転体)
90 パウル(連結手段)
92 連結部
110 パウルガイド(ガイド手段)
114 弾性片
122 係合部

Claims (4)

  1. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端部が係止されて、自らの軸心周りの一方である巻取方向へ回転することで前記ウエビングベルトをその長手方向基端側から巻き取るスプールと、
    前記スプールを直接又は間接的に回転自在に支持するフレームと、
    前記スプールに対して直接又は間接的に連結可能に設けられると共にモータの出力軸に直接又は間接的に連結され、前記モータの駆動力で回転すると共に、前記スプールに対する直接又は間接的な連結状態では前記モータの駆動力を前記スプールの回転力として前記スプールに伝達可能な連結手段と、
    前記フレームに直接又は間接的に保持されて、前記モータの駆動力で回転する前記連結手段に干渉して前記連結手段を前記スプールに直接又は間接的に連結させると共に、前記スプールに対する前記連結手段の連結状態では前記モータの駆動力で回転する前記連結手段に押圧されて前記連結手段に対する干渉が解除されるガイド手段と、
    を備えるウエビング巻取装置。
  2. 前記スプールに対する前記連結手段の連結状態で前記モータの駆動力で回転する前記連結手段からの押圧力で弾性変形可能に前記ガイド手段を設定し、前記ガイド手段の弾性変形で前記連結手段に対する前記ガイド手段の干渉が解除される請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 所定方向への変位で前記スプールに直接又は間接的に連結可能な連結部と、
    外周部が前記ガイド手段に干渉されることで前記ガイド手段に案内されて変位し、前記連結部を前記スプールに直接又は間接的に連結させる方向へ変位させる係合部と、
    を含めて前記連結手段を構成すると共に、弾性変形した前記ガイド手段が元の形状に復元する際の復元軌跡の範囲の外側に、前記係合部の外周部のうち前記ガイド手段に干渉される部位とは反対側の部位が位置するように設定した請求項2に記載のウエビング巻取装置。
  4. 前記スプールに直接又は間接的に連結され、自らの回転を前記スプールに伝えて前記スプールを回転させる従動回転体と、
    前記従動回転体に対して連結する向きに変位可能に前記連結手段を支持すると共に、前記従動回転体に対して同軸的に相対回転可能で、前記モータの駆動力を受けて回転する原動回転体と、
    を備え、更に、各々が前記原動回転体の回転軸心を中心とした放射状に設けられると共に、前記原動回転体の回転周方向に沿って所定間隔毎に複数設けられ、各々が前記原動回転体の回転周方向に弾性変形可能な弾性片を含めて前記ガイド手段を構成した請求項2又は請求項3に記載のウエビング巻取装置。
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