JP2009279851A - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

熱転写受像シートの製造方法 Download PDF

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明日香 大嶋
Satoshi Shioda
聡 塩田
Makoto Aoyanagi
誠 青柳
Toru Takahashi
徹 高橋
Chie Fujimoto
千絵 藤本
Takuo Otsumaru
卓雄 乙丸
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Abstract

【課題】熱転写受像シートの製造方法であって、基材シートと受容層との間に存在する中間層が充分乾燥可能であり、且つ、従来の基材シート上に多孔質層や受容層を順次塗布乾燥する方法、あるいは、乾燥工程を含まず塗布工程を複数回にわけて湿式塗布するウェットオンウェット法に比べて、製造効率の良い製造方法を提供する。
【解決手段】基材シート上に、2層以上の中間層と、受容層とを備える熱転写受像シートを製造する場合に、上記2層以上の中間層のうちの連続する少なくとも2層を同時に形成するために、該連続する少なくとも2層を形成するための水系塗工液を用いて基材上に直接または間接に同時重層塗布方法により2以上の塗膜を同時に形成する同時重層塗布工程及び乾燥工程を実施し、且つ、全ての中間層の形成終了後に、受容層形成用塗工液を用いて受容層を形成する受容層形成工程を実施する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱転写方式による印画に用いられる熱転写受像シートであって、基材シート上に、少なくとも2層以上の中間層と、受容層とを備える熱転写受像シートの製造方法に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた染料層を備える熱転写シート(以下、「インクリボン」ともいう)と、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は、熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
上記熱転写受像シートにおける受容層は、有機系溶媒を用いて受容層構成樹脂を塗布して形成される溶剤系受容層と、水系溶媒を用いて受容層構成樹脂を塗布して形成される水系受容層とに大別される。
ここで、熱転写受像シートの形成方法としては、グラビアコート等により、基材シート上に多孔質層や受容層を順次塗布、乾燥する方法、乾燥工程を含まず塗布工程を複数回にわけて湿式塗布するウェットオンウェット法、あるいは基材シート上に複数の層を同時に塗布する同時重層塗布方法などが知られている。これらの形成方法のうち、特に同時重層塗布方法は、他の形成方法に比べて少ない工程数で熱転写受像シートを得ることができるため注目を浴びている。
上記同時重層塗布方法の例としては、例えば特許文献1の実施例(熱転写受像シート5の作製)において、基材上に、断熱層や受容層等の複数の層を同時重層塗布することにより形成した熱転写受像シートが開示されている。具体的には、同時重層塗布の塗布方式としてスライドコート法を用いて、熱転写受像シートを得たことが記載されている。また、特許文献2において、水性中間層と水性受容層を同時塗布することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法が開示されており(例えば特許文献2請求項1)、さらにまた、特許文献3において、水溶性樹脂を最表層に有するインクジェット記録媒体が開示されており(例えば特許文献3請求項1)、インク受容層用塗布液と塩基性溶液とを同時塗布することについて記載されている。
例えば特許文献1の実施例(熱転写受像シート5の作製)にも開示されるように、同時重層塗布方法により熱転写受像シートを製造する場合には、基材シート上に設けられる複数の層を形成するための塗工液を同時に塗布して多層の塗膜を積層形成し、その後、乾燥工程を実施し、各塗膜中に含有される、溶媒を乾燥除去することが一般的である。
特開2006−88691公報 特開平6−171240号公報 特開2006−103040公報
しかしながら、上記同時重層塗布方法により熱転写受像シートを製造する際には、以下の問題点があった。即ち、基材シート上に設けられる複数の層を形成するための塗工液を同時に塗布して多層の塗膜を積層形成し、その後、乾燥工程を実施した場合に、受容層を適切に乾燥させる条件下では、受容層下に設けられる中間層の乾燥が不充分になることがあった。
特に、中空粒子を含有する多孔質層が、熱転写受像シートに断熱性及びクッション性を与えるために基材シートと受容層との間に設けられる場合には、多孔質層形成用塗膜において用いられる溶媒が該中空粒子内部にも存在するため、受容層を介して該中空粒子内部に存在する溶媒を除去させることが困難である場合がある。
そして、上述のとおり中間層において充分に乾燥が行われなかった場合には、これによって得られた熱転写受像シートを用いて熱転写法により画像を形成する際に、不都合が生じる虞がある。特に、上記多孔質層が充分に乾燥されないと、該多孔質層に求められる耐熱性が良好に発揮されず、画像形成時において染料の染着性が悪く画像の濃度が低下するという問題があった。また多孔質層の乾燥が不十分な状態なことに起因して、該多孔質層の上面に直接または間接に形成される受容層が該多孔質層からの水分の一部を含有する結果となり、受容層の耐熱性が低下し、印画時に染料が均一に受容層に染着せずに受容層の表面があれてしまう、所謂画像のこげの問題が生じる場合があった。また熱印画時に印画音が大きくなってしまうといった転写性不良の問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、基材シートと受容層との間に存在する中間層が充分乾燥可能であり、且つ、従来の基材シート上に多孔質層や受容層を順次塗布乾燥する方法、あるいは、乾燥工程を含まず塗布工程を複数回にわけて湿式塗布するウェットオンウェット法に比べて、製造効率の良い製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材シートと受容層との間に2以上の中間層を有する熱転写受像シートの製造方法において、受容層と中間層との形成工程を分割し、受容層を形成する前に、中間層を乾燥させることにより、中間層を充分に乾燥可能とする上、上記2以上の中間層のうち、少なくとも連続する2つの層を同時重層塗布することにより、基材シート上に順次単層形成する従来の方法よりも、高効率に熱転写受像シートを製造することを可能とするものである。
即ち、本発明は、
(1)基材シート上に、2層以上の中間層と、受容層とを備える熱転写受像シートの製造方法であって、上記2層以上の中間層のうちの連続する少なくとも2層を同時に形成するために、該連続する少なくとも2層を形成するための水系塗工液を用いて基材上に直接または間接に同時重層塗布方法により2以上の塗膜を同時に形成する同時重層塗布工程と、
上記同時重層塗布工程により形成された2以上の塗膜を乾燥して、上記連続する少なくとも2層を形成するための乾燥工程と、を備え、且つ、全ての中間層の形成終了後に、受容層形成用塗工液を用いて受容層を形成する受容層形成工程を備えることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法、
(2)上記同時重層塗布工程及び上記乾燥工程により形成される中間層の1つが多孔質層であることを特徴とする上記(1)に記載の熱転写受像シートの製造方法、
(3)上記同時重層塗布工程において、上記多孔質層形成塗膜が基材シートから最も離れた位置、あるいは基材シートから最も離れた位置に形成される塗膜の内側に位置していることを特徴とする上記(2)に記載の熱転写受像シートの製造方法、
(4)基材シート上に設けられる上記2層以上の中間層として、下引き層、多孔質層、及びプライマー層をこの順で含み、上記下引き層と上記多孔質層とが上記同時重層塗布工程及び上記乾燥工程において形成され、次いで、上記プライマー層を形成するためのプライマー層形成工程、及び、上記受容層形成工程を順に実施することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の熱転写受像シートの製造方法、
(5)基材シート上に設けられる上記2層以上の中間層として、下引き層、多孔質層、及びプライマー層をこの順で含み、上記下引き層、上記多孔質層、及び上記プライマー層が上記同時重層塗布工程及び上記乾燥工程において形成されることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の熱転写受像シートの製造方法、
(6)上記受容層形成用塗工液が水系塗工液であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の熱転写受像シートの製造方法、
(7)上記受容層形成用塗工液中に冷却ゲル化剤が含有されており、該受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量に対し、上記冷却ゲル化剤の占める割合が、0.1重量%以上5重量%未満であることを特徴とする上記(6)に記載の熱転写受像シートの製造方法、
(8)上記受容層において冷却ゲル化剤が実質的に含まれていないことを特徴とする上記(6)に記載の熱転写受像シートの製造方法、
(9)上記受容層形成用塗工液が溶剤系塗工液であることを特定する上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の熱転写受像シートの製造方法、
を要旨とするものである。
本発明の熱転写受像シートの製造方法によれば、中間層の製造工程と、受容層の製造工程を分割し、受容層形成工程の前に、乾燥工程を設けたことにより、充分に中間層を乾燥させることを可能とした上、基材シート上に設けられる2以上の中間層のうち、連続する少なくとも2層の層を形成するための塗膜を同時重層塗布方法により、一度に形成することができるため、基材シート上に順次単層形成する従来の方法よりも、製造効率が良い。
特に、多孔質層を備える熱転写受像シートにおいて、該多孔質層とこれに連続する1以上の層とを形成するための塗膜を同時重層塗布し、次いで乾燥工程を実施することにより、多孔質層を十分に乾燥させることが可能である。中でも、上記同時重層塗布工程において、上記多孔質層形成塗膜が基材シートから最も離れた位置、あるいは基材シートから最も離れた位置に形成される塗膜の内側に位置している場合には、乾燥工程において該多孔質層に含有される中空粒子内の溶剤を充分に除去することができるので望ましい。
上述のとおり本発明の製造方法では、同時重層塗布により形成した中間層を充分乾燥させることが可能になった結果、従来の課題であった中間層の乾燥不十分であることによる種々の問題が解決された。特に、中間層に多孔質層を含む場合に、該多孔質層が充分に乾燥されることによって、多孔質層の耐熱性が充分に発揮され、また受容層への水分の移行がないため、受容層の耐熱性も良好に維持される。
しかも、本発明の製造方法によれば、受容層は、同時重層塗布方法ではなく、単層で形成されるので、同時重層塗布方法に適するように水系受容層に限定する必要はなく、水系受容層または溶剤系受容層のいずれかを適宜選択可能である。
また、水系受容層形成用塗膜を同時重層塗布方法により中間層形成用塗膜と共に同時に基材シート上に塗布、形成する際には、層形成を確実なものとするために、該水系受容層中に該受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量に対し、5重量%以上の冷却ゲル化剤を入れる必要があったが、受容層中に含有される冷却ゲル化剤は受容層の染料染着性に対し、望ましくない影響を与える場合があり、またこの冷却ゲル化剤の存在が熱転写時における印画音の発生に関与することが知られていた。
これに対し、本願発明の熱転写受像シートの製造方法では、受容層は、単層で形成することから、水系受容層が選択された場合であっても、これを形成するために用いられる受容層形成用塗工液において冷却ゲル化剤を添加する場合であっても、その量を、受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量に対し、0.1重量%以上5重量%未満にすることができる。またさらには、実質的に冷却ゲル化剤を含まない塗工液を用いて受容層を形成することも可能となった。このように水溶性の受容層において、冷却ゲル化剤の添加量を低く抑えるか、あるいは冷却ゲル化剤を用いないことにより、従来の同時重層塗布方法により形成される水形受容層よりも染料染着性の良好で、且つ熱転写時における転写音が実質的に発生しない熱転写受像シートを提供することが可能である。
以下に、本発明の熱転写受像シートの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう)を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の製造方法により製造された熱転写受像シートの一態様を示す概略断面図である。図1に例示される熱転写受像シート11は、基材シート1と受容層2との間に、中間層として下引き層4及び多孔質層3が設けられて構成されている。
上記熱転写受像シート11は、基材シート1上に、下引き層4を形成するための下引き層形成用塗工液、及び多孔質層3を形成するための多孔質層形成用塗工液を用い、これらの塗工液を同時重層塗布方法により、基材シート1上に同時に塗布して下引き層形成用塗膜、及び多孔質層形成用塗膜を形成し、その後、乾燥工程を経て、各塗膜中の溶媒を除去して下引き層4及び多孔質層3を形成した後、受容層形成用塗工液を用いて多孔質層3上に受容層2を単層で形成することにより形成される。
図2は、本発明の製造方法により形成された熱転写受像シートの異なる別の一実施態様を示す概略断面図である。図2に示される本発明の熱転写受像シート12は、基材シート1と受容層2との間に、中間層として下引き層4、多孔質層3、及びプライマー層5がこの順で設けられて構成されている。
上記構成を有する熱転写受像シート12を本発明の製造方法において製造するにあたって、2通りの製造方法を例に説明する。
熱転写受像シート12の製造方法の第一の態様としては、下引き層4、多孔質層3及びプライマー層5を形成するための塗工液を用いて、基材シート1上に、これら3種の塗工液を同時重層塗布方法により塗布して下引き層形成用塗膜、多孔質層形成用塗膜、プライマー層形成用塗膜を形成する。そして、次に基材シート1上に形成された3層の塗膜を乾燥させ、次いで、受容層形成用塗工液を用いて、プライマー層5上に受容層2を単層形成して、熱転写受像シート12を得ることができる。かかる態様では、基材シート1と受容層2との間に設けられる中間層の全てを同時重層塗布方法により一度に塗膜形成することができるため、製造効率が非常に良い点で優れている。
また熱転写受像シート12の製造方法の第二の態様としては、まず、下引き層形成用塗工液および多孔質層形成用塗工液を用い、これらを同時重層塗布方法により基材シート1上に同時に塗布して、下引き層形成用塗膜及び多孔質層形成用塗膜を形成し、次いでこれら塗膜を乾燥して下引き層4及び多孔質層3を形成する。その後、多孔質層3の上面にプライマー層形成用塗工液を塗布してプライマー層5を形成し、次いでプライマー層5の上面に受容層形成用塗工液を塗布して受容層2を形成し、熱転写受像シート12を得ることができる。かかる態様では、乾燥工程時において、多孔質層形成用塗膜が基材シートから最も離れた位置、即ち最表面に存在しているため、特に多孔質層3の乾燥が充分なされ、多孔質層3内に含有される中空粒子内部に存在する溶媒をも確実に乾燥除去することができる点で優れている。
以上に述べる本発明の製造方法の態様は、いずれも本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜、さらなる工程を追加することができる。例えば、同時重層塗布工程と乾燥工程との間あるいは受容層形成工程の後には、冷却工程を備えてもよいし、また受容層形成工程の後に、受容層を乾燥させるための受容層乾燥工程を備えていてもよい。
また、以上に述べる本発明の製造方法により得られる熱転写受像シートの態様は、いずれも本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜、さらなる中間層を設けてもよく、また中間層として下引き層4、多孔質層3、プライマー層5のいずれかあるいは全てを他の中間層に変更することもできる。
本発明の製造方法において重要な点の第一としては、基材シートと受容層との間に2以上の中間層を有する熱転写受像シートの製造方法であって、その複数の中間層のうちの少なくとも連続する2以上の中間層を基材シート上に同時重層塗布して塗膜を形成する点が挙げられる。このように、中間層の一部あるいは全部を同時重層塗布することにより、各層を単層ずつ形成する従来方法に比べて、その製造効率を上げることができるからである。
また本発明の重要な点の第二として、中間層を同時重層塗布した後に、乾燥工程を実施する点が挙げられる。このように、受容層を形成する前に、中間層の一部あるいは全部を乾燥させることによって、中間層の乾燥を充分に行うことができるからである。
以下に、本発明の製造方法をより詳細に説明するために、上記熱転写受像シート12の製造方法の第一の態様を主として用い、同時重層塗布工程、乾燥工程、受容層形成工程の順に説明する。
<同時重層塗布工程>
本発明の製造方法における同時重層塗布工程を、図3を用いて説明する。図3は、基材シート上に複数の塗膜を同時に形成可能とするスライドコーターを用いて基材シート1上に下引き層形成用塗膜34、多孔質層形成用塗膜33、プライマー層形成用塗膜35を同に形成し、これら3層の塗膜が基材シート1上に設けられた多層シート42を形成する様子を示す概念図である。
上記同時重層塗布工程においては、まず予め、適温に温められた状態の、下引き層形成用塗工液24、多孔質層形成用塗工液23、プライマー層形成用塗工液25それぞれが、コーティング装置15内に独立に充填される。一般的に、スライドコーターで同時に複数の塗工液が塗布されるときには、各塗工液の温度は、通常、25℃〜60℃の範囲内に調整される。
そして、アンワインダー(図示せず)から送り込まれ、バックロール14に巻きつけられた基材シート1の露出する表面側に、コーティング装置15から送り出された下引き層形成用塗工液24、多孔質層形成用塗工液23、プライマー層形成用塗工液25が、この順で重なった層流状態でスライドし、塗布される。したがって、下引き層形成用塗膜34、多孔質層形成用塗膜33、プライマー層形成用塗膜35は、同時に基材シート1上に塗布され、多層シート42が形成される。
塗工品質の観点から見ると、上記スライドコーターを用いたスライドコート法は、膜厚均一性に優れ、回転部がないため塗工液の飛散による品質不良が発生しにくく、摩擦部がないため塗布部での原反切れに発生によるロスが発生しにくいという利点を有する。また、塗工液のハンドリング性の観点から見ると、スライドコート法は、塗工液の濃度、粘度、組成が変化しにくく、反応性が高く経時的に変化する塗工液を用いることができ、塗工液を使い切ることができ無駄が生じにくく、高固形分塗工液を用いることができ溶媒使用量を削減することができるという利点を有する。
尚、本発明の製造方法において、基材シートと受容層との間に存在する2以上の中間層のうち、上述のとおり同時重層塗布方法により形成される層の塗工液はいずれも水系溶媒で調製される水系塗工液を用いる必要がある。そして、複数の水系溶媒が層流状態となった際に、互いが混合しないように、水系塗工液に界面活性剤を添加するなどして、塗工液間の粘度及び表面張力の差を一定の範囲内となるよう調整することが好ましい。1つの好ましい調整方法としては、各水系塗工液の粘度は、基材シート側からその積層方向に向かって、順次高くなるよう調整し、一方、表面張力は、基材シート側からその積層方向に向かって、順次低くなるよう調整することにより、層流状態にある各塗工液の混ざり合いを良好に防止することができる。
より具体的には、同時重層塗布に用いられる水系塗工液の粘度は、基材シート側からその積層方向に向かって、順次5mPa・s〜10mPa・s程度、高くなるよう調整し、一方、表面張力は、基材シート側からその積層方向に向かって、順次5mN/m〜15mN/m程度、低くなるよう調整することにより、層流状態にある各塗工液の混ざり合いを良好に防止することができるため好ましい。尚、上記水系塗工液の粘度及び表面張力は、同時重層塗布工程における塗工液の加温温度下における粘度及び表面張力を意味する。
ここで、下引き層形成用塗工液24の粘度は、40℃において、例えば5mPa・s〜100mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であれば、スライドコーター15の表面を塗工液が移動する際に生じるせん断応力の発生を抑制することができるからである。塗工液の粘度が高いと、移動の際に、高いせん断応力がかかり、層流状態で塗工液を移動させることが困難になり、塗工液の混ざりが発生し易くなる。さらに高いせん断応力の影響により、塗布の際に、ビードが破壊されやすくなるという問題もある。
また、多孔質層形成用塗工液23の粘度は、40℃において、10mPa・s〜110mPa・sの範囲内であることが好ましく、プライマー層形成用塗工液25の粘度は、30mPa・s〜120mPa・sの範囲内であることが好ましい。
また、下引き層形成用塗工液24の表面張力は、40℃において、例えば45mN/m〜70mN/mの範囲内であることが好ましく、多孔質層形成用塗工液23の表面張力は、例えば40mN/m〜65mN/mの範囲内であることが好ましく、プライマー層形成用塗工液25の表面張力は、例えば35mN/m〜60mN/mの範囲内であることが好ましく、
尚、本明細書において述べられる塗工液の粘度は、例えば、小型振動式粘度計(VIBRO VISCOMETER CJV5000、 A&D社製)を用いて測定することができる。
<冷却処理工程>
上述のとおり形成された多層シート42は、次に、任意で冷却処理に供することができる。かかる冷却工程は、各塗膜中に含有される冷却ゲル化剤をゲル化させることにより、塗膜の形成を充分に行うことを趣旨とする。
上記冷却処理工程において、基材シート1上に形成された各塗膜を冷却する方法としては、多層シート42に冷風を吹き付ける冷却方法1、多層シート42を所望の温度以下の室温に調整された冷却ゾーンを通過させる冷却方法2などがある。また別の方法として、上記塗布工程において既に冷却された基材シート1をバックロール14にまき付け、この上に各層の塗工液を塗布することによって該基材シート1の温度で各層を冷却する、塗布工程と冷却処理工程を同時に行う冷却方法3、あるいは、基材シート1を搬送するバックロール14の表面を冷却し、基材シート1を介して各層を冷却することによって、塗布工程と冷却処理工程を同時に行う冷却方法4などでもよい。また上述する冷却方法1乃至4を組み合わせて冷却処理工程を実施してもよい。
上記冷却処理工程において、上記塗膜を強制冷却する温度は、通常、0℃〜常温の範囲内とされる。かかる冷却処理工程の実施によって、多層シート42内に存在する冷却ゲル化剤は冷却されてゲル化する。
<乾燥工程>
上記同時重層塗布工程、あるいはさらに上記冷却処理工程を経て形成された多層シート42は、続いて乾燥工程に供せられる。この乾燥工程において、その乾燥の熱により、下引き層形成用塗膜34、多孔質層形成用塗膜33、プライマー層形成用塗膜35に含有される水系溶媒が乾燥除去される。特に、多孔質層形成用塗膜33には後述するとおり、中空粒子が含有されており、この中空粒子中に水系溶媒が入り込んでいるが、多層シート42において、多孔質層形成用塗膜33は、厚みの薄いプライマー層形成用塗膜35のみを介して表面側に存在しているため、本乾燥工程における熱により充分に、中空粒子中に存在する水系溶媒をも乾燥除去させることができる。
また、多孔質層形成用塗膜33における中空粒子中に入り込んだ水系溶媒を確実に乾燥除去させるという観点からは、同時重層塗布工程において、下引き層形成用塗膜34及び多孔質層形成用塗膜33のみを同時に形成し、多孔質層形成用塗膜33が多層シートの最表面に位置する状態で乾燥工程に供することが望ましい。その後、プライマー層35は、別途、単層で形成することが可能である。
上記乾燥工程において、多層シート42を乾燥させる方法としては、多層シート42を複数のロールに順次まき付けて送りながら、適温の温風を吹き付ける非接触乾燥により乾燥させることができる。このとき、乾燥路長を500m以上に設けることにより、急激にシートを乾燥させることを防止することにより、乾燥ムラのない良好な熱転写受像シートが形成されるので好ましい。
尚、本乾燥工程において基材シート1上に形成された塗膜を乾燥する方法としては、上述する方法以外であっても、塗膜中の水系溶媒を充分に乾燥除去することができる方法であれば、一般的に塗膜を乾燥する方法として公知の方法を用いることができる。
また本乾燥工程における乾燥温度は、塗膜中に残留する水系溶媒を所定の時間内に所定量以下にできる温度であれば、使用する水系溶媒の種類や、各厚み、各塗膜中に存在する添加剤の種類や量などに応じて適宜設定することができるが、一般的には、30℃〜90℃が好ましく、40℃〜60℃がより好ましい。
<受容層形成工程>
上記乾燥工程を経ることにより、基材シート1上に、下引き層4、多孔質層3、プライマー層5が形成された後、次いで、プライマー層5の上面に受容層2が形成される。受容層2は、受容層形成用塗工液を用い、単層にて形成される。受容層形成用塗工液をプライマー層5上に塗布する方法としては、所望の受容層2を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な塗布方法を用いることができる。例えば、グラビアコート法、エアナイフコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法等を挙げることができ、中でも汎用性に優れるグラビアコート法が好ましく用いられる。
本発明の製造方法では、受容層2は上述のとおり、単層で形成されるため、水系受容層であると、溶剤系受容層であるとを問わない。したがって、求められる受容層の機能や熱転写受像シートの使用方法、あるいは染着される染料の種類などによって適宜選択できる点で、受容層を含めて同時重層塗布する従来方法と比べて有利である。同時重層塗布により受容層も含めて同時形成される場合には、受容層形成用塗工液は、一般的に水系溶媒を用いて調整されるからである。
本発明において形成される受容層は単層形成される。そのため、用いられる受容層形成用塗工液の粘度及び表面張力は、同時重層塗布方法により形成される受容層の塗工液とは異なり、その粘度及び表面張力を、該受容層の下層を構成する塗工液の粘度及び表面張力を勘案して決定しなくてもよい。したがって、同時重層塗布方法により形成される受容層に比べて、調整の自由度がある点で有利である。
またさらに、本発明において、受容層として水系受容層が選択された場合であっても、従来の同時重層塗布により形成される水系受容層に比べて有利な点が存在する。即ち、同時重層塗布により水系受容層を形成する場合には、塗膜を良好に形成し、また下層との混ざり合いを防止するなどの観点から、受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量において冷却ゲル化剤が5重量%以上含有されることが一般的である。しかしながら冷却ゲル化剤の添加量が多くなると、製造された熱転写受像シートにおける染料染着性が低下する虞があった。これに対し、本発明の製造方法において選択された水系受容層であれば、すでに乾燥されて形成されたプライマー層などの塗膜の上面に受容層が形成されるため、下層との混ざり合いを勘案する必要がないため、冷却ゲル化剤の添加量を非常に少なく抑えることができる。そのため、製造された熱転写受像シートにおいて良好な染料染着性が発揮されるのである。尚、本発明において形成される水形受容層に添加される冷却ゲル化剤の好ましい添加量は、後述する受容層の説明の段落で併せて記載する。
以上、同時重層塗布工程、冷却工程、乾燥工程、及び受容層形成工程を経て、熱転写受像シート12が製造される。尚、上記説明は、本発明において必須の工程として示す同時重層塗布工程、乾燥工程、及び受容層形成工程以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の工程が適宜加えられることを除外するものではない。例えば、上述する任意の冷却工程(即ち中間層形成用塗膜を形成する工程)以外にも、受容層形成工程後にさらに受容層を冷却するための受容層冷却工程、あるいは受容層を乾燥させるための受容層乾燥工程などを実施することができる。
また、本発明の製造方法において、基材シートと受容層との間に設けられる2以上の中間層は、図3を用いて説明したように、全ての中間層を同時重層塗布してもよいし、任意の連続する2層以上を同時重層塗布し、残りの中間層を単層形成してもよい。そして同時重層塗布により形成しなかった残りの中間層の単層形成方法は、上述する受容層形成と同様である。
以上、本発明の熱転写受像シートの製造方法について、いくつかの実施形態を例にして説明したが、これら本発明は上述する実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、本発明の製造方法により得られる熱転写受像シート12について、基材シート1、受容層2、多孔質層3、プライマー層5、下引き層4の順にその詳細を説明する。
<基材シート>
まず熱転転写受像シート12に用いられる基材シート1について説明する。基材シート1は、上述した中間層及び受容層2を支持する機能を有するものである。
基材シート1としては、熱転写受像シート12を用いて受容層2側に画像を形成する際の印画温度等に応じて、所望の耐熱性を備えるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、レジンコート紙、樹脂製フィルム基材、および紙製基材等を挙げることができ、なかでもレジンコート紙が好ましい。
上記レジンコート紙は、通常、基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるものである。上記基紙を構成する原紙としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、それらの混合物から抄紙されるパルプ紙等を挙げることができ、なかでも木材パルプを主成分とする紙を用いることが好ましい。また、上記原紙は、必要に応じて後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記基紙は、公知の方法によって作製することができるが、原紙に対してカレンダー処理したものが好ましい。原紙にカレンダー処理をした基紙を用いると、平滑度を向上することができ、得られる熱転写受像シートの光沢感を高めることができるからである。また上記基紙の厚みは、10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
上記基材樹脂層を形成するための樹脂としては、ネックインが小さく、ドローダウン性が良好な樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリウレタン等を挙げることができ、耐水性、強度、光沢等に優れたフィルムが得られる点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等を挙げることができ、中でも高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
上記基材樹脂層は、上記樹脂を1種もしくは2種以上混合して得られるフィルムまたはシートであっても良いし、上記基材樹脂層を形成するための樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルムまたはシートであっても良い。また、上記基材樹脂層を形成するための樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性を向上させたものであっても良い。上記改質剤としては、例えば、タフマー(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等を挙げることができる。
上述のとおり基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるレジンコート紙は、例えばドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等の公知の積層方法により作製することができる。上記各層は、層間密着力を向上させることを目的として、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。また上記レジンコート紙である基材シート1の厚みは、全体で、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも50μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
次に、上記樹脂製フィルム基材について説明する。本発明における基材シート1として用いられる樹脂製フィルム基材は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の樹脂から成形することができる。なかでも本発明においては、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリプロピレン樹脂は、上記樹脂製フィルム基材を形成するための樹脂として好適に用いることができる。
上記樹脂製フィルム基材である基材シート1の厚みとしては、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも、25μm〜60μmの範囲内、特に30μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また基材シート1として用いられる紙製基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、または、サイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。
上記紙製基材を用いて基材シート1とする場合には、その厚みは特に限定されるものではないが、例えば80μm〜400μmの範囲内、中でも100μm〜300μmの範囲内、特に100μm〜210μmの範囲内であることが好ましい。
<受容層>
次に、熱転写受像シート12における受容層2について説明する。受容層2は、基材シート1上に、2以上の中間層を介して形成される層であり、熱転写受像シート12を用いて熱転写方式よって印画物を形成する際に、染料を受容する機能を有する層である。したがって、受容層2は、染料染着性樹脂により構成される。また受容層2には、印画時に受容層とインクリボンにおける染料層との圧着後、該染料層がスムーズに剥がされるよう、離型剤が含有されていることが望ましい。
(受容層構成樹脂)
本発明における受容層を構成するための受容層構成樹脂としては、水系溶媒または溶剤系溶媒に分散又は溶解可能な染料染着性樹脂が用いられる。また特に上記染料染着性樹脂は、ガラス転移温度が20℃以上であるものが好ましく、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものがさらに好ましい。また、上記受容層構成樹脂はガラス転移温度が120℃以下であるものが好ましい。このような範囲のガラス転移温度を有する受容層構成樹脂を用いることにより、得られる受容層の耐熱性を向上させることができるからである。
水系の受容層を形成するための水系溶媒に分散または溶解可能な受容層構成樹脂の例としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、またはポリエーテル系樹脂等、及びこれらの共重合体や混合物等を挙げることができる。本発明においては、これらの樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも、ポリビニル系樹脂を用いることが好ましい。
溶剤系の受容層を形成するための溶剤系溶媒に分散または溶解可能な受容層構成樹脂の例としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂やポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース誘導体系樹脂、及びこれらの共重合体や混合物等を挙げることができる。本発明においては、これらの樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも、ポリエステル系樹脂およびビニル系樹脂が好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
(離型剤)
本発明における受容層2において、離型剤は必須の成分ではないが、下記の理由から受容層構成材料として用いられることが好ましい。即ち、本発明における受容層2を構成するための染料染着性樹脂は、上述するとおりガラス転移温度が20℃以上120℃以下のものが好適に用いられる。ここで染料染着性のガラス転移温度が比較的高くなると、印画時の染料層との離型性が不良になる場合がある。離型性不良の傾向は特に、染料染着性樹脂のガラス転移温度が40℃以上120℃以下の範囲内にあるときに顕著である。これに対し、離型剤を受容層構成材料として用いることにより、不足となる印画時の離型性を向上させることができる。
本発明に用いられる離型剤の例としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等の従来公知のものを挙げることができる。これらの中でも特に、シリコーンオイルが、本発明に用いられる染料染着性樹脂との相性がよく、好適に用いられる。より具体的なシリコーンオイルの例としては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが好ましい。また、エマルジョン化したシリコーンを用いることもできる。尚、上記離型剤は、水系受容層、溶剤系受容層のいずれにおいても同様のものが用いられる。
上記離型剤は、染料染着性樹脂100重量部に対して、0.5重量部〜30重量部の範囲内となるように受容層形成用塗工液に添加されることが一般的である。
(溶剤系溶媒)
上記受容層2を溶剤系受容層として形成する場合には、受容層形成用塗工液の溶媒として、溶剤系溶媒が用いられる。本明細書において溶剤系溶媒とは、用いられる溶媒が、有機溶媒を主成分とする溶媒(溶剤系溶媒)であるものをいい、溶剤系溶媒における水の割合は、エマルジョンにならない程度の割合であれば特に限定されるものではないが、通常40重量%未満であり、好ましくは10重量%未満である、より好ましくは5重量%未満である。特に好ましく、実質的に水を含有しないものが好ましい。溶媒系溶媒に用いられる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの、エステル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系化合物;ジメチルホルムアミド、Nメチルピロリドン等の含窒素化合物;ジメチルスルホキシド等、およびこれらの混合物等を挙げることができる。中でも、メチルエチルケトンおよびトルエン等が好ましく用いられる。
(水系溶媒)
上記受容層2を水系受容層として形成する場合には、受容層形成用塗工液の溶媒として、水系溶媒が用いられる。本明細書において水系溶媒とは、水を主成分とする溶媒をいい、水系溶媒における水の割合は、通常60重量%以上であり、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を例示することができる。
(冷却ゲル化剤)
また受容層2が、水系溶媒に分散または溶解可能である染料染着性樹脂を用いて形成される所謂水系受容層である場合には、一般的には、冷却ゲル化剤が添加されている。従来の同時多層塗布方法において、受容層も中間層と同時に塗布される場合には、上記冷却ゲル化剤は、受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量において、5重量%以上10重量%以下の範囲内で受容層形成用塗工液に含まれることが一般的であった。これに対し、本発明においては受容層は単層で形成されるため、受容層形成用塗工液中における冷却ゲル化剤の含有量を従来に比べて少量とすることができる。
本発明において用いられる受容層形成用塗工液中に添加される冷却ゲル化剤の添加量についてより具体的に述べると、冷却ゲル化剤の添加量は、受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量において、上記冷却ゲル化剤の占める割合が、0.1重量%以上5重量%未満、より望ましくは、0.1重量%以上3重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上1重量%以下とすることができる。尚、上記冷却ゲル化剤の重量は、乾燥状態における冷却ゲル化剤の固形分重量を意味する。
上記冷却ゲル化剤の添加量の好ましい範囲は、あくまでも好ましい添加量を示したものであって、上記添加量の範囲の上限を超えて冷却ゲル化剤を本発明に用いられる受容層形成用塗液に添加することを禁止する趣旨ではない。ただし、受容層形成用塗工液における冷却ゲル化剤の添加量が、5重量%以下であることにより、得られる熱転写受像シートにおいて、冷却ゲル化剤の存在に起因する染料染着性の低下及び画像濃度の低下という問題が改善される。また受容層形成用塗工液において、冷却ゲル化剤を0.1%以上含有することにより、受容層の形成時に塗工ムラが発生せず、また受容層自体が脆くなることを防止することができる。
上述冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものである。上記冷却ゲル化剤としては、冷却ゲル化特性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、特に、水に溶解した状態の冷却ゲル化剤において、80℃における該冷却ゲル化剤の粘度に対し、15℃における該冷却ゲル化剤の粘度が3倍以上のものが好ましく、5倍以上のものがより好ましく、10倍以上のものが特に好ましい。例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等を挙げることができる。
上記ゼラチンは、三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、金属塩化合物等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
本発明においては、上記冷却ゲル化剤のいずれであっても好適に用いることができる。また、本発明においては、1種類の冷却ゲル化剤のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上の冷却ゲル化剤を組み合わせて用いてもよい。
また本発明は、本発明に用いられる受容層形成用塗工液中に実質的に冷却ゲル化剤が存在しなくても、受容層を形成することが可能である。受容層中に冷却ゲル化剤が実質的に含まれない場合には、従来の水系の受容層と比較して、その印画特性が非常に向上するため好ましい。尚、受容層形成用塗工液中に冷却ゲル化剤を添加しない場合には、その代替として、冷却作用のない他のバインダー成分を、受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量において、5重量%以上30重量%以下程度添加することにより、受容層が脆くなることが良好に防止され、確実に膜形成されるため好ましい。上記作用のない他のバインダーとは、具体的には、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。
(任意添加成分)
上述する受容層2の構成材料以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜その他の添加剤を受容層2の構成材料として使用することができる。その他の任意添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等を挙げることができる。
上述のとおり構成される受容層2の厚みは、上記受容層構成樹脂の種類や熱転写受像シートの種類、染着されるインクの種類などに応じて所望の印画濃度を発現できる範囲内で適宜決定することができるが、なかでも本発明においては、0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、さらに1μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
<多孔質層>
次に多孔質層3について説明する。多孔質層3は、熱転写受像シート12を用いて熱転写により画像を形成する際に、サーマルヘッドから受容層2に加えられた熱が、基材シート1等へ伝熱することによって基材シートが損失することを防止するための断熱性をシートに付与するための層である。加えて、多孔質層3は中空粒子を含有することによりクッション性を有しており、多孔質層3を備える熱転写受像シートにおいて、画像形成時における濃度ムラやハイライト部の白抜けが防止され印画特性を向上させることができる。
多孔質層3は、基材シート1と受容層2との間に形成される中間層の1つであり、少なくともバインダー樹脂及び中空粒子を含んで構成され、さらに好ましくは冷却ゲル化剤を含んで構成されるものである。
多孔質層3が備える断熱性は、多孔質層3の厚み、あるいは多孔質層3内に含有される中空粒子の量に主として起因する多孔質層の空隙率などによって任意に調整することができる。この多孔質層3の断熱性は、熱転写受像シート12の用途等に応じて適宜調整することができる。
多孔質層3に充分な断熱性を与えるという観点から、多孔質層3の厚みは、5μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。またこのとき、上記多孔質層3の密度は、0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
また同様に、多孔質層3に充分な断熱性を与えるという観点から、多孔質層3の空隙率は、15%〜80%の範囲内であることが好ましい。尚、上記空隙率は、
(中空粒子の空隙率)×(多孔質層における中空粒子の含有率)
で表される値を指すものとする。
多孔質層3は、単一の層からなる構成を有するものであってもよく、あるいは、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。ここで、複数の層が積層された構成を有する多孔質層3としては、同一組成の層が積層された構成を有するものであってもよく、あるいは、異なる組成の層が積層された構成を有するものであってもよい。なかでも本発明に用いられる多孔質層3は、組成の異なる2層が積層された構成を有するものであることが好ましい。このような構成とすることにより、さらに機能的な多孔質層を得ることができるからである。
(中空粒子)
多孔質層3に含有される中空粒子について説明する。本発明において用いられる中空粒子は多孔質層3に断熱性及びクッション性を付与する機能を有するものである。したがって、上記中空粒子としては、多孔質層3に所望の断熱性およびクッション性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、発泡粒子を用いてもよく、あるいは、非発泡粒子を用いることもできる。また、中空粒子として用いられる上記発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、本発明に用いられる中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
上記中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
上記中空粒子の平均粒径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、多孔質層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒径が大きすぎると、平滑な多孔質層を形成することが困難になるからである。
本発明において、多孔質層3に含まれる中空粒子の量としては、所望の断熱性およびクッション性を有する多孔質層3を得ることができれば特に限定されるものではないが、多孔質層3に含まれる全固形分を100重量%としたときに、中空粒子の割合が30重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50重量%〜80重量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、多孔質層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎて後述する多孔質層形成用バインダー樹脂の重量比が小さくなりすぎると、多孔質層が脆くなり層の成形性が悪くなる虞があるからである。
(多孔質層形成下引き層構成樹脂)
多孔質層3を形成するために用いられるバインダー樹脂としては、通常、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な所謂、水系樹脂が用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。尚、上記多孔質形成下引き層構成樹脂として、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン等の材料を用いる場合には、これらバインダー樹脂は、冷却ゲル化機能も発揮し得るため、別途、後述する冷却ゲル化剤を用いずとも、同時重層塗布方法において良好に製造可能である。
(冷却ゲル化剤)
次に、多孔質層3に用いられる冷却ゲル化剤について説明する。本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、基材シート1上に、多孔質層3とこれに隣接する他の中間層とを同時重層塗布により高効率で製造することを可能にするものである。尚、多孔質層3に用いられる冷却ゲル化剤の種類については、上述する受容層2に用いられる冷却ゲル化剤と同様である。
(任意の添加成分)
本発明において形成される多孔質層3は、上述する中空粒子及び冷却ゲル化剤以外にも、必要に応じて任意の添加成分を含むものであってよい。上記任意の添加成分として多孔質層3に含有させることができるものとしては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
尚、上記中空粒子や、多孔質層形成下引き層構成樹脂あるいは任意の添加成分を、分散または溶解させるための水系の溶媒は、上述する受容層2において記載する水系樹脂と同様である。
<プライマー層>
次にプライマー層5について説明する。プライマー層5は、上記受容層2と多孔質層3との接着性を向上させる機能を有する中間層である。即ち、本発明においてプライマー層とは、受容層とプライマー層以外の中間層との接着性を向上させるために形成される層を意味する。
(プライマー層構成樹脂)
プライマー層5を構成樹脂は、多孔質層3などの中間層と受容層2との接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な樹脂で構成されていることが好ましい。このようにプライマー層構成樹脂が水系溶媒に分散あるいは溶解可能な材料で形成されることにより、本発明の製造方法における同時重層塗布工程において、該プライマー層をこれに隣接する他の中間層と共に同時に塗布することが可能だからである。
ここで、プライマー層構成樹脂としては、上述する多孔質層3に関して記載した、多孔質層形成下引き層構成樹脂として用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。また、多孔質層3に用いられるバインダー樹脂として、特に、上記多孔質層形成下引き層構成樹脂として例示される樹脂であって、且つ、染料染着性の低い樹脂を選択的に用いることにより、上記接着性効果に加えて、以下の効果が発揮される。
即ち、得られた熱転写受像シートの受容層側に染料を染着させて画像を形成した後、高温高湿な環境下で画像形成後の熱転写受像シートを長期間保存した場合に、受容層に染着した樹脂が、受容層から基材シート側に拡散し、画像のボケが発生してしまうことがある。これに対し、受容層に隣接する位置に設けられるプライマー層を染料染着性の低い樹脂で構成することによれば、受容層から基材層側に拡散しようとする染料の移行をうけつけないため、染料の拡散が良好に防止されるからである。
尚、本明細書において、染料染着性の低い樹脂というときは、下記染料染着性試験において示される保存前後の色差ΔEabが3未満の樹脂を意味する。尚、本明細書において染料染着性樹脂という場合には、染料染着性の良好な樹脂を意味し、具体的にはΔEabが3以上の樹脂を指す。
上記染料染着性試験は、まず評価樹脂(プライマー層構成樹脂)90重量部、ゼラチン10重量部、シリコーン系離型剤10重量部を上記評価樹脂の固形分濃度が溶液の30重量%となるよう純水にて希釈して塗工液を調製し、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート製基材フィルム上に、乾燥後の塗膜が4g/mとなるよう上記塗工液を塗布して、基材フィルム上に塗膜を備える試験片を作成する。次いで、50℃に加温したオーブンに上記試験片を入れて2分間加熱し、その後、オーブンから該試験片を出して、上記試験片が室温に戻るのを待って、塗膜表面のa*値及びb*値(L*a*b*表色系における、色相と彩度の尺度)を測色計により、光源D65、照明視野角2度、濃度計算ISO Status A、フィルター無しの条件で測定する。次いで、塗膜側にシアン染料が含有されている染料層を備えるインクリボンを重ねあわせ、ブロッキングテスターによって10kg/cmの圧力を加えて、温度40℃、湿度90%RHのオーブン内に24時間保存し、その後、オーブンから外に出して、大気圧室温下で、5時間放置した後、上記インクリボンを手動で試験片から引き離した後、塗膜表面のa*値及びb*値を上記と同様の方法で測定し、下記(式1)により塗膜の保存前後の色差ΔEa*b*を算出し、評価樹脂の染料染着性を測定する。
尚、本発明において上記測色計としては、Gretag Macbeth社製Spectrolinoを用いた。
(式1) ΔEa*b*={(保存後のa*値−保存前のa*値)+(保存後のb*値−保存前のb*値)1/2
(冷却ゲル化剤)
また、プライマー層5には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。プライマー層5にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造方法において、基材シート1上に、プライマー層5とこれに隣接する他の中間層とを同時重層塗布方法によって良好に製造することが可能だからである。ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上述する受容層2に用いられる冷却ゲル化剤と同様のものを用いることができる。
(その他の添加成分)
尚、本発明において形成されるプライマー層5は、上記プライマー層構成樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、任意の添加成分をさらに含有してもよい。上記任意の添加成分の例としては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、分散剤等を挙げることができる。
<下引き層>
最後に、下引き層4について説明する。下引き層4は、基材シート1と多孔質層3などの中間層との接着性を高めるために形成される層である。
(下引き層構成樹脂)
下引き層4を構成樹脂は、基材シート1と多孔質層3などの中間層との接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な樹脂で構成されていることが好ましい。このように下引き層構成樹脂が水系溶媒に分散あるいは溶解可能な材料で形成されることにより、本発明の製造方法における同時重層塗布工程において、該下引き層をこれに隣接する他の中間層と共に同時に基材シート1上に塗布することが可能だからである。
(冷却ゲル化剤)
また、本発明に用いられる下引き層4には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。他の中間層と同様に、下引き層4にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、下引き層4とこれに隣接する中間層を同時重層塗布方法により良好に製造することが可能だからである。ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上述する受容層2に用いられる冷却ゲル化剤と同様のものを用いることができる。
尚、下引き層4として、上記下引き層構成樹脂と、冷却ゲル化剤とを含むものを用いる場合、層中の下引き層構成樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記下引き層を形成する際に、下引き層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、下引き層形成用塗工液中の固形分100重量部に対して、重量換算で1〜100重量部の範囲内であることが好ましく、特に20〜80重量部の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75重量部の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、上記下引き層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、例えば、他の層との密着性が低下する場合があるからである。
(その他の添加成分)
本発明において形成される下引き層4は、下引き層構成樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、任意の添加成分をさらに含有してもよい。上記任意の添加成分の例としては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、分散剤等を挙げることができる。上記硬化剤は、例えば、下引き層構成樹脂として、活性水素を有する熱可塑性樹脂を用いた場合等に特に有効である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例及比較例を実施するために、まず各層を形成するための塗工液を下記の内容で調整した。
(受容層形成用塗工液1)
・塩化ビニル系樹脂(ビニブラン900、日信化学工業(株)製) 90重量部
・ポリビニルアルコール(PVA217、(株)クラレ製) 10重量部
・シリコーンエマルジョン(KF615A、東レ・ダウコーニング(株)製)10重量部
・界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業(株)製) 0.5重量部
・水 400重量部
(受容層形成用塗工液2)
・塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(ソルバインC、日信化学工業(株)製) 100重量部
・シリコーンオイル(X−22−3701E、信越化学工業製) 5重量部
・メチルエチルケトン 200重量部
・トルエン 200重量部
(受容層形成用塗工液3)
・塩化ビニル系樹脂(ビニブラン900、日信化学工業(株)製) 90重量部
・ゼラチン(MJ、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・シリコーンエマルジョン(KF615A、東レ・ダウコーニング(株)製)10重量部
・界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業(株)製) 0.5重量部
・水 400重量部
(下引き層形成用塗工液)
・中空粒子(HP−1055、ロームアンドハース(株)製 30重量部
・ゼラチン(MJ、新田ゼラチン(株)製) 70重量部
・水 900重量部
(多孔質層形成用塗工液)
・中空粒子(HP−1055、ロームアンドハース(株)製) 70重量部
・ゼラチン(MJ、新田ゼラチン(株)製) 30重量部
・界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業(株)製) 0.2重量部
・水 450重量部
(プライマー層形成用塗工液)
・スチレン・αメチルスチレン・アクリル酸 5重量部
・中空粒子(HP−1055、ロームアンドハース(株)製) 70重量部
・ゼラチン(MJ、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・水 450重量部
(実施例1)
基材シート1としてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用意し、下記組成の下引き層形成用塗工液および多孔質層形成用塗工液を、上記基材シートにこの順で積層されるように、スライド塗布機により同時重層塗布した。その後、5℃に調整した冷却ゾーンにおいて60秒強制冷却した後、さらに50℃において5分乾燥することによって塗工シートを得た。なお、各層の乾燥後の膜厚はそれぞれ1μm、30μmであった。
上記塗工シートに受容層塗工液1を、バーコーターにて塗布し、乾燥後の膜厚は5μmとなるよう塗工量を調整し、水系の受容層を形成し熱転写受像シートを得て、これを実施例1とした。
(実施例2)
受容層形成用塗工液1の代わりに受容層形成用塗工液2を用いて溶剤系の受容層を形成したこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを形成し、これを実施例2とした。
(実施例3)
下引き層形成用塗工液および多孔質層形成用塗工液に加えてさらにプライマー層形成用塗工液を用い、上記基材シートにこの順で積層されるように、スライド塗布機により同時重層塗布したこと以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを形成し、これを実施例3とした。
(実施例4)
下引き層形成用塗工液および多孔質層形成用塗工液に加えてさらにプライマー層形成用塗工液を用い、上記基材シートにこの順で積層されるように、スライド塗布機により同時重層塗布したこと以外は、実施例2と同様に熱転写受像シートを形成し、これを実施例4とした。
(実施例5)
受容層形成用塗工液1の代わりに受容層形成用塗工液3を用いたこと以外は実施例1と同様に熱転写受像シートを形成し、これを実施例5とした。
(比較例1)
下引き層形成用塗工液、多孔質層形成用塗工液及び受容層形成用塗工液1を、上記基材シートにこの順で積層されるように、スライド塗布機により同時重層塗布した。その後、5℃に調整した冷却ゾーンにおいて60秒強制冷却した後、さらに50℃において5分乾燥することによって熱転写受像シートを得て、これを比較例1とした。なお、各層の乾燥後の膜厚は下引き層から順に1μm、30μm、5μmとなるよう塗工液の塗布量を設定した。
(比較例2)
受容層形成用塗工液1の代わりに受容層形成用塗工液2を用いたこと以外は、比較例1と同様に熱転写受像シートを形成し、これを比較例2とした。
(比較例3)
受容層形成用塗工液1の代わりに受容層形成用塗工液3を用いたこと以外は、比較例1と同様に熱転写受像シートを形成し、これを比較例3とした。
(印画試験)
実施例1乃至実施例5、及び比較例1乃至比較例5の熱転写受像シートそれぞれと、熱転写シート(キヤノン(株)社製、CP720用)とを用いて、以下の印画条件にて、イエロー、マゼンタ、シアンの順に諧調パターンを印画後、保護層を転写し、印画物を得た。
(印画条件)
発熱体平均抵抗値:4858(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印加電圧;熱転写シート24(V)、保護層転写シート20(V)
1ライン周囲:1.5(msec./line)
印字開始温度:28(℃)
印加パルス(諧調制御方法):1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を96%に固定し、ライン周期当りのパルス数を、0から255個を18ステップに分割した。これにより、18階調に異なるエネルギーを与えた。このとき、熱転写シートを面順次、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの順に印画することによりブラックの画像を得た。さらにこれらの18ステップに分割された画像の上には、保護層転写シートをパルス数255個で印画することにより、保護層を形成し、印画物を得た。
(印画特性等の評価)
実施例1乃至5及び比較例1乃至3あるいは、これらを用いて得られた印画物について、以下の評価を行った。
評価1:熱転写受像シートの受像面の面質評価
熱転写受像シートの受像面の面質評価各実施例及び各比較例の熱転写受像シートの受像面を目視にて観察し、以下のとおり評価した。
○:受像紙の受像面が均一であるもの
×:受像紙の受像面が均一でないもの
評価2:印画された画像の濃度測定評価
各実施例及び各比較例を用いて上記印画条件にてブラックの18ステップに分割された画像を形成した印画物を用い、光学濃度計(グレタグマクベス社製 spectrolino)による光学反射濃度が最大となる値を測定した。測定結果については表1に示す。
評価3:印画された画像のこげ評価
各実施例及び各比較例を用い、上述の印画条件にて得られた印画物について、熱転写画像の状態を目視にて観察し、かすれの程度、すなわち黒ベタの画像が正規のものに対し、色相の違い、ベタの画質などを調べた。
評価は以下の基準にて行なった。
○:色相が黒色で問題なく、また均一なベタの画質であった。
×:色相で赤みが強い黒色の部分が生じて、画質として部分的にムラが生じ全体として画像の荒れが確認された。
評価4:熱転写時における剥離性の評価
各実施例及び各比較例を用いて、上述の条件にて熱転写を行った際の、熱転写受像シートと熱転写シートとの剥離性について、剥離音を官能評価することにより以下のとおり評価した。評価結果については表1に示す。
<官能評価の基準>
◎:剥離音がまったく聞こえず、剥離性が良好であった。
○:かすかな剥離音が確認されたが、剥離性に問題はなかった。
×:剥離音が大きく、剥離性が悪かった。
Figure 2009279851
本発明の製造方法により製造された熱転写受像シートの一実施態様を示す断面外略図である。 本発明の製造方法により製造された熱転写受像シートの一実施態様を示す断面外略図である。 同時重層塗布工程において多層シートを形成していることを示す概念図である。
符号の説明
1 基材シート
2 受容層
3 多孔質層
4 下引き層
5 プライマー層
11 熱転写受像シート
12 熱転写受像シート
14 バックロール
15 コーティング装置
23 多孔質層形成用塗工液
24 下引き層形成用塗工液
25 プライマー層形成用塗工液
33 多孔質層形成用塗膜
34 下引き層層形成用塗膜
35 プライマー層形成用塗膜
42 多層シート

Claims (9)

  1. 基材シート上に、2層以上の中間層と、受容層とを備える熱転写受像シートの製造方法であって、
    上記2層以上の中間層のうちの連続する少なくとも2層を同時に形成するために、
    該連続する少なくとも2層を形成するための水系塗工液を用いて基材上に直接または間接に同時重層塗布方法により2以上の塗膜を同時に形成する同時重層塗布工程と、
    上記同時重層塗布工程により形成された2以上の塗膜を乾燥して、上記連続する少なくとも2層を形成するための乾燥工程と、を備え、且つ、
    全ての中間層の形成終了後に、受容層形成用塗工液を用いて受容層を形成する受容層形成工程を備えることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  2. 上記同時重層塗布工程及び上記乾燥工程により形成される中間層の1つが多孔質層であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  3. 上記同時重層塗布工程において、上記多孔質層形成塗膜が基材シートから最も離れた位置、あるいは基材シートから最も離れた位置に形成される塗膜の内側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  4. 基材シート上に設けられる上記2層以上の中間層として、下引き層、多孔質層、及びプライマー層をこの順で含み、上記下引き層と上記多孔質層とが上記同時重層塗布工程及び上記乾燥工程において形成され、
    次いで、上記プライマー層を形成するためのプライマー層形成工程、及び、
    上記受容層形成工程を順に実施することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  5. 基材シート上に設けられる上記2層以上の中間層として、下引き層、多孔質層、及びプライマー層をこの順で含み、上記下引き層、上記多孔質層、及び上記プライマー層が上記同時重層塗布工程及び上記乾燥工程において形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  6. 上記受容層形成用塗工液が水系塗工液であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  7. 上記受容層形成用塗工液中に冷却ゲル化剤が含有されており、該受容層形成用塗工液に分散または溶解される溶質の全重量に対し、上記冷却ゲル化剤の占める割合が、0.1重量%以上5重量%未満であることを特徴とする請求項6に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  8. 上記受容層において冷却ゲル化剤が実質的に含まれていないことを特徴とする請求項6に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  9. 上記受容層形成用塗工液が溶剤系塗工液であることを特定する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012135904A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シートの製造方法
JP2012196840A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Toppan Printing Co Ltd 感熱転写記録媒体及び印画物
JP2019098647A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 凸版印刷株式会社 昇華転写用受像シート

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