JP2009277370A - 膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス拡散層の層厚さを厚くすることなく、さらには材質そのものを変更することなく、ガス拡散層の性能を高め、燃料電池の発電効率を向上させることができる膜電極接合体を提供する。
【解決手段】電解質膜2の両面21に触媒層3を積層し、触媒層3の両側31に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層4Aをさらに積層した膜電極接合体1Aであって、ガス拡散層4Aは、触媒層3の表面に積層された第一のガス拡散層41と、第一のガス拡散層41の表面に積層された第二のガス拡散層42と、有し、第二のガス拡散層42の導電性繊維42bの繊維径D2は、第一のガス拡散層41の導電性繊維42aの繊維径D1よりも大きく、第二のガス拡散層42の導電性繊維42bの長さL2は、第一のガス拡散層41の導電性繊維41bの長さL1よりも長い。
【選択図】図1
【解決手段】電解質膜2の両面21に触媒層3を積層し、触媒層3の両側31に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層4Aをさらに積層した膜電極接合体1Aであって、ガス拡散層4Aは、触媒層3の表面に積層された第一のガス拡散層41と、第一のガス拡散層41の表面に積層された第二のガス拡散層42と、有し、第二のガス拡散層42の導電性繊維42bの繊維径D2は、第一のガス拡散層41の導電性繊維42aの繊維径D1よりも大きく、第二のガス拡散層42の導電性繊維42bの長さL2は、第一のガス拡散層41の導電性繊維41bの長さL1よりも長い。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体に係り、特に、ガス拡散層の特性を部分的にコントロールすることが可能な膜電極接合体に関する。
電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池は、低温における作動が可能であり、かつ、小型軽量化が可能であるため、自動車などの移動体への適用が検討されている。特に、固体高分子型燃料電池を搭載した燃料電池自動車はエコロジーカーとして社会的な関心が高まっている。
このような固体高分子型燃料電池は、図4に示すように、膜電極接合体(MEA)95を主要な構成要素とし、それを燃料(水素)ガス流路および空気ガス流路を備えたセパレータ96,96で挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池90を形成している。膜電極接合体95は、イオン交換膜である電解質膜91の一方側にアノード側の電極(アノード触媒層)93aとアノード側のガス拡散層(アノードガス拡散層)94aを積層し、他方の側にカソード側の電極(触媒層)93bとカソード側のガス拡散層(カソードガスガス拡散層)94bを積層した構造を有する。
ところで、前記燃料電池において、各電極に設けられたガス拡散層は、一般的に、カーボンペーパーやカーボンクロス等のシート状に成形されたカーボン繊維を基材として用いて、この基材を触媒層に積層することにより形成される。このようなガス拡散層は、酸素ガス及び空気ガスの拡散性能を高めること、電極近傍におけるフラッティングの発生を抑制すること、及び、触媒層からセパレータへの電子の導電性を阻害しない(電気抵抗を下げる)ことの要件が求められる。
そこで、例えば、前記ガス拡散層に、カーボンなどからなる導電性繊維及びPTFEなどの疎水性樹脂からなる層をさらに設けた膜電極接合体が提案されている(例えば特許文献1参照)。該膜電極接合体は、ガス拡散層に導電性繊維を設けることにより、ガス拡散層の電子導電性を確保することができ、疎水性樹脂はガス拡散層形成部材に撥水性をもたせ、触媒層やガス拡散層内での水分の滞留によるフラッティングの発生を低減することができる。
しかし、特許文献1に記載の膜電極接合体のガス拡散層を用いた場合であっても、酸素ガス及び空気ガスの拡散性能をより高め、電極近傍におけるフラッティングの発生をより軽減しようとした場合には、ガス拡散層の層厚さを厚くすることが成されているが、燃料電池自体の大きさが大きくなってしまう。燃料電池のコンパクト化を図るためには、ガス拡散層の厚さを厚くすることは望ましいことであるとは言えない。
また、ガス拡散層を組成する材質を変更し、ガス拡散層の物性そのものを変えることも考えられるが、ガス拡散性能、フラッティング発生の低減、電気抵抗の低下防止のすべてをコントロールすることは容易ではない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ガス拡散層の層厚さを厚くすることなく、さらには材質そのものを変更することなく、ガス拡散層の性能を高め、燃料電池の発電効率を向上させることができる膜電極接合体の製造方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ガス拡散層を構成する導電性繊維(炭素繊維)の繊維径及びその長さをコントロールすることで、ガス拡散層に必要な物性である気孔率及び電気抵抗を適宜コントロールすることができるとの新たな知見を得た。
すなわち、長さが短く、繊維径が小さい導電性繊維を用いた場合には、拡散層における導電性繊維は密な構造となり、透気性は低下し、電気抵抗値は上がる。この場合、ドライアップ気味のセルに有効である。一方、長さが長く、繊維径が大きい導電性繊維を用いた場合には、拡散層における導電性繊維は粗な構造となり、透気性は向上し、電気抵抗は下がってしまう。この場合には、フラッティング気味のセルに有効である。
本発明は前記新たな知見に基づくものであり、本発明に係る膜電極接合体は、電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体であって、前記ガス拡散層は、触媒層の表面に積層された第一のガス拡散層と、該第一のガス拡散層の表面に積層された第二のガス拡散層と、を有し、第二のガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径は、第一のガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径よりも大きく、第二のガス拡散層の前記導電性繊維の長さは、第一のガス拡散層の前記導電性繊維の長さよりも長いことを特徴とする。
本発明に係るガス拡散層は、第一及び第二のガス拡散層を有するが、これらのガス拡散層は、いずれも疎水性樹脂と導電性繊維を含むものであり、これらを含むことによりマイクロポーラス層(MPL)となっている。上述した如く、第一のガス拡散層に比べて、繊維径が大きく、繊維長さが長い導電性繊維を有した第二のガス拡散層は、粗な構造となっているため、透気性は高い。さらに、第一のガス拡散層に比べて、第二のガス拡散層は、導電性繊維間に介在する疎水性樹脂との接触面積率も高いので、電気抵抗は小さい。
このような特性を有した第二のガス拡散層が、ガスに接触するセパレータ側に配置されているので、透気性の向上により、ガス拡散性を高めることができ、触媒層に向かうガスの拡散性を向上させることができる。また、第一のガス拡散層に比べて、第二のガス拡散層は排水性を高めることができ、燃料電池のフラッティングの低減を図ることができる。さらに、第二のガス拡散層は、第一のガス拡散層に比べて電気抵抗が小さいので、セパレータに対して好適に電子を導電することができる。このようにして、ガス拡散層の層厚みを厚くすることなく、さらには、その材質を変更することなく、燃料電池の発電効率を高めることができる。
また、別の態様としては、電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体であって、前記ガス拡散層は、前記触媒層の表面から層厚さ方向に進むに従って、前記導電性繊維の繊維径が大きくなり、かつ、導電性繊維の繊維長さが長くなっていることを特徴とする。
本発明によれば、触媒層の層厚さ方向に沿って、導電性繊維の繊維径が大きくなり、さらに繊維長さが長くなるので、拡散層は、触媒層表面近傍においては、より細かい孔を有したマイクロポーラス層を有し、セパレータ近傍では、これよりも粗い孔を有したマイクロポーラス層を有し、触媒層の表面から層厚み方向に向かっての気孔率をあげることができる。この結果として、セパレータ側のガスと接触する部分においては、排水性が高まると共に、触媒層に向かうガスの拡散性を向上させることができる。このようにして、ガス拡散層の層厚みを厚くすることなく、さらには、その材質を変更することなく、燃料電池の発電効率を高めることができる。
また、本発明に係る膜電極接合体は、表面層として、導電性を有した多孔質の基材層を備えることがより好ましい。本発明によれば、この基材層を設けることにより、製造段階において、基材層の表面に、繊維径及び繊維長さが選定された導電性繊維と、疎水性樹脂からなる粒子を含む溶液を塗布し、これを焼成することにより、ガス拡散層形成部材を製造し、これを、電解質膜の表面の触媒層に容易に積層することができる。
また、別の態様として、本発明に係る膜電極接合体は、解質膜の一方の表面にアノード触媒層を積層し、他方の表面にカソード触媒層を積層し、前記アノード触媒層及びカソード触媒層の表面に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むアノードガス拡散層及びカソードガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体であって、前記カソードガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径は、前記アノードガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径よりも大きく、前記カソードガス拡散層の前記導電性繊維の長さは、前記アノードガス拡散層の前記導電性繊維の長さよりも長いことがより好ましい。
本発明によれば、アノードガス拡散層に比べて、繊維径が大きく、繊維長さが長い導電性繊維を有したカソードガス拡散層は、粗な構造となっているため、透気性は高い。さらに、アノードガス拡散層に比べて、カソードガス拡散層は、導電性繊維間に介在する疎水性樹脂との接触面積率も高いので、電気抵抗は小さい。
一方、カソードガス拡散層に比べて、繊維径が小さく、繊維長さが短い導電性繊維を有したアノードガス拡散層は、密な構造となっているため、透気性は低い。これにより、乾燥しやすいアノードガス拡散層及びアノード触媒層の保水性を高めることができる。
このような結果として、カソード側のフラッティングの発生を抑制し、アノード側の保水性を高めてプロトン伝導性を向上させることができるので、燃料電池の発電効率を高めることができる。なお、本発明でいうアノード触媒層及びアノードガス拡散層とは、アノード電極側に形成された触媒層及びガス拡散層のことをいい、カソード触媒層及びカソードガス拡散層とは、カソード電極側に形成された触媒層及びガス拡散層のことをいう。
本発明によれば、ガス拡散層の層厚さを厚くすることなく、さらには材質そのものを変更することなく、ガス拡散層の性能を高め、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る膜電極接合体のいくつかの実施形態に基づいて説明する。
図1は、第一実施形態に係る膜電極接合体を説明するための図であり(a)は、膜電極接合体の全体構成図であり、(b)は、(a)のB部拡大図であり、(c)は、炭素繊維を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る膜電極接合体1Aは、電解質膜2と、触媒層3,3、ガス拡散層4A,4Aとを有している。電解質膜2は、電解質膜2に含まれる高分子電解質に、イオン交換機能を有するものであり、例えば、フルオロアルキルエーテル側鎖とパーフルオロアルキル主鎖を有するフルオロアルキル共重合体のパーフルオロ系プロトン交換樹脂が好ましく用いられる。例えば、デュポン社製ナフィオン(商標名)、旭化成製アシプレックス(商標名)、旭硝子製フレミオン(商標名)、ジャパンゴアテックス社製ゴア−セレクト(商標名)等が例示され、部分フッ素樹脂では、トリフルオロスチレンスルホン酸の重合体やポリフッ化ビニリデンにスルホン酸基を導入したものなどがある。また、炭化水素系プロトン交換樹脂である、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド系樹脂などにスルホン酸基を導入したものなどがある。これらは燃料電池が用いられる用途や環境に応じて適宜選択されるべきものであるが、パーフルオロ系が燃料電池寿命の点から好ましい。
また、この電解質膜2は、電解質のみからなってもよく、上述した電解質を多孔質の撥水性の高分子樹脂シートに含浸させたものであってもよい。このような高分子樹脂補強シートは、電解質膜2の補強材として作用することができ、さらに固体高分子型燃料電池における水の結露と滞留が電極反応物を供給する際の妨げとなり効果的である。特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂が高い撥水性を有するため好ましく用いられる。その他、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の非フッ素系フィルムも用いることができる。
次に、この電解質膜2の両面21,21には、触媒層3,3が積層されている。これらの2つ触媒層3は、アノード側の触媒層と、カソード側の触媒層であって、燃料電池の電極に相当するものである。この触媒層3は、白金を触媒とした白金担持カーボンと電解質を含む層である。また、触媒担持導電体として白金担持カーボンを例に挙げたが、触媒は、触媒反応が生じるものであるならば、特に限定されるものではなく、触媒反応における活性化過電圧が小さいことから、金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、これらの貴金属触媒の合金、混合物など、2種以上の元素が含まれていても構わない。さらに、導電体は、電気的に導電可能な物質であれば特に限定されるものではなく、たとえば、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましい。
そして、触媒層の両側31,31には、さらにガス拡散層4A,4Aが形成されている。このガス拡散層4Aは、図1(b)に示すように、触媒層3の表面31に積層された第一のガス拡散層41と、第一のガス拡散層41の表面41Aに積層された第二のガス拡散層42と、を有している。さらに、ガス拡散層4Aは、その表面層として、導電性を有した多孔質の基材層43をさらに備えている。
第一のガス拡散層41と第二のガス拡散層42は、いずれも、炭素繊維と、疎水性樹脂を含んでいる。炭素繊維のほかにも、金属繊維等の繊維を挙げることができ、ガス拡散層4Aの電子導電性を確保することができるのであれば、特に限定されるものではない。また、疎水性樹脂としては、PTFE樹脂、フッ素樹脂等の疎水性を有する樹脂が挙げられ、ガス拡散層に撥水性をもたせ、触媒層やガス拡散層内での水分の滞留によるフラッティングを防止することができるものであれば、特に限定されるものではない。
図1(c)に示すように、第二のガス拡散層42の炭素繊維42aの繊維径D2は、第一のガス拡散層41の炭素繊維41aの繊維径D1よりも大きく、第二のガス拡散層42の炭素繊維42aの長さL2は、第一のガス拡散層41の炭素繊維41aの長さよりも長い。
また、基材層43は、多孔質を有した層であり、繊維状の基材であって、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布、カーボンフェルト等、シート状に成形されたカーボン繊維からなる多孔質状の層である。
特に、基材層43を設けることにより、製造段階において、基材層43に相当する基材の表面に、炭素繊維41aと疎水性樹脂とを含む溶液を塗布し、この塗布表面に炭素繊維41aと疎水性樹脂とを含む溶液をさらに塗布することができる。そして、塗布された基材を焼成して、ガス拡散層形成部材を製造することができる。このガス拡散層形成部材を触媒層3の表面31に載置し、加圧及び加熱により、ガス拡散層4Aを容易に触媒層3の表面に積層することができる。
なお、第二のガス拡散層42の繊維径の選定によっては(基材層に比べ、繊維径が同等以上の炭素繊維を選定した場合には)、この基材層43を設けることなく、容易に拡散層4Aを積層することができる。
このようなガス拡散層4Aにおいて、第一のガス拡散層41に比べて、繊維径が大きく、繊維長さが長い炭素繊維42aを有した第二のガス拡散層42は、粗な構造となっているため、第一のガス拡散層41に比べて透気性は高い。さらに、第一のガス拡散層41に比べて、第二のガス拡散層42は、導電性繊維間に介在する疎水性樹脂との接触面積率も高いので、電気抵抗は小さい。
このような特性を有した第二のガス拡散層42が、ガスに接触するセパレータ(図示せず)側に配置されているので、ガスが流れるガス拡散層4Aの透気性が向上し、触媒層3に向かうガスの拡散性を向上させることができる。
また、第一のガス拡散層41に比べて、第二のガス拡散層42は排水性を高めることができ、燃料電池のフラッティングの低減を図ることができる。さらに、第二のガス拡散層42は、第一のガス拡散層41に比べて電気抵抗が小さいので、セパレータに対して好適に電子を導電することができる。このように構成された膜電極接合体1Aは、ガス拡散層4Aの層厚みを厚くすることなく、さらには、その材質を変更することなく、燃料電池の発電効率を高めることができる。
図2は、本発明の第二の実施形態に係る膜電極接合体の要部拡大図である。図2に示すように、第二実施形態に係る膜電極接合体も、電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体である。従って、触媒層の構成のみが相違するので、その点のみを以下に説明し、図1と同じ機能を有する構成は、同じ符号を付してその説明の詳細は省略する。
図2に示すように、第二実施形態に係る膜電極接合体1Bは、触媒層3の表面に、ガス拡散層4Bが形成されている。ガス拡散層4Bは、炭素繊維と疎水性樹脂を含むマイクロポーラス層44と、基材層43を有している。このマイクロポーラス層44は、触媒層3の表面から層厚さ方向tに進むに従って、炭素繊維の繊維径が大きくなり、かつ、導電性繊維の繊維長さが長くなっている。
このように、膜電極接合体1Bのガス拡散層4Bは、層厚さ方向tに沿って、炭素繊維の繊維径が大きくなり、さらに繊維長さが長くなるので、触媒層近傍においては、より細かい孔を有したマイクロポーラス層を有し、セパレータ近傍では、これよりも粗い孔を有したマイクロポーラス層を有することになる。
このようにして、触媒層3の表面31から層厚み方向tに向かっての気孔率をあげることができる。この結果として、セパレータ側のガスと接触する部分においては、排水性が高まると共に、触媒層3に向かうガスの拡散性を向上させることができる。
図3は、本発明の第三の実施形態に係る膜電極接合体の模式図である。図3に示すように、第三実施形態に係る膜電極接合体も、電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体である。従って、触媒層の構成のみが相違するので、その点のみを以下に説明し、図1と同じ機能を有する構成は、同じ符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、膜電極接合体1Cは、電解質膜2の一方の表面にアノード触媒層3Aが積層されている。また、電解質膜2の他方の表面にカソード触媒層3Bが積層されている。さらに、アノード触媒層3A及びカソード触媒層3Bの表面には、疎水性樹脂と導電性繊維を含むアノードガス拡散層4C及びカソードガス拡散層4Dがさらに積層されている。
そして、アノードガス拡散層4C及びカソードガス拡散層4Dは、炭素繊維と疎水性樹脂とを有したマクロポーラス層となっており、カソードガス拡散層4Dの炭素繊維の繊維径は、アノードガス拡散層4Cの導電性繊維の繊維径よりも大きい。さらに、カソードガス拡散層4Dの炭素繊維の長さは、アノードガス拡散層4Cの導電性繊維の長さよりも長い。
このようにして、アノードガス拡散層4Cに比べて、繊維径が大きく、繊維長さが長い導電性繊維を有したカソードガス拡散層4Dは、アノードガス拡散層4Cに比べて粗な構造となっているため、透気性は高い。さらに、アノードガス拡散層に4C比べて、カソードガス拡散層4Dは、炭素繊維間に介在する疎水性樹脂との接触面積率も高いので、電気抵抗は小さくなる。
一方、カソードガス拡散層4Dに比べて、繊維径が小さく、繊維長さが短い炭素繊維を有したアノードガス拡散層4Cは、カソードガス拡散層4Dに比べて密な構造となっているため、透気性は低い。これにより、乾燥しやすいアノードガス拡散層4Cの保水性を高めることできる。
このような結果として、カソード側のフラッティングの発生を抑制し、アノード側の保水性を高めてプロトン伝導性を向上させることができるので、燃料電池の発電効率を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、第三の実施形態では、ガス拡散層はマイクロポーラス層からなるが、第一及び第二の実施形態の如く、このガス拡散層の表面層としてさらに基材層をさらに備えてもよい。
2:電解質膜、3:触媒層,3A:アノード触媒層、3B:カソード触媒層、4A,4B:ガス拡散層、4C:アノードガス拡散層、4D:カソードガス拡散層、41:第一のガス拡散層、42:第二のガス拡散層、43:基材層、41a,42a:炭素繊維、44:マイクロポーラス層
Claims (4)
- 電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体であって、
前記ガス拡散層は、触媒層の表面に積層された第一のガス拡散層と、該第一のガス拡散層の表面に積層された第二のガス拡散層と、を有し、
前記第二のガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径は、前記第一のガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径よりも大きく、
前記第二のガス拡散層の前記導電性繊維の長さは、前記第一のガス拡散層の前記導電性繊維の長さよりも長いことを特徴とする膜電極接合体。 - 電解質膜の両面に触媒層を積層し、前記触媒層の両側に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体であって、
前記ガス拡散層は、該触媒層の表面から層厚さ方向に進むに従って、前記導電性繊維の繊維径が大きくなり、かつ、導電性繊維の繊維長さが長くなっていることを特徴とする膜電極接合体。 - 前記ガス拡散層は、表面層として、導電性を有した多孔質の基材層をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体。
- 電解質膜の一方の表面にアノード触媒層を積層し、他方の表面にカソード触媒層を積層し、前記アノード触媒層及びカソード触媒層の表面に、疎水性樹脂と導電性繊維を含むアノードガス拡散層及びカソードガス拡散層をさらに積層した膜電極接合体であって、
前記カソードガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径は、前記アノードガス拡散層の前記導電性繊維の繊維径よりも大きく、
前記カソードガス拡散層の前記導電性繊維の長さは、前記アノードガス拡散層の前記導電性繊維の長さよりも長いことを特徴とする膜電極接合体。
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