JP2009271338A - トナー、トナー容器、画像形成装置およびトナーの製造方法 - Google Patents

トナー、トナー容器、画像形成装置およびトナーの製造方法 Download PDF

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JP2009271338A JP2008122004A JP2008122004A JP2009271338A JP 2009271338 A JP2009271338 A JP 2009271338A JP 2008122004 A JP2008122004 A JP 2008122004A JP 2008122004 A JP2008122004 A JP 2008122004A JP 2009271338 A JP2009271338 A JP 2009271338A
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光代 松本
Chiyoshi Nozaki
千代志 野▲崎▼
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淳史 山本
Takeshi Nozaki
剛 野▲崎▼
Takuya Kadota
拓也 門田
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Abstract

【課題】層状無機鉱物に有機イオンによる変性率が高い層状無機化合物を用いた場合でも、経時後に地汚れの発生の少ないトナーの提供、このようなトナーを1成分現像剤、2成分現像剤として用いて地汚れを有効に防止した画像形成装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤を有するトナーにおいて、該トナーは、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した有機変性層状無機鉱物を含有し、該有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X〔%〕が、50≦X<100であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電荷像を現像する為の現像剤に使用されるトナー、そのトナーを充填した容器(トナー容器)、画像形成装置およびトナーの製造方法に関し、更に詳しくは、直接または間接電子写真現像方式を用いた複写機、レーザープリンター及び、普通紙ファックス等に使用される静電荷像現像用トナー、トナー容器、画像形成装置およびトナーの製造方法に関する。
近年、フルカラープリンタなどのプリンタにおいて、高速化、高寿命化、高画質化等が進み、それに伴ってそのプリンタで使用されるトナーへの要求性能も高くなっている。特に、プリンタの高速化に対して、トナーの帯電性、安定性が重視され、それらの改良策の1つとして、荷電制御剤の検討が数多く為されている。
このようなトナーは、従来、粉砕法によって製造されることが知られている。
粉砕トナーの場合、トナーは、特定の整った形状でなく、丸みもない不定形であるため、クリーニング性に関してほぼ球形に近い重合法のトナーと比較して有利である。しかしながらより高画質化のために使用されるようなトナー粒子径の微細化に関して言えば、粉砕法では粉砕効率の点で限界がある。またその粉砕法によるトナーの粒度分布を小さくすることは困難であり、よって高画質画像を形成することが難しいという課題がある。
この点を解消すべく、小粒径で比較的粒径のそろったトナー粒子を得ることの可能な重合法によるトナー製造法、例えば懸濁重合法や乳化重合凝集法などが知られている。しかしながら、これらの製造方法では、低温定着性に優位なポリエステル樹脂のみを用いたトナーには限界がある。
この問題を解決するために、有機溶媒中に、ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂を化学的に変性した変性ポリエステル樹脂と、この樹脂と反応することが可能な官能基を有する重合体とを含有する組成物を溶解又は分散させて得られる溶液又は分散液を水系媒体中で分散させ、反応させて得られるトナーも知られている。しかしながら、これら重合法で得られるトナーは、分散工程で生じる液滴の界面張力により、粉砕トナーと比較してより球形に近くなる。このためブレードクリーニング方式を採用した場合に、球形トナーがクリーニングブレードと感光体の間で転がってその隙間に入り込みやすくなり、クリーニング効果が得られないという傾向が増大するという問題がある。
そのような状況下、トナー形状を工夫してクリーニング性を改善する方法が種々為されている。具体的にはトナー形状を球形から異形化して対応することが挙げられる。このようにトナー形状を異形化することで、トナーの粉体流動性が低下し、像担持体上に残留したトナーをブレードクリーニングによってせき止めてクリーニングしやすくすることができる。
このようなトナーでは、クリーニング性向上の他に、各種の電子写真特性を向上させる試みも為されている。たとえば金属カチオン等の陽イオン性界面活性剤がインターカレーションされてなる層間化合物を用いた特許文献1〜2を挙げることができる。この特許文献1〜2には、層状無機化合物の層間に、存在する金属カチオン等の陽イオン性界面活性剤がインターカレーションされてなる層間化合物からなる電子写真トナー用電荷調節剤が開示され、これを電子写真用トナーに用いることも開示されている。
このような層状化合物を用いた発明として、特許文献3には、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に第4級アンモニウムイオンが導入された有機粘度複合体などの発明が開示され、この公報にはインターカレーションすることにより有機溶媒への親和性を改良し、特定の有機溶媒に対して長期的に安定な分散性を得られることが開示されている。
また特許文献4は、本願出願人を含む特許文献であり、ブレードクリーニング性に優れ、且つ定着温度幅の広いトナー用樹脂粒子を得るために為された発明である。この公報には、有機溶媒中に、ポリエステル樹脂及び活性水素基と反応することが可能な官能基を有する重合体を含有する組成物を溶解又は分散させて得られる溶液又は分散液を水系媒体中で分散させた後に、該活性水素基と反応することが可能な官能基を有する重合体と、活性水素基を有する化合物とを反応させて得られるトナーの例が開示されている。
この特許文献4には、樹脂(a)とフィラー(b)とを含有してなる、トナー用樹脂粒子:ただし該粒子は3〜10μmの体積平均粒径および110〜300の形状係数(SF−2)を有し;該粒子は(b)の少なくとも一部からなる外殻層(S)を有し;該層(S)は少なくとも0.01μmで且つ粒子断面の最大内接円半径の1/2以下の厚みを有すること(特許文献4の特許請求の範囲)が開示されている。
特開2003−202708号公報 特表2003−515795号公報 特許第3502993号公報 特開2005−49858号公報
前記した層状無機鉱物を導入する場合、水系中でトナーを油相として造粒する上で、層状無機鉱物をトナー粒子の表面付近に偏在して存在させることが求められてきた。そして有機イオンによる変性を行った層状無機鉱物を用いることにより、トナーの表面付近での偏在が可能になり、製造直後のトナーにおいて、地汚れが向上するという効果が確認されている。しかしながら有機イオンによる変性を行った層状無機化合物を用いたトナーを使用した場合でも、トナーの繰り返しの攪拌等によりトナーがストレスを受け、時間の経過と共に地汚れが生じる問題が起こることが判ってきた。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたものであって、層状無機鉱物に有機イオンにより変性を行った層状無機化合物を用いた場合でも、経時後でも地汚れの発生の少ないトナーを提供することを目的とする。
また本発明は、このようなトナーを1成分現像剤、2成分現像剤として用いて地汚れを有効に防止した画像形成装置、トナーカートリッジおよびプロセスカートリッジ並びにこのようなトナーの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相を水系媒体に分散して造粒して得られたトナーにおいて、該トナーは、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した有機変性層状無機鉱物を含有し、該有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X[%]が、50≦X<100であることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトナーにおいて、前記有機物イオンが4級アンモニウムカチオンであることを特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のトナーにおいて、前記トナーの体積平均粒径は、4.5μm以上8μm以下であることを特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーのガラス転移温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
また請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のトナーにおいて、前記トナーの結着樹脂は、未変性のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、請求項4〜5のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーの結着樹脂は、イソシアネート基を有する変性ポリエステルとアミン類との反応によって得られるポリエステル樹脂を含むことを特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、前記トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を前記水系媒体中で粒子形成後に有機溶媒を除去して得られるトナーであることを特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、前記トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を前記水系媒体中で粒子形成後に洗浄処理され、乾燥処理されて得られることを特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のトナーにおいて、前記トナーは、非磁性一成分現像用トナーであることを特徴とする。
また請求項10に記載のトナー容器の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のトナーが充填されていることを特徴とする。
また請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のトナー容器がトナーカートリッジであることを特徴とする。
また請求項12に記載のプロセスカートリッジの発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする。
また請求項13に記載の発明は、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面を帯電させる帯電装置と、帯電された静電荷像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記静電荷像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を転写材に静電転写する転写装置とを少なくとも有する画像形成装置において、前記現像装置は少なくとも現像ユニットを有し、前記現像ユニットに請求項1〜9のいずれかに記載のトナーが収容されていることを特徴とする。
また請求項14に記載の発明は、トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相を水系媒体に分散して造粒して得られるトナーの製造方法において、前記トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体は、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した有機変性層状無機鉱物を含有し、該有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X[%]が、50≦X<100である有機変性層状無機鉱物を用いることを特徴とする。
本発明によれば、長期にわたって地汚れを防止することが可能なトナー、そのトナーの容器、画像形成装置およびトナーの製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明のトナーなどの発明について、実施形態により詳細に説明する。
本発明において、有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X(%)は、50≦X<100の関係を満たすことが必要である。Xが50%以下では層状無機鉱物がトナー中に移行できず、また100%以上であると耐久による地汚れが発生しやすくなる。有機物イオン変性率(%)の好ましい範囲は50〜90であり、特に好ましい範囲は52〜80である。
本発明でいう前記有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率とは、水中に分散させた有機変性前の層状無機鉱物の交換可能な金属イオンのモル数に対して投入された有機物イオンのモル数の割合をいい、下記(1)式で表すことができる。
有機物イオン変成率[%]={有機物イオン(mol)/層状無機鉱物の層間の金属イオン(mol)}×100 ・・・(1)式
有機カチオンで変性した有機変性層状無機鉱物は、トナー中に0.1〜5重量%含有されることが好ましい。0.1重量%未満ではトナー形状及びトナー帯電性能への効果が低下し、5重量%を超えると、定着性能が悪化するおそれがある。
本発明のトナーに用いる有機変性層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つ層状無機鉱物を、有機物イオンで変性したものが望ましい。有機物イオンで変性される層状無機鉱物としては、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトまたはヘクトライトなどが挙げられる。
有機変性層状無機鉱物を作成するための有機物イオン変性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられる。このうち、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。これら第4級アルキルアンモニウム塩を構成するイオンとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムイオンなどのカチオンが挙げられる。なおアニオンに関しては特に限定されない。
本発明によると、有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X〔%〕が、50≦X<100に設定することで、耐久による経時後の地汚れの悪化の問題が解決された。
これは、有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率を上記範囲に設定することで、トナーの繰り返しの攪拌、現像等のストレスの蓄積による、トナー中の変性剤のトナー表面への露出が緩和され、トナー表面性の変化を防止し、地汚れの発生を抑制できるものと考えられる。特に一成分現像のプロセスを採用する電子写真方式に使用されるトナーでは、トナーが受けるストレスが大きいため、本発明のトナーの適用することは有効である。
本発明のトナーにおいて、トナーの体積平均粒径Dvは4.5μm以上8μm以下であることが好ましい。一般的に、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であり、また逆に転写性やクリーニング性に対しては不利であると言われている。また、前記の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤に本発明のトナーを用いた場合には、現像装置において長期の攪拌が行われた現像剤はキャリアの表面にトナーが融着し、その結果キャリアの帯電能力を低下させることになる。また本発明のトナーを一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングの発生や、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナー融着の発生をさせやすくなる。一方、前記の範囲よりも体積平均粒子径が大きい場合、鮮明な画像が得られにくくなる。
また、本発明のトナーのガラス転移温度は耐熱保存性の観点から、40℃以上とすることが好ましい。
また本発明のトナーでは、別の観点からすると、結着樹脂に含まれる変性後のポリエステル樹脂の耐熱保存性は、変性前のポリエステル樹脂のガラス転移点に依存する。このため、このポリエステル樹脂のガラス転移点を40℃以上のものを使用するとトナーのガラス転移温度を40℃以上とすることができ、耐熱保存性を担保することができる。
本発明で使用されるトナー組成物は、結着樹脂、着色剤(着色剤マスターバッチも含む)、離型剤、離型剤分散剤、荷電制御剤などを含んでいる。またトナー組成物前駆体は特開2005−208677公報にあるようなイソシアネート基を有するプレポリマーのような反応性を有し、反応することによって前記トナー組成物を形成することができるものを言う。トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を、以下、トナー材料と称することがある。
<結着樹脂>
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましく含有されている。このようなポリエステル樹脂としては特に制限なく用いることができ、1種類でもよく、数種のポリエステル樹脂を混合して使用しても良い。ポリエステル樹脂としては、例えば、以下のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物が挙げられる。
(1)ポリオール
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);
脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);
ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類など);
上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうちポリオールのうちで好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
更に、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
尚、上記ポリオールは1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(2)ポリカルボン酸
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物など)などが挙げられる。
これらのポリカルボン酸のうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。さらに3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、また上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
尚、上記ポリカルボン酸は1種類単独または2種以上の併用が可能であり、上記に限定されるものではない。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との比
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]で、通常、2/1〜1/1、好ましくは5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
(ポリエステル樹脂の分子量)
前記したポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合により得られるポリエステル樹脂は、そのピーク分子量で、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
<変性ポリエステル樹脂>
本発明に使用される結着樹脂として、オフセット防止などの目的で粘弾性調整のために、ウレタン及び/又はウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂(変性ポリエステル樹脂)を含有していても良い。該ウレタン及び/又はウレア基を有する変性ポリエステル樹脂の含有割合は、前記結着樹脂中、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。含有割合が20%より多くなると低温定着性が悪化する。ウレタン及び/又はウレア基を有する変性ポリエステル樹脂は、直接結着樹脂(A)に混合しても良いが、製造性の観点から、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の変性ポリエステル樹脂(以下プレポリマーと表記することがある)と、これと反応するアミン類を結着樹脂(A)に混合し、造粒中又は造粒後に鎖伸長及び/又は架橋反応して該ウレタン及び/又はウレア基を有する変性ポリエステル樹脂となる方が好ましい。こうすることにより、粘弾性調整のための比較的高分子量の変性ポリエステル樹脂を芯部分に含有させることが容易となる。
(イソシアネート基を有するプレポリマー)
イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記したポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物であって、かつ、活性水素基を有するポリエステルと、ポリイソシアネート(3)とを反応させたものなどが挙げられる。活性水素基を有するポリエステルの活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
(3)ポリイソシアネート
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
(イソシアネート基と水酸基との比)
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]の当量比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐オフセット性が悪化し、また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
(プレポリマー中のイソシアネート基の数)
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基の数は、通常1個以上で、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
(鎖伸長及び/又は架橋剤)
本発明において、鎖伸長及び/又は架橋剤として、アミン類(B)を用いることができる。このようなアミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、以下のものが挙げられる。
芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);
脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);
および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)など;
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
(停止剤)
さらに必要により、鎖伸長及び/又は架橋反応の際に、停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。このような停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(アミノ基とイソシアネート基の比率)
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きかったり、1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
<着色剤>
本発明のトナーに使用される着色剤は、公知の染料及び顔料が使用できる。着色剤として例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
<着色剤のマスターバッチ化>
本発明で用いる着色剤は樹脂(バインダー樹脂)と複合化されたマスターバッチを用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他に以下のような樹脂が使用できる。
ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<マスターバッチ作製方法>
本発明で使用される着色剤をマスターバッチとして加える場合、そのマスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得る事ができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤に水を含んだ水性ペーストを、上記した樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させて、水分と有機溶剤成分を除去する方法も用いることができる。この方法によれば着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥工程が省けるので、好ましく用いられる。この方法において混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<離型剤>
本発明のトナーに使用される離型剤としては、公知のものが使用できる。例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
本発明においては、トナー中のワックス含有量が、樹脂成分100重量%に対して5〜15重量%であることが好ましい。トナー中の樹脂成分全量に対するワックス量が5重量%未満だと、ワックスによる離型効果がなくなり、オフセット防止の余裕度がなくなることがある。一方、15重量%を超えると、ワックスは低温で溶融するため、熱エネルギー、機械エネルギーの影響を受けやすく、現像部での攪拌時などにワックスがトナー内部から沁み出し(浸み出し)、トナー規制部材や静電潜像担持体に付着し、画像ノイズを発生させることがある。また、ワックスの示差走査熱量計(DSC)によるワックスの吸熱ピークから、そのワックスの融点が65〜115℃であることが好ましい。融点が65℃未満では流動性が悪くなり、115℃より高いと定着性が悪くなる傾向がある。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては、公知のものが使用できる。例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明では得られたトナー粒子に流動性や現像性、帯電性を補助するため、外添剤を加えることができる。このような外添剤としては、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。この微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素/酸化マグネシウムや酸化ケイ素/酸化アルミニウムなどの複合酸化物、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(高分子系微粒子)
この他、外添剤として、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
(外添剤の表面処理)
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
さらに、本発明のトナーは、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末やスチレン樹脂、アクリル樹脂等の抵抗調節剤や滑剤などが内添剤又は外添剤として用いられる。これらの添加剤の使用量は所望する性能により適宜選定すれば良く、通常バインダー樹脂100重量部に対し0.05〜10重量部程度が好適である。
本発明の画像形成用トナーは二成分系現像剤又は非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
本発明のトナーは、これを一成分現像剤あるいは二成分現像剤のいずれで用いる場合においても、トナー容器に充填されることが好ましい。そしてトナーが充填されたトナー容器は、画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するのが、一般的である。
前記トナー充填のために用いられる容器は限定的でなく、従来のボトル型あるいはカートリッジ型に限らず用いられる。この場合、カートリッジには、トナー容器を含む通常のカートリッジの他、慣用のプロセスカートリッジを含んでいてもよい。
また、画像形成装置は、前記カートリッジを搭載したもの、例えば複写機やプリンタ等が包含される。
<トナーの製造方法>
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーの製造方法としては、以下の製造方法により好適に製造される。
本発明のトナーの製造方法は、有機溶媒中に少なくとも芳香族基含有ポリエステル骨格を有する結着樹脂、着色剤および離型剤を溶解又は分散させた後、該溶解物又は分散物を水系媒体中に分散させ造粒する工程を少なくとも含む。
より具体的には、以下の通りである。
<造粒工程>
(有機溶媒)
芳香族基含有ポリエステル骨格を有する結着樹脂、着色剤および離型剤を溶解又は分散させる有機溶媒としては、「POLYMER HANDBOOK」4th Edition,WILEY−INTERSCIENCEのVolume 2,Section VII記載のHansen溶解度パラメーターが19.5以下のものが好ましく、沸点が100℃未満(揮発性)であることが、後の溶剤除去が容易である点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステル樹脂などの結着樹脂、着色剤および離型剤は同時に溶解又は分散させても良い。また通常、それぞれ単独で溶解又は分散され、その際使用する有機溶媒はそれぞれ異なっていても同じでも良いが、後の溶媒処理を考慮すると同じ方が好ましい。
(芳香族基含有ポリエステル骨格を有する結着樹脂の溶解又は分散)
芳香族基含有ポリエステル骨格を有する結着樹脂の溶解又は分散液は、樹脂濃度が40重量%〜80重量%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなるため扱いづらい。また、濃度が低すぎるとトナーの製造量が少なくなる。芳香族基含有ポリエステル骨格を有する結着樹脂に、前記した末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を混合する場合は、同じ溶解又は分散液に混合しても良い。また別々に溶解又は分散液を作製しても良いが、それぞれの溶解度と粘度を考慮すると、別々の溶解又は分散液を作製する方が好ましい。
(着色剤の溶解又は分散)
着色剤は単独で溶解又は分散しても良いし、前記ポリエステル樹脂の溶解又は分散液に混合しても良い。また必要に応じて、分散助剤やポリエステル樹脂を添加しても良い。本発明では好ましくは、前記マスターバッチを用いる。
(離型剤の溶解又は分散)
離型剤としてワックスを溶解又は分散する場合、ワックスが溶解しない有機溶媒を使用する場合は分散液として使用することになる。このような分散液は一般的な方法で作製される。たとえば有機溶媒とワックスを混合し、ビーズミルなどの分散機で分散すれば良い。また有機溶媒とワックスを混合した後、一度ワックスの融点まで加熱し、攪拌しながら冷却した後、ビーズミルなどの分散機で分散した方が、分散時間が短くて済むこともある。またワックスは、複数種を混合して使用しても良いし、分散助剤やポリエステル樹脂を添加しても良い。
(水系媒体)
本発明のトナーの製造方法で用いる水系媒体としては、水単独でもよく、また水と混和可能な溶剤を併用することもできる。更に、上記油相で使用したHansen溶解度パラメーターが19.5以下の有機溶媒を混合してもよく、水に対する飽和量付近の添加量が油相の乳化または分散安定性を高めることができる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物及び/又はその前駆体(トナー材料)100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物及び/またはその前駆体(トナー材料)の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、2000重量部を超えると経済的でない。
(無機分散剤および有機樹脂微粒子)
上記水系媒体中に、前記トナー組成物の溶解物または分散物を分散させる際、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させておくことにより、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂(有機シリコン樹脂)、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用してもよい。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
(有機樹脂微粒子の水系への分散方法)
樹脂を有機樹脂微粒子の水性分散液を形成する方法は、特に限定されないが、以下の(a)〜(h)が挙げられる。
(a) ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b) ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c) ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化しても良い。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d) あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(e) あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f) あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g) あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法。
(h) あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(界面活性剤)
また、トナー組成物が含まれる油性相を水系媒体中に乳化、分散させるために、必要に応じて、界面活性剤等を用いることもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11:C〜C11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4:C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20:C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13:C〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12:C〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10:C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10:C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16:C〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10:C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
(保護コロイド)
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、 ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままでもよいが、洗浄除去するほうが好ましい。
(分散の方法)
分散の方法としては特に限定されるものではない。例えば低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の装置あるいは設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは20〜80℃である。
(脱溶剤)
得られた乳化分散体から有機溶剤を除去するために、公知の方法を使用することができる。例えば、常圧または減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
<伸長及び/又は架橋反応>
ウレタン及び/又はウレア基を有する変性ポリエステル樹脂を導入するために、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂およびこれと反応可能なアミン類を添加する場合がある。この場合、水系媒体中にトナー組成物を分散する前に油相中でアミン類を混合しても良いし、水系媒体中にアミン類を加えても良い。上記反応に要する時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造と、加えたアミン類との反応性により適宜選択されるが、通常1分〜40時間、好ましくは1〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは20〜98℃である。この反応は、前記した微粒子付着工程(外添剤付加工程)の前に行っても良く、微粒子付着工程中に同時進行させても良く、また、微粒子付着工程が終了してからでも良い。またこの反応の際に、必要に応じて公知の触媒を使用することもができる。
<洗浄、乾燥工程>
水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
たとえば遠心分離機、フィルタープレスなどで固−液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固−液分離する。これらの工程を数サイクル繰り返して、不純物や界面活性剤などを十分に除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
<外添処理>
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的には、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などを挙げることができる。これらの方法に使用される装置としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
<画像形成装置>
次に本発明のトナーとして一成分現像剤を使用する画像形成装置について、まず説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置(一成分トナーを用いる画像形成装置)の一例を示す概略図である。像担持体1は、帯電装置2で一様に帯電され、露光装置3によって像担持体1上の一様に帯電された領域に潜像が書き込まれる。現像ローラ40と像担持体1にはバイアスが印加されており、書き込まれた潜像は、供給ローラ41により供給され現像ローラ40上で規制ブレード43により薄層化された現像剤44との接触部で潜像に基づいて現像、可視化される。潜像上に現像剤44で可視化された現像が中間転写部材8に一旦転写された後に紙などの記録媒体9に転写され、定着装置で加熱、加圧されて記録媒体9上に固定化(定着)される。一方、現像が転写された像担持体1上の現像剤44は、中間転写部材8通過後も像担持体1上にわずかではあるが残存する。この現像剤44はクリーニング部材7で回収され、廃棄される。
図2は一成分現像装置(プロセスカートリッジ)の概略図である。容器内部のトナー補給部の現像剤(トナー)44は、供給ローラ41で攪拌されながら、現像ローラ40のニップ部分に運ばれる。さらに、規制ブレード43で現像ローラ40上のトナー量が規制され、現像ローラ40上のトナー薄層が形成される。また、トナーは、供給ローラ41と現像ローラ40のニップ部と規制ブレード43と現像ローラ40の間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
次に本発明のトナー、またはこのトナーとキャリアからなる二成分系現像剤を使用する画像形成装置について、以下に説明する。
<中間転写体>
本発明の画像形成装置における、転写システムの中間転写体の1例について説明する。図3は画像形成装置(たとえば複写機)の概略構成を示す図である。像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)10の回りには、帯電装置としての帯電ローラ2、露光装置3、クリーニングブレードを有するクリーニング装置7、除電装置としての除電ランプ70、現像装置4、中間転写体としての中間転写体50とが配設されている。該中間転写体50は、複数の懸架ローラ51によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。この懸架ローラ51の一部は、中間転写体へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、中間転写体50のクリーニングブレードを有するクリーニング装置82も配設されている。また、中間転写体50に対向し、最終転写材としての記録媒体(転写紙)9に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ80が配設され、この転写ローラ80は図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、上記中間転写体50の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器52が設けられている。
上記した現像装置4は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット45K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット45Y、マゼンタ(以下、マゼンタという)現像ユニット45M、シアン(以下、Cという)現像ユニット45Cとから構成されている。また、この現像ベルト41は、複数のベルトローラに張架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、感光体10との接触部では感光体10とほぼ同速で移動する。
各現像ユニットの構成は共通しているので、以下の説明はBk現像ユニット45Kについてのみ行なう。他の現像ユニット45Y、45M、45Cについては、図中でBk現像ユニット45Kにおけるものと対応する部分に、このユニットにおけるものに付した番号の後にY、M、Cを付すに止め、これらに関する説明は省略する。現像ユニット45Kは、トナー粒子とキャリア液成分とを含む、高粘度、高濃度の液体現像剤を収容する現像タンク42Kと、下部を該現像タンク42K内の液体現像剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ43Kと、該汲み上げローラ43Kから汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト41に塗布する塗布ローラ44Kとから構成されている。該塗布ローラ44Kは、導電性を有しており、図示しない電源から所定のバイアスが印加される。
なお、上記した複写機の装置構成は、1例であり、図4に示すように、各色の現像ユニット45を感光体1の回りに併設した装置構成であってもよい。
次に、上記した複写機の動作について説明する。図3において、感光体10を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ2により一様帯電した後、露光装置3により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して該感光体10上に静電荷像を形成する。この静電荷像は、現像装置4により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。現像ベルト41上の現像剤薄層は、現像領域において感光体との接触により薄層の状態で該ベルト41から剥離し、感光体10上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置4により現像されたトナー像は、感光体10と等速移動している中間転写体50との当接部(一次転写領域)にて中間転写体50の表面に転写される(一次転写)。3色あるいは4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この行程を各色ごとに繰り返し、中間転写体50にカラー画像を形成する。
上記中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するための上記コロナ帯電器52を、該中間転写体50の回転方向において、上記感光体10と該中間転写体50との接触対向部の下流側で、かつ該中間転写体50と記録媒体(転写紙)9との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、このコロナ帯電器52が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の真電荷を付与し、転写紙9へ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。上記トナー像は、上記コロナ帯電器52によりに帯電された後、上記転写ローラ80からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙9上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙9は、図示しない分離装置により中間転写体50から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体1は、クリーニング装置7によって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ70により残留電荷が除電される。
[タンデム型カラー画像形成装置]
本発明の画像形成装置の他の例を図5、6を参照しながら説明する。この他の画像形成装置例では、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム型の電子写真装置は、図5に示すように、各感光体1上の画像を転写装置12により、シート搬送ベルト80で搬送するシートsに順次転写する直接転写方式のものと、図6に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置12によりいったん中間転写体8に順次転写して後、その中間転写体8上の画像を2次転写装置13によりシートsに一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置13は転写搬送ベルトであるが、ローラ形状の方式もある。
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置6、および定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置20をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置20を配置することができず、シートsの先端が定着装置20に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置20を通過するときのシート搬送速度と、転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置20を配置することができるから、定着装置20がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
間接転写方式のカラー電子写真装置では、図6に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置70で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、2次転写後に中間転写体8上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置82で除去して中間転写体8表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
<プロセスカートリッジ>
本発明のトナーを用いた現像剤は、例えば図7に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に使用することができる。
本発明においては、上述の感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段7等の構成要素のうちから選択される複数をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図7に示すプロセスカートリッジは、感光体1、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段7を備えている。動作を説明すると、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)又は印刷物(プリント)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
以下、実施例および比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。なお、「部」あるいは「%」の表示は、それぞれ、「重量部」、「重量%」をそれぞれ意味する。
また層状無機鉱物として以下に使用されるモンモリロナイトは下記組成式で表され、下記組成式のRで示される部位はイオン交換が非常に起こりやすい。
天然のモンモリロナイトはR=Na+、K+、Mg2+、Ca2+で存在しており、Rは層間に分布する構造をもつ。例えばRに配位する水は200℃以下の加熱処理により、脱水(除去)することが可能である。
モンモリロナイト組成式:
Al(Si7.33Al0.67)O20(OH)0.33/nH
表1〜2に記載されている有機変性層状無機鉱物1〜6では、加熱により水和物が除かれた状態のモンモリロナイト純分を用い、モンモリロナイト純分を下記組成式(式量:734g/mol)からなる層状無機鉱物として、層間の金属イオンのモル数を算出した。
以下の実施例等で使用したモンモリロナイト純分組成式:
Si(Al3.34Mg0.66)O20/(OH)Na0.66
層間の金属イオンのモル数(mol)=[モンモリロナイト(g)/734(g/mol)]×0.66
使用した有機物塩の重量から、投入した有機物イオンのモル数を算出した。そして最後に、前記した(1)式を用いて有機物イオン変性率を求めた。
〔実施例1〕
<ポリエステルの合成>
(ポリエステル1)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。
得られた[ポリエステル1]は、数平均分子量220、重量平均分子量5600、Tg43℃、酸価13であった。
<プレポリマーの合成>
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53重量%であった。
<有機変性層状無機鉱物−1の製造>
モンモリロナイト100gを50mlの水に十分に分散し、予め水に十分に溶解させたジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライド27gを添加、混合し、洗浄、脱水、乾燥して[有機変性層状無機鉱物−1]を作製した。
<マスターバッチの合成>
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
<顔料・WAX分散液(油相)の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(品名 HNP-9(日本精鑞株式会社製))120部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下に80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液655部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
<水相の調製>
イオン交換水953部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液88部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)90部、酢酸エチル113部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<乳化工程>
[顔料・WAX分散液1]967部、[有機変性層状無機鉱物1]を1.2%(トナー固形分換算)添加し、アミン類としてイソホロンジアミン6部、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマー1]137部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄⇒乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]を得た。体積平均粒径(Dv)は5.8μm、個数平均粒径(Dp)は5.2μmで、Dv/Dpは1.12、平均円形度は0.973であった。ついで、この母体トナー100部に疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)1部とをヘンシェルミキサーにて混合して本発明のトナーを用いた[現像剤1]を得た。
評価結果を表2に示す。実施例及び比較例の評価結果にまとめた。
〔実施例2〕
表1〜2に示すように、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライドの量を38gに変更して得た有機変性層状無機化合物−2を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
〔実施例3〜4〕
有機変性層状無機鉱物の種類と量を表1〜2に示されているように変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
表1〜2に示すように、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライドの量を20gに変更して得た有機変性層状無機化合物−3を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
表1に示すように、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライド27gを、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウムクロライド10gとジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライド15gに変更して得られた有機変性無機化合物−4を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
〔比較例1〜2〕
表1の有機変性層状無機化合物の性状に示されているように、実施例1のジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライドの量を変更して得られた有機変性層状無機化合物−5、6を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
次に本発明のトナーに関する分析及び評価について説明する。
本発明のトナーの分析及び評価を下記のように行った。以下に記載する評価等は、一成分現像剤として行ったが本発明のトナーは、好適な外添処理と好適なキャリアを使用することにより、二成分現像剤としても使用することができる。
<測定方法>
(粒子径)
トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によりトナー粒子の粒度分布を測定した。この測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液(電解液)100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液は1級の塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したものであり、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。この液に更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)を求めることができる。
チャンネルとしては、例えば2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とすることができる。
(平均円形度)
トナー粒子の形状の計測方法は、トナー粒子を含む懸濁液を、平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法を用いる。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて平均円形度として計測した値を用いた。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlにして、前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(ガラス転移温度Tg)
使用するポリエステル樹脂、ビニル系共重合樹脂またはトナーなどのガラス転移温度のTgの測定は、示差走査熱量計(DSC−6220R:セイコーインスツルメンツ社)を用いて、まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して、ガラス転移点以下のベースラインと、ガラス転移を示す曲線部分の接線との交点で求めることができる。
(地汚れ評価)
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー社製ipsio CX2500を用い、B/W(Black/White)比6%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45RH%)で連続印字した。N/N環境下の50枚および2000枚連続印字後(耐久後)に、現像後未クリーニング部分に無色透明テープを貼り感光体上の地汚れトナーを剥離し白紙貼り付け後、分光濃度計Xrite 939(X-Rite社製)で明度L*値を測定し、以下の基準で地汚れの評価を行った。
○:90以上
△:80以上90未満
×:80未満
実施例1〜6及び比較例1〜4で使用した有機変性層状無機鉱物を表1に示し、使用量および実施例および比較例で得られた結果を表2に示す。
Figure 2009271338
Figure 2009271338
本発明に係る画像形成装置(一成分トナーを用いる画像形成装置)の一例を示す概略図である。 図1に示す画像形成装置に好適に用いられる一成分現像装置(プロセスカートリッジ)の概略図である。 画像形成装置としての複写機の概略構成を示す図である。 各色の現像ユニットを感光体の回りに併設した構成を採用した画像形成装置の構成例を示す図である。 本発明の画像形成装置の他の例(タンデム型カラー画像形成装置:直接転写方式)の構成を示す図である。 本発明の画像形成装置の他の例(タンデム型カラー画像形成装置:間接転写方式)の構成を示す図である。 本発明のトナーが収容されるプロセスカートリッジの要部構成を示す図である。
符号の説明
1、11 像担持体(感光体)
2 帯電装置(帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像器(現像手段)
7 クリーニング部材(クリーニングブレード、クリーニング手段)
8 中間転写部材(中間転写手段)
9、s 記録媒体(紙などのシート体)
10 支持ローラ
12 1次転写装置(中間転写装置)
13 2次転写装置
20 定着装置
40 現像ローラ
41 供給ローラ
43規制ブレード
44 トナー(現像剤)
70 感光体クリーニング装置
80 シート搬送ベルト
82 中間転写クリーニング装置

Claims (14)

  1. トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相を水系媒体に分散して造粒して得られたトナーにおいて、該トナーは、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した有機変性層状無機鉱物を含有し、該有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X[%]が、50≦X<100であることを特徴とするトナー。
  2. 前記有機物イオンが4級アンモニウムカチオンであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーの体積平均粒径は、4.5μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記トナーのガラス転移温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記トナーの結着樹脂は、未変性のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項4に記載のトナー。
  6. 前記トナーの結着樹脂は、イソシアネート基を有する変性ポリエステルとアミン類との反応によって得られるポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項4または5に記載のトナー。
  7. 前記トナーは、前記トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を前記水系媒体中で粒子形成後に有機溶媒を除去して得られるトナーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記トナーは、前記トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を前記水系媒体中で粒子形成後に洗浄処理され、乾燥処理されて得られることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
  9. 前記トナーは、非磁性一成分現像用トナーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトナー。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のトナーが充填されていることを特徴とするトナー容器。
  11. トナーカートリッジであることを特徴とする請求項10に記載のトナー容器。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 静電荷像担持体と、該静電荷像担持体表面を帯電させる帯電装置と、帯電された静電荷像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記静電荷像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ該トナー像を転写材に静電転写する転写装置とを少なくとも有する画像形成装置において、前記現像装置は少なくとも現像ユニットを有し、前記現像ユニットに請求項1〜9のいずれかに記載のトナーが収容されていることを特徴とする画像形成装置。
  14. トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相を水系媒体に分散して造粒して得られるトナーの製造方法において、前記トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体は、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した有機変性層状無機鉱物を含有し、該有機変性層状無機鉱物中の有機物イオン変性率X[%]が、50≦X<100である有機変性層状無機鉱物を用いることを特徴とするトナーの製造方法。
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