以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
<1. 第1の実施の形態>
<1−1. 全体構成>
図1は、第1の実施の形態における生産情報システム1の構成を示す図である。また、図2は、第1の実施の形態における生産情報システム1を構成する装置の接続形態を示す図である。図2に示すように、生産情報システム1は、生産ライン10および複数の携帯端末装置2がネットワーク8を介して互いにデータ通信が可能な状態で接続されている。なお、図1では、3台の携帯端末装置2を図示しているが、携帯端末装置2の台数はこれに限定されるものではなく、生産情報システム1は、少なくとも1台の携帯端末装置2を備えていればよい。
ネットワーク8は、図2に示すように、例えば製造工場の構内に敷設されるケーブル80と、複数の無線基地局81とを備えている。なお、各無線基地局81が工場内において設置されている位置は予め決定されており、詳細は後述するが、各携帯端末装置2がどの無線基地局81との間で無線通信を行ったかを判別することにより、各携帯端末装置2の現在位置を判定できるように構成されている。
また、以下の説明では、生産ライン10と携帯端末装置2との間でデータ通信(生産情報9の送受信)が行われるとして説明する。しかし、より厳密には、生産ライン10を構成する個々の処理装置(本実施の形態では組合せ計量装置11、包装装置12および搬送装置13)と携帯端末装置2との間でデータ通信が行われる。
<1−1−1. 生産ライン10>
生産ライン10は、所定の製品を生産するために設計された装置群から構成され、複数の携帯端末装置2とネットワーク8を介して接続される複数の産業機械(処理装置)を備えている。本実施の形態における生産ライン10は、処理装置としての組合せ計量装置11、包装装置12および搬送装置13を備えている。
生産ライン10を構成する各処理装置は、それぞれが一般的なコンピュータとしての機能を備えており、いずれの装置もネットワーク8のケーブル80に接続されている。また、各処理装置は、自装置の状況に応じて生産情報9を生成する機能を有している。すなわち、生産ライン10を構成する各処理装置は、自機が備える各種センサからの信号や運転履歴等により、自機の状況を把握し、エラー等が発生した場合はもちろん、それ以外にも定期的に生産情報9を作成する。そして、各処理装置は、生成した生産情報9を記憶するとともに、必要に応じてネットワーク8を介して携帯端末装置2に送信することも可能とされている。
各処理装置において適宜作成される生産情報9は、当該処理装置の稼働状況や稼働実績等を示す情報として必要に応じてオペレータに通報すべき情報である。ただし、通報すべき生産情報9には、オペレータからの要求によって通報される情報と、警報のように処理装置から自発的に通報される情報とが含まれる。
通報すべき生産情報9の具体例としては、製品の原材料や燃料の補給や故障修理、洗浄、定期検査等のメンテナンスを要求するメンテナンス情報、製造量や不良品の有無等を示す履歴情報、稼働中の周囲の状況を示す環境情報、稼働率や生産効率、売上額を示す経営情報等の各種情報が含まれる。さらに、生産情報9には、処理装置にとって必要な情報をオペレータに入力させるための入力要求情報(GUI画面を構成するパラメータ等)も含めることができる。このような入力要求情報が生産情報9として送信されることにより、これを受け取った携帯端末装置2では、処理装置が要求している情報を入力するようにオペレータに促すことができ、オペレータの負担が軽減されるとともに、入力される情報の精度が向上する。
また、生産情報9には、各処理装置で作成される「オペレータに通報すべき情報」の他に、後述する携帯端末装置2において作成される運転パラメータとしての情報も含まれる。生産ライン10を構成する各処理装置は、このような運転パラメータとしての生産情報9を携帯端末装置2から受信して、これに従って動作する機能も有している。すなわち、各処理装置は、携帯端末装置2において入力され送信された生産情報9を、自機の操作部から入力される情報と同等に実行する機能を有している。これにより、後述する携帯端末装置2は、全ての処理装置の統一された操作部として機能する。
生産ライン10における生産情報9として、どのような情報が生成され得るかは、生産ライン10(各処理装置)を設計した時点で既知であり、各生産情報9は予めその性質や種別等に基づいて、ネットワーク管理者や生産ライン10の設計者等の第三者(処理装置や携帯端末装置2のオペレータでない者)により大まかな区分に分類されている。
例えば、稼働状況としての生産情報9の区分、稼働実績としての生産情報9の区分、あるいは運転パラメータとしての生産情報9の区分等である。もちろん分類される区分の種類および数はこれに限定されるものではなく、例えば、稼働状況としての生産情報9の区分が、さらに、電気技師に通報すべき情報の区分、工務担当に通報すべき情報の区分、あるいは補給担当者に通報すべき情報の区分等に細分化されていてもよい。
本実施の形態における生産情報9は、当該生産情報9が分類されている区分を示す区分識別子を含んでいる。すなわち、各処理装置および各携帯端末装置2は、生産情報9を作成する際に、当該生産情報9に、予め決められている区分識別子を付加する。
このように、本実施の形態では、個々の生産情報9に区分識別子を含める例で説明する。しかし、生産情報9を複数の区分に予め分類した上で、実際に作成された生産情報9が分類されている区分を識別する方法はこれに限定されるものではない。例えば、生産情報9に個々の生産情報9を識別する情報識別子を付加し、情報識別子と区分識別子とを対応付けたテーブル構造のデータベースを作成してもよい。
なお、本実施の形態における生産情報9は、区分識別子の他に、当該生産情報9を生成した処理装置や携帯端末装置2を特定するための装置識別子や端末識別子等が含まれている。
組合せ計量装置11は、ポテトチップスやピーマン等の個々の単体重量の異なる製品を複数個組み合わせることにより、所定の重量とする装置である。組合せ計量装置11は所定のサイクルごとに所定の重量となるように組み合わされた製品を包装装置12に向けて排出する。
包装装置12は、シート状のフィルムの所定の箇所を加熱シールして、包装袋を作成する装置である。また、包装装置12は、フィルムから包装袋を作成する過程で、組合せ計量装置11から排出された所定の重量の製品を袋状のフィルムに投入して密封する機能も有している。包装装置12によって所定の重量ごとに包装された製品は、搬送装置13に向けて排出される。
搬送装置13は、コンベアを備えており、包装装置12から排出された製品を所定の方向(図1において右側方向)に搬送する。搬送装置13によって搬送される過程において、各製品は、重量検査等が行われ、良品のみが生産ライン10によって生産された製品として出荷される。
なお、生産ライン10を構成する処理装置は本実施の形態に示すものに限定されるものではない。例えば、包装に文字や画像を印字する印字装置、製品の良否を判定する各種検査装置(シール検査装置、重量検査装置、異物検査装置、欠品検査装置等)、製品や材料を洗浄する洗浄装置、食品を加工する各種調理装置(加熱装置、冷凍装置、裁断機、ミキサー等)であってもよい。生産ライン10を構成する処理装置は、生産ライン10によって生産される製品等によって適宜選択され設計される。
<1−1−2. 携帯端末装置2>
図3は、携帯端末装置2の概観を示す図である。詳細は図示していないが、携帯端末装置2は、電源ケーブルや通信ケーブルといった構成が不要なハードウェア構成となっており、オペレータによって携帯される携帯型の装置として構成されている。
また、図1および図3に示すように、本実施の形態における生産情報システム1では、複数の携帯端末装置2(2a,2b,2c)として同一の装置を採用する。すなわち、生産情報システム1を構成する複数の携帯端末装置2は互いに装置レイアウトが同一であり、マンマシンインタフェースが共通である。したがって、オペレータは、複数の携帯端末装置2a,2b,2cのうちのいずれを使用する場合でも、同様の操作感覚で操作することができる。本実施の形態では、個々のオペレータは一日の作業を開始するときに、誰も使用していない状態の携帯端末装置2(ノンアクティブ状態の携帯端末装置2)の中から作業に使用する1つの携帯端末装置2を選択するものとする。
図4は、携帯端末装置2の構成図である。携帯端末装置2(2a,2b,2c)は、CPU20、読み取り専用のROM21、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM22およびメモリ23を備えており、一般的なコンピュータとしての機能を有している。詳細は後述するが、特に本実施の形態における携帯端末装置2は、無線基地局81を介して生産情報9を送受信する機能を有している。
CPU20は、ROM21に格納されているプログラム210に従って動作することにより、携帯端末装置2の各構成を制御する機能を有する。例えば、CPU20は、生産情報9をディスプレイ25に表示させる機能や、操作部24が受け付けた生産情報9を通信部26を制御することにより生産ライン10に向けて送信させる機能等を有する。
メモリ23は、各種データを記憶する不揮発性の記憶装置である。本実施の形態におけるメモリ23は、生産情報9、識別情報230、対応情報231、配置情報232、位置情報233および判定情報234を記憶する。なお、メモリ23としては、SDカードやPCカードのような可搬性の記憶媒体を着脱する構成であってもよい。
識別情報230は、携帯端末装置2を操作する側を特定する情報であり、本実施の形態では、当該携帯端末装置2を使用するオペレータの個人識別子(社員番号等)である。本実施の形態では、個々のオペレータが一日の作業を開始するときに選択した携帯端末装置2の電源を投入した上で、自らの個人識別子を入力することにより、当該携帯端末装置2をアクティブ状態に変更するものとする。このとき入力された個人識別子が識別情報230としてメモリ23に格納される。
すなわち、本実施の形態では、オペレータと携帯端末装置2との対応関係は毎日変化するが、各携帯端末装置2は同一の装置とされており、マンマシンインタフェースが共通化されているので、オペレータが操作に戸惑うことはない。なお、本実施の形態のようにオペレータと携帯端末装置2との対応関係が毎日変化するのではなく、比較的長期間にわたってオペレータと携帯端末装置2との対応関係が固定される場合には、識別情報230は各携帯端末装置2に固有の端末識別子であってもよい。すなわち、ROM21等に格納されている端末識別子が起動時にメモリ23上に読み出されて識別情報230が作成されてもよい。
対応情報231は、ネットワーク管理者や生産ライン10の設計者等の第三者(処理装置や携帯端末装置2のオペレータでない者)によって予め定義され作成されるデータであって、オペレータの個人識別子と区分(カテゴリー)に分類された生産情報9との対応関係を示す情報である。具体的には、対応情報231は、一人のオペレータ(個人識別子)ごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータであって、1つのレコードには、1つの個人識別子と、当該個人識別子で示されるオペレータに閲覧および入力が許可される生産情報9の区分識別子が格納される。
配置情報232は、生産ライン10を構成する各処理装置ごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータである。配置情報232の各レコードには1つの処理装置の装置識別子と、当該処理装置の位置を示す1つの位置識別子とが含まれる。本実施の形態では、生産ライン10が設置されている生産工場内を複数のブロック(小領域)に分割し、各ブロックごとに位置識別子が割り当てられる。そして、生産ライン10のレイアウトが決定された時点で、各処理装置が配置されるブロックの位置識別子を当該処理装置の位置を示す位置識別子として配置情報232に格納する。
位置情報233は、通信部26と無線基地局81とが通信を行うことによりCPU20によって作成される情報であるが、詳細は後述する。
判定情報234とは、分類された生産情報9の各区分ごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータであって、例えば、ネットワーク管理者や生産ライン10の設計者によって予め作成されるデータである。判定情報234の各レコードには1つの区分識別子と、当該区分識別子によって識別される区分に分類された生産情報9を閲覧または入力の対象とする際に、オペレータの位置を条件とするか否かを示すフラグとが格納される。
なお、対象情報235については、後に詳述する。
本実施の形態では、当該区分に分類された生産情報9をオペレータの位置に関わらず閲覧または入力の対象とする場合には、フラグの値として「0」を格納する。また、当該区分に分類された生産情報9をオペレータの位置に応じて閲覧または入力の対象とするか否かを判定する場合には、フラグの値として「0」以外の値を格納する。
オペレータの位置に関係なく閲覧または入力の対象とすべき生産情報9の例としては、生産ライン10の責任者が閲覧する稼働率や売り上げ額等の稼働実績に係る生産情報9が考えられる。このような情報は、処理装置の近傍での閲覧に限定されるべきものではないからである。したがって、このような生産情報9が分類されている区分については、判定情報234のレコードにはフラグ「0」が格納される。
一方、オペレータの位置によって閲覧または入力の対象とすべき生産情報9の例としては警報等の稼働状況に係る生産情報9が考えられる。このような情報は、直ちに対象となる処理装置に駆けつけることができるオペレータに優先的に閲覧させるべき情報だからである。したがって、このような生産情報9が分類されている区分については、判定情報234のレコードにはフラグ「0」以外が格納される。
なお、「0」以外の値として、例えば、処理装置の配置位置とオペレータの現在位置とが一致することを条件とする場合には「1」を、処理装置の配置位置と周囲のブロックとを含めた複数の領域内にオペレータが居ることを条件とする場合には「2」を、処理装置の配置位置ではないが周囲のブロックにオペレータが居ることを条件とする場合(オペレータが適度に離れていることを条件とする場合)には「3」を格納するといった手法が考えられる。
さらに、携帯端末装置2は、操作部24、ディスプレイ25および通信部26を備えている。
操作部24は、図3に示すように、各種ボタンやキーから構成されており、オペレータによって操作される。オペレータが操作部24を操作することにより入力された生産情報9は、メモリ23にバッファリングされた後、必要に応じて通信部26によりネットワーク8を介して生産ライン10に送信される。
詳細は後述するが、携帯端末装置2から生産ライン10に送信された生産情報9は、その後、生産ライン10(処理装置)によって実行される。すなわち、オペレータは、各処理装置の操作を、自らが所持する携帯端末装置2を操作することにより行うことができる。したがって、オペレータはどの処理装置が操作対象となった場合でも使い慣れたマンマシンインタフェースによって処理装置を操作することができ、従来のように、各処理装置に設けられた専用のマンマシンインタフェースを操作しなければならない場合に比べて負担が軽減される。
また、本実施の形態では、図1に示すように、複数の携帯端末装置2a,2b,2cとして同一の装置を採用する。これにより、オペレータはどの携帯端末装置2を使用しても同一のマンマシンインタフェースを使用することができる。
また、上記説明から明らかなように、生産情報システム1の携帯端末装置2のハードウェア構成は市販されている一般的な携帯端末装置(携帯電話や通信機能付き携帯型ゲーム機等)に比べて特殊な構成が要求されることはない。すなわち、生産情報システム1では、携帯端末装置2として、市販の装置を採用することができるため、携帯端末装置2を新規に開発し製造する場合に比べて導入コストを大幅に抑制することができる。
また、オペレータは市販品の操作に慣れていることが期待される。したがって、市販の装置を携帯端末装置2として採用することにより、さらに容易に携帯端末装置2を操作することができる。
ディスプレイ25は、CPU20からの制御に従って、各種データを画像として画面表示する表示装置である。なお、ディスプレイ25は、タッチパネルのように、操作部24の機能の一部を備えたものであってもよい。
オペレータは、ディスプレイ25に表示される生産情報9を確認することによって生産ライン10(各処理装置)の稼働状況や稼働実績を容易に把握することができる。
特に、携帯端末装置2は、それぞれが対応づけられている特定のオペレータによって携帯される携帯型の装置として構成されている。したがって、例えば、オペレータが現場(処理装置)に駆けつけたときに、別途、プリントアウトした紙媒体等を持参しなくても、当該処理装置の状況を示す生産情報9を現場まで携帯することができ、現場でディスプレイ25により確認することができる。
通信部26は、携帯端末装置2と無線基地局81との間の無線によるデータ通信を実現する。このように携帯端末装置2が通信部26を備えていることにより、本実施の形態における携帯端末装置2は生産ライン10とネットワーク8を介してデータ通信を行うことが可能である。
特に、通信部26はCPU20の制御により、定期的に無線基地局81との間でデータ通信を行う。そして、複数の無線基地局81のうち通信が成立した無線基地局81の位置を示す位置識別子を、当該携帯端末装置2の現在位置を示す位置識別子として取得する。本実施の形態におけるCPU20は、携帯端末装置2の現在位置を、当該携帯端末装置2を使用するオペレータの現在位置と見なして、当該取得した位置識別子に基づいて位置情報233を生成しメモリ23に記憶する。このように、通信部26と無線基地局81との間で定期的に無線通信が行われることにより、当該携帯端末装置2を使用するオペレータの現在位置を示す位置情報233が定期的に更新される。
以上が携帯端末装置2の構成および機能の説明である。なお、複数の携帯端末装置2は本実施の形態に示すように必ずしも同一の装置で構成されていなくてもよく、いくつかの異なるタイプの装置で構成されていてもよい。ただし、その場合には、各オペレータが異なるタイプの装置の操作を覚える必要がないように、各オペレータごとに専用の携帯端末装置2を配布することが好ましい。異なるタイプが混在する場合、全ての携帯端末装置2において、全ての処理装置を操作する機能を搭載する必要はなく、使用するオペレータの権限等に応じて、携帯端末装置2のスペックを決定してもよい。
<1−2. 動作>
次に、生産情報システム1の携帯端末装置2と生産ライン10との間で、稼働状況、稼働実績および運転パラメータといった生産情報9が送受信される様子を説明する。
図5は、第1の実施の形態における生産情報システム1における携帯端末装置2の動作を示す流れ図である。図5に示す処理は、当該携帯端末装置2の電源が投入されることによって開始される。なお、以下の説明では、携帯端末装置2aを例に説明する。
まず、携帯端末装置2aはID入力画面をディスプレイ25に表示して、自機を使用するオペレータに個人識別子の入力を促す(ステップS11)。これに対してオペレータが操作部24を操作して、自らの個人識別子を入力すると、携帯端末装置2aのCPU20は、入力された個人識別子に基づいて識別情報230を作成してメモリ23に記憶させる(ステップS12)。
通常、携帯端末装置2は個々のオペレータごとに携帯されるものであるから、ステップS12において作成される識別情報230は、個々の携帯端末装置2a,2b,2cにおいてそれぞれ異なっている。
ステップS12が実行されることにより、携帯端末装置2aはノンアクティブ状態からアクティブ状態に遷移する。なお、一旦、アクティブ状態に遷移した携帯端末装置2aは、オペレータが作業を終了する旨を入力し、ステップS19においてYesと判定するまでアクティブ状態を継続する。アクティブ状態の携帯端末装置2aは、ステップS13ないしステップS19の処理を繰り返す。
アクティブ状態において位置確認タイミングになったとき、CPU20はステップS13においてYesと判定し、携帯端末装置2aは位置更新処理を実行する(ステップS14)。
位置確認タイミングとは、前回、位置確認タイミングとなってから(前回、ステップS13においてYesと判定されてから)所定の更新時間が経過した場合を言う。なお、アクティブ状態になった直後において、CPU20は常に位置確認タイミングになっているものと判定する。したがって、電源投入後、最初にステップS13の判定が行われるときには、常に、Yesと判定され、ステップS14が実行される。
図6は、第1の実施の形態における位置更新処理を示す流れ図である。位置更新処理が開始されると、携帯端末装置2aの通信部26が応答要求をネットワーク8に向けて送信し(ステップS21)、応答情報を受信するまで待機する(ステップS22)。
ステップS21において送信された応答要求をいずれかの無線基地局81が受信することにより、携帯端末装置2aがネットワークに登録される。すなわち、データの送受信先として登録される。また、無線基地局81は、応答要求を送信した携帯端末装置2aに対して応答情報を送信することにより応答する。
無線基地局81からの応答情報を受信すると(ステップS22においてYes)、携帯端末装置2aのCPU20は、応答情報に含まれる当該応答情報を送信した無線基地局81の識別子に応じて、当該無線基地局81の受信エリアから自機の現在位置を示す位置識別子を取得する(ステップS23)。
次に、携帯端末装置2aは、ステップS23で取得した位置識別子を、携帯端末装置2aを使用するオペレータの現在位置を示す位置識別子とみなして、当該位置識別子に応じて位置情報233を更新する(ステップS24)。なお、最初にステップS24が実行されるときには、未だ位置情報233は作成されていないので、位置情報233は更新されるのではなく、そのときに作成される。
位置情報233が更新されると、携帯端末装置2aは表示画面更新処理を実行する(ステップS25)。表示画面更新処理とは、携帯端末装置2aのディスプレイ25に表示されている画面を、現在の状況に応じて更新する処理である。
図7は、第1の実施の形態における表示画面更新処理を示す流れ図である。表示画面更新処理とは、いわば携帯端末装置2の待ち受け画面(通常時に表示されている画面)を更新する処理である。
表示画面更新処理が開始されると、CPU20は、メモリ23に記憶されている識別情報230を読み出すことにより取得し(ステップS31)、取得した識別情報230に含まれる個人識別子によって対応情報231を検索する(ステップS32)。そして、個人識別子が一致した対応情報231のレコードに格納されている全ての区分識別子を取得する(ステップS33)。
対応情報231の1つのレコードに格納されている区分識別子とは、当該レコードに格納されている個人識別子によって示されるオペレータ(携帯端末装置2aを使用する側)に、稼働状況や稼働実績の閲覧および運転パラメータの入力が許可されている生産情報9の区分を示す識別子である。
先述のように、識別情報230は個々の携帯端末装置2a,2b,2cにおいて異なっているため、ステップS31で取得した個人識別子が一致する対応情報231のレコードは、個々の携帯端末装置2a,2b,2cにおいて異なっている。しかし、異なるオペレータに対して同じ運転パラメータの入力が許可されている場合等もあるので、ステップS33において取得される区分識別子は個々の携帯端末装置2a,2b,2cにおいて重複する場合もある。
次に、携帯端末装置2aのCPU30は、取得した区分識別子ごとに、判定情報234に基づいて位置判定の可否を判定する(ステップS34)。
ステップS34においてCPU20は、ステップS33で取得した区分識別子のうちのいずれか1つによって判定情報234を検索し、フラグの値が「0」となっている区分識別子については、ステップS34においてNoと判定する。そして、当該区分識別子が示す区分に分類された生産情報9を閲覧または入力の対象として決定する(ステップS36)。
また、フラグの値が「0」以外となっている区分識別子については、さらに、位置情報233と配置情報232との比較が行われ、この比較結果に応じて、オペレータの現在位置が条件を満たすか否かを判定し(ステップS35)、満たす場合には当該区分識別子が示す区分に分類された生産情報9を閲覧または入力の対象として決定する(ステップS36)。
ステップS35の条件判定を先に示した例で説明すると、フラグ「1」の場合は配置情報232の位置識別子と位置情報233の位置識別子とが完全に一致した場合にのみ「Yes」と判定する。また、フラグ「2」の場合は配置情報232の位置識別子と当該位置識別子によって示されるブロックに隣接するブロックの位置識別子とのいずれかに位置情報233の位置識別子が一致した場合に「Yes」と判定する。さらに、フラグ「3」の場合は配置情報232の位置識別子と位置情報233の位置識別子とが一致せず、かつ、配置情報232の位置識別子によって示されるブロックに隣接するブロックの位置識別子のいずれかに位置情報233の位置識別子が一致した場合に「Yes」と判定する。
一方、位置情報233と配置情報232との比較結果が条件を満たさない場合(ステップS35においてNo)、CPU20は、当該区分識別子が示す区分に分類された生産情報9を閲覧または入力の対象から除外する(ステップS37)。
1つの区分識別子についてステップS36またはS37の処理がされると、CPU20は、ステップS33で取得した全ての区分識別子についてステップS36またはS37の処理が終了したか否かを判定し(ステップS38)、未だ終了していない区分識別子が存在している場合には当該区分識別子に対してステップS34からの処理を繰り返す。一方、全ての区分識別子について終了している場合には、閲覧または入力の対象として決定された区分識別子に基づいて、ディスプレイ25に表示されている画面(待ち受け画面)を更新する(ステップS39)。
これにより、携帯端末装置2aを使用するオペレータに対して閲覧が許可された生産情報9および操作入力が許可された生産情報9についてのみインデックス(選択メニューあるいは入力欄)が待ち受け画面に表示される。逆に言えば、閲覧することができない生産情報9が画面に表示されることはない。また、操作入力することが許可されていない運転パラメータとしての生産情報9についての入力欄が表示されないことにより、これらの運転パラメータを入力することも禁止される。
このように、本実施の形態における生産情報システム1では、各オペレータは自己に与えられた携帯端末装置2を所持しているだけで、パスワード等を入力することなく、自らが許可された生産情報9についてのみアクセスでき、かつ、自らが許可された操作のみ行うことが可能となる。
また、位置更新処理(ステップS14)において実行される表示画面更新処理では、位置更新タイミングになれば自動的に表示画面が更新される。また、閲覧および入力を許可する生産情報9はオペレータの位置に応じて変更される。したがって、例えば、オペレータが組合せ計量装置11に接近したら、自動的に組合せ計量装置11に関する生産情報9が表示され、組合せ計量装置11から遠ざかると、自動的に組合せ計量装置11に関する生産情報9が画面から消去されるといった表示態様も可能である。
ディスプレイ25に表示されている画面がステップS39によって更新されると、CPU20は、ステップS25の表示画面更新処理およびステップS14の位置更新処理を終了して図5に示す処理に戻る。
図5に戻って、携帯端末装置2aがアクティブ状態で生産ライン10から生産情報9を受信すると、CPU20がステップS15においてYesと判定し、通報処理を実行する(ステップS16)。なお、通報処理を開始する対象となる生産情報9は、オペレータからの要求によって送信され受信される生産情報9ではなく、処理装置が強制的にオペレータに通報しようとする生産情報9であり、例えば、警報やエラー等の稼働状況に係る生産情報9である。
図8は、第1の実施の形態における通報処理を示す流れ図である。ステップS16の通報処理が開始されると、携帯端末装置2aのCPU20は、通信部26によって受信された生産情報9に含まれている区分識別子(当該生産情報9が分類されている区分を示す)を取得する(ステップS41)。すなわち、生産ライン10を構成するいずれかの処理装置から通報された生産情報9が、いずれの区分に分類された生産情報9であるかを示す区分識別子を当該生産情報9から取得する。
次に、CPU20は、取得した区分識別子がメモリ23に記憶されている対象情報235に格納されている区分識別子のいずれかと一致するか否かを判定する(ステップS42)。対象情報235に格納されている区分識別子は、先述の表示画面更新処理において定期的に更新されており、携帯端末装置2aを使用するオペレータに、その時点で閲覧および操作入力が許可されている生産情報9の区分を示すものである。
したがって、ステップS41において取得した区分識別子が、対象情報235に格納されている区分識別子のいずれかと一致した場合とは、受信した生産情報9が、携帯端末装置2aを使用するオペレータに、その時点で閲覧が許可された生産情報9であることを示す。したがって、ステップS42においてYesと判定した場合、CPU20は、当該生産情報9を表示する対象として決定し(ステップS43)、当該生産情報9に応じてディスプレイ25に表示されている画面を更新する(ステップS44)。
このように本実施の形態における携帯端末装置2は、自機を使用するオペレータに必要な生産情報9を漏らさずディスプレイ25に表示させることができ、必要なオペレータに必要な情報が通報(提供)される。
なお、生産情報9を表示させる画面のレイアウトとしては様々なものが考えられる。例えば、待ち受け画面に上書きする形式で、生産情報9を直接文字や画像で表示してもよいし、通常表示されている処理装置の一覧において該当する処理装置の名称を反転表示させるなどして確認すべき生産情報9が存在していることを明示するようにしてもよい。
また、ステップS44が実行され、ディスプレイ25の画面が更新されると、CPU20は、図8に示す通報処理を終了して、図5に示す処理に戻る。
一方、ステップS41において取得した区分識別子が、対象情報235に格納されている区分識別子のいずれにも一致しなかった場合とは、受信した生産情報9が、携帯端末装置2aを使用するオペレータに、その時点で閲覧が許可された生産情報9に該当しないことを示す。したがって、ステップS42においてNoと判定した場合、CPU20は、ステップS43およびステップS44をスキップし、図8に示す通報処理を終了して、図5に示す処理に戻る。
これにより、処理装置から送信された生産情報9が、受信した携帯端末装置2を使用するオペレータに知らせるべき情報でない場合には、当該オペレータが使用する携帯端末装置2には当該生産情報9が表示されることはない。したがって、必要のないオペレータに無駄な情報が提供されることが防止されるので、本当に必要な情報が他の情報に埋もれることがない。
図5に戻って、アクティブ状態で操作要求があると、携帯端末装置2aは、ステップS17においてYesと判定し、操作処理を実行する(ステップS18)。なお、操作処理とは、携帯端末装置2aを使用するオペレータが、いずれかの処理装置を操作しようとする場合に実行される処理である。
操作要求が入力される前の状況では、携帯端末装置2aのディスプレイ25には、当該オペレータが操作することが許可されている処理装置(または生産情報9)が一覧表示されている(図6に示す位置更新処理における表示更新処理により表示される待ち受け画面)。操作処理を開始させるトリガとなる操作要求は、このような一覧から当該オペレータが対象を選択することにより、入力される。また、ここに言う操作要求とは、処理装置で作成された通報すべき生産情報9(例えば稼働実績としての生産情報9)をオペレータが閲覧するための閲覧要求等も該当する。
図9は、第1の実施の形態における操作処理を示す流れ図である。操作処理が開始されると、まず、携帯端末装置2aの操作部24が生産情報9を受け付ける(ステップS51)。具体的には、オペレータが操作部24を操作することにより入力される生産情報9を受け付ける。
次に、CPU20は、通信部26を制御して、受け付けた生産情報9を生産ライン10に向けて送信させ(ステップS52)、当該生産情報9に対するレスポンスを受信するまで待機する(ステップS53)。
ステップS52が実行されることによって、操作対象の処理装置に携帯端末装置2aから生産情報9(運転パラメータ等)送信され、当該処理装置において生産情報9に基づく操作が実行される。すなわち、携帯端末装置2aが処理装置の操作部としての機能を発揮する。
なお、本実施の形態における生産情報システム1では、携帯端末装置2の待ち受け画面には、許可されていない運転パラメータ等に関する入力欄は表示されない。したがって、ステップS51で受け付けた生産情報9が、当該携帯端末装置2を使用するオペレータに許可されていない生産情報9である可能性は極めて低い。したがって、本実施の形態では、ステップS51で受け付けた生産情報9について、操作入力が許可された生産情報9であるか否かの判定は行っていないが、もちろんこのような判定を設けてから送信するように構成してもよい。
生産ライン10からのレスポンスを受信すると、CPU20は、ステップS53においてYesと判定し、受信したレスポンス(生産情報9)についての通報処理を実行する(ステップS54)。
本実施の形態における操作処理の通報処理(ステップS54)は、図8に示す通報処理と同様の処理である。操作処理では、許可された生産情報9のみステップS51で受け付けているため、それに対するレスポンスである生産情報9も閲覧等が許可されている場合が一般的である。しかし、レスポンスの全部が許可されていない状況は考えにくいにしても、一部に閲覧が許可されていない生産情報9が含まれる場合はありうる。したがって、ステップS54における通報処理でも、受信した生産情報9から取得された区分識別子と、対象情報235の区分識別子との一致を判定(ステップS42)することにより、ディスプレイ25に表示するか否かを判定する。
通報処理における画面更新(ステップS44)によってディスプレイ25に表示されるレスポンスを確認したオペレータは、操作処理を終了するか否かを操作部24を操作することにより入力する。操作処理を終了しない場合には、新たな生産情報9(運転パラメータ)を入力し、ステップS51からの処理を繰り返す(ステップS55)。
オペレータが操作処理を終了する指示を入力した場合、CPU20は、ステップS55においてYesと判定し、図9に示す操作処理を終了して、図5に示す処理に戻る。
<1−3. 具体的事例>
以上のように構成することにより、生産情報システム1は製品を生産する場面で発生する生産情報9を適切に管理し、生産情報9を適切なオペレータに提供することができるとともに、適切な生産情報9を処理装置において実行することができる。上記においてもその一部を例示して説明したが、以下に、生産情報システム1の利用形態についてまとめて具体例を挙げる。ただし、このような例に限定されるものではなく、予めどのような対応関係で生産情報9を区分に分類しておくかによって様々な態様が考えられる。
例えば、処理装置が操作してほしいオペレータを選択することが可能である。すなわち、電気的なエラーが発生した場合は電気系の工務担当を優先して生産情報9を提供するとか、異物を検出した際には生産ライン10を止めて品質管理者に生産情報9を通報する等である。
また、処理装置が状況を把握してほしいオペレータを選択することも可能である。すなわち、稼働率が変化したことを生産ライン10の責任者に報告するとか、フィルムの残りが少なくなってきたことを付近の(あるいは担当の)作業者に通報するとか、機械的な交換部品の期限が近づいていることを機械系の工務担当者に通報する等である。
また、操作内容に応じて操作可能なオペレータを絞り込むことも可能である。すなわち、オペレータのスキルに応じた区分に予め生産情報9を分類しておき、許される操作のみを表示するとか、初級レベル(作業者レベル)のオペレータには、運転開始と停止のみが操作できる単純なGUI画面を表示するとか、電機系の工務担当者のみに電気的な入出力信号設定を変更するGUI画面を提供するといった応用が可能である。あるいは、作業者レベルのオペレータに可能な平易な作業は、高度な作業が発生した場合の熟練者の稼働を確保しておくために、作業者レベルのオペレータにのみ提供するといった利用形態も可能である。
また、オペレータの位置(位置識別子)が位置情報233として格納されているので、操作できる内容(受け付ける生産情報9)をオペレータの位置で絞り込むことも可能である。すなわち、オペレータの位置について処理装置からの距離が一定範囲であれば、安全であると判断して運転の開始を受け付けるとか、誤った操作の可能性があるため架台上のオペレータでなければ組合せ計量装置11のスパン調整ができないように制限する等である。
また、表示する生産情報9をオペレータの位置で絞り込むことも可能である。すなわち、処理装置の近辺では、当該処理装置の詳細情報を表示するとか、バックヤードのオフィスでは稼働率等の集約した経営情報を表示する、あるいは不良品の増加を付近のオペレータに通報するとか、組合せ計量装置11の近傍で強い風を検出したら付近のオペレータに開放扉の確認を促す等である。
また、オペレータの体調を考慮して生産情報9を提供することも可能である。例えば、妊娠中のオペレータに対してはX線検査機に関する生産情報9を提供しない等である。
<2. 第2の実施の形態>
<2−1. 構成および機能>
第1の実施の形態における生産情報システム1は複数の携帯端末装置2および生産ライン10によって構成されていたが、生産情報システム1はこのような構成に限定されるものではない。
図10は、第2の実施の形態における生産情報システム1aの構成を示す図である。第2の実施の形態における生産情報システム1aは、生産ライン10、サーバ装置3および複数の携帯端末装置4(4a,4b,4c)がネットワーク8を介して互いにデータ通信が可能な状態で接続されている。
なお、以下の説明では、生産情報9は、サーバ装置3を介して生産ライン10(複数の処理装置)と複数の携帯端末装置4との間で送受信(交換)される情報としてのみ説明する。また、生産ライン10については第1の実施の形態における生産ライン10と同様であるため説明を省略する。さらに、携帯端末装置4は、第1の実施の形態における携帯端末装置2と概観(マンマシンインタフェースのレイアウト)は同様とする。
<2−1−1. サーバ装置3>
図11は、サーバ装置3の構成を示す図である。サーバ装置3は、CPU30、メモリ31、ハードディスク32、操作部33、ディスプレイ34および通信部35を備えており、図11に示すように、バス配線によって各構成が互いに接続されている。一般にサーバ装置3は、生産ライン10が設置される工場内とは別に、隣接したオフィス等に配置される装置である。
CPU30は、メモリ31に格納されているプログラム310に従って動作することにより、各種データの演算を行いつつ、サーバ装置3の各構成を制御する。すなわち、サーバ装置3は、一般的なコンピュータとしての機能を有している。なお、CPU30がプログラム310に従って動作することにより実現される機能については図12において詳述する。
メモリ31は、読み取り専用のROMやCPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM等から構成される比較的アクセス速度の速い記憶装置である。本実施の形態では、図11に示すように、メモリ31にプログラム310が格納されている。なお、プログラム310はネットワーク8を介してダウンロードされた後に、ハードディスク32に記憶されていてもよい。すなわち、CPU30によって、適宜、ハードディスク32からメモリ31にプログラム310が読み出されてから実行されてもよい。
ハードディスク32は、比較的大容量のデータを記憶する記憶装置として構成されている。本実施の形態におけるハードディスク32は、複数の携帯端末装置4に関する端末管理情報320と、生産ライン10を構成する複数の処理装置の製造工場内における配置位置を示す配置情報323と、生産情報管理情報324とを記憶している。
端末管理情報320は、製造工場内に配置される複数のオペレータと複数の携帯端末装置4との対応関係を示すリンクデータ321と、当該複数のオペレータに関する個人データ322とを含んでいる。
リンクデータ321は、生産情報システム1aに登録されている各携帯端末装置4ごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータであって、各レコードには1つの携帯端末装置4の端末識別子(例えばネットワーク8におけるアドレス等)と、1人のオペレータの個人識別子(氏名や社員番号あるいは個人ID等)とが含まれる。
リンクデータ321を個人識別子で検索すると、当該個人識別子で示されるオペレータに所持されている(操作される)携帯端末装置4の端末識別子を得ることができる。逆に、リンクデータ321を端末識別子で検索すると、当該端末識別子で示される携帯端末装置4を所持しているオペレータの個人識別子を得ることができる。なお、本実施の形態では、リンクデータ321において個人識別子が格納されていないレコードの携帯端末装置4は、所持するオペレータがいないノンアクティブ状態であるとみなす。
個人データ322は、各オペレータごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータである。個人データ322の各レコードには1人のオペレータの個人識別子と、当該オペレータに関する様々な情報とが含まれる。
個人データ322に含まれる情報項目としては、各オペレータのキャリア(各処理装置ごとのキャリアでもよい)、職種(電気技師や清掃員等の区別)、職能(責任者や主任等の権限に関する区別)、所属グループ、勤務時間、位置(後述)、作業状態(他の処理装置への対応中等)あるいは体調等が想定される。ただし、もちろんこれらの項目に限定されるものではなく、また、これらの項目のうちのいずれかを必ず含んでいなければならないものでもない。個人データ322に格納される情報項目の種類によって、生産情報システム1aはバラエティに富んだ柔軟な利用形態が可能となる。なお、個人データ322に含まれる個人識別子は携帯端末装置4を操作する側を特定する識別情報に相当する。
配置情報323は、第1の実施の形態における配置情報232に相当する情報であるため、説明は省略する。
生産情報管理情報324とは、生産情報システム1aにおいて作成されることが想定される生産情報9の区分ごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータである。生産情報管理情報324の各レコードには、1つの区分識別子と、当該区分識別子で示される区分に分類された生産情報9についてどのようなオペレータが担当するのがふさわしいか、あるいはどのようなオペレータに入力を許可するのがよいか等を判定するための担当情報とが含まれる。担当情報としては、例えば、関連づけられる生産情報9に対応するために要求されるオペレータのスキル(職種)や、アクセス権限、処理装置との位置関係条件等の情報が格納される。
図11に示す操作部33は、キーボードやマウス、各種ボタン類等から構成される。サーバ装置3のオペレータ(ネットワーク管理者等)は、操作部33を操作することにより、サーバ装置3に任意の指示を入力する。例えば、操作部33は、サーバ装置3において、端末管理情報320や配置情報323、生産情報管理情報324等を作成するときに操作される。
ディスプレイ34は、各種データを画面に表示することにより、サーバ装置3のオペレータに当該各種データを提供する表示装置である。
通信部35は、サーバ装置3をネットワーク8に接続する機能を有する。これにより、サーバ装置3は、先述のように、複数の携帯端末装置4や生産ライン10(複数の処理装置)との間でデータ通信を行うことが可能である。特に、本実施の形態におけるサーバ装置3は、通信部35を介して、オペレータに通報すべき稼働状況または稼働実績としての生産情報9や各処理装置に送信すべき運転パラメータとしての生産情報9を取得する。
図12は、サーバ装置3の備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図12に示す情報選別部300および位置取得部301が、主に、CPU30がプログラム310に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
情報選別部300は、ハードディスク32に記憶された端末管理情報320に基づいて、生産ライン10と複数の携帯端末装置4との間で交換される生産情報9を選別する。言い換えれば、情報選別部300は、オペレータ(携帯端末装置4)と処理装置との間の情報のやり取りにおける具体的な紐付け(関連づけ)を行う機能を有している。
また、情報選別部300は対象情報311を作成する機能も有しているが詳細は後述する。
位置取得部301は、各オペレータの位置データ(第1の実施の形態における位置情報233に相当する情報)を取得して、個人データ322に格納する機能を有する。位置取得部301が位置データを取得する手法は、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
以上が本実施の形態におけるサーバ装置3の構成および機能の説明である。なお、サーバ装置3は、各種データを記録した可搬性の記録媒体(CD−ROMやDVD等)を読み書きするディスク装置や、各種データを紙媒体に印字するプリンタ装置など、ここに示した構成以外のハードウェアを備えていてもよい。すなわち、データをやり取りする構成は通信部35を介したデータ通信に限定されるものではなく、データを出力する構成はディスプレイ34に限定されるものではない。また、サーバ装置3は、複数のコンピュータにより構成されていてもよいし、携帯端末装置4と同様に無線によりネットワーク8に接続されていてもよい。
<2−1−2. 携帯端末装置4>
図13は、第2の実施の形態における携帯端末装置4の構成を示すブロック図である。なお、先述のように、第2の実施の形態における携帯端末装置4は、第1の実施の形態における携帯端末装置2と同様の概観を有している。
複数の携帯端末装置4(4a,4b,4c)は、図13に示すように、いずれもCPU40、メモリ41、操作部42、ディスプレイ43および通信部44を備えており、これらが互いにバス配線で接続された構成となっている。
CPU40は、メモリ41に格納されているプログラム410に従って動作することにより、携帯端末装置4の各構成を制御する機能を有する。例えば、CPU40は、生産情報9をディスプレイ43に表示させる機能や、操作部42が受け付けた生産情報9を通信部44を制御することによりサーバ装置3に向けて送信させる機能等を有する。
メモリ41は、ROMやRAMあるいは磁気ディスク等から構成される各種データを記憶する記憶装置である。本実施の形態におけるメモリ41は、先述のプログラム410の他に、通信部44が受信した生産情報9や、操作部42によって生成された生産情報9、あるいは自機を識別するための端末識別子等(図示せず)を記憶する。なお、メモリ41としては、SDカードやPCカードのような可搬性の記憶媒体を着脱する構成であってもよい。
第2の実施の形態における携帯端末装置4の操作部42、ディスプレイ43および通信部44は、第1の実施の形態における携帯端末装置2の操作部24、ディスプレイ25および通信部26と同等の機能を有する構成であり、詳細な説明は省略する。
以上が携帯端末装置4の構成および機能の説明である。次に、第2の実施の形態における生産情報システム1aの動作について説明する。
<2−2. 動作>
図14は、第2の実施の形態における生産情報システム1aの動作を示す流れ図である。なお、以下の説明では、携帯端末装置4aを用いる例で説明する。
まず、電源が投入された携帯端末装置4aは、ディスプレイ43にID入力画面を表示する(ステップS61)。そして、ID入力画面に従って携帯端末装置4aを操作するオペレータによって入力された当該オペレータを示す個人識別子を取得する。そして、携帯端末装置4aは、入力された個人識別子と、メモリ41に記憶している自機(携帯端末装置4a)の端末識別子とをサーバ装置3に向けて送信する。
個人識別子と端末識別子とを受信したサーバ装置3では、CPU30が、当該端末識別子が格納されているリンクデータ321のレコードを特定し、特定したレコードに当該端末識別子とともに受信した個人識別子を格納する(ステップS62)。これにより、リンクデータ321に携帯端末装置4aが登録され、以後、携帯端末装置4aはアクティブ状態となり、位置確認タイミングのカウント等がサーバ装置3において行われる。
携帯端末装置4aが位置確認タイミングになると、サーバ装置3のCPU30がステップS63においてYesと判定し、位置更新処理が実行される。
図15は、第2の実施の形態における位置更新処理を示す流れ図である。第2の実施の形態において携帯端末装置4aに対する位置更新処理が開始されると、位置取得部301の制御に従って通信部35が携帯端末装置4aに対して応答要求を送信し(ステップS71)、携帯端末装置4aから応答情報を受信するまで待機する(ステップS72)。
携帯端末装置4aからの応答情報を受信すると、位置取得部301がステップS72においてYesと判定する。そして位置取得部301は、通信部35が受信した応答情報を解析して、携帯端末装置4aが応答する際に、どの無線基地局を使用したかに基づいて携帯端末装置4aの現在の位置識別子を取得する(ステップS73)。
次に、位置取得部301は、ステップS73で取得した携帯端末装置4aの現在位置を示す位置識別子を、携帯端末装置4aを操作するオペレータの現在位置を示す位置識別子として個人データ322を更新する(ステップS74)。これにより、個人データ322に、当該オペレータの現在位置が格納される。すなわち、第2の実施の形態における生産情報システム1aでは、オペレータの現在位置を示す位置識別子は、当該オペレータの個人データ322に格納され、適宜、更新される。
ステップS74が実行され、個人データ322(特に位置情報)が更新されると、これによって表示画面(待ち受け画面)の変更が生じる可能性があるので、第2の実施の形態における生産情報システム1aにおいても表示画面更新処理が実行される(ステップS75)。
図16は、第2の実施の形態における表示画面更新処理を示す流れ図である。まず、サーバ装置3の情報選別部300は、位置更新処理を行った携帯端末装置4aの端末識別子によってリンクデータ321を検索し、携帯端末装置4aを操作するオペレータの個人識別子を取得する。そして、取得した個人識別子を検索キーとして個人データ322を検索し、当該オペレータの個人データ322(より詳しくは個人データ322の該当するレコードに格納されている情報)を取得する(ステップS81)。
次に、ハードディスク32にアクセスして、生産情報管理情報324から1つの区分に分類された生産情報9に関する担当情報を取得するとともに、必要に応じて配置情報323を取得する(ステップS82)。なお、配置情報323が必要な場合とは、該当する生産情報9が、オペレータの現在位置に応じて選別されるべき生産情報9に分類されるものであると担当情報に示されている場合である。
次に、情報選別部300は、ステップS81で取得した個人データ322(より詳しくは、これらのうち個人識別子を除く情報(すなわち、キャリア、職種、職能、所属グループ、勤務時間、位置、作業状態あるいは体調等)と、ステップS82で取得した生産情報管理情報324の担当情報および配置情報323とのマッチング処理を行う(ステップS83)。
多数の情報項目を有する情報を互いに比較して、一致度合いを取得するマッチング処理の手法としては、従来より様々な手法が提案されており、本実施の形態においてもこれらを採用することが可能である。
例えば、各項目ごとに優先順位を設けて、優先順位の高い項目が一致するものほど一致度合いを高く評価する方法や、あるいはニューロアルゴリズム(認識アルゴリズム)を採用することもできる。さらには、重み付け演算によりマッチングを行うことも可能である。
すなわち、第2の実施の形態における生産情報システム1aでは、個人識別子(識別情報)と、生産情報9との対応関係は、マッチング処理に用いる各種パラメータ(プログラム310)や、生産情報管理情報324における担当情報および個人データ322の各項目として記憶されていると言える。言い換えれば、第1の実施の形態では当該対応関係はテーブル構造のデータ(対応情報231)をネットワーク管理者が予め作成しておくことによって比較的明確に定義されるのに対し、第2の実施の形態では当該対応関係はいくつかのデータに分散して定義されており、これをCPU30の演算によって具体的に関連づけるのである。
ステップS83が実行されると、情報選別部300は、マッチング処理の結果に応じて、ステップS81で取得した個人データ322が、ステップS82取得した担当情報における条件を満たすか否かを判定し(ステップS84)、条件を満たす場合は当該担当情報における生産情報9の区分を閲覧または入力が許可された生産情報9の区分として決定する(ステップS85)。一方、条件を満たさない場合は、当該生産情報9の区分を対象から除外する(ステップS86)。ステップS84の処理は、例えば、ステップS83におけるマッチング処理によって求まる一致度合いを閾値と比較することによって実現できる。
ステップS85またはステップS86が実行され、生産情報9の1つの区分について対象とするか除外するかの選別がされると、全ての生産情報9の区分について選別が行われたか否かを判定し(ステップS87)、未だ選別されていない生産情報9の区分が存在する場合はステップS82からの処理を繰り返す。
一方、全ての生産情報9の区分について選別が終了すると、情報選別部300はステップS87においてYesと判定し、閲覧または入力が許可された生産情報9の区分(除外されなかった生産情報9の区分)に基づいて対象情報311を作成する(ステップS88)。第2の実施の形態における対象情報311は第1の実施の形態における対象情報235に相当する情報であるが、対象情報311は、どの携帯端末装置4に対する情報であるかを識別するために端末識別子が含まれている点が対象情報235と異なっている。
対象情報311が作成(更新)されると、通信部44が当該対象情報311を携帯端末装置4aに向けて送信し(ステップS89)、これに基づいて携帯端末装置4aがディスプレイ43に表示されている画面(待ち受け画面)を更新する(ステップS90)。
したがって、第2の実施の形態における生産情報システム1aにおいても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
位置更新処理が行われた携帯端末装置4の画面が更新されると、生産情報システム1aは、表示画面更新処理および位置更新処理を終了して、図14に示す処理に戻る。
図14に戻って、生産ライン10から送信された生産情報9がサーバ装置3によって受信されると、生産情報システム1a(サーバ装置3)はステップS65においてYesと判定し、通報処理を実行する(ステップS66)。
図17は、第2の実施の形態における通報処理を示す流れ図である。通報処理が開始されると、サーバ装置3の情報選別部300は、受信した生産情報9に含まれる区分識別子を取得し(ステップS101)、当該区分識別子が含まれる対象情報311を特定する(ステップS102)。
対象情報311においては、格納されている端末識別子で示される携帯端末装置4を操作するオペレータに、その時点で、閲覧(あるいは入力)が許可されている生産情報9の区分識別子が格納されている。したがって、受信した生産情報9の区分識別子が格納されている対象情報311から取得される端末識別子とは、受信した生産情報9の閲覧が許可されているオペレータによって操作される携帯端末装置4の端末識別子である。
したがって、情報選別部300は、ステップS102で特定した全ての対象情報311から端末識別子を取得して、当該端末識別子で示される携帯端末装置4を、当該受信した生産情報9の配布先として決定する(ステップS103)。そして、通信部35が、配布先として決定された携帯端末装置4に受信した生産情報9を送信する(ステップS104)。すなわち、第2の実施の形態では、閲覧が許可されたオペレータによって操作される携帯端末装置4にのみ、生産情報9が送信される。
サーバ装置3から生産情報9を受信した携帯端末装置4aは、当該受信した生産情報9に応じてディスプレイ43の画面を更新する(ステップS105)。したがって、第2の実施の形態における生産情報システム1aにおいても、第1の実施の形態と同様に、生産ライン10において生成され、オペレータに通報されるべき生産情報9が、適切なオペレータによって操作される携帯端末装置4のディスプレイ43にのみ表示される。
図14に戻って、携帯端末装置4aのオペレータが操作要求を入力すると、生産情報システム1a(携帯端末装置4a)は、ステップS67においてYesと判定し、操作処理を実行する(ステップS68)。
図18は、第2の実施の形態における操作処理を示す流れ図である。操作処理が開始されると、携帯端末装置4aはオペレータによる生産情報9(例えば運転パラメータ)の入力を受け付ける(ステップS111)。
本実施の形態においても、待ち受け画面に対して入力される生産情報9は当該オペレータに入力が許可された生産情報9である可能性が高い。したがって、情報の選別は行わず、この生産情報9はサーバ装置3を介して生産ライン10に送信される(ステップS112)。ステップS112において生産ライン10に送信された生産情報9は、処理装置において実行され、そのレスポンスがサーバ装置3に送信される。
レスポンスを受信すると、サーバ装置3はステップS113においてYesと判定し、レスポンスに含まれる端末識別子(ステップS112において送信された生産情報9の入力元の端末識別子)を取得するとともに、生産情報9から区分識別子を取得する(ステップS114)。
次に、端末識別子に基づいて、携帯端末装置4aの対象情報311を参照し、当該対象情報311にステップS114で取得した区分識別子が含まれているか否かを判定する(ステップS115)。当該区分識別子が当該対象情報311に含まれているならば、当該生産情報9は、携帯端末装置4aに閲覧が許可されている生産情報9であるから、携帯端末装置4aに送信する対象として決定する(ステップS116)。一方、当該区分識別子が当該対象情報311に含まれていない場合には、当該生産情報9を対象から除外する(ステップS117)。
さらに、レスポンスに含まれる全ての生産情報9について判定が終了したか否かを判定し(ステップS118)、終了していない生産情報9が存在する場合はステップS114からの処理を当該生産情報9に対して繰り返す。全ての生産情報9について判定が終了した場合、CPU30は通信部35を制御して、送信の対象として決定した生産情報9のみを携帯端末装置4aに送信する(ステップS119)。
このようにして携帯端末装置4aはステップS111において受け付けた生産情報9(運転パラメータ等)に対するレスポンスとしての生産情報9(操作結果等)を受信することができ、これに基づいてディスプレイ43の画面を更新する(ステップS120)。
したがって、第2の実施の形態における生産情報システム1aにおいても、第1の実施の形態と同様に、オペレータは自身が携帯する携帯端末装置4のディスプレイ43によって自身の操作に対するレスポンスを確認することができる。なお、許可されたオペレータによって入力された運転パラメータ(生産情報9)に対するレスポンスは、一般には当該オペレータに対する閲覧等が許可されている場合が多いと考えられる。したがって、受信したレスポンスを無条件に許可された生産情報9とみなして、ステップS114ないしS118の処理を行わずに、携帯端末装置4aに送信するように構成してもよい。
以上のように、第2の実施の形態における生産情報システム1aは、ネットワーク8を介して、複数の携帯端末装置4および生産ライン10と接続されるサーバ装置3を備えることにより、生産情報9を一元的に管理することができる。また、生産ライン10および携帯端末装置4の負荷を軽減できる。
また、サーバ装置3はどの携帯端末装置4に生産情報9を送信したか等を容易に管理することが可能であるので、複数の携帯端末装置4の中から優先的にいくつかの携帯端末装置4を選択するといった利用法が考えられる。例えば、処理装置に近いオペレータに生産情報9を優先して提供することも可能である。すなわち、エラー発生時にその処理装置から一番近い携帯端末装置2に優先して生産情報9を表示させる等である。
また、オペレータの作業状態を考慮して生産情報9を通報することも可能である。すなわち、エラーが別の処理装置で発生した場合には生産情報9を通報するオペレータを振り分けるとか、エラー対処中と判断されるオペレータには新たなエラーを報知しない等である。
<3. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、オペレータが生産情報9を確認するために使用する端末装置は携帯型の装置に限定されるものではなく、サーバ装置3のようにケーブルでネットワーク8に接続される据え置き型の装置であってもよい。
また、サーバ装置3が生産情報9を閲覧あるいは入力するための端末装置として兼用されてもよい。すなわち、サーバ装置3のオペレータに通報すべき生産情報9(例えば、経営に関する情報のようにバックヤードで管理されるべき情報等)は、サーバ装置3のディスプレイ34に表示されてもよい。
また、生産情報システム1,1aは、他の利用方法も考えられる。例えば、複数の携帯端末装置2,4の間でデータ通信を行うことにより、管理者が現場のライン責任者に指示を出したり、機械系のオペレータが付近の電気系のオペレータに応援を頼んだり、作業者の手に負えない事態が発生したときに熟練者や責任者を呼んだりすることも可能である。また、処理装置を操作するために必要な部品等が保管されている場所を指示したり、オペレータの動きを記録することも可能である。すなわち、管理者にオペレータの動線の交差等の特徴を示すことによって生産ライン10の整理・再設計を促したり、直線の通路でのオペレータの動きが直線でなければ、何らかの事態の発生を疑う等である。