JP2009263568A - 粘着剤シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れた粘着剤シートを提供することにある。
【解決手段】本発明の粘着剤シートは、第1の基材10と、第2の基材20と、粘着剤層30とをこの順で有し、第2の基材20の吸光度(A)が第1の基材10の吸光度(A)よりも大きい。好ましくは、第2の基材20の吸光度(A)と第1の基材10の吸光度(A)との差(A−A)が0.2以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤シートおよびその製造方法に関する。より詳細には、液晶表示装置等の画像表示装置に供される粘着剤シートおよびその製造方法に関する。
液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画像表示装置には、ガラス基板が用いられている。ガラス基板が外的衝撃により割れるのを防止するため、ガラス基板の視認側に衝撃吸収層(粘着剤層)を設けることが開示されている(特許文献1参照)。
携帯電話等のモバイル機器においては、通常、ディスプレイの視認側に、空気層を介して、プラスチック等から形成された保護層が設けられている。しかし、保護層と空気層との界面、および、空気層とディスプレイとの界面で発生する反射により視認性が低下する問題がある。そこで、耐衝撃性と視認性の向上や薄型化を目的として、空気層の代わりに上記衝撃吸収層が用いられている。通常、衝撃吸収層は、大きいサイズの粘着剤シートから、適用される上記ディスプレイの大きさに合わせて個片状に切断され、各ディスプレイに貼り合わせられる。
一般に、粘着剤シートを個片状に切断する工程と、個片状の粘着剤シートをディスプレイに貼り合わせる工程とが異なる場所で行われる。この場合、切断された粘着剤シートを、貼り合わせ工程を行う場所へ搬送する必要がある。切断工程において粘着剤シートを完全に切断すると(フルカット)、切断された複数の粘着剤シートが、搬送時に互いに融着して使用できなくなるという問題がある。そこで、予め基材を備えた粘着剤シートを、ダイシングやトムソン刃で基材が完全に切断されないように粘着剤層を切断する方法(ハーフカット)が考えられる。しかし、このような切断は難しいという問題がある。切断できた場合でも、刃に粘着剤が付着する、切断後に隣り合う粘着剤層が互いに融着する等、切断・使用時のハンドリング性が悪いという問題がある。これらの問題は、十分な耐衝撃性能を得るために、数百ミクロンの厚みを有し得る衝撃吸収層を含む粘着剤シートにおいて、顕著に起こり得る。その一方で、歩留まりよく切断することも望まれている。
特開2005−173462号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れた粘着剤シートを提供することにある。
本発明の粘着剤シートは、第1の基材と、第2の基材と、粘着剤層とをこの順で有し、該第2の基材の吸光度(A)が該第1の基材の吸光度(A)よりも大きい。
好ましい実施形態においては、上記第1の基材の吸光度(A)が0.7以下である。
好ましい実施形態においては、上記第2の基材の吸光度(A)が0.7より大きい。
好ましい実施形態においては、上記第2の基材の吸光度(A)と上記第1の基材の吸光度(A)との差(A−A)が0.2以上である。
好ましい実施形態においては、上記第1の基材の厚みが30〜200μmであり、上記第2の基材の厚みが20〜100μmである。
好ましい実施形態においては、上記第1の基材が、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびシクロオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、上記第2の基材が、ポリエステル系樹脂および/またはポリカーボネート系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記粘着剤層が衝撃吸収層を含む。
好ましい実施形態においては、上記第2の基材と上記粘着剤層との間に配置された光学素子をさらに有する。
好ましい実施形態においては、上記光学素子が偏光板である。
本発明の別の局面においては、粘着剤シートの製造方法が提供される。この粘着剤シートの製造方法は、レーザー光を照射して、上記第1の基材が完全に切断されないように、上記粘着剤シートを切断する工程を含む。
好ましい実施形態においては、上記第1の基材と反対側からレーザー光を照射する。
好ましい実施形態においては、上記レーザーがCOレーザーである。
本発明のさらに別の局面においては、ハーフカットされた粘着剤シートが提供される。このハーフカット粘着剤シートは、上記製造方法により得られる。
本発明によれば、ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れた粘着剤シートを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.全体構成
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態による粘着剤シート100の概略断面図である。粘着剤シート100は、第1の基材10と、第2の基材20と、粘着剤層30とをこの順に有する。図1(b)は、本発明の別の好ましい実施形態による粘着剤シート100’の概略断面図である。粘着剤シート100’は、第1の基材10、第2の基材20および粘着剤層30に加え、光学素子40をさらに有する。本実施形態では、光学素子40は、第2の基材20と粘着剤層30との間に配置されている。光学素子40は、好ましくは、偏光板である。
図示しないが、本発明の粘着剤シートは、任意の適切な層(フィルム)をさらに有し得る。具体的には、光学補償層、セパレーター等が挙げられる。光学補償層の種類、数、配置等は、目的に応じて適宜選択され得る。セパレーターは、代表的には、粘着剤層30の第2の基材20が配置されていない側に配置される。粘着剤シートを構成する各層は、任意の適切な接着層を介して積層され得る。接着層の具体例としては、粘着剤層、接着剤層が挙げられる。各層の詳細については後述する。
図2は、本発明のさらに別の好ましい実施形態による粘着剤シート200の概略断面図である。第1の基材10と、第1の基材10の片側に並設された複数の粘着剤片30’ ,30’,30’と、第1の基材10と粘着剤片30’との間に配置された第2の基材20とを有する。第1の基材は、一連一体とされている。このように、基材の片側に複数の粘着剤片を設けることにより、ディスプレイへの積層時等におけるハンドリング性に優れ得る。さらに、歩留まりにも優れ得る。粘着剤シート200は、代表的には、図1(a)に示す粘着剤シート100にレーザー光を照射して、第1の基材が完全に切断されないように、第1の基材に対して第2の基材側に配置されている全ての層(図2では、第2の粘着剤層20および粘着剤層30)を完全に切断することにより得られる(ハーフカット)。好ましくは、第1の基材に切れ目が少し入る程度に切断される。ここで、ハーフカットを好適に行うために、予め、粘着剤層30上にセパレーター貼着した後にレーザー光を照射してもよい。このように第2の基材が完全に切断されることにより、ハンドリング性にさらに優れ得る。
B.基材
上述のとおり、本発明の粘着剤シートは、第1の基材および第2の基材を有する。第2の基材の吸光度(A)は、第1の基材の吸光度(A)よりも大きい。このような関係を満足する第1の基材および第2の基材を設けることにより、ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れた粘着剤シートを得ることができる。具体的には、レーザー光を照射して粘着剤シートを切断する場合、フルカットされやすいという問題があるが、このような構成を採用することにより、第1の基材が完全に切断されるのを抑制し得、ハーフカットが容易になされ得る。
第2の基材の吸光度(A)と第1の基材の吸光度(A)との差(A−A)は、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、特に好ましくは0.5以上である。このような関係を満たすことにより、さらに、ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れ得る。なお、本明細書において「吸光度」とは、照射されるレーザー光に対する、厚み100μmあたりの吸光度をいう。例えば、COレーザーが用いられる場合、波長10.6μmの光に対する、厚み100μmあたりの吸光度をいう。以下、それぞれの基材について説明する。
B−1.第1の基材
上記第1の基材の吸光度(A)は、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.4以下である。このような吸光度(A)を有することにより、第1の基材がレーザー光により完全に切断されるのを効果的に抑制し得、ハーフカットがより容易になされ得る。
第1の基材の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。好ましくは30〜200μm、さらに好ましくは40〜150μm、特に好ましくは50〜120μmである。30μmより薄い場合、レーザー光照射により、フルカットされてしまうおそれがある。200μmより厚い場合、コスト面で問題となる場合がある。
第1の基材は、その吸光度が、第2の基材の吸光度よりも小さい限り、照射されるレーザー光の波長等に応じて、任意の適切な材料で形成され得る。例えば、COレーザー(波長10.6μm)が用いられる場合、第1の基材は、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびシクロオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む。代表的には、第1の基材として、粘着剤層付きの基材(保護フィルム)が用いられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系モノマーを重合単位として重合される樹脂の総称である。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
上記シクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、シクロオレフィンの開環(共)重合体、シクロオレフィンの付加重合体、シクロオレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとの共重合体(代表的には、ランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物が挙げられる。シクロオレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
上記ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
B−2.第2の基材
上記第2の基材の吸光度(A)は、好ましくは0.7よりも大きく、さらに好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.85以上である。このような吸光度(A)を有することにより、ハーフカットがより容易になされ得、ハンドリング性により優れ得る。具体的には、例えば、粘着剤シートに、格子状にハーフカットの溝を形成して第1の基材上に複数の粘着剤片を設けた場合、第2の基材が存在することにより、第1の基材から粘着剤片を第2の基材とともに容易に剥離することができる(この場合、第2の基材はセパレーターとして機能し得る)。また、図1(b)のように、粘着剤シートが光学素子(偏光板)を含む構成においては、第2の基材は、光学素子表面の保護(傷防止)層として機能し得る。
第2の基材の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは25〜80μm、特に好ましくは30〜60μmである。20μmより薄い場合、使用時(剥離時)のハンドリング性が劣るおそれがある。100μmより厚い場合、コスト面で問題となる場合がある。
第2の基材は、その吸光度が、第1の基材の吸光度よりも大きい限り、照射されるレーザー光の波長等に応じて、任意の適切な材料で形成され得る。例えば、COレーザー(波長10.6μm)が用いられる場合、第2の基材は、好ましくは、ポリエステル系樹脂および/またはポリカーボネート系樹脂を含む。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、好ましくは、芳香族ポリカーボネートが用いられる。芳香族ポリカーボネートは、代表的には、カーボネート前駆物質と芳香族2価フェノール化合物との反応によって得ることができる。カーボネート前駆物質の具体例としては、ホスゲン、2価フェノール類のビスクロロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、ホスゲン、ジフェニルカーボネートが好ましい。芳香族2価フェノール化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが用いられる。特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとを共に使用することが好ましい。
C.粘着剤層(粘着剤片)
上記粘着剤層(粘着剤片)は、任意の適切な粘着剤で形成され得る。また、上記粘着剤層(粘着剤片)は、任意の適切な構成を有し、必要に応じて多層構造を有し得る。例えば、粘着剤層(粘着剤片)は、衝撃吸収層を含む。衝撃吸収層を含む場合であっても、上記の関係を満足する第1の基材および第2の基材を設けることにより、ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れた粘着剤シートを得ることができる。以下、衝撃吸収層について説明する。
C−1.衝撃吸収層
上記衝撃吸収層は、任意の適切な粘着剤で形成され得る。具体例として、(メタ)アクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤が挙げられる。(メタ)アクリル系ポリマーを構成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、好ましくは、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基含有の単量体とを共重合して得られる。水酸基含有の単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系ポリマーを重合する際には、任意の適切な重合開始剤を用い得る。重合開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系光重合開始剤等が挙げられる。
上記重合に際し、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、例えば、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記衝撃吸収層の25℃での動的貯蔵弾性率G´は、好ましくは1×10Pa以下であり、さらに好ましくは1×10〜7×10Paである。優れた衝撃吸収能を得ることができるからである。
上記衝撃吸収層の厚みは、好ましくは75〜1000μmであり、さらに好ましくは100〜600μmである。厚みが75μm未満では、十分な衝撃吸収能が得られないおそれがある。一方、厚みが1000μmを超えると、視認性の問題が生じやすい。
なお、上記衝撃吸収層としては、例えば、特開2005−173462号公報に記載のガラス割れ防止粘着剤層を採用してもよい。
C−2.その他の層
上記粘着剤層(粘着剤片)は、上記衝撃吸収層の片面もしくは両面に配置された下塗り層をさらに含んでいてもよい。下塗り層を設けることにより、被着体に対する衝撃吸収層の粘着特性を向上させることができる。上記下塗り層を形成する材料としては、任意の適切な材料が採用され得る。具体例として、粘着性組成物を架橋させて形成される下塗り層について説明する。
上記粘着性組成物は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマーとイソシアネート系化合物とを含む。(メタ)アクリル系ポリマーは、アクリレート系モノマーおよび/またはメタクリレート系モノマー(本明細書において(メタ)アクリレートという)から合成される重合体または共重合体をいう。(メタ)アクリル系ポリマーが共重合体である場合、その分子の配列状態は特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。好ましい分子配列状態は、ランダム共重合体である。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを単独重合または共重合して得られる。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であっても環状であってもよい。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18程度、さらに好ましくは1〜10である。
上記アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、iso−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、iso−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、iso−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ一トが挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上組み合わせる場合、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は、好ましくは3〜9である。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、上記アルキル(メタ)アクリレートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの共重合体であってもよい。この場合、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは2〜6、最も好ましくは4〜6である。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ―3―メチルブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートのヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数と同数以上である。さらに、水酸基含有(メタ)アクリレートのヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜8、さらに好ましくは4〜6である。このように、炭素数を調整することにより、後述するイソシアネート系化合物との反応性に優れ得る。例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートとして、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルを用いる場合は、アルキル(メタ)アクリレートとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートまたはブチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合量は、好ましくは0.01〜10モル%、さらに好ましくは0.1〜10モル%、特に好ましくは0.2〜5モル%、最も好ましくは0.3〜1.1モル%である。前記範囲の共重合量であれば、密着性、耐久性、応力緩和性に優れる下塗り層が得られ得る。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、上記アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレートの他に、他の成分を共重合させて得ることもできる。他の成分としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等が好ましく用いられる。他の成分の共重合量は、アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して100重量部以下であることが好ましく、より好ましくは50重量部以下である。
上記(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100万以上、さらに好ましくは120万〜300万、特に好ましくは120万〜250万である。
上記イソシアネート系化合物としては、2,4−(または2,6−)トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパンキシレンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネートモノマー;これらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパン等の多価アルコールと付加したアダクト系イソシアネート化合物;イソシアヌレート化合物;ビュレット型化合物;さらには任意の適切なポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等を付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記イソシアネート系化合物として、市販品をそのまま用い得る。市販のイソシアネート系化合物としては、例えば、三井武田ケミカル(株)製 タケネートシリーズ(商品名「D−110N,500,600,700等」)、日本ポリウレタン工業(株)コロネートシリーズ(例えば、商品名「L,MR,EH,HL等」)等が挙げられる。
上記イソシアネート系化合物の配合量は、目的に応じて適切な量が設定され得る。例えば、配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜1.5重量部、さらに好ましくは0.3〜1.0重量部、特に好ましくは0.4〜0.8重量部である。イソシアネート系化合物の配合量を前記範囲とすることによって、適度な応力緩和性および優れた熱安定性を示し得る。さらに、過酷な(高温,多湿)環境下でも、密着性が良好となり得る。
上記粘着性組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤をさらに含有し得る。添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、カップリング剤、増粘剤、顔料等が挙げられる。
上記その他の添加剤の配合量は、目的に応じて適切な量が設定され得る。配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、好ましくは0を超え5重量部以下である。
上記下塗り層の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは10〜30μm、特に好ましくは20〜25μmである。
D.偏光板
上記偏光板は、代表的には、偏光子と該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護フィルムとを有する。
D−1.偏光子
上記偏光子としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
D−2.保護フィルム
上記保護フィルムとしては、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムが採用され得る。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましく、TACがさらに好ましい。
偏光板は、表面処理層をさらに有し得る。表面処理層は、代表的には、上記保護フィルムの上記偏光子が配置されていない側に形成されている。表面処理層の具体例としては、ハードコート処理層、反射防止処理層、スティッキング防止処理層、アンチグレア処理層等が挙げられる。
E.セパレーター
上記セパレーターは、代表的には、支持基材と、該支持基材の少なくとも片側(上記粘着剤層が配置される側)に配置された剥離性付与層とを含む。後述の剥離性付与層を形成する剥離剤の種類、塗布量を適宜選択することにより、セパレーターの剥離力を容易に調節し得る。
上記支持基材としては、任意の適切なプラスチックフィルムが採用され得る。また、支持基材は、プラスチックフィルムの単一層であってもよく、プラスチックフィルムの積層体であってもよい。プラスチックフィルムは、セパレーターとしての機能を発揮し得る限り、任意の適切な材料で形成され得る。具体例として、ナイロン類;ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類等が挙げられる。中でも、打ち抜き加工性等の点からポリエステルフィルムが好ましい。また、支持基材の材料としては、上記剥離性付与層(例えば、シリコーン樹脂)に対して、触媒毒となる成分を含まないものが好ましい。なお、支持基材の表面は、金属蒸着が施されていてもよい。
上記剥離性付与層は、任意の適切な剥離剤で形成され得る。具体例として、縮合型や付加型等の熱硬化型シリコーン系剥離剤、紫外線や電子線等による放射線硬化型シリコーン系剥離剤等のシリコーン系剥離剤;(メタ)アクリル酸のフッ素含有エステルと、炭素数8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステル等とを重合して得られたアクリル系共重合体を含むフッ素系剥離剤;炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、炭素数8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステル等とを重合して得られたアクリル系共重合体を含む長鎖アルキル系剥離剤(特公昭29−3144号公報、特公昭29−7333号公報)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、シリコーン系剥離剤である。
上記剥離性付与層としては、例えば、特開2004−346093号公報に記載の離型層を採用してもよい。
上記セパレーターの厚みは、代表的には15〜100μm程度であり、好ましくは30〜100μm程度である。
F.製造方法
本発明の粘着剤シートの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。本発明の粘着剤シートの製造方法は、好ましくは、レーザー光を照射して(例えば、レーザーアブレーション等によって)、上記第1の基材が完全に切断されないように上記粘着剤シートを切断する工程を含む(ハーフカット)。ハーフカットして得られた粘着剤シート(ハーフカット粘着剤シート)は、図2に示すように、少なくとも第1の基材は一連一体とされている。ここで、第1の基材の一部は、切断されていてもよい。
上記粘着剤シートに対するレーザー光の照射方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、粘着剤シートの第1の基材側から照射してもよいし、第1の基材と反対側(粘着剤層側)から照射してもよい。好ましくは、レーザー光は、第1の基材の反対側から照射される。
上記レーザー光は、好ましくは、少なくとも400nm以下および/または1.5μm以上の波長の光を含む。さらに好ましくは2〜30μm、特に好ましくは8〜12μmの波長の光を含む。上記粘着剤層をはじめとする各層(フィルム)の形成材が、レーザー光を効率的に吸収し得、良好に切断され得るからである。
上記レーザーとしては、任意の適切なレーザーを採用し得る。具体例としては、COレーザー、エキシマレーザー等の気体レーザー;YAGレーザー等の固体レーザー;半導体レーザーが挙げられる。好ましくは、COレーザーである。COレーザー光は上述の好ましい波長の光を含み得るからである。COレーザー光は、波長10.6μm、9.4μmのものが好ましい。
レーザー光の照射条件(焦点出力条件、移動速度、回数)は、切断対象、切断深さ等に応じて任意の適切な条件を採用し得る。出力条件は、COレーザーを用いる場合、代表的には10〜800Wである。好ましくは10〜200W、さらに好ましくは50〜150Wである。移動速度は、COレーザーを用いる場合、代表的には50〜700mm/秒であり、好ましくは100〜500mm/秒である。回数は、代表的には1〜2回である。
G.使用方法
本発明の衝撃吸収粘着剤シートの使用方法は、任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記第1の基材および第2の基材を剥離して、この剥離面を光学素子表面に貼着させる方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、特に示さない限り、実施例中の部および%は重量基準である。
以下で用いる各基材の吸光度の測定方法は、以下のとおりである。
吸光度は、FT−IR法(フーリエ変換型赤外分光法)にて測定し、厚み100μmあたりに換算することにより算出した。
測定装置:Supectrum2000(パーキンエルマー社製)
検出器:MIRTGS
ビームスプリッター:KBr
分解能:4cm−1
積算回数:16回
測定領域:4000〜715cm−1(2.5〜14μm)
測定温度:室温
[実施例1]
(衝撃吸収層の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および攪拌装置を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート83.6部、4−ヒドロキシブチルアクリレート16.4部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「イルガキュア−651」)0.05部と1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「イルガキュアIr−184」)0.05部を入れ、紫外線を照射して重合処理して、重合率が13%のアクリル系ポリマー・モノマー混合液を得た。次に、この混合液100部に対して、架橋剤としてトリメチルプロパントリアクリレート0.2部と、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「イルガキュアIr−184」)0.15部とを混合し、塗布液を得た。
上記で得られた塗布液を、セパレーター(厚み75μmのポリエステル系フィルム、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製の「PETセパMRN」)上に塗布し、その上面を、セパレーター(「PETセパMRN」)で覆い、積層体を得た。得られた積層体を、紫外線ランプ(高圧水銀ランプ)により、2,000mJ/cmの紫外線を照射して光重合させて、その後上面側のセパレーターを剥がし、150℃で50分間乾燥を行い、厚み200μmの衝撃吸収層を作製した。得られた衝撃吸収層の25℃での動的貯蔵弾性率G´は3×10Paであった。
(下塗り層の製造)
冷却管、攪拌羽、温度計が付属した4つ口フラスコ中に、ブチルアクリレート100部、アクリル酸5部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1部および過酸化ベンゾイル0.2部を酢酸エチル100部と混合した溶液を加え、60℃で7時間反応させて、固形分40%のアクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、イソシアネート系化合物(コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)を固形分で1部加えて、さらに酢酸エチルを加えて、固形分30%の下塗り剤溶液を調製した。得られた下塗り剤溶液を、基材(厚み38μmのポリエステル系セパレーター)上に、リバースロールコート法で塗工し、150℃で3分間乾燥して溶剤を揮発させ、下塗り層を作製した。得られた下塗り層の乾燥後の厚みは23μmであった。
上記で得られた衝撃吸収層の上面側に、上記で得られた下塗り層およびセパレーター(厚み75μmのポリエステル系フィルム、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製の「PETセパMRF」)をこの順で積層した。
次に、衝撃吸収層のもう片側のセパレーター(「PETセパMRN」)を剥離し、この剥離面に厚み215μmのハードコート付偏光板(日東電工(株)製、商品名「SEG1425DUHC」)、上記で得られた下塗り層および第2の基材(厚み38μmの「PETセパMRF」)をこの順で積層した。ここで、偏光板のハードコート面が、衝撃吸収層側となるように積層した。
次に、第2の基材上に、粘着剤層付ポリエチレンフィルム(厚み90μm)(積水化学工業(株)製、商品名「プロテクトテープ#6281K−90」)を積層した。
このようにして、セパレーター(75μm)/粘着剤層(下塗り層23μm/衝撃吸収層200μm)/偏光板(215μm)/粘着剤層(23μm)/第2の基材(厚み38μm)/粘着剤層を含む第1の基材(90μm)の構成を有する粘着剤シートを作製した。
[実施例2]
第2の基材上に、厚み90μmの粘着剤層付ポリプロピレンフィルム(日東電工(株)製、商品名「ダンプロンテープNo375」)を積層したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤シートを作製した。
[実施例3]
第2の基材上に、上記下塗り剤溶液の濃度を調整して実施例1と同じ方法で形成された厚み12μmの粘着剤層を介して、厚み40μmのノルボルネン系樹脂フィルム((株)オプテス製、商品名「ゼオノアZF14−4」)を積層したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤シートを作製した。
[比較例1]
第2の基材上に、粘着剤層(厚み17μm)付PETフィルム(厚み55μm)(藤森工業(株)製、商品名「PPF900T」)を積層したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤シートを作製した。
[比較例2]
第2の基材上に、上記下塗り剤溶液の濃度を調整して実施例1と同じ方法で形成された厚み12μmの粘着剤層を介して、厚み40μmのポリカーボネート系樹脂フィルム(帝人化成(株)製、商品名「TT−フィルム」)を積層したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤シートを作製した。
[比較例3]
第2の基材として、厚み100μmのノルボルネン系樹脂フィルム((株)オプテス製、商品名「ゼオノアZF14−100」)を用いたこと、および、当該第2の基材上に、上記下塗り剤溶液の濃度を調整して実施例1と同じ方法で形成された厚み12μmの粘着剤層を介して、厚み38μmの「PETセパMRF」を積層したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤シートを作製した。
(レーザー光照射)
上記で得られた粘着剤シートを、そのセパレーター側からCOレーザー(ライテック社製、シリアルNO.LT−00240)でレーザー光を照射して、切断した。照射は、波長:10.6μm、出力:100W、移動速度300mm/秒の条件で、粘着剤シート偏光板部にピントを合わせて行った。
各実施例および各比較例で得られた粘着剤シート(第1の基材)の切断状態を、用いた基材の吸光度とともに表1に示す。
Figure 2009263568
表中の第1の基材の切断状態の詳細は、以下のとおりである。
◎:レーザー光照射後の第1の基材の切断深さが20μm以下であった
○:レーザー光照射後の第1の基材の切断深さが20μmより深く40μm以下であった
×:レーザー光照射後、第1の基材が完全に切断され、粘着剤シートがフルカットされた
××:レーザー光照射後、第2の基材が完全に切断されず、第1の基材が全く切断されなかった
表1に示すように、実施例1から3の粘着剤シートは、レーザー光照射でフルカットされず、第1の基材が一連一体とされていた。また、切断面も良好で、かつ、隣り合う粘着剤層(衝撃吸収層)が互いに融着することもなかった。一方、比較例1、2の粘着剤シートはレーザー光照射によりフルカットされ、比較例3は第2の基材が完全に切断されなかった。以上より、第2の基材の吸光度(A)を第1の基材の吸光度(A)よりも大きくすることにより、ハンドリング性に優れ、歩留まりに優れた粘着剤シートが得られるといえる。
本発明の粘着剤シートは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画像表示装置に好適に用いられる。
(a)は、本発明の好ましい実施形態による粘着剤シートの概略断面図であり、(b)は、本発明の別の好ましい実施形態による粘着剤シートの概略断面図である。 本発明のさらに別の好ましい実施形態による粘着剤シートの概略断面図である。
符号の説明
10 第1の基材
20 第2の基材
30 粘着剤層
30’ 粘着剤片
100 粘着剤シート
100’ 粘着剤シート
200 粘着剤シート

Claims (13)

  1. 第1の基材と、第2の基材と、粘着剤層とをこの順で有し、
    該第2の基材の吸光度(A)が該第1の基材の吸光度(A)よりも大きい、粘着剤シート。
  2. 前記第1の基材の吸光度(A)が0.7以下である、請求項1に記載の粘着剤シート。
  3. 前記第2の基材の吸光度(A)が0.7より大きい、請求項1または2に記載の粘着剤シート。
  4. 前記第2の基材の吸光度(A)と前記第1の基材の吸光度(A)との差(A−A)が0.2以上である、請求項1から3のいずれかに記載の粘着剤シート。
  5. 前記第1の基材の厚みが30〜200μmであり、
    前記第2の基材の厚みが20〜100μmである、請求項1から4のいずれかに記載の粘着剤シート。
  6. 前記第1の基材が、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびシクロオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、
    前記第2の基材が、ポリエステル系樹脂および/またはポリカーボネート系樹脂を含む、請求項1から5のいずれかに記載の粘着剤シート。
  7. 前記粘着剤層が衝撃吸収層を含む、請求項1から6のいずれかに記載の粘着剤シート。
  8. 前記第2の基材と前記粘着剤層との間に配置された光学素子をさらに有する、請求項1から7のいずれかに記載の粘着剤シート。
  9. 前記光学素子が偏光板である、請求項8に記載の粘着剤シート。
  10. レーザー光を照射して、前記第1の基材が完全に切断されないように、請求項1から9のいずれかに記載の粘着剤シートを切断する工程を含む、粘着剤シートの製造方法。
  11. 前記第1の基材と反対側からレーザー光を照射する、請求項10に記載の粘着剤シートの製造方法。
  12. 前記レーザーがCOレーザーである、請求項10または11に記載の粘着剤シートの製造方法。
  13. 請求項10から12のいずれかに記載の製造方法により得られた粘着剤シート。
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