JP2009259731A - 発光装置、及び発光装置の製造方法 - Google Patents

発光装置、及び発光装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL画素毎に異なる層厚の透明層を、フォトリソグラフィー工程を複数回繰り返すことなく形成する。
【解決手段】基板10上に発光領域19に光反射層21を形成する第2の工程と、光反射層21上に透明樹脂を含む液状材料Cを供給する第3の工程と、液状材料Cを硬化させて、光反射層21上に透明樹脂層79を形成する第4の工程と、透明樹脂層79が形成された基板10上に透明導電層65を形成する第5の工程と、透明導電層65をパターニングして、発光領域19に第1の電極25を形成する第6の工程と、第1の電極25上に発光機能層26を形成する第7の工程と、発光機能層26上に半反射性を有する第2の電極27を形成する第8の工程と、を含むことを特徴とする発光装置1の製造方法。
【選択図】図10

Description

本発明は発光装置、及び発光装置の製造方法に関する。
発光装置の1つである有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置は、近年、液晶表示装置に代わる表示装置として期待されており、実用化が進んでいる。有機EL装置は、一般的に、表示領域内に規則的に配置された発光画素としての有機EL画素を備えている。個々の有機EL画素は、陰極(電子注入電極)から注入される電子と陽極(ホール注入電極)から注入される正孔とを発光層(有機EL層)内部で再結合させる際に生じる発光を射出する。三原色を射出する有機EL画素、すなわち赤色光を射出する有機EL画素と緑色光を射出する有機EL画素と青色光を射出する有機EL画素を表示領域内に規則的に配置することにより、カラー表示が可能である。
上記三原色の光を得る方法として、各々の有機EL画素ごとに異なる色の光を生じる発光層を形成する方法と、全ての有機EL画素に共通の、広い波長領域の光を生じる発光層を形成し、カラーフィルタを用いて特定の波長領域の光を得る方法と、がある。有機EL画素ごとに異なる発光層を形成することによるコスト、及びカラーフィルタを用いずに理想的なピーク波長の光を得ることの困難性のため、近年は後者の方法が注目されている。
一方で、カラーフィルタのみによって特定の波長領域の光を得ることは、カットされる波長の光による損失が大きいと言う問題がある。そこで、陽極を構成するITO(酸化インジウム・錫合金)等の無機透明層の層厚を有機EL画素ごとに変化させて、電極間(陰極と陽極との間)、あるいはいずれか一方の電極と別途形成された光反射層との間の共振長を有機EL画素ごとに異なる値とした上で上述の発光を共振させて、カラーフィルタを透過する前に特定の波長を強調する方法が検討されている(特許文献1及び2参照)。
特許第2797883号公報 特開2004−119131号公報
しかし、ITO等の無機透明層を有機EL画素ごとに異なる層厚で形成するためには、薄膜形成工程とフォトリソグラフィー工程を複数回繰り返す必要がある。したがって、上述の技術は、プロセスの複雑化及び製造コストの上昇をもたらすという問題を有している。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
基板上に規則的に配置された複数の発光領域の各々に、上記基板側から順に第1の電極と発光機能層と第2の電極とが積層された構造を有する発光画素を備える発光装置の製造方法であって、上記発光領域に光反射層又は半反射層を形成する第2の工程と、上記光反射層上又は上記半反射層上に透明樹脂を含む液状材料を供給する第3の工程と、上記液状材料を硬化させて、上記光反射層上又は上記半反射層上に透明樹脂層を形成する第4の工程と、上記透明樹脂層が形成された上記基板上に透明導電層を形成する第5の工程と、上記透明導電層をパターニングして、上記発光領域に上記第1の電極を形成する第6の工程と、上記第1の電極上に発光機能層を形成する第7の工程と、上記発光機能層上に光反射性又は半反射性を有する上記第2の電極を形成する第8の工程と、を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、フォトリソグラフィー法を用いずに、上記発光領域に任意の層厚の透明樹脂層を形成できる。そして、上記光反射層又は上記半反射層と上記第2の電極との間の光学的距離を調整できる。したがって、製造コストを抑制しつつ、上記第1の電極と上記第2の電極との間で発光した光を、上記光反射層又は上記半反射層と上記第2の電極との間で共振させて、特定の波長範囲の光を強調できる。なお、発光機能層とは、単層の発光層及び少なくとも発光層を含む複数の層の積層体の双方を含む概念である。
[適用例2]
上述の製造方法であって、上記複数の発光領域に各々形成される発光画素は、赤色光を発光する赤色発光画素と緑色光を発光する緑色発光画素と青色光を発光する青色発光画素と、の規則的に配置された三種類の発光画素を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、フォトリソグラフィー法を用いずに、上述の三種類の発光画素の内の任意の発光画素の発光領域に、任意の層厚の透明樹脂層を形成して、上記光反射層又は上記半反射層と上記第2の電極との間の光学的距離を調整できる。そのため、上記第1の電極あるいは上記発光機能層の層厚を、共振長を考慮せずに設定できる。したがって、製造コストを抑制しつつ、表示品質の向上した、カラー表示可能な発光装置を得ることができる。
[適用例3]
上述の製造方法であって、上記光反射層又は上記半反射層は金属層であり、上記基板上に有機樹脂層を形成する第1の工程と、上記基板上に各々の上記発光画素に対応する駆動素子を形成する第9の工程とを実施し、上記第1の工程と上記第2の工程との間に、上記有機樹脂層の一部を選択的に除去して上記駆動素子の電極の少なくとも一部を露出させるコンタクトホールを形成する第10の工程を実施し、上記第2の工程は、上記金属層をパターニングして上記発光領域に上記光反射層又は上記半反射層を形成し、かつ、上記金属層をパターニングして、上記コンタクトホールの形成領域に上記光反射層又は上記半反射層と所定の間隔を隔てるコンタクトホールキャップを形成する工程であり、上記第6の工程は、上記透明導電層をパターニングして、上記コンタクトホールの形成領域と上記発光領域との2つの領域に跨る上記第1の電極を形成する工程である、ことを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、コンタクトホールを介して接続する、上述の駆動素子の電極と上記第1の電極との接続抵抗(コンタクト抵抗)を低減しつつ、コンタクトホールキャップと同層からなる上記光反射層または上記半反射層上に共振長を調整するための上記透明樹脂層を形成できる。したがって、工程数を低減しつつ、表示品質が向上した発光装置を得ることができる。
[適用例4]
上述の製造方法であって、上記第3の工程は、上記第4の工程で形成された上記透明樹脂層の光学的距離と上記透明導電層の光学的距離と上記発光機能層の光学的距離との和が、該透明樹脂層が形成される発光画素の発光を上記光反射層又は上記半反射層と上記第2の電極との間で発生する共振により強調する光学的距離となるように、上記液状材料を供給する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、上記透明樹脂層が形成された発光画素の発光の色純度を向上できる。したがって、表示品質がより一層向上したカラー表示可能な発光装置を、製造コストを抑制しつつ得ることができる。
[適用例5]
上述の製造方法であって、上記第3の工程は、上記三種類の発光画素のうちの二種類の発光画素に対応する上記光反射層上又は上記半反射層上に、上記液状材料を供給する工程であり、上記第7の工程は、上記基板上全面に共通の上記発光機能層を形成する工程であり、上記第5の工程と上記第7の工程とは、上記透明導電層の光学的距離と上記発光機能層の光学的距離との和が、上記光反射層又は上記半反射層と上記第2の電極との間で共振により、上記三種類の発光画素のうちの上記透明導電層が形成されない発光画素の発光が強調される光学的距離となるように、上記透明導電層及び上記発光機能層を形成する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、上記三種類の発光画素の発光を共振させつつ上記第3の工程を簡略化できる。したがって、上記発光の色純度に影響を与えずに、発光装置の製造コストを低減できる。
[適用例6]
上述の製造方法であって、上記第7の工程は、白色光を発光する上記発光機能層を形成する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
白色光は広い波長範囲の光を含んでいるので、このような製造方法によれば、共振長、すなわち上記光反射層又は上記半反射層と上記第2の電極との間の光学的距離の設定により、各々の発光画素により一層好適な三原色光を発光させることができる。したがって、このような製造方法によれば、表示品質がより一層向上したカラー表示可能な発光装置を、製造コストを抑制しつつ得ることができる。なお、上述の白色光を発光する発光機能層は、該発光機能層に含まれる発光層を、夫々異なる色を発光する複数の発光層を積層して形成してもよい。
[適用例7]
上述の製造方法であって、上記第3の工程は、上記液状材料をインクジェット法により吐出して供給する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
インクジェット法は液状材料の供給量及び供給位置の制御性が高いため、上記透明樹脂層の形成における層厚制御性が向上する。したがって、このような製造方法によれば、上記発光画素間において共振により強調される波長の均一性を向上でき、表示品質がより一層向上したカラー表示可能な発光装置を得ることができる。
[適用例8]
上述の製造方法であって、上記第2の工程と上記第3の工程との間に、上記基板上に酸素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理及びフッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理を施して上記有機樹脂層の露出した表面に撥液性を付与し、上記光反射層又は上記半反射層の表面に親液性を付与する第11の工程を実施することを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、上記第3の工程において供給する液状材料を、上記光反射層又は上記半反射層の表面に略均一に分布させ得ると共に、上記光反射層又は上記半反射層の周囲の上記有機樹脂層の露出した表面に流出することを回避できる。したがって、上記透明樹脂層を上記光反射層上又は上記半反射層上にのみ、かつ良好な層厚均一性をもって形成できる。その結果、より一層表示品質の向上した発光装置を得ることができる。
なお、上述の「露出した表面」とは、上記光反射層又は上記半反射層とコンタクトホールキャップとが形成されていない領域である。
[適用例9]
上述の製造方法であって、上記第2の工程は、光反射層を形成する工程であり、上記第8の工程は、半反射性を有する上記第2の電極を形成する工程であること、を特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、上記光反射層と上述の半反射性を有する第2の電極との間で発光を共振させつつ、共振により特定の波長範囲の光が強調された光を上記第2の電極側から射出させることが可能な、トップエミッション型の発光装置を得ることができる。
[適用例10]
上述の製造方法であって、上記第1の工程は透明性を有する上記有機樹脂層を形成する工程であり、上記第2の工程は半反射層を形成する工程であり、上記第8の工程は、光反射性を有する上記第2の電極を形成する工程であること、を特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、上記半反射層と上述の光反射性を有する第2の電極との間で発光を共振させつつ、共振により特定の波長範囲の光が強調された光を上記半反射層及び上述の透明性を有する有機樹脂層を介して上記基板側から射出させることが可能な、ボトムエミッション型の発光装置を得ることができる。
[適用例11]
上述の製造方法であって、上記第2の電極の、上記発光機能層と対向する面の反対側に、上記三種類の発光画素の夫々の発光色に対応するカラーフィルタを配置する第12の工程を更に実施することを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、共振により特定の波長範囲の光を強調された後、上記第2の電極を透過してくる光の色純度を、上記カラーフィルタを透過させることでより一層向上させることが可能な、トップエミッション型の発光装置を得ることができる。
[適用例12]
上述の製造方法であって、上記第2の工程の前に、上記半反射層の、上記発光機能層と対向する面の反対側の上記半反射層を平面視で含む領域に、上記三種類の発光画素の夫々の発光色に対応するカラーフィルタを形成する第13の工程を更に含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法によれば、共振により特定の波長範囲の光を強調された後、上記半反射層を透過してくる光の色純度を、上記カラーフィルタを透過させることでより一層向上させることが可能な、ボトムエミッション型の発光装置を得ることができる。
[適用例13]
上述の製造方法で形成されたことを特徴とする発光装置。
このような発光装置であれば、フォトリソグラフィー法によらずに、各々の発光画素の発光色に合わせた共振長が得られるため、製造コストを増加させずに高品質の画像を表示できる。
[適用例14]
基板上に規則的に配置された複数の発光領域の各々に、赤色光を発光する赤色発光画素と緑色光を発光する緑色発光画素と青色光を発光する青色発光画素と、三種類の発光画素を備える発光装置であって、上記三種類の発光画素の各々は上記基板側から順に光反射層又は半反射層と透明導電性を有する第1の電極と発光機能層と光反射層性又は半反射層性を有する第2の電極とが積層された構造を有しており、上記三種類の発光画素のうちの二種類の発光画素は、上記光反射層又は上記半反射層と上記第1の電極との間に共振長調整用の透明樹脂層が配置されていることを特徴とする発光装置。
このような構成であれば、上記第1の電極の形成に伴う成膜工程及びパターニング工程を各一回ずつとした上で、上記共振長を上記三種類の発光画素間で夫々異なる値に設定できる。したがって、かかる発光装置であれば、上記第1の電極の形成コストを低減し、上記光反射層又は上記半反射層に与えるダメージを抑制しつつ、上記三種類の発光画素の各々に、夫々異なる波長範囲の光を強調させることができる。
[適用例15]
上述の発光装置であって、上記三種類の発光画素は、上記透明樹脂層の有無及び該透明樹脂層の層厚を除き、材料及び厚さが同一の層で構成されていることを特徴とする発光装置。
このような構成の発光装置であれば、製造コストを低減しつつ、上記三種類の発光画素の各々に、夫々異なる波長範囲の光を強調させることができる。
以下、図面を参照し、発光装置及び発光装置の製造方法の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
<A.有機EL装置の構成>
図1は、本実施形態の製造方法の対象となる発光装置としての有機EL装置1の全体構成を示す回路構成図である。有機EL装置1は、表示領域100に規則的に配置された複数の発光画素としての有機EL画素20の発光を個別に制御して該表示領域に画像を形成する、アクティブマトリクス型の有機EL装置である。なお、有機EL装置1は、第2の電極の側から光を射出するトップエミッション型の有機EL装置であるが、回路構成についてはボトムエミッション型の有機EL装置も同一である。
有機EL装置1は、表示領域100とその周辺の領域とを備えている。表示領域100には、X方向に延在する複数の走査線102と、Y方向に延在する複数の信号線104と、同じくY方向に延在する複数の容量線106と、が形成されている。X方向が信号線104と容量線106とで規定され、Y方向が走査線102の中心線で規定される方形の区画が、画素領域101である。
各々の画素領域101には、有機EL画素20を構成する要素である、走査線102を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)108と、スイッチング用TFT108を介して信号線104から供給される画素信号を保持する保持容量110と、保持容量110によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動素子としての駆動用TFT112と、駆動用TFT112を介して容量線106から駆動電流が流れ込む画素電極25(図2参照)等が形成されている。なお、画素とは上述の各構成要素を含む機能的な概念であり、画素領域101は表示領域100内を規則的に区分する平面的な概念である。
表示領域100の周辺の領域には、走査線駆動回路120、及び信号線駆動回路130が形成されている。走査線駆動回路120は、図示しない外部回路より供給される各種信号に応じて、走査線102に走査信号を順次供給する。信号線駆動回路130は、信号線104に画像信号を供給する。容量線106には、図示しない外部回路から画素駆動電流が供給される。走査線駆動回路120の動作と信号線駆動回路130の動作とは、同期信号線140を介して外部回路から供給される同期信号により相互に同期が図られている。
走査線102が駆動されスイッチング用TFT108がオン状態になると、その時点の信号線104の電位が保持容量110に保持され、保持容量110の状態に応じて駆動用TFT112のレベルが決まる。そして、駆動用TFT112を介して容量線106から画素電極25(図2参照)に駆動電流が流れ、有機EL画素20は駆動電流の大きさに応じて発光する。
有機EL画素20には、射出する光の色により規定される赤色発光画素としての赤色有機EL画素20R、緑色発光画素としての緑色有機EL画素20G、青色発光画素としての青色有機EL画素20B、の三種類がある。有機EL画素20は、上記三種類の有機EL画素の総称である。他の名称(「共振長」等)についても同様に、R,G,Bの符号を削除した場合は三種類の該名称の総称である。
後述するように、本実施形態の有機EL装置1は、共通の発光機能層から得られた発光を共振により特定の波長範囲の光を強調することにより、上記の三種類の光を射出している。独立に制御される個々の有機EL画素20が駆動電流の大きさに応じて赤、緑、青の三原色のいずれかの光を射出することで、表示領域100にカラー画像が形成される。なお、共通の発光機能層を用いるのではなく、上記三種類の有機EL画素の夫々に異なる発光機能層を形成してもよい。かかる態様は後述する変形例3で述べる。なお、有機EL画素20R,20G,20Bの配置の順序は図1に示す順序に限定されるものではなく、R,B,Gの順序に配置することも可能である。
次に、画素領域101内における、画素を構成する各要素の平面的な態様について述べる。図2は、画素領域101内における、1画素を構成する各要素の配置を模試的に示す平面図である。X方向に隣り合うように形成された、赤色有機EL画素20Rと、緑色有機EL画素20Gと、青色有機EL画素20Bと、の計三種類の有機EL画素20を示している。平面的な構成は射出する光の色とは関係ないため、以下、上記三種類の画素を区別することなく説明する。
図示するように、画素領域101は、X方向を走査線102で区画されY方向を信号線104と容量線106とで区画されている。そして、各々の画素領域101内には、光が射出される領域である発光領域19が形成されている。発光領域19には、後述する第1の電極としての画素電極(陽極)25と発光機能層26(図9参照)と第2の電極としての陰極27(図9参照)とが基板10(図9参照)側から順に積層されている。
画素領域101内の、発光領域19以外の領域は隔壁77(図8(a)参照)で覆われている。したがって、本実施形態にかかる有機EL装置1のように、平面視で画素電極25が発光領域19よりも大きい場合、発光領域19の周囲には、画素電極25と隔壁77とが重なる環状の領域が形成される。
なお、発光領域19は、実際に発光を射出する領域であり、画素領域101内の一部の領域である。後述する隔壁77(図8(a)参照)等が形成されている領域は、画素領域101には含まれるが発光領域19には含まれない。また、三種類の有機EL画素(20R,20G,20B)の夫々の発光領域19の面積は、同一に限定されるものではない。
駆動用TFT112は、第1の半導体層31と、走査線102と同一の層をパターニングして形成された第1のゲート電極33等からなる。第1の半導体層31と第1のゲート電極33とが重なる領域がチャネル領域であり、該チャネル領域の両側にソース領域35とドレイン領域36とが形成されている。ソース領域35は、第3のコンタクトホール53を介して容量線106の突出部分と接続している。
ドレイン領域36は、第1のコンタクトホール51内に形成された、駆動用TFT112の電極としての第1の中継電極41、及び、コンタクトホールとしての第2のコンタクトホール52の形成領域(以下、「コンタクトホール形成領域」と称する。)と、該領域を囲む若干の幅を有する環状の領域とを合わせた領域に形成されたコンタクトキャップ22を介して画素電極25と接続している。本実施形態の有機EL装置1では、第1のコンタクトホール51と第2のコンタクトホール52とは、平面視で重なっている。また、第1の中継電極41とコンタクトキャップ22とは、平面視で重なっている。
ここで、コンタクトホール形成領域とは、アライメントずれを考慮した上で第2のコンタクトホール52を確実に平面視で含む領域である。アライメントずれが0の場合、コンタクトホール形成領域は第2のコンタクトホール52と平面視で重なる。アライメントずれが0ではない場合、コンタクトホール形成領域は、第2のコンタクトホール52の周囲を囲む、アライメントずれ値と同じ(値の)幅を有する環状の領域を含んでいる。そして、コンタクトキャップ22は、平面視でコンタクトホール形成領域23(図3参照)を含むように形成される。
図3(a)〜(c)に、コンタクトキャップ22の形状の例を示す。図3(a)に示すコンタクトキャップ22は、図2に示すコンタクトキャップ22と同様に、コンタクトホール形成領域23の周囲を僅かに含むように形成されている。コンタクトホール形成領域23の平面視の形状は第2のコンタクトホール52にアライメントずれ値と同じ幅の環状領域を加えた形状であり、コンタクトキャップ22の平面視の形状は、該形状に略同一の幅の環状領域を加えた形状である。
図3(b)に示すコンタクトキャップ22の平面視の形状は、図3(a)に示すものと同一のコンタクトホール形成領域23に対して充分な余裕をもたせた形状である。発光領域19に対しては所定の間隔を有しており、後述する透明樹脂を含む液状材料の供給工程(第3の工程)において、発光領域19と重なる光反射層21上に供給された該液状材料がコンタクトキャップ22にまで流出することは回避される。図3(c)に示すコンタクトキャップ22の平面視の形状は、図3(b)に示すものが更に拡大されて、第1のゲート電極33と重なる領域まで延長されている。ただし、発光領域19に対しては同様の間隔を有している。
図2に示すスイッチング用TFT108は、第2の半導体層32と、走査線102の一部が突出してなる第2のゲート電極34等からなっている。第2の半導体層32と第2のゲート電極34とが重なる領域がチャネル領域である。そして、該チャネル領域の両側にソース領域37とドレイン領域38とが形成されている。ドレイン領域38は第4のコンタクトホール54を介して信号線104と接続している。ソース領域37は、第5のコンタクトホール55を介して第2の中継電極42と接続している。第2の中継電極42の一方の端部は第6のコンタクトホール56を介して第1のゲート電極33と接続し、もう一方の端部は第7のコンタクトホール57を介して、走査線102と同一の層をパターニングして形成された下部電極43と接続している。下部電極43は、第1の層間絶縁層71(図4参照)と容量線106から突出してなる上部電極44とで保持容量110を構成している。
なお、図2においては、発光機能層26(図8参照)等は図示を省略している。以下、本実施形態の、発光装置としての有機EL装置の製造方法を、図2に示すA−A’線、B−B’線、及びC−C’線における断面図を用いて説明する。
<B.有機EL装置の製造方法>
図4(a)〜図10は、本実施形態の有機EL装置1の製造方法を示す工程断面図である。本実施形態の有機EL装置1の製造方法は、発光領域19に画素電極25を形成するまでの工程に特徴がある。そこで、図4(a)〜図10では、赤色有機EL画素20Rと該赤色有機EL画素を駆動する駆動用TFT112のA−A’線における断面と、緑色有機EL画素20Gと該緑色有機EL画素を駆動する駆動用TFT112のB−B’線における断面と、青色有機EL画素20Bと該青色有機EL画素を駆動する駆動用TFT112のC−C’線における断面と、を繋ぎ合わせた断面図を表示し、スイッチング用TFT108と保持容量110は図示を省略している。また、発光領域19を、発光色により赤色発光領域19R、緑色発光領域19G、青色発光領域19B、のいずれかの符号を付与している。以下、図4(a)〜図10の工程断面図に沿って説明する。
まず、図4(a)に示すように、第9の工程として基板10上に公知の技術により駆動用TFT112を形成する。同様に、図示しないスイッチング用TFT108(図2参照)及び保持容量110の下部電極43(図2参照)も形成する。駆動用TFT112は、ソース領域35とドレイン領域36とを含む第1の半導体層31と、ゲート絶縁層70とゲート電極33とからなる。なお、上述したように、有機EL装置1はトップエミッション型であるから、基板10は透明性を特に必要としない。
次に、駆動用TFT112等が形成された基板10上の全面に、酸窒化シリコン等からなる第1の層間絶縁層71を形成する。そして該層間絶縁層の一部をフォトリソグラフィー法により選択的に除去して、ソース領域35の表面の一部を露出させる第3のコンタクトホール53、及びドレイン領域36の表面の一部を露出させる第1のコンタクトホール51形成する。なお、かかる工程で、図示しない第4〜第7のコンタクトホール(54、55、56、及び57)も同時に形成する。
そして、基板10上全面に形成したAl等の導電材料層を(成膜し、該導電材料層を)パターニングして、駆動用TFT112の電極としての第1の中継電極41を形成する。上記のパターニングにより、容量線106、第2の中継電極42(図2参照)、及び信号線104(図2参照)も同時に形成する。容量線106の一部は、図示するように第3のコンタクトホール53に埋設され、ソース領域35と電気的に接続される。
そして更に、第1の中継電極41等が形成された基板10上全面に、第1の工程として、アクリルからなる有機材料層としての平坦化層73を形成する。平坦化層73の形成材料は有機系であり、かつ絶縁性を有することが必要である。アクリル以外に、例えばポリイミド等を用いてもよい。
そして、第10の工程として、平坦化層73の一部をフォトリソグラフィー法により選択的に除去して、駆動用TFT112のドレイン領域36に接続する第1の中継電極41の一部を露出させるコンタクトホールとしての第2のコンタクトホール52を形成する。
次に、図4(b)に示すように、基板10上全面に密着改善層としての、層厚10nmのITO(酸化インジウム・錫合金)層62と導電性を有する材料としての層厚80nmの金属層としてのAl(アルミニウム)層63とを順に成膜(積層)する。ITO層62とAl層63との積層体は、後述するようにパターニングにより光反射層21(図5(a)参照)となるため、透明性(透過性)を有さず、基板10と対向する側の反対側の面は光反射性が高いことが必要である。Alは極薄く成膜すると半反射性となるが、80nmであれば光を殆んど透過せず光反射層として用いることができる。
ここで、「光反射性(を有する)」とは、照射された光の100%を反射するという意味に限定されるものではない。照射された光の少なくとも60%、好ましくは80%、特に好ましくは略100%を反射させる(機能を有する)、という意味も含まれる。反射されない光は透過されてもよく、吸収され熱として発散されてもよい。
同様に、「透明性(を有する)」とは、照射された光の略100%を透過させるという意味に限定されるものではない。照射された光の少なくとも60%、好ましくは80%、特に好ましくは略100%を透過させる(機能を有する)、という意味も含まれる。透過されない光は反射されてもよく、吸収され熱として発散されてもよい。
更に、後述する半反射性とは、照射された光の50%を反射するという意味に限定されるものではない。照射された光の30%乃至70%、好ましくは40%乃至60%、特に好ましくは略50%を反射させる(機能を有する)、という意味も含まれる。反射されない光はすべて透過されることが好ましいが、(該反射されない光の)一部は吸収され、熱として発散されてもよい。
パターニングにより光反射層21となる層の形成材料はAlに限定はされず、Ag(銀)等の他の金属あるいはAl合金等を用いてもよい。ITO層62は、有機材料からなる平坦化層73とAl層63との密着性を改善するために形成するが、本発明の具体化において必須のものではない。また、本発明の具体化において、後述するコンタクトキャップ22(図5(a)参照)は必須の要件ではない。該コンタクトキャップを形成しない場合、光反射層21は反射性を有していれば良く、導電性を有することは必須ではない。したがって、かかる場合、光反射層21となる層の形成材料には、金属酸化物のように導電性を殆んど有しない光反射性の材料を用いることもできる。なお、以下に示す図においては、ITO層62は図示を省略する。したがって、上述の積層体をパターニングして形成される光反射層21は、Al層63の単層からなるように図示される。
次に、図5(a)に示すように、第2の工程としてITO層62とAl層63との積層体をパターニングして発光領域19に光反射層21を形成し、同時に、少なくともコンタクトホール形成領域23(図3参照)を含み、かつ、発光領域19とは所定の間隔を有する領域にコンタクトキャップ22を形成する。
上述したように、コンタクトホール形成領域23は、アライメントずれを考慮した上で第2のコンタクトホール52を確実に平面視で含む領域であり、第2のコンタクトホール52の周囲を囲む、狭い幅の環状の領域を含む領域である。コンタクトキャップ22を形成する目的は、ドレイン領域36と接続する第1の中継電極41と画素電極25との接続抵抗の低減である。したがって、コンタクトキャップ22の形状は光反射層21との間に所定の間隔を設ければよく、コンタクトホール形成領域23内に限定される必要はない。
次に、図5(b)に示すように、第11の工程として基板10上全面に酸素含有ガスとしてのO2ガスのプラズマAによるプラズマ処理とフッ素含有ガスとしてのCF4ガスのプラズマBによるプラズマ処理とを連続して行う。かかる処理により、光反射層21とコンタクトキャップ22との表面では、フォトリソグラフィー工程等で付着した残渣が酸化により除去され清浄化される。したがって、光反射層21とコンタクトキャップ22との表面に親液性が付与される。一方、ITO層62とAl層63との積層体が上記第5の工程で選択的に除去され、有機材料からなる平坦化層73が露出している領域の表面は、該有機材料に含まれている炭素原子が、プラズマBに含まれるフッ素原子と化合する。その結果、該領域の表面に、撥液性が付与される。
次に、図6(a)に示すように、第3の工程として図示しないインクジェット装置のノズル81から、赤色発光領域19Rの光反射層21上と緑色発光領域19Gの光反射層21上とに、透明樹脂を含む液状材料Cを吐出する。コンタクトキャップ22上には吐出しない。また、青色発光領域19Bの光反射層21上には吐出しない。
ここで、透明樹脂を含む液状材料とは、硬化後に透明樹脂を得られる液状材料である。したがって、アクリル、メタクリル、エポキシ等の透明樹脂自体を含む液体の他に、該透明樹脂の前駆体及び該前駆体を含む液体(例えば該前駆体を溶質とする溶液)も該当する。また、「含む液体」ということは、溶質としての該透明樹脂等を溶解する溶液、及び該透明樹脂等を分散された分散液の双方が含まれる。更に、「溶液」と「分散液」との中間的な液体も含まれる。
上記第3の工程により光反射層21の表面は親液性となっているので、吐出された透明樹脂を含む液状材料(以下、「液状材料」と称する。)Cは光反射層21上全域に略均一に広がる。一方、光反射層21の周囲の、平坦化層73が露出している領域の表面は撥液性が付与されているため、液状材料Cは該領域へは流出しない。
コンタクトキャップ22の表面も、第6の工程で親液性が付与されている。しかし、コンタクトキャップ22と光反射層21とは、表面が撥液性である平坦化層73によって隔てられているため、液状材料Cはコンタクトキャップ22へは流出しない。したがって、液状材料Cは光反射層21上に留まる。
次に、図6(b)に示すように、第4の工程として液状材料Cを硬化させて、赤色発光領域19Rの光反射層21上と緑色発光領域19Gの光反射層21上とに、透明樹脂層79を形成する。透明樹脂層79の層厚は、赤色発光領域19Rでは115nm、緑色発光領域19Gでは45nmである。硬化後の層厚が上記の値となるように、上記第7の工程では液状材料Cの吐出量を設定する。なお、上記の硬化は、加熱あるいは紫外線照射等の方法により行う。
次に、図7(a)に示すように、第5の工程として基板10上全面に透明導電材料としての層厚30nmのITO層65を形成する。形成は、スパッタ法あるいは蒸着法によることが好ましい。
次に、図7(b)に示すように、第6の工程としてITO層65を、光反射層21とコンタクトキャップ22に跨るようにパターニングして、第1の電極としての画素電極25を形成する。上述したように、コンタクトキャップ22が第1の中継電極41を介して駆動用TFT112のドレイン領域36と接続しており、また、該コンタクトキャップ上には透明樹脂層79は形成されていない。したがって、画素電極25は、コンタクトホール形成領域23において、駆動用TFT112のドレイン領域36と電気的に接続する。
次に、図8(a)に示すように、基板10上の発光領域19を除く領域に、隔壁77を形成する。隔壁77は、基板10上全面に形成したポリイミド等の有機又は無機の絶縁材料層材料層をフォトリソグラフィー法によりパターニングして形成する。
次に、図8(b)に示すように、第7の工程として基板10上全面に発光機能層26を形成し、更に該発光機能層上に第8の工程として半反射性を有する第2の電極としての陰極27を形成する。
本実施形態の有機EL装置1に形成される発光機能層26は、全ての波長の可視光線を略均一に含んだ光を発光する白色発光機能層であり、三種の有機EL画素20に共通して形成される。各有機EL画素20は共振により特定の波長範囲の光を強調し、更に後述するカラーフィルタ層76により、より一層色純度を向上させて射出する。
発光機能層26は図示しない複数の層からなる。具体的には基板10側から順に、正孔注入輸送層、発光層(有機EL層)、電子輸送層、及び電子注入層が積層されており、合計の層厚は195nmである。上記の各層は真空蒸着法又はスパッタ法により成膜される。上述したように、マスク等は用いられず、基板10上全面に同一の層が成膜される。発光層は、単一の材料層を用いて白色光を発光させることが困難な場合、二種類以上の材料層を積層してもよい。本実施形態の有機EL装置1では、各層の材料は以下のものを用いている。
正孔注入輸送層は、正孔注入層としてのHI406(出光興産株式会社製)と正孔輸送層としてのHT320(出光興産株式会社製)を積層している。発光層は、青緑色発光層と赤色発光層の積層体である。青緑色発光層は、ホスト材料として出光興産株式会社製のBH215にドーパントとしての出光興産株式会社製のBD102を加えた材料で形成している。赤色発光層は、ホスト材料として出光興産株式会社製のBH215に、ドーパントとして出光興産株式会社製のRD001を加えた材料で形成されている。電子輸送層はAlq3(アルミニウムキノリノール)、電子注入層はLiF(弗化リチウム)で、夫々形成している。
陰極27は、層厚12.5nmのMgAg(マグネシウム・銀)合金等をスパッタ法等により成膜して形成する。上記の材料をかかる層厚に形成することで、半反射性を有する電極を形成できる。陰極27は、画素電極25とは異なり表示領域100全域で同電位となる。なお、上記の層厚で成膜した後、隔壁77上に更にマスクを用いて成膜して発光領域19を避けて厚膜部を形成してもよい。発光領域19における半反射性を維持しつつ、単位面積当たりの抵抗を低減できる。
次に、図9に示すように、陰極27が形成された基板10上の全面に、第1のパシベーション層85と応力緩和層86と第2のパシベーション層87とを順に積層する。第1のパシベーション層85は層厚200nmのSiO2、応力緩和層86は層厚2000nmのアクリル樹脂、第2のパシベーション層87は層厚400nmのSiO2、で夫々形成する。かかる材料層を積層することで、水分等の滲入を抑制し、完成後の有機EL装置1において有機EL画素20の劣化を抑制できる。
次に、図10に示すように、第12の工程として基板10にカラーフィルタ層76が形成された対向基板12をアクリル樹脂等からなる接着層78を介して貼り合わせて、矢印の方向に光を射出するトップエミッション型の有機EL装置1を完成させる。カラーフィルタ層76は、赤色発光領域19Rに対応する赤色カラーフィルタ75R、緑色発光領域19Gに対応する緑色カラーフィルタ75G、青色発光領域19Bに対応する青色カラーフィルタ75B、及び各々のカラーフィルタを区画するブラックマトリクス75Kからなる。
カラーフィルタ層76は本発明の具体化において必須のものではないが、後述する共振によって各有機EL画素毎に異なる色(波長範囲)となって射出される光の色純度を、さらに向上させることができる。
以上の工程により、光反射層21の発光機能層側の界面(表面)と陰極27の発光機能層側の界面(表面)との間の光学的距離である共振長7が、三種類の有機EL画素20で夫々異なる値を有する有機EL装置1を得ることができる。すなわち、有機EL装置1は、赤色有機EL画素20R及び緑色有機EL画素20Gが、光反射層21と画素電極25との間に透明樹脂層79を備えているため、赤色有機EL画素20Rの共振長7Rと緑色有機EL画素20Gの共振長7Gと青色有機EL画素20Bの共振長7Bとが夫々異なる値に設定されている。そして、かかる共振長により、有機EL画素20毎で夫々異なる波長範囲の光を強調した上で射出できる。そのため、発光機能層26に白色発光機能層を用いているにもかかわらず、カラーフィルタ層76の効果と合わせて、赤、緑、青の三原色の光を射出してカラー表示を行うことができる。
また、有機EL装置1では、共振長7の設定すなわち三種類の有機EL画素20間で異なる共振長7を設定する手段が透明樹脂層79の形成のみである。すなわち、基板10上に形成される透明樹脂層79以外の要素は三種類の有機EL画素20間で同一である。そして、透明樹脂層79は、フォトリソグラフィー法を用いずに、インクジェット装置を用いて形成されている。したがって、以上の工程により、コストの増加及び歩留りの低下を抑制しつつ、有機EL画素20間で異なる共振長7の設定を可能とし、白色発光機能層を用いてカラー表示が可能な有機EL装置1を得ることができる。
上述の共振長は、以下の式に基づいて設定される。
2×共振長(7R,7G,7B)+φ2+φ3=mλ・・・・・・・・・(1)
ここで
φ2=光反射層21の、発光機能層26側界面での位相差、
φ3=陰極27の発光機能層26側界面での位相差、
であり、mは正の整数である。
φ2及びφ3は、画素電極25及び透明樹脂層79の屈折率及び消衰係数等により変化する。したがって、共振長7は、画素電極25等の形成材料に合わせてその都度最適化する必要がある。透明樹脂層79の層厚は液状材料Cの吐出量を制御することにより連続的に設定(調整)できるので、本実施形態の製造方法によれば、常に最適な共振長7を設定して、表示品質が向上した有機EL装置1を得ることができる。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態として有機EL装置2の製造方法について説明する。図11(a)〜図15は、本実施形態の有機EL装置2の製造方法を示す工程断面図である。本実施形態の製造方法の対象である有機EL装置2は、透明基板11側(第1の電極としての画素電極25側)から光を射出するボトムエミッション型の有機EL装置である。第1の実施形態にかかる有機EL装置1と、は光の射出する方向が異なるのみであり、回路構成は同一である。そこで、回路図、平面図は省略し、工程断面図のみを用いて説明する。また、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と共通する構成要素には同一の符号を付与し、説明の記載は一部省略する。
まず、図11(a)に示すように、第9の工程として、透明基板11上に公知の技術により駆動用TFT112を形成する。同時に、図示しないスイッチング用TFT108(図2参照)等も形成する。なお、有機EL装置2はボトムエミッション型であるため、TFT等が形成される基板(透明基板11)は透明性が必要である。
次に、駆動用TFT112が形成された透明基板11上の全面に、酸窒化シリコン等からなる第1の層間絶縁層71を形成する。そして該第1の層間絶縁層の一部をフォトリソグラフィー法により選択的に除去して、ソース領域35の表面の一部を露出させる第3のコンタクトホール53、及びドレイン領域36の表面の一部を露出させる第1のコンタクトホール51形成する。
そして、透明基板11上全面に形成したAl等の導電材料層をパターニングして、電極としての第1の中継電極41を形成する。上記のパターニングにより、容量線106等も同時に形成する。容量線106の一部は、図示するように第3のコンタクトホール53に埋設され導通を得る。そして更に、第1の中継電極41等が形成された透明基板11上全面に、酸窒化シリコン等からなる第2の層間絶縁層72を形成する。
次に、図11(b)に示すように、第13の工程として、第2の層間絶縁層72上の発光領域19を平面視で含む領域に、各々の発光色に合わせたカラーフィルタ75を形成する。すなわち、赤色発光領域19Rには赤色カラーフィルタ75Rを、緑色発光領域19Gには緑色カラーフィルタ75Gを、青色発光領域19Bには青色カラーフィルタ75Bを、夫々形成する。
次に、図12(a)に示すように、カラーフィルタ(75R,75G,75B)が形成された透明基板11上全面に、第1の工程として、アクリル等の透明性の有機材料からなる、有機材料層としての透明平坦化層74を形成する。そして第10の工程として、透明平坦化層74の一部をフォトリソグラフィー法により選択的に除去して、第1の中継電極41の一部を露出させる、コンタクトホールとしての第2のコンタクトホール52を形成する。
次に、図12(b)に示すように、透明基板11上全面に、密着改善層としての層厚10nmのITO層(図示せず)と、金属層としての層厚10nmのAl層66を形成する。Al層は一般的には光反射性を有するが、10nmと極薄く成膜することで、導電性かつ半反射性の層とすることができる。ITO層は導電性と透明性とを有しているため、上述のITO層とAl層66との積層体は、半反射性と導電性とを兼ね備えることとなる。なお、上述のITO層は、透明平坦化層74とAl層66との密着性を改善するために形成するが、第1の本実施形態におけるITO層62と同様に、本発明の具体化において必須のものではない。
次に、図13(a)に示すように、第2の工程として、ITO層(図示せず)とAl層66との積層体をパターニングして、発光領域19に半反射層29を形成し、同時に、少なくともコンタクトホール形成領域23(図3参照)を含み、かつ、発光領域19とは所定の間隔を有する領域にコンタクトキャップ30を形成する。
上述の第1の実施形態と同様に、コンタクトホール形成領域23は、アライメントずれを考慮した上で平面視で第2のコンタクトホール52を確実に含む領域であり、第2のコンタクトホール52の周囲を囲む、狭い幅の環状の領域を含む領域である。コンタクトキャップ30を形成する目的は、ドレイン領域36と接続する第1の中継電極41と画素電極25との接続抵抗の低減である。したがって、コンタクトキャップ30の形状は半反射層29との間に所定の間隔を設ければよく、コンタクトホール形成領域23内に限定される必要はない。そして、上記のパターニング後に、第1の実施形態と同様に第11の工程として、O2ガスのプラズマによるプラズマ処理とCF4ガスのプラズマによるプラズマ処理とを連続して行い、半反射層29とコンタクトキャップ30の表面に親液性を付与し、かつ透明平坦化層74の露出している表面に撥液性を付与する。
次に、図13(b)に示すように、赤色発光領域19Rに形成された半反射層29上と緑色発光領域19Gに形成された半反射層29上とに、透明樹脂層79を形成する。透明樹脂層79の形成は、上記の第1の実施形態と同様に行う。すなわち、第3の工程として上記2箇所の半反射層29上にインクジェット法により吐出した(透明樹脂を含む)液状材料Cを、第4の工程として加熱あるいは紫外線照射等により硬化させる。透明樹脂層79の層厚は、第1の実施形態の有機EL装置1と同じく、赤色発光領域19Rでは115nm、緑色発光領域19Gでは45nmである。
次に、図14に示すように、半反射層29とコンタクトキャップ30に跨る、第1の電極としての画素電極25を形成する。画素電極25の形成は、上記の第1の実施形態と同様に行う。すなわち、第5の工程として透明基板11上全面に形成された層厚30nmのITO層を、第6の工程として半反射層29とコンタクトキャップ30に跨るようにパターニングして形成する。かかる工程により、コンタクトホール形成領域23において、駆動用TFT112のドレイン領域36と電気的に接続し、(青色発光領域19B以外の)発光領域では透明樹脂層79を介して半反射層29と対向する画素電極25が得られる。
次に、図15に示すように、透明基板11上の発光領域19を除く領域に、隔壁77を形成する。そして、第7の工程として透明基板11上全面に、発光機能層26を形成し、更に該発光機能層上に第8の工程として反射性を有する第2の電極としての陰極28形成する。本実施形態の有機EL装置2はボトムエミッション型であり陰極は反射層として機能する必要がある。そのため、陰極28は層厚略100nmのAlで形成し、略100%の反射性を付与している。発光機能層26は有機EL装置1の発光機能層と同一の構成である。
そして陰極28上に、第1の実施形態と同様に、第1のパシベーション層85と応力緩和層86と第2のパシベーション層87とを順に積層する。そして、第2のパシベーション層87まで形成された透明基板11を接着層78を介して対向基板13と貼り合わせて有機EL装置2を得る。対向基板13は有機EL装置1で用いる対向基板12とは異なり、透明を有さない材料からなる基板を用いることができる。
以上の工程により、三種類の有機EL画素(20R,20G,20B)の各々において、発光機能層26で生じた光を陰極28と半反射層29との間で共振させた後、該半反射層及びカラーフィルタ75(R,G,B)を介して矢印の方向に射出するボトムエミッション型の有機EL装置2が得られる。
本実施形態にかかる有機EL装置2は、赤色有機EL画素20R及び緑色有機EL画素20Gが、半反射層29と画素電極25との間に透明樹脂層79を備えているため、赤色有機EL画素20Rの共振長7Rと緑色有機EL画素20Gの共振長7Gと青色有機EL画素20Bの共振長7Bとが夫々異なる値に設定されている。したがって、有機EL装置2は、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と同様に、発光機能層26に白色発光機能層を用いているにもかかわらず、カラーフィルタ75の効果と合わせて、赤、緑、青の三原色の光を射出できる。したがって、本実施形態の製造方法によれば、コストの増加及び歩留りの低下を抑制しつつ、カラー表示が可能なボトムエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
なお、共振長7(R,G,B)の設定等については、上述の第1の実施形態の製造方法と同一である。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態として、駆動素子が形成されている領域に重なるように発光領域19が形成されている有機EL装置について述べる。図16は、本実施形態の有機EL装置の、画素領域101内の画素電極25、及び発光領域19の態様を示す平面図であり、駆動用TFT112(図2等参照)等は図示を省略している。
本実施形態の有機EL装置は、第1の実施形態の有機EL装置1と同様のトップエミッション型の有機EL装置である。基本的な構成も有機EL装置1と同様である。そして、有機EL画素20が形成されている領域すなわち発光領域19が、駆動用TFT112等の形成領域(図2参照)にまで広がっている点で有機EL装置1と異なっている。
図16に示すように、本実施形態の有機EL装置は、有機EL装置1と同様に、コンタクトキャップ22が第2のコンタクトホール52の形成領域を含む領域に形成されている。発光領域19(R,G,B)は、走査線102と信号線104と容量線106とで囲まれる領域内における、コンタクトキャップ22が形成されている領域とその周囲の領域を除く略全域に形成されている。夫々の発光領域19には、図示しない光反射層21が形成されており、赤色発光領域19Rと緑色発光領域19Gには図示しない透明樹脂層79が形成されている。また、画素電極25も、発光領域19に合わせて、走査線102と信号線104と容量線106とで囲まれる領域の略全域に形成されている。
平坦化層73により駆動用TFT112等により生じた段差が解消されているため、上述の領域全体で平坦な光反射層21等が形成でき、透明樹脂層79により各発光領域19において夫々最適な共振長7(R,G,B)が形成されている。そして、トップエミッション型であるため、駆動用TFT112等に妨げられることなく発光領域19から光を射出できる。したがって、本実施形態の有機EL装置は、色純度の向上した光を高い開口率で射出でき、表示品質がより一層向上している。
(変形例1)
上記の第1〜第3の実施形態の有機EL装置では、青色有機EL画素20Bには透明樹脂層79を形成していない。しかし本発明は、青色有機EL画素20Bにも透明樹脂層79を形成する態様としても具体化できる。上記の第1〜第3の実施形態の青色有機EL画素20Bにおいては、画素電極25の光学的距離と発光機能層26の光学的距離との合計は青色光の共振長となるように、すなわち青色光を共振により強調する層厚となるように定められている。しかし、発光機能を優先した場合、上述の合計の光学的距離が青色光の共振長と一致しにくい場合もあり得る。特に発光機能層26は3色の有機EL画素20に共通なので、全ての条件を満足させる層厚の設定が困難な場合もあり得る。かかる場合、青色有機EL画素20Bにも透明樹脂層79を形成して、発光機能層26は発光の機能を満足させる様に形成しつつ、共振長7B、すなわち青色有機EL画素20Bの光反射層21と陰極27との間の光学的距離を青色光を強調するために好適な値とすることができる。
(変形例2)
上記の第1〜第3の実施形態の有機EL装置では、赤色有機EL画素20Rと緑色有機EL画素20Gとに透明樹脂層79を形成している。しかし本発明は、上記二種類の有機EL画素の双方又は少なくとも一方には、透明樹脂層79を形成しない態様としても具体化できる。
発光機能層26の発光色が略完全な白色ではなく赤色又は緑色に偏った色の光である場合があり得る。また、第1の電極の光学的距離と発光機能層26の光学的距離との和が赤色光又は緑色光のどちらかの光の共振長と略一致する場合もあり得る。かかる有機EL装置の場合、共振長7を透明樹脂層79によって調整する必要がないため、上記二種類の有機EL画素の双方又は少なくとも一方には透明樹脂層79を形成しなくとも三原色光を射出でき、カラー画像の表示が可能となる。
(変形例3)
上記の第1〜第3の実施形態の有機EL装置では、ドレイン領域36上に形成した第1の中継電極41を駆動素子(駆動用TFT112)の電極とし、光反射層21と同一の材料層をパターニングして得られるコンタクトキャップ22は、該第1の中継電極と接続させている。しかし本発明は、ドレイン領域36を駆動素子の電極として、該ドレイン領域にコンタクトキャップ22を介して画素電極25を接続する態様としても具体化できる。また、第1の層間絶縁層71と平坦化層73とを共通の層として、該共通の層に形成されたコンタクトホールを介してドレイン領域36とコンタクトキャップ22を直接接続させることもできる。
(変形例4)
上記の第1〜第3の実施形態の有機EL装置では、発光機能層26は3色の有機EL画素20で共通である。しかし本発明は、有機EL画素20毎に異なる発光機能層26を用いる態様としても具体化できる。発光機能層26を構成する複数の層の内、特に発光層を有機EL画素20毎に異なる材料で形成すればよい。具体的には、赤色有機EL画素20Rには赤色光発光層、緑色有機EL画素20Gには緑色光発光層、青色有機EL画素20Bには青色光発光層、を夫々形成して、各有機EL画素の発光色に近い波長範囲の光を発光させる。かかる構成であれば、共振の効果と合わせて、より一層色純度の向上を計ることができる。そして共振により充分に色純度を向上させることで、カラーフィルタ層76を用いない態様も可能である。
なお、有機EL画素毎に異なる発光層を形成する手法としては、マスクスパッタにより局所的に該発光層を形成する手法が好ましい。液滴吐出法を用いてもよい。
発光装置としての有機EL装置の全体構成を示す回路構成図。 画素領域内における、画素を構成する各要素の配置を示す模式平面図。 コンタクトキャップの形状の例を示す図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第1の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第3の実施形態の有機EL装置の発光領域等を示す模式平面図。
符号の説明
1…第1の実施形態の有機EL装置、2…第2の実施形態の有機EL装置、7…共振長、7B…青色有機EL画素の共振長、7G…緑色有機EL画素の共振長、7R…赤色有機EL画素の共振長、10…基板、11…透明基板、12…対向基板、13…対向基板、19…発光領域、19R…赤色発光領域、19G…緑色発光領域、19B…青色発光領域、20…発光画素としての有機EL画素、20R…赤色発光画素としての赤色有機EL画素、20G…緑色発光画素としての緑色有機EL画素、20B…青色発光画素としての青色有機EL画素、21…光反射層、22…コンタクトキャップ、23…コンタクトホール形成領域、25…第1の電極としての画素電極、26…白色発光機能層、27…第2の電極としての陰極、28…第2の電極としての陰極、29…半反射層、30…コンタクトキャップ、31…第1の半導体層、32…第2の半導体層、33…第1のゲート電極、34…第2のゲート電極、35…ソース領域、36…ドレイン領域、37…ソース領域、38…ドレイン領域、41…駆動素子の電極としての第1の中継電極、42…第1の中継電極、43…下部電極、44…上部電極、51…第1のコンタクトホール、52…第2のコンタクトホール、53…第3のコンタクトホール、54…第4のコンタクトホール、55…第5のコンタクトホール、56…第6のコンタクトホール、57…第7のコンタクトホール、62…密着改善層としてのITO層、63…金属層としてのAl層、65…ITO層、66…金属層としてのAl層、70…ゲート絶縁層、71…第1の層間絶縁層、72…第2の層間絶縁層、73…有機材料層としての平坦化層、74…有機材料層としての透明平坦化層、75…カラーフィルタ、75B…青色カラーフィルタ、75G…緑色カラーフィルタ、75K…ブラックマトリクス、75R…赤色カラーフィルタ、76…カラーフィルタ層、77…隔壁、78…接着層、79…透明樹脂層、81…ノズル、85…第1のパシベーション層、86…応力緩和層、87…第2のパシベーション層、100…表示領域、101…画素領域、102…走査線、104…信号線、106…容量線、108…スイッチング用TFT、110…保持容量、112…駆動素子としての駆動用TFT、120…走査線駆動回路、130…信号線駆動回路、140…同期信号線、A…酸素含有ガスとしてのO2ガスのプラズマ、B…フッ素含有ガスとしてのCF4ガスのプラズマ、C…透明樹脂を含む液状材料。

Claims (15)

  1. 基板上に規則的に配置された複数の発光領域の各々に、前記基板側から順に第1の電極と発光機能層と第2の電極とが積層された構造を有する発光画素を備える発光装置の製造方法であって、
    前記発光領域に光反射層又は半反射層を形成する第2の工程と、
    前記光反射層上又は前記半反射層上に透明樹脂を含む液状材料を供給する第3の工程と、
    前記液状材料を硬化させて、前記光反射層上又は前記半反射層上に透明樹脂層を形成する第4の工程と、
    前記透明樹脂層が形成された前記基板上に透明導電層を形成する第5の工程と、
    前記透明導電層をパターニングして、前記発光領域に前記第1の電極を形成する第6の工程と、
    前記第1の電極上に発光機能層を形成する第7の工程と、
    前記発光機能層上に光反射性又は半反射性を有する前記第2の電極を形成する第8の工程と、
    を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記複数の発光領域に各々形成される発光画素は、赤色光を発光する赤色発光画素と緑色光を発光する緑色発光画素と青色光を発光する青色発光画素と、の規則的に配置された三種類の発光画素を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記光反射層又は前記半反射層は金属層であり、
    前記基板上に有機樹脂層を形成する第1の工程と、前記基板上に各々の前記発光画素に対応する駆動素子を形成する第9の工程とを実施し、
    前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記有機樹脂層の一部を選択的に除去して前記駆動素子の電極の少なくとも一部を露出させるコンタクトホールを形成する第10の工程を実施し、
    前記第2の工程は、前記金属層をパターニングして前記発光領域に前記光反射層又は前記半反射層を形成し、かつ、前記金属層をパターニングして、前記コンタクトホールの形成領域に前記光反射層又は前記半反射層と所定の間隔を隔てるコンタクトホールキャップを形成する工程であり、
    前記第6の工程は、前記透明導電層をパターニングして、前記コンタクトホールの形成領域と前記発光領域との2つの領域に跨る前記第1の電極を形成する工程である、
    ことを特徴とする発光装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第3の工程は、前記第4の工程で形成された前記透明樹脂層の光学的距離と前記透明導電層の光学的距離と前記発光機能層の光学的距離との和が、該透明樹脂層が形成される発光画素の発光を前記光反射層又は前記半反射層と前記第2の電極との間で発生する共振により強調する光学的距離となるように、前記液状材料を供給する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第3の工程は、前記三種類の発光画素のうちの二種類の発光画素に対応する前記光反射層上又は前記半反射層上に、前記液状材料を供給する工程であり、
    前記第7の工程は、前記基板上全面に共通の前記発光機能層を形成する工程であり、
    前記第5の工程と前記第7の工程とは、前記透明導電層の光学的距離と前記発光機能層の光学的距離との和が、前記光反射層又は前記半反射層と前記第2の電極との間で共振により、前記三種類の発光画素のうちの前記透明導電層が形成されない発光画素の発光が強調される光学的距離となるように、前記透明導電層及び前記発光機能層を形成する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第7の工程は、白色光を発光する前記発光機能層を形成する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第3の工程は、前記液状材料をインクジェット法により吐出して供給する工程であることを特徴とする発光装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第2の工程と前記第3の工程との間に、
    前記基板上に酸素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理及びフッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理を施して前記有機樹脂層の露出した表面に撥液性を付与し、前記光反射層又は前記半反射層の表面に親液性を付与する第11の工程を実施することを特徴とする発光装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第2の工程は、光反射層を形成する工程であり、
    前記第8の工程は、半反射性を有する前記第2の電極を形成する工程であること、を特徴とする発光装置の製造方法。
  10. 請求項8に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記第1の工程は透明性を有する前記有機樹脂層を形成する工程であり、
    前記第2の工程は半反射層を形成する工程であり、
    前記第8の工程は、光反射性を有する前記第2の電極を形成する工程であること、を特徴とする発光装置の製造方法。
  11. 請求項9に記載の発光装置の製造方法であって、前記第2の電極の、前記発光機能層と対向する面の反対側に、前記三種類の発光画素の夫々の発光色に対応するカラーフィルタを配置する第12の工程を更に実施することを特徴とする発光装置の製造方法。
  12. 請求項10に記載の発光装置の製造方法であって、前記第2の工程の前に、前記半反射層の、前記発光機能層と対向する面の反対側の前記半反射層を平面視で含む領域に、前記三種類の発光画素の夫々の発光色に対応するカラーフィルタを形成する第13の工程を更に含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法で形成されたことを特徴とする発光装置。
  14. 基板上に規則的に配置された複数の発光領域の各々に、赤色光を発光する赤色発光画素と緑色光を発光する緑色発光画素と青色光を発光する青色発光画素と、三種類の発光画素を備える発光装置であって、
    前記三種類の発光画素の各々は前記基板側から順に光反射層又は半反射層と透明導電性を有する第1の電極と発光機能層と光反射層性又は半反射層性を有する第2の電極とが積層された構造を有しており、
    前記三種類の発光画素のうちの二種類の発光画素は、前記光反射層又は前記半反射層と前記第1の電極との間に共振長調整用の透明樹脂層が配置されていることを特徴とする発光装置。
  15. 請求項14に記載の発光装置であって、
    前記三種類の発光画素は、前記透明樹脂層の有無及び該透明樹脂層の層厚を除き、材料及び厚さが同一の層で構成されていることを特徴とする発光装置。
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