JP2009259690A - 電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

電界発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期間保存による発光輝度劣化を抑えた電界発光素子を提供する。
【解決手段】 本発明の電界発光素子は、基板上に形成される電界発光層と、前記電界発光層を覆って前記基板と前記基板に対向する封止基板との間を充填する有機充填層と、前記有機充填層の側面を覆う無機封止部と、を備える電界発光素子であって、前記基板に垂直な断面において、前記無機封止部は前記有機充填層側に凸の弓形状面を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は電界発光素子及びその製造方法に関するものであり、詳しくは発光層に電界を掛けて発光するタイプの薄型ディスプレイの封止方法に関するものである。
電界発光素子は、陰極と陽極との間に流れる電流によって、両電極間にある発光体が発光する。一般的に、発光体に有機化合物を用いた場合には有機EL素子、無機化合物を用いた場合には無機EL素子と呼ばれている。電界発光素子は自発光性であるために視認性が高いと同時に、液晶表示素子に比べて薄型軽量化が可能であるため、特に有機EL素子はモバイル用途での応用展開が進められている。
一方で、有機EL素子には、ごく微量の水分や酸素等により、有機発光性材料の変質、あるいは、発光層と電極間の剥離等を生じ、発光効率の低下、非発光領域(ダークスポット)の増大等の表示性能劣化が発生するという課題がある。
このような問題に対する対策として、有機電界発光層を有機充填層で被覆し、さらに基板と封止基板とを無機封止部(ガラスフリット)を用いて封止することで、外部からの水分の浸入を極力抑制し、より防湿性を高める方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−200884号公報
特許文献1の有機EL素子の構成例として、図3にその断面図を示す。基板200上には、第一電極層220と有機発光層230と第二電極層240とから成る有機電界発光層210、保護膜250、有機充填材290、溝270が設けられた封止基板260が配置されている。さらに、基板200と封止基板260がガラスフリット280で封止されている。
特許文献1では、封止基板260の外周領域に溝270を設け、有機充填材290がガラスフリット280に接触しない構成を採っている。こうすることで、基板200と封止基板260をガラスフリット280で封止する際に、レーザーの高熱により有機充填材290が膨張し、ガラスフリット280が剥離して接着力が低下するのを防いでいる。しかし、基板200には溝が形成されていないため、有機充填材290が基板200表面を伝ってガラスフリット280に接触する可能性がある。その場合、ガラスフリット280にレーザーを照射して基板200と封止基板260とを封止する際のレーザーの高熱や、有機EL素子の使用時に発生する熱などで有機充填材290が膨張する。そのため、有機充填材290の膨張によって発生する応力がガラスフリット280の損傷をもたらし、素子の劣化を引き起こす恐れがあった。
これは有機EL素子に限らず、同様の封止方法を用いた無機EL素子においても問題となる。
本発明の目的は、水分の浸入を極力防ぐことにより、長期間保存による発光輝度劣化を抑えた電界発光素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係わる電界発光素子は、基板上に形成される電界発光層と、前記電界発光層を覆って前記基板と前記基板に対向する封止基板との間を充填する有機充填層と、前記有機充填層の側面を覆う無機封止部と、を備える電界発光素子であって、前記基板に垂直な断面において、前記無機封止部は前記有機充填層側に凸の弓形状面を有していることを特徴とする。
また、本発明に係わる電界発光素子の製造方法は、基板上に電界発光層を形成する工程と、前記電界発光層を覆って前記基板と前記基板に対向する封止基板との間に有機充填層を形成する工程と、前記有機充填層の側面を覆う無機封止部を形成する工程と、を含む電界発光素子の製造方法であって、前記有機充填層を形成する際に、前記有機充填層の側面が前記基板と前記封止基板とから成る基板対の基板端に対して凹形状に形成され、前記基板に垂直な断面において、前記無機封止部が前記有機充填層側に凸の弓形状面を有するように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、基板に垂直な断面において、無機封止部は有機充填層側に凸の弓形状面を有しているので、有機充填層の膨張に伴う無機封止部への応力を無機封止部全体に分散することができる。そのため、有機充填層と無機封止部が接触していても、無機封止部の損傷を抑制でき、長期間に渡って、電界発光素子の発光輝度劣化を防止することができる。
本発明に係わる電界発光素子及びその製造方法の実施形態を、図1、2に基づいて説明する。図1は、本実施形態の電界発光素子の一部を拡大して示した断面図であり、図2は、電界発光素子の端部を拡大した断面図である。
図1に示すように、本発明の電界発光素子は、基板1上に、第一電極層2、発光層3、第二電極層4、有機充填層6、封止基板7が配置され、さらに、有機充填層6の側面を外気から遮断するための無機封止部8が配置された構成を持っている。本発明の電界発光素子が有機EL素子の場合には、発光層3は有機化合物から成り、無機EL素子の場合には、発光層3は無機化合物から成る。また、本発明の電界発光素子が有機EL素子の場合には、必要により、発光層と電極との間に、キャリア輸送層、キャリア注入層等を設けても良い。また、本発明の電界発光素子が無機EL素子の場合には、発光層と電極との間に、絶縁層、誘電体層等を配置してもよい。
本発明の特徴は、基板1に垂直な断面において、無機封止部が有機充填層側に凸の弓形状面を有している点である。
そのため、基板1、電界発光層5(第一電極層2、発光層3、第二電極層4)、封止基板7の材質や製造方法は電界発光素子において当業者が一般に使用するものであれば特に限定されない。
有機充填層6を形成する充填材は接着性を示す任意の有機物質であれば良いが、好ましくは紫外線硬化型または熱硬化型の物質、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂である。また、電界発光層5から放出される光が封止基板7を介して外部に放出される上面発光型の電界発光素子を具現するためには、充填材は透明でなけばならない。これに応じて、第二電極層4と封止基板7の材質も透明でなければならない。一方、電界発光層5から放出される光が基板1側から外部に放出される下面発光型の電界発光素子を実現する場合は、充填材は透明である必要はなく、第一電極層2と基板1の材質が透明であれば良い。また、基板1、電界発光層5、充填材、封止基板7の全てで透明な材質を用いた場合には、シースルー型の電界発光素子を実現することが可能となる。
なお、有機充填層6は、外部からの衝撃を緩和して電界発光素子の損傷を低減させる役割を持つので、有機充填層6の膜厚yは大きく形成される方がよい。しかし一方で、薄型の電界発光素子を実現するためには、この膜厚yは小さく形成される必要がある。また、上面発光型の電界発光素子では、電界発光層5から放出される光が有機充填層6を通過する分だけ光の強度が弱くなるので、この膜厚yは小さく形成される方が望ましい。よって、電界発光層5の基板1に垂直な方向の厚みや有機充填層6の材料によるが、有機充填層6の膜厚yは、1〜100μmで形成されることが好ましい。さらに、有機充填層6の作製の容易性や作製コストの観点から、有機充填層6の膜厚yは10μm〜100μmで形成されることがより好ましい。
有機充填層6を形成する有機充填材は、一例としてディスペンサー等の塗布装置で封止基板7上に塗布される。そして、封止基板7の有機充填材を塗布した側を基板1に対向するよう配置し、基板1と封止基板7に圧力を加えることによって基板1と封止基板7とを貼り合わせる。このとき、有機充填層6は基板1上に配置された電界発光層5を覆うように形成される。同時に、有機充填層6は圧力により基板1及び封止基板7から成る基板対から成る基板端方向に押し出される。しかし、有機充填材の塗布位置、塗布量、及び貼り合わせ時の圧力等を調整することにより、有機充填層6は基板対の基板端より内側に留めることができる。
なお、有機充填層6が接する基板1と封止基板7の表面は、あらかじめ紫外線照射やプラズマ照射などによって洗浄処理されていて、通常、表面のぬれ性が上がっているため、有機充填層6の側面は基板対の基板端に対して凹形状に形成される。
次に、有機充填層6に熱または紫外線を照射することによって、有機充填層6の側面が基板対の基板端に対して凹形状のまま、有機充填層6を硬化する。
無機封止部8は、接着性を示す任意の無機物質であれば良いが、好ましくはケイ素化合物である。さらに詳しくはガラスフリットや加水分解してポリシロキサンを形成する化合物であれば良い。
無機封止部8としてガラスフリットを用いる場合、ガラスフリットに適当な液体物質を混合してフリットペーストを形成し、一例としてディスペンサー等の塗布装置を用いて塗布することができる。なお、ガラスフリットの材質及びフリットペーストを形成する際に用いる液体物質は、特許文献1に記載されているような当業者が一般に使用する材質であれば特に限定されない。また、市販されているフリットペーストを使用することも可能である。
この場合、有機充填層6の側面を覆い、基板1と封止基板7に接するようにフリットペーストを切れ目なく塗布した後、塗布したフリットペーストに含まれる液体物質を除去する。そして、ガラスフリットにレーザーを照射して、ガラスフリットを溶融固化し、基板1及び封止基板7を接着する無機封止部8を形成する。こうして、図2で示すように、基板1に垂直な断面において、無機封止部8が有機充填層6側に凸の弓形状面を持つ電界発光素子が作製される。また、無機封止部8と基板1及び封止基板7の接着面積を大きくすると接着性が高まり、無機封止部8の損傷を抑制できるので好ましい。
また、加水分解して上記のポリシロキサンを形成する化合物で無機封止部8を形成する場合には、例えば、オルガノシルセスキオキサンオリゴマー(化1参照)やポリシラザン(化2参照)を用いることができる。
Figure 2009259690
(R、Rはアルキル基である。RとRは同じであっても違っていても良い。)
Figure 2009259690
(R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、もしくは金属原子を表す。但し、R、R、Rのうち少なくとも1つは水素原子である。)
この場合、オルガノシルセスキオキサンオリゴマー及び/又はポリシラザンは任意の有機溶剤で溶解し、液状に調製した後にシリンジ等の任意の膜形成装置で有機充填層6の側面と基板1と封止基板7に接するように切れ目なく塗布する。その後、塗布した液を常温大気雰囲気下で乾燥させて無機封止部8を形成する。このようにして図2で示したような、基板1に垂直な断面において、無機封止部8が有機充填層6側に凸の弓形状面を持つ電界発光素子が作製される。また、無機封止部8と基板1及び封止基板7の接着面積を大きくすることが好ましい。
なお、有機充填層6の側面を覆い、基板1と封止基板7に接するように無機封止部8を形成するので、図2で示した基板1に垂直な断面において、無機封止部8の基板1に垂直な方向の膜厚は有機充填層6の膜厚yと等しくなる。
また、基板1に垂直な断面の無機封止部8の弓形状面において、無機封止部8の基板1に対して平行な方向の膜厚dは、0.1〜20μmで形成されることが好ましい。膜厚dが20μmより大きい場合には、無機封止部8全体に有機充填層6の膨張に伴う応力を十分に分散させることができず、無機封止部8が損傷しやすくなる。また、膜厚dが0.1μmより小さい場合には、水分の浸入を十分に防ぐことができなくなってしまう。さらに、オルガノシルセスキオキサンオリゴマー及び/又はポリシラザンを無機封止部8として用いる場合には、膜厚dは0.1μm〜10μmに形成されることがより好ましい。また、無機封止部8としてガラスフリットを用いる場合には、膜厚dは5μm〜20μmに形成されることがより望ましい。
さらに、図2で示した本発明の電界発光素子の基板1に垂直な断面の無機封止部8の弓形状面において、無機封止部8の基板1と平行な方向の膜厚dは、無機封止部8の基板1に垂直な方向の膜厚yよりも薄いことが好ましい。なぜなら、その構成を採用すると、無機封止部8にかかる有機充填層6の膨張による応力を基板1に垂直な方向に分散しやすくなり、無機封止部8全体で、この応力を緩和することができるからである。
以下、本発明に係わる電界発光素子の一例として、有機EL素子を挙げて、有機EL素子及びその製造方法の実施例を説明するが、本発明は無機EL素子においても適用できる。さらに本発明はこれらの実施例の材料等に限定されるものではない。
先ず、基板1上に電界発光層5を形成する詳細な方法について以下に述べる。
[第一電極層(陽極)形成]
基板1上に、CrターゲットをDCスパッタし、第一電極層2として100nmの厚さにCr膜を成膜した。Arガスを用いて、0.2Paの圧力、300Wの投入Pw条件で行った。
[前処理]
次に、基板1をスパッタ装置から取り出してアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、紫外線オゾン洗浄処理を行った。その後、有機EL蒸着装置へ移し、真空排気し、前処理室で基板1付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素プラズマ洗浄処理を行った。
[発光層形成]
基板1を前処理室より成膜室へ移動し、成膜室を1×10−4Paまで排気した後、正孔輸送性を有する芳香族ジアミン誘導体(αNPD)を成膜速度0.2〜0.3nm/secの条件で抵抗加熱蒸着法により成膜し、膜厚35nmの正孔輸送層を形成した。続いて、正孔輸送層の形成時と同様の成膜条件で、抵抗加熱蒸着法により、正孔輸送層の上にアルミキノリノール錯体(Alq)を成膜し、膜厚15nmの有機発光層を形成した。次に、抵抗加熱共蒸着法により有機発光層の上にAlqと炭酸セシウム(CsCO)を膜厚比9:1の割合で混合されるよう、各々の蒸着速度を調整して成膜し、膜厚35nmの電子注入層を形成した。
[第二電極層(陰極)形成]
最後に、別の成膜室に基板1を移し、電子注入層の上にITOターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により、膜厚が130nmになるように陰極を形成した。成膜条件としては、基板加熱なしの室温成膜で成膜圧力を1.0Pa、Ar,HO及びOガスを用いそれぞれの流量は500,1.5,5.0scccmとし、ターゲットに印加する投入パワーはITO:500Wで成膜を行った。
以上のようにして、基板1上に、第一電極層(陽極)2、発光層(正孔輸送層、有機発光層、電子注入層)3、及び第二電極層(陰極)4を設け、電界発光層5を形成した。
次に、形成した電界発光層5に空気中の水分が浸入しないように、有機充填層6、封止基板7、無機封止部8を形成した。
[封止工程1]
先ず、封止基板7を紫外線オゾン洗浄処理した。その後、封止基板7上に市販の熱硬化型エポキシ樹脂をディスペンサーで塗布した。このとき、樹脂粘度は3000mPa・sに調整したものを使用した。次に、封止基板7の樹脂を塗布した側を基板1に対向するよう配置し、基板1と封止基板7に圧力を加えることによって基板1と封止基板7とを貼り合わせ、電界発光層5を樹脂で覆った。なお、樹脂が基板1及び封止基板7から成る基板対の基板端より内側に留まるように、樹脂の塗布位置と塗布量、さらに貼り合わせの圧力を調整した。次に、100℃/30分間の加熱により樹脂を硬化させ、有機充填層6を形成した。このときの、有機充填層6の膜厚yは20μmであった。
[封止工程2]
次に、調製したメチルシルセスキオキサンオリゴマー溶液を基板1及び封止基板7に接し、かつ、有機充填層6を覆うように切れ目なくシリンジで塗布した。メチルシルセスキオキサンオリゴマーとは、化1のR及びRがいずれもメチル基である化合物であり、市販されているものを使用した。メチルシルセスキオキサンオリゴマー溶液の調製は、乾燥剤で水分濃度を低下させたIPAに重量分率で70wt%のメチルシルセスキオキサンオリゴマーを添加して行った。メチルシルセスキオキサンオリゴマー溶液を塗布した後に、常温で12時間乾燥させ、メチルシルセスキオキサンオリゴマーから成る無機封止部8を形成した。
[素子評価]
60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行った。その結果、無機封止部8の損傷も無く、外部からの余分な水分の浸入が少ないため、輝度劣化等の発光特性の低下及びダークスポット等の発生が少ない、安定した電界発光素子とその製造方法を得ることができた。
その後、作製された電界発光素子の基板1に垂直な断面を光学顕微鏡で観察した。その結果、基板1に垂直な断面において、無機封止部8が有機充填層6側に凸の弓形状面を有していることが確認された(図2参照)。また、この断面内において、無機封止部8の基板1に平行な方向の膜厚dは10μm、基板1に垂直な方向の膜厚yは20μmであった。
本実施例は実施例1に対して、無機封止部8にポリシラザン化合物を含む材料を使用した場合の実施例を詳細に示すものである。なお、電界発光層5までの作製方法は実施例1と同様であるので、それ以降の封止工程について詳細に述べる。
[封止工程1]
先ず、封止基板7を紫外線オゾン洗浄処理した。その後、封止基板7上に市販の熱硬化型エポキシ樹脂をディスペンサーで塗布した。このとき、樹脂粘度は3000mPa・sに調整したものを使用した。次に、封止基板7の樹脂を塗布した側を基板1に対向するよう配置し、基板1と封止基板7に圧力を加えることによって基板1と封止基板7とを貼り合わせ、電界発光層5を樹脂で覆った。なお、樹脂が基板対の基板端より内側に留まるように、樹脂の塗布位置と塗布量、さらに貼り合わせの圧力を調整した。次に、100℃/30分間の加熱により樹脂を硬化させ、有機充填層6を形成した。このときの、有機充填層6の膜厚yは20μmであった。
[封止工程2]
次に、調製したポリシラザン化合物溶液を基板1及び封止基板7に接し、かつ、有機充填層6を覆うように切れ目なくシリンジで塗布した。ポリシラザン化合物は、市販されているものを使用した。ポリシラザン化合物溶液の調製は、乾燥剤で水分濃度を低下させたIPAに重量分率で70wt%のポリシラザン化合物を添加して行った。ポリシラザン化合物を塗布した後に、常温で12時間乾燥させ、ポリシラザン化合物から成る無機封止部8を形成した。
[素子評価]
60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行った。その結果、無機封止部8の損傷も無く、外部からの余分な水分の浸入が少ないため、輝度劣化等の発光特性の低下及びダークスポット等の発生が少ない、安定した電界発光素子とその製造方法を得ることができた。
その後、作製された電界発光素子の基板1に垂直な断面を光学顕微鏡で観察した。その結果、基板1に垂直な断面において、無機封止部8が有機充填層6側に凸の弓形状面を有していることが確認された(図2参照)。また、この断面内において、無機封止部8の基板1に平行な方向の膜厚dは10μm、基板1に垂直な方向の膜厚yは20μmであった。
本実施例は実施例1に対して、無機封止部8にガラスフリットを使用した場合の実施例を詳細に示すものである。なお、電界発光層5までの作製方法は実施例1と同様であるので、それ以降の封止工程について詳細に述べる。
[封止工程1]
先ず、封止基板7を紫外線オゾン洗浄処理した。その後、封止基板7上に市販の熱硬化型エポキシ樹脂をディスペンサーで塗布した。このとき、樹脂粘度は6000mPa・sに調整したものを使用した。次に、封止基板7の樹脂を塗布した側を基板1に対向するよう配置し、基板1と封止基板7に圧力を加えることによって基板1と封止基板7とを貼り合わせ、電界発光層5を樹脂で覆った。なお、樹脂が基板対の基板端より内側に留まるように、樹脂の塗布位置と塗布量、さらに貼り合わせの圧力を考慮した。次に、100℃/30分間の加熱により樹脂を硬化させ、有機充填層6を形成した。このときの、有機充填層6の膜厚yは40μmであった。
[封止工程2]
次に、市販されているフリットペーストを基板1及び封止基板7に接し、かつ、有機充填層6を覆うように切れ目なくシリンジで塗布する。フリットペーストを塗布した後、フリットペーストに低強度のレーザーを照射して液体物質を除去し、更にレーザー照射強度を高めて溶融固化させ、ガラスフリットから成る無機封止部8を形成した。
[素子評価]
60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の連続耐久試験を行った。その結果、無機封止部8の損傷も無く、外部からの余分な水分の浸入が少ないため、輝度劣化等の発光特性の低下及びダークスポット等の発生が少ない、安定した電界発光素子とその製造方法を得ることができた。
その後、作製された電界発光素子の基板1に垂直な断面を光学顕微鏡で観察した。その結果、基板1に垂直な断面において、無機封止部8が有機充填層6側に凸の弓形状面を有していることが確認された(図2参照)。また、この断面内において、無機封止部8の基板1に平行な方向の膜厚dは20μm、基板1に垂直な方向の膜厚yは40μmであった。
また上記の3つの実施例では、基板1上に一つの電界発光層5を形成した場合を示したが、この電界発光層5は画素単位ごとに分割してもよく、基板1上に複数の電界発光層5が形成されてもよい。さらに、基板1上の電界発光層5を画素に分割し、画素ごとを区画する隔壁を形成し、基板1中に画素ごとに電源の切り替えを行うトランジスタや電源線等の配線を設けて、薄膜ディスプレイに応用する場合でも本発明の封止方法は適用できる。
本発明に係わる電界発光素子の一部を拡大して示した断面図である。 本発明に係わる電界発光素子の端部を拡大して示した断面図である。 従来の有機EL素子の一部を拡大して示した断面図である。
符号の説明
1 基板
2 第一電極層
3 発光層
4 第二電極層
5 電界発光層
6 有機充填層
7 封止基板
8 無機封止層

Claims (5)

  1. 基板上に形成される電界発光層と、
    前記電界発光層を覆って前記基板と前記基板に対向する封止基板との間を充填する有機充填層と、
    前記有機充填層の側面を覆う無機封止部と、を備える電界発光素子であって、
    前記基板に垂直な断面において、前記無機封止部は前記有機充填層側に凸の弓形状面を有していることを特徴とする電界発光素子。
  2. 前記無機封止部の前記弓形状面において、前記無機封止部の前記基板に平行な方向の膜厚が、前記無機封止部の前記基板に垂直な方向の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項1の電界発光素子。
  3. 前記無機封止部がケイ素化合物から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の電界発光素子。
  4. 前記ケイ素化合物がオルガノシルセスキオキサンオリゴマー及び/又はポリシラザンであることを特徴とする請求項3に記載の電界発光素子。
  5. 基板上に電界発光層を形成する工程と、
    前記電界発光層を覆って前記基板と前記基板に対向する封止基板との間に有機充填層を形成する工程と、
    前記有機充填層の側面を覆う無機封止部を形成する工程と、を含む電界発光素子の製造方法であって、
    前記有機充填層を形成する際に、前記有機充填層の側面が前記基板と前記封止基板とから成る基板対の基板端に対して凹形状に形成され、前記基板に垂直な断面において、前記無機封止部が前記有機充填層側に凸の弓形状面を有するように形成されることを特徴とする電界発光素子の製造方法。
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