JP2009259629A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】カソード極の水分量を適度な量に調整する。
【解決手段】この発明の燃料電池システムは、電解質と、その両側に配置された一対の電極であるアノード極とカソード極とを備える燃料電池と、燃料電池に燃料を供給するための燃料供給系とを有する。また、更に、燃料供給系から燃料電池に燃料を供給する際の燃料供給圧を調整する圧力調整手段と、カソード極の状態に応じて、前記圧力調整手段により前記燃料供給圧を制御する制御手段とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は燃料電池システムに関する。
一般に、水素を含むアルコール等の燃料が供給される燃料電池として、燃料から純水素を生成する燃料改質器を有し、アノード極触媒層に改質器で生成された純水素が供給される改質方式のものと、アノード極にアルコール等の燃料が直接供給される直接方式のものとが知られている。直接方式の燃料電池として、特許文献1には、直接メタノール型燃料電池(DMFC)が開示されている。
具体的に、特許文献1に開示された燃料電池は、水素イオン(H)を伝導する固体高分子電解質膜と、その両側に接するように形成されたアノード極及びカソード極とを有している。アノード極には、希釈されたメタノールが送液ポンプで加圧されて注入される。アノード極ではメタノールの酸化反応が行われることで電子が発生すると共に、酸化反応で生成された水素イオンが電解質膜を透過してカソード極に達する。カソード極には、送気ポンプにより空気が注入され、カソード極では、この空気中の酸素と、外部からの電子と、アノード極からの水素イオンとから、水が生成される。
また特許文献1のシステムは、燃料である高濃度メタノールを希釈するための混合タンクを有し、アノード極から排出される排燃料は、送液ポンプによって混合タンクに戻され、再びアノード極に供給されている。これにより燃料を還流させて循環利用している。また、カソード極で生成された水は回収されて送液ポンプで混合タンクに送られ、高濃度メタノールの希釈に用いられている。
特開2006−147179号公報 特開2004−247226号公報 特開2006−73214号公報
ところで、燃料電池として、特許文献1のような水素イオンを伝導体とするものの他に、水酸化物イオンを伝導体とするアルカリ型燃料電池が知られている。アルカリ型燃料電池の電気化学反応においては、カソード極触媒層で酸素と水とから水酸化物イオンが生成され、水酸化物イオンが電解質を透過してアノード極触媒層に達し、アノード極で水酸化物イオンと燃料中の水素とが反応して水が生成される。
このような燃料電池の電気化学反応におけるカソード極での反応が潤滑に行われるためには、カソード極触媒層において、酸素(空気)と水と触媒とが、適度な反応面積を確保して接触していることが望ましい。しかし、アルカリ型燃料電池の場合、上記特許文献1のような燃料電池とは異なり、カソード極では水が生成されない上、カソード極触媒層での水酸化物イオンを生成する反応には、酸素の他に水が必要とされる。カソード極に必要となる水は、通常は、カソード極に供給される酸素の加湿と、アノード極側から電解質中を透過して到達する生成水とにより補われている。
しかし、例えば、高温で低負荷の運転中の場合、アノード極で生成される水が少ないため、アノード極から電解質を通過してカソード極側に浸潤する水分量が少なくなる。このためカソード極触媒層に十分な水分が確保できない場合がある。この場合、カソード極での反応が停滞し、ひいては燃料電池の出力が低下する事態を生じ得る。
カソード極での反応停滞を防止するために、例えば、多量の水蒸気をカソード極に供給する空気(酸素)に添加して供給することが考えられる。しかしこの場合、燃料電池が高負荷で運転された場合などには水分過剰となることが考えられる。カソード極の水分が過剰となると、カソード極触媒全体が水分に覆われ(フラッディング)、これにより酸素の流れが阻害されることが考えられる。この場合、酸素がカソード極触媒の反応場にまで到達できず、カソード極での反応が停滞し、ひいては燃料電池の出力を低下させる事態を生じ得る。
また、燃料電池が高負荷で運転され、アノード極で生成される水分量が多くなる場合、電解質中を透過してカソード極に到達する水分量が過剰となることがある。この場合にも、カソード極でフラッディングが起きて、カソード極での反応が停滞することが考えられる。
従ってこの発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、カソード極に適度な量の水を確保することができるよう改良された燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
電解質と、その両側に配置された一対の電極であるアノード極とカソード極とを備える燃料電池と、
前記燃料電池に燃料を供給するための燃料供給系と、
前記燃料供給系から前記燃料電池に燃料を供給する際の燃料供給圧を調整する圧力調整手段と、
前記カソード極の状態に応じて、前記圧力調整手段により前記燃料供給圧を制御する制御手段と、
を備える。
第2の発明は、第1の発明において、
前記燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷が、第1基準値より小さいか否かを判別する負荷判別手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記負荷が前記第1基準値よりも小さいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、該燃料電池の負荷が前記第1基準値以上である場合に設定される供給圧よりも高くする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記負荷判別手段は、前記第1基準値よりも大きい値である第2基準値より、前記負荷が大きいか否かを判別し、
前記制御手段は、前記負荷が前記第2基準値より大きいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、該燃料電池の負荷が前記第1基準値以上かつ第2基準値以下である場合に設定される供給圧よりも低くする。
第4の発明は、第1の発明において、前記燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷が、基準範囲外となっているか否かを判別する負荷判別手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記負荷が前記基準範囲外と判別された場合に、前記燃料供給圧を周期的に変動させる。
第5の発明は、第4の発明において、
前記負荷判別手段は、前記負荷が前記基準範囲の下限値より小さいか否かを判別し、
前記制御手段は、前記負荷が前記下限値より小さいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記負荷が前記基準範囲内の場合に設定される供給圧よりも高くなる範囲で、周期的に変動させる。
第6の発明は、第4または第5の発明において、
前記負荷判別手段は、前記負荷が前記基準範囲の上限値より大きいか否かを判別し、
前記制御手段は、前記負荷が前記上限値より大きいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記負荷が前記基準範囲内の場合に設定される供給圧よりも低くなる範囲で、周期的に変動させる。
第7の発明は、第1の発明において、
前記カソード極の水分量を検知する水分検知手段と、
前記水分量が、第1水分量より少ないか否かを判別する水分量判別手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記水分量が前記第1水分量よりも少ないと判別された場合に、前記燃料供給圧を、前記水分量が前記第1水分量以上である場合に設定される供給圧よりも高くする。
第8の発明は、第7の発明において、
前記水分量判別手段は、前記第1水分量より大きな値である第2水分量より、前記水分量が多いか否かを判別し、
前記制御手段は、前記水分量が前記第2水分量より多いと判別された場合に、前記燃料供給圧を、該燃料電池の水分量が前記第1水分量以上かつ第2水分量以下である場合に設定される供給圧よりも低くする。
第9の発明は、第1の発明において、
前記カソード極の水分量を検知する水分検知手段と、
前記水分量が、基準水分範囲外であるかを判別する水分量判別手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記水分量が前記基準水分範囲外と判別された場合に、前記燃料供給圧を周期的に変動させる。
第10の発明は、第9の発明において、
前記水分量判別手段は、前記水分量が前記基準水分範囲の下限値より少ないか否かを判別し、
前記制御手段は、前記水分量が前記下限値より少ないと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記水分量が前記基準水分範囲内の場合に設定される供給圧よりも高くなる範囲で、周期的に変動させる。
第11の発明は、第9または第10の発明において、
前記水分量判別手段は、前記水分量が前記基準水分範囲の上限値より多いか否かを判別し、
前記制御手段は、前記水分量が前記上限値より多いと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記水分量が前記基準水分範囲内の場合に設定される供給圧よりも低くなる範囲で、周期的に変動させる。
第1の発明によれば、カソード極の状態に応じて燃料供給圧が制御される。これにより、アノード極からカソード極への水分の透過のしやすさを調整することができ、電解質を透過するカソード極に浸潤する水分量を制御することができる。従って、カソード極の状態に応じた適度な水分を確保することができ、カソード極での反応の停滞を抑制することができる。
ところで、燃料電池の負荷がある程度小さくなる場合、アノード極において生成される水の量が少なくなるため、電解質を透過してカソード極に浸潤する水分の量も少なくなる。従って、カソード極は水不足の状態になりやすいと予測される。一方、負荷がある程度大きくなる場合、アノード極において生成される水の量が多くなるため、カソード極への水の透過量は多くなり、カソード極の水分が過剰な状態となると予測される。
これに対して、第2の発明によれば、燃料電池の負荷が第1基準値よりも小さい場合、第1基準値よりも大きい場合に比較して、燃料供給圧を高くすることができる。このように燃料供給圧を高くすることで、アノード極からカソード極へ、水が透過しやすい状態とすることができる。従って、第2の発明によれば、負荷が小さく、カソード極の水分が少ないと予測させる場合には、燃料供給圧を高くすることでアノード極からカソード極へ水が浸潤しやすい状態とし、一方、負荷が大きく、カソード極の水分が多いと予測される場合には、燃料供給圧を低くすることでアノード極からカソード極へ水が浸潤し難い状態とすることができる。これにより、カソード極を適正な湿潤状態とすることができ、カソード極での反応の停滞を抑制することができる。
また、このような燃料供給圧は、高い/低いの2段階に設定するものではなく、例えば3段階、あるいはそれ以上に設定することができる。この点、第3の発明によれば、負荷が第1基準値より小さい場合、第1基準値以上の場合の供給圧よりも燃料供給圧を高くし、負荷が第2基準値よりも大きい場合、第1基準値以上の場合の供給圧よりも燃料供給圧を低くする。即ち、負荷が、第1基準値より小さい場合、第1基準値以上かつ第2基準値以下の場合、第2基準値より大きい場合によって、それぞれ、アノード極への燃料供給圧を設定することができる。従って、より適切に、カソード極への水分の浸潤状態を調整することができ、水分不足又は過剰によるカソード極での反応の停滞を抑制することができる。
第4乃至第6の発明によれば、燃料電池の負荷が基準範囲外である場合に、燃料供給圧を周期的に変動させることができる。これにより、供給される燃料の流れに脈動を与えることができ、燃料をアノード極全体に行き渡らせることができる。また、燃料供給圧が高い状態と低い状態とを変動させることで、カソード極への水の透過量を変化させることができるため、カソード極の水分量を増減させることができる。従って、カソード極に十分な水分を供給しつつ、かつカソード極での水分が少ない状態においては酸化剤を十分に行き渡らせることができ、カソード極での反応を促進することができる。
第7乃至第11の発明によれば、カソード極の水分量を検知する水分検知手段を有し、これによってカソード極の水分量に応じた上記同様の制御を行なうことができる。従って、カソード極の状態に応じてカソード極を適度な湿潤状態に調整することができ、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1の燃料電池について説明するための模式図である。図1に示す燃料電池システムは、陰イオンを伝導体とするアルカリ型の燃料電池2を有している。燃料電池2はアニオン交換膜10(電解質)を有している。アニオン交換膜10の両側にはそれぞれ、アノード触媒層12とカソード触媒層14とが形成されている。アノード触媒層12とカソード触媒層14の両外側には、一対の拡散層16、18が配置され、アニオン交換膜10とアノード触媒層12とカソード触媒層14とは、両側の拡散層16、18により挟持されている。アノード触媒層12側の拡散層16の外側には集電板20が配置され、集電板20の外側に、燃料を流通させるための燃料流路22が形成されている。カソード触媒層14側の拡散層18の外側には集電板24が配置され、集電板24の外側に、酸素(空気)を流通させるための空気流路26が形成されている。集電板20、24の端子には外部回路28が接続している。外部回路28には、燃料電池2の負荷(出力)を検出する出力モニタ30が設置されている。
ここで、アニオン交換膜10は、カソード触媒層14で生成される水酸化物イオンをアノード触媒層12側に移動させることができる媒体である。アニオン交換膜10としては、例えば、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ビリジウム基、4級イミダゾリウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜を用いることができる。また、固体高分子の膜としては、例えば、炭化水素系及びフッ素系樹脂などがあげられる。
アノード触媒層12及びカソード触媒層14のそれぞれは、触媒粒子を、撥水剤と水との混合液に溶かしてアニオン交換膜10に塗布することで形成され、拡散層16、18に挟持されることより保持されている。各触媒層12、14の触媒粒子は、後述する各触媒層12、14での反応を触媒する機能を有するものである。具体的な触媒粒子としては、例えば、鉄(Fe)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)により形成されたもの、これらの金属のいずれかをカーボン等の担体に担持させたもの、あるいはこれらの金属原子を中心金属とする有機金属錯体、あるいは、このような有機金属錯体を担体に担持させたもの等が挙げられる。
図1を参照して、燃料流路22の燃料導入口40と燃料排出口42には、それぞれ燃料供給系44が接続している。燃料供給系44は、燃料タンク46と、燃料タンク46にそれぞれ接続する流路48と流路50とを備えている。流路48は、燃料タンク46と燃料導入口40とを接続し、燃料流路22に燃料を注入させる。流路48には燃料供給圧を調整するためのレギュレータ52が取り付けられている。流路50は燃料タンク46と燃料排出口42とを接続し、燃料流路22から排出される排燃料を燃料タンク46に導入する。流路50には、燃料供給系44内に燃料を還流させるための送液ポンプ54が取り付けられている。
空気流路26の空気導入口56、空気排出口58には、それぞれ、空気供給路60、空気排出路62が接続している。空気供給路60の途中には、加湿器64が設置されている。また、空気供給路60の空気導入口56付近には温度センサ66が取り付けられている。
この燃料電池システムは制御装置70を有している。制御装置70は、例えば、出力モニタ30や温度センサ66等に接続され、これらの出力を受けて燃料電池2の運転状態に関する情報を取得する。一方、制御装置70は、例えば、レギュレータ52や送液ポンプ54等に接続され、これらに制御信号を発することで燃料供給圧等を制御する。
このシステムにおいて、燃料タンク46には燃料としてエタノール水溶液が貯蔵されている。燃料電池2の運転が開始されると、アノード極(12、16及び20)側に供給されたエタノールは、アノード触媒層12の機能により分解されて水素原子となり、アニオン交換膜10を透過して移動した水酸化物イオン(OH)と反応して水(HO)が生成される。このとき放出される電子は集電板20に回収され外部回路28を通過してカソード極(14、18及び24)側の集電板24に移動する。アノード触媒層12に燃料としてエタノールが供給されて、これが分解される場合には、結果的に、アノード触媒層12では次式(1)に示す反応が起きる。
CHCHOH+12OH → 9HO+2CO+12e ・・・(1)
一方、カソード触媒層14に空気が供給されると、空気中の酸素分子(O)はカソード触媒層14の機能によりいくつかの段階を経て電子を受け取って水と反応し、水酸化物イオンが生成される。水酸化物イオンはアニオン交換膜10を通過してアノード触媒層12側に移動する。カソード触媒層14での反応は、次式(2)のようになる。
1/2O+HO+2e → 2OH ・・・・(2)
以上のようなアノード極とカソード極側における反応をまとめると、燃料電池2全体では水の生成反応が起き、電子は両極の集電板20、24との間を、外部回路28を介して移動する過程で回路の負荷に対して仕事を行い、これによりエネルギーが取り出されることとなる。
図2は、燃料供給圧を基準供給圧P0に設定した状態を説明するための模式図であり、図2(a)はアニオン交換膜10の状態、図2(b)〜(d)は、カソード触媒層14の状態を模式的に表したものである。ここで基準供給圧P0は、この実施の形態1のシステムにおいて、燃料電池2の負荷(出力)が予め設定された基準範囲内にある場合に設定される燃料供給圧である。基準供給圧は、従来の燃料電池の運転中に設定される燃料供給圧と同様に燃料電池ごとに適宜設定されるものである。
図2(a)に示すように、燃料供給圧を基準供給圧P0とした状態においては、アニオン交換膜10は通常の状態、即ち、ほぼ歪曲のない状態で保持されている。ここで、式(2)に示されるように、カソード触媒層14の反応においては酸素と水とが必要となる。このため空気供給路60に取り込まれた空気を、加湿器64を通過させることで加湿し、ある程度水分を含んだ状態で空気流路26に供給する。また、燃料電池2の運転中、式(1)に示すようにアノード触媒層12では水が生成される。この生成水はアニオン交換膜10を透過して水酸化物イオンがアノード触媒層12側に移動すると、その対流によりカソード触媒層14に浸潤する。この浸潤した生成水によってもカソード触媒層14に水分が補われることとなる。
燃料電池2の負荷が基準範囲内にある場合、空気の加湿と生成水のアノード触媒層12からの浸潤によって、カソード触媒層14は適正な湿潤状態に保たれていると予測される。即ち、図2(b)に示すように、触媒粒子140周囲にはある程度の水分142が存在し、かつ、触媒粒子140は完全に水分142に覆われておらず、空気が流通可能な状態となっている。つまり、触媒粒子140と水分142と空気とが適度な反応面積を確保しつつ接触できる状態となっていると考えられる。
しかし、例えば、燃料電池2の負荷が低い場合(即ち出力が小さい場合)には、アノード触媒層12で生成させる水分量が少なく、カソード触媒層14からの水酸化物イオンの透過量も少なくなる。従って、基準供給圧P0で燃料が供給される状態では、アノード触媒層12からカソード触媒層14に浸潤する水分量も少なくなる。即ち、図2(c)に示すように触媒粒子140周囲に存在する水分142が少なく、水が不足した状態となることが予測される。この現象は、低負荷運転中の、特に、高温環境下で顕著となる。カソード触媒層14での水分が不足すると、上記(2)に示す反応が停滞することとなり、ひいては、燃料電池の出力を低下させる事態が生じ得る。
一方、燃料電池2の負荷が高い場合(即ち出力が大きい場合)、アノード触媒層12では多量の水が生成される。この場合、カソード触媒層14からの水酸化物イオンの透過量も多くなるため、対流としてカソード触媒層14に浸潤する水分量は増加する。この場合、カソード触媒層14は水分過剰の状態となって、図2(d)に示すように、触媒粒子140全体が水分142で覆われた状態(フラッディング)となることが予測される。この場合、空気の流れが触媒粒子140表面を覆う水分142に阻害されて、カソード触媒層14の触媒粒子140に反応に必要な酸素が到達できない状態となる。この場合にも、カソード触媒層14での反応が停滞し、燃料電池2の出力を低下させる事態を生じ得る。
従って、実施の形態1においては、カソード触媒層14の水不足やフラッディングを抑制してカソード触媒層14を適切な湿潤状態に維持するべく、アノード触媒層12からカソード触媒層14への水分の透過量を調整する。具体的に、この実施の形態1においては、アノード極に供給する燃料の供給圧を変化させる。
図3は、燃料供給圧を基準供給圧P1よりも高い、高圧力P1とした状態を説明するための模式図である。このように燃料供給圧を所定の高圧力P1とした場合、アニオン交換膜10は、図3に示すようにカソード触媒層14側に押された歪曲状態となる。このように供給圧を高くすることでアノード触媒層12側からカソード触媒層14側への生成水の浸潤が促進されるため、カソード触媒層14の水分量が増加すると考えられる。そこで、カソード触媒層14の水分が不足しやすい低負荷の場合には、アノード触媒層12への燃料供給圧を、高圧力P1に制御することで、カソード触媒層14への水の浸潤量を増加させる。
図4は、燃料供給圧を基準供給圧P0より低い、低圧力P2とした状態を説明するための模式図である。燃料供給圧を所定の低圧力P2とした場合、アニオン交換膜10は、図4に示すように、アノード触媒層12側に押された歪曲状態となる。このように供給圧を低くすることで、アノード触媒層12からカソード触媒層14への生成水の湿潤はしにくい状態となり、アノード触媒層12からカソード触媒層14に到達する水分量は減少する。そこで、カソード触媒層14の水分が過剰となりやすい高負荷での運転時には、アノード触媒層12から移動する水分量を抑制するため、燃料供給圧を低圧力P2に制御する。
より具体的に、この実施の形態1では、基準供給圧P0において、カソード触媒層14が適度な湿潤状態(図2(b))を維持できる範囲の出力を、第1基準値A1以上第2基準値A2以下で示される基準範囲とする。そして、燃料電池2の出力(負荷)が基準範囲より小さい場合、即ち、基準範囲の下限値である第1基準値A1よりも小さい場合に、カソード触媒層14の水分が不足しやすい低負荷であるとし、この場合には、燃料供給圧を高圧力P1に制御する。また、燃料電池2の出力(負荷)が基準範囲より大きい場合、即ち、基準範囲の上限値である第2基準値A2よりも大きい場合に、カソード触媒層14がフラッディングを起こしやすい高負荷であるとし、この場合には、燃料供給圧を低圧力P2に制御する。
なお、このような基準範囲は、燃料電池ごとに実験等に求め、予め制御装置70に記憶しておく。また、高圧力P1及び低圧力P2は、アノード触媒層12からカソード触媒層14への水分の透過量と共に、アニオン交換膜10等の強度を考慮して燃料電池2の耐久性が許容範囲を越えて低下しないように設定される。また、燃料供給圧の制御は、レギュレータ52(圧力調整手段)の設定圧力を制御することによって行なうことができる。
図5は、この発明の実施の形態1において制御装置が実行する具体的な制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図5に示すルーチンは、燃料電池2の運転中、一定時間ごとに繰り返し実行される。図5のルーチンにおいて、まず、燃料電池2の出力Aが検出される(S102)。燃料電池の出力Aは出力モニタ30の出力が制御装置70に読み込まれ、この出力モニタ30の出力に応じて求められる。
次に、検出された出力Aが、第1基準値A1よりも小さいか否かが判別される(S104)。第1基準値A1は、上記のように基準供給圧P0で燃料を供給した場合に、カソード触媒層14が適正な湿潤状態に維持されると予測される基準範囲の下限値である。従って、ステップS104において出力A<第1基準値A1が成立する場合には、カソード触媒層14が水不足状態となりやすいと判断される。
従って、ステップS104において出力A<第1基準値A1の成立が認められると、次に、燃料供給圧が高圧力P1に制御される(S106)。具体的には、制御装置70からレギュレータ52に制御信号が発せられ、レギュレータ52の設定圧力が高圧力P1に変えられる。これにより、アノード触媒層12からカソード触媒層14へ水が浸潤しやすい状態とすることができ、カソード触媒層14を適度な水分を確保することができる。
一方、ステップS104において出力A<第1基準値A1の成立が認められない場合、次に、出力Aが第2基準値A2より大きいか否かが判別される(S108)。第2基準値A2は、上記のように基準供給圧P0で燃料を供給した場合に、カソード触媒層14が適正な湿潤状態に維持されると予測される基準範囲の上限値である。従って、ステップS108において出力A>第1基準値A2が成立する場合には、カソード触媒層14でフラッディングを起こしやすい状態となっていると判断される。
従って、ステップS108において出力A>第2基準値A2の成立が認められる場合、燃料供給圧が低圧力P2に制御される(S110)。具体的には、制御装置70からレギュレータ52に所定の制御信号が発生され、燃料供給圧が低圧力P2とされる。これにより、アノード触媒層12からカソード触媒層14へ生成水が浸透しにくい状態とすることができ、カソード触媒層14への過剰な水分の浸潤によるフラッディングの発生が抑制される。
一方、ステップS108において出力A>第2基準値A2の成立が認められない場合、出力Aが、基準範囲(第1基準値以上、かつ第2基準値以下)の状態にある。この状態においでは、通常の燃料供給圧P0とすればカソード触媒層14はある程度適正な湿潤状態に維持されるものと判断される。従って、ステップS108において出力A>第2基準値A2の成立が認められない場合、燃料供給圧が通常の供給圧である基準供給圧P0に制御される(S112)。
以上説明したように、実施の形態1によれば、燃料電池2の負荷が基準範囲より低い場合には燃料供給圧が高く、燃料電池の負荷が基準範囲より高い場合には燃料供給圧が低く制御される。これにより、アノード触媒層12側からカソード触媒層14に移動する生成水の量を制御することができ、カソード触媒層14における水分不足やフラッディングを抑制することができる。
なお、例えば、実施の形態1において、ステップS102が実行されることで、この発明の「負荷検出手段」が実現し、ステップS104又はS108が実行されることで「負荷判別手段」が実現し、ステップS106又はS110が実行されることで「制御手段」が実現する。
なお、実施の形態1においては、燃料電池の負荷(出力)のみに応じて、燃料供給圧を制御する場合について説明した。しかし、カソード触媒層14の水分量は、そのときの運転温度によっても変化するものである。従って、例えば、ある程度の高温の場合に燃料供給圧を低くし、低温の場合に燃料供給圧を高くするなどとしてもよい。また、高温・低負荷の場合など、より水不足を起こし易い環境で燃料供給圧を高くするなど、温度条件と負荷条件とを設定して、それに応じて燃料供給圧を制御するようにしてもよい。これについては、実施の形態2も同様である。
また、この発明は、温度や負荷によりカソード触媒層14の水分状態を予測する場合に限るものではない。例えば、カソード触媒層14に水の検知器(水分検知手段)を取り付け、水の検知器により直接カソード触媒層14の水分量を検出するものであってもよい。この場合にも基準供給圧において適正な出力を維持できる基準水分範囲(例えば、第1水分量以上、第2水分量以下)を実験等により求めて予め制御装置70に記憶し、検出された水分量が第1水分量より少ない場合には、燃料供給圧を高圧力P1とし、水分量が多い場合には燃料供給圧を低圧力P0とすることで、実施の形態1と同様の制御を適用することができる。これについては、実施の形態2も同様である。
なお、このような制御において、水分量が第1水分量より少ないか否かを判別し、又は、水分量が第2水分量より多いか否かを判別することで、この発明の「水分量判別手段」が実現し、その水分量に応じて、燃料供給圧を高圧力P1または低圧力P2に制御することで、この発明の「制御手段」が実現する。
また、アノード触媒層12から浸潤する生成水は、アニオン交換膜10を透過したものであるためアルカリ性を示す。従って、カソード触媒層14のアルカリ濃度を検出することで、アノード触媒層12側からの水の透過量をある程度予測することができる。従って、例えばカソード触媒層14近傍にpHメータ(水分検知手段)等を設置して、カソード触媒層14のアルカリ濃度を検出することで、カソード触媒層14の水分量を予測し、これに応じて供給圧を制御することもできる。これについては、実施の形態2も同様である。
また、実施の形態1では、基準範囲を第1基準値以上第2基準値以下(又は第1水分量以上第2水分量以下)と設定し、この範囲より小さい場合に燃料供給圧を高圧力P1とし、この範囲より大きい場合に燃料供給圧を低圧力P0とする場合について説明した。しかし、この発明はこのように、燃料供給圧を3段階に制御する場合に限るものではなく、例えば、供給圧を2段階に制御することとしてもよい。このような制御は、例えば、基準範囲をある基準出力以上(又は基準水分量以上)とし、この基準出力(又は基準水分量)より小さい場合に、燃料供給圧を、基準出力(基準水分量)以上の場合の供給圧よりも高くなるように制御することで実現することができる。また、同様に、燃料供給圧は、4段階以上に制御するものであってもよい。これについては、実施の形態2も同様である。
また、実施の形態1では、説明の簡略化のため1のアニオン交換膜10とその両側の一対の電極を有する燃料電池を図示して説明した。しかし、この発明において燃料電池はこれに限るものではなく、アニオン交換膜10とその両側の電極等からなる単セルが、セパレータを介して複数積層された構造を有するものであってもよい。この場合にも、燃料電池全体の出力を検出し、これに応じて燃料供給圧を制御したり、あるいは、空気導入口、空気排出口付近の温度、アルカリ濃度、水分量等を検出することでカソード触媒層14の水分量を予測し、それに応じて上記同様の燃料供給圧の制御を適用することができる。これについては、実施の形態2も同様である。
実施の形態2.
実施の形態2の燃料電池システムは、図1に示すシステムと同様の構成を有する。また、実施の形態2の燃料電池システムは、燃料電池の負荷が基準範囲(第1基準値A1以上第2基準値A2以下)外となる場合に、燃料供給圧を所定の範囲で変動させることで燃料を脈動させて供給する点を除き、実施の形態1のシステムと同様の制御を行なうものである。
図6は、燃料電池2の負荷が基準範囲外である場合に設定される燃料供給圧の変動について説明するための図である。実施の形態2のシステムは、燃料電池2の出力が基準範囲外である場合に、燃料供給圧を変動させる。具体的に、燃料電池2の負荷が基準範囲より小さい場合、即ち、出力Aが第1基準値A1より小さい場合、カソード触媒層14では水不足となっていることが予測される。従って、この場合、図6の曲線(a)に示すように、高圧力範囲で燃料供給圧を変動させる。
ここで高圧力範囲は、通常の基準供給圧P0と比較して、少なくとも最高圧力が基準供給圧P0よりも高く、かつ、その平均値Pa1が基準供給圧P0よりも高くなるように設定されたものである。このように、基準供給圧P0よりも平均して高い圧力に設定されることで、アノード触媒層12からカソード触媒層14へ、水が浸潤しやすい状態となる。特に、最高圧力付近では水がカソード触媒層14へ移動しやすい。また、高圧力範囲の下限圧力付近になると、カソード触媒層14へ水が浸潤しにくく、あるいは、逆にアノード触媒層12側に引き戻され、カソード触媒層14での水が減少した状態となる。従って、十分な水を供給する一方、供給圧が低い状態においてカソード触媒層14への空気の流通を確保することができるため、カソード触媒層14での反応を促進することができる。
また、燃料電池2の負荷が大きい場合、即ち、出力Aが第2基準値A2よりも大きい場合、カソード触媒層14はフラッディングが起きやすい状態であることが予測される。従って、この場合、図6の曲線(b)に示すように、低圧力範囲で燃料供給圧を変動させる。
ここで、低圧力範囲は、基準供給圧P0と比較して、少なくとも低圧力範囲の最低圧力が、基準供給圧P0よりも低く、かつ、その平均値Pa2が基準供給圧P0よりも低くなるように設定される。このように基準供給圧P0よりも平均して低い圧力で設定されることで、アノード触媒層12からカソード触媒層14への水の浸潤しにくい状態となる。特に最低供給圧付近では、カソード触媒層14への水の移動がしにくく、あるいは、逆に水分がアノード触媒層12側に引き戻される。従って、カソード触媒層14のフラッディングを抑制することができる。一方、最高圧力付近では、アノード触媒層12からの水分が比較的カソード触媒層14に浸潤しやすい状態となる。従って、カソード触媒層14の水分不足の発生が抑制される。このように供給圧を適度な範囲で変動させることで、カソード触媒層14に適正な水分を維持することができる。
また、アノード触媒層12でこのように、燃料供給圧を変動させて脈動させることで、アノード触媒層12に蓄積する不純物を除去することができる。従って、アノード触媒層12における反応をも促進することができ、燃料電池2の発電性能をより向上させることができる。なお、このような高圧力範囲及び低圧力範囲は、燃料電池2のアニオン交換膜10等の強度を考慮して、燃料電池の必要な耐久性を維持できる範囲で設定される。
図7は、実施の形態2のシステムにおいて制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図7のルーチンは、ステップS206、S210の制御において、燃料供給圧が所定の範囲で変動するように制御される点を除いて、図5のルーチンと同じものである。
具体的に、ステップS204において、燃料電池2の出力Aが第1基準値A1よりも小さいと判別された場合、燃料電池2の負荷が小さく、カソード触媒層14で水不足となっていると判断される。この場合、ステップS206において、燃料供給圧が、高圧力範囲(曲線(a))で周期的に変動するよう制御される。
同様に、ステップS208において、燃料電池2の出力Aが第2基準値A2よりも大きいと判断された場合、燃料電池2の負荷が大きく、カソード触媒層14でフラッディングが生じる状態であると予測される。従って、ステップS210において、燃料供給圧は、低圧力範囲(曲線(b))で周期的に変動するよう制御される。
このように、低負荷、高負荷の場合に燃料供給圧を周期的に変動させることで、カソード触媒層14に移動する水分量を燃料電池2のカソード触媒層14の水分状態に応じて調整することができる。また、実施の形態2においては、燃料の脈動により、燃料をより効率的にアノード触媒層12全体に供給される。従って、例えば、燃料電池2が複数のセルが積層された構造と成っている場合には、特に下流側のセルのアノード触媒層12にまで燃料を行き渡らせることができ、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
なお、実施の形態2において、ステップS202が実行されることで、この発明の「負荷検出手段」が実現し、ステップS204又はS208が実行されることで「負荷判別手段」が実現し、ステップS206又はS210が実行されることで「制御手段」が実現する。
なお、実施の形態2においては、出力を検出することで、カソード触媒層14の状態を予測し、これによって燃料供給圧の圧力範囲を制御する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、実施の形態1と同様に、例えば、カソード触媒層14の水分を水の検知器によって直接検知したり、あるいは、pHメータ等によって検知したりすることで、この水分量に応じて制御するものであってもよい。
また、実施の形態2においては、第1基準値よりも小さい低出力の場合に、燃料供給圧を高圧力範囲に設定し、第2基準値よりも大きい高出力の場合に、燃料供給圧を低圧力範囲に設定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば燃料電池2の負荷が基準範囲外である場合に、ある一定の範囲で燃料供給圧を変動させるようにするものであってもよい。このように燃料供給圧が一定の範囲で変動することにより、カソード触媒層14側へ水が移動しやすい状態と、水が移動しにくく、アノード触媒層12側に引き戻されやすい状態とを繰り返すことができ、カソード触媒層14を適度な湿潤状態に保つことができる。また、燃料供給の脈動により、アノード触媒層12全体に燃料が行き渡りやすい状態とすることができる。
なお、実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
この発明の実施の形態1の燃料電池システムについて説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1において、燃料電池に供給する燃料供給圧を基準供給圧とした場合の燃料電池の状態を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1において、燃料電池に供給する燃料供給圧を所定の高圧力とした場合の燃料電池の状態を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1において、燃料電池に供給する燃料供給圧を所定の低圧力とした場合の燃料電池の状態を説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2における燃料供給圧の変動範囲について説明するための図である。 この発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
符号の説明
2 燃料電池
10 アニオン交換膜
12 アノード触媒層
14 カソード触媒層
16 拡散層
18 拡散層
20 集電板
22 燃料流路
24 集電板
26 空気流路
28 外部回路
30 出力モニタ
40 燃料導入口
42 燃料排出口
44 燃料供給系
46 燃料タンク
48、50 流路
52 レギュレータ
54 送液ポンプ
56 空気導入口
58 空気排出口
60 空気供給路
62 空気排出路
64 加湿器
66 温度センサ
70 制御装置

Claims (11)

  1. 電解質と、その両側に配置された一対の電極であるアノード極とカソード極とを備える燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料を供給するための燃料供給系と、
    前記燃料供給系から前記燃料電池に燃料を供給する際の燃料供給圧を調整する圧力調整手段と、
    前記カソード極の状態に応じて、前記圧力調整手段により前記燃料供給圧を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段と、
    前記負荷が、第1基準値より小さいか否かを判別する負荷判別手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記負荷が前記第1基準値よりも小さいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、該燃料電池の負荷が前記第1基準値以上である場合に設定される供給圧よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記負荷判別手段は、前記第1基準値よりも大きい値である第2基準値より、前記負荷が大きいか否かを判別し、
    前記制御手段は、前記負荷が前記第2基準値より大きいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、該燃料電池の負荷が前記第1基準値以上かつ前記第2基準値以下である場合に設定される供給圧よりも低くすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段と、
    前記負荷が、基準範囲外となっているか否かを判別する負荷判別手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記負荷が前記基準範囲外と判別された場合に、前記燃料供給圧を周期的に変動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記負荷判別手段は、前記負荷が前記基準範囲の下限値より小さいか否かを判別し、
    前記制御手段は、前記負荷が前記下限値より小さいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記負荷が前記基準範囲内の場合に設定される供給圧よりも高くなる範囲で、周期的に変動させることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記負荷判別手段は、前記負荷が前記基準範囲の上限値より大きいか否かを判別し、
    前記制御手段は、前記負荷が前記上限値より大きいと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記負荷が前記基準範囲内の場合に設定される供給圧よりも低くなる範囲で、周期的に変動させることを特徴とする請求項4または5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記カソード極の水分量を検知する水分検知手段と、
    前記水分量が、第1水分量より少ないか否かを判別する水分量判別手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記水分量が前記第1水分量よりも少ないと判別された場合に、前記燃料供給圧を、前記水分量が前記第1水分量以上である場合に設定される供給圧よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記水分量判別手段は、前記第1水分量より大きな値である第2水分量より、前記水分量が多いか否かを判別し、
    前記制御手段は、前記水分量が前記第2水分量より多いと判別された場合に、前記燃料供給圧を、該燃料電池の水分量が前記第1水分量以上かつ第2水分量以下である場合に設定される供給圧よりも低くすることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記カソード極の水分量を検知する水分検知手段と、
    前記水分量が、基準水分範囲外であるかを判別する水分量判別手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記水分量が前記基準水分範囲外と判別された場合に、前記燃料供給圧を周期的に変動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  10. 前記水分量判別手段は、前記水分量が前記基準水分範囲の下限値より少ないか否かを判別し、
    前記制御手段は、前記水分量が前記下限値より少ないと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記水分量が前記基準水分範囲内の場合に設定される供給圧よりも高くなる範囲で、周期的に変動させることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記水分量判別手段は、前記水分量が前記基準水分範囲の上限値より多いか否かを判別し、
    前記制御手段は、前記水分量が前記上限値より多いと判別された場合に、前記燃料供給圧を、その平均値が、前記水分量が前記基準水分範囲内の場合に設定される供給圧よりも低くなる範囲で、周期的に変動させることを特徴とする請求項9または10に記載の燃料電池システム。
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