JP2009258941A - 治験データ収集システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 個々の被験者についての治験データを自動的に収集して電子化する。
【解決手段】 被験者の歯に被せて口腔内装置10を装着する。治験の対象となる経口薬50の表面に、酸性もしくはアルカリ性を呈する材料層を形成しておく。口腔内装置10には、唾液のpHを測定するpHセンサが備わっており、経口薬50が口腔内に服用されたときのpHの変化により服薬の検出がなされる。服薬の検出結果は、無線で体外装置20へと伝達される。体外装置20では、経口薬50の服用を示す情報に、被験者の識別コードと検出時点を示すタイムコードとを付加することにより治験データが作成され、この治験データは、パケット通信網などを利用して製薬企業内の管理装置40へと送信される。多数の被験者からの治験データが、管理装置40内にデータベースとして自動的に収集される。
【選択図】図2

Description

本発明は、治験データ収集システムに関し、特に、経口薬を用いた治験を行う際に、個々の被験者についての治験データを自動的に収集するシステムに関する。
新薬開発の最終段階において、安全性を担保するために製薬企業に課された重要なプロセスが治験である。製薬企業は、治験に協力してくれる個々の被験者について、服薬状況や病態を示すデータを収集し、これらのデータに基づいて症例報告や有害事象報告を作成し、厚生労働省等の所轄機関に提出する必要がある。治験業務は、新薬が承認されるか否かの判定結果を左右する重要な業務であり、ミスや不正が生じないように、きわめて厳格な手順が義務づけられている。
具体的には、たとえば、いつ、誰が、どの薬を、どのような状況で服用したか、という被験者の服薬状況を示す様々な治験データを、漏れなく正確に記録しておく必要がある。このため、製薬企業は、通常、治験データを厳格に管理できるデータベースシステムを導入し、治験データをこのデータベースシステムに登録することにより、治験業務の円滑な遂行を図っている。
たとえば、下記の特許文献1には、複数のテーブルをもつデータベースシステムに治験データを登録し、自動的に修正履歴を保存できるようにし、不正な改竄などが行われないようにする技術が開示されている。また、下記の特許文献2には、治験データベースシステムへの入力漏れを防止するために、未入力項目についての入力操作を促す表示をディスプレイ画面上に行う技術が開示されている。更に、下記の特許文献3には、製薬企業用端末、病院用端末、治験データ管理センター用端末をネットワークで接続し、三者において、治験データのチェックおよび修正を可能にするシステムが開示されている。
特開2004−038593号公報 特開2005−173723号公報 特開2007−299150号公報
上述したように、治験データを厳格かつ正確に取り扱うため、これまで様々なデータベースシステムが開発され、運用されてきている。したがって、このようなシステムに、一旦、治験データが取り込まれてしまえば、その後は、厳格な管理下で正確な運用を図ることが可能であろう。しかしながら、このようなシステムに治験データを入力する作業は人手に負っているのが現状であり、この初期段階で、既に入力ミスや改竄が生じていると、その後、どんなに厳格で正確な運用が図られても意味がない。
実際、治験に協力してくれる個々の被験者から治験データを収集する作業は、極めて原始的な方法に頼っている。最も普及している方法は、個々の被験者に対して「おくすり手帳」と呼ばれている手帳を配布して、自己申告で記入してもらう方法である。この手帳には、被験者の氏名とともに、日時や薬名などを記入する欄が設けられており、被験者は、決められた時間に決められた薬を服用するとともに、その事実を手帳に記入する作業を行うよう指示される。通常、CRC(Clinical Research Coordinator)と呼ばれる担当者が、随時、被験者から手帳を提出してもらい、手帳の記入事項を治験データとしてデータベースシステムに入力する作業を行うことになる。
このように、現在、一般に行われている治験データの収集方法には、被験者による手作業とCRCによる手作業という2段階の人手によるプロセスが介在するため、厳格かつ正確な治験データを入力する作業が、必ずしも担保されていないという問題がある。
たとえば、被験者は、服用時に毎回手帳への記入を行うとは限らず、数日分をまとめて記入するような横着な行為を行う場合もあろう。このような場合、往々にして記憶違いなどによるミスが発生しやすい。あるいは、実際には服用するのを忘れてしまったのに、手帳には服用した旨の虚偽の記載をする場合もあろう。一方、CRCによる入力作業も完全とは言えない。通常、1人のCRCは複数の被験者を担当しており、各被験者が手帳に記入した事項の真偽を確認することは困難である。また、治験データの入力作業は、手書きの手帳を見ながら、端末装置に向かってキーボードなどを操作する作業になるため、誤入力が生じる可能性も十分ありうる。
そこで本発明は、個々の被験者についての治験データを自動的に収集し、電子化することが可能な治験データ収集システムを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、経口薬を用いた治験を行う際に、個々の被験者についての治験データを自動収集する機能をもった治験データ収集システムを、被験者の口腔内に取り付ける口腔内装置と、被験者が携帯可能な体外装置と、収集した治験データを蓄積して管理する管理装置と、によって構成し、
口腔内装置には、
被験者の歯に取り付けて装着する装着用器具と、
装着用器具によって口腔内に固定され、経口薬の服用を検出する口腔内検出器と、
装着用器具によって口腔内に固定され、口腔内検出器の検出結果を体外装置に無線で報知する無線報知器と、
を設け、
体外装置には、
無線報知器から報知された検出結果を受信する受信部と、
被験者の識別コードを記憶したメモリと、
受信部が受信した検出結果にメモリに記憶されている識別コードを添付したデータを、管理装置へ送信するデータ送信部と、
を設け、
管理装置には、
データ送信部から送信されてきたデータを収集するデータ収集部と、
データ収集部が収集したデータを、添付されている識別コードに基づいて分類して格納するデータ格納部と、
を設けるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
口腔内検出器が、唾液のpH値を測定するpHセンサと、測定されたpH値の変化が所定の服用条件に合致したときに経口薬の服用が行われたと判定する判定部と、を有するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
口腔内検出器内の判定部が、測定されたpH値の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定し、
無線報知器が、経口薬の服用および食事の摂取を示す検出結果を体外装置に無線で報知する機能を有し、
データ格納部が、経口薬の服用とともに食事の摂取を示すデータを格納するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第2の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
口腔内検出器内の判定部が、測定されたpH値の変化が所定の飲酒条件に合致したときに飲酒が行われたと判定し、
無線報知器が、経口薬の服用および飲酒を示す検出結果を体外装置に無線で報知する機能を有し、
データ格納部が、経口薬の服用とともに飲酒を示すデータを格納するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第1の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
口腔内検出器が、周囲の温度を測定する温度センサと、測定された温度の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定する判定部と、を有し、
無線報知器が、経口薬の服用および食事の摂取を示す検出結果を体外装置に無線で報知する機能を有し、
データ格納部が、経口薬の服用とともに食事の摂取を示すデータを格納するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第2〜第5の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
判定部を口腔内検出器内に設ける代わりに、体外装置内または管理装置内に設け、
口腔内検出器が、pHもしくは温度の測定値を、そのまま検出結果として、無線報知器を介して体外装置に報知し、
体外装置内または管理装置内に設けられた判定部によって、経口薬の服用、食事の摂取、もしくは飲酒の判定を行うようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第2〜第4の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
「唾液に溶けたときに酸性もしくはアルカリ性を呈する添加物」からなる層が表面に形成された「治験対象となる経口薬の錠剤」もしくは「治験対象となる経口薬を包含したカプセル」を更に用いるようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第2〜第4の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
「唾液に溶けたときに酸性もしくはアルカリ性を呈する添加物」を、治験対象となる経口薬の成分に混入させた混合物を更に用いるようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第1の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
治験対象となる経口薬に添付され、所定のID情報が書き込まれたRFタグを更に用いるようにし、
口腔内検出器が、RFタグからID情報を読み取るタグリーダと、「タグリーダが読み取ったID情報そのもの」もしくは「ID情報に基づいて選択された情報」を検出結果として出力するID認識部と、を有するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
データ送信部が、計時機能を有し、この計時機能を利用して、口腔内検出器による検出が行われた検出時を示すタイムコードを添付したデータを管理装置へ送信するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る治験データ収集システムにおいて、
データ収集部が、計時機能を有し、この計時機能を利用して、データの受け取りが行われた受取時を示すタイムコードを、当該データに添付するようにしたものである。
本発明に係る治験データ収集システムによれば、被験者の口腔内に取り付けられた口腔内装置により、経口薬の服用が検出され、この検出結果は、体外装置を仲介して管理装置内に収集される。したがって、個々の被験者についての治験データを自動的に収集し、電子化することが可能になる。これにより、治験データの誤入力を防ぐことができ、また、データ収集の迅速性を確保することができる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.システムの全体構成 >>>
図1は、本発明に係る治験データ収集システムの基本構成を示すブロック図である。このシステムは、経口薬を用いた治験を行う際に、個々の被験者についての治験データを自動収集するシステムであり、その主要な構成要素は、図示のとおり、被験者の口腔内に取り付ける口腔内装置10、被験者が携帯可能な体外装置20、収集した治験データを蓄積して管理する管理装置40である。体外装置20と管理装置40とは、通信網30を介して通信を行うことができる。
口腔内装置10は、被験者の口腔内に取り付けられる程度の小型の装置であり、装着用器具11、口腔内検出器12、無線報知器13を有している。装着用器具11は、被験者の歯に取り付けて装着する器具であり、口腔内検出器12および無線報知器13を口腔内に固定する機能を果たす。口腔内検出器12は、装着用器具11によって口腔内に固定され、被験者が経口薬を服用したことを検出する機能を有する。具体的な検出方法については後述する。無線報知器13は、装着用器具11によって口腔内に固定され、口腔内検出器12の検出結果を体外装置20に無線で報知する機能を有する。
一方、体外装置20は、被験者が携帯可能な装置であり、無線報知器13の無線を受信できる範囲内に配置する必要がある。図示のとおり、この体外装置20は、受信部21、メモリ22、データ送信部23を有している。受信部21は、無線報知器13から報知された検出結果を受信する機能を有する。図の破線は、この無線による情報伝達経路を示している。
メモリ22は、被験者の識別コードを記憶する機能を果たす。個々の被験者には、それぞれ固有の識別コードが付与されており、各被験者が所持する体外装置20内のメモリ22には、当該被験者に付与された識別コードが書き込まれることになる。メモリ22としては、書込可能な半導体不揮発性メモリ(フラッシュメモリなど)を用いるのが実用上最も好ましいが、識別コードを記憶することができるデバイスであれば、たとえば、ハードディスク装置などを用いてもかまわない。要するに、本願におけるメモリ22は、一般的な半導体メモリ素子に限定されるものではなく、データを記憶する機能をもっていれば、どのようなデバイスを用いてもかまわない。
データ送信部23は、受信部21が受信した検出結果にメモリ22に記憶されている識別コードを添付したデータを、通信網30を介して管理装置40へ送信する機能を果たす。特に、ここに示す実施形態では、データ送信部23は、計時機能を有しており、常に現時点の「年月日時分秒」を認識することができる。そして、この計時機能を利用して、口腔内検出器12による検出結果に、当該検出が行われた時間を示すタイムコードおよび上述した識別コードを添付した治験データを管理装置40へ送信する機能を果たす。
したがって、データ送信部23から管理装置40宛に送信される治験データは、「口腔内検出器12による検出結果」+「識別コード」+「タイムコード」という情報になり、「いつ・誰が・何をしたか」を特定することが可能な情報になる。
なお、データ送信部23の計時機能には、必要があれば、通信網30を利用して計時カウントの値を正確な時報に合致させる機能(たとえば、インターネットのタイムサーバにアクセスして、正確な時刻情報を取得する機能)をもたせておけばよい。もっとも、治験データには、通常、秒まで正確な計時を行う必要はないので、手動で時刻設定を行う機能を設けておき、たとえば、1ヶ月に1回だけ手動で時刻調整を行う程度でも十分である。
通信網30は、治験データを送信することができれば、どのような通信網を用いてもかまわない。たとえば、被験者が入院している状態であり、管理装置40もしくはその端末装置が当該病院内に設置されているような場合は、院内に敷設された専用回線を通信網30として利用することができる。ただ、実用上は、日常生活を営む被験者に対応できるようにするため、一般公衆通信網を利用するのが好ましい。
たとえば、携帯電話会社が運営するパケット通信網を利用すれば、携帯電話を利用できる場所であれば、どこでも、治験データをパケットデータとして送信することが可能である。具体的には、データ送信部23に、携帯電話用のパケット通信装置を組み込んでおけば、携帯電話用電子メールの添付ファイルとして、治験データを送信することができる。
あるいは、インターネットをそのまま通信網30として利用すれば、汎用性は更に高まる。データ送信部23に、IPプロトコルに対応したモバイル通信機能を組み込んでおけば、有線もしくは無線LANとの接続が可能な環境下であれば、世界中どこでも、インターネットを利用して治験データの送信が可能である。最近は、駅、空港、商業ビル、病棟、ホテル、レストラン、更には個々の家庭にも、無線LANアクセスポイントが普及してきているので、今後は、無線LANを介してインターネット経由で管理装置40へ送信するのが最も実用的な方法になろう。
一方、管理装置40は、図示のとおり、データ収集部41とデータ格納部42によって構成されている。データ収集部41は、データ送信部23から通信網30経由で送信されてきたデータを収集する機能を果たす。たとえば、上述した例のように、インターネットを介してIPプロトコルで治験データが送信されてくる場合は、データ収集部41は、Webサーバやメールサーバで構成しておけばよい。
データ格納部42は、データ収集部41が収集したデータを、添付されている識別コードに基づいて分類して格納する機能を果たす。具体的には、データベースサーバによってデータ格納部42を構成し、管理装置40全体が治験データのデータベースシステムとして機能するようにすればよい。ここに示す実施形態の場合、送信されてくる治験データは、「検出結果」+「識別コード」+「タイムコード」という情報になるので、まず、「識別コード」ごとにファイルを作成し、個々のファイル内に、「タイムコード」順に治験データを登録するようにしている。
図1のデータ格納部42内には、「C1001」という識別コードについて1つのファイルが作成された例が示されている。このファイルには、「C1001」という識別コードが付与された特定の被験者用の体外装置から送信されてきた治験データが逐次記録されることになる。こうして、データ格納部42内には、多数の被験者についての治験データが、個々の被験者ごとに分類して格納される。もちろん、図示の例はあくまでも一例であり、治験データをどのようなフォーマットで格納するかは、システムの運用形態に応じて適宜決定されるべき事項である。
<<< §2.システムの基本動作 >>>
続いて、図1に示すシステムの基本動作を説明する。図2は、被験者に、図1に示す口腔内装置10および体外装置20を装着した状態を示す斜視図である。前述したとおり、口腔内装置10は被験者の歯に装着される。一方、体外装置20は、口腔内装置10からの無線を受信できる位置に配置しておけばよいが、ここに示す実施例では、体外装置20の筐体を、被験者の首からペンダントのようにぶら下げる形態にしている。
被験者が治験対象となる経口薬50を口内に服用すると(図の矢印A)、口腔内装置10によって、この服用行為が検出され、体外装置20に報知される。具体的には、口腔内検出器12によって、口腔内に経口薬50が投入されたことが検出され、無線報知器13によって、当該検出結果が無線で体外装置20へ向けて送信される(図の矢印B)。この検出結果は、体外装置20内の受信部21で受信され、識別コードおよびタイムコードが付加された上で、治験データとして、データ送信部23から管理装置40へ向けて送信されることになる(図の矢印C)。
図3は、口腔内装置10を被験者の歯61および歯茎62に装着した状態を示す側断面図である。装着用器具11は、被験者の歯61および歯茎62に被せて装着するのに適した形状を有する器具であり、たとえば、樹脂を成形して作成することができる。図では、1本の歯に被せた状態が示されているが、必要に応じて、隣接する複数本の歯に渡るような装着用器具11を用いてもかまわない。また、図では歯茎62まで覆うような形態の器具が示されているが、十分な固定が可能であれば、歯61のみを覆う形態の器具でもかまわない。このような装着用器具11は、義歯などの歯科技術を利用して容易に作成することが可能である。
なお、装着用器具11は、必ずしも歯に被せる形態をとる必要はなく、たとえば、歯科矯正用の鎖など、何らかの形で歯に取り付けて装着できるものであれば、この他の形態をとってもかまわない。要するに、口腔内検出器12および無線報知器13を口腔内に固定する機能を果たすことができれば、装着用器具11の形態は問わない。
図3に示す実施例では、歯61および歯茎62に被せて装着するタイプの樹脂製の装着用器具11を用いており、その内側にICチップ15が固定されている。このICチップ15は、1辺が10mm程度、厚みが数mm程度の薄型半導体であり、図1のブロック図に示されている口腔内検出器12および無線報知器13の機能を果たす半導体集積回路が組み込まれている。ここに示す実施例の場合、ICチップ15は電池を内蔵しており、この内蔵電池からのエネルギー供給によって動作する(内蔵電池を組み込まずに、体外装置20からの電磁エネルギーの供給を受けて動作させることも可能である)。
ICチップ15に組み込む内蔵電池としては、人体埋め込み用に開発されたリチウムイオン電池などを利用するのが好ましい。歯に装着されるICチップ15の容量には限界があるため、内蔵電池によってそれほど大きな電力供給を行うことはできないが、口腔内検出器12および無線報知器13としての機能に必要な消費電力を賄う程度の電力供給は可能である。たとえば、上記寸法のICチップ15に組み込める市販のリチウムイオン電池として、容量が10mWh程度(エネルギーにして、およそ36J)のものが入手可能であり、5秒おきに無線報知器13による報知動作を継続する程度であれば、十分な電力を賄うことができる。
もっとも、このような省電力が必要な環境では、無線報知器13には、それほど大きな無線出力を期待することはできないので、実用上は、口腔内装置10と体外装置20との距離をできるだけ短くするような運用形態が望ましい。図2に示す実施例において、体外装置20の筐体を、被験者の首からペンダントのようにぶら下げる形態にしているのは、無線距離をできるだけ短くするための配慮である。この他、体外装置20をイヤリングのように耳に装着するタイプにしても、無線距離を短くする効果が得られる。もちろん、体外装置20は、無線報知器13からの電波を受信可能であれば、胸ポケット、腰のベルトなど、様々な箇所に装着してかまわない。無線報知器13から、ある程度強力な電波出力が可能であれば、被験者の身体から離れた位置に設置してもよい。
口腔内装置10から体外装置20に対しては、所定の時間間隔で(たとえば、5秒おきに)、検出結果(服薬の有無)が無線で報知されるようにする。体外装置20内のデータ送信部23は、当該検出結果を、逐一、管理装置40へと送信することも可能であるが、実用上は、無駄な通信を防ぐため、経口薬50の服用を示す検出結果が得られたときにのみ、当該検出結果を管理装置40へと送信すればよい。あるいは、口腔内装置10から体外装置20に対しての定期的な報知を省略し、服薬検出がなされたときにのみ、報知が行われるようにしてもよい。
かくして、本発明に係る治験データ収集システムを利用すれば、個々の被験者についての治験データを自動的に収集し、電子化することが可能になる。被験者は、経口薬の服用に際して、手帳などへの記帳を行う必要がなくなり、人手による治験データの入力作業も不要になる。したがって、従来のような入力ミスの発生が抑制され、また、服薬を行うと、その事実がほとんどリアルタイムで管理装置40側へと伝達されるため、きわめて迅速な治験データの収集が可能になる。
<<< §3.pHセンサを利用した実施例 >>>
続いて、口腔内検出器12として、pHセンサを利用した実施例を述べる。口腔内検出器12は、経口薬50の服用を検出するセンサであれば、どのようなセンサを用いて実現してもかまわないが、本願発明者が最も好ましい実施例と考えているのは、pHセンサを用いた実施例である。
図4は、pHセンサを有する口腔内検出器12の構成を示すブロック図である。図示のとおり、この実施例の口腔内検出器12は、pHセンサ12Aと、判定部12Bとによって構成されている。pHセンサ12Aは、唾液のpH値を測定する機能をもったセンサであり、図示のとおり、2枚の電極E1,E2を備えている。この2枚の電極E1,E2は、測定時には唾液に触れている必要があるので、装着用器具11によって、唾液と接触しやすい場所に固定されるようにする。
図3には、2枚の電極E1,E2を、樹脂製の装着用器具11の表面に取り付けた例が示されている。両電極E1,E2からICチップ15へは、装着用器具11に形成されたスルーホールを介して配線が施されている。図4に示すように、pHセンサ12Aの本体部はICチップ15内に形成されている。pHセンサは、pHの測定対象となる溶液に2枚の電極を浸潤させ、溶液中の水素イオンの活性化の度合いに伴って両電極間に誘起する電位差に基づいて、溶液のpH値を測定するセンサである。このようなpHセンサは、既に種々のタイプのものが市販されている公知のセンサであるので、ここではその具体的な構成や動作原理等の詳しい説明は省略する。
図3に示す例では、図の右側が唇側、図の左側が咽喉側となっており、ICチップ15および電極E1,E2は、前歯の裏側に固定された状態となっている。図示の電極E1,E2の位置(前歯の裏側の歯茎位置)は、舌先が頻繁に接触する位置であるので、通常は、唾液によって湿潤状態にある。したがって、両電極間の電位差を測定することにより、唾液のpH値を得ることができる。
pHセンサ12Aは、あくまでも唾液のpH値を測定するためのセンサであり、経口薬50の服用自体を検出する機能はもっていない。そこで、図4に示すように、ICチップ15内に判定部12Bが設けられている。この判定部12Bの実体は、半導体集積回路であるが、pHセンサ12Aによって測定されたpH値の変化が所定の判定条件(経口薬の服用が行われたと判断するために予め定められた条件)に合致したときに経口薬の服用が行われたと判定する機能を有している。
判定部12Bの判定に用いられる条件(以下、服用条件という)は、治験対象となる経口薬50の種類や、被験者の生活環境を考慮して設定される。たとえば、被験者が栄養の経口摂取を行うことができない患者である場合、服用条件の設定は比較的容易である。すなわち、治験対象となる経口薬50を実際に服用したときに、唾液のpH値がどのように変化するかを予め調べておき、そのときのpH値の変化パターンを服用条件を示す標準パターンとして判定部12B内に組み込んでおけばよい。判定部12Bは、pHセンサ12Aによって測定されたpH値の変化パターンが、上記標準パターンと合致した場合に、服用が行われたとの判定を下せばよい。
具体的には、経口薬が、唾液に溶けたときにpH5程度の酸性を示す成分を含んでいる場合には、たとえば、「pH値が5.5以下になる」という単純な変化パターンを標準パターンとして設定しておけば、測定されたpH値と5.5との大小関係を判断するだけで、当該経口薬50の服用判定が可能になる。あるいは、経口薬によっては、唾液のpH値をより複雑に変化させる成分が含まれている場合もある。たとえば、唾液に溶けた瞬間にはpH値は10へと上がり、その後、徐々に低下し、3分後には唾液のpH値は7になる、という特性をもつ成分が含まれている場合には、そのようなpH値の固有の変化パターンを標準パターンとして判定部12B内に組み込んでおけばよい。
もっとも、治験対象となる経口薬が、必ずしも唾液に溶けたときに特有のpH変化を生じる成分を含んでいるとは限らない。また、図2に示す経口薬50の例のように、薬剤がカプセルに収容されている場合や、固形の錠剤の形態をとる場合には、唾液にpH変化を生じさせることができないケースもありうる。そのような場合には、意図的に、pH変化を生じさせる材料を添加しておくようにすればよい。
たとえば、「唾液に溶けたときに酸性もしくはアルカリ性を呈する添加物」からなる層を、「治験対象となる経口薬の錠剤」の表面や、「治験対象となる経口薬を包含したカプセル」の表面に形成しておけば、たとえ治験対象となる薬自身にpH変化を生じさせる成分が含まれていなかったとしても、被験者が服薬したときに、錠剤やカプセルの表面に形成された添加物層が唾液に溶け出し、pH変化を生じさせることができる。判定部12Bには、このような添加物の溶解によって生じるpH変化のパターンを標準パターンとして組み込んでおけばよい。
また、粉状や液状の経口薬の場合であれば、「唾液に溶けたときに酸性もしくはアルカリ性を呈する添加物」を、治験対象となる経口薬の成分そのものに混入させた混合物を、被験者に経口薬として提供すればよい。混入した添加物は、本来の薬の有効成分としての機能はもたず、単に、pHセンサによる検出の用に供されるためだけに利用されることになる。
もちろん、このような添加物を利用する実施形態では、人体に無害であり、かつ、治験に影響を与えることのない物質を添加物として採用する必要がある。また、複数の経口薬を用いた治験を行う場合には、個々の薬ごとに、異なる添加物を用いることにより、どの薬を服用したかという情報まで得ることが可能である。たとえば、第1の経口薬には酸性を呈する添加物を付加し、第2の経口薬にはアルカリ性を呈する添加物を付加しておくようにすれば、pHセンサの測定値に応じて、いずれの経口薬の服用が行われたかを識別することができる。
なお、被験者が栄養の経口摂取を行う通常の生活を営む者の場合、判定部12Bの判定に用いられる条件は、若干複雑になる。すなわち、被験者が食事をすると、唾液のpH値は摂取した食物のpH値に大きく影響されることになるので、当然、pHセンサ12Aは、このような食事に基づくpH値の変動をそのまま検出することになる。したがって、判定部12Bは、pHセンサ12Aが測定したpH値の変動が、食事に起因するものなのか、服薬に起因するものなのかを判定する必要がある。そのためには、服薬したときのpH値変化の標準パターン(服用条件)をより正確に定義しておき、得られたpH値の変化パターンが、この服用条件に合致するか否かを、より厳密に判定すればよい。
一般に、経口薬を服用する行為は、数秒〜数十秒程度で完了するものであるのに対し、食事を摂取する行為は、通常、数分〜数十分の時間を要するものである。したがって、経口薬を服用したときのpH値の変化を示す標準パターン(服用条件)と、食事を摂取したときのpH値の変化を示す標準パターン(食事条件)とを判定部12B内に格納しておけば、判定部12Bは、測定されたpH値の変化が所定の服用条件に合致したときに経口薬の服用が行われたと判定し、測定されたpH値の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定することができる。
もちろん、食事をしたときのpH値の変化は、摂取した食物の種類に依存するため、具体的なpH値の時間変化を示す標準パターンを定義することは困難であるが、たとえば、「6.5〜7.5の範囲内から逸脱するpH値が5分以上にわたって継続もしくは断続する」というパターンを食事条件として設定すれば、ある程度正確な食事判定を行うことが可能である。
また、酒類を摂取した場合、唾液のpH値に固有の変化が生じるので、pHセンサ12Aの測定値に基づいて、飲酒行為があった旨の判定を行うことも可能である。具体的には、飲酒した場合、唾液のpH値は4〜5程度の範囲に変化するので、たとえば、「4〜5の範囲内のpH値が5分以上にわたって継続もしくは断続する」というパターンを飲酒条件として設定すれば、判定部12Bによって飲酒が行われたことを検出することが可能になる。
本発明で取り扱う治験データの最も重要な構成要素は、「いつ・誰が・どの薬を服用したか」を特定する情報であり、これらの情報を示す治験データとして、前述したとおり、「口腔内検出器12による検出結果」+「識別コード」+「タイムコード」という情報を管理装置40へ送信している。ただ、これ以外にも、たとえば、被験者が食事や飲酒を行った事実も、有用な治験データのひとつになる。
通常、服薬は食前30分前とか、食後30分後といったように、食事の時間を基準に指定されることが多い。そこで、被験者の服薬を検出するとともに、被験者の食事を検出し、これらの検出結果をすべて管理装置40側へと送信することにすれば、管理装置40内のデータ格納部42には、服薬のデータだけでなく、食事のデータも、タイムコードとともに格納されることになるので、正しい時間帯に薬の服用が行われていたか否かを解析することが可能になる。
また、治験に協力する被験者には、禁酒・禁煙などの禁忌事項が課せられることが少なくない。上述したように、pHセンサを利用すると、飲酒行為を判定することも可能であるから、被験者の服薬を検出するとともに、被験者の飲酒を検出し、これらの検出結果をすべて管理装置40側へと送信することにすれば、管理装置40内のデータ格納部42には、服薬のデータだけでなく、飲酒のデータも、タイムコードとともに格納されることになるので、禁忌事項が守られていたか否かをチェックすることが可能になる。
結局、食事の摂取を含めた解析を行いたい場合には、判定部12Bが、測定されたpH値の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定するようにし、無線報知器13が、経口薬の服用および食事の摂取を示す検出結果を体外装置20に無線で報知する機能を果たすようにし、データ格納部42が、経口薬の服用とともに食事の摂取を示すデータを格納するようにすればよい。
同様に、飲酒を含めた解析を行いたい場合には、判定部12Bが、測定されたpH値の変化が所定の飲酒条件に合致したときに飲酒が行われたと判定するようにし、無線報知器13が、経口薬の服用および飲酒を示す検出結果を体外装置20に無線で報知する機能を果たすようにし、データ格納部42が、経口薬の服用とともに飲酒を示すデータを格納するようにすればよい。
<<< §4.RFタグを利用した実施例 >>>
上述した§3では、口腔内検出器12としてpHセンサを利用した実施例を述べたが、ここでは、RFタグ(ICタグ)を利用した実施例を述べる。RFタグは、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる技術に利用される小型のICデバイスであり、タグリーダと無線交信する機能をもっている。特に、最近は、タグリーダからの電波をエネルギー源として動作するパッシブ型のタブとして、非常に小型かつ安価なものが提供されている。また、ボールセミコンと呼ばれている球形の微小な半導体素子が実用段階に入ってきており、このボールセミコンを利用してRFタグを製造すれば、粒子状のRFタグを実現することができる。RFタグには、任意のデジタルデータを書き込んでおくことが可能であり、タグリーダを用いて、このデジタルデータを読み出すことができる。
図5は、RFタグ用のタグリーダを有する口腔内検出器12の構成を示すブロック図である。図示のとおり、この実施例の口腔内検出器12は、タグリーダ12Cと、ID認識部12Dとによって構成されている。この実施例の場合も、口腔内検出器12は、無線報知器13とともにICチップ15上に形成されており、図3に示す例のように、装着用器具11によって被験者の歯に取り付けられている。したがって、タグリーダ12CおよびID認識部12Dは、ICチップ15上に半導体集積回路として形成されていることになる。
一方、治験対象となる経口薬には、所定のID情報が書き込まれたRFタグが添付されている。図5に示す例の場合、経口薬50は、容器としての役割を果たすカプセル51(胃の中で溶解する)と、このカプセル51の中に充填された薬剤本体52と、カプセル51の一部に埋め込まれたRFタグ53によって構成されている。RFタグ53は、上述したボールセミコンを利用したタグであり、現在の技術では、直径が50μm程度のものまで製造が可能である。したがって、カプセル51とともに呑み込んでも便として排出されるため、人体には全く影響を与えない。なお、RFタグ53は必ずしもカプセル51に取り付ける必要はなく、薬剤本体52に混入させてもかまわない。経口薬がカプセルではなく、固形錠剤、粉体、液体などで用意されている場合にも、RFタグ53をこれらに混入させるようにすればよい。
口腔内検出器12内には、前述したように、リチウムイオン電池などのエネルギー源が内蔵されており、ICチップ15上の各構成要素は、このエネルギー源からの電力によって動作する。まず、タグリーダ12Cは、RFタグ53からID情報を読み取る働きをする。そのために、タグリーダ12Cは情報読み取り用の電波を発する機能を有しているが、その電波の強度は、口腔内に投入され咽喉部へと通過するRFタグ53からID情報を読み取るためには十分であるが、口腔外にあるRFタグ53からID情報を読み取るためには不十分であるようなレベルに設定されている(実用上は、空気中で距離20mm以内の範囲に入るRFタグに対する読み取りが可能な程度のレベルに設定しておけばよい)。
したがって、RFタグ53内のID情報は、経口薬50を服用した場合には、タグリーダ12Cによって読み取られるが、それ以外の一般的な状況下では、読み取られることはない。結局、タグリーダ12Cが何らかのID情報を読み取り、かつ、当該ID情報が、治験対象となる経口薬に添付したRFタグに書き込んでおいたID情報と一致した場合には、当該経口薬の服用が行われたものと判定することができる。
このような判定を行うために、ID認識部12Dが設けられている。ID認識部12Dは、タグリーダ12CがID情報の読み取りを行うたびに、当該ID情報が、治験対象となる経口薬についてのID情報に一致するか否かを判定し、一致した場合には、当該経口薬の服用を示す検出結果を出力する機能を果たす。当該検出結果は、前述したとおり、無線報知器13によって体外装置20へと報知されることになる。
RFタグ53には、任意のID情報を書き込むことが可能であるから、複数種類の経口薬を用いた治験を行う場合にも容易に対応することができる。すなわち、複数種類の経口薬には、それぞれ異なるID情報を書き込んだRFタグを添付しておくようにし、個々のID情報を示すリストをID認識部12Dに用意しておくようにすれば、ID認識部12Dは、タグリーダ12CがID情報の読み取りを行うたびに、このリストを参照して、当該ID情報がどの経口薬についてのID情報であるかを認識することができるので、服用された薬を特定することができる情報(たとえば、薬品名)を検出結果として出力することができる。当該検出結果は、前述したとおり、無線報知器13によって体外装置20へと報知されることになる。
あるいは、ID認識部12Dの処理負担を軽減する上では、タグリーダ12Cが読み取った「ID情報そのもの」をそのまま検出結果として出力するようにしてもかまわない。この場合、ID認識部12Dは、タグリーダ12Cの読み取り結果を、そのまま無線報知器13へと仲介する役割を果たすだけである。
結局、ID認識部12Dは、タグリーダ12Cが読み取った「ID情報そのもの」を検出結果として出力してもよいし、タグリーダ12Cが読み取ったID情報に基づいて選択された何らかの情報(たとえば、読み取ったID情報が特定の経口薬に添付されているID情報に一致するか否かを示す情報や、読み取ったID情報に基づいてリストを参照することによって得られる薬品名など)を検出結果として出力してもよい。
<<< §5.その他の変形例 >>>
以上、本発明をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、この他にも様々な形態で実施可能である。以下、いくつかの変形例を例示しておく。
(1) 温度センサを併用する変形例
§3では、口腔内検出器12として、pHセンサを用いると、被験者の食事を検出することが可能になる実施例を述べたが、食事の検出は、温度センサを用いて行うことも可能である。すなわち、口腔内検出器12に、周囲の温度を測定する温度センサと、測定された温度の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定する判定部と、を設けておき、無線報知器13が、経口薬の服用とともに、食事の摂取を示す検出結果を体外装置に無線で報知するようにしておけば、データ格納部42に、経口薬の服用とともに食事の摂取を示すデータを格納することが可能になる。
一般に、食事中は、口腔内温度の変動が激しい。スープやみそ汁など、加熱した食材を摂取すれば温度は上昇し、冷水や冷菓を摂取すれば下降する。また、室温の食材を摂取した場合であっても、筋肉の咀嚼運動によって口腔内温度は通常よりも上昇した状態になる。したがって、ある程度の温度変動が測定された場合に、食事条件に合致したとの判定を行うようにしておけば、温度センサによる食事検出は比較的容易に行うことができる。このような食事検出の治験データが非常に有用であることは、既に述べたとおりである。
(2) その他のセンサを併用する変形例
また、アルコールセンサやニコチンセンサなど、他の様々なセンサを、口腔内検出器12内で併用すれば、飲酒や喫煙行為の検出も可能になる。このような内容の検出結果を治験データに含ませておけば、禁忌事項が守られていたか否かのチェックに役立てることができる。
(3) 口腔内検出器における判定機能を外部へ移す変形例
図4に示す例では、判定部12Bを口腔内検出器12内に設けているが、その代わりに、体外装置20内または管理装置40内に判定部を設けるようにしてもよい。その場合、pHセンサ12Aの測定値(あるいは、上述した変形例における温度センサ等の測定値)は、検出結果としてそのまま、無線報知器13を介して体外装置20へと報知されることになる。この場合は、体外装置20内もしくは管理装置40内に、各測定値に基づいて経口薬の服用、食事の摂取、もしくは飲酒の判定を行う判定部を設けるようにすればよい。
このように、口腔内検出器12における判定機能を外部へ移すと、口腔内検出器12の内部における処理負担は軽減されるので、ICチップ15の回路構成を単純化するメリットは得られる。ただ、pHセンサ12Aの測定値がどのような値であっても、逐次、これを所定周期で体外装置40へ報告する必要があるので、無線報知器13の消費電力を増大させる点ではデメリットになる。口腔内検出器12内に判定部12Bを設け、経口薬の服用と判定されたときにのみ、これを体外装置20へ報知する仕組にすれば、無線報知器13が無駄な電力消費を行うことを防ぐことができる。
(4) タイムコードの取り扱いについての変形例
図1に示す実施例では、体外装置20内のデータ送信部23において、治験データにタイムコードを付加するようにしているが、口腔内装置10に計時機能を組み込むことができれば、口腔内装置10内でタイムコードを付加するようにしてもかまわない。ただ、口腔内装置10は歯に装着される小型機器であるため、実用上は、タイムコードの付加機能を体外装置20側に設けておくのが好ましい。
あるいは、データ送信部23から送信された治験データが、管理装置40側に到着するまでのタイムラグが比較的小さい場合には、体外装置20側ではタイムコードの付加を省略し、計時機能をもった管理装置40側で治験データを受け取った時点で、当該受け取り時を示すタイムコードを付加するようにしても、実用上の問題は生じない。
(5) 治験データ送信過程でのセキュリティ対策
これまで述べた実施例では、体外装置20から管理装置40へ送信される治験データに対してのセキュリティ対策に関しては、何ら触れていないが、実用上は、必要に応じて、様々なセキュリティ対策を講じるのが好ましい。たとえば、データ送信部23に暗号化機能をもたせ、送信対象となる治験データを暗号化した上で送信を行い、データ収集部41に復号化機能をもたせ、受信した治験データを復号化した上でデータ格納部42に格納するようにすれば、送信過程でのセキュリティを強化することが可能になる。
また、必要に応じて、被験者の本人認証をより厳格に行うような工夫を盛り込むことも可能である。たとえば、これまで述べた実施例では、体外装置20内のメモリ22に、各被験者に付与した特定の識別コードを格納しておき、管理装置40側では、治験データに含まれていた識別コードにより、当該治験データが特定の被験者についてのデータであるものとして取り扱っている。しかしながら、図2や図3に示すような実施例の場合、被験者当人ではない別人が、口腔内装置10や体外装置20を装着した場合にも、支障なく動作してしまうことになる。このような身代わり治験を防ぐような対策が必要な場合には、たとえば、口腔内装置10や体外装置20を装着して機能させる際に、本人の指紋照合を必要とするなどの生体認証システムを組み込んでおけばよい。
本発明に係る治験データ収集システムの基本構成を示すブロック図である。 被験者に、図1に示す口腔内装置10および体外装置20を装着した状態を示す斜視図である。 口腔内装置10を被験者の歯に装着した状態を示す側断面図である。 pHセンサを有する口腔内検出器12の構成を示すブロック図である。 RFタグ用のタグリーダを有する口腔内検出器12の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10:口腔内装置
11:装着用器具
12:口腔内検出器
12A:pHセンサ
12B:判定部
12C:タグリーダ
12D:ID認識部
13:無線報知器
15:ICチップ
20:体外装置
21:受信部
22:メモリ
23:データ送信部
30:通信網
40:管理装置
41:データ収集部
42:データ格納部
50:経口薬
61:歯
62:歯茎
E1,E2:電極

Claims (11)

  1. 経口薬を用いた治験を行う際に、個々の被験者についての治験データを自動収集するシステムであって、
    被験者の口腔内に取り付ける口腔内装置と、被験者が携帯可能な体外装置と、収集した治験データを蓄積して管理する管理装置と、を備え、
    前記口腔内装置は、
    被験者の歯に取り付けて装着する装着用器具と、
    前記装着用器具によって口腔内に固定され、前記経口薬の服用を検出する口腔内検出器と、
    前記装着用器具によって口腔内に固定され、前記口腔内検出器の検出結果を前記体外装置に無線で報知する無線報知器と、
    を有しており、
    前記体外装置は、
    前記無線報知器から報知された検出結果を受信する受信部と、
    被験者の識別コードを記憶したメモリと、
    前記受信部が受信した検出結果に前記メモリに記憶されている識別コードを添付したデータを、前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
    を有しており、
    前記管理装置は、
    前記データ送信部から送信されてきたデータを収集するデータ収集部と、
    前記データ収集部が収集したデータを、添付されている識別コードに基づいて分類して格納するデータ格納部と、
    を有していることを特徴とする治験データ収集システム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    口腔内検出器が、唾液のpH値を測定するpHセンサと、測定されたpH値の変化が所定の服用条件に合致したときに経口薬の服用が行われたと判定する判定部と、を有することを特徴とする治験データ収集システム。
  3. 請求項2に記載のシステムにおいて、
    口腔内検出器内の判定部が、測定されたpH値の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定し、
    無線報知器が、経口薬の服用および食事の摂取を示す検出結果を体外装置に無線で報知する機能を有し、
    データ格納部が、経口薬の服用とともに食事の摂取を示すデータを格納することを特徴とする治験データ収集システム。
  4. 請求項2に記載のシステムにおいて、
    口腔内検出器内の判定部が、測定されたpH値の変化が所定の飲酒条件に合致したときに飲酒が行われたと判定し、
    無線報知器が、経口薬の服用および飲酒を示す検出結果を体外装置に無線で報知する機能を有し、
    データ格納部が、経口薬の服用とともに飲酒を示すデータを格納することを特徴とする治験データ収集システム。
  5. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    口腔内検出器が、周囲の温度を測定する温度センサと、測定された温度の変化が所定の食事条件に合致したときに食事が行われたと判定する判定部と、を有し、
    無線報知器が、経口薬の服用および食事の摂取を示す検出結果を体外装置に無線で報知する機能を有し、
    データ格納部が、経口薬の服用とともに食事の摂取を示すデータを格納することを特徴とする治験データ収集システム。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載のシステムにおいて、
    判定部を口腔内検出器内に設ける代わりに、体外装置内または管理装置内に設け、
    口腔内検出器が、pHもしくは温度の測定値を、そのまま検出結果として、無線報知器を介して体外装置に報知し、
    体外装置内または管理装置内に設けられた判定部によって、経口薬の服用、食事の摂取、もしくは飲酒の判定を行うことを特徴とする治験データ収集システム。
  7. 請求項2〜4のいずれかに記載のシステムにおいて、
    「唾液に溶けたときに酸性もしくはアルカリ性を呈する添加物」からなる層が表面に形成された「治験対象となる経口薬の錠剤」もしくは「治験対象となる経口薬を包含したカプセル」を更に備えることを特徴とする治験データ収集システム。
  8. 請求項2〜4のいずれかに記載のシステムにおいて、
    「唾液に溶けたときに酸性もしくはアルカリ性を呈する添加物」を、治験対象となる経口薬の成分に混入させた混合物を更に備えることを特徴とする治験データ収集システム。
  9. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    治験対象となる経口薬に添付され、所定のID情報が書き込まれたRFタグを更に備え、
    口腔内検出器が、前記RFタグから前記ID情報を読み取るタグリーダと、「前記タグリーダが読み取った前記ID情報そのもの」もしくは「前記ID情報に基づいて選択された情報」を検出結果として出力するID認識部と、を有することを特徴とする治験データ収集システム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のシステムにおいて、
    データ送信部が、計時機能を有し、この計時機能を利用して、口腔内検出器による検出が行われた検出時を示すタイムコードを添付したデータを管理装置へ送信することを特徴とする治験データ収集システム。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のシステムにおいて、
    データ収集部が、計時機能を有し、この計時機能を利用して、データの受け取りが行われた受取時を示すタイムコードを、当該データに添付することを特徴とする治験データ収集システム。
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