JP2009256156A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直胴部の育成過程で有転位化が生じても、シリコン単結晶の破断や破裂を防止できるシリコン単結晶の育成方法を提供する。
【解決手段】CZ法によるシリコン単結晶9の育成の際、ショルダー部9aを形成した後の直胴部9bの育成過程で有転位化が生じたとき、直ちにルツボ2を加熱するためのヒータ4の出力を瞬時に大幅に上げてテイル部9cの形成を行い、テイル部9cの形成長さを短くしてシリコン単結晶9をルツボ2内のシリコン融液6から切り離す。これにより、有転位化の発生位置Dからテイル部9cの下端までの長さLが短くでき、シリコン単結晶9内に残留する熱応力の緩和が図れ、シリコン単結晶9の破断や破裂を引き起こす亀裂の発生を防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によりルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げて育成する方法に関し、特に、シリコン単結晶の直胴部の育成過程で有転位化が生じたときのシリコン単結晶の育成方法に関する。
半導体材料のシリコンウェーハの素材であるシリコン単結晶の製造には、CZ法による単結晶育成方法が広く採用されている。このCZ法によるシリコン単結晶の育成は、一般に、以下のように行われる。減圧雰囲気にされた引き上げ装置内において、石英ルツボ内に充填された多結晶シリコン原料を、石英ルツボを囲繞するヒータにより加熱し溶融させる。石英ルツボ内にシリコン融液が形成されると、石英ルツボの上方に吊り下げられた種結晶を下降させシリコン融液に浸漬する。この状態から種結晶および石英ルツボを所定の方向に回転させながら種結晶を徐々に引き上げ、これにより、種結晶の下方にシリコン単結晶が育成される。
また、近年では、COPや転位クラスターといったGrown−in欠陥のないシリコン単結晶を効率良く育成するため、ルツボの上方に、引き上げ中のシリコン単結晶の周囲を囲繞する熱遮蔽体を備えるとともに、この熱遮蔽体の内側でその単結晶の周囲を囲繞する水冷体を備えた引き上げ装置が多く用いられる(例えば、特許文献1、2参照)。
シリコン単結晶の育成では、種結晶の直下に形成されたネック部から所望の直径まで逐次直径を増加させた円錐状のショルダー部が形成され、次いで、シリコンウェーハ用に製品として取り扱われる所望の直径の直胴部が形成され、さらに、育成の最終段階で転位の導入を防止するために直胴部から逐次直径を減少させた逆円錐状のテイル部が形成され、テイル部の下端でシリコン単結晶がシリコン融液から切り離される。そして、シリコン単結晶を引き上げた後の石英ルツボ内には、結晶化されなかったシリコン融液が残存する。
このとき、石英ルツボ内に残存するシリコン融液(以下、「残存融液」という)が多量であると、シリコンと石英ルツボの熱膨張係数の差異に起因して、その後に表面から固化する残存融液の凝固膨張により、石英ルツボが割損したり、石英ルツボを収容するカーボンルツボやその外側に配置されるヒータなどが損傷するおそれがある。このため、実操業では、石英ルツボ内の残存融液が極力少量となるように、シリコン単結晶の育成が行われる(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−128589号公報 特開2001−220289号公報 特開平5−70280号公報(段落[0004]〜[0005])
ところで、シリコン単結晶の育成では、結晶中に異物が混入したり、引き上げ操作パラメータの制御不良などに起因して、有転位化を生じることがある。
一般的に、育成中のシリコン単結晶に有転位化を生じた場合、有転位化が発生した以降の結晶部位は多結晶化することが知られており、また、有転位化が発生した部位から上方の有転位化していない結晶部位に向けてスリップ転位が伸展し、その伸展長さは概ね引き上げるシリコン単結晶の直径長さまで伸展することが知られている。このため、通常、有転位化していないシリコン単結晶をテイル絞りする際は、テイル絞り時に有転位化が発生する場合を想定して、引き上げる単結晶直径以上の長さを有するテイル部の形成が行われている。
一方、育成中の単結晶に有転位化が発生した場合は、それまでに育成した健全な結晶部位(直胴部)を生かすとともに、上述した石英ルツボの割損やカーボンルツボなどの損傷を防止するため、有転位化発生後も単結晶の育成を継続し、石英ルツボ内の残存融液が極力少量となるようにシリコン単結晶を育成することが行われている。
ところが、有転位化したシリコン単結晶は、引き上げ装置内での引き上げ時、引き上げ装置からの取り出し時、または切断加工時に、有転位化の発生により生じたスリップ転位伸展領域、および有転位化が発生した以降の多結晶化部位に亀裂が発生しやすく、特にスリップ転位伸展部位に亀裂が発生しやすい。これは、これらの結晶部位は正常な単結晶部位に比べて強度が低く、水冷体による急冷を受けることにより結晶中の残留応力が大きくなっていることによるものと考えられる。亀裂の発生したシリコン単結晶は、亀裂の進展により破断したり破裂し、重大事故を引き起こすという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、直胴部の育成過程で有転位化が生じても、引き上げ装置内での引き上げ時、引き上げ装置からの取り出し時、または切断加工時にシリコン単結晶の破断や破裂を防止できるシリコン単結晶の育成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、シリコン単結晶の育成状況を詳細に検討し、その結果、従来の操業と異なり、直胴部で有転位化が発生した場合に、直ちにテイル部の形成に移行し、テイル部を短く形成してシリコン融液から切り離せば、有転位化が発生したシリコン単結晶には亀裂は発生せず、シリコン単結晶の破断や破裂の防止に有効であることを知見した。
本発明は、このような知見に基づくものであり、CZ法によるシリコン単結晶の育成方法において、シリコン単結晶の直胴部の育成過程で有転位化が生じたとき、直ちにテイル部の形成を行い、テイル部の形成長さを短くしてシリコン単結晶をルツボ内のシリコン融液から切り離すことを特徴とする。
ここでいう「有転位化が生じたとき」とは、育成中の単結晶を目視または光学的に監視して有転位化を見い出したとき、例えば、実操業で育成中の単結晶に発生する晶癖線を監視する場合、その晶癖線に多結晶化に伴う消失が認められたときなどを意味する。さらに、「直ちに」とは、単結晶育成中の監視で有転位化を見い出すと直ぐにということを意味する。
このとき、前記直胴部における有転位化の発生位置から前記テイル部の下端までの長さを100mm以下にすることが好ましい。また、前記テイル部の形状を先窄まり形状とすることが好ましい。これにより、テイル部の総量を可及的に低減することができ、シリコン単結晶への亀裂の発生を防止することができる。また、前記テイル部の形成は、前記ルツボを加熱するヒータの出力を高めることにより前記シリコン融液の温度を上昇させ、引き上げ速度の上昇量を抑制しながら行うことが好ましい。なお、本発明では、既に有転位化したシリコン単結晶をテイル絞りするものであることから、テイル絞り時の有転位化発生を考慮する必要はなく、テイル部の長さを短くしても何も問題は生じない。
特に、このような構成は、引き上げ中のシリコン単結晶を、これを囲繞するように配置された水冷体により冷却する単結晶育成に用いることができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、シリコン単結晶内に残留する熱応力の緩和が図れ、シリコン単結晶への亀裂の発生を防止できる。その結果、シリコン単結晶の破断や破裂を防止することが可能になる。
以下に、本発明のシリコン単結晶の育成方法について、その一実施形態を詳述する。
図1は、本発明の一実施形態であるシリコン単結晶の育成方法が適用される引き上げ装置の構成を示す縦断面図である。同図に示すように、引き上げ装置の外郭を構成するチャンバ1の内部には、その中心部にルツボ2が配置されている。ルツボ2は二重構造になっており、内側の石英ルツボ2aと、その外側に嵌合される黒鉛ルツボ2bとから構成される。このルツボ2は、支持軸3の上端部に黒鉛ルツボ2bを固定され、その支持軸3の回転駆動、昇降駆動に従って、周方向に回転したり軸方向に昇降する。
ルツボ2の外側には、ルツボ2を囲繞する抵抗加熱式のヒータ4が配置され、そのさらに外側には、チャンバ1の内面に沿って保温筒5が配置されている。ヒータ4はルツボ2内に充填された多結晶シリコン原料を溶融させ、これにより、ルツボ2内にシリコン融液6が形成される。
一方、ルツボ2の上方には、引き上げ軸としてのワイヤ7が吊り下げられている。ワイヤ7は、チャンバ1の上端部に設けられた図示しない引き上げ機構により回転駆動されるとともに、軸方向に昇降駆動される。ワイヤ7の下端部には、種結晶8が取り付けられている。種結晶8をルツボ2内のシリコン融液6に浸漬し、その種結晶8を回転させながら徐々に上昇させるべくワイヤ7を駆動することにより、種結晶8の下方にシリコン単結晶9が育成される。
また、ルツボ2の上方には、引き上げ中のシリコン単結晶9の周囲を囲繞する円筒状の黒鉛製の熱遮蔽体10が設けられている。この熱遮蔽体10は、内部に断熱材を備え、引き上げ中のシリコン単結晶9に対し、ルツボ2内のシリコン融液6やヒータ4からの輻射熱を遮断する役割を担う。
熱遮蔽体10の下部の内側には、引き上げ中のシリコン単結晶9の周囲を囲繞する円筒状の水冷体11が設けられている。水冷体11は、例えば、銅などの熱伝導性の良好な金属からなり、内部に流通される冷却水により強制的に冷却される。この水冷体11は、引き上げ中のシリコン単結晶9の凝固直後の高温部位を囲繞するように配置することにより、その高温部位の冷却を促進する役割を担う。
次に、このような引き上げ装置を用いた単結晶育成において、直胴部の育成過程で有転位化が発生したときの操業例を説明する。
図2は、本発明の一実施形態であるシリコン単結晶の育成方法における工程を模式的に示す図である。同図(a)に示すように、ルツボ2内のシリコン融液6からシリコン単結晶9を育成している際、ショルダー部9aを形成した後の直胴部9bの育成過程で有転位化が発生したとする。同図中、有転位化の発生位置Dを破線で示す。本実施形態では、直胴部9bの育成中に晶癖線を目視または光学的に監視することにより、有転位化の発生を判断することができる。
引き上げ中のシリコン単結晶9の直胴部9bに有転位化が発生したことを判断すると、直ちに育成条件を切り替えることにより、テイル部9cの形成に移行し、テイル部9cを形成する(同図(b)参照)。このとき、テイル部9cの形成へ移行するために、ヒータ4の出力(パワー)を瞬時に大幅に高める操作を行う。これにより、ヒータ4の発熱量が急増するため、ルツボ2内のシリコン融液6の温度が短時間で上昇する。このような操作により、シリコン単結晶9は、逐次直径が減少しテイル部9cが形成される。
そして、同図(c)に示すように、シリコン単結晶9は、テイル部9cの形成に移行してから短時間に、ルツボ2内のシリコン融液6から自然に切り離れ、外周が丸みを帯びた概ね逆円錐台状の先窄まりのテイル部9cが形成される。
こうして得られたシリコン単結晶9は、直胴部9bにおける有転位化の発生位置Dよりも上方の結晶部位に向けてスリップ転位が伸展しており、有転位化の発生位置Dからテイル部9cの下端までの長さLの領域が多結晶化しているものの、これらの結晶部位に亀裂は発生しない。これは、有転位化の発生位置からテイル部の下端までの長さLが短くなるため、この結晶部位の体積が低減することにより、スリップ転位発生領域および多結晶化領域に残留する熱応力が緩和されることによる。その結果、シリコン単結晶9の破断や破裂を防止することができる。
なお、ルツボ2内には残存融液が多量に残る場合は、これを放置しておくと、ルツボ2(石英ルツボ2a)が割損するおそれがある。このような事態に対しては、例えば、残存融液が固化する前に、再度、単結晶育成を行うか、または残存融液が残るルツボ2内に多結晶シリコン原料を追加投入して溶融させ、残存融液と多結晶シリコン原料に基づくシリコン融液から単結晶育成を行う、いわゆるマルチプリング法を適用することにより、解決することができる。
図3は、テイル部の形成時間および形成長さとヒータの出力との相関を模式的に示す図であり、図4は、テイル部の形成時間および形成長さとシリコン融液の温度との相関を模式的に示す図である。これら図3、図4は、直胴部に有転位化が発生したことにより本実施形態におけるテイル部を形成する際の状況を実線で示し、通常のテイル部を形成する際の状況を点線で示している。また、これら図3、図4中、テイル部の形成に移行した時点を白抜き丸印で示し、シリコン単結晶がシリコン融液から切り離れた時点を黒抜き丸印で示す。
上記図3および図4に示すように、直胴部に有転位化が発生したことによりテイル部を形成する際は、テイル部形成の移行時にヒータの出力を瞬時に大幅に高め、これにより、ルツボ内のシリコン融液の温度が短時間で上昇する。このため、シリコン単結晶は短時間(例えば、20〜60min程度)でシリコン融液から切り離されることから、テイル部の形成長さが短くなる。
一方、通常の単結晶育成でテイル部を形成する際は、テイル部形成の移行時から徐々にヒータの出力を高め、これにより、ルツボ内のシリコン融液の温度が長時間にわたって徐々に上昇する。このため、シリコン単結晶は長時間(例えば、2〜8hr程度)が経過した後にシリコン融液から切り離されることから、テイル部の形成長さが長くなる。
図5は、直胴部の育成過程で有転位化が発生したシリコン単結晶について、直胴部における有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLと亀裂の発生状況の関係をまとめた図である。同図は、直径が200mmのシリコン単結晶を育成する場合に、有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLを変化させ、有転位化により生じたスリップ伸展部位および多結晶部位を目視で観察した結果を示している。同図に示す結果から、有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLが100mm以下であると、有転位化により生じたスリップ伸展部位および多結晶部位に亀裂が発生しない。
したがって、本実施形態では、直胴部の育成過程で有転位化が発生し、直ちにテイル部を形成する際、有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLが100mm以下となるように、ヒータの出力を調整する。特に、直径が200mmのシリコン単結晶を育成する場合は、安全性に配慮して、有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLを70〜80mm以下にすることが好ましい。これよりも大径で直径が300mmのシリコン単結晶を育成する場合は、体積が増大することから、一層安全性に配慮して、有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLを50mm以下にするのが好ましい。
さらに、テイル部を形成する際は、ヒータ出力の調整に加え、シリコン単結晶の引き上げ速度を逐次上昇させ、結晶直径を減少させる調整も可能である。ただし、引き上げ速度を上昇させすぎると、テイル部が長くなって有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLが長くなり、亀裂発生のおそれがあるため、テイル部形成の移行前の引き上げ速度から僅かずつ上昇させることが好ましい。
また、水冷体を用いた単結晶育成において、シリコン単結晶をシリコン融液から切り離した後に高速で引き上げを行うと、有転位化により生じたスリップ伸展部位および多結晶部位が水冷体の配置された領域を高速で通過することから、これらの結晶部位に残留する熱応力が増加し、亀裂が発生しやすい状態になる。このため、シリコン単結晶のテイル部の下端が水冷体の配置領域を超えるまでは、引き上げ速度を7mm/min以下に抑え、水冷体の配置領域を超えた後は、引き上げ速度を12mm/min以下に確保することが好ましい。
本発明のシリコン単結晶の育成方法による効果を確認するため、下記の実施例に示す試験を行った。
実施例1の試験では、前記図1に示す引き上げ装置を用い、直胴部の目標直径を200mm、直胴部の目標長さを1700mmとするシリコン単結晶の育成を行った。その際、ルツボ内にシリコン原料を充填するとともに、p型の電気抵抗率となるように、ドーパントとしてのボロン(B)を添加した。引き上げ装置内をアルゴンの減圧雰囲気にし、ヒータによる加熱により、両原料を溶融させシリコン融液を形成した。種結晶をシリコン融液になじませ、ルツボと引き上げ軸を回転させながら引き上げを開始した。結晶方位を<100>としてネック部の形成を行った後、ショルダー部を形成し、その後肩変えして目標直径の直胴部を育成した。
実施例1では、直胴部の長さが目標長さに達する前の1110mmの位置で有転位化が発生したため、直ちにテイル部の形成に移行した。このとき、ヒータの出力を瞬時に15kW増加させた。引き上げ速度はテイル部形成の移行前の速度のまま保持した。これにより、シリコン融液の温度が上昇し、徐々に単結晶の直径が縮小し、外周が丸みを帯びた先窄まり形状の短いテイル部が形成された。テイル部の形成に移行してから30min程度で、有転位化の発生位置からテイル部の下端までの長さが30mm程度になり、この段階で引き上げ速度を上昇させることにより、シリコン単結晶がシリコン融液から自然に切り離された。
こうして得られたシリコン単結晶について、有転位化により生じたスリップ伸展部位および多結晶部位を観察した。その結果、これらの結晶部位に亀裂はなく、シリコン単結晶の破断や破裂は起こらなかった。
実施例2の試験では、上記実施例1と同様の引き上げ装置および試験条件を用い、直胴部の目標直径を200mm、直胴部の目標長さを1700mmとするシリコン単結晶の育成を行った。
実施例2では、直胴部の長さが目標長さに達する前の1270mmの位置で有転位化が発生したため、直ちにテイル部の形成に移行した。このとき、シリコン融液の温度は上記実施例1のときよりも僅かに低くなっており、ヒータの出力を瞬時に15kW増加させた。引き上げ速度は、テイル部形成の移行前の速度から僅かずつ上昇させた。これにより、テイル部の形成に移行してから40min程度で、有転位化の発生位置からテイル部の下端までの長さが35mm程度になり、シリコン単結晶がシリコン融液から自然に切り離された。
こうして得られたシリコン単結晶も亀裂はなく、シリコン単結晶の破断や破裂は起こらなかった。
実施例3の試験では、上記実施例1と同様の引き上げ装置および試験条件を用いてシリコン単結晶の育成を行った。
実施例3では、直胴部の長さが目標長さに達する前の1150mmの位置で有転位化が発生したため、直ちにテイル部の形成に移行し、テイル部を形成した。そして、シリコン融液から切り離されたシリコン単結晶を、その下端が水冷体の配置領域を超えるまで5mm/minの引き上げ速度で継続して引き上げ、さらに、取り出し域まで9mm/minの引き上げ速度で引き上げた。
こうして得られたシリコン単結晶も亀裂はなく、シリコン単結晶の破断や破裂は起こらなかった。
本発明のシリコン単結晶の育成方法は、有転位化したシリコン単結晶に亀裂を発生させることがなく、シリコン単結晶の破断や破裂を防止することが可能になる。したがって、本発明は、CZ法によるシリコン単結晶の製造に極めて有用な技術である。
本発明の一実施形態であるシリコン単結晶の育成方法が適用される引き上げ装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態であるシリコン単結晶の育成方法における工程を模式的に示す図である。 テイル部の形成時間および形成長さとヒータの出力との相関を模式的に示す図である。 テイル部の形成時間および形成長さとシリコン融液の温度との相関を模式的に示す図である。 直胴部の育成過程で有転位化が発生したシリコン単結晶について、直胴部における有転位化の発生位置Dからテイル部の下端までの長さLと亀裂の発生状況の関係をまとめた図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 ルツボ
2a 石英ルツボ
2b 黒鉛ルツボ
3 支持軸
4 ヒータ
5 保温筒
6 シリコン融液
7 ワイヤ(引き上げ軸)
8 種結晶
9 シリコン単結晶
9a ショルダー部
9b 直胴部
9c テイル部
10 熱遮蔽体
11 水冷体
D 有転位化の発生位置
L 有転位化の発生位置からテイル部の下端までの長さ

Claims (5)

  1. チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の育成方法において、
    シリコン単結晶の直胴部の育成過程で有転位化が生じたとき、直ちにテイル部の形成を行い、テイル部の形成長さを短くしてシリコン単結晶をルツボ内のシリコン融液から切り離すことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 前記直胴部における有転位化の発生位置から前記テイル部の下端までの長さを100mm以下にすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  3. 前記テイル部の形状を先窄まり形状とすることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  4. 前記テイル部の形成は、前記ルツボを加熱するヒータの出力を高めることにより前記シリコン融液の温度を上昇させ、引き上げ速度の上昇量を抑制しながら行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシリコン単結晶の育成方法。
  5. 引き上げ中のシリコン単結晶を、これを囲繞するように配置された水冷体により冷却することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシリコン単結晶の育成方法。
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