JP2009253962A - 通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】呼制御サーバを無駄に多重化することなく、通信セッションの接続制御が行えなくなる事態の発生を回避する。
【解決手段】各々にレジストしている通信端末を接続先とする通信セッションの接続制御を各々実行する複数の呼制御サーバと、複数の呼制御サーバの何れかにレジストし当該レジスト先である呼制御サーバによる制御下で他の装置との間に通信セッションを確立してデータ通信を行う複数の通信端末と、を有する通信システムにおいて、各呼制御サーバに、通信セッションの接続先として選択された装置が当該呼制御サーバにレジストしていない通信端末である場合は、当該通信端末に対して当該呼制御サーバへレジストすることを指示し、そのレジストが完了した後に当該通信セッションの接続制御を行う処理を実行させる。
【選択図】図3
【解決手段】各々にレジストしている通信端末を接続先とする通信セッションの接続制御を各々実行する複数の呼制御サーバと、複数の呼制御サーバの何れかにレジストし当該レジスト先である呼制御サーバによる制御下で他の装置との間に通信セッションを確立してデータ通信を行う複数の通信端末と、を有する通信システムにおいて、各呼制御サーバに、通信セッションの接続先として選択された装置が当該呼制御サーバにレジストしていない通信端末である場合は、当該通信端末に対して当該呼制御サーバへレジストすることを指示し、そのレジストが完了した後に当該通信セッションの接続制御を行う処理を実行させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、通信セッションの接続制御を行う呼制御サーバに関する。
ADSL(Asymmetric Digital
Subscriber Line)などの高速データ通信技術の普及に伴い、インターネットなどの電気通信回線を介して音声通話通信(所謂IP(Internet Protocol)電話による通話通信)や会議通信を行うことが可能になっている。例えば、この種の音声通話通信は、通信端末間に通信セッションを確立し、各通信端末に、利用者の音声を表す音声データを通信セッションの接続先へ送信する一方、通信セッションの接続先から送信されてくる音声データに応じた音を放音する処理を実行させることで実現される。また、会議通信については、各会議参加者の利用する通信端末と多地点接続装置(Multi-point Control Unit、以下、MCU)との間に通信セッションを確立し、各通信端末には上記音声通話通信におけるものと同一の処理を実行させる一方、MCUには以下の処理を実行させることで実現される。すなわち、MCUには、通信セッションの接続先である複数の通信端末の各々から送信されてくる音声データを受信し、それら複数の通信端末の各々に対して、他の通信端末から受信した音声データをミキシングして得られる音声データを送信する処理を実行させる。
Subscriber Line)などの高速データ通信技術の普及に伴い、インターネットなどの電気通信回線を介して音声通話通信(所謂IP(Internet Protocol)電話による通話通信)や会議通信を行うことが可能になっている。例えば、この種の音声通話通信は、通信端末間に通信セッションを確立し、各通信端末に、利用者の音声を表す音声データを通信セッションの接続先へ送信する一方、通信セッションの接続先から送信されてくる音声データに応じた音を放音する処理を実行させることで実現される。また、会議通信については、各会議参加者の利用する通信端末と多地点接続装置(Multi-point Control Unit、以下、MCU)との間に通信セッションを確立し、各通信端末には上記音声通話通信におけるものと同一の処理を実行させる一方、MCUには以下の処理を実行させることで実現される。すなわち、MCUには、通信セッションの接続先である複数の通信端末の各々から送信されてくる音声データを受信し、それら複数の通信端末の各々に対して、他の通信端末から受信した音声データをミキシングして得られる音声データを送信する処理を実行させる。
上記各通信端末間の通信セッション、或いは、通信端末とMCUとの間の通信セッションの確立は、SIP(Session Initiation Protocol)と呼ばれるプロトコルにしたがって行われることが一般的である。SIPにおいては、通信セッションの接続先を一意に識別するためのSIP識別子として通常の電話通信における電話番号に相当するSIP番号やSIP−URIが用いられる一方、インターネットなどの通信網を介したデータ通信では、各通信装置を一意に識別する識別子としてIPアドレスが用いられる。そこで、IP電話サービスや会議通信サービスを提供する通信システムでは、SIP識別子とIPアドレスとの相互変換を行う呼制御サーバが設けられていることが一般的であり、この呼制御サーバによって通信セッションの接続制御が行われる。
ところで、呼制御サーバを用いて通信セッションの接続制御を行う態様では、呼制御サーバに何らかの故障が発生した場合や、呼制御サーバと他の装置(通信端末やMCU)との間の通信障害が発生した場合に、通信セッションの接続制御が行えず、音声通話通信や会議通信を全く行えなくなるといった問題がある。そこで、このような問題に対処するため呼制御サーバの多重化を行うことが提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1には、SIPに基づく呼制御(すなわち、通信セッションの接続制御)を行う主呼制御サーバと、主呼制御サーバに障害が発生した場合にはその主呼制御サーバに代わって呼制御を行う副呼制御サーバとをIPネットワークに設け、主呼制御サーバの障害に備えることが開示されている。また、この特許文献1では、主呼制御サーバに障害が発生したことをユーザに速やかに認識させるため、IPネットワークを介して通話を行うIP電話装置を以下のように構成することが提案されている。すなわち、副呼制御サーバのアドレス情報を予め記憶するメモリと、受信したINVITEメッセージに含まれるIPアドレスと上記メモリに記憶されているアドレス情報とを比較し、両者が一致する場合には主呼制御サーバに障害が発生している旨のエラー表示を行う制御回路と、を上記IP電話装置に設けることが提案されている。
特開2006−33732号公報
特許文献1に開示された技術では、主呼制御サーバが正常に稼動している間は副呼制御サーバが全く利用されず、そのような副呼制御サーバを設けることは、システム構築コストおよび運用コスト面からは好ましくないといった問題がある。しかし、その一方、呼制御サーバの多重化を全く行わない場合には、呼制御サーバに故障が発生した場合や通信端末と呼制御サーバとの間の通信障害が発生した場合に、通信セッションの接続制御を全く行えなくなるといった問題があることは前述した通りである。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、呼制御サーバによって通信セッションの接続制御を行う通信システムにおいて、呼制御サーバの無駄な多重化を回避しつつ、通信セッションの接続制御が行えなくなる事態の発生頻度を低下させることを可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、呼制御サーバによって通信セッションの接続制御を行う通信システムにおいて、呼制御サーバの無駄な多重化を回避しつつ、通信セッションの接続制御が行えなくなる事態の発生頻度を低下させることを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、各々にレジストしている通信端末を接続先とする通信セッションの接続制御を行う複数の呼制御サーバと、各々が前記複数の呼制御サーバの何れかにレジストし、当該レジスト先である呼制御サーバによる制御下で他の装置との間に通信セッションを確立してデータ通信を行う複数の通信端末と、を備え、前記複数の呼制御サーバの各々は、通信セッションの接続先として選択された装置が当該呼制御サーバにレジストしていない通信端末である場合は、当該通信端末に対して当該呼制御サーバへレジストすることを指示し、そのレジストが完了した後に当該通信セッションの接続制御を行うことを特徴とする通信システム、を提供する。
このような通信システムにおいては、複数の呼制御サーバを設けることにより多重化を行っても、その各々が通信セッションの接続制御を行うため、かかる多重化が無駄になることはない。複数の呼制御サーバの各々に別個独立に通信セッションの接続制御を行わせると、通信セッションの接続制御の実行を要求された呼制御サーバにその通信セッションの接続先として選択された通信端末がレジストしておらず、通信セッションの接続制御が行えないといった不具合が懸念される。しかし、上記通信システムにおいては、当該通信端末に対して当該呼制御サーバへレジストすることを指示し、そのレジストが完了した後に当該通信セッションの接続制御を行う処理が当該呼制御サーバで実行されるため、上記のような不具合が生じることはない。
より好ましい態様においては、前記通信システムに含まれる複数の呼制御サーバの各々は、当該呼制御サーバにレジストしている通信端末からの要求に応じて当該通信端末と他の通信端末との間の通信セッションの接続制御を行う装置であり、通信セッションの接続先として選択された前記他の通信端末が当該呼制御サーバにレジストしておらず、かつ、前記他の通信端末と当該呼制御サーバとが通信できない場合には、前記要求元の通信端末に対して他の呼制御サーバにレジストし直すことを指示し、レジストし直すことを指示された通信端末は、その指示にしたがって他の呼制御サーバにレジストし直し、前記他の通信端末との通信セッションの接続制御の実行を当該他の呼制御サーバに要求することを特徴とする。
このような態様によれば、通信セッションの接続制御の実行を要求された呼制御サーバに、その通信セッションの接続先として選択された他の通信端末がレジストしていない場合には、前述したように、当該呼制御サーバは当該他の通信端末へレジストを指示する処理を実行する。そして、通信障害等により当該他の通信端末との通信が不可能である場合には、上記呼制御サーバは、上記要求元の通信端末に対して他の呼制御サーバにレジストし直すことを指示し、かかる指示を受けた通信端末は、その指示にしたがって他の呼制御サーバにレジストし直し、上記他の通信端末との通信セッションの接続制御の実行を当該他の呼制御サーバに要求する。当該他の呼制御サーバは、上記他の通信端末が自装置にレジストしていない場合には、自装置へのレジストを指示し、そのレジスト完了後に通信セッションの接続制御を実行する。ここで、上記他の呼制御サーバは、上記他の通信端末との通信ができない場合には、上記要求元の通信端末に対して、さらに別の呼制御サーバへレジストし直すことを指示する。これにより、何らかの通信障害が発生した場合でも、通信セッションの接続制御を全く行えないといった事態の発生頻度が大幅に低下する。
また別の好ましい態様においては、前記通信システムに含まれる複数の呼制御サーバの各々は、その通信システムに含まれる複数の通信端末のうちの任意の2台の通信端末間の通信セッションの接続制御を行う装置であり、前記複数の呼制御サーバのうち前記2台の通信端末間の通信セッションの接続制御の実行を指示されたものは、前記2台の通信端末の少なくとも一方が、当該呼制御サーバにレジストしておらず、かつ、当該呼制御サーバと通信できない場合には、それら通信端末間の通信セッションの接続制御の代行を他の呼制御サーバに指示し、前記代行を指示された呼制御サーバは、その指示にしたがって前記2台の通信端末の各々に当該呼制御サーバへのレジストを指示し、そのレジストが完了した後に両通信端末間の通信セッションの接続制御を実行することを特徴とする。かかる態様によれば、通信セッションの接続制御の実行を指示された呼制御サーバがその通信セッションの接続先となる通信端末の何れかと通信できない場合であっても、他の呼制御サーバによってその接続制御の代行が実行されるため、通信セッションの接続制御を全く行えないといった事態の発生頻度が大幅に低下する。
さらに別の好ましい態様においては、前記通信システムに含まれる複数の呼制御サーバの各々は、その通信システムに含まれる複数の通信端末のうちの任意の2台以上の通信端末の各々と当該呼制御サーバとの間に通信セッションを確立し、それら通信端末間のデータ通信を仲介する多地点接続装置であり、前記2台以上の通信端末のうちに当該呼制御サーバにレジストしておらず、かつ、当該呼制御サーバと通信できないものが含まれている場合には、前記2台以上の通信端末の各々との間に通信セッションを確立してデータ通信を仲介する処理の代行を他の呼制御サーバに指示し、前記代行を指示された呼制御サーバは、その指示にしたがって前記2台以上の通信端末の各々に当該呼制御サーバへのレジストを指示し、そのレジストが完了した後にその各々との間に通信セッションを確立しデータ通信の仲介を実行することを特徴とする。かかる態様によれば、複数の通信端末の各々との間に通信セッションを確立することを指示された呼制御サーバが何れかの通信端末と通信できない場合であっても、他の呼制御サーバによってその接続制御の代行が実行されるため、通信セッションの接続制御を全く行えないといった事態の発生頻度が大幅に低下する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しつつ説明する。
(A:システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の構成例を示すブロック図である。
図1では、通信網10に接続されている音声通信端末20Aおよび20Bと、同じく通信網10に接続されている呼制御サーバ30Xおよび30Yと、を含む通信システム1が例示されている。なお、以下では、音声通信端末20Aと20Bの各々を区別する必要がない場合には、単に「音声通信端末20」と標記する。同様に、呼制御サーバ30Xと30Yを区別する必要がない場合も「呼制御サーバ30」と標記する。図1では、2台の音声通信端末20が例示されているが、実際には多数の音声通信端末20が通信システム1に含まれる。同様に、3台以上の呼制御サーバ30が通信システム1に含まれていても良い。
(A:システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の構成例を示すブロック図である。
図1では、通信網10に接続されている音声通信端末20Aおよび20Bと、同じく通信網10に接続されている呼制御サーバ30Xおよび30Yと、を含む通信システム1が例示されている。なお、以下では、音声通信端末20Aと20Bの各々を区別する必要がない場合には、単に「音声通信端末20」と標記する。同様に、呼制御サーバ30Xと30Yを区別する必要がない場合も「呼制御サーバ30」と標記する。図1では、2台の音声通信端末20が例示されているが、実際には多数の音声通信端末20が通信システム1に含まれる。同様に、3台以上の呼制御サーバ30が通信システム1に含まれていても良い。
通信網10は、例えばインターネットなどの電気通信回線であり、所定の通信プロトコルにしたがって行われるデータ通信を仲介するためのものである。上記通信プロトコルとしては、プロトコル階層毎に種々のものを用いることが考えられる。本実施形態では、ネットワーク層についてはIPが、トランスポート層についてはTCP(Transmission Control
Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)が、アプリケーション層についてはTELNETやRTP(Real-time Transport Protocol)が用いられる。
Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)が、アプリケーション層についてはTELNETやRTP(Real-time Transport Protocol)が用いられる。
音声通信端末20は、例えばIP電話装置であり、SIPにしたがって他の装置(他の音声通信端末20や、図示せぬMCU)との間に通信セッションを確立し、その通信セッションの接続先とRTPにしたがった音声データ通信を行う。本実施形態では、音声通信端末20の各々には固有のSIP識別子(前述したSIP番号やSIP−URI)が予め割り振られているとともに、音声通信端末20の各々には固有の通信アドレス(IPアドレス)が割り振られている。音声通信端末20は、自端末に割り振られている通信アドレスとSIP識別子とを書き込んだ通信メッセージ(以下、レジスト要求)を呼制御サーバ30へ送信し、その通信アドレスとSIP識別子とを対応付けて記憶することを要求する。以下、上記通信アドレスとSIP識別子とを対応付けて呼制御サーバ30に記憶させることを「呼制御サーバ30にレジストする」という。
本実施形態では、音声通信端末20毎に呼制御サーバ30Xと30Yの何れを優先的にレジスト先として選択するべきかが予め定められている。例えば、音声通信端末20Aおよび20Bについては、そのレジスト先として呼制御サーバ30Xを優先的に選択し、通信障害等により呼制御サーバ30Xとの通信が不可能である場合に呼制御サーバ30Yをレジスト先として選択するよう定められている。このようなことは、音声通信端末20の各々に、各呼制御サーバの通信アドレスとレジスト先としての優先順位とを対応付けて記憶させておき、その優先順位が高い順にレジスト先を選択する処理(例えば、通信障害等により最も優先順位の高いものとの通信ができない場合には、次に優先順位が高いものをレジスト先として選択する等)を実行させることで実現される。
呼制御サーバ30は、特許文献1に開示された主呼制御サーバや副呼制御サーバと同様、通信セッションの接続制御を行う電子機器である。より詳細に説明すると、呼制御サーバ30は、レジスト要求が音声通信端末20から送信されてくると、そのレジスト要求に含まれているSIP識別子と通信アドレスとを対応付けて記憶する処理を実行する。そして、呼制御サーバ30は、通信端末から送信されてくる呼接続要求(例えば、発呼先のSIP識別子が書き込まれたINVITEメッセージ)を受信すると、自装置の記憶内容からその呼接続要求の宛先となる通信端末の通信アドレスを特定し、当該特定した宛先へ呼接続要求を転送する処理を実行する。これにより、上記呼接続要求の送信元の通信端末とその転送先の通信端末との間の通信セッションの接続制御が実現される。
このように通信システム1は、2台の呼制御サーバ30(すなわち、呼制御サーバ30Xと30Y)を有している点では、前述した特許文献1に開示された技術と同一である。しかし、本実施形態では、上記2台の呼制御サーバ30の各々が、常時、通信セッションの接続制御を行うように運用される点で特許文献1に開示された技術とは異なる。これにより通信システム1に複数の呼制御サーバを設けることが無駄な多重化にならないようにしているのである。
しかし、その反面、呼接続要求の宛先となる装置がその呼接続要求を受信した呼制御サーバにレジストしていない(例えば、何れの呼制御サーバにもレジストしていない場合や、他方の呼制御サーバにレジストしている場合など)といった事態が生じ得る。例えば、音声通信端末20Aは呼制御サーバ30Xにレジストし、音声通信端末20Bは呼制御サーバ30Yにレジストしている状況下で、音声通信端末20Bを発呼先とする呼接続要求を音声通信端末20Aが呼制御サーバ30Xへ送信した場合にこのような事態が生じる。このように、呼接続要求の転送先となる音声通信端末20がその呼接続要求を受信した呼制御サーバにレジストしていない場合は、従来の呼制御サーバでは、その呼接続要求に応じた通信セッションの接続制御を行うことはできなかった。
これに対して本実施形態では、音声通信端末20の各々と、各呼制御サーバ30の各々に本実施形態に特徴的な処理を行わせることによって、上記不具合の発生を回避している。また、本実施形態では、通信障害等によって上記2台の呼制御サーバ30の何れか一方との通信が不可能になった場合でも、他方の呼制御サーバ30に本実施形態に特徴的な処理を行わせることによって、通信セッションの接続制御が全く行われなくなるといった事態の発生を回避している。以下、本実施形態の特徴を顕著に示す呼制御サーバ30を中心に説明する。
(B:呼制御サーバ30の構成)
図2は、呼制御サーバ30の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、呼制御サーバ30は、制御部310、通信インタフェース(以下、「I/F」と表記する)部320、記憶部330、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス340を有する。
図2は、呼制御サーバ30の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、呼制御サーバ30は、制御部310、通信インタフェース(以下、「I/F」と表記する)部320、記憶部330、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス340を有する。
制御部310は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部310は、記憶部330に格納されている制御プログラム332bにしたがって作動し呼制御サーバ30の制御中枢として機能する。制御部310が制御プログラム332bにしたがって実行する処理については後に明らかにする。
通信I/F部320は、例えばNIC(Network
Interface Card)であり、通信網10に接続されている。通信I/F部320は、通信網10を介して送信されてくるデータ(本実施形態では、SIPに準拠した各種通信メッセージやTELNETにしたがって送信される制御コマンドなど)を受信し、そのデータを制御部310へ引渡す一方、制御部310から引渡されるデータを通信網10へと送出する。
Interface Card)であり、通信網10に接続されている。通信I/F部320は、通信網10を介して送信されてくるデータ(本実施形態では、SIPに準拠した各種通信メッセージやTELNETにしたがって送信される制御コマンドなど)を受信し、そのデータを制御部310へ引渡す一方、制御部310から引渡されるデータを通信網10へと送出する。
記憶部330は、揮発性記憶部331と不揮発性記憶部332とを含んでいる。揮発性記憶部331は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、制御プログラム332bを実行する際のワークエリアとして制御部310によって利用される。一方、不揮発性記憶部332は、例えばハードディスクやFlashROM(Flash Read Only Memory)などの不揮発性メモリである。不揮発性記憶部332には、前述した制御プログラム332bの他に、バックアップ機識別子332aが格納されている。
バックアップ機識別子332aは、通信障害などにより通信セッションの接続制御を行えない場合に当該呼制御サーバ30に代わってその接続制御を行う呼制御サーバ30(以下、バックアップ機)を一意に示す識別子である。本実施形態では、バックアップ機識別子332aとしてバックアップ機の通信アドレスが用いられている。例えば、呼制御サーバ30Xの不揮発性記憶部332には、バックアップ機識別子332aとして呼制御サーバ30Yの通信アドレスが予め格納されており、呼制御サーバ30Yの不揮発性記憶部332には、バックアップ機識別子332aとして呼制御サーバ30Xの通信アドレスが予め格納されている。なお、上記のように、通信システム1に含まれる2台の呼制御サーバ30の各々にバックアップ機識別子として他方の呼制御サーバ30の通信アドレスを記憶させておく態様では、各呼制御サーバ30の制御部310に、接続制御の代行の要求元の通信アドレスとバックアップ識別子332aとを比較し、両者が一致する場合には、接続制御の代行を行うことなくエラー通知を返信する処理を実行させても良いことは勿論である。呼制御サーバ30Xと30Yの両者が何れも通信障害により通信セッションの接続制御を行えない場合、これら2台の間で接続制御の代行要求が際限なく繰り返されることを回避するためである。また、通信システム1に3台以上の呼制御サーバ30が含まれている場合には、バックアップ機識別子332aを複数格納しておいても勿論良い。例えば、通信システム1にN(Nは3以上の整数)台の呼制御サーバ30が含まれている場合には、各呼制御サーバ30の不揮発性記憶部332に、他のN−1台の呼制御サーバ30の通信アドレスをバックアップ機識別子として格納しておくことができる。また、このように複数のバックアップ機識別子を不揮発性記憶部332に書き込んでおく態様においては、それらバックアップ機識別子の各々にバックアップ機として選択される際の優先順位を対応付けておき、その優先順位が高い順にバックアップ機を選択するようにしても良い。
制御プログラム332bは、図2に示すように、レジストラ処理、プロキシ処理および通信制御処理の3つの処理を制御部310に実行させるプログラムである。ここで、レジストラ処理とは、音声通信端末20から送信されてくるレジスト要求を受信した場合に、そのレジスト要求に含まれているSIP識別子と通信アドレスとを対応付けて揮発性記憶部331内のレジストリテーブル(図2では、図示省略)へ書き込む処理である。プロキシ処理とは、音声通信端末20から送信されてくる呼接続要求を受信した場合に、レジストリテーブルの格納内容を参照してその発呼先となる装置を特定し、その装置へ上記呼接続要求を転送する処理である。
そして、図2の通信制御処理は、呼接続要求の転送先となる装置が自装置にレジストしていない音声通信端末20である場合に、その音声通信端末20へ当該呼制御サーバ30へレジストすることを指示する制御コマンド(以下、レジスト要請)をTELNETにしたがって送信する処理である。また、この通信制御処理では、通信障害によりレジスト要請の送信や呼接続要求の転送を行えない場合に、上記バックアップ機識別子332aの示す呼制御サーバ30にその代行を指示する制御コマンド(以下、代行要請)をTELNETにしたがって送信する処理も実行する。
以上が呼制御サーバ30の構成である。
以上が呼制御サーバ30の構成である。
(C:動作)
次いで、通信障害によって音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとの通信が不能になっている場合を例にとって、音声通信端末20および呼制御サーバ30が行う動作について図面を参照しつつ説明する。なお、図3では、SIPにしたがって送受信される各種通信メッセージについては実線矢印で、TELNETにしたがって送受信される各種制御コマンドについては点線矢印で示されている(図4から図6についても同様)。
次いで、通信障害によって音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとの通信が不能になっている場合を例にとって、音声通信端末20および呼制御サーバ30が行う動作について図面を参照しつつ説明する。なお、図3では、SIPにしたがって送受信される各種通信メッセージについては実線矢印で、TELNETにしたがって送受信される各種制御コマンドについては点線矢印で示されている(図4から図6についても同様)。
(C−1:音声通信端末20Aから音声通信端末20Bへ通話発呼する場合の動作)
まず、音声通信端末20Aと20Bが、呼制御サーバ30Xおよび30Yの何れにもレジストしていない状況下で音声通信端末20Aから音声通信端末20Bへ通話発呼する場合の動作について図3を参照しつつ説明する。
前述したように呼制御サーバ30による通信セッションの接続制御を利用するためには、呼制御サーバ30にレジストする必要がある。前述したように、本実施形態では、音声通信端末20Aについて、呼制御サーバ30Xに優先的にレジストするよう予め定められている。このため、音声通信端末20Aの制御部(図示省略)は、音声通信端末20Bへの通話発呼の実行を利用者によって指示されると、まず、呼制御サーバ30Xへのレジストを試みる。具体的には、音声通信端末20Aの制御部は、呼制御サーバ30Xの通信アドレスを宛先アドレスとしてレジスト要求を送信する。
まず、音声通信端末20Aと20Bが、呼制御サーバ30Xおよび30Yの何れにもレジストしていない状況下で音声通信端末20Aから音声通信端末20Bへ通話発呼する場合の動作について図3を参照しつつ説明する。
前述したように呼制御サーバ30による通信セッションの接続制御を利用するためには、呼制御サーバ30にレジストする必要がある。前述したように、本実施形態では、音声通信端末20Aについて、呼制御サーバ30Xに優先的にレジストするよう予め定められている。このため、音声通信端末20Aの制御部(図示省略)は、音声通信端末20Bへの通話発呼の実行を利用者によって指示されると、まず、呼制御サーバ30Xへのレジストを試みる。具体的には、音声通信端末20Aの制御部は、呼制御サーバ30Xの通信アドレスを宛先アドレスとしてレジスト要求を送信する。
本動作例では、通信障害によって音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとの間の通信が不能になっているため、上記レジスト要求は呼制御サーバ30Xには到達せず(図3参照)、送信タイムアウト(レジスト要求を送信してから所定のタイムアウト時間が経過しても応答が返信されてこないこと)が発生する。この送信タイムアウトの発生により、音声通信端末20Aの制御部は、呼制御サーバ30Xとの通信が不能であることを検知し、呼制御サーバ30Yに対してレジスト要求を送信し直す(図3参照)。なお、本実施形態では、レジスト要求についての送信タイムアウトの発生によりそのレジスト要求の宛先である呼制御サーバ30Xとの通信が不能であることを検知した。しかし、レジスト要求の送信に先立って、通信相手との疎通確認を行うための既存のツール(例えば、PINGなど)を用いて、レジスト要求の宛先との通信が可能であるか否かを検知しても良い。
呼制御サーバ30Yの制御部310は、通信I/F部320を介してレジスト要求を受信すると、前述したレジストラ処理を実行し、音声通信端末20Aのレジストを行う。そして、そのレジストラ処理が完了すると、呼制御サーバ30Yの制御部310は、レジストの完了を通知する旨の通信メッセージ(以下、レジスト完了通知)をレジスト要求の送信元(すなわち、音声通信端末20A)へ返信する(図3参照)。音声通信端末20Aの制御部は、呼制御サーバ30Yから返信されてくるレジスト完了通知を受信し、レジストの完了を検知すると、利用者により指示された発呼先(本動作例では、音声通信端末20B)への呼接続要求(前述したINVITEメッセージ)を呼制御サーバ30Yへ送信し(図3参照)、呼制御サーバ30Yに対して通信セッションの接続制御の実行を要求する。
呼制御サーバ30Yの制御部310は、通信I/F部320を介して呼接続要求を受信すると、その呼接続要求にて発呼先(すなわち、通信セッションの接続先)として指定された装置(すなわち、音声通信端末20B)が当該呼制御サーバ30Yにレジストしているか否かをレジストリテーブルの格納内容を参照して判定する。そして、制御部310は、通信セッションの接続先として指定された装置が当該呼制御サーバ30Yにレジストしていると判定した場合には、その発呼先の通信アドレスをレジストリテーブルから読出し、その通信アドレスを宛先として呼接続要求を転送する。逆に、レジストしていないと判定した場合には、通信セッションの接続先として指定された装置へレジスト要請を送信する。ここで、呼接続要求の転送先となる装置が自装置にレジストしていない場合には、レジスト要請の送信先となる通信アドレスをレジストテーブルの格納内容から特定することはできないが、制御プログラム332bの実行を終了する度にその時点のレジストリテーブルの格納内容を不揮発性記憶部332に格納してその履歴を残し、過去の履歴を参照してレジスト要請の送信先となる通信アドレスを特定するようにすれば良い。本動作例では、通信セッションの接続先として音声通信端末20Bが選択されており、音声通信端末20Bは呼制御サーバ30Yにはレジストしていないため、制御部310は、音声通信端末20Bへレジスト要請を送信する(図3参照)。
音声通信端末20Bの制御部(図示省略)は、呼制御サーバ30Yから送信されてくるレジスト要請を受信すると、そのレジスト要請に書き込まれている制御コマンドにしたがってレジスト要求を送信する処理を実行する(図3参照)。これにより、音声通信端末20Bについてのレジストが呼制御サーバ30Yによって行われるのである。このようにして音声通信端末20Bについてのレジストを完了すると、制御部310は、音声通信端末20Aから受信した呼接続要求を音声通信端末20Bへ転送する(図3参照)。
音声通信端末20Bの制御部は、上記呼接続要求を受信すると、着信音の放音等により利用者へその旨を報知し、例えばオフフックボタンの押下などその着信を許可する旨の操作が為されると、通信セッションの確立を許可する旨の通信メッセージ(以下、接続許可通知)を返信する(図3参照)。音声通信端末20Bから返信される接続許可通知は呼制御サーバ30Yによって音声通信端末20Aへと転送される(図3参照)。このようにして転送されてくる接続許可通知を音声通信端末20Aが受信すると、音声通信端末20Aと音声通信端末20Bとの間の通信セッションが確立され、RTPにしたがった音声データ通信が音声通信端末20Aと20Bとの間で開始される。
このように、本実施形態によれば、通信障害によって音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとが通信できなくなっている場合であっても、音声通信端末20Aと音声通信端末20Bとの間の通信セッションの接続制御に支障が生じることはなく、両端末間の音声データ通信に支障が生じることはない。なお、音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとの間の通信が不能になる原因としては、上記通信障害の他に呼制御サーバ30Xの故障が考えられる。このように、呼制御サーバ30Xの故障により音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとが通信できなくなっている場合も、音声通信端末20Aから呼制御サーバ30Xへ送信したレジスト要求についての送信タイムアウトが発生するため、音声通信端末20A、20Bおよび呼制御サーバ30Yの各々は以上に説明した動作と同一の動作を実行し、音声通信端末20Aと音声通信端末20Bとの間の音声データ通信に支障が生じることはない。
(C−2:音声通信端末20Bから音声通信端末20Aへ発呼する場合の動作)
次いで、音声通信端末20Aは、呼制御サーバ30Xおよび30Yの何れにもレジストしていない一方、音声通信端末20Bは呼制御サーバ30Xにレジストしている状況下で音声通信端末20Bから音声通信端末20Aへ通話発呼する場合の動作について図4を参照しつつ説明する。
本動作例では、音声通信端末20Bは、呼制御サーバ30Xにレジストしているため、音声通信端末20Bの制御部(図示省略)は、音声通信端末20Aへの通話発呼の実行を利用者によって指示されると、利用者により指示された発呼先(すなわち、音声通信端末20A)への呼接続要求を呼制御サーバ30Xへ送信し(図4参照)、呼制御サーバ30Xに対して通信セッションの接続制御の実行を要求する。
次いで、音声通信端末20Aは、呼制御サーバ30Xおよび30Yの何れにもレジストしていない一方、音声通信端末20Bは呼制御サーバ30Xにレジストしている状況下で音声通信端末20Bから音声通信端末20Aへ通話発呼する場合の動作について図4を参照しつつ説明する。
本動作例では、音声通信端末20Bは、呼制御サーバ30Xにレジストしているため、音声通信端末20Bの制御部(図示省略)は、音声通信端末20Aへの通話発呼の実行を利用者によって指示されると、利用者により指示された発呼先(すなわち、音声通信端末20A)への呼接続要求を呼制御サーバ30Xへ送信し(図4参照)、呼制御サーバ30Xに対して通信セッションの接続制御の実行を要求する。
呼制御サーバ30Xの制御部310は、通信I/F部320を介して呼接続要求を受信すると、その呼接続要求にて発呼先(すなわち、通信セッションの接続先)として選択された装置(すなわち、音声通信端末20A)が当該呼制御サーバ30Xにレジストしているか否かをレジストリテーブルの格納内容を参照して判定し、その判定結果に応じた処理を実行する。本動作例では、音声通信端末20Aは、呼制御サーバ30Xにはレジストしていないため、制御部310は、音声通信端末20Aに対してレジスト要請を送信する。しかし、通信障害により音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとの通信が不可能になっているため、上記レジスト要請は音声通信端末20Aに到達せず、送信タイムアウトが発生する。このようにして送信タイムアウトが発生すると、制御部310は、音声通信端末20Aとの間の通信が不可能になっていることを検出し、呼接続要求の送信元である音声通信端末20Bに対してエラー通知を行う(図4参照)。このエラー通知は、呼接続要求の送信元に対して、他の呼制御サーバ30にレジストし直し、当該他の呼制御サーバ30によって通信セッションの接続制御を受ける旨を指示するためのものである。
音声通信端末20Bの制御部は、上記エラー通知を受信すると、呼制御サーバ30Yへレジスト要求を送信し(図4参照)、そのレジスト先を呼制御サーバ30Yに変更する。このレジスト要求を受信した場合に呼制御サーバ30Yの制御部310が実行する動作は、前述した動作例(C−1)にて音声通信端末20Aから送信されたレジスト要求を受信した場合の動作と同一である。そして、音声通信端末20Bの制御部は、呼制御サーバ30Yから返信されてくるレジスト完了通知を受信し、レジストの完了を検知すると、音声通信端末20Aに対して通信セッションの接続を要求する旨の呼接続要求を呼制御サーバ30Yへ送信する(図4参照)。
音声通信端末20Bから送信された呼接続要求を受信した呼制御サーバ30Yの制御部310は、前述した動作例(C−1)にて音声通信端末20Aから送信された呼接続要求を受信した場合と同様、通信セッションの接続先として指定された音声通信端末20Aへレジスト要請を送信し、そのレジストが完了すると、音声通信端末20Bから受信した呼接続要求を音声通信端末20Aへ転送する。以降、前述した動作例(C−1)と同様に音声通信端末20Bと20Aとの間に通信セッションが確立され、RTPにしたがった音声データ通信が開始される。
(C−3:音声通信端末20Aおよび20Bに対して会議招集を行う場合の動作)
次いで、音声通信端末20Aおよび20Bが、呼制御サーバ30Xおよび30Yの何れにもレジストしていない状況下で、音声通信端末20Aおよび20Bを対象とする会議招集の実行指示が呼制御サーバ30に対してその運用管理者により与えられた場合の動作について図5を参照しつつ説明する。ここで、会議招集とは、音声通信端末20の利用者による遠隔会議の開催のために、各音声通信端末20にレジストの実行を促し、各音声通信端末20についてのレジスト完了後にそれら音声通信端末20間に通信セッションを確立する処理のことである。
次いで、音声通信端末20Aおよび20Bが、呼制御サーバ30Xおよび30Yの何れにもレジストしていない状況下で、音声通信端末20Aおよび20Bを対象とする会議招集の実行指示が呼制御サーバ30に対してその運用管理者により与えられた場合の動作について図5を参照しつつ説明する。ここで、会議招集とは、音声通信端末20の利用者による遠隔会議の開催のために、各音声通信端末20にレジストの実行を促し、各音声通信端末20についてのレジスト完了後にそれら音声通信端末20間に通信セッションを確立する処理のことである。
呼制御サーバ30Xの制御部310は、操作部(図示省略)を介して、会議招集の実行指示を与えられると、その会議招集の対象として運用管理者等により選択された2台の音声通信端末20が自装置にレジストしているか否かを判定し、その判定結果に応じた処理を実行する。ここで、上記運用管理者等は通信システム1に含まれる複数の音声通信端末20のうちから会議招集の対象となる2台を任意に選択することができ、本動作例では、会議招集の対象として音声通信端末20Aと音声通信端末20Bとが選択される。前述したように、音声通信端末20Aと20Bは何れも呼制御サーバ30Xへレジストしていないため、制御部310は、音声通信端末20Aおよび20Bに対してレジスト要請を送信し、レジストの実行を促す。しかし、本動作例では、通信障害によって音声通信端末20Aと呼制御サーバ30Xとの間の通信が不可能になっているため、音声通信端末20Aへ送信したレジスト要請について送信タイムアウトが発生する。図5に示すように、制御部310は、会議招集の対象として選択された2台の音声通信端末20のうちの何れかについて自装置との通信が不可能になっていることを検知すると、バックアップ機識別子332aの示す呼制御サーバ30(すなわち、呼制御サーバ30Y)に対して会議招集の代行を指示する代行要請を送信する。
呼制御サーバ30Yの制御部310は、通信I/F部320を介して代行要請を受信すると、その代行要請にしたがって会議招集を実行する。より詳細に説明すると、制御部310は、図5に示すように、会議招集の対象として選択された2台の音声通信端末20の各々(本動作例では、音声通信端末20Aおよび20B)へレジスト要請を送信し、そのレジスト要請に応じて各音声通信端末20から返信されてくるレジスト要求を受信すると、そのレジスト要求にしたがってレジストを実行する。その後、制御部310は、会議招集の対象として選択された2台の音声通信端末20の各々についてのレジストが完了すると、それら音声通信端末20のうちの何れか一方(本動作例では、音声通信端末20A)へ、他方(すなわち、音声通信端末20B)に対して通信セッションの接続を要求する旨の呼接続要求を送信することを指示する旨の制御コマンド(以下、呼接続要請)を送信する。ここで、会議招集の対象として選択された2台の音声通信端末20のうちから呼接続要請の送信先を選択する態様としては種々のものが考えられる。具体的には、それら2台の音声通信端末のうち通信アドレスが若い方に呼接続要請を送信する態様やその逆の態様である。
音声通信端末20Aの制御部は、図5に示すように、呼接続要請を受信すると、その呼接続要請にしたがって呼接続要求を返信する。このようにして返信される呼接続要求を受信すると、呼制御サーバ30Yの制御部310は、図5に示すように、その呼接続要求による発呼先である音声通信端末20Bへその呼接続要求を転送するとともに、その呼接続要求に応じる処理の実行を指示する制御コマンド(以下、接続許可要請)を音声通信端末20Bへ送信する。ここで、呼接続要求による発呼先である音声通信端末20Bへ上記接続許可要請を送信するのは、音声通信端末20Bの利用者にオフフックボタンの押下などの操作を行わせることなく、無条件に音声通信端末20Aと音声通信端末20Bとの間に通信セッションを確立するためである。
音声通信端末20Bの制御部は、呼接続要求および接続許可要請を受信すると、その接続許可要請に書き込まれている制御コマンドにしたがって、呼接続を許可する処理を実行し、接続許可通知を呼制御サーバ30Yへ返信する(図5参照)。以降、図5に示すように、前述した動作例(C−1)と同様に音声通信端末20Bと20Aとの間に通信セッションが確立され、RTPにしたがった音声データ通信が開始される。
以上説明したように本実施形態によれば、通信システム1には複数の呼制御サーバ30が含まれるのであるが、その各々が、常時、呼制御サーバとして運用されるため、無駄な多重化になることはない。また、複数の呼制御サーバ30の各々が、常時、呼制御サーバとして運用されるため、ロードバランサーなどの負荷分散器を用いた負荷分散を行うことも可能である。さらに、本実施形態によれば、レジスト先として定められた呼制御サーバ30や通信セッションの接続制御を指示された呼制御サーバ30と音声通信端末20との間の通信が通信障害などにより不可能になっている場合であっても、他の呼制御サーバ30によってその接続制御が代行される。このため、音声通信端末20間の通信セッションの接続制御が全く行えないといった事態の発生頻度が大幅に低下する。
(D:変形)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても良いことは勿論である。
(1)上述した実施形態では、音声通信端末20Aおよび20Bを対象とする会議招集の実行を指示された場合に、両端末にレジストの実行を促し、レジスト完了後に両端末間に通信セッションを確立する処理を呼制御サーバ30に実行させた。しかし、呼制御サーバ30が、任意に選択される複数の音声通信端末20間の音声データ通信を仲介するMCUである場合には、会議招集の対象として選択された複数の音声通信端末20の各々と自装置との間に通信セッションを確立させる必要がある。この場合は、図6に示す処理を呼制御サーバ30の制御部310に実行させるようにすれば良い。図6と図5とを比較すれば明らかように、本変形例に係る動作と、前述した動作例(C−3)にて説明した動作とが異なっている点は、会議招集の対象として選択された音声通信端末20についてのレジストが完了した後、呼制御サーバ30Yの制御部310に、それら音声通信端末20の各々へ宛てて呼接続要求と接続許可要請とを送信させるようにした点である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても良いことは勿論である。
(1)上述した実施形態では、音声通信端末20Aおよび20Bを対象とする会議招集の実行を指示された場合に、両端末にレジストの実行を促し、レジスト完了後に両端末間に通信セッションを確立する処理を呼制御サーバ30に実行させた。しかし、呼制御サーバ30が、任意に選択される複数の音声通信端末20間の音声データ通信を仲介するMCUである場合には、会議招集の対象として選択された複数の音声通信端末20の各々と自装置との間に通信セッションを確立させる必要がある。この場合は、図6に示す処理を呼制御サーバ30の制御部310に実行させるようにすれば良い。図6と図5とを比較すれば明らかように、本変形例に係る動作と、前述した動作例(C−3)にて説明した動作とが異なっている点は、会議招集の対象として選択された音声通信端末20についてのレジストが完了した後、呼制御サーバ30Yの制御部310に、それら音声通信端末20の各々へ宛てて呼接続要求と接続許可要請とを送信させるようにした点である。
本変形例では、会議招集の対象として選択された各音声通信端末20の制御部は、上記呼接続要求と接続許可要請とを受信すると、その接続許可要請にしたがって接続許可通知を返信する処理を実行する。その結果、会議招集の対象として選択された複数の音声通信端末20の各々と呼制御サーバ30Yとの間に通信セッションが確立され、複数の音声通信端末20の各々と呼制御サーバ30Yとの間で音声データの送受信が行われるのである。前述したように、本変形例では、呼制御サーバ30はMCUであるため、呼制御サーバ30Yは、通信セッションの接続先である各音声通信端末20に対して、他の音声通信端末20から受信した音声データをミキシングして得られる音声データを返信する。会議招集の対象として選択された複数の音声通信端末20の各々では、呼制御サーバ30Yから返信されてくる音声データに応じた音声の放音が行われるため、会議招集の対象として選択された各音声通信端末20の利用者は、他の全ての音声通信端末20の利用者の音声を聴くことができ、これにより遠隔会議が遂行されるのである。
(2)上述した実施形態では、音声データ通信のための通信セッションの接続制御を行う呼制御サーバ30に本発明を適用した。しかし、本発明の適用対象は、このような呼制御サーバにのみ限定されるものではなく、画像データなど他の種類のデータを送受信するための通信セッションの接続制御を行う呼制御サーバに本発明を適用しても勿論良い。また、通信セッションの接続手順を規定するプロトコルはSIPに限定されるものではなく、例えばH.323などの他のプロトコルであっても良い。
(3)上述した実施形態では、本発明に係る呼制御サーバの特徴を顕著に示す動作を制御部310に実行させる制御プログラム332bを不揮発性記憶部332に予め格納しておいた。しかし、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などのコンピュータ装置読み取り可能な記録媒体に制御プログラム332bを書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより制御プログラム332bを配布しても良い。このようにして配布される制御プログラム332bをパーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータ装置の記憶部(ハードディスクなど)に記憶させ、そのコンピュータ装置の制御部(CPU)を上記制御プログラム332bにしたがって作動させることによって、そのコンピュータ装置に上記実施形態の呼制御サーバと同一の処理を実行させることが可能になる。
1…通信システム、10…通信網、20,20A、20B…音声通信端末、30,30X、30Y…呼制御サーバ、310…制御部、320…通信I/F部、330…記憶部、331…揮発性記憶部、332…不揮発性記憶部、332a…バックアップ機識別子、332b…制御プログラム、340…バス。
Claims (4)
- 各々にレジストしている通信端末を接続先とする通信セッションの接続制御を行う複数の呼制御サーバと、
各々が前記複数の呼制御サーバの何れかにレジストし、当該レジスト先である呼制御サーバによる制御下で他の装置との間に通信セッションを確立してデータ通信を行う複数の通信端末と、
を備え、
前記複数の呼制御サーバの各々は、
通信セッションの接続先として選択された装置が当該呼制御サーバにレジストしていない通信端末である場合は、当該通信端末に対して当該呼制御サーバへレジストすることを指示し、そのレジストが完了した後に当該通信セッションの接続制御を行う
ことを特徴とする通信システム。 - 前記複数の呼制御サーバの各々は、
当該呼制御サーバにレジストしている通信端末からの要求に応じて当該通信端末と他の通信端末との間の通信セッションの接続制御を行う装置であり、
通信セッションの接続先として選択された前記他の通信端末が当該呼制御サーバにレジストしておらず、かつ、前記他の通信端末と当該呼制御サーバとが通信できない場合には、前記要求元の通信端末に対して他の呼制御サーバにレジストし直すことを指示し、
レジストし直すことを指示された通信端末は、その指示にしたがって他の呼制御サーバにレジストし直し、前記他の通信端末との通信セッションの接続制御の実行を当該他の呼制御サーバに要求する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記複数の呼制御サーバの各々は、
前記複数の通信端末のうちの任意の2台の通信端末間の通信セッションの接続制御を行う装置であり、
前記複数の呼制御サーバのうち前記2台の通信端末間の通信セッションの接続制御の実行を指示されたものは、
前記2台の通信端末の少なくとも一方が、当該呼制御サーバにレジストしておらず、かつ、当該呼制御サーバと通信できない場合には、それら通信端末間の通信セッションの接続制御の代行を他の呼制御サーバに指示し、
前記代行を指示された呼制御サーバは、その指示にしたがって前記2台の通信端末の各々に当該呼制御サーバへのレジストを指示し、そのレジストが完了した後に両通信端末間の通信セッションの接続制御を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記複数の呼制御サーバの各々は、
前記複数の通信端末のうちの任意の2台以上の通信端末の各々と当該呼制御サーバとの間に通信セッションを確立し、それら通信端末間のデータ通信を仲介する多地点接続装置であり、
前記2台以上の通信端末のうちに当該呼制御サーバにレジストしておらず、かつ、当該呼制御サーバと通信できないものが含まれている場合には、前記2台以上の通信端末の各々との間に通信セッションを確立してデータ通信を仲介する処理の代行を他の呼制御サーバに指示し、
前記代行を指示された呼制御サーバは、その指示にしたがって前記2台以上の通信端末の各々に当該呼制御サーバへのレジストを指示し、そのレジストが完了した後にその各々との間に通信セッションを確立しデータ通信の仲介を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008103526A JP2009253962A (ja) | 2008-04-11 | 2008-04-11 | 通信システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-04-11 JP JP2008103526A patent/JP2009253962A/ja not_active Withdrawn
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