JP2009253904A - マルチパス等化装置およびデジタル受信機 - Google Patents

マルチパス等化装置およびデジタル受信機 Download PDF

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Abstract

【課題】CMAを利用してマルチパス信号を除去する際に、簡易な処理手順にて発散を防止して定包絡性を回復できるマルチパス等化装置およびデジタル受信機を提供する。
【解決手段】マルチパス等化装置5は、等化部11と、ウエイト更新部12と、誤差平滑フィルタ13と、比較器14と、ウエイト初期化部15とを有する。ウエイト更新部12は、第1の乗算器31と、第1の加算器32と、リミッタ33と、第2の乗算器34と、複素乗算器35と、第3の乗算器36と、第2の加算器37と、遅延器38とを有する。リミッタ33にて、CMAの最急降下法に基づくウエイト更新式の誤差信号の信号レベルを制限するため、ウエイト更新式の右辺第二項の発散を防止でき、異常信号が等化部11に入力されても、等化部11の出力信号とウエイト更新部12の出力信号とが発散しなくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、CMA(Constant Modulus Algorism)を利用してマルチパス信号を除去するマルチパス等化装置と、このマルチパス等化装置を内蔵するデジタル受信機とに関する。
FM信号は、本来的には振幅が一定の定包絡信号であるが、複数の伝搬経路(マルチパス)を経由して伝搬すると、FM信号にマルチパス信号が重畳されて定包絡性が損なわれてしまう。定包絡性を回復する等化アルゴリズムの一つに、CMA(Constant Modulus Algorism:定包絡性アルゴリズム)がある。例えば、特許文献1には、CMAを用いた等化器の一例が記載されている。
CMAは、FM信号のレベルが急増する異常入力(例えば、モータから発生するトラムノイズなどのインパルス性ノイズや電界急増)に弱く、異常信号が入力されると、CMAが収束できずに発散し、出力が異常に大きくなって復帰しないという不具合が発生する。従来は、このような不具合に対処するために、CMAによる出力信号を所定のダイナミックレンジ内でクリップしていたが、このようなクリップでは信号の劣化が大きくなり、後段のFM検波段の出力も異常波形となり、その結果、オーディオ出力にノイズが発生してしまう。
従来は、発散時の復帰対策として、CMAで利用する重み係数(ウエイト)を初期値に戻すリセット機能を設けていたが、FMチューナはリアルタイムで絶えず復調処理をして音声信号を出力するため、復調処理の途中で重みを初期化すると、音声信号の位相が不連続となり、ポップノイズが発生するという問題がある。
特開平3−62628号公報
本発明は、CMAを利用してマルチパス信号を除去する際に、簡易な処理手順にて発散を防止して定包絡性を回復できるマルチパス等化装置およびデジタル受信機を提供するものである。
本発明の一態様によれば、デジタルRF信号を1サンプルずつ遅延させる縦続接続されたm個(mは1以上の整数)の遅延手段と、前記m個の遅延器の各出力信号を重み係数にて重み付けするm個の重み付け手段と、前記m個の重み付け手段の各出力を加算する加算手段と、を有する等化手段と、前記加算手段の出力信号に基づいて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する重み係数を更新する重み更新手段と、を備え、前記重み更新手段は、前記加算手段の出力信号と予め定めた目標振幅信号とに基づく誤差信号の値を所定値以内に制限するか、あるいは前記誤差信号の値が所定値以内でない場合にCMA(Constant Modulus Algorism)で使用されるステップサイズパラメータを調整する信号レベル制限手段と、前記信号レベル制限手段で制限した誤差信号、または前記信号レベル制限手段で調整したステップサイズパラメータを用いて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する新たな重み係数を生成する重み係数生成手段と、を有することを特徴とするマルチパス等化装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、n個(nは2以上の整数)のデジタルRF信号のそれぞれを遅延させずに、あるいは遅延させた状態で所定の重み係数にて重み付けするm個(mはn以上の整数)の重み付け手段と、前記m個の重み付け手段の出力信号を加算する加算手段と、を有する等化手段と、前記加算手段の出力信号に基づいて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する前記重み係数を更新する重み更新手段と、を備え、前記重み更新手段は、前記加算手段の出力信号と予め定めた目標振幅信号とに基づく誤差信号の値を所定値以内に制限するか、あるいは前記誤差信号の値が所定値以内でない場合にCMA(Constant Modulus Algorism)で使用されるステップサイズパラメータを調整する信号レベル制限手段と、
前記信号レベル制限手段で制限した誤差信号、または前記信号レベル制限手段で調整したステップサイズパラメータを用いて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する新たな重み係数を生成する重み係数生成手段と、を有することを特徴とするマルチパス等化装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、n個(nは2以上の整数)のアンテナのそれぞれで受信されたRF信号をIF信号に変換するIF変換手段と、
前記IF信号をA/D変換してn個のデジタルRF信号を生成するn個のA/D変換手段と、
前記n個のデジタルRF信号から所望の周波数成分を抽出するn個の選択フィルタリング手段と、
前記n個の選択フィルタリング手段の出力信号に含まれるマルチパス信号を除去するマルチパス等化装置と、
前記マルチパス等化装置の出力信号に基づいて復調処理を行う復調手段と、を備え、
前記マルチパス等化装置は、
前記n個のデジタルRF信号のそれぞれを遅延させずに、あるいは遅延させた状態で所定の重み係数にて重み付けするm個(mはn以上の整数)の重み付け手段と、前記m個の重み付け手段の出力信号を加算する加算手段と、を有する等化手段と、
前記加算手段の出力信号に基づいて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する前記重み係数を更新する重み更新手段と、を備え、
前記重み更新手段は、
前記加算手段の出力信号と予め定めた目標振幅信号とに基づく誤差信号の値を所定値以内に制限するか、あるいは前記誤差信号の値が所定値以内でない場合に、CMA(Constant Modulus Algorism)で使用されるステップサイズパラメータを調整する信号レベル制限手段と、
前記信号レベル制限手段で制限した誤差信号、または前記信号レベル制限手段で調整したステップサイズパラメータを用いて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する新たな重み係数を生成する重み係数生成手段と、を有することを特徴とするデジタル受信機が提供される。
本発明によれば、CMAを利用してマルチパス信号を除去する際に、簡易な処理手順にて発散を防止して定包絡性を回復できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態によるマルチパス等化装置の内部構成を示すブロック図、図2は図1のマルチパス等化装置を内蔵するデジタル受信機の内部構成の一例を示すブロック図である。
図1を説明する前に、まず図2のデジタル受信機について説明する。図2のデジタル受信機は、FM信号を受信可能な受信機であり、FM信号の他にAM信号を受信する機能を備えていてもよい。
図2のデジタル受信機は、アンテナ1と、チューナ2と、ADC(アナログ−デジタル変換器)3と、選択フィルタ4と、図1に詳細構成を示すマルチパス等化装置5と、FM検波器6と、ステレオ復調器7と、オーディオ処理装置8とを備えている。
チューナ2は、アンテナ1で受信されたFM信号をIF信号に変換する。ADC3は、IF信号をデジタル信号に変換する。選択フィルタ4は、デジタル信号の中から所望の周波数成分を抽出する。マルチパス等化装置5は、後述するように、選択フィルタ4の出力信号に含まれるマルチパス信号成分を除去する。FM検波器6は、マルチパス等化装置5の出力信号に対してFM検波処理を行って、コンポジット信号を生成する。ステレオ復調器7は、コンポジット信号をL/R信号に分離する。オーディオ処理装置8は、L/R信号に対して、ブレンド、高域カット、ソフトミュート等の処理を行って、オーディオ信号を生成する。
次に、図1に基づいてマルチパス等化装置5の内部構成を説明する。図1のマルチパス等化装置5は、等化部(等化手段)11と、ウエイト更新部(重み更新手段)12と、誤差平滑フィルタ13と、比較器14と、ウエイト初期化部15とを有する。
等化部11は、選択フィルタ4で抽出された選局信号を1サンプルずつ順に遅延させる縦続接続された複数の遅延器(遅延手段)21と、各遅延器21の出力信号に対して重み付けを行う複数の複素乗算器(重み付け手段)22と、これら複数の複素乗算器22の出力信号を加算して等化信号を生成する加算器(加算手段)23とを有する。図1では、遅延器21と複素乗算器22を(k+1)個(kは0以上の整数)設ける例を示している。
ウエイト更新部12は、後に詳述するように、第1の乗算器31と、第1の加算器32と、リミッタ(信号レベル制限手段)33と、第2の乗算器34と、複素乗算器35と、第3の乗算器36と、第2の加算器37と、遅延器38とを有する。第2の乗算器34と、複素乗算器35と、第3の乗算器36と、第2の加算器37と、遅延器38とは、重み係数生成手段に対応する。
誤差平滑フィルタ13は、リミッタ33の出力である誤差信号を平滑化する。比較器14は、誤差平滑フィルタ13の出力信号と発散防止用の閾値Vthとを比較する。ウエイト初期化部15は、誤差平滑フィルタ13の出力信号が閾値電圧よりも大きい場合には、ウエイトを初期化する。
等化部11内に複素乗算器22が設けられている理由は、等化部11の入力信号はI信号成分とQ信号成分を含んでおり、ウエイトを乗算する演算処理は複素演算になるためである。
図1のマルチパス等化装置5は、CMAを利用してマルチパス信号を除去する。CMAは、以下の(1)式で表される評価関数Q(W)が最小となるような制御を行う。
Q(W)≒E[||y(t)|−σ|
=E[||W・X(t)|−σ|] …(1)
上記(1)式において、y(t)は等化部11の出力信号、Wはウエイト、X(t)は等化部11内の各遅延器21の出力信号、σは目標となる包絡線値、E[f(t)]はf(t)の期待値、p,qは正の整数で通常1または2である。
図1のマルチパス等化装置5内の等化部11では、(1)式の右辺第1項の演算処理を行う。等化部11は、縦続接続されたn個(nは2以上の整数)の遅延器21を有し、複素乗算器22は各遅延器21の出力信号にウエイトを掛ける。これにより、ウエイトの値が最適化されていれば、等化部11内の加算器23からは、マルチパス信号を除去した信号が出力され、その値はσの値と略等しくなる。
ウエイト更新部12は、最適なウエイトを求めるための漸近的手法として最急降下法を利用して、ウエイトを更新する。ウエイトを更新する式として、以下の(2)〜(5)の4つの更新式があり、いずれの更新式を用いてもよい。
a)p=1、q=1のときの更新式:
Figure 2009253904
b)p=2、q=1のときの更新式:
w(n+1)=w(n)−μX(n)y(n)sgn(|y(n)|−σ) …(3)
c)p=1、q=2のときの更新式:
Figure 2009253904
d)p=2、q=2のときの更新式:
w(n+1)=w(n)−μX(n)y(n)(y(n)−σ) …(5)
上記(2)および(3)において、sgn(x)は、xの値によって以下のような値を取る。
x>0のとき、sgn(x)=1
x=0のとき、sgn(x)=0
x<0のとき、sgn(x)=−1
また、上記(2)〜(5)において、y(n)はyの複素共役であり、I信号成分とQ信号成分を含んでいることを示す。
上記(2)〜(5)式のいずれの更新式に基づいてウエイトを更新してもよいが、図1は(5)式に基づいてウエイトを更新する例を示している。
上記(5)式の右辺の最後の項(y(n)−σ)は、誤差信号と呼ばれ、(1)式の評価関数の値を決定するものである。
図3は(5)式の更新式に対応する評価関数(y(n)−σの誤差曲面を示すグラフである。図3のRe[y]軸はI信号成分、Im[y]軸はQ信号成分、E軸は評価関数の値である。図3では、I、Q信号成分の代表点A,B,Cに対応する評価関数の値をプロットしている。A点は、評価関数の値(すなわち誤差信号)が最小になる点であり、この場合はσ≒yとなる。A点はCMAの収束点である。B点は、y=0で、評価関数値が(−σ)となる点である。このB点でも評価関数値は小さくなる。B点は、CMAの収束点ではないが、(5)式の更新式の右辺第二項の値がそれほど大きくないことから、評価関数値の値自体もそれほど大きな値にはならない。
一方、C点は、y>σの点であり、yが大きいほど評価関数値は限りなく大きくなる。このC点では、(5)式の更新式の右辺第二項の値が限りなく大きくなるおそれがある。したがって、C点の近傍は非常に不安定な領域であり、発散しやすいと言える。
このように、図3のB点であれば、評価関数値が発散するおそれはない。そこで、本実施形態では、(5)式の更新式の右辺第二項の中の誤差信号(y(n)−σ)の値を制限して、A点かB点になるようにする。より具体的には、ウエイト更新部12内にリミッタ33を設けて、誤差信号(y(n)−σ)の値が所定の閾値電圧Vthを超えないようにする。誤差信号(y(n)−σ)の値を制限すれば、評価関数の値も制限され、CMAが発散するおそれがなくなる。
(5)式の更新式の右辺第二項は、μX(n)y(n)(y(n)−σ)であり、この第二項の全体の値に対して制限をかけることも考える。ところが、この第二項内にはX(n)の項も含まれている。図2では省略しているが、実際には、図2のADC3と選択フィルタ4の間にミキサが設けられ、このミキサによりI信号成分とQ信号成分に分けられる。(5)式の更新式の右辺第二項内のX(n)の値はI信号成分とQ信号成分ではそれぞれ値が異なるため、もし、右辺第二項の全体の値に対して制限をかけようとすると、I信号成分用のリミッタ33とQ信号成分用のリミッタ33とを別個に設ける必要があり、リミッタ33が余計にもう一つ必要になってしまう。また、I信号成分とQ信号成分を個別に制限することにより、I成分とQ成分とで形成されるウエイトの位相角を意図しない方向に動かしてしまうことになって、制御系が不安定になってしまう。
これに対して、図1のように、(5)式の更新式の右辺第二項の一部である誤差信号(y(n)−σ)に制限をかければ、I信号成分とQ信号成分でリミッタ33を共用できて回路規模を削減できる。また、ウエイトのスカラー成分をリミッタ33で制限することにより、位相角の向きは最急降下法によるウエイト最適化方法に従わせることができ、制御系の安定な動作が期待できる。このような理由で、本実施形態では、誤差信号(y(n)−σ)の信号レベルをリミッタ33で制限する。
図1のウエイト更新部12は、(5)式のy(n)として、等化部11の出力yを利用する。この出力yはI信号成分とQ信号成分を含んでおり、複素共役信号である。以下、ウエイト更新部12の動作を説明する。ウエイト更新部12内の第1の乗算器31は、等化部11の出力信号yを二乗してyを計算する。第1の加算器32は、 (y−σ)を計算する。リミッタ33は、第1の加算器32の出力信号の値を閾値振幅Vth以下に制限する。第2の乗算器34は、リミッタ33の出力信号にyを乗じて、y(y−σ)を計算する。
第1の乗算器31から第2の乗算器34までは一つずつ設けられるが、その後段の複素乗算器35から遅延器38までは、遅延器21の数分(図1の場合はk+1個)設けられる。そして、(k+1)個の複素乗算器35のそれぞれには、対応する遅延器21の出力X(n)が入力される(n=0,…,k)。
各複素乗算器35は、第2の乗算器34の出力信号に、対応する遅延器21の出力信号X(n)を乗じてX(n) y(y−σ)を計算する。第3の乗算器36は、複素乗算器35の出力信号にステップサイズパラメータμを乗じて、μX(n) y(y−σ)を計算する。第2の加算器37は、対応する遅延器21の出力信号w(n)の1サンプル前の値から第3の乗算器36の出力信号を減じて、w(n)−μX(n) y(y−σ)を計算する。遅延器38は、第2の加算器37の出力信号を1サンプル分遅延させて、更新されたウエイトw(n+1)を出力する。このウエイトw(n+1)は、等化部11の対応する複素乗算器22に供給される。
このように、ウエイト更新部12は、等化部11内の対応するウエイトw(n)と、ステップサイズパラメータμと、対応する遅延器21の出力信号X(n)と、等化部11の出力信号yと、目標となる包絡線値σとに基づいて、次のサンプル時のウエイトw(n+1)を計算して、対応する複素乗算器22に供給する。
図1のマルチパス等化装置5は、発散防止用の比較器14も備えている。この比較器14は、リミッタ33の出力信号を誤差平滑フィルタ13で平滑化した後の信号を、発散防止用の閾値Vthと比較し、同信号が閾値Vthを超えた場合には、ウエイト初期化部15にて初期ウエイトを選択して、等化部11の対応する乗算器に供給する。これにより、発散した場合にはすべてのウエイトがリセットされる。
図4は図1のマルチパス等化装置5のシミュレーション結果を示す図であり、図4(a)はウエイト更新部12内のリミッタ33の出力信号MSE(y−σ)の波形図、図4(b)は等化部11の出力信号yの波形図である。ここで、MSEとは、平均二乗誤差(Mean Square Error)である。図4(a)の縦軸は(y−σ)を時間軸上で平均化した値である。図4(a)と図4(b)の横軸は時間である。
図4では、等化部11にインパルス性のノイズを意図的に与えたものであるが、図4(a)に示すように、リミッタ33の出力信号は、MSE(y−σ)の最大値を示す破線と(−σ)を示す破線との間に収まっており、信号レベルが確実に制限されることがわかる。また、等化部11の出力信号yは、周期的にインパルス性のノイズが発生するものの、発散は確実に防止される。
一方、図5は図1のリミッタ33を設けない場合のシミュレーション結果を示す図であり、図4と同じ条件で等化部11にインパルス性のノイズを与えたものである。図5の場合、0.7秒辺りで誤差信号(y−σ)と出力信号yがともに最大値に張り付いてしまい、時間が経過しても信号レベルが元に戻らないことから、発散していることがわかる。
上述した図1では、(5)式の更新式に基づいて誤差信号(y−σ)の信号レベルを制限しているが、リミッタ33を設ける代わりに、ステップサイズパラメータμの値を制限するμ制限器(信号レベル制限手段)39を設けてもよい。図6は図1の変形例を示すマルチパス等化装置5のブロック図である。図6のマルチパス等化装置5は、ウエイト更新部12内にリミッタ33がない代わりに、ステップサイズパラメータμの値を制限するμ制限器39を有する。このμ制限器39は、(5)式の更新式における誤差信号(y−σ)が所定の閾値Vthより大きければ、ステップサイズパラメータμを、以下の(6)式に基づいて更新する。
Figure 2009253904
上述した図1では、(5)式の更新式における誤差信号(y−σ)の信号レベルを制限しているが、CMAのウエイト更新式は上記(5)式に限らない。例えば、上記(2)〜(4)式のいずれかの更新式を用いて誤差信号の信号レベルを制限してもよい。(2)式の更新式を採用する場合、右辺第二項内のsgn(|y(n)|−σ)に着目して、||y|−σ|>Vthのときに、ステップサイズパラメータμを、以下の(7)式のように制限する。
Figure 2009253904
この場合は、図1のようなリミッタ33を設ける代わりに、図6のようなμ制限器39にて(7)式の計算を行う。
また、(3)式の更新式の場合、右辺第二項内のsgn(|y(n)|−σ)に着目して、(|y(n)|−σ)>Vthのときに、ステップサイズパラメータμを、以下の(8)式のように制限する。この場合も、図6のようなμ制限器39を用いて(8)式の計算を行う。
Figure 2009253904
また、(4)式の更新式の場合、右辺第二項内の(|y(n)|−σ)に着目して、(|y(n)|−σ)>Vthのときに、ステップサイズパラメータμを、以下の(9)式のように制限する。
Figure 2009253904
また、(|y(n)|−σ)<−Vthのときに、ステップサイズパラメータμを、以下の(10)式のように制限する。
Figure 2009253904
上記(9)式と(10)式の計算はμ制限器39にて行われるが、μ制限器39の代わりにリミッタ33を設けて、(|y(n)|−σ)の値の最大値をVthで制限し、最小値を−Vthで制限するようにしてもよい。
このように、第1の実施形態では、CMAの最急降下法に基づくウエイト更新式の誤差信号の信号レベルを制限するか、あるいはステップサイズパラメータμの値を制限して、ウエイト更新式の右辺第二項が発散しないようにしたため、異常信号が等化部11に入力された場合であっても、等化部11の出力信号とウエイト更新部12の出力信号とが発散するおそれがなくなり、短時間で等化部11の出力信号を収束させることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、図2に示すようにチューナ2を一つ設けて選局を行っているが、複数のチューナ2を設けてもよい。この場合、マルチパス等化装置5の内部構成も図1とは異なったものになる。
図7は本発明の第2の実施形態によるマルチパス等化装置5の内部構成を示すブロック図、図8は図7のマルチパス等化装置5を内蔵するデジタル受信機の内部構成の一例を示すブロック図である。
図8のデジタル受信機は、2組のアンテナ1a,1bと、チューナ2a,2bと、ADC3a,3bと、選択フィルタ4a,4bを有し、選択フィルタ4a,4bの出力信号はいずれもマルチパス等化装置5に入力される。なお、図8では2組だけを備えているが、3組以上のアンテナ、チューナ、ADCおよび選択フィルタを設けてもよい。3組以上設けても、マルチパス等化装置5以降は1組だけでよい。
マルチパス等化装置5は、図7に内部構成を示すように、等化部11と、ウエイト更新部12と、誤差平滑フィルタ13と、比較器14と、ウエイト初期化部15a,15bとを有する。図7の等化部11とウエイト更新部12の内部構成は、図1とは異なっている。
等化部11は、遅延器を省略した代わりに、選択フィルタ4aの出力信号にウエイトWm0を乗算する複素乗算器22aと、選択フィルタ4bの出力信号にウエイトWs0を乗算する複素乗算器22bと、これら複素乗算器22a,22bの乗算結果を加算する加算器23とを有する。
なお、等化部11の内部に、図1と同様に、縦続接続された複数の遅延器と、各遅延器に対応した複素乗算器とを設けてもよい。この場合、複数のチューナ2のそれぞれに対して、複数の遅延器と複数の乗算器とを設ける必要がある。
図7の等化部11が遅延器21を省略している理由は、2つのアンテナ1a,1bで別個にFM信号を受信して選局することで、マルチパス信号を互いに相殺できるためであり、図7のような等化部11の構成にすることで、図1の等化部11よりも内部構成を簡略化できる。ただし、マルチパス信号をよりよく除去するためには、各チューナ2に対応して、図1と同様の遅延器21と複素乗算器22を設けた方がよい。
図7のウエイト更新部12は、第1の乗算器31と、第1の加算器32と、リミッタ33と、第2の乗算器34と、複素乗算器35a,35bと、第3の乗算器36a,36bと、第2の加算器37a,37bと、遅延器38a,38bとを有する。
第1の乗算器31は、等化部11の出力信号y(n)を二乗する。このy(n)は複共役であるため、図7ではyと記載している。第1の加算器32は、(y(n)−σ)を計算する。リミッタ33は、加算器の出力信号の最大値を所定の最大閾値Vthに制限し、最小値を最小値Vthに制限する。第2の乗算器34は、y(n)(y(n)−σ)を計算する。
複素乗算器35a,35bと、第3の乗算器36a,36bと、第2の加算器37a,37bと、遅延器38a,38bはチューナ2a,2bのそれぞれに対応して設けられる。複素乗算器35a,35bは、第2の乗算器34の出力信号に選択フィルタ4の出力信号X(n)を乗じて、X(n)y(n)(y(n)−σ)を計算する。第3の乗算器36a,36bは、複素乗算器35a,35bの出力信号にステップサイズパラメータμを乗じて、μX(n)y(n)(y(n)−σ)を計算する。第2の加算器37a,37bは、1サンプル前のウエイトw(n)から第2の加算器37a,37bの出力を減じたw(n)−μX(n)y(n)(y(n)−σ)を計算する。遅延器38a,38bは、第2の加算器37a,37bの出力を1サンプル遅延させて次のサンプルでのウエイトw(n+1)を生成し、これを等化部11に供給する。
誤差平滑フィルタ13と比較器14の動作は第1の実施形態と同様であり、ウエイトを初期化する際には、2つの乗算器用のウエイトを同時に初期化する。
図7では、ウエイト更新部12内にリミッタ33を設けて誤差信号(y(n)−σ)の値を制限したが、第1の実施形態で説明したように、リミッタ33の代わりにμ制限器39を設けてウエイト更新式の右辺第二項の値を制限してもよい。
このように、第2の実施形態は、複数のチューナ2を設けた場合であっても、ウエイト更新部12内にリミッタまたはμ制限器39を設けることにより、等化部11の出力信号とウエイト更新部12の出力信号とが発散するおそれがなくなり、短時間で等化部11の出力信号を収束させることができる。また、複数のチューナ2を設けることにより、マルチパス信号を相殺できるという効果が得られ、第1の実施形態よりもマルチパス信号の除去効果を高めることが可能となる。さらには、第2の実施形態のような複数のチューナを設けた構成で、かつ第1の実施形態と同様の遅延器22を等化部11内に設けることにより、マルチパス信号の除去効果をさらにいっそう向上できる。
本発明の第1の実施形態によるマルチパス等化装置の内部構成を示すブロック図。 図1のマルチパス等化装置を内蔵するデジタル受信機の内部構成の一例を示すブロック図。 (5)式の更新式に対応する評価関数(y(n)−σの誤差曲面を示すグラフ。 図1のマルチパス等化装置5のシミュレーション結果を示す図であり、図4(a)はウエイト更新部12内のリミッタ33の出力信号MSE(y−σ)の波形図、図4(b)は等化部11の出力信号yの波形図。 図1のリミッタ33を設けない場合のシミュレーション結果を示す図。 図1の変形例を示すマルチパス等化装置5のブロック図。 本発明の第2の実施形態によるマルチパス等化装置5の内部構成を示すブロック図。 図7のマルチパス等化装置5を内蔵するデジタル受信機の内部構成の一例を示すブロック図。
符号の説明
1、1a、1b アンテナ
2、2a、2b チューナ
3、3a、3b ADC
4、4a、4b 選択フィルタ
5 マルチパス等化装置
6 FM検波器
7 ステレオ復調器
8 オーディオ処理装置
11 等化部
12 ウエイト更新部
13 誤差平滑フィルタ
14 比較器
15 ウエイト初期化部
21、38 遅延器
22、35 複素乗算器
23、32、37 加算器
31、34、36 乗算器
33 リミッタ
39 μ制限器

Claims (5)

  1. デジタルRF信号を1サンプルずつ遅延させる縦続接続されたm個(mは1以上の整数)の遅延手段と、前記m個の遅延器の各出力信号を重み係数にて重み付けするm個の重み付け手段と、前記m個の重み付け手段の各出力を加算する加算手段と、を有する等化手段と、
    前記加算手段の出力信号に基づいて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する重み係数を更新する重み更新手段と、を備え、
    前記重み更新手段は、
    前記加算手段の出力信号と予め定めた目標振幅信号とに基づく誤差信号の値を所定値以内に制限するか、あるいは前記誤差信号の値が所定値以内でない場合にCMA(Constant Modulus Algorism)で使用されるステップサイズパラメータを調整する信号レベル制限手段と、
    前記信号レベル制限手段で制限した誤差信号、または前記信号レベル制限手段で調整したステップサイズパラメータを用いて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する新たな重み係数を生成する重み係数生成手段と、を有することを特徴とするマルチパス等化装置。
  2. n個(nは2以上の整数)のデジタルRF信号のそれぞれを遅延させずに、あるいは遅延させた状態で所定の重み係数にて重み付けするm個(mはn以上の整数)の重み付け手段と、前記m個の重み付け手段の出力信号を加算する加算手段と、を有する等化手段と、
    前記加算手段の出力信号に基づいて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する前記重み係数を更新する重み更新手段と、を備え、
    前記重み更新手段は、
    前記加算手段の出力信号と予め定めた目標振幅信号とに基づく誤差信号の値を所定値以内に制限するか、あるいは前記誤差信号の値が所定値以内でない場合にCMA(Constant Modulus Algorism)で使用されるステップサイズパラメータを調整する信号レベル制限手段と、
    前記信号レベル制限手段で制限した誤差信号、または前記信号レベル制限手段で調整したステップサイズパラメータを用いて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する新たな重み係数を生成する重み係数生成手段と、を有することを特徴とするマルチパス等化装置。
  3. 前記重み更新手段は、前記m個の重み付け手段に対応するm個の重み係数と、前記m個の重み付け手段への入力信号と、前記加算手段の出力信号と、前記目標振幅信号と、前記ステップサイズパラメータとに基づいて、前記新たな重み係数を生成し、
    前記誤差信号は、前記加算手段の出力信号および前記目標振幅信号のみで生成される信号であることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチパス等化装置。
  4. 前記誤差信号は、前記加算手段の出力信号の二乗と前記目標振幅信号の二乗との差分の絶対値であることを特徴とする請求項3に記載のマルチパス等化装置。
  5. n個(nは2以上の整数)のアンテナのそれぞれで受信されたRF信号をIF信号に変換するIF変換手段と、
    前記IF信号をA/D変換してn個のデジタルRF信号を生成するn個のA/D変換手段と、
    前記n個のデジタルRF信号から所望の周波数成分を抽出するn個の選択フィルタリング手段と、
    前記n個の選択フィルタリング手段の出力信号に含まれるマルチパス信号を除去するマルチパス等化装置と、
    前記マルチパス等化装置の出力信号に基づいて復調処理を行う復調手段と、を備え、
    前記マルチパス等化装置は、
    前記n個のデジタルRF信号のそれぞれを遅延させずに、あるいは遅延させた状態で所定の重み係数にて重み付けするm個(mはn以上の整数)の重み付け手段と、前記m個の重み付け手段の出力信号を加算する加算手段と、を有する等化手段と、
    前記加算手段の出力信号に基づいて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する前記重み係数を更新する重み更新手段と、を備え、
    前記重み更新手段は、
    前記加算手段の出力信号と予め定めた目標振幅信号とに基づく誤差信号の値を所定値以内に制限するか、あるいは前記誤差信号の値が所定値以内でない場合に、CMA(Constant Modulus Algorism)で使用されるステップサイズパラメータを調整する信号レベル制限手段と、
    前記信号レベル制限手段で制限した誤差信号、または前記信号レベル制限手段で調整したステップサイズパラメータを用いて、前記m個の重み付け手段のそれぞれに対応する新たな重み係数を生成する重み係数生成手段と、を有することを特徴とするデジタル受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011172227A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Ls Industrial Systems Co Ltd 送信漏れ信号の相殺信号探索方法
KR101981225B1 (ko) * 2018-12-03 2019-05-22 한국해양과학기술원 Gnss 측정치에 포함된 특이신호요소 정밀추정 방법

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