JP2009253202A - 露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置情報の計測精度の低下を抑制し、露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、露光光を射出する光学部材と、基板の露光中に、光学部材と基板との間の露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成可能な液浸部材と、露光光の照射位置を含む所定面内を移動可能な物体の位置情報を計測可能な計測器を支持する支持部材と、液浸部材の変形が支持部材へ伝達されないように支持部材と液浸部材とを接続する接続機構とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体を介して基板を露光する露光装置、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、特許文献1に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。露光装置は、基板を保持して移動する基板ステージを備えている。その基板ステージの位置情報は、例えば下記特許文献2に開示されているような計測システムで計測される。
米国特許出願公開第2007/0046910号明細書
米国特許出願公開第2006/0227309号明細書
計測システムによる位置情報の計測精度が低下すると、移動体の移動性能が低下し、露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。
本発明の態様は、位置情報の計測精度の低下を抑制し、露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光を射出する光学部材と、基板の露光中に、光学部材と基板との間の露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成可能な液浸部材と、露光光の照射位置を含む所定面内を移動可能な物体の位置情報を計測可能な計測器を支持する支持部材と、液浸部材の変形が支持部材へ伝達されないように支持部材と液浸部材とを接続する接続機構と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置情報を計測する干渉計システム3と、基板ステージ2に保持された基板Pの表面の位置情報を検出する検出システム(フォーカス・レベリング検出システム)4と、基板ステージ2の位置情報を計測するエンコーダシステム5と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成された透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えばシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜と別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSは、液体LQで満たされた空間である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
本実施形態において、液浸空間LSは、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子7から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。終端光学素子7は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面8を有する。液浸空間LSは、終端光学素子7とその終端光学素子7の射出面8と対向する位置に配置された物体との間の光路が液体LQで満たされるように形成される。射出面8と対向する位置は、射出面8から射出される露光光ELの照射位置を含む。
露光装置EXは、終端光学素子7と、射出面8から射出される露光光ELの照射位置に配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材9を備えている。液浸部材9は、終端光学素子7の近傍に配置されている。
液浸部材9は、射出面8から射出される露光光ELの光路の周囲に配置され、露光光ELの照射位置に配置された物体の表面との間で液体LQを保持可能な下面10を有する。本実施形態において、射出面8と対向可能な物体は、下面10と対向可能である。物体の表面が射出面8と対向する位置に配置されたとき、下面10の少なくとも一部と物体の表面とが対向する。射出面8と物体の表面とが対向しているとき、終端光学素子7は、射出面8と物体の表面との間に液体LQを保持可能である。また、下面10と物体の表面とが対向しているとき、液浸部材9は、下面10と物体の表面との間に液体LQを保持可能である。一方側の射出面8及び下面10と他方側の物体の表面との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子7の射出面8と物体の表面との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、射出面8及び下面10と対向可能な物体は、終端光学素子7の射出側(像面側)で移動可能な物体を含み、露光光ELの照射位置を含む所定面内を移動可能な物体を含む。本実施形態において、その物体は、基板ステージ2、及びその基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。なお、以下においては、説明を簡単にするために、主に、終端光学素子7の射出面8と基板Pとが対向している状態を例にして説明する。
露光装置EXは、例えばクリーンルーム内の支持面FL上に設けられた第1フレーム11A、及び第1フレーム11A上に設けられた第2フレーム11Bを含むボディ11を備えている。第1フレーム11Aは、複数の第1支柱12と、それら第1支柱12に防振装置13を介して支持された第1定盤14とを備えている。第2フレーム11Bは、第1定盤14上に設けられた複数の第2支柱15と、それら第2支柱15に防振装置16を介して支持された第2定盤17とを備えている。
照明系ILは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書等に開示されるような、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びブラインド機構等を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)、及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部1Hを有する。本実施形態において、マスク保持部1Hは、マスクMのパターン形成面(下面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。マスクステージ1は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む第1駆動システム1Dの作動により、マスクMを保持した状態で、第2定盤17の上面(ガイド面)に沿って、照明領域IRを含むXY平面内を移動可能である。第2定盤17の上面は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、マスクステージ1は、マスク保持部1HでマスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒18に保持されている。鏡筒18は、フランジ18Fを有する。投影光学系PLは、フランジ18Fを介して、第1定盤14に支持される。第1定盤14に支持された、終端光学素子7を含む投影光学系PLの位置は、ほぼ固定される。なお、第1定盤14と鏡筒18との間に防振装置を設けることができる。
なお、例えば国際公開第2006/038952号パンフレットに開示されているように、投影光学系PLの鏡筒18が、投影光学系PLの上方に配置される支持部材に吊り下げられてもよい。
本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部2Hを有する。本実施形態において、基板保持部2Hは、所謂、ピンチャック機構を含む。本実施形態において、基板保持部2Hは、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む第2駆動システム2Dの作動により、基板Pを保持した状態で、第3定盤19の上面(ガイド面)に沿って、投影領域PRを含むXY平面内を移動可能である。第3定盤19は、防振装置20を介して、支持面FLに支持されている。第3定盤19の上面は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、基板ステージ2は、基板保持部2Hで基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部2Hの周囲に配置され、終端光学素子7の射出面8と対向可能な上面2Tを有する。基板保持部2Hは、基板ステージ2上に設けられた凹部2Cに配置されている。基板保持部2Hに保持された基板Pの表面は、終端光学素子7の射出面8と対向可能である。基板ステージ2の上面2Tは、平坦で、XY平面とほぼ平行である。基板保持部2Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ2の上面2Tとは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。
本実施形態において、基板ステージ2は、基板保持部2Hに保持された基板Pの周囲に配置されるプレート部材Tを有する。本実施形態において、基板ステージ2は、プレート部材Tをリリース可能に保持するプレート部材保持部2Jを備えている。本実施形態において、プレート部材保持部2Jは、所謂、ピンチャック機構を含む。プレート部材保持部2Jは、基板保持部2Hの周囲に配置されている。
プレート部材Tは、基板Pを配置可能な開口THを有する。プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tは、基板保持部2Hに保持された基板Pの周囲に配置される。本実施形態において、プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tの開口THの内面と、基板保持部2Hに保持された基板Pの外面とは、所定のギャップを介して対向する。プレート部材保持部2Jは、プレート部材Tの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。本実施形態においては、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面と、プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tの上面とは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。すなわち、本実施形態においては、基板ステージ2の上面2Tは、プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tの上面を含む。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。第1、第2干渉計ユニット3A、3Bのそれぞれは、複数のレーザ干渉計を有する。第1干渉計ユニット3Aは、マスクステージ1に設けられた反射ミラー1Rを用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関するマスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測する。第2干渉計ユニット3Bは、基板ステージ2に設けられた反射ミラー2Rを用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測する。
検出システム4は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置情報を検出可能である。検出システム4は、例えば米国特許第5448332号明細書、米国特許第6608681号明細書等に開示されているような、複数の検出点のそれぞれで基板Pの表面の高さ情報(Z軸方向に関する位置情報)を検出する、所謂、多点位置検出システムを含む。検出システム4は、基板Pの表面の位置情報のみならず、例えば基板ステージ2の上面2Tの位置情報を検出可能である。
エンコーダシステム5は、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測する。エンコーダシステム5は、基板ステージ2の位置情報を計測可能なエンコーダヘッド21と、エンコーダヘッド21を支持する支持部材22とを備えている。本実施形態において、基板ステージ2は、スケール部材を備えている。エンコーダヘッド21は、基板ステージ2に配置されたスケール部材と対向可能である。エンコーダシステム5は、エンコーダヘッド21、及び基板ステージ2に配置されたスケール部材を用いて、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測する。
本実施形態において、支持部材22は、投影光学系PLを支持する第1フレーム11Aに支持されている。本実施形態においては、支持部材22は、連結部材24を介して、第1フレーム11Aの第1定盤14に吊り下げられている。本実施形態において、連結部材24は、支持部材22の上面と第1定盤14の下面とを接続する。支持部材22に支持されたエンコーダヘッド21は、基板ステージ2の上方に配置される。第1フレーム11A(第1定盤14)に支持された、エンコーダヘッド21を含む支持部材22の位置は、ほぼ固定される。
液浸部材9は、基板Pの露光中に、終端光学素子7と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。基板Pを露光するために、基板ステージ2に保持された基板Pが、終端光学素子7及び液浸部材9と対向するように、露光光ELの照射位置に配置される。基板Pの露光中に、終端光学素子7の射出面8から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、終端光学素子7及び液浸部材9と基板Pとの間に液体LQが保持され、液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)は、液浸部材9の下面10と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態において、液浸部材9は、接続機構25を介して、支持部材22に支持されている。接続機構25は、弾性ヒンジ50を含み、支持部材22と液浸部材9とを接続する。弾性ヒンジ50を含む接続機構25は、液浸部材9の変形の支持部材22への伝達を抑制することができる。
図2は、終端光学素子7及び液浸部材9の近傍を示す断面図である。液浸部材9は、環状の部材である。液浸部材9は、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態において、液浸部材9の少なくとも一部は、終端光学素子7の周囲に配置されている。液浸部材9は、終端光学素子7の射出面8と対向する位置に開口26を有する。射出面8から射出された露光光ELは、開口26を通過可能である。射出面8から射出された露光光ELは、開口26を介して、基板Pに照射される。
液浸部材9は、液体LQを供給可能な液体供給口27と、液体LQを回収可能な液体回収口28とを備えている。液体供給口27は、液浸空間LSを形成するために、露光光ELの光路に液体LQを供給可能である。液体供給口27は、露光光ELの光路の近傍において、その光路と対向する液浸部材9の所定位置に配置されている。液体供給口27は、流路29を介して、液体供給装置30と接続されている。液体供給装置30は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。流路29は、液浸部材9の内部に形成された供給流路、及びその供給流路と液体供給装置30とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置30から送出された液体LQは、流路29を介して液体供給口27に供給される。液体供給口27は、液体供給装置30からの液体LQを露光光ELの光路に供給する。
液体回収口28は、液浸部材9の下面10と対向する物体上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。本実施形態においては、液体回収口28は、露光光ELの光路の周囲に配置されている。液体回収口28は、物体の表面と対向する液浸部材9の所定位置に配置されている。液体回収口28には、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材31が配置されている。なお、液体回収口28に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。本実施形態において、液浸部材9の下面10の少なくとも一部が、多孔部材31の下面で構成される。液体回収口28は、流路32を介して、液体回収装置33と接続されている。液体回収装置33は、真空システムを含み、液体LQを吸引して回収可能である。流路32は、液浸部材9の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と液体回収装置33とを接続する回収管で形成される流路を含む。液体回収口28から回収された液体LQは、流路32を介して、液体回収装置33に回収される。
本実施形態においては、制御装置6は、液体供給口27を用いる液体供給動作と並行して、液体回収口28を用いる液体回収動作を実行することによって、終端光学素子7及び液浸部材9と、終端光学素子7及び液浸部材9と対向する物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
図3は、基板ステージ2、エンコーダシステム5、及び液浸部材9を示す平面図である。本実施形態において、XY平面内におけるプレート部材Tの外形(輪郭)は、矩形である。基板Pを配置可能なプレート部材Tの開口THは、円形である。
本実施形態においては、プレート部材Tは、開口THを有する第1プレートT1と、第1プレートT1の周囲に配置される第2プレートT2とを含む。XY平面内における第1プレートT1の外形(輪郭)は、矩形であり、第2プレートT2の外形(輪郭)は、矩形である。また、第1プレートT1が配置される第2プレートT2の開口は、第1プレートT1の外形と同じ形状(矩形)である。
本実施形態において、プレート部材T(第1、第2プレートT1、T2)は、低熱膨張率の材料で形成されている。プレート部材Tは、例えば、光学ガラス部材又はセラミックス部材(ショット社のゼロデュア(商品名)、Al2O3あるいはTiC等)で形成されている。本実施形態においては、プレート部材Tの上面に、フッ素を含む材料の膜が形成されている。膜を形成する材料は、例えばPFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、テフロン(登録商標)等を含む。なお、膜を形成する材料が、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂でもよい。これにより、プレート部材Tの上面は、液体LQに対して撥液性である。
本実施形態においては、第2プレートT2が、エンコーダシステム5で計測されるスケール部材として機能する。以下の説明において、第2プレートT2を適宜、スケール部材T2、と称する。
スケール部材T2は、基板ステージ2の上面2Tの少なくとも一部を形成する。エンコーダヘッド21は、基板ステージ2に配置されたスケール部材T2と対向可能である。エンコーダヘッド21は、スケール部材T2の上方に配置される。
スケール部材T2は、Y軸方向に関する基板ステージ2の位置情報を計測するためのYスケール34、35と、X軸方向に関する基板ステージ2の位置情報を計測するためのXスケール36、37とを含む。Yスケール34は、開口THに対して−X側に配置され、Yスケール35は、開口THに対して+X側に配置されている。Xスケール36は、開口THに対して−Y側に配置され、Xスケール36は、開口THに対して+Y側に配置されている。
Yスケール34、35のそれぞれは、X軸方向を長手方向とし、Y軸方向に所定ピッチで配置された複数の格子(格子線)RGを含む。すなわち、Yスケール34、35は、Y軸方向を周期方向とする一次元格子を含む。
Xスケール36、37のそれぞれは、Y軸方向を長手方向とし、X軸方向に所定ピッチで配置された複数の格子(格子線)RGを含む。すなわち、Xスケール36、37は、X軸方向を周期方向とする一次元格子を含む。
本実施形態において、格子RGは、回折格子である。すなわち、本実施形態において、Yスケール34、35は、Y軸方向を周期方向とする回折格子RGを有し、Xスケール36、37は、X軸方向を周期方向とする回折格子RGを有する。
また、本実施形態においては、Yスケール34、35は、Y軸方向を周期方向とする反射型格子(反射回折格子)が形成された反射型スケールである。Xスケール36、37は、X軸方向を周期方向とする反射型格子(反射回折格子)が形成された反射型スケールである。
なお、図示の便宜上、図3において、回折格子RGのピッチは、実際のピッチに比べて格段に大きく示されている。
エンコーダシステム5は、Y軸方向に関する基板ステージ2の位置情報を計測するリニアエンコーダ5A、5Cと、X軸方向に関する基板ステージ2の位置情報を計測するリニアエンコーダ5B、5Dとを備えている。
リニアエンコーダ5A、5B、5C、5Dのそれぞれは、スケール部材T2と対向可能な複数のエンコーダヘッド21と、それらエンコーダヘッド21を支持する支持部材22とを備えている。以下の説明において、リニアエンコーダ5A、5B、5C、5Dそれぞれの支持部材22を適宜、第1、第2、第3、第4支持部材22A、22B、22C、22D、と称する。また、第1支持部材22Aに支持されている複数のエンコーダヘッド21を合わせて適宜、第1ヘッドユニット21A、と称し、第2支持部材22Bに支持されている複数のエンコーダヘッド21を合わせて適宜、第2ヘッドユニット21B、と称し、第3支持部材22Cに支持されている複数のエンコーダヘッド21を合わせて適宜、第3ヘッドユニット21C、と称し、第4支持部材22Dに支持されている複数のエンコーダヘッド21を合わせて適宜、第4ヘッドユニット21D、と称する。第1〜第4ヘッドユニット21A〜21Dのそれぞれは、複数のエンコーダヘッド21を含み、所謂、多眼のリニアエンコーダを構成する。
第1〜第4支持部材22A〜22Dのそれぞれは、露光光ELの光路の外側で、光路に対する放射方向に延びるロッド部材である。第1〜第4支持部材22A〜22Dは、液浸部材9を囲むように配置されている。
第1支持部材22Aは、投影光学系PLの−X側に配置されている。第1支持部材22Aは、X軸方向に長く、X軸とほぼ平行に配置されている。第2支持部材22Bは、投影光学系PLの−Y側に配置されている。第2支持部材22Bは、Y軸方向に長く、Y軸とほぼ平行に配置されている。第3支持部材22Cは、投影光学系PLの+X側に配置されている。第2支持部材22Cは、X軸方向に長く、X軸とほぼ平行に配置されている。第4支持部材22Dは、投影光学系PLの+Y側に配置されている。第2支持部材22Bは、Y軸方向に長く、Y軸とほぼ平行に配置されている。
第1ヘッドユニット21Aの各エンコーダヘッド21は、スケール部材T2の上面と対向可能な第1支持部材22Aの下面に配置されている。第1ヘッドユニット21Aの各エンコーダヘッド21は、第1支持部材22Aの下面において、投影光学系PLの光軸AXを通り、X軸と平行な直線上に、X軸方向に所定間隔で配置されている。第2ヘッドユニット21Bの各エンコーダヘッド21は、スケール部材T2の上面と対向可能な第2支持部材22Bの下面に配置されている。第2ヘッドユニット21Bの各エンコーダヘッド21は、第2支持部材22Bの下面において、投影光学系PLの光軸AXを通り、Y軸と平行な直線上に、Y軸方向に所定間隔で配置されている。第3ヘッドユニット21Cの各エンコーダヘッド21は、スケール部材T2の上面と対向可能な第3支持部材22Cの下面に配置されている。第3ヘッドユニット21Cの各エンコーダヘッド21は、第3支持部材22Cの下面において、投影光学系PLの光軸AXを通り、X軸と平行な直線上に、X軸方向に所定間隔で配置されている。第4ヘッドユニット21Dの各エンコーダヘッド21は、スケール部材T2の上面と対向可能な第4支持部材22Dの下面に配置されている。第4ヘッドユニット21Dの各エンコーダヘッド21は、第4支持部材22Dの下面において、投影光学系PLの光軸AXを通り、Y軸と平行な直線上に、Y軸方向に所定間隔で配置されている。
第1ヘッドユニット21Aと第3ヘッドユニット21Cとは、投影光学系PLの光軸AXに関して対称に配置されている。XY平面内において、投影光学系PLの光軸AXと第1ヘッドユニット21Aとの距離と、投影光学系PLの光軸AXと第3ヘッドユニット21Cとはほぼ同じである。
第2ヘッドユニット21Bと第4ヘッドユニット21Dとは、投影光学系PLの光軸AXに関して対称に配置されている。XY平面内において、投影光学系PLの光軸AXと第2ヘッドユニット21Bとの距離と、投影光学系PLの光軸AXと第4ヘッドユニット21Dとはほぼ同じである。
第1ヘッドユニット21Aは、スケール部材T2のYスケール34を用いて、基板ステージ2のY軸方向の位置を計測する。第3ヘッドユニット21Cは、スケール部材T2のYスケール35を用いて、基板ステージ2のY軸方向の位置を計測する。
第2ヘッドユニット21Bは、スケール部材T2のXスケール36を用いて、基板ステージ2のX軸方向の位置を計測する。第4ヘッドユニット21Dは、スケール部材T2のXスケール37を用いて、基板ステージ2のX軸方向の位置を計測する。
第1ヘッドユニット21Aにおいて、隣接するエンコーダヘッド21(エンコーダヘッド21の計測光)のX軸方向に関する間隔は、Yスケール34、35のX軸方向の幅(回折格子RGの長さ)より小さい。同様に、第2ヘッドユニット21Cにおいて、隣接するエンコーダヘッド21(エンコーダヘッド21の計測光)のX軸方向に関する間隔は、Yスケール34、35のX軸方向の幅(回折格子RGの長さ)より小さい。
また、第2ヘッドユニット21Bにおいて、隣接するエンコーダヘッド21(エンコーダヘッド21の計測光)のY軸方向に関する間隔は、Xスケール36、37のY軸方向の幅(回折格子RGの長さ)より小さい。同様に、第4ヘッドユニット21Dにおいて、隣接するエンコーダヘッド21(エンコーダヘッド21の計測光)のY軸方向に関する間隔は、Xスケール36、37のY軸方向の幅(回折格子RGの長さ)より小さい。
上述したリニアエンコーダ5A〜5Dの計測値は、制御装置6に出力される。制御装置6は、リニアエンコーダ5A〜5Dの計測値に基づいて、XY平面内における基板ステージ2の位置制御を実行可能性である。
液浸部材9は、接続機構25を介して、支持部材22に支持されている。これにより、支持部材22は、投影光学系PLの近くに配置可能である。液浸部材9が接続機構25を介して支持部材22に支持されるので、露光装置EXの大型化を抑制することができる。また、支持部材22に支持されるエンコーダヘッド21は投影光学系PLの光軸AXの近傍に配置可能である。
図4は、接続機構25を介して支持部材22に支持されている液浸部材9を模式的に示す平面図、図5は、斜視図である。本実施形態においては、液浸部材9は、接続機構25を介して、第2、第4支持部材22B、22Dに支持されている。
本実施形態において、接続機構25は、液浸部材10の上面23と、第2、第4支持部材22B、22Dの下面39B、39Dとの間に配置される。液浸部材10の上面23は、下面10と逆向きの面であり、+Z側を向く。上面23は、露光光ELの光路の周囲に配置される。第2、第4支持部材22B、22Dの下面39B、39Dは、基板Pの表面(スケール部材T2の上面)と対向可能な面であり、−Z側を向く。
液浸部材10の上面23と、第2、第4支持部材22B、22Dの下面39B、39Dとは対向可能である。本実施形態において、下面39B、39Dと対向する液浸部材10の上面23は、平坦であり、XY平面とほぼ平行である。また、上面23と対向する第2、第4支持部材22D、22Dの下面39B、39Dは、平坦であり、XY平面とほぼ平行である。接続機構25は、液浸部材10の上面23と、第2、第4支持部材22B、22Dの下面39B、39Dとを接続する。
本実施形態において、接続機構25は、露光光ELの光路の周囲に複数配置されている。本実施形態において、接続機構25は、露光光ELの光路の周囲に3つ配置されている。本実施形態においては、接続機構25は、第2支持部材22Bの下面39Bと液浸部材9の上面23との間に1つ配置され、第4支持部材22Dの下面39Dと液浸部材9の上面23との間に2つ配置されている。
接続機構25は、弾性ヒンジ50を含む。弾性ヒンジ50は、撓むことによって弾性変形する。本実施形態において、弾性ヒンジ50は、所定の一方向に弾性変形する。
本実施形態において、3つの接続機構25のそれぞれの弾性ヒンジ50は、図4の矢印Rで示す方向(矢印R方向)に弾性変形する。矢印Rの延長線は、投影光学系PLの光軸AXと交差する。本実施形態においては、弾性ヒンジ50は、露光光ELの光路(投影光学系PLの光軸AX)に対する放射方向に弾性変形する。
図6は、支持部材22(22B、22D)と液浸部材9とを接続する接続機構25の一例を示す斜視図、図7は、側断面図である。図6及び図7において、接続機構25は、弾性ヒンジ50と、弾性ヒンジ50と支持部材22とを接続するためのボルト部材61と、弾性ヒンジ50と液浸部材9とを接続するためのボルト部材62とを備えている。
弾性ヒンジ50は、固定部51と、可動部52と、弾性変形部53とを含む。本実施形態において、固定部51と可動部52と弾性変形部53とは、一体である。本実施形態においては、一つの金属部材を加工することによって、固定部51、可動部52、及び弾性変形部53を含む弾性ヒンジ50が形成される。弾性変形部53は、固定部51と可動部52との間に配置される。
固定部51は、ボルト部材61によって、支持部材22の下面39に固定される。固定部51は、ボルト部材61が配置される孔61Hを有する。固定部51の上面54は、ボルト部材61が配置される孔61Hの周囲に配置された第1領域54Aと、第1領域54Aより−Z側に配置された第2領域54Bとを含む。第1領域54Aは、平坦であり、支持部材22の下面39(XY平面)とほぼ平行である。第1領域54Aと支持部材22の下面39とは接触可能である。支持部材22の下面39には、ボルト部材61の雄ねじ溝に対応する雌ねじ溝を含む孔39Hが形成されている。ボルト部材61によって、固定部51と支持部材22とが締め付けられ、支持部材22の下面39と、固定部51の上面54の第1領域54Aとが密着する。
第2領域54Bは、支持部材22の下面39に対して、第1領域54Aより離れている。第1領域54Aと支持部材22の下面39とが接触しているとき、第2領域54Bと支持部材22の下面39とは接触せず、第2領域54Bと下面39との間に間隙が形成される。
可動部52は、ボルト部材62によって、液浸部材9の上面23に固定される。可動部52は、ボルト部材62が配置される孔62Hを有する。本実施形態において、可動部52は、孔62Hを2つ有し、2つのボルト部材62によって、液浸部材9の上面23に固定される。
可動部52の上面55は、第1領域54Aより−Z側に配置されている。すなわち、上面55は、支持部材22の下面39に対して、第1領域54Aより離れている。第1領域54Aと支持部材22の下面39とが接触しているとき、可動部52の上面55と支持部材22の下面39とは接触せず、上面55と下面39との間に間隙が形成される。
可動部52の下面56は、ボルト部材62が配置される孔62Hの周囲に配置されている。下面56は、平坦であり、液浸部材9の上面23(XY平面)とほぼ平行である。可動部52の下面56と液浸部材23の上面23とは接触可能である。液浸部材9の上面23には、ボルト部材62の雄ねじ溝に対応する雌ねじ溝を含む孔23Hが形成されている。ボルト部材62によって、可動部52と液浸部材9とが締め付けられ、液浸部材9の上面23と、可動部52の下面56とが密着する。
固定部51の下面57は、可動部52の下面56より+Z側に配置されている。すなわち、固定部51の下面57は、液浸部材9の上面23に対して、可動部52の下面56より離れている。可動部52の下面56と液浸部材9の上面23とが接触しているとき、固定部51の下面57と液浸部材9の上面23とは接触せず、下面57と上面23との間に間隙が形成される。
このように、支持部材22に固定された固定部51は、液浸部材9と接触せず、液浸部材9に固定された可動部52は、支持部材22と接触しない。
図6に示すように、弾性変形部53は、固定部51と可動部52との間に配置された薄肉部である。弾性変形部53は、可動部52の一方の側面と固定部51の一部とを接続する第1弾性変形部53Aと、可動部52の他方の側面と固定部51の一部とを接続する第2弾性変形部53Bとを含む。
弾性変形部53は、撓むことによって弾性変形可能である。弾性変形部53は、図6中、矢印R方向に関する剛性が低く、矢印R方向に撓むことができる。
本実施形態においては、弾性変形部53の弾性変形により、固定部51と可動部52とが、図6中、矢印R方向に相対移動する。本実施形態においては、弾性変形部53の弾性変形により、可動部52が、固定部51に対して、図6中、矢印R方向に移動可能(変位可能)である。矢印R方向は、XY平面内における所定の一方向である。
このように、本実施形態においては、弾性ヒンジ50は、XY平面内の矢印R方向に弾性変形し、その弾性変形によって、少なくとも一部が矢印R方向に移動可能(変位可能)である。
一方、Z軸方向に関して、弾性変形部53の剛性は高い。本実施形態において、Z軸方向に関して、固定部51と可動部52との相対移動は十分に抑制される。すなわち、本実施形態においては、固定部51に対する可動部52のZ軸方向に関する移動(変位)が十分に抑制されている。
図8は、エンコーダヘッド21及びスケール部材T2の一例を示す構成図である。図8に示すように、スケール部材T2は、貼り合わされた2枚の板状部材38A、38Bを含む。板状部材38Aは、板状部材38Bの上側(+Z側)に配置されている。回折格子RGは、下側の板状部材38Bの上面(+Z側の面)に設けられている。上側の板状部材38Aは、下側の板状部材38Bの上面を覆う。すなわち、上側の板状部材38Aは、下側の板状部材38Bの上面に配置されている回折格子RGを覆う。これにより、回折格子RGの劣化、損傷等が抑制される。
エンコーダヘッド21は、計測光を射出する照射装置40と、計測光が通過する光学系41と、スケール部材T2を介した計測光を受光する受光装置42とを備えている。
照射装置40は、計測光(レーザ光)LBを発生する光源40Aと、光源40Aから射出される計測光LBが入射可能な位置に配置されたレンズ系40Bとを含む。光源40Aは、例えば半導体レーザを含む。照射装置40は、Y軸及びZ軸のそれぞれに対して45度傾斜した方向に計測光LBを射出する、
光学系41は、偏光ビームスプリッタ43と、一対の反射ミラー44A、44Bと、レンズ45A、45Bと、λ/4板46A、46Bと、反射ミラー47A、47Bとを備えている。図8において、偏光ビームスプリッタ43は、その偏光分離面がXZ平面とほぼ平行である
受光装置42は、偏光子(検光子)及び光検出器等を含む。受光装置42は、受光した光に応じた信号を制御装置6に出力する。
光源40Aから射出された計測光LBは、レンズ系40Bを介して、偏光ビームスプリッタ43に入射し、偏光分離される。偏光ビームスプリッタ43は、入射した計測光LBを、P偏光成分を主成分とする計測光LB1と、S偏光成分を主成分とする計測光LB2とに分離する。
偏光ビームスプリッタ43の偏光分離面を透過した計測光LB1は、反射ミラー44Aを介して、スケール部材T2に配置された回折格子RGに到達する。偏光ビームスプリッタ43の偏光分離面で反射した計測光LB2は、反射ミラー44Bを介して、回折格子RGに到達する。
計測光LB1、LB2の照射によって、回折格子RGは、回折光を生成する。回折光学素子RGで発生した所定次数の回折光(例えば1次回折光)のそれぞれは、レンズ45A、45Bを介して、λ/4板46A、46Bに入射する。λ/4板46A、46Bは、入射した光を、円偏光に変換する。λ/4板46A、46Bで円偏光に変換された光は、反射ミラー47A、48Bに入射し、その反射ミラー47A、48Bで反射して、再び、λ/4板46A、46Bに入射する。λ/4板46A、46Bに入射した光は、そのλ/4板46A、46Bを介して、Yスケール46に配置された回折格子RGに照射される。回折格子RGを介した光は、偏光ビームスプリッタ43に到達する。本実施形態においては、反射ミラー47A、47Bで反射した光は、往路と同じ光路を逆方向に辿って、偏光ビームスプリッタ43に到達する。
偏光ビームスプリッタ43に到達した2つの計測光はそれぞれ、その偏光方向が元の方向に対して90度回転している。このため、先に偏光ビームスプリッタ43を透過した計測光LB1の1次回折光は、偏光ビームスプリッタ43で反射して、受光装置42に入射する。また、先に偏光ビームスプリッタ43で反射した計測光LB2の1次回折光は、偏光ビームスプリッタ43を透過して、計測光LB1の1次回折光と同軸に合成されて、受光装置42に入射する。
そして、受光装置42に入射した2つの1次回折光は、受光装置42の内部で、検光子によって偏光方向が揃えられ、相互に干渉して干渉光となり、この干渉光が光検出器によって検出され、干渉光の強度に応じた電気信号に変換される。
本実施形態においては、干渉させる2つの光の光路長が極短くかつほぼ等しいため、空気揺らぎの影響をほとんど無視できる。そして、基板ステージ2が計測方向(例えばY軸方向)に移動すると、2つの光のそれぞれの位相が変化して、干渉光の強度が変化する。干渉光の強度変化は、受光装置42によって検出される。エンコーダヘッド21は、その強度変化に応じた位置情報を、計測値として出力する。
次に、上述した構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。本実施形態においては、例えば図3に示すように、基板ステージ2は、露光光ELの照射位置EP及び基板交換位置CPを含む第3定盤19のガイド面の所定領域内を移動可能である。制御装置6は、搬送システム(不図示)を用いて、基板交換位置CPに移動した基板ステージ2(基板保持部2H)に対して露光前の基板Pを搬入(ロード)する動作、及び基板ステージ2(基板保持部2H)より露光後の基板Pを搬出(アンロード)する動作を含む基板交換処理を実行可能である。
本実施形態において、検出システム4は、基板交換位置CPと照射位置EPとの間において、基板Pの表面の位置情報を検出する。検出システム4は、基板Pの表面内(XY平面内)の複数の検出点のそれぞれに対して、Z軸方向と傾斜した方向から検出光を照射する照射装置4Aと、検出点を介した検出光を受光可能な受光装置4Bとを備えている。図3に示すように、本実施形態においては、エンコーダシステム5の第3支持部材22Cの+Y側に照射装置4Aが配置され、第1支持部材22Aの+Y側に受光装置4Bが配置されている。本実施形態において、照射装置4Aから射出される検出光の照射位置、すなわち検出システム4の検出領域は、基板交換位置CPと照射位置EPとの間に配置される。
基板Pの露光動作を開始するために、制御装置6は、基板ステージ2を基板交換位置CPへ移動して、搬送システム(不図示)を用いて、基板交換位置CPに配置された基板ステージ2に、露光前の基板Pをロードする。基板ステージ2に基板Pがロードされた後、制御装置6は、第2駆動システム2Dを作動して、基板交換位置CPから照射位置EPへ向けて、基板ステージ2の移動を開始する。
検出システム4の検出領域は、基板交換位置CPと照射位置EPとの間に配置されている。制御装置6は、基板ステージ2が基板交換位置CPから照射位置EPへ移動する途中において、検出システム4を用いて、基板Pの表面の位置情報を検出する。これにより、基板Pの露光動作前に、基板Pの表面情報が、検出システム4によって検出される。
また、不図示であるが、基板交換位置CPと照射位置EPとの間に、基板P上のアライメントマークを検出するアライメントシステムが配置されている。アライメントマークは、基板Pの複数のショット領域に対応して配置されている。制御装置6は、基板Pの露光動作前に、アライメントシステムを用いて、基板P上のアライメントマークを検出する。制御装置6は、アライメントシステムの検出結果に基づいて、基板Pの露光前に、基板Pのショット領域の位置情報を導出する。
本実施形態においては、制御装置6は、エンコーダシステム5を用いて、XY平面内における基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、基板ステージ2をXY平面内で移動しながら、検出システム4を用いる検出動作、及びアライメントシステムを用いる検出動作を実行する。
制御装置6は、基板Pの露光動作を実行するために、終端光学素子7及び液浸部材9と基板Pの表面との間に液体LQで液浸空間LSを形成する。
制御装置6は、基板Pのショット領域の位置情報と、基板Pの表面情報とに基づいて、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pのショット領域との位置関係、及び投影光学系PLの像面と基板Pの表面との位置関係を調整しつつ、基板Pの複数のショット領域を、投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して順次露光する。基板Pの露光中、液浸部材9によって、終端光学素子7と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置6は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
本実施形態においては、基板Pの露光中、マスクステージ1の位置情報が、第1干渉計ユニット3Aで計測され、基板ステージ2の位置情報が、エンコーダシステム5で計測される。制御装置6は、基板Pの露光中、第1干渉計ユニット3Aの計測結果に基づいて、第1駆動システム1Dを作動し、マスク保持部1Hに保持されているマスクMの位置制御を行う。また、制御装置6は、基板Pの露光中、エンコーダシステム5の計測結果に基づいて、第2駆動システム2Dを作動し、基板保持部2Hに保持されている基板Pの位置制御を行う。エンコーダシステム5は、少なくとも基板Pの露光中、スケール部材T2を用いて、XY平面内における基板ステージ2の位置情報を計測する。
本実施形態においては、エンコーダシステム5の支持部材22は、露光光ELの光路の外側で、光路に対する放射方向に延びるロッド部材であり、その支持部材22に複数のエンコーダヘッド21が支持されている。したがって、エンコーダシステム5は、複数のエンコーダヘッド21を用いて、XY平面内を移動する基板ステージ2の位置情報を良好に計測することができる。
なお、本実施形態においては、第2干渉計ユニット3Bの計測値は、エンコーダシステム5の計測値の長期的変動(例えばスケール部材T2の経時的な変形)を補正(較正)する場合等に補助的に用いられる。
基板Pの露光が終了した後、制御装置6は、露光後の基板Pを基板ステージ2からアンロードするために、第2駆動システム2Dを作動して、照射位置EPから基板交換位置CPへ向けて基板ステージ2の移動を開始する。制御装置6は、基板ステージ2を基板交換位置CPへ移動して、搬送システム(不図示)を用いて、基板交換位置CPに配置された基板ステージ2から、露光後の基板Pのアンロードを実行する。その後、制御装置6は、その基板ステージ2に対して、搬送システムを用いて、露光前の基板Pをロードする。
以下、上述と同様の処理が繰り返される。すなわち、制御装置6は、第2駆動システム2Dを作動して、基板交換位置CPから照射位置EPに向けて基板ステージ2を移動する。アライメントシステムは、基板交換位置CPから照射位置EPへの基板ステージ2の移動を含む動作中に、基板Pに設けられているアライメントマークを検出する。また、検出システム4は、基板交換位置CPから照射位置EPへの基板ステージ2の移動を含む動作中に、基板Pの表面の位置情報を検出する。その後、制御装置6は、基板Pを保持した基板ステージ2を照射位置EPに移動して、基板Pの露光を実行する。
本実施形態において、液体LQと接触する液浸部材9が、例えば液体LQの気化熱により熱変形する可能性がある。本実施形態においては、液浸部材9と支持部材22とは、弾性ヒンジ50を含む接続機構25を介して接続されているので、液浸部材9の変形(熱変形)が、支持部材22へ伝達されることが抑制される。例えば、液浸部材9が、液体LQの気化熱によって、光路に対する放射方向へ熱変形した場合でも、弾性ヒンジ50が放射方向(矢印R方向)へ弾性変形するので、液浸部材9の変形を吸収することができる。すなわち、液浸部材9が、光路に対する放射方向へ熱変形した場合でも、その液浸部材9と固定されている弾性ヒンジ50の可動部52が、放射方向(矢印R方向)へ変位するので、支持部材22と固定されている固定部51(第1領域54A)に過剰な応力が作用することが抑制される。したがって、接続機構25は、液浸部材9の変形の支持部材22への伝達を抑制することができる。
液浸部材9の変形の支持部材22への伝達が抑制されることによって、支持部材22の変形が抑制されるので、例えば支持部材22に支持されているエンコーダヘッド21の位置変動を抑制することができる。したがって、エンコーダシステム5の計測精度の低下を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダシステム5の支持部材22で液浸部材9が支持されるので、露光装置EXの大型化を抑制することができる。また、支持部材22に支持されるエンコーダヘッド21を投影光学系PLの光軸AXの近傍に配置することができる。したがって、照射位置EPを含むXY平面内を移動する基板ステージ2の位置情報を、エンコーダヘッド21を用いて良好に検出することができる。
そして、液浸部材9と支持部材22とが弾性ヒンジ50を含む接続機構25を介して接続されているので、例えば液浸部材9が液体LQの気化熱により熱変形しても、その液浸部材9の変形が、支持部材22へ伝達することが抑制される。したがって、エンコーダシステム5の計測精度の低下を抑制することができる。そのため、エンコーダシステム5を用いて、基板ステージ2の位置情報を精度良く計測することができ、その計測結果を用いて、基板ステージ2の位置制御を良好に実行することができる。したがって、基板Pを精度良く露光でき、露光不良の発生を抑制することができる。
なお、上述の実施形態においては、支持部材22にエンコーダヘッド21が支持されることとしたが、例えばフォーカス・レベリング検出システムの少なくとも一部、あるいはアライメントシステムの少なくとも一部が支持されてもよい。
なお、上述の実施形態において、接続機構25は、弾性ヒンジ50を用いているが、液浸部材9の変形が支持部材22へ伝達しないように弾性ヒンジとは異なる機構を用いてもよい。例えば、図9に示すように、接続機構25Bが、弾性変形可能な板ばね50Bを用いることができる。図9において、接続機構25Bは、支持部材22(22B、22D)と液浸部材9とを接続する。接続機構25Bは、ボルト部材61Bによって支持部材22に固定された第1部材51Bと、ボルト部材62Bによって液浸部材9に固定された第2部材52Bと、第1部材51Bと第2部材52Bとを接続するように配置された板ばね50Bとを備えている。板ばね50Bは、ボルト部材63Bによって第1部材51Bに固定され、ボルト部材64Bによって第2部材52Bに固定される。支持部材22に固定された第1部材51Bは、液浸部材9と接触せず、液浸部材9に固定された第2部材52Bは、支持部材22と接触しない。
板ばね50Bは、撓むことによって弾性変形可能である。板ばね50Bは、図9中、矢印R方向に関する剛性が低く、矢印R方向に撓むことができる。板ばね50Bの弾性変形により、第1部材51Bと第2部材52Bとが、図9中、矢印R方向に相対移動する。本実施形態においては、板ばね50Bの弾性変形により、第2部材52Bが、第1部材51Bに対して、図9中、矢印R方向に移動可能(変位可能)である。矢印R方向は、XY平面内における所定の一方向である。一方、Z軸方向に関して、板ばね50Bの剛性は高い。本実施形態において、Z軸方向に関して、第1部材51Bと第2部材52Bとの相対移動は十分に抑制される。
なお、上述の実施形態においては、基板ステージ2にスケール部材を配置し、そのスケール部材と対向可能な位置(基板ステージ2の上方)にエンコーダヘッド(エンコーダシステム)が配置される場合を例にして説明したが、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号明細書等に開示されているような、基板ステージにエンコーダヘッド(エンコーダシステム)が配置され、そのエンコーダヘッドと対向可能な位置(基板ステージの上方)にスケール部材(グリッド板)が配置される露光装置にも、上述の実施形態で説明した構成を適用することができる。すなわち、基板ステージの上方に配置されたスケール部材と液浸部材とを、上述の実施形態で説明した接続機構25を介して接続することで、液浸部材の変形が、スケール部材に伝達されることを抑制することができる。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLとして、終端光学素子7の射出側(像面側)の光路を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子7の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。計測ステージにスケール部材を配置することによって、エンコーダシステム5を用いて計測ステージの位置情報を計測することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、5…エンコーダシステム、7…終端光学素子、9…液浸部材、11…ボディ、11A…第1フレーム、21…エンコーダヘッド、22…支持部材、25…接続機構、50…弾性ヒンジ、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板、T2…スケール部材
Claims (11)
- 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光を射出する光学部材と、
前記基板の露光中に、前記光学部材と前記基板との間の前記露光光の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成可能な液浸部材と、
前記露光光の照射位置を含む所定面内を移動可能な物体の位置情報を計測可能な計測器を支持する支持部材と、
前記液浸部材の変形が前記支持部材へ伝達されないように前記支持部材と前記液浸部材とを接続する接続機構と、を備える露光装置。 - 前記接続機構は、弾性ヒンジを含む請求項1記載の露光装置。
- 前記変形は、前記液体の気化熱による熱変形を含む請求項2記載の露光装置。
- 前記液浸部材は、前記光路の周囲に配置され、
前記弾性ヒンジは、少なくとも前記光路に対する放射方向に弾性変形する請求項2または3のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記液浸部材は、前記光路の周囲に配置され、
前記接続機構は、前記光路の周囲に複数配置される請求項1〜4のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記計測器は、前記物体に配置されたスケール部材と対向可能なエンコーダヘッドを含む請求項1〜5のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記露光光を射出する光学部材と、
前記光学部材を支持するフレーム部材とを備え、
前記支持部材は、前記フレーム部材に支持される請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記支持部材は、前記光路の外側で、前記光路に対する放射方向に延びるロッド部材を含む請求項1〜7のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記物体は、前記基板を保持する請求項1〜8のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記物体は、前記基板を含む請求項1〜9のいずれか一項記載の露光装置。
- 請求項1〜10のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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JP2008102477A JP2009253202A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | 露光装置、及びデバイス製造方法 |
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2008
- 2008-04-10 JP JP2008102477A patent/JP2009253202A/ja active Pending
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