JP2009252498A - 電池用電極 - Google Patents

電池用電極 Download PDF

Info

Publication number
JP2009252498A
JP2009252498A JP2008098256A JP2008098256A JP2009252498A JP 2009252498 A JP2009252498 A JP 2009252498A JP 2008098256 A JP2008098256 A JP 2008098256A JP 2008098256 A JP2008098256 A JP 2008098256A JP 2009252498 A JP2009252498 A JP 2009252498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
battery
positive electrode
layer
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008098256A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Maruyama
高生 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2008098256A priority Critical patent/JP2009252498A/ja
Publication of JP2009252498A publication Critical patent/JP2009252498A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】二次電池の耐久性を向上させる手段を提供する。
【解決手段】集電体と、第1の活物質を含む少なくとも1つの第1活物質層と、前記第1の活物質よりも耐熱性が低い第2の活物質を含む少なくとも1つの第2活物質層と、を備え、前記第2活物質層は前記集電体に対して厚み方向の近接側に配置される、電池用電極である。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の耐久性を向上させうる電池用電極に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
これまでリチウムイオン二次電池の正・負極活物質材料として、数多くの材料が提案・研究されている。例えば、特許文献1では、熱応力を緩和するような材料を交互に配置することにより、寒冷地で必要な高電圧、大電流放電による熱応力に適用した二次電池用電極が提案されている。
特開2005−11660号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、電池の熱に対する応力劣化が抑制でき、電池の耐久性が向上するが、未だ不十分である。
そこで本発明は、二次電池の耐久性を向上させる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、耐熱性が高い活物質を含む層を、電極の電解質層に対して厚み方向の最近接側に配置することにより、電池の耐久性が向上しうることがわかった。
すなわち、本発明は、集電体と、第1の活物質を含む少なくとも1つの第1活物質層と、前記第1の活物質よりも耐熱性が低い第2の活物質を含む少なくとも1つの第2活物質層と、を備え、前記第2活物質層は前記集電体に対して厚み方向の近接側に配置される、電池用電極である。
本発明によれば、二次電池の耐久性を向上させうる電池用電極が提供されうる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(本発明の電池用電極を含む電池の構成)
本発明は、集電体と、第1の活物質を含む少なくとも1つの第1活物質層と、前記第1の活物質よりも耐熱性が低い第2の活物質を含む少なくとも1つの第2活物質層と、を備え、前記第2活物質層は前記集電体に対して厚み方向の近接側に配置される、電池用電極である。
まず、本発明の電池用電極を用いた電池の構成の一例について説明する。ここで説明する本発明の電池用電極は、正極において、集電体と、第1の活物質を含む少なくとも1つの第1活物質層と、前記第1の活物質よりも耐熱性が低い第2の活物質を含む少なくとも1つの第2活物質層と、を備え、前記第2活物質層は集電体に対して厚み方向の近接側に配置される。しかしながら、本発明の技術的範囲は、かような形態のみには制限されず、負極のみが本発明の電池用電極を含む形態、あるいは正極および負極の双方が本発明の電池用電極を含む形態も包含しうる。
本発明に係る二次電池としては、特に制限されるべきものではない。例えば、電池の構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など特に制限されるべきものではなく、従来公知のいずれの構造にも適用し得るものである。
二次電池の電解質の種類で区別した場合には、液体電解質を含む電池、ゲル電解質を含む電池、または真性ポリマー電解質を含む電池のいずれにも適用し得るものである。これらの電解質は、例えば、高分子ゲル電解質および固体高分子電解質(全固体電解質)単独で使用することもできるし、電解液、高分子ゲル電解質、固体高分子電解質(全固体電解質)をセパレータ(不織布を含む)に含浸させて使用することもできる。また、電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、双極型ではない(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。さらに、支持塩(リチウム塩)、電解質、その他必要に応じて添加される化合物の選択については、特に制限はなく、使用用途に応じて従来公知の知見を参照して、適宜選択すればよい。
以下、本発明の電池用電極を構成する部材について、詳細に説明する。
[集電体]
集電体は、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
<活物質>
本発明の電池用電極は、活物質層を含む。活物質層は、充放電反応の中心を担う活物質を含む層である。本発明の電池用電極は、第1の活物質を含む第1活物質層と、前記第1の活物質よりも耐熱性が低い第2の活物質を含む第2活物質層とを含む。
ここで、本発明において、「耐熱性」とは、下記数式1で算出される値であることを表す。すなわち、活物質を含む電池の充電前の抵抗と、活物質を含む電池をSOC50%の充電状態で保持した後の電池の抵抗とを測定する。この充電前の抵抗値と保持した後の抵抗値とを用いて、保持時間1時間あたりの電池の抵抗の上昇率を計算する。
Figure 2009252498
使用する2種類の活物質について上記数式1によって求められる抵抗の上昇率を比較し、値が小さい活物質は「耐熱性が高い活物質」とし、本発明では、第1の活物質として用いる。一方、値が大きい活物質は「耐熱性が低い活物質」とし、本発明では、第2の活物質として用いる。
正極において用いられる前記第1の活物質の具体的な例としては、例えば、オリビン型リン酸鉄リチウム、オリビン型リン酸コバルトリチウム、オリビン型リン酸マンガンリチウム、チタン酸リチウムなどが挙げられる。
正極において用いられる前記第2の活物質の具体的な例としては、例えば、LiNiOなどのリチウム−ニッケル複合酸化物、LiMnなどのリチウム−マンガン複合酸化物、LiCoOなどのリチウム−コバルト複合酸化物が挙げられる。
負極において用いられる前記第1の活物質の具体的な例としては、例えば、チタン酸リチウム、Si系合金、Sn系合金などが挙げられる。
負極において用いられる前記第2の活物質の具体的な例としては、例えば、ハードカーボン、グラファイトなどが挙げられる。
前記数式1で算出される耐熱性(抵抗の上昇率)の数値の関係を満たせば、前記第1の活物質と前記第2の活物質との組み合わせは特に制限されない。
前記第1の活物質および前記第2の活物質が正極活物質である場合、前記第1の活物質および前記第2の活物質の平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。当該平均粒径は、より好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは0.1〜1μmである。
一方、前記第1の活物質および前記第2の活物質が負極活物質である場合、前記第1の活物質および前記第2の活物質の平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。当該平均粒径は、より好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは0.1〜1μmである。なお、本発明において、前記平均粒径は、レーザー回折法により測定した平均粒子径D50の値を採用するものとする。
<導電助剤>
活物質層には導電助剤が含まれる。導電助剤は、活物質層の導電性を向上させる役割を果たす。導電助剤の例としては、カーボンブラック、鱗片状黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、または気相成長炭素繊維(VGCF;登録商標)などの種々の炭素繊維などが挙げられる。
<バインダ>
さらに、前記活物質層には、バインダが含まれうる。バインダは、活物質と導電助剤とを結着させる役割を果たす添加剤である。前記バインダは、活物質と導電助剤とを結着できるものであれば特に制限されない。具体的な例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルプロピナール、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のヒドロキシル基含有化合物、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム等が挙げられる。これらのバインダは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<活物質層の配置>
本発明の電池用電極は、少なくとも1つの第1活物質層と、少なくとも1つの第2活物質層とを備え、前記第2活物質層は前記集電体に対して厚み方向の近接側に配置される。
電池の大電流放電の際、電極のセパレータにより近い部位に位置する活物質がより多く用いられる状態になる。これにより、近傍で熱が発生しやすくなり、セパレータ近傍の活物質層が劣化しやすくなる。このセパレータ近傍に、耐熱性が高い第1の活物質を配置させた本発明の電池用電極は、たとえ劣化が起きても安定した高出力特性を有し、本発明の電池用電極を用いた電池の耐久性は向上しうる。
本発明において、前記第1活物質層とは、前記第1活物質層中の活物質の総量に対して、前記第1の活物質を好ましくは5〜95質量%含む層であることを意味する。該含有量は、より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましく45〜55質量%である。
前記第1活物質層中の前記第1の活物質の含有量が前記範囲内にあれば、前記第1活物質層は、前記第1の活物質以外の活物質を含んでいてもよい。前記第1の活物質以外の活物質の例としては、例えば、前記の第2の活物質が挙げられる。
また、本発明において、前記第2活物質層とは、前記第2活物質層中の活物質の総量に対して、前記第2の活物質を好ましくは80〜99.9質量%含む層であることを意味する。該含有量は、より好ましくは95〜99.9質量%、さらに好ましくは80〜99.9質量%である。前記第2の活物質を含む層中の前記第2の活物質の含有量が前記範囲内にあれば、前記第2の活物質を含む層は前記第2の活物質以外の活物質を含んでいてもよい。前記第2の活物質以外の活物質の例としては、例えば、前記の第1の活物質が挙げられる。
本発明の電池用電極には、正極、負極のほか、双極型電極も含む。すなわち、双極型でない電池用電極では、正極は基体、例えば、集電体の両面に正極層が形成された構造であり、負極は基体、例えば、集電体の両面に負極層が形成された構造である。一方、双極型の電池用電極、すなわち双極型電極は、例えば、集電体や電解質層の一方の面に正極層が、他方の面に負極層が形成された構造である。
なお、本発明において、単電池層とは、電解質層と、これを挟んだ正極と負極とにより構成されるものをいい、双極型電池および双極型でない電池の双方に共通の概念である。
本発明の電池用電極は、耐熱性が高い前記第2活物質層が集電体の近接側に配置されていればよく、前記第1活物質層の電極の厚み方向の配置形状は特に制限されない。また、前記第1活物質層の数および前記第2活物質層の数も特に制限されず、それぞれ独立して、1つであってもよいし、複数であってもよい。この2種の活物質層の具体的な配置形態の例としては、例えば、図1〜4で表される配置形態が挙げられる。この配置形態については、後で詳細に説明する。
また、本発明の電池用電極では、第1活物質層に含まれる第2の活物質の含有量が、厚み方向で前記集電体から遠ざかるにつれて漸減するように、複数の活物質層が配置されていてもよい。この際、第2の活物質の含有量の変化のさせ方としては、例えば、活物質の含有量が集電体から遠ざかるにつれて、段階的または連続的・傾斜的に低下するように変化させて配置すればよい。
活物質層全体の厚さは特に制限されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、活物質層全体の厚さは、好ましくは10〜100μm程度であり、より好ましくは20〜50μmである。活物質層全体の厚さが10μm程度以上であれば、電池容量が充分に確保されうる。一方、活物質層全体の厚さが100μm程度以下であれば、電極深部(集電体側)にリチウムイオンが拡散しにくくなることに伴う内部抵抗の増大という問題の発生が抑制されうる。
前記第1活物質層の厚さおよび前記第2活物質層の厚さの比は、特に制限されない。しかしながら、本発明の効果をより向上させるという観点から、前記第1活物質層の厚さと前記第2活物質層の厚さとの比は、1:99〜25:75であることが好ましい。該厚さの比は、1:99〜20:80であることがより好ましく、1:99〜15:85であることが特に好ましい。なお、前記第1活物質層が2層以上ある場合、「第1活物質層の厚さ」とは、第1活物質層のそれぞれの厚さの総和を意味する。また、前記第2活物質層が2層以上ある場合、前記の「第2活物質層の厚さ」とは、第2活物質層のそれぞれの厚さの総和を意味する。
なお、電解質層として、ゲル電解質および真性ポリマー電解質は、単独で使用することができる。また、液体電解質、ゲル電解質、または真性ポリマー電解質をセパレータ(不織布を含む)に含浸させて使用することもできる。前記セパレータの具体的な例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
以下、本発明の電池用電極に含まれる活物質層の具体的な配置の例について、図面を参照しながら説明する。下記の例では、電解質層として高分子ゲル電解質をセパレータに含浸させたもの(以下、単に「セパレータ」とも称す)を使用している。しかしながら、本発明は、これらの例に何ら制限されるものではない。
(第1の例:第1活物質層と第2活物質層とを1層ずつ配置した例)
図1は、本発明の電池用電極の具体的な例として、セパレータに対して厚み方向の近接側に、第1活物質層を配置し、集電体に対して厚み方向の近接側に第2活物質層を配置した構成例を模式的に表わした側面概略図である。
図1に示す電池用電極10は正極であり、厚み方向でセパレータ11の近接側に、正極活物質として耐熱性が高い第1の正極活物質のみを含む第1活物質層12を配置する。そして、前記第1の正極活物質よりも耐熱性が低い第2の正極活物質のみを含む第2活物質層13を集電体14の近接側に配置する。このような活物質層の配置形状とした本発明の電池用電極は、たとえ劣化が起きても安定した高出力特性を有し、電池の耐久性を向上させうる。
(第2の例:第1活物質層と第2活物質層とを1層ずつ配置した例)
図2は、図1と同様にセパレータに対して厚み方向の近接側に第1活物質層を配置し、集電体に対して厚み方向の近接側に第2活物質層を配置した構成例を模式的に表わした側面概略図である。
図2に示す電池用電極20は正極であり、厚み方向でセパレータ21の近接側に、正極活物質として耐熱性が高い第1の正極活物質を含む第1活物質層22を配置する。この際、第1活物質層22中の第1の正極活物質の含有量は、図1に示す層12中の含有量より少なく、その減少した量の分だけ第2の正極活物質を含んでいる。そして、前記第1の正極活物質よりも耐熱性が低い第2の正極活物質のみを含む第2活物質層23を、集電体24の近接側に配置する。このような配置形状とした本発明の電池用電極は、たとえ劣化が起きても安定した高出力特性を有し、電池の耐久性を向上させうる。さらに、第1の正極活物質と第2の正極活物質とを共に含む第1活物質層を用いることにより、電池の作動初期の出力も高くなりうる。
(第3の例:第1の活物質を含む層を2層配置し、第2の活物質を含む層を1層配置した例)
図3は、本発明の電池用電極の具体的な例として、セパレータに対して厚み方向の近接側に第1活物質層を2層配置し、集電体に対して厚み方向の近接側に第2活物質層を1層配置した例を模式的に表わした側面概略図である。
図3に示す電池用電極30は正極であり、厚み方向でセパレータ31の最近接側に、正極活物質として耐熱性が高い第1の正極活物質を含む第1活物質層32aを配置する。この際、第1活物質層32a中の前記第1の正極活物質の量は、図1に示す第1活物質層12よりも少なく、その減少した量の分だけ第2の活物質を含んでいる。この第1活物質層32aに接するように、さらに第1活物質層32bを配置する。この第1活物質層32bは、第1活物質層32aよりも第1の正極活物質の含有量がさらに少なくなっており、その減少した含有量の分だけ第2の活物質の量をさらに多く含む。すなわち、第2の正極活物質の含有量が第1の正極活物質の含有量よりも多い第1活物質層32bである。そして、さらに第2の正極活物質のみを含む第2活物質層33を、集電体34の近接側に配置する。このような配置形状とした本発明の電池用電極は、たとえ劣化が起きても安定した高出力特性を有し、電池の耐久性を向上させうる。さらに、第1の正極活物質と第2の正極活物質とを共に含む第1活物質層を用いることにより、電池の作動初期の出力も高くなりうる。
(第4の例:第1活物質層を2層配置し、第2活物質層を1層配置した例)
図4は、本発明の電池用電極の具体的な例として、セパレータに対して厚み方向の最近接側および集電体に対して厚み方向の最近接側に、それぞれ第1活物質層を配置し、その間に第2活物質層を1層配置した例を模式的に表わした側面概略図である。
図4に示す電池用電極40は正極であり、厚み方向でセパレータ41の最近接側と厚み方向で集電体44の最近接側とに、第1活物質層42を配置する。そして、前記第1の正極活物質よりも耐熱性が低い第2の正極活物質を含む第2活物質層43を、2つの第1活物質層42で挟持されるように配置する。集電体44の最近接側に第1活物質層42を配置することにより、集電体の近傍で発生した熱による活物質層の劣化をも低減させることができる。よって、劣化後でもより安定した高出力特性を有する電極が得られ、電池の耐久性をより向上させうる。
本発明の電池用電極は、厚さ方向において上記のような活物質層の配置となっていれば、電極の面積方向の活物質層の配置は特に制限されない。しかしながら、放電時に発生する熱を効率よく逃がし活物質層の劣化を抑制するという観点から、電極の面積方向の内側に第1の活物質を多く含む部分を配置し、電極の面積方向の外側に第2の活物質を多く含む部分を配置するような配置形状であることが好ましい。このような面積方向の活物質の配置を採用すれば、低温、例えば−20〜0℃の温度において、電池の大電流放電の際に第1の活物質を多く含む部分で発生した熱を、低温にて第2の活物質を多く含む部分に効率よく熱を受け渡すことができる。このような面積方向の配置を施した本発明の電池用電極を含む電池は、耐久性に優れると同時に低温作動性にも優れる。
上述のような面積方向の配置は、第1活物質層のセパレータと接する表面、または第1活物質層もしくは第2活物質層のセパレータと接する表面または集電体と接する表面において行うことが好ましい。この際、上述のような面積方向の配置を施す部分の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。
ここで、上述の「第1の活物質を多く含む部分」とは、前記第1の活物質を多く含む部分の中の活物質の総量に対して前記第1の活物質を、好ましくは50〜70質量%含む部分であることを意味する。該含有量は、より好ましくは70質量%である。また、上述の「第2の活物質を多く含む部分」とは、前記第2の活物質を多く含む部分中の活物質の総量に対して前記第2の活物質を、好ましくは50質量%を超えて70質量%以下含む部分であることを意味する。該含有量は、より好ましくは70質量%である。
以下、電極の面積方向の活物質の配置の例を、図面を参照しながら説明する。
図5Aは、第1の活物質を多く含む部分と第2の活物質を多く含む部分とを、面積方向において同心長方形状に配置した例であって、電極の面積方向の活物質層の配置を模式的に表わした平面概略図である。図5Aに示す電池用電極50は正極であり、第1の正極活物質を多く含む部分51を電極の面積方向(図5AのX軸−Y軸面)の内側に配置する。そして、その周囲を取り囲むようにして、第2の正極活物質を多く含む部分52を電極の面積方向の外側に配置する。このような配置とすることにより、放電により発生した熱が第1の正極活物質を多く含む部分51から第2の正極活物質を多く含む部分52へ(すなわち、図5Aの太い黒矢印で示す方向へ)、効率よく逃がすことができる。したがって、電池の低温作動性を向上させることができる。
また、図5Aは、前記第1の活物質を多く含む部分および前記第2の活物質多く含む部分を同心長方形状に配置する例であるが、他の同心形状で配置してもよい。他の同心形状の例としては、例えば、同心円状、同心楕円形状、同心三角形状、同心四角形状、同心五角形状、同心六角形状、または同心正方形状などが挙げられる。
図5Bは、第1の活物質を多く含む部分と第2の活物質を多く含む部分とを、交互にかつ同心長方形状に配置した例であって、電極の面積方向の活物質層の配置を模式的に表わした平面概略図である。図5Bに示す電池用電極60は正極であり、第1の正極活物質を多く含む部分61を電極の面積方向の内側(中心に近い部分)に配置する。そして、電極の面積方向の外側に向かって、第1の正極活物質を多く含む部分61と第2の正極活物質を多く含む部分62とを交互にかつ同心長方形状に配置する。この際、電極の面積方向の最外側には、第2の正極活物質を含む部分62を配置することが好ましい。このように、第1の活物質を多く含む部分61を電極の内側に配置し、前記第1の活物質を多く含む部分61と前記第2の活物質を多く含む部分62とを交互に、かつ同心長方形状に配置した構成とすることで、前記第1の活物質を含む層の表面積が増大する。これにより、放電により発生した熱を、第1の正極活物質を多く含む部分61から第2の正極活物質を多く含む部分62へ(すなわち、図5Bの太い黒矢印で示す方向へ)、さらに効率よく逃がすことができる。したがって、電池の低温作動性を向上させることができる。
さらに、同一種類の活物質同士が基体上に局在化しないように好ましくは適当に、より好ましくは略均等に、さらに好ましくは均等に分散して、2種の部分を配置させてもよい。この構造の例としては、例えば、アレイ状に配置した構造、すなわち、図5Cに示すような、いわゆる海島構造(第1の活物質を多く含む部分が島状に配置され、第2の活物質を多く含む部分が前記第1の活物質を多く含む部分を囲繞する海状に配置されている)が例示できる。
図5Cは、第1の活物質を多く含む部分を島状に配置した例であって、電極の面積方向の活物質層の配置を模式的に表わした平面概略図である。図5Cに示す電池用電極70は正極であり、第1の正極活物質を多く含む部分71を島状に配置する。そして、第1の正極活物質を多く含む部分71のそれぞれを囲繞するように、すなわち海状に、第2の正極活物質を多く含む部分72を配置する。このように、第1の活物質を多く含む部分71を島状に配置し、第2の活物質を多く含む部分72を海状に配置した構成とすることで、第1の活物質を多く含む部分71の表面積がさらに増大する。これにより、放電により発生した熱を、第1の正極活物質を多く含む部分71から第2の正極活物質を多く含む部分72へ(すなわち、図5Cの太い黒矢印で示す方向へ)、さらに効率よく逃がすことができる。したがって、電池の低温作動性を向上させることができる。
また、図5Cでは、第1の活物質を多く含む部分71の表面の形状が正方形状となっている例を示しているが、これに限定されるものではない。前記第1の活物質を多く含む部分の表面の形状の例としては、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、または長方形状などが挙げられる。この形状は、同じ電極内で同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、前記第1の活物質を含む層の面積方向の間隔は、一定であっても良いし、それぞれ異なっていてもよい。
なお、電極の面積方向における前記第1の活物質を多く含む部分の表面積と前記第2の活物質を多く含む部分の表面積との比は、特に制限されない。前記第1の活物質を多く含む部分から前記第2の活物質を多く含む部分へ、放電により発生した熱を受け渡すように配置されていればよい。
本発明に係る二次電池は、上述した本発明の電池用電極を用いてなることを特徴とするものである。かかる電池用電極を用いることにより、放電により電極の内側で発生した熱を電極の外側へ放熱することができ、充放電効率を向上させることができる。本発明の電池用電極を備える二次電池は、特に制限されるべきものではなく、本発明の電池用電極は、従来公知の各種二次電池に幅広く適用し得るものである。
なお、他の構成要件に関しては、従来公知の二次電池の構成要件を適宜利用することができるものであるので、ここでは、簡単に説明する。
活物質層には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記ポリマーは、本発明の電極が採用される電池の電解質層において用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
活物質層に含まれる、活物質、導電助剤、およびバインダ以外の成分の配合比は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
(製造方法)
続いて、本発明の電池用電極の製造方法を説明する。
本発明の電池用電極は、以下のような製造方法で製造されうる。例えば、第1の活物質、導電助剤、およびバインダを溶媒に添加することにより、第1の活物質を含むスラリーを調製する(第1の活物質を含むスラリーの調製工程)。別途、第2の活物質、導電助剤、およびバインダを溶媒に添加することにより、第2の活物質を含むスラリーを調製する(第2の活物質を含むスラリーの調製工程)。その後、第1の活物質を含むスラリーおよび第2の活物質を含むスラリーを集電体の表面に所望の配置となるように塗布し、乾燥させることにより塗膜を形成する(塗膜形成工程)。次いで、前記塗膜形成工程を経て作製された積層体を積層方向にプレスする(プレス工程)ことにより製造されうる。多孔質体スラリーにイオン伝導性ポリマーが添加され、当該イオン伝導性ポリマーを架橋させる目的で重合開始剤がさらに添加される場合がある。その際には、塗膜形成工程における乾燥と同時に、または当該乾燥の前もしくは後に、重合処理を施してもよい(重合工程)。
以下、かような製造方法について、工程順に詳細に説明するが、下記の形態のみには制限されない。
[第1の活物質を含むスラリーの調製工程、第2の活物質を含むスラリーの調製工程]
本工程においては、第1の活物質、導電助剤、バインダ、および必要に応じて他の成分(例えば、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤など)を、溶媒中で混合する。また、別途、第2の活物質、導電助剤、バインダ、および必要に応じて他の成分(例えば、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤など)を、溶媒中で混合する。このようにして、第1の活物質を含むスラリー(以下、単に「第1活物質スラリー」とも称する)および第2の活物質を含むスラリー(以下、単に「第2活物質スラリー」とも称する)をそれぞれ調製する。この活物質スラリー中に配合される各成分の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
溶媒の種類は特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。溶媒の一例を挙げると、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが用いられうる。バインダとしてフッ化ビニリデン(PVdF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
混合手段も特に制限されないが、あらかじめ前記バインダを溶解させた溶液中に、前記を分散させる方法を採用すれば、後述の塗膜形成工程で得られる塗膜において、活物質の分布が均一になりやすいため、好ましい。
[塗膜形成工程]
続いて、集電体を準備し、上記で調製した第1活物質スラリーおよび第2活物質スラリーを当該集電体の表面に塗布し、乾燥させる。第1活物質スラリーおよび第2活物質スラリーを塗布する順序は、集電体に対して厚み方向の第1活物質層および第2活物質層の配置が所望の順序となるように塗布する。例えば、図1に示す配置の電極を作製する場合、集電体上に第2活物質スラリーを塗布・乾燥し塗膜を形成した後、第1活物質スラリーを塗布・乾燥し塗膜を形成する。これにより、集電体の表面に第1活物質スラリーおよび第2活物質スラリーからなる塗膜が形成される。この塗膜は、後述するプレス工程を経て、活物質層となる。
準備する集電体の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
活物質スラリーを塗布するための塗布手段も特に限定されないが、例えば、自走型コータ、ドクターブレード法、スプレー法などの一般的に用いられている手段が採用されうる。
塗膜は、製造される電極における集電体と活物質層との所望の配置形態に応じて形成される。例えば、製造される電極が双極電極の場合、集電体の一方の面には正極活物質を含む塗膜が形成され、他方の面には負極活物質を含む塗膜が形成される。これに対し、双極型でない電極を製造する場合には、正極活物質および負極活物質のいずれか一方を含む塗膜が1枚の集電体の両面に形成される。
なお、前記第1の活物質を多く含む部分および前記第2の活物質を多く含む部分の面積方向の配置を上述のような配置とする場合、その配置の方法は特に制限されない。例えば、第1活物質スラリーを、所望の形状で集電体上に塗布した後、前記第1活物質スラリーを塗布した部分にテフロン(登録商標)シートを覆い、前記第2活物質スラリーを塗布する方法が挙げられる。また、例えば、前記第2活物質スラリーを、所望の形状で集電体上に塗布した後、前記第2活物質スラリーを塗布した部分にテフロン(登録商標)シートを覆い、前記第1活物質スラリーを塗布する方法が挙げられる。
その後、集電体の表面に形成された塗膜を乾燥させる。これにより、塗膜中の溶媒が除去される。
塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照され、例えば、加熱処理が例示できる。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、スラリーの塗布量やスラリーの溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。
塗膜が重合開始剤を含む場合には、さらに重合工程を行うことで、塗膜中のイオン伝導性ポリマーが架橋性基によって架橋される。
重合工程における重合処理も特に制限されることはなく、従来公知の知見を適宜参照すればよい。例えば、塗膜が熱重合開始剤(AIBNなど)を含む場合には、塗膜に熱処理を施す。また、塗膜が光重合開始剤(BDKなど)を含む場合には、紫外光などの光を照射する。なお、熱重合のための熱処理は、上記の乾燥工程と同時に行われてもよいし、当該乾燥工程の前または後に行われてもよい。
[プレス工程]
続いて、前記塗膜形成工程を経て作製された積層体を積層方向にプレスする。これにより、本発明の電池用電極が完成する。この際、プレス条件を調節することにより、活物質層の空隙率が制御されうる。
プレス処理の具体的な手段やプレス条件は特に制限されず、プレス処理後の活物質層の空隙率が所望の値となるように、適宜調節されうる。プレス処理の具体的な形態としては、例えば、ホットプレス機やカレンダーロールプレス機などが挙げられる。
本発明の電池用電極は、正極、負極、双極電極のいずれにも適用されうる。本発明の電極を、少なくとも1つの電極として含むリチウムイオン二次電池は、本発明の技術的範囲に属する。かような構成を採用することにより、リチウムイオン二次電池の出力特性を効果的に向上させうる。
本発明の電極が用いられる電池は、双極型のリチウムイオン二次電池(以下、「双極型電池」とも称する)でありうる。図6は、双極型電池であるリチウムイオン二次電池を示す断面図である。以下、図6に示す双極型電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図6に示す双極型電池80は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素821が、外装であるラミネートシート829の内部に封止された構造を有する。
図6に示すように、双極型電池80の電池要素821は、正極活物質層83と、負極活物質層85とが集電体81のそれぞれの面に形成された双極電極(図示せず)を複数個有する。各双極電極は、電解質層87を介して積層されて電池要素821を形成する。この際、一の双極電極の正極活物質層83と前記一の双極電極に隣接する他の双極電極の負極活物質層85とが電解質層87を介して向き合うように、各双極電極および電解質層87が積層されている。
そして、隣接する正極活物質層83、電解質層87、および負極活物質層85は、一つの単電池層89を構成する。したがって、双極型電池80は、単電池層89が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層89の外周には、隣接する集電体81間を絶縁するための絶縁層831が設けられている。なお、電池要素821の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(81a、81b)には、片面のみに、正極活物質層83(正極側最外層集電体81a)または負極活物質層85(負極側最外層集電体81b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図6に示す双極型電池80では、正極側最外層集電体81aが延長されて正極タブ825とされ、外装であるラミネートシート829から導出している。一方、負極側最外層集電体81bが延長されて負極タブ827とされ、同様にラミネートシート829から導出している。
以下、図6の双極型電池80を構成する部材について簡単に説明する。ただし、電極を構成する成分については上記で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[電解質層]
電解質層87を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層87が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、上述のように、電解質層87にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層87が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[絶縁層]
双極型電池80においては、通常、各単電池層89の周囲に絶縁層831が設けられる。この絶縁層831は、電池内で隣り合う集電体81同士が接触したり、電池要素821における単電池層89の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起きたりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層831の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型電池80が提供されうる。
絶縁層831としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池作動温度下での耐熱性などを有するものであればよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
双極型電池80においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(81a、81b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ825および負極タブ827)が外装の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体81aに電気的に接続された正極タブ825と、負極用最外層集電体81bに電気的に接続された負極タブ827とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ825および負極タブ827)の材質は、特に制限されず、双極型電池用のタブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極タブ825と負極タブ827とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。なお、図6のように、最外層集電体(81a、81b)を延長することによりタブ(825、827)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
双極型電池80においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素821は、好ましくはラミネートシート829などの外装内に収容される。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池作動温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
(組電池)
さらに、図7に示すように、組電池90は、上述の本発明の電池用電極を含む双極型電池が複数個接続されることにより構成されうる。各双極型電池80の正極タブ825および負極タブ827がバスバーを用いて接続されることにより、各双極型電池80が接続されている。組電池90の一の側面には、組電池90全体の電極として、電極ターミナル(92、93)が設けられている。
組電池90を構成する複数個の双極型電池80を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池90の長期信頼性が向上しうる。
組電池90によれば、組電池90を構成する個々の双極型電池80が低温作動性に優れることから、低温作動性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池90を構成する双極型電池80の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(車両)
上述の双極型電池80、または上述の組電池90をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。双極型電池80または組電池90をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車などが挙げられる。また、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車などが挙げられる。
参考までに、図8に、組電池90を搭載する自動車100の概略図を示す。自動車100に搭載される組電池90は、上記で説明したような特性を有する。
以上のように、本発明の好適な実施態様について示したが、本発明は、以上の実施態様に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、本明細書中では、双極型のリチウムイオン二次電池(双極型電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲が双極型電池のみに制限されることはなく、例えば、双極型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図9に、双極型でないリチウムイオン二次電池110の概要を示す断面図を示す。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
<活物質スラリーの調製>
1.正極活物質スラリーAの調製
正極活物質として平均粒径が1.9μmであるLiFePO(86質量%)、導電助剤としてアセチレンブラック(6質量%)、およびバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量%)を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をスラリー粘度が20Pa・sとなる量で添加して、正極活物質スラリーAを調製した。
2.正極活物質スラリーBの調製
正極活物質として平均粒径が10μmであるLiMn(86質量%)、導電助剤であるアセチレンブラック(6質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量%)を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をスラリー粘度が20Pa・sとなる量で添加して、正極活物質スラリーBを調製した。
3.正極活物質スラリーCの調製
正極活物質として平均粒径が10μmであるLiFePO(43質量%)および平均粒径が1.9μmであるLiMn(43質量%)を用意した。また、導電助剤であるアセチレンブラック(6質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量%)を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をスラリー粘度が20Pa・sとなる量で添加して、正極活物質スラリーCを調製した。
4.正極活物質スラリーDの調製
正極活物質として平均粒径が10μmであるLiFePO(26質量%)および平均粒径が1.9μmであるLiMnPO(60質量%)を用意した。また、導電助剤であるアセチレンブラック(6質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量%)を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をスラリー粘度が20Pa・sとなる量で添加して、正極活物質スラリーDを調製した。
5.正極活物質スラリーEの調製
正極活物質として平均粒径が10μmであるLiFePO(60質量%)および平均粒径が1.9μmであるLiMn(26質量%)を用意した。また、導電助剤であるアセチレンブラック(6質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(8質量%)を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をスラリー粘度が20Pa・sとなる量で添加して、正極活物質スラリーEを調製した。
3.負極活物質スラリーの調製
負極活物質である平均粒径10μmのメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)(90質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量%)からなる固形分を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をスラリー粘度が5Pa・sとなる量で添加して、負極活物質スラリーを調製した。
<試験用正極の作製>
上記2.で調製した正極活物質スラリーBを、集電体であるAl箔(厚さ20μm、大きさ6.8cm×6.8cm)の片面全面に塗工コーターを用いて10.2mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーBの層の膜厚が25μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーBの層の表面全面に、上記1.で調製した正極活物質スラリーAを、塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーAの層の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
<試験用負極の作製>
上記で調製した負極スラリーを、負極集電体である銅箔(厚さ:10μm、大きさ7cm×7cm)上にドクターブレードで塗布した。固形分の塗布量は、14.8mg/cmとした。その後、得られた積層体を80℃で乾燥させ、次いで、塗布した負極スラリーの層の膜厚が40μmとなるように、25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスを行った。集電体に出力端子を接続して、試験用負極とした。
<電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)を1:1の体積比で混合し、電解液の可塑剤(有機溶媒)とした。次いで、この可塑剤に、リチウム塩であるLiPFを1Mの濃度になるように添加して、電解液を調製した。
<評価用セルの作製>
上記で作製した試験用正極および試験用負極で、リチウムイオン電池用セパレータであるポリエチレン製微多孔膜(大きさ:7.8cm×7.8cm、厚さ:25μm、空孔率:60%、透気度:90s/cc)を挟持した。次いで得られた挟持体を、小型のセルにセットした。その後、前記セル中に上記で調製した電解液を注入し、セルから出力端子が露出するように真空シールして、評価用セルを完成させた。
(実施例2)
正極活物質スラリーBおよび正極活物質スラリーCを、図2に示すような塗布形状で塗布した。具体的には、上記2.で調製した正極活物質スラリーBを、集電体であるAl箔(厚さ20μm、大きさ6.8cm×6.8cm)の片面全面に塗工コーターを用いて10.2mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーBの層の膜厚が25μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーBの層の表面全面に、上記1.で調製した正極活物質スラリーCを、塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーCの層の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
このようにして試験用正極を作製した以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例3)
正極活物質スラリーB、正極活物質スラリーD、および正極活物質スラリーEを、図3に示すような塗布形状で塗布した。具体的には、上記2.で調製した正極活物質スラリーBを、集電体であるAl箔(厚さ20μm、大きさ6.8cm×6.8cm)の片面全面に塗工コーターを用いて10.2mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーBの層の膜厚が20μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーBの層の表面全面に、上記4.で調製した正極活物質スラリーDを、塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーAの層の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーDの層の表面全面に、上記5.で調製した正極活物質スラリーEを、塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーEの層の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
このようにして試験用正極を作製した以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例4)
正極活物質スラリーAおよび正極活物質スラリーBを、図4に示すような塗布形状で塗布した。具体的には、まず、具体的には、上記1.で調製した正極活物質スラリーAを、集電体であるAl箔(厚さ20μm、大きさ6.8cm×6.8cm)の片面全面に塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーAの層の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーAの層の表面全面に、上記2.で調製した正極活物質スラリーBを、塗工コーターを用いて10.2mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーBの層の膜厚が20μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーBの層の表面全面に、再度正極活物質スラリーAを、塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーAの層の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
このようにして試験用正極を作製した以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(比較例1)
図10に示すように、上記2.で調製した正極活物質スラリーBを、集電体124であるAl箔(厚さ20μm)の片面全面に塗工コーターを用いて、10.2mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーBの層123の膜厚が30μmとなるように、得られた積層体を、25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
このようにして、試験用正極の作製を行った以外は実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
(比較例2)
図11に示すように、上記1.で調製した正極活物質スラリーAを、集電体134であるAl箔(厚さ20μm)の片面全面に塗工コーターを用いて、6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーAの層132の膜厚が30μmとなるように、得られた積層体を、25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
このようにして、試験用正極の作製を行った以外は実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
(比較例3)
正極活物質スラリーAおよび正極活物質スラリーBを、図12に示すような塗布形状で塗布した。具体的には、上記1.で調製した正極活物質スラリーAを、集電体144であるAl箔(厚さ20μm、大きさ6.8cm×6.8cm)の片面全面に、塗工コーターを用いて6.4mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーAの層142の膜厚が25μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。次に、正極活物質スラリーAの層142の表面全面に、上記2.で調製した正極活物質スラリーBを、塗工コーターを用いて10.2mg/cmの塗布量で塗布した。その後乾燥し、塗布した正極活物質スラリーBの層143の膜厚が5μmとなるように、得られた積層体を25℃、1MPaの条件でプレス機を用いてプレスした。
このようにして、試験用正極の作製を行った以外は実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
(評価)
実施例1〜4および比較例1〜3で製造した評価用セルを用いて、常温出力、抵抗上昇率、および低温出力を測定した。
抵抗上昇率、低温出力、常温出力は、北斗電工株式会社製の装置(品番:HJ−1001 SM8)を用いて、測定した。
常温出力は、25℃の恒温槽中で3C放電を行った時の10sec後の電圧と、放電前の電圧とから算出した。低温出力は、−20℃の恒温槽中で同様に算出した。
抵抗上昇率は、サイクル試験をSOC 0%から100%まで行った後の100サイクル後の電圧から算出した。
測定結果を下記表1に示す。なお、常温出力に関しては、比較例1の値を100としたときの相対値である。
Figure 2009252498
表1から明らかなように、本発明の電池用電極を用いた二次電池(実施例1〜4)は、優れた耐久性を有することがわかった。
セパレータに対して厚み方向の近接側に第1活物質層を配置し、集電体に対して厚み方向の近接側に第2活物質層を配置した例を模式的に表わした側面概略図である。 セパレータに対して厚み方向の近接側に第1活物質層を配置し、集電体に対して厚み方向の近接側に第2活物質層を配置した他の例を模式的に表わした側面概略図である。 本発明の電池用電極の具体的な例として、セパレータに対して厚み方向の近接側に第1活物質層を2層配置し、集電体に対して厚み方向の近接側に第2活物質層を1層配置した例を模式的に表わした側面概略図である。 セパレータに対して厚み方向の最近接側および集電体に対して厚み方向の最近接側に、第1活物質層を配置し、その間に第2活物質層を1層配置した例を模式的に表わした側面概略図である。 電極の面積方向で、第1の活物質を多く含む部分および第2の活物質を多く含む部分を、同心長方形状に配置した形態を模式的に表わした平面概略図である。 電極の面積方向で、第1の活物質を多く含む部分および第2の活物質を多く含む部分を、交互にかつ同心長方形状に配置した形態を模式的に表わした平面概略図である。 電極の面積方向で、第1の活物質を多く含む部分を島状に配置した形態を模式的に表わした平面概略図である。 双極型リチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。 本発明の電池用電極を用いた組電池の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の電池用電極を用いた組電池を搭載する自動車の一実施形態を示す概略図である。 双極型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。 比較例1で作製した正極を示す側面概略図である。 比較例2で作製した正極を示す側面概略図である。 比較例3で作製した正極を示す側面概略図である。
符号の説明
10、20、30、40、50、60、70 電池用電極、
11、21、31、41、121、131、141 セパレータ、
12、22、32a、32b、42 第1活物質層、
13、23、33、43 第2活物質層、
14、24、34、44、81、124、134、144 集電体、
51、61、71 第1の活物質を多く含む部分、
52、62、72 第2の活物質を多く含む部分、
80 双極型リチウムイオン二次電池
83 正極活物質層、
85 負極活物質層、
87 電解質層、
89 単電池層、
90 組電池、
92、93 電極ターミナル、
100 自動車、
110 双極型でないリチウムイオン二次電池。
123、143 正極活物質スラリーBから形成された層、
132、142 正極活物質スラリーAから形成された層、
821 電池要素、
825 正極端子、
827 負極端子、
829 ラミネートシート、
831 絶縁層、
833 正極集電体、
835 負極集電体。

Claims (10)

  1. 集電体と、
    第1の活物質を含む少なくとも1つの第1活物質層と、
    前記第1の活物質よりも耐熱性が低い第2の活物質を含む少なくとも1つの第2活物質層と、
    を備え、前記第2活物質層は前記集電体に対して厚み方向の近接側に配置される、電池用電極。
  2. 前記第1活物質層が前記第2の活物質を含む、請求項1に記載の電池用電極。
  3. 前記第1活物質層における前記第2の活物質の含有量が、厚み方向で前記集電体から遠ざかるにつれて漸減している、請求項2に記載の電池用電極。
  4. 集電体に対して厚み方向の最近接側に、前記第1活物質層をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用電極。
  5. 前記第1の活物質がLiFePOである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池用電極。
  6. 前記第2の活物質がLiMnである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池用電極。
  7. 正極、電解質層、および負極がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含むリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極または前記負極の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
  8. 双極型リチウムイオン二次電池である、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 請求項7または8に記載のリチウムイオン二次電池を用いた組電池。
  10. 請求項7または8に記載のリチウムイオン二次電池、または請求項9に記載の組電池をモータ駆動用電源として搭載した車両。
JP2008098256A 2008-04-04 2008-04-04 電池用電極 Pending JP2009252498A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008098256A JP2009252498A (ja) 2008-04-04 2008-04-04 電池用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008098256A JP2009252498A (ja) 2008-04-04 2008-04-04 電池用電極

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009252498A true JP2009252498A (ja) 2009-10-29

Family

ID=41313022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008098256A Pending JP2009252498A (ja) 2008-04-04 2008-04-04 電池用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009252498A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010205649A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Toyota Motor Corp バイポーラ電極
WO2011136237A1 (ja) 2010-04-26 2011-11-03 株式会社日本触媒 ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂及びその製造方法
WO2011136238A1 (ja) 2010-04-26 2011-11-03 株式会社日本触媒 ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂及びその製造方法
JP2013191396A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Hitachi Ltd 非水電解質二次電池、非水電解質二次電池モジュール
WO2014007018A1 (ja) * 2012-07-06 2014-01-09 株式会社 日立製作所 リチウムイオン二次電池
KR101384881B1 (ko) * 2010-11-02 2014-04-15 한국전자통신연구원 리튬 이차전지
JP2014130812A (ja) * 2012-12-27 2014-07-10 Palo Alto Research Center Inc 共押し出し印刷により製造した高性能で高出力、高エネルギーの電池電極
JP2014170661A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Hitachi Maxell Ltd 非水電解質二次電池用セパレータ、および非水電解質二次電池
WO2015079546A1 (ja) * 2013-11-29 2015-06-04 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池
JP2016018731A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池
JP2016058187A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 トヨタ自動車株式会社 非水電解質二次電池
JP2018537815A (ja) * 2016-07-04 2018-12-20 エルジー・ケム・リミテッド 正極及び前記正極を含む二次電池
CN112864474A (zh) * 2021-01-05 2021-05-28 国联汽车动力电池研究院有限责任公司 一种高安全电池结构及电池

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010205649A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Toyota Motor Corp バイポーラ電極
WO2011136237A1 (ja) 2010-04-26 2011-11-03 株式会社日本触媒 ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂及びその製造方法
WO2011136238A1 (ja) 2010-04-26 2011-11-03 株式会社日本触媒 ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂及びその製造方法
US9083032B2 (en) 2010-11-02 2015-07-14 Intellectual Discovery Co., Ltd. Lithium rechargeable battery having a mixed anode active material including nanotubes
KR101384881B1 (ko) * 2010-11-02 2014-04-15 한국전자통신연구원 리튬 이차전지
JP2013191396A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Hitachi Ltd 非水電解質二次電池、非水電解質二次電池モジュール
WO2014007018A1 (ja) * 2012-07-06 2014-01-09 株式会社 日立製作所 リチウムイオン二次電池
JP2014130812A (ja) * 2012-12-27 2014-07-10 Palo Alto Research Center Inc 共押し出し印刷により製造した高性能で高出力、高エネルギーの電池電極
JP2014170661A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Hitachi Maxell Ltd 非水電解質二次電池用セパレータ、および非水電解質二次電池
WO2015079546A1 (ja) * 2013-11-29 2015-06-04 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池
JP2016018731A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池
JP2016058187A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 トヨタ自動車株式会社 非水電解質二次電池
US10243196B2 (en) * 2014-09-08 2019-03-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP2018537815A (ja) * 2016-07-04 2018-12-20 エルジー・ケム・リミテッド 正極及び前記正極を含む二次電池
US10622625B2 (en) 2016-07-04 2020-04-14 Lg Chem, Ltd. Positive electrode and secondary battery including the same
CN112864474A (zh) * 2021-01-05 2021-05-28 国联汽车动力电池研究院有限责任公司 一种高安全电池结构及电池
CN112864474B (zh) * 2021-01-05 2022-10-11 国联汽车动力电池研究院有限责任公司 一种高安全电池结构及电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009252498A (ja) 電池用電極
JP4972862B2 (ja) 電池用電極の製造方法
JP5167703B2 (ja) 電池用電極
JP5272494B2 (ja) 双極型二次電池
JP5315595B2 (ja) 電池用電極およびその製造方法
JP5233088B2 (ja) 電池用電極
JP2009252497A (ja) 電池用電極および電池
JP2007109636A (ja) 電池用電極
JP2008021614A (ja) 電池用電極
JP2009224239A (ja) 電池用電極
JP2007280687A (ja) 電池用電極
JP5168763B2 (ja) 電池用電極
JP5082197B2 (ja) 電池
JP2006210003A (ja) 電池用電極
JP5601361B2 (ja) 電池用電極
JP2007018861A (ja) 電池用セパレータおよびこれを用いた電池
JP5392328B2 (ja) 固体電解質電池
JP5186730B2 (ja) 電池用電極
JP2007207626A (ja) リチウムイオン二次電池および組電池、並びにこれらを搭載した車両
JP2004362859A (ja) リチウムイオン二次電池
JP5573922B2 (ja) 電池用電極の製造方法
JP2007087758A (ja) 電池用電極
JP2007087759A (ja) ゲル電解質電池、電池ユニット、および電池用ゲル電解質層の製造方法
JP2007280806A (ja) 電池用電極
JP5515257B2 (ja) 双極型二次電池