JP2009251228A - 基板用樹脂シート及び基板用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップや発光ダイオードなど、半導体チップが埋め込まれたディスプレイ用基板を、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するための基板用樹脂シート、及びそれを用いて得られた基板用シートを提供する。
【解決手段】半導体チップが埋め込まれる樹脂層と、活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物からなる、支持基板に対する密着層とを有することを特徴とする基板用樹脂シート、及び該基板用樹脂シートに半導体チップが埋め込まれてなる基板用シートである。
【選択図】図1

Description

本発明は基板用樹脂シート及び基板用シートに関する。更に詳しくは、ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップや発光ダイオードなど、半導体チップが埋め込まれたディスプレイ用基板を、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するための基板用樹脂シート、及びそれらを用いて得られた基板用シートに関するものである。
従来のディスプレイにおいては、各画素の制御に薄膜トランジスタ(TFT)などの微小電子デバイスが各画素近傍に形成される。しかしながら、これらの画素制御素子を作製する工程は多段階で煩雑であって、コスト高になるのを免れない。そこで、コスト削減を目的として、微小な回路チップを有機基板中に埋め込み・固定させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、ガラス基板上に、予め高分子フィルムを形成しておき、これに微小な結晶シリコン集積回路チップを印刷技術などの手段で移し、熱成形や加熱プレスなどの方法により、該チップを高分子フィルムに埋め込むことが行われる。しかしながら、このような方法では、高分子フィルムの歪みや発泡などの不具合が発生しやすい上、加熱に時間がかかるため効率的ではない。
また、前記高分子フィルムの代わりにエネルギー線硬化型高分子材料からなる回路基板用シートを用いて、回路チップ埋め込み時及び埋め込み後のそれぞれの貯蔵弾性率を所定範囲にコントロールすることにより、加熱を行なわなくても回路チップ埋め込みが可能な回路基板用シート及び回路基板シートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このような回路基板用シートを用いることにより、回路チップが埋め込まれたディスプレイ用回路基板シートを、高い生産性のもとで効率よく作製することができる。しかしながら、前記回路基板シートは、耐溶剤性については必ずしも十分に満足し得るものではなく、回路チップが埋め込まれた該基板シートの表面に配線形成を行い、溶剤で洗浄する際に、支持基板から剥離する場合があるなどの問題があった。
特開2003−248436号公報 特開2006−323335号公報
本発明は、このような事情のもとで、ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップや発光ダイオードなど、半導体チップが埋め込まれたディスプレイ用基板を、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するための基板用樹脂シート、及びそれを用いて得られた基板用シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基板用樹脂シートを2層以上の多層構造とし、支持基板に対する密着層を活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物より構成することによって、酸、アルカリ水溶液、溶剤に侵されず、支持基板との密着性の良好な基板用シートが得られ、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]半導体チップが埋め込まれる樹脂層と、活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物からなる、支持基板に対する密着層とを有することを特徴とする基板用樹脂シート、
[2]半導体チップが埋め込まれる樹脂層が、活性エネルギー線硬化型樹脂材料からなる上記[1]項に記載の基板用樹脂シート、
[3]活性エネルギー線照射による硬化後のガラス板に対する粘着力が、0.3N/25mm以上である上記[1]又は[2]項に記載の基板用樹脂シート、
[4]支持基板に対する密着層において、活性エネルギー線照射による硬化後のエタノールに対する膨潤率(23℃のエタノールに5分間浸漬)が、60%以下である上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の基板用樹脂シート、
[5]支持基板に対する密着層において、活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物が、(メタ)アクリル酸単位と(メタ)アクリル酸エステル単位を有するアクリル系共重合体を含む上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の基板用樹脂シート、及び
[6]上記[1]〜[5]項のいずれかに記載の基板用樹脂シートに半導体チップが埋め込まれてなる基板用シート、
を提供するものである。
本発明によれば、ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップや発光ダイオードなど、半導体チップが埋め込まれたディスプレイ用基板を、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するための基板用樹脂シート、及びそれを用いて得られた基板用シートを提供することができる。
まず、本発明の基板用樹脂シートについて説明する。
[基板用樹脂シート]
本発明の基板用樹脂シートは、半導体チップが埋め込まれる樹脂層と、活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物からなる、支持基板に対する密着層とを有することを特徴とする。
(半導体チップが埋め込まれる樹脂層)
本発明の基板用樹脂シートにおいて、半導体チップが埋め込まれる樹脂層を構成する樹脂としては、半導体チップを埋め込むことができ、かつ該半導体チップが埋め込まれた後の樹脂層表面に、配線形成が可能なものであればよく、特に制限されず、各種の樹脂、例えば熱可塑性樹脂、熱エネルギー硬化型樹脂材料、活性エネルギー線硬化型樹脂材料などを用いることができる。これらの中で半導体チップの埋め込み性、半導体チップの固定などの観点から、活性エネルギー線硬化型樹脂材料(以下、活性エネルギー線硬化型樹脂材料Aと称する。)が好適である。ここで、活性エネルギー線とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などである。
<活性エネルギー線硬化型樹脂材料A>
本発明で用いる活性エネルギー線硬化型樹脂材料Aとしては、例えば(1)粘着性アクリル系重合体と活性エネルギー線硬化型オリゴマー及び/又はモノマーと所望により光重合開始剤を含む高分子材料、(2)側鎖に活性エネルギー線硬化性基を有する粘着性アクリル系重合体と所望により光重合開始剤を含む高分子材料などを挙げることができる。
前記(1)の高分子材料において、粘着性アクリル系重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体及び他の単量体との共重合体、すなわち(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好ましく挙げることができる。本発明において、「(メタ)アクリル酸・・・」とは「アクリル酸・・・」及び「メタアクリル酸・・・」の両方を意味する。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、(メタ)アクリル酸エステル単位は5〜100質量%程度、好ましくは50〜99質量%程度含有され、活性水素をもつ官能基を有する単量体単位は0〜95質量%、好ましくは1〜50質量%含有される。
また、所望により用いられる他の単量体の例としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、これらの単量体単位は、0〜30質量%含有することができる。
該高分子材料において、粘着性アクリル系重合体として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、分子量は、重量平均分子量で5万以上が好ましく、8万〜200万のものがより好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、活性エネルギー線硬化型オリゴマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
上記オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリスチレン換算の値で、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜70,000、さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲で選定される。
このオリゴマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、活性エネルギー線硬化型モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボニルなどの単官能性アクリル酸エステル類、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールアジペートエステル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ジ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジシクロペンテニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキシド変性リン酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸アリル化シクロヘキシル、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステル、トリ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパンエステル、イソシアヌル酸トリス(アクリロキシエチル)、ペンタ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。これらのモノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのオリゴマーやモノマーの使用量は、通常(メタ)アクリル酸エステル共重合体の固形分100質量部に対し、3〜300質量部配合することができる。
また、活性エネルギー線として、通常紫外線又は電子線が照射されるが、紫外線を照射する際には、光重合開始剤を用いることができる。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン)などが挙げられる。これらは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
配合量は、上述の活性エネルギー線硬化型高分子材料の固形分100質量部に対し、通常0.1〜10質量部である。
次に、前記(2)の高分子材料において、側鎖に活性エネルギー線硬化性基を有する粘着性アクリル系重合体としては、例えば前述の(1)の高分子材料において説明した粘着性アクリル系重合体のポリマー鎖に−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2などの活性点を導入し、この活性点と活性エネルギー線硬化性基を有する化合物を反応させて、該粘着性アクリル系重合体の側鎖に活性エネルギー線硬化性基を導入してなるものを挙げることができる。活性エネルギー線硬化性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
粘着性アクリル系重合体に前記活性点を導入するには、該粘着性アクリル系重合体を製造する際に、−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2などの官能基と、活性エネルギー線硬化性基とを有する単量体又はオリゴマーを反応系に共存させればよい。
具体的には、前述の(1)の高分子材料において説明した粘着性アクリル系重合体を製造する際に、−COOH基を導入する場合には(メタ)アクリル酸などを、−NCO基を導入する場合には、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナートなどを、エポキシ基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸グリシジルなどを、−OH基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、モノ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステルなどを、−NH2基を導入する場合には、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどを用いればよい。
これらの活性点と反応させる活性エネルギー線硬化性基を有する化合物としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、(メタ)アクリル酸グリシジル、モノ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、モノ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、モノ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステルなどの中から、活性点の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。
このようにして、粘着性アクリル系重合体の側鎖に、前記活性点を介して活性エネルギー線硬化性基を有する粘着性アクリル系重合体、すなわち(メタ)アクリル酸エステル共重合体が得られる。
この活性エネルギー線硬化性基が導入された(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、重量平均分子量が5万以上のものが好ましく、10万〜200万のものがより好ましい。なお、上記重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
また、所望により用いられる光重合開始剤としては、前述の(1)の高分子材料の説明において例示した光重合開始剤を用いることができる。
前記の(1)及び(2)の活性エネルギー線硬化型高分子材料においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤などを添加することができる。
前記架橋剤としては、例えばポリイソシアナート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアナート化合物が好ましく用いられる。この架橋剤は、上述の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の固形分100質量部に対して、0〜30質量部配合することができる。
ここで、ポリイソシアナート化合物の例としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナートなどの脂環式ポリイソシアナートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。これらの架橋剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記の(1)及び(2)の活性エネルギー線硬化型高分子材料は、弾性率をコントロールするために、(1)の活性エネルギー線硬化型高分子材料に対し(2)の側鎖に活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を加えることができる。同様に(2)の活性エネルギー線硬化型高分子材料に対し(1)の粘着性アクリル系重合体、又は活性エネルギー線硬化型オリゴマーや活性エネルギー線硬化型モノマーを加えることができる。
また、この半導体チップが埋め込まれる樹脂層の厚さは、該半導体チップの大きさにもよるが、チップ埋め込み性や保持性などの観点から、通常30〜1000μm程度、好ましくは40〜500μmである。
(支持基板に対する密着層)
本発明の基板用樹脂シートにおいて、支持基板に対する密着層(以下、対支持基板密着層と称することがある。)を構成する樹脂として、活性エネルギー線硬化型樹脂材料(以下、活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bと称する。)を用いる。
この活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bからなる対支持基板密着層は、支持基板(ガラスなど)に対する密着性の観点から、基板用樹脂シートの活性エネルギー線照射による硬化後のガラス板に対する粘着力が、0.3N/25mm以上であることが好ましく、0.35N/25mm以上であることがより好ましい。その上限については特に制限はないが、通常20N/25mm程度である。
また、当該対支持基板密着層は、耐溶剤性の観点から、活性エネルギー線照射による硬化後のエタノールに対する膨潤率(23℃エタノールに5分間浸漬)が、60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。その下限については特に制限はないが、通常1%程度である。
なお、上記ガラス板に対する粘着力及びエタノールに対する膨潤率の測定方法については後で説明する。
<活性エネルギー線硬化型樹脂材料B>
本発明において、対支持基板密着層に用いる活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bとしては、前述の活性エネルギー線硬化型樹脂材料Aの説明において示したような、(1)粘着性アクリル系重合体と活性エネルギー線硬化型オリゴマー及び/又はモノマーと所望により光重合開始剤を含む高分子材料、(2)側鎖に活性エネルギー線硬化性を有する粘着性アクリル系重合体と所望により光重合開始剤を含む高分子材料などを用いることができるが、活性エネルギー線による硬化後の密着性の観点から上記(1)及び(2)における粘着性アクリル系重合体が、(メタ)アクリル酸単位と(メタ)アクリル酸エステル単位とを有することが肝要である。該粘着性アクリル系重合体における(メタ)アクリル酸単位の含有量は、1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜25質量%がさらに好ましい。
当該対支持基板密着層の厚さに特に制限はないが、通常1〜100μm程度、好ましくは3〜80μmである。
本発明の基板用樹脂シートにおいては、半導体チップが埋め込まれる樹脂層と、対支持基板密着層とから構成される2層構造であってもよいし、上記半導体チップが埋め込まれる樹脂層と、対支持基板密着層との間に、他の樹脂層を1層以上介在させてなる3層以上の多層構造であってもよい。
(基板用樹脂シートの作製)
以下に、本発明の基板用樹脂シートを製造する方法について、2層構造を例に挙げて説明する。ただし、本発明はこれにより、特に制限されるものではない。
重剥離型剥離シートの剥離剤層上に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料Aを含む適当な濃度に調整された塗工液を、公知の方法、例えばナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などにより、所定の厚さになるように塗布・乾燥することによって、半導体チップが埋め込まれる樹脂層を形成する。
一方、軽剥離型剥離シートの剥離剤層上に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bを含む適当な濃度に調整された塗工液を、上記と同様にして、所定の厚さになるように塗布・乾燥し、所望によりエネルギー線を照射して対支持基板密着層を形成する。活性エネルギー線としては、通常紫外線又は電子線が用いられる。紫外線は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。この活性エネルギー線の照射量としては、適宜選択されるが、例えば紫外線の場合には、光量で100〜5000mJ/cm2が好ましく、電子線の場合には、10〜1000krad程度が好ましい。
次に、上記の重剥離型剥離シート上に形成した半導体チップが埋め込まれる樹脂層に、軽剥離型剥離シート上に形成した対支持基板密着層を積層することにより、重剥離型剥離シート、半導体チップが埋め込まれる樹脂層、対支持基板密着層、軽剥離型剥離シートをこの順に備えた基板用樹脂シートが得られる。
前記剥離シートとしては、特に制限はないが、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布して剥離剤層を設けたものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さは、通常20〜150μm程度である。
次に、本発明の基板用シートについて説明する。
[基板用シート]
本発明の基板用シートは、前記基板用樹脂シートの片面が、支持基板上に形成されていてもよい。
前記支持基板については特に制限はなく、通常ディスプレイ用支持基板として使用されている透明支持基板の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような支持基板としてはガラス基板、あるいは板状又はフィルム状のプラスチック支持基板などを挙げることができる。ガラス基板としては、例えばソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などからなる支持基板を用いることができる。一方板状又はフィルム状のプラスチック支持基板としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂などからなる支持基板を用いることができる。これらの支持基板の厚さは、用途に応じて適宜選定されるが、通常20μm〜5mm程度、好ましくは50μm〜2mmである。
本発明においては、これらの支持基板の中で、特にガラス基板が好適に用いられる。
(基板用シートの製造方法)
この基板用シートを製造する方法について以下に例示する。ただし、本発明は、これにより特に制限されるものではない。
まず、前述した基板用樹脂シートの作製により得られた基板用樹脂シートの軽剥離型剥離シートを剥がし、その剥がした面を前記支持基板と貼り合わせる。次に、重剥離型剥離シートを剥がし、露出した半導体チップが埋め込まれる樹脂層に半導体チップを配置し、この半導体チップにガラス板などを押し当て、0.05〜2.0MPa程度の荷重下に該チップを、好ましくは0〜150℃、より好ましくは5〜100℃の温度で埋め込み、必要により活性エネルギー線を照射して基板用樹脂シートを硬化させることにより、基板用シートが得られる。なお、加熱して回路チップを埋め込んだ場合には、活性エネルギー線の照射は、基板用樹脂シートが加熱された状態で行ってもよいし、室温に冷却されてから行ってもよい。
活性エネルギー線としては、通常紫外線又は電子線が用いられる。紫外線は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。この活性エネルギー線の照射量としては、適宜選択されるが、例えば紫外線の場合には、光量で100〜5000mJ/cm2が好ましく、電子線の場合には、10〜1000krad程度が好ましい。
(配線形成)
このようにして、半導体チップが埋め込まれ、硬化処理されて固定化されてなるディスプレイ用回路基板などは、通常その表面に配線(回路)が形成されている。
この配線形成の方法に特に制限はなく、従来行われている方法の中から、任意の方法を適宜選択して実施することができる。例えばフォトリソグラフィー技術を用いて配線形成を行うことができる。その1例を示すと、半導体チップが埋め込まれ、硬化処理されてなる基板用シート上に、まずポジ型又はネガ型のフォトレジスト液を塗布し、フォトレジスト層を形成する。次いで、所定のマスクパターンを介して、上記フォトレジスト層を露光したのち、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液などのアルカリ現像液を用いて現像処理し、レジストパターンを形成させる。
次に、例えば配線材料としてのクロムターゲットを用いたスパッタリングなどによって、上記レジストパターン上に、所定の厚さのクロム膜を形成したのち、この基板用シートをエタノールなどのエッチング液に浸漬して、レジストのエッチングを行うことにより、所望の配線を形成することができる。
本発明においては、基板用樹脂シートとして、その硬化物が耐溶剤性に優れるものを用いているため、この配線形成において、配線の脱落や剥離を防止することができる。
図1は、本発明の基板用樹脂シートを用いて作製されたディスプレイ用基板の1例を示す断面模式図であって、ディスプレイ用基板10は、樹脂層2と対支持基板密着層3とからなる2層構造の基板用樹脂シート4の対支持基板密着層3がガラス基板1に接合されていると共に、樹脂層2には半導体チップ5が埋め込まれ基板用シートを形成し、さらに樹脂層2の表面に配線6が形成されてなる構造を有している。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は、下記の方法により求めた。
(1)支持基板との密着性
基板用シートに配線を形成する前及び基板用シートに配線形成した後に支持基板からの基板用シートの剥離又は浮きの有無を目視で確認し、剥離や浮きがないものを○、剥離や浮きがあるものを×とした。
(2)粘着力の測定
基板用樹脂シートを25mm、長さ250mmに切断し、軽剥離型剥離シートを剥がして重さ2kgのゴム製ローラーを用いて無アルカリガラス[コーニング社製、商品名「#1737」]に貼付した。次いで重剥離型剥離シートを剥がし、幅25mm、長さ250mmの粘着性シート(厚さ20μmの強粘着性粘着剤[リンテック社製、商品名「PA−T1」]が塗布された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)を重さ2kgのゴム製ローラーを用いて貼り合わせた。無アルカリガラスを介して照度400mW/cm2、光量315mJ/cm2の条件で、フージョン製Hバルブを光源とする紫外線を照射して基板用シートを硬化させた。万能型引っ張り試験機[オリエンテック社製、「テンシロン」]を用いて、剥離角度180°、剥離速度300mm/minで粘着性シートが貼り合わされた基板用シートを無アルカリガラスから剥離し、粘着力を測定した。
(3)膨潤率の測定
基板用樹脂シートの軽剥離型シート側から、窒素雰囲気下で照度400mW/cm2、光量300mJ/cm2の条件でフージョン製Hバルブを光源とする紫外線を照射して硬化させ、次に軽剥離型剥離シート及び重剥離型剥離シートを剥離除去し、エタノールに23℃で5分間浸漬させ、浸漬前後の対支持基板密着層の膜厚を測定し算出した。膨潤率は、[((浸漬後膜厚)−(浸漬前膜厚))/(浸漬前膜厚)]×100より算出し、上記測定の5回平均値を膨潤率とした。
実施例1
(1)半導体チップが埋め込まれる樹脂層の形成
メタクリル酸メチル97質量部とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル3質量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(質量比50:50)中で反応させて得たメタクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35質量%、重量平均分子量が10万)の固形分100質量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア651」]5.0質量部と、活性エネルギー線硬化型の多官能モノマーからなる組成物[共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレートDCP−A」]200質量部と、ポリイソシアナート化合物からなる架橋剤[三井化学ポリウレタン社製、商品名「タケネートD−140N」]5.0質量部(固形分3.8質量部)とを溶解させ、最後にメチルエチルケトンを加えて固形分濃度を40質量%に調整し、均一な溶液となるまで撹拌して塗工液とした。
調整した塗工液をナイフコーターによって、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられた重剥離型剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]の剥離処理面に塗布し、90℃で90秒間加熱乾燥させ、厚さ50μmの活性エネルギー線硬化型樹脂材料Aからなる半導体チップが埋め込まれる樹脂層を形成した。
(2)対支持基板密着層の形成
アクリル酸ブチル80質量部とアクリル酸20質量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(質量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35質量%)に、共重合体中のアクリル酸単位100当量に対し30当量になるように2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを添加し、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖に活性エネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が85万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。得られた活性エネルギー線硬化性官能基が導入されてなる共重合体溶液の固形分100質量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア651」]3.0質量部と、活性エネルギー線硬化型の多官能モノマー及びオリゴマーからなる組成物[大日精化工業社製、商品名「14−29B(NPI)」]100質量部(固形分80質量部)と、ポリイソシアナート化合物からなる架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「オリバインBHS−8515」]1.2質量部(固形分0.45質量部)とを溶解させ、最後にメチルエチルケトンを加えて固形分濃度を40質量%に調整し、均一な溶液となるまで撹拌して塗工液とした。
調製した塗工液をナイフコーターによって、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられた軽剥離型剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3801」]の剥離処理面に塗布し、90℃で90秒間加熱乾燥させ、厚さ50μmの活性エネルギー線硬化型樹脂材料からなる対支持基板密着層を形成した。
(3)基板用樹脂シートの作製
上記の重剥離型剥離シート上に形成した半導体チップが埋め込まれる樹脂層に、軽剥離型剥離シート上に形成した対支持基板密着層に積層し、最終的に重剥離型剥離シート、半導体チップが埋め込まれる層、対支持基板密着層、軽剥離型剥離シートをこの順に備えた厚さ100μmの活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bからなる基板用樹脂シートを得た。
(4)基板用シートの作製
作製された基板用樹脂シートの軽剥離型剥離シートを剥がし、支持基板としての5cm×5cmのガラス基板[コーニング社製、「#1737」]にラミネートした後、重剥離型剥離シートを剥がした。次に、半導体チップが埋め込まれる樹脂層に半導体チップ(回路チップ、縦1mm×横1mm、厚さ50μm)2個を、間隔3cmで配置した。5cm×5cmのガラス板を別に1枚用意し、基板用樹脂シート上の回路チップに押し当て、平面プレス機を用いて0.3MPaの圧力で5分間プレスした。常圧に戻した後、窒素雰囲気下でガラス基板側から照度400mW/cm2、光量315mJ/cm2の条件でフュージョン製Hバルブを光源とする紫外線を照射して基板用樹脂シートを硬化させて基板用シートを作製した。
(5)配線形成
基板用シートの半導体チップが埋め込まれた面に、ポジ型レジスト液[東京応化工業株式会社製、商品名「OFPR−800」]をスピンコーターにより回転数3000rpm、時間40秒で全面に均一に塗布し、その後100℃で5分間乾燥した。回路チップ間のみ配線形成するため、配線幅が1mmとなるようフォトマスクを使用し露光した。露光後、基板用シートを現像液[東京応化工業株式会社製、商品名「NMD−3」]に1分間浸漬後、精製水で洗浄、120℃で5分間乾燥し現像を行った。その後、クロム(Cr)ターゲットを用いて、スパッタリングにより基板用シート上に25nmのクロム(Cr)膜を形成した。最後にエタノールに23℃で5分間浸漬し、レジストのエッチングを行い、チップ間にCrの配線を形成した。
諸特性の評価結果を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、対支持基板密着層を下記の通り変更した以外は、実施例1と同様にして基板用樹脂シート及び基板用シートを作製し、配線を行った。
<対支持基板密着層の形成>
アクリル酸ブチル95質量部とアクリル酸5質量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(質量比50:50)中で反応させて得た重量平均分子量が150万のアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35質量%)を得た。得られた共重合体溶液の固形分100質量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア651」]1.0質量部と、活性エネルギー線硬化型モノマーとしてイソシアヌル酸トリス(アクリロキシエチル)[東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」]15質量部と、ポリイソシアナート化合物からなる架橋剤[日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」]2.0質量部(固形分1.5質量部)と、シランカップリング剤[信越化学工業社製、商品名「KBM−403」]0.2質量部を溶解させ、最後にメチルエチルケトンを加えて固形分濃度を35質量%に調整し、均一な溶液となるまで撹拌して塗工液とした。
調製した塗工液をナイフコーターによって、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられた軽剥離型剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3801」]の剥離処理面に塗布し、90℃で90秒間加熱乾燥させ、厚さ50μmの活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bからなる層を形成した。窒素雰囲気下で、活性エネルギー線硬化型樹脂材料Bからなる層に軽剥離シート側から照度400mW/cm2、光量315mJ/cm2の条件でフュージョン製Hバルブを光源とする紫外線を照射した。
諸特性の評価結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、半導体チップが埋め込まれる樹脂層のみを用いて厚さ100μmの活性エネルギー線硬化型樹脂材料Aからなる基板用樹脂シートとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
諸特性の評価結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、対支持基板密着層を下記の通り変更して非エネルギー線硬化型樹脂材料とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
<対支持基板密着層の形成>
アクリル酸ブチル95質量部とアクリル酸5質量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(質量比50:50)中で反応させて得た重量平均分子量が85万のアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35質量%)を得た。得られた共重合体溶液の固形分100質量部に対して、ポリイソシアナート化合物からなる架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「オリバインBHS−8515」]1.2質量部(固形分0.45質量部)を溶解させ、最後にメチルエチルケトンを加えて固形分濃度を30質量%に調整し、均一な溶液となるまで撹拌して塗工液とした。
調製した塗工液をナイフコーターによって、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられた軽剥離型剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3801」]の剥離処理面に塗布し、90℃で90秒間加熱乾燥させ、厚さ50μmの対支持基板密着層を形成した。
諸特性の評価結果を第1表に示す。
Figure 2009251228
第1表から明らかなように、本発明の基板用樹脂シートを用いた実施例1及び実施例2においては、活性エネルギー線照射後及び配線形成後において、粘着力が高く、膨潤率が低く支持基板からの回路基板シートの剥離・浮きがいずれも認められなかった。
これに対し、対支持基板密着性を設けていない比較例1及び対支持基板密着層が活性エネルギー線硬化型でない比較例2は、配線形成後における支持基板からの回路基板シートの剥離・浮きがいずれも認められ、また比較例2においては、対支持基板密着層の膨潤率は60%を超え、測定不可であった。
本発明の基板用樹脂シートは、ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップや発光ダイオードなど、半導体チップが埋め込まれたディスプレイ用基板を、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製することができる。
本発明の基板用樹脂シートを用いて作製されたディスプレイ用基板の1例の断面模式図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 樹脂層
3 対支持基板密着層
4 基板用樹脂シート
5 半導体チップ
6 配線
10 ディスプレイ用基板

Claims (6)

  1. 半導体チップが埋め込まれる樹脂層と、活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物からなる、支持基板に対する密着層とを有することを特徴とする基板用樹脂シート。
  2. 半導体チップが埋め込まれる樹脂層が、活性エネルギー線硬化型樹脂材料からなる請求項1に記載の基板用樹脂シート。
  3. 活性エネルギー線照射による硬化後のガラス板に対する粘着力が、0.3N/25mm以上である請求項1又は2に記載の基板用樹脂シート。
  4. 支持基板に対する密着層において、活性エネルギー線照射による硬化後のエタノールに対する膨潤率(23℃のエタノールに5分間浸漬)が、60%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の基板用樹脂シート。
  5. 支持基板に対する密着層において、活性エネルギー線硬化型樹脂材料及び/又はその硬化物が、(メタ)アクリル酸単位と(メタ)アクリル酸エステル単位を有するアクリル系共重合体を含む請求項1〜4のいずれかに記載の基板用樹脂シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の基板用樹脂シートに半導体チップが埋め込まれてなる基板用シート。
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