JP2009250796A - 蓄電池の劣化診断方法および診断システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的な方法によって温度や負荷条件などに依存せず、かつ蓄電池容量への影響も小さい蓄電池の劣化診断方法および診断システムを得る。
【解決手段】蓄電池1からパルス幅が0.3秒以上であり、上記パルス幅と電流値との積からなる電荷量が蓄電池1の容量の0.01%以上である定電流の電流パルスを流し、2点以上の時間ポイントで蓄電池電圧を測定し、上記各時間ポイントの蓄電池電圧の値から蓄電池1の劣化状態を診断する。
【選択図】図3
【解決手段】蓄電池1からパルス幅が0.3秒以上であり、上記パルス幅と電流値との積からなる電荷量が蓄電池1の容量の0.01%以上である定電流の電流パルスを流し、2点以上の時間ポイントで蓄電池電圧を測定し、上記各時間ポイントの蓄電池電圧の値から蓄電池1の劣化状態を診断する。
【選択図】図3
Description
この発明は、蓄電池の劣化状態を診断する蓄電池の劣化診断方法および診断システムに係り、特に、鉛蓄電池のように充放電可能な蓄電池の劣化状態を電気的方法により診断する蓄電池の劣化診断方法および診断システムに関するものである。
鉛蓄電池に代表される蓄電池、つまり二次電池は、化学反応を利用して電気エネルギーを蓄電するデバイスである。蓄電デバイスは、さまざまな電気機器、特に、自動車やエレベータ、無停電電源装置(以下、UPSという。)で必要とされ、多くの場合、装置の信頼性を左右する重要な部品となっている。
しかしながら、半導体など多くの電気部品は比較的長時間の信頼性が期待できるのに対し、蓄電池は化学装置であるため寿命が比較的短いものである。例えば、鉛蓄電池では最も長い寿命が期待できるシール型鉛蓄電池であっても数年程度でその容量が半減してしまうものである。
このため蓄電池を定期的に交換する必要があるが、蓄電池が劣化していない早期に蓄電池を交換することはコストがかかって無駄であり、また、蓄電池が劣化してしまった場合には、その蓄電池を使用している装置の性能が得られなくなる。特に、非常時だけ蓄電池を動作させる必要がある装置、例えばUPSの場合には、蓄電池が劣化していると非常時にバックアップが出来ないなど、装置の信頼性に関わる重大な問題になる。このため、蓄電池の寿命あるいは劣化(以下、これらを劣化という。)を適切に診断して適切な時期に蓄電池を交換する必要があり、蓄電池の劣化状態を診断する技術が必要になる。
以上のような背景から、蓄電池の劣化状態を診断する方法は、古くからいろいろな方法が提案されており、その中に電気的な検出による診断方法がある。電気的な方法で蓄電池の劣化状態の診断を行う場合、電流パルスを流して蓄電池の両端電圧の変化を見る手法が良く用いられるが、これは蓄電池の内部抵抗が劣化状態に相関するという現象に基づいている。
従来から知られている手法として、1ms程度の短い電流パルスを流して蓄電池の両端電圧の変化を見る診断方法がある。この方法は比較的正確に内部抵抗に相当する値が得られるが、温度などへの依存性が強く、診断精度に問題がある。
また、他の従来技術として、密閉型鉛蓄電池を一定の電流値I1で放電させて得られた安定した電池電圧Vb1と、さらに連続して電流I1より小さな一定の電流値I2で放電させたときに得られた安定した電池電圧Vb2の差が既定値以上の場合に寿命と診断する方法であって、電池電圧Vb2を10秒以上放電させた時の値とする寿命判定方法が提案されている。この方法は最初の電池電圧の落ち込みを利用しているため、比較的劣化の激しい場合には適用可能であるが、劣化がそれほどひどくない場合には診断できないという問題がある(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、蓄電池の残存容量が放電開始後一定期間での電圧変化率と高い相関があり、残存容量が小さい時ほど変化率が大きいことに着目し、放電開始後一定期間での電圧の傾きから劣化度を推定する蓄電池の劣化診断技術が提案されている。この蓄電池の劣化診断技術は、放電時間が非常に長い場合であって、蓄電池容量が大きく低減してしまい実用上問題がある(例えば、特許文献2参照)。
このように、従来の蓄電池の劣化診断技術では温度や負荷容量など、さまざまな要因に対する依存性が無視できず、十分な診断精度が得られなかった。
この発明は、上記課題を解決するために成されたもので、温度や負荷条件などに依存せず、かつ蓄電池容量への影響も小さい蓄電池の劣化診断方法および診断システムを得ることを目的とするものである。
この発明に係る蓄電池の劣化診断方法は、蓄電池からパルス幅が0.3秒以上であり、上記パルス幅と電流値との積からなる電荷量が上記蓄電池の容量の0.01%以上である定電流の電流パルスを流し、2点以上の時間ポイントで蓄電池電圧を測定し、上記各時間ポイントの蓄電池電圧の値から上記蓄電池の劣化状態を診断するものである。
この発明に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、秒単位の比較的長い電流パルスでも精度良く劣化診断を行うことができる効果がある。
以下、この発明に係る蓄電池の劣化診断方法および診断システムの好適な実施の形態について図面を参照して説明する。なお、これらの実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、説明の都合上、以下に説明する各実施形態における蓄電池の劣化診断方法に使用される基本的な回路構成図について説明する。
図1は蓄電池の劣化診断方法に使用される基本的な回路構成図で、まずは蓄電池から定電流の電流パルスを流す場合について説明する。
蓄電池1には蓄電池1から定電流の電流パルスを一定の時間流す定電流源2が接続され、蓄電池1の両端の電圧が電圧測定手段3により測定される。定電流源2について具体的に説明すると、定電流源2として例えば図2に示す構成の装置を挙げることができ、この装置では固定抵抗4とスイッチ5が設けられている。スイッチ5はリレーや半導体スイッチング素子などが考えられ、スイッチ5を一定時間閉じると蓄電池1から固定抵抗4に一定時間電流が流れる。電流値は蓄電池1の電圧に依存するが、電流を流す時間が蓄電池1の容量からみて十分に短い時間の場合、蓄電池1の電圧はほとんど変化しないと考えてよいので、実質的に定電流の電流パルスが流れることになる。
まず、説明の都合上、以下に説明する各実施形態における蓄電池の劣化診断方法に使用される基本的な回路構成図について説明する。
図1は蓄電池の劣化診断方法に使用される基本的な回路構成図で、まずは蓄電池から定電流の電流パルスを流す場合について説明する。
蓄電池1には蓄電池1から定電流の電流パルスを一定の時間流す定電流源2が接続され、蓄電池1の両端の電圧が電圧測定手段3により測定される。定電流源2について具体的に説明すると、定電流源2として例えば図2に示す構成の装置を挙げることができ、この装置では固定抵抗4とスイッチ5が設けられている。スイッチ5はリレーや半導体スイッチング素子などが考えられ、スイッチ5を一定時間閉じると蓄電池1から固定抵抗4に一定時間電流が流れる。電流値は蓄電池1の電圧に依存するが、電流を流す時間が蓄電池1の容量からみて十分に短い時間の場合、蓄電池1の電圧はほとんど変化しないと考えてよいので、実質的に定電流の電流パルスが流れることになる。
次に、図3に示す構成の装置が挙げられ、この装置では蓄電池1がコンバータ6を介して負荷7に接続されている様子を示している。蓄電池1から負荷7に電力を供給する場合はこのような構成をとることが多く、この場合はコンバータ6の制御によって蓄電池1から定電流の電流パルスを一定時間流すことが可能である。
図4は、上記のような構成の装置によって蓄電池1から一定時間電流を流した場合に、蓄電池1の両端の電圧がどのように変化するかを示したものである。
まず、蓄電池1から電流が流れていない場合、蓄電池1の電圧はその残存容量に依存したある一定電圧Vocになっている。この一定電圧Vocは開放端子電圧と呼ばれている。ここに電流パルスを流し始めると、蓄電池1の電圧は図4のようにいくらかの時定数で低下し、電流パルス流れ終わると、また電圧が上昇していく。図4においてtpは電流パルスのパルス幅、Iは電流値である。電流パルスの電荷量(電流値の時間積分)が蓄電池1の容量と比較して十分に小さい場合は、長い時間経過すると蓄電池1の電圧は開放端子電圧Vocに近くなる。なお、図4のtmは、電流パルスのパルス幅tpの終了から2回目の測定までの時間を示している。
まず、蓄電池1から電流が流れていない場合、蓄電池1の電圧はその残存容量に依存したある一定電圧Vocになっている。この一定電圧Vocは開放端子電圧と呼ばれている。ここに電流パルスを流し始めると、蓄電池1の電圧は図4のようにいくらかの時定数で低下し、電流パルス流れ終わると、また電圧が上昇していく。図4においてtpは電流パルスのパルス幅、Iは電流値である。電流パルスの電荷量(電流値の時間積分)が蓄電池1の容量と比較して十分に小さい場合は、長い時間経過すると蓄電池1の電圧は開放端子電圧Vocに近くなる。なお、図4のtmは、電流パルスのパルス幅tpの終了から2回目の測定までの時間を示している。
このような定電流の電流パルスを流した場合の蓄電池1の電圧変化を検出することによって、蓄電池1の劣化診断を行う技術は公知であるが、実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法では、この電流パルスのパルス幅と、電圧を測定するタイミング、および測定された電圧情報の処理方法に特徴を有するものである。
次に、実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法は、定電流の電流パルスのパルス幅が1〜10ms程度の場合である。この場合、蓄電池1の電圧の検出は、図4に示したように電流パルスが終了する直前、つまり電圧が最も低くなった点での電圧値V1と、電流パルスが終了してからやはり1〜10ms程度経過した時点での電圧値V2との差であるΔVを検出すれば、この差ΔVが蓄電池1の劣化度との相関が高いことが発明者の実験により判明した。
実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法は、定電流の電流パルスのパルス幅が1〜10ms程度の場合である。この場合、蓄電池1の電圧の検出は、図4に示したように電流パルスが終了する直前、つまり電圧が最も低くなった点での電圧値V1と、電流パルスが終了してからやはり1〜10ms程度経過した時点での電圧値V2との差であるΔVを検出すれば、この差ΔVが蓄電池1の劣化度との相関が高いことが発明者の実験により判明した。
ここで、電流パルスのパルス幅tpと電流パルスのパルス幅tpの終了から2回目の測定までの時間tmは、必ずしも同じである必要はないが、同程度の時間である。また、電流値Iは例えば1CA程度である。なお、CAとは蓄電池1の容量で規格化された電流値を表し、例えば7Ahの蓄電池容量の1CAは7Aに相当する。
以上が実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法であるが、この実施の形態によれば、定電流の電流パルスのパルス幅が1〜10ms程度の短いパルス幅であるので、比較的大きな電流値の定電流の電流パルスを流しても蓄電池1の容量に影響を与えることはない。
また、蓄電池1からの定電流の電流パルスを装置に影響を与えずどのような経路で流すか、という実際上の問題についても電流パルスの容量が比較的小さいので大きな問題とならない。このため、実際の装置で容量が比較的小さい定電流の電流パルスを実現するためには、図3の構成について、電流パルスのパルス幅tpの時間だけコンバータ6を動作させて定電流の電流パルスを負荷7あるいは装置内の他の場所(制御系など)に流すことが考えられる。
以上のように、実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、電流値を一定に保つことが比較的容易であり、ある一定の電流値Iおよび電流パルスのパルス幅tpを決めておき、決まった形の診断電流パルスを流すことによって装置や負荷7の状態によらず精度良くかつ安定した蓄電池の劣化診断を行うことができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
上記実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法にはひとつ問題がある。それは実施の形態1で説明したΔVの値が、蓄電池1の温度に依存してしまう点が依然として残ることである。この問題を解決する方法が実施の形態2である。
次に、実施の形態2に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
上記実施の形態1に係る蓄電池の劣化診断方法にはひとつ問題がある。それは実施の形態1で説明したΔVの値が、蓄電池1の温度に依存してしまう点が依然として残ることである。この問題を解決する方法が実施の形態2である。
以下の説明においては、電流パルスの形状、つまり電流値I、パルス幅tp、およびパルス終了から2回目の測定までの時間tmは一定として説明する。
図5は異なる温度T1、T2(T1<T2)で前記ΔVを測定した場合の、蓄電池1の容量とΔVの関係を示す図である。蓄電池1の容量は蓄電池1の劣化状態の指標であり、新品の蓄電池1の場合はほぼ一定の容量であるが、劣化するにしたがって容量が小さくなっていく。しかし、図5に示すように、同じ蓄電池1でも測定温度が異なるとΔVの値は変化する。異なる温度T1、T2でのΔVの値をそれぞれΔV1、ΔV2とする。
図5は異なる温度T1、T2(T1<T2)で前記ΔVを測定した場合の、蓄電池1の容量とΔVの関係を示す図である。蓄電池1の容量は蓄電池1の劣化状態の指標であり、新品の蓄電池1の場合はほぼ一定の容量であるが、劣化するにしたがって容量が小さくなっていく。しかし、図5に示すように、同じ蓄電池1でも測定温度が異なるとΔVの値は変化する。異なる温度T1、T2でのΔVの値をそれぞれΔV1、ΔV2とする。
この測定温度による違いは十分に精度良く補正することができる。以下、この測定温度による違いを補正する方法について説明する。
図6は、新品の蓄電池1で温度を変えてΔVを測定した結果を示す図で、この図に示すように、異なる温度T1、T2の場合における新品の蓄電池1のΔVをΔV01、ΔV02とする。新品の蓄電池1の物理的な状態は蓄電池1が同じであれば比較的一定に保たれるので、この値は精度良く測定できるし、新品の蓄電池1だけで得られるので測定も容易である。この値を用いて、ΔV2D=ΔV2×ΔV01/ΔV02という補正を行えば、補正後の任意の温度におけるΔV2DはΔV1に十分近くなる。つまり、上記のように新品の蓄電池1の測定結果に基づく補正を行うことにより、温度の影響を補正することが可能である。
図6は、新品の蓄電池1で温度を変えてΔVを測定した結果を示す図で、この図に示すように、異なる温度T1、T2の場合における新品の蓄電池1のΔVをΔV01、ΔV02とする。新品の蓄電池1の物理的な状態は蓄電池1が同じであれば比較的一定に保たれるので、この値は精度良く測定できるし、新品の蓄電池1だけで得られるので測定も容易である。この値を用いて、ΔV2D=ΔV2×ΔV01/ΔV02という補正を行えば、補正後の任意の温度におけるΔV2DはΔV1に十分近くなる。つまり、上記のように新品の蓄電池1の測定結果に基づく補正を行うことにより、温度の影響を補正することが可能である。
以上のように、実施の形態2に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、適切な温度補償を施すので、精度良く蓄電池1の劣化診断を行うことができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
実施の形態1あるいは実施の形態2においてはms程度のパルス幅電流を用いて蓄電池を診断する方法について説明したが、これはms程度の時間領域の現象、つまりKHz程度の速度の現象に基づいて劣化診断を行うことを示している。
次に、実施の形態3に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
実施の形態1あるいは実施の形態2においてはms程度のパルス幅電流を用いて蓄電池を診断する方法について説明したが、これはms程度の時間領域の現象、つまりKHz程度の速度の現象に基づいて劣化診断を行うことを示している。
しかし、一方で蓄電池の劣化状態はさまざまな要因が関係しているものであり、他の物理現象、つまり異なる速度領域の現象を用いることで、異なる観点からの劣化診断が可能である。次に、秒単位のパルス幅の定電流の電流パルスを用いて蓄電池の劣化状態を診断する方法について説明する。
パルス幅を秒単位の程度、例えば10秒程度にしても図4と同様の電流電圧波形が得られるものである。図7にこれを示す。図4と比較して電流パルスのパルス幅tpが全く異なるので電圧波形も大きく異なるが、電流パルス開始の瞬間には蓄電池1の電圧が大きく低下し、その後、いくらかの時定数で蓄電池1の電圧が緩やかに低下して電流パルスが流れ終わると蓄電池1の電圧が戻る、という傾向は同じである。なお、ここでは電流値Iとパルス幅tpは一定であり、電荷量I×tpは蓄電池1の容量に比較して十分に小さい場合を考える。
このようなパルス幅の電流パルスから劣化情報を得るためには、図7のt1、t2、t3で示すように複数の時間ポイントでの蓄電池1の電圧情報を得る必要がある。ms程度のパルス幅電流の場合、つまり、図4の場合は2点の時間ポイントにおける蓄電池1の電圧情報を得た場合であったが、秒単位のパルス幅電流の場合は、2点以上の複数の時間ポイント、場合によっては電流パルスが流れ始める前(開放端子電圧Voc)から、電流パルスが流れ終わって蓄電池1の電圧が戻っていく過程も含めた時刻の蓄電池1の電圧値から劣化情報を知ることができる。ここで、パルス幅tpはある程度以上長くすることが必要であり、目安としては0.3秒以上、あるいはI×tpが蓄電池容量の0.01%以上であることが好ましい(I=1CAの場合、tp>0.36秒に相当)。
以上のように、実施の形態3に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、秒単位の比較的長いパルス幅の定電流の電流パルスを用いて精度良く蓄電池の劣化診断を行うことができる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
秒単位のパルス幅の電流パルスを用いた診断の特徴は、電圧波形の一部に傾きが一定の期間が現れ、この傾きが劣化度と比較的良い相関を持っている点である。図8は電圧波形の実測値を示し、1CAの電流を1.8秒流した場合の蓄電池1の電圧変化を示す図である。このとき、図8に見られるように蓄電池1の電圧波形に傾きが一定の期間が現れる。この傾きは、傾きが一定期間の2つ以上の電圧値を計測することにより測定可能である。
次に、実施の形態4に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
秒単位のパルス幅の電流パルスを用いた診断の特徴は、電圧波形の一部に傾きが一定の期間が現れ、この傾きが劣化度と比較的良い相関を持っている点である。図8は電圧波形の実測値を示し、1CAの電流を1.8秒流した場合の蓄電池1の電圧変化を示す図である。このとき、図8に見られるように蓄電池1の電圧波形に傾きが一定の期間が現れる。この傾きは、傾きが一定期間の2つ以上の電圧値を計測することにより測定可能である。
図8のフロート充電とは、常時蓄電池を一定の電圧で充電し続けることをいうが、ここで、フロート充電されている蓄電池1に電流を流す手順について説明する。図8は電流パルスを流している間の電圧波形を示したものであるが、フロート充電されている蓄電池1では、蓄電池1に電流パルスを流す前に、充電回路を一旦切り離して、蓄電池1を開放状態にしてから電流を流し始めることになる。
図8にはこのフロート充電停止のタイミングと、フロート充電を再開したタイミングが記されている。ここで問題になるのは、充電を停止した後、蓄電池1の電圧は徐々に変化することである。図8に示したように蓄電池1の電圧は徐々に低下し、非常に長い時間を経過した後には蓄電池1の開放端子電圧に近づく。しかし診断時に十分に長い時間を待つわけには行かないので、適当なタイミングで電流パルスを入れる。この場合、正確な診断を行うためには、充電を停止したときから電流を流し始めるまでの時間を正確に一定に保つ必要がある。さらに電流パルスを印加する直前、直後の蓄電池1の電圧も診断には重要な情報となりうるのでこれらの電圧も測定する必要がある。
以上のように、蓄電池1の電圧の傾きが蓄電池の劣化度に相関するが、温度依存性も持っているため、傾きの情報だけでなく何らかの補正が必要である。温度を測定することがひとつの方法であるが、それ以外に電圧波形から得られる他の情報に基づいて温度を補正することが考えられる。具体的には図8に示す電圧降下部分の値の温度依存性を利用する方法がある。
このような補正を適切に施すことによって、電圧の傾きから劣化度を診断することが可能である。また、より高い精度を得るためには、複数の時間ポイントでの電圧値を利用して、統計的な処理方法(マハラノビスータグチシステム)(以下、MTシステムという。)を用いて診断する方法がある。このMTシステムについては実施の形態5で説明する。
以上のように、実施の形態4に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、秒単位の比較的長いパルス幅の定電流の電流パルスを用いて更に精度の良い蓄電池の劣化診断を行うことができる。
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
上記において説明した各実施の形態では電流パルスの電流値がある値に決まっており、診断ごとに全く同じ電流波形、同じ電流値Iで同じパルス幅tpの電流パルスで診断を行うことを前提としていた。電流値によって電圧の波形は変化するのでこれは当然である。しかし、必ず定電流の電流パルスで診断するという制約は、装置設計上必ずしも好ましいことではない。例えば、図2のようなスイッチ5と固定抵抗4を設ければ可能であるが、これらの部品は劣化診断のためのみに使用されるものであり、装置のコスト高に繋がることになる。
次に、実施の形態5に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
上記において説明した各実施の形態では電流パルスの電流値がある値に決まっており、診断ごとに全く同じ電流波形、同じ電流値Iで同じパルス幅tpの電流パルスで診断を行うことを前提としていた。電流値によって電圧の波形は変化するのでこれは当然である。しかし、必ず定電流の電流パルスで診断するという制約は、装置設計上必ずしも好ましいことではない。例えば、図2のようなスイッチ5と固定抵抗4を設ければ可能であるが、これらの部品は劣化診断のためのみに使用されるものであり、装置のコスト高に繋がることになる。
また、実施の形態1あるいは実施の形態2で説明したms程度の短いパルス幅の定電流の電流パルスであればその電力は比較的小さく、比較的容易に一定電流の放電が実現可能である。しかし、秒単位のパルス幅電流の場合は電流パルスの電力が大きく、これを消費させることは容易ではない。例えば図2のような構成の場合は固定抵抗4の容量が非常に大きくなる。また、図3のような構成の場合は負荷7の状態によって放電できる電流が決まってしまう。例えばUPSの場合、図3の負荷7はUPSに接続されている機器に相当するが、UPSにどれだけの容量の機器が接続されているかはわからない。したがって図3のような構成の場合は、理想的には負荷7の容量に応じた電流値I、つまり診断ごとに異なる電流値で診断しても電流値による影響が何らかの方法で補正できることが必要になる。
秒単位のパルス幅の定電流の電流パルスによる診断では、電圧の傾きと電流値の間に非常に興味深い関係があり、仮に診断ごとに異なる電流値の定電流の電流パルスを用いても、電圧の傾きと電流値の関係をもとに波形情報を補正することができる。
次に、上記について図9、図10を用いて説明する。なお、この場合は電流値Iをシステム上把握しておく必要があるので、図1、図2あるいは図3において電流値Iを検出する手段が必要となる。蓄電池1からの電流を直接測定しても良いが、例えば図3において蓄電池1の電流ではなく、負荷7に流れる電流を測定し、そこから負荷7の容量を推定して蓄電池1に流れる電流量を推定することも可能である。
測定は負荷7の容量であれば電流パルス開始前に把握することが可能であるが、蓄電池1の電流を直接測定する場合は定電流の電流パルスを流しながら(あるいは流し始めた直後に)測定しても構わない。
図9は3CAから0.05CAまで、電流値を広い範囲で変化させて蓄電池1に流した場合の電圧波形を示す。ここで、電流パルスのパルス幅は電流値が大きい場合は短く、電流値が小さい場合は長くしている。但し、電流パルスの時間内では電流値は変化しないものとする。
測定された電圧波形は、上述の傾きが一定になる特性がどれにも見られるものの、その傾きは電流値ごとに異なり、波形も全くばらばらであるように思われる。しかし、この波形を横軸に時間ではなく、時間×電流値で取ると図10のようになる。異なる電流値の波形が、特に電圧の傾きに関して全く同じになっていることがわかる。このことはつまり、時間×電流値で横軸を規格化することによって電流パルスの電流値によらず、1CAの電流を流した場合の電圧の傾きを測定することができることを示している。
図10に示すように、電圧の傾きは補正できても電圧降下は補正できない。しかし、このような規格化、つまり時間×電流値を横軸にとるような規格化を行うことによって得られた波形を用いれば、電流値によらず劣化度に相関の高い指標を得ることができ、劣化度を診断することができる。なお、この劣化度を診断するのにMTシステムを用いる方法がある。特に秒単位のパルス幅の電流パルスによる劣化診断については、複数の測定ポイントの値から、劣化度と相関の強い情報を適切に引き出す必要があり、次に、そのための方法であるMTシステムについて説明する。
MTシステムは、複数のデータを統計的に処理し、品質工学に基づいて目的の情報、つまり劣化度に強い相関を得るような指標を導出することができる。詳細については、特開2007−132738号公報に説明されている。特にこのシステムを用いれば、温度への依存性を一種のばらつき要因と扱うことで、温度に依存しない評価が可能である。つまり、温度情報を与えなくてもデータ処理の過程で温度依存部分を補正し、結果が温度に依存しないような処理を行うことができる。
また、秒単位のパルス幅の定電流の電流パルスを用いる劣化診断では電圧の傾きを利用することを説明したが、傾き情報だけでは実際には十分に精度の良い診断ができないので、MTシステムによって評価することが望ましい。図10のように電流を補正した場合でも、時間軸に時間×電流値をとるような規格化した値を用いれば、MTシステムによって電流に依存しないような評価が可能であることを確認している。
上記の結論から、例えば電圧の傾きから蓄電池1の劣化診断を行う場合は、蓄電池電圧の傾きが一定になっている期間の時刻t1、t2での電圧値V1、V2を用いて、I×(V1−V2)/(t1−t2)を規格化された傾きとして診断に用いればよいことが理解される。
以上のように、実施の形態5に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、蓄電池の電圧波形を時間×電流値で横軸を規格化するので、定電流の電流パルスの電流値が診断ごとに変化する場合においても、精度の良い蓄電池の劣化診断を行うことができる。
実施の形態6.
次に、実施の形態6に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
実施の形態5のような時間軸の補正を考える場合、最終的に必要なのは「電圧の傾きが一定になる期間」を含む電圧波形であるので、流すべき定電流の電流パルスのパルス幅tpが、電流値Iの関数として制限されることになる。これについて図10の測定結果に基づいて説明する。
次に、実施の形態6に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
実施の形態5のような時間軸の補正を考える場合、最終的に必要なのは「電圧の傾きが一定になる期間」を含む電圧波形であるので、流すべき定電流の電流パルスのパルス幅tpが、電流値Iの関数として制限されることになる。これについて図10の測定結果に基づいて説明する。
まず電圧波形の特徴として、定電流の電流パルスを流し始めたときに急激に電圧降下し、その後徐々に傾きを緩やかにして、その後ほぼ一定値に近づくが、この一定部分の傾きを正確に測定するためには、徐々に傾きが変化している部分ではなく、電圧の傾きが一定になっている期間で電圧測定を行う必要がある。
図10から、傾きがほぼ一定になるのは、電流値によるものの定電流の電流パルスの流れ始めから約0.3[sec×CA]と読み取ることができる。したがって、測定すべきポイントは、電流パルスの流れ始めから、余裕を持って0.36[sec×CA]以降であり、これは蓄電池容量の0.01%に相当する。つまり診断を行うためには蓄電池容量の0.01%以上の電流値およびパルス幅の定電流の電流パルスを流す必要がある。
時間×電流値で規格化を行っているが、これはあくまで電圧が一定の傾きになっている期間で適用できる現象であり、それ以外のところ、例えば電流が流れ始めた直後の傾きが徐々に変化している段階では正確には適用できない。したがって、傾きが変化して一定になるタイミングは電流値によって異なり、同じ時間×電流値で比較すると電流値が大きいほど遅くなる。この診断で用いるべき電流値の最大値は3CA程度であると思われるが、図10から3CAで傾きが一定になり始めるのは0.8[sec×CA]=0.26秒前後、1CAでは0.3秒前後であるので、パルス幅は0.36[sec×CA]以上必要であると同時に、0.3秒以上必要であることがわかる。
ここで、定電流の電流パルスのパルス幅が0.3秒以上、パルス幅と電流値の積である電荷量が蓄電池容量の0.01%以上であることの根拠について説明する。測定に必要な最小のパルス幅について考える。前述のように、測定を行うためには電圧の傾きが一定になる期間を捉える必要があるので、電圧の傾きが一定になり始める時間よりも長いパルス幅が必要である。この電圧の傾きが一定になり始める時間をtsとすると、図10に示すように、横軸を時間×電流値で表すことによって異なる電流値の波形が同じ傾きで表されるが、そのときの時間tsの値も概ね同じ値、即ち、時間×電流値=電池容量の0.01%以上(1CAで0.36秒)となる。
しかし、図10のように電流値が大きくなり、例えば3CAになると、時間tsが大きくなって電池容量の0.01%よりも大きくなる。このことを図11で説明する。図11は横軸を電流量、縦軸を電流パルスのパルス幅×電流量としたものである。時間ts×電流値の曲線は太線のようになる。このことから、使用可能な電流パルスのパルス幅の領域として、パルスの電荷量を0.01%以上で、かつパルス幅を0.3秒以上という制限を指定することができる。
なお、パルス電荷量/蓄電池容量=0.01%と、パルス幅×電流値[sec×CA]=0.36[sec×CA]とが等価であることについて説明する。パルス幅×電流値[sec×CA]は、蓄電池容量で規格化された値であり、蓄電池容量が例えばBの場合、パルス幅×電流値[sec×CA]=0.36[sec×CA]は、0.36×B[sec×A]に相当する。蓄電池容量B[Ah]を秒単位に換算すると、3600×B[sec×A]となる。パルス電荷量Qは電流と時間の積であり、パルス幅×電流値は電荷量に相当するので、パルス電荷量0.36×B[sec×A]と蓄電池容量3600×B[sec×A]とを比べると、パルス電荷量0.36×B[sec×A]は蓄電池容量3600×B[sec×A]の0.01%となる。
パルス幅の上限は特にない。パルス幅が非常に長くなると電圧が一定の傾きになっている期間はあるところで終了して傾きが変化し始めるが、その辺りのデータは診断に用いなければよい。ただ実際に運用する観点からすると、パルス幅が長いと定電流の電流パルスの電力量が大きくなり、この定電流の電流パルスの電力を処理するのが難しくなる。またこれは診断のためのテストパルスであるが、これをあまりに長時間かけるのは好ましくないし、その間に負荷が変動して電流値が変化して診断の精度が低下する恐れもある。例えば図9によれば、0.1CAでの診断では40秒程度の定電流の電流パルスで行っているが、実際には1分、せいぜい数分が限度と思われる。
このことから、定電流の電流パルスの時間幅tpを電流値によって可変とすることが望ましいことがわかる。電流値は前述のようにそのときの装置の状況、つまり負荷7にどれだけの機器が接続されているかなどに依存する。一方、パルス幅tpはスイッチ5のオン時間やコンバータ6の制御などで自由に調整できる。したがって電流値Iにあわせて、パルス幅tpを調整する必要がある。つまり、ある値Qpを決めておき、電流値Iにあわせてtp=Qp/Iでパルス幅を調節する。
電流値Iはあらかじめわかっていれば良いが、電流パルスを流し始めないと電流値Iがわからない場合もある。その場合でも、電流パルスを流し始めた直後に電流値Iを計測して、その値からマイコンなどで計算してパルス幅tpを求めて電流パルスのオフ時点の制御を行えばよい。パルス幅は前述のように0.3秒以上であり、昨今のマイコンの性能であれば十分に制御可能である。なお、Qpの値は例えば図10の場合はQp=3[sec×CA]である。
以上のように、実施の形態6に係る蓄電池の劣化診断方法によれば、電流値Iが変化しても、精度の良い蓄電池の劣化診断を行うことができる。
実施の形態7.
次に、実施の形態7に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
ms程度の短いパルス幅の定電流の電流パルスを用いた診断と、秒単位以上の長いパルス幅の定電流の電流パルスとMTシステムによる診断では、どちらも同様に劣化度を診断することができるが、それぞれに得意とする領域が異なっている。つまり、短いパルス幅の定電流の電流パルスによる診断では、劣化が激しい場合に極端に測定値が大きくなることから、劣化が激しい場合を明確に診断することに優れている。しかし、劣化が浅い場合は測定値に大きな変化がなく、固体ばらつきや測定誤差にまぎれてしまう可能性がある。
次に、実施の形態7に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
ms程度の短いパルス幅の定電流の電流パルスを用いた診断と、秒単位以上の長いパルス幅の定電流の電流パルスとMTシステムによる診断では、どちらも同様に劣化度を診断することができるが、それぞれに得意とする領域が異なっている。つまり、短いパルス幅の定電流の電流パルスによる診断では、劣化が激しい場合に極端に測定値が大きくなることから、劣化が激しい場合を明確に診断することに優れている。しかし、劣化が浅い場合は測定値に大きな変化がなく、固体ばらつきや測定誤差にまぎれてしまう可能性がある。
一方、長いパルス幅の定電流の電流パルスによる診断では、MTシステムを用いて得られる評価値が、劣化が浅い場合でも大きな違いを表すことができるので、劣化が浅い場合でも診断が可能であるという特徴がある。しかし、劣化が激しくなった場合に極端にデータが変化することもないため、劣化が激しく交換をすべき蓄電池を見逃してしまう可能性がある。このことを模式的に表したのが図12である。
このことから、これら2つの方法を併用して蓄電池の劣化を診断すると言う方法が考えられる。つまり、蓄電池の劣化が浅い場合は、長いパルス幅の定電流の電流パルスによる診断方法で蓄電池が徐々に劣化していくのを監視しておき、蓄電池の劣化が激しくなって交換するべき段階に来ている場合は、短いパルス幅の定電流の電流パルスによる診断方法を用いて蓄電池の劣化を見逃さないようにする。このような診断を行うことで、確実に蓄電池の劣化を監視し、蓄電池が使用できなくなる前に確実に交換できるシステムを構成することができる。
実施の形態8.
次に、実施の形態8に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
上記各実施の形態で説明したような蓄電池の診断を正確に行うためには、診断時の蓄電池の状態を一定に保つ必要がある。蓄電池の状態は、蓄電池の残存容量や充放電履歴に大きく依存する。つまり、蓄電池に何%の容量が残っているかで内部抵抗は変化するため、蓄電池容量は一定にして診断する必要がある。さらに、蓄電池は定常状態に落ち着くまでに非常に長い時間かかるので、放電あるいは充電した直後に診断すると正確な測定ができない。
次に、実施の形態8に係る蓄電池の劣化診断方法について説明する。
上記各実施の形態で説明したような蓄電池の診断を正確に行うためには、診断時の蓄電池の状態を一定に保つ必要がある。蓄電池の状態は、蓄電池の残存容量や充放電履歴に大きく依存する。つまり、蓄電池に何%の容量が残っているかで内部抵抗は変化するため、蓄電池容量は一定にして診断する必要がある。さらに、蓄電池は定常状態に落ち着くまでに非常に長い時間かかるので、放電あるいは充電した直後に診断すると正確な測定ができない。
例えば、UPSの場合は比較的状態を一定に保ちやすいが、バックアップ運転が仮に行われた場合に、その後蓄電池が再充電されてその直後に診断を行うと、誤差が大きくなる可能性がある。これは上記のように蓄電池は定常状態になるまでに非常に長い時間、場合によっては一日以上の時間が必要であるため、充電が完了してフロート充電になっても蓄電池の状態が安定しているとは言えないからである。このため、充電後はできるだけ長い時間経過してから診断を行うことが望ましい。蓄電池にも依存するが、目安として最低でも2時間以上経過する必要がある。
上記のように診断を行う条件は非常に限られることになるが、この条件に適しているのが、いわゆるスタンバイユースである。スタンバイユースとは、例えばUPSに代表されるように、常時蓄電池を一定の電圧で充電し続け(前述のフロート充電)、停電時などバックアップ運転が必要になったときにだけ蓄電池が放電するという使われ方である。この場合バックアップ運転が行われていない場合は常に一定の電圧が印加されているので、蓄電池の状態は一定に保たれていると考えてよい。したがって、スタンバイユースで、蓄電池がフロート充電されているような、UPSに代表される用途では、上記各実施の形態で説明したような診断が特に有効になるといえる。
なお、スタンバイユースで、フロート充電される用途に適した鉛蓄電池にシール鉛蓄電池がある。これはセルを密閉することによって補水の必要がないメンテナンスフリーの蓄電池であり、かなり長寿命のものも開発されている。UPSの多くはこのシール鉛蓄電池が用いられる。シール鉛蓄電池は補水の必要がないなど、蓄電池の状態を一定に保ちやすく、精度の良い診断が期待できる。
実施の形態9.
次に、UPSを例に挙げて上記各実施の形態による蓄電池の劣化診断方法を実施する具体的診断システムについて説明する。
次に、UPSを例に挙げて上記各実施の形態による蓄電池の劣化診断方法を実施する具体的診断システムについて説明する。
蓄電池の劣化診断を実施する場合のひとつのポイントは、診断用の定電流の電流パルスをどのような経路で流すかという点にある。UPSは基本的には系統の商用電源と負荷をつなぎ、内部に蓄電池を有している。今、系統を考慮せずに蓄電池と負荷の関係を考えると基本的には図3になるが、負荷7には交流を供給する必要があるため、実際には図13のような構成になる。つまり、蓄電池1の出力をコンバータ6を介して所定の電圧に調整し、コンデンサ8を経てインバータ9によって交流に変換して負荷7に供給する。
診断電流の流し方として最も追加機構の少ないものは、診断電流を負荷7に流すことである。つまり、一時的にバックアップモード、つまり系統ではなく蓄電池1から負荷7に電力を供給するモードに切り替えて、負荷7に診断電流を流す。この場合は電流値が不明であるので図13のような構成で蓄電池1の電流を測定するか、あるいは負荷7への電流を測定して、電流値の適切な補正を行って診断する必要がある。
しかし、図13に示す診断システムでは電流値が負荷7によって変化してしまい、電流値の補正を行う必要がある。電流値の補正が仮に適切に行えたとしても、負荷7が非常に小さかった場合は十分な電流が流せず、診断ができなくなる。尤も、ms程度の短い定電流の電流パルスを用いた診断電流はエネルギーが小さいので、コンバータ6を適切に制御すればコンデンサ8によってエネルギーを吸収できる可能性がある。
図14に示したのは、UPSの制御系の電源に電流を流す診断システムである。UPSは電気機器であるので制御系10でなんらかの電力を消費している。少量の電力であれば制御系10で消費させることが可能である。例えば、ms程度の短いパルス幅の定電流の電流パルスを用いた診断ではこのシステムが可能である。また、秒単位以上の長いパルス幅の定電流の電流パルスによる診断でも、電流値を非常に小さくすれば可能である。
図10には0.05CAの診断電流パルスによる波形があるが、この程度の小さい電流値の電流でも診断が可能であることを確認している。制御系の消費電力にもよるが、この程度小さい電流値の電流であれば制御系で消費させることも可能である。ただ、小さい電流値の電流での診断は電圧の変化が小さいほど診断精度を低下させ、また非常に長時間の定電流の電流パルスを流す必要があるため、診断電流パルスの印加中に機器の状態が変化するなど定電流の電流パルスを一定に保つことも難しい。
以上のように考えると、最も安定に診断が可能な診断システムは、図15のように診断用に抵抗4を設けて、診断時には一定の抵抗4で(蓄電池電圧が変化しなければ一定の電流で)放電できるようにすることである。したがってこの場合は蓄電池1の電流は必ずしも測定する必要はない。このシステムは診断電流を安定に流せるという大きなメリットがあるが、一方で抵抗4やスイッチ5などの部品が必要になりコスト高を招く。比較的大きな電流値の電流を流したい場合は抵抗4の容量もかなり大きくなり、装置の大きさや抵抗の発熱の影響も無視できない。
図16では負荷へ電力を供給する電力系統も含めた診断システムを示している。この構成では負荷7に対して、電力系統11が蓄電池1からインバータ9までを含むバックアップ回路と並列に接続されている。負荷7は電力系統11から電力を得ており、バックアップ運転の場合は電力系統11を切り離して蓄電池1から電力を供給する。ここで診断電流パルスを流す場合、電力系統11を切り離して蓄電池1と負荷7を接続するのではなく、電力系統11から電力を供給しつつ蓄電池1からも電流を流す方法が考えられる。
このためにはコンバータ6とインバータ9を適切に制御しなければならない。この診断システムの特徴は、まず負荷7がどのような容量であっても、一定の電流を流すことが可能である点である。負荷7が非常に大きい場合は、蓄電池1と電力系統11の両方から電力を供給する形になる。負荷7が非常に小さい場合は、逆に蓄電池1の電力を電力系統11に流すことになる。電力系統11への適合性の問題は考えられるが技術的には可能である。この場合、まず電流を一定にすることができると言うメリットがある。
また、コンバータ6およびインバータ9の制御を適切に行うことで、蓄電池1から一定の電流を流すように制御することが可能であるので、蓄電池1の電流を測定するセンサは必ずしも必要ではない。
この発明に係る蓄電池の劣化診断方法および診断システムは、自動車やエレベータ、無停電電源装置などに使用される鉛蓄電池の劣化状態を電気的方法により診断する診断方法および診断システムとして利用できる。
1 蓄電池
2 定電流源
3 電圧測定手段
4 固定抵抗
5 スイッチ
6 コンバータ
7 負荷
8 コンデンサ
9 インバータ
10 UPS制御系
11 電力系統
2 定電流源
3 電圧測定手段
4 固定抵抗
5 スイッチ
6 コンバータ
7 負荷
8 コンデンサ
9 インバータ
10 UPS制御系
11 電力系統
Claims (16)
- 蓄電池の劣化状態を診断する蓄電池の劣化診断方法において、
上記蓄電池からパルス幅が0.3秒以上であり、上記パルス幅と電流値との積からなる電荷量が上記蓄電池の容量の0.01%以上である定電流の電流パルスを流し、
2点以上の時間ポイントで蓄電池電圧を測定し、
上記各時間ポイントの蓄電池電圧の値から上記蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする蓄電池の劣化診断方法。 - 上記2点以上の時間ポイントには、上記電流パルスが流れ始める直前の時間ポイントを含むことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 上記電流パルスが流れている期間中に測定された上記蓄電池電圧の時間変化の傾きにより上記蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 上記電流パルスが流れている期間中に測定された上記蓄電池電圧の時間変化の傾きと上記電流パルスの電流値との積によって上記蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 上記蓄電池電圧の測定は、上記電流パルスが流れ始めてからの経過時間と上記電流パルスの電流値との積が上記蓄電池の容量の0.01%以上となった以降に行うことを特徴とする請求項4に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 上記電流パルスのパルス幅は、ある定数を基準とし、該定数を上記蓄電池に流れる電流値で除した値であることを特徴とする請求項4に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 蓄電池の劣化状態を診断する蓄電池の劣化診断方法において、
上記蓄電池からパルス幅が1〜10ms程度の定電流の電流パルスを流し、上記電流パルスの流れ終わる直前の蓄電池両端の電圧と、上記電流パルスの流れ終わった時からさらに1〜10ms程度経過した後の蓄電池両端の電圧との差から上記蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする蓄電池の劣化診断方法。 - 上記蓄電池の温度を検出し、上記蓄電池両端電圧の差と上記検出された蓄電池の温度とから蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする請求項7に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 蓄電池の劣化状態を診断する蓄電池の劣化診断方法において、
上記蓄電池からパルス幅が0.3秒以上であり、上記パルス幅と電流値との積からなる電荷量が上記蓄電池の容量の0.01%以上である定電流の電流パルスを流し、2点以上の時間ポイントで蓄電池電圧を測定し、上記各時間ポイントの蓄電池電圧の値から上記蓄電池の劣化状態を診断する方法と、
上記蓄電池からパルス幅が1〜10ms程度の定電流の電流パルスを流し、上記電流パルスの流れ終わる直前の蓄電池両端の電圧と、上記電流パルスの流れ終わった時からさらに1〜10ms程度経過した後の蓄電池両端の電圧との差から上記蓄電池の劣化状態を診断する方法とを、
共に用いて、それらの結果から蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする蓄電池の劣化診断方法。 - 上記2点以上の時間ポイントの蓄電池電圧値のデータを特性データと呼ぶとき、新品蓄電池の特性データを基準とした診断対象蓄電池の特性データを用いて蓄電池の劣化状態を診断することを特徴とする請求項1、請求項4、請求項9の何れか1項に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 上記蓄電池に上記電流パルスを流さない待機時は、上記蓄電池の両端に一定電圧が印加されていることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 上記蓄電池がシール型鉛蓄電池であることを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の蓄電池の劣化診断方法。
- 請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の蓄電池の劣化診断方法を用いた蓄電池の劣化診断システムであって、
蓄電池と、上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出手段と、上記蓄電池から定電流の電流パルスを流すコンバータと、該コンバータを介して上記蓄電池の電力が供給される負荷と、を備え、
上記コンバータは、上記蓄電池の劣化診断時に上記蓄電池からの電流パルスを上記負荷に流すことを特徴とする蓄電池の劣化診断システム。 - 上記負荷は、制御系を有し、
上記コンバータは、上記蓄電池の劣化診断時に上記蓄電池からの電流パルスを上記制御系に流すことを特徴とする請求項13に記載の蓄電池の劣化診断システム。 - 上記負荷は、上記蓄電池に並列接続される電力系統に接続され、
上記蓄電池の劣化診断時に、上記電力系統は、上記負荷に電力を供給しつつ、上記コンバータは、上記蓄電池の電流パルスを流すことを特徴とする請求項13に記載の蓄電池の劣化診断システム。 - 請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の蓄電池の劣化診断方法を用いた蓄電池の劣化診断システムであって、
蓄電池と、上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出手段と、上記蓄電池から定電流の電流パルスを流すコンバータと、上記蓄電池に接続される負荷と、上記蓄電池と上記負荷との間に並列に接続される抵抗と、を備え、
上記コンバータは、上記蓄電池の劣化診断時に上記蓄電池からの電流パルスを上記抵抗に流すことを特徴とする蓄電池の劣化診断システム。
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