本発明の1つの観点では、ナビゲーション装置は、予め設定された誘導ルートに含まれる案内地点を案内する音声メッセージを出力する音声案内手段と、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在するか否かを判定するとともに、当該基準地点が存在する場合には、当該基準地点と当該案内地点との距離、移動体の速度及び当該案内地点を案内する音声メッセージの長さに基づいて、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力するか否かを判定する判定手段と、を備え、前記音声案内手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在しないと判定された場合には、前記第1の所定距離手前の地点に前記移動体が到達した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力し、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力すると判定された場合には、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力し、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しないと判定された場合には、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しない。
上記のナビゲーション装置では、判定手段は、基準地点と案内地点との距離、移動体の速度及び当該案内地点を案内する音声メッセージの長さに基づいて、移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力するか否かを判定する。そして、音声案内手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在しないと判定された場合には、前記第1の所定距離手前の地点に前記移動体が到達した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力する。また、音声案内手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力すると判定された場合には、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力する。また、音声案内手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しないと判定された場合には、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しない。このように、上記のナビゲーション装置は、車両の現在位置から見て「次の交差点」とユーザが認識できるタイミングで音声案内を行う。これにより、ユーザは、音声案内を受けた時点から一つ目の交差点を曲がれば良いため、信号機数や道路本数を数えるといった余計な負担がかからず、案内地点を間違えることも少なくなる。また、音声メッセージ出力中に案内地点に到達してしまう場合のような音声メッセージを出力するとユーザが案内地点を間違え易くなる場合には音声メッセージを出力しないようにしてユーザが案内地点を間違えることが少なくなる。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在する場合において、当該基準地点と当該案内地点との距離、移動体の速度及び当該案内地点を案内する音声メッセージの長さに基づいて、前記移動体が当該基準地点を通過してから当該案内地点から第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力完了できるか否かを判定し、出力完了できると判定した場合には当該音声メッセージを出力すると決定する。これにより、音声メッセージの出力中に案内地点に到達してしまうことがなくなるので、案内地点を間違えることも少なくなる。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、信号機交差点が案内地点である場合に、当該案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間にある別の信号機交差点を前記基準地点として認識する。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、信号機交差点が案内地点である場合に、当該案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間にある信号機のない別の交差点を前記基準地点として認識しない。
信号機交差点を案内する音声メッセージには、例えば「この信号を左です。」といったように「信号機」の文言が含まれているので、手前にある信号機のない交差点を案内地点と間違えてしまう可能性は低い。よって、判定手段は、信号機のある案内地点の案内において、案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に存在する信号機交差点は基準地点であると認識し、案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に存在する信号機のない交差点は基準地点でないと認識する。なお、信号機交差点とは、信号機のある交差点である。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、信号機のない交差点が案内地点である場合に、当該案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間にある別の交差点を前記基準地点として認識する。信号機のない案内地点を案内する音声メッセージは、例えば「左です。」といったように曲がる方向の指示のみで構成される。信号機のない案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に存在するのが信号機交差点であったとしても、曲がる方向の指示のみの案内なので、案内地点と間違えてしまう可能性がある。よって、判定手段は、信号機のない案内地点の案内において、案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に存在するすべての交差点を基準地点であると認識する。即ち、ここでの別の交差点とは、信号機のある交差点と信号機の無い交差点の両方を含む。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、前記移動体の現在位置が前記誘導ルートにマッチングしていない状態から案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間の前記誘導ルートにマッチングした場合に、当該マッチング地点を前記基準地点として認識する。案内地点から第1の所定距離内で車両の現在位置と誘導ルートとのマッチングが確立した場合、マッチングが確立した後でないと案内地点を案内する音声メッセージを出力することができないため、判定手段は、マッチングが確立した地点を基準地点として認識する。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記判定手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間にある別の案内地点を前記基準地点として認識する。案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に別の案内地点が存在した場合、手前の案内地点を通過後でないと先の案内地点を案内する音声メッセージを出力することができないため、判定手段は、手前の案内地点を基準地点として認識する。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記音声案内手段は、信号機交差点を案内する場合には信号機の存在を含む音声メッセージを出力することを特徴とする。これにより、ユーザは信号機のある案内地点と信号機のない案内地点を区別することができ、案内地点を間違えることが少なくなる。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記音声案内手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しないと判定された場合には、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力せずに、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該音声メッセージより短い効果音を出力することを特徴とする。これにより、音声メッセージを出力しない場合でも効果音によりユーザが案内地点を把握できる。
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記誘導ルートに含まれる案内地点を案内する案内図を表示する表示案内手段をさらに備え、前記表示案内手段は、前記判定手段の判定結果にかかわらず、前記案内地点を案内する案内図を表示する。上記のように音声メッセージによる案内を行う場合、音声メッセージを出力しない可能性がある。そこで、案内地点での表示による案内は常に行うこととして、音声メッセージを出力しない場合でもユーザが進行方向を把握できるようにする。
本発明の他の観点では、ナビゲーション装置において実行されるルート案内方法は、予め設定された誘導ルートに含まれる案内地点を案内する音声メッセージを出力する音声案内工程と、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在するか否かを判定するとともに、当該基準地点が存在する場合には、当該基準地点と当該案内地点との距離、移動体の速度及び当該案内地点を案内する音声メッセージの長さに基づいて、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力するか否かを判定する判定工程と、を有し、前記音声案内工程では、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在しないと判定された場合には、前記第1の所定距離手前の地点に前記移動体が到達した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力し、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力すると判定された場合には、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力し、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しないと判定された場合には、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しない。
本発明の他の観点では、ナビゲーション装置によって実行されるルート案内プログラムは、予め設定された誘導ルートに含まれる案内地点を案内する音声メッセージを出力する音声案内手段、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在するか否かを判定するとともに、当該基準地点が存在する場合には、当該基準地点と当該案内地点との距離、移動体の速度及び当該案内地点を案内する音声メッセージの長さに基づいて、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力するか否かを判定する判定手段、として前記コンピュータを機能させ、前記音声案内手段は、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在しないと判定された場合には、前記第1の所定距離手前の地点に前記移動体が到達した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力し、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力すると判定された場合には、前記移動体が当該基準地点を通過した際に当該案内地点を案内する音声メッセージを出力し、案内地点と当該案内地点から前記第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在し、かつ、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しないと判定された場合には、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しない。
上記のルート案内方法及びルート案内プログラムによっても、信号機数や道路本数を数えるといったユーザの負担を減らし、ユーザが案内地点を間違えることが少なくなる案内を行うことが可能となる。なお、ルート案内プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
[ナビゲーション装置]
図1に、ナビゲーション装置100の構成を示す。なお、ナビゲーション装置100は移動体としての車両に搭載されているものとする。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号機からなる車両の速度パルスを計測する。
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置100全体の制御を行う。
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車両の速度パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用のインタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICS(Vehicle Information Communication System)センタなどから配信される情報を取得する。
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、情報表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号機を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号機を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
[機能構成]
次に、ナビゲーション装置100の機能構成について説明する。図2は、ナビゲーション装置100のうち、本発明によるルート案内処理に関連する機能構成を示す。
図示のように、ナビゲーション装置100は、記憶部101と、案内部102と、判定部103と、を備える。
記憶部101は、地図データ及び音声メッセージを記憶する。
案内部102は、地図データに基づいて予め決定された誘導ルートに含まれる案内地点を案内する音声メッセージを出力する。また、案内部102は、ポーンなどの効果音を出力する。さらに、案内部102は、案内地点付近を拡大した地図のような案内地点を案内する案内図を表示する。
判定部103は、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在するか否かを判定し、案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在する場合、基準地点と案内地点との距離、車両の速度、及び、前記音声メッセージの長さ、に基づいて当該案内地点を案内する音声メッセージを出力するか否かを判定する。ここで、基準地点とは、音声案内を出力するか否かを判定する際に考慮される地点であり、具体的には以下に述べるように、信号機のない交差点、信号機のある交差点(「信号機交差点」と呼ぶ。)、前記車両の現在位置が前記誘導ルートにマッチングした地点、別の案内地点の少なくとも1つを含む。
案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在しないと判定された場合、案内部120は、案内地点から第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときに、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力する。
一方、案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に基準地点が存在すると判定された場合、案内部102は判定部103の判定に従って動作する。即ち、音声メッセージを出力すると判定された場合、案内部102は、案内地点から第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときではなく、車両が基準地点を通過したときに当該案内地点に関連する音声メッセージを出力する。また、音声メッセージを出力しないと判定された場合、案内部102は、当該案内地点を案内する音声メッセージを出力しない。これにより、ユーザは、音声案内を受けた時点から一つ目の案内地点を曲がれば良いため、数を数えるといった負担がかからず、ユーザが案内地点を間違えることも少なくなる。また、音声メッセージ出力中に案内地点に到達してしまう場合のような音声メッセージを出力するとユーザが案内地点を間違え易くなる場合には音声メッセージを出力しないようにしてユーザが案内地点を間違えることが少なくなる。なお、この場合には案内部102による案内地点を案内する案内図の表示を確認することで、ユーザは進行方向を把握できる。
なお、図1におけるデータ記憶ユニット36は記憶部101として機能し、システムコントローラ20、表示ユニット40及び音声出力ユニット50は案内部102として機能し、システムコントローラ20は判定部103として機能する。
[ルート案内]
次に、ナビゲーション装置100によるルート案内について説明する。案内地点に信号機がない場合のルート案内について図3〜図7を参照して説明する。
図3は、誘導ルート上の信号機のない案内地点についての基本的な音声メッセージの出力の例である。図示のように、信号機のない案内地点A1で左折しなければならない場合、案内部102は、案内地点A1から第1の所定距離手前の地点C1に車両が到達したときに当該案内地点を案内するための「左です。」という音声メッセージで案内する。本実施例では、第1の所定距離は、案内地点A1から30m手前地点で「左です。」の音声メッセージを出力し終えるように設定される距離である。即ち、第1の所定距離は、予め設定されている距離30mに、「左です。」という音声メッセージの出力中に車両が進む距離B1を足した距離である。案内部102は、車両の速度及び音声メッセージの長さに基づいて距離B1を決定する。
図4は、信号機のない案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に信号機のない交差点が存在する場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「信号機のない交差点」が基準地点に相当する。図4(a)〜(e)のように、次の信号機のない案内地点で左折しなければならず、信号機のない案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に信号機のない交差点が存在する場合、第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときに「左です。」という音声メッセージを出力すると、当該交差点を案内地点と間違えてしまう可能性があるので、案内部102は、当該交差点を通過するまで音声メッセージを出力しない。そして、判定部103は、当該交差点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、車両が当該交差点を通過してから案内地点から第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。なお、第2の所定距離は第1の所定距離よりも短く、本実施例では第2の所定距離は5mである。
図4(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図4(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図4(c)に示すように、当該交差点と案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図4(d)に示すように、当該交差点と案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前の地点に到達までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図4(e)に示すように、当該交差点と案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前の地点に到達までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
なお、図4(a)〜(e)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。この案内図を表示するタイミングは任意のタイミングでよい。例えば、車両が案内地点から第3の所定距離(例えば、300m)手前の地点に到達してから案内地点を通過するまでの間、案内図を継続して表示するようにしてもよい。
図5は、信号機のない案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に信号機交差点が存在する場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「信号機交差点」が基準地点に相当する。図5(a)〜(e)のように、次の信号機のない案内地点で左折しなければならず、信号機のない案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に信号機交差点が存在する場合、第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときに「左です。」という音声メッセージを出力すると、当該交差点を案内地点と間違えてしまう可能性があるので、案内部102は、当該交差点を通過するまで音声メッセージを出力しない。そして、判定部103は、当該交差点の信号機を考慮せず図4の場合と同様に、当該交差点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、車両が当該交差点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。
図5(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図5(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図5(c)に示すように、当該交差点と案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図5(d)に示すように、当該交差点と案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図5(e)に示すように、当該交差点と案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
なお、図5(a)〜(e)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。
図6は、車両の現在位置が誘導ルートにマッチングしていない状態から信号機のない案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間の誘導ルートにマッチングした場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「車両の現在位置が誘導ルートにマッチングした地点(以下、「マッチング地点」と呼ぶ)」が基準地点に相当する。図6(a)〜(e)のように、次の信号機のない案内地点で左折しなければならず、信号機のない案内地点と第1の所定距離手前の地点との間にマッチング地点が存在する場合、案内部102は、マッチングした後、すなわちマッチング地点を通過した後でなければ音声メッセージを出力できない。そして、判定部103は、マッチング地点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、マッチング地点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。
図6(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、マッチング地点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図6(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両がマッチング地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図6(c)に示すように、マッチング地点と案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、マッチング地点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図6(d)に示すように、当該マッチングが確立した地点と案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両がマッチング地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図6(e)に示すように、マッチング地点と案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両がマッチング地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
なお、図6(a)〜(e)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。
図7は、信号機のない案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に別の案内地点が存在する場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「別の案内地点」が基準地点に相当する。図7(a)〜(e)のように、手前の別の案内地点で右折しなければならず、先の信号機のない案内地点では左折しなければならない場合、案内部102は、手前の案内地点を通過した後でなければ先の案内地点の音声メッセージを出力できない。そして、判定部103は、当該手前の案内地点と先の案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、当該手前の案内地点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまで間に「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。
図7(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、手前の案内地点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図7(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が手前の案内地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図7(c)に示すように、手前の案内地点と先の案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前の地点に到達までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、手前の案内地点を通過したときに「左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図7(d)に示すように、手前の案内地点と先の案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が手前の案内地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図7(e)に示すように、手前の案内地点と先の案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前地点までに「左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が手前の案内地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
なお、図7(a)〜(e)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。
つづいて、案内地点に信号機がある場合のルート案内について図8〜図12を参照して説明する。
図8は、誘導ルート上の信号機のある案内地点についての基本的な音声メッセージの出力の例である。図示のように、信号機のある案内地点A2で左折しなければならない場合、案内部102は、案内地点A2から第1の所定距離手前の地点C2に車両が到達したときに当該案内地点を案内するための「この信号を左です。」という音声メッセージで出力する。図3の場合と同様に、第1の所定距離は、案内地点A2から30m手前地点で「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えるように設定される距離である。即ち、第1の所定距離は、予め設定されている距離30mに、「この信号を左です。」という音声メッセージの出力中に車両が進む距離B2を足した距離である。案内部102は、車両の速度及び音声メッセージの長さに基づいて距離B2を決定する。
図9は、信号機のある案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に信号機のない交差点が存在する場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「信号機のない交差点」が基準地点に相当しない。図9(a)のように、次の信号機のある案内地点で左折しなければならず、信号機のある案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に信号機のない交差点が存在する場合、第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力しても、「信号」の文言があるので当該交差点を案内地点と間違えてしまう可能性は低い。よって、案内部102は、当該交差点を考慮せず、案内地点から第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力する。
図9(b)のように、当該交差地点と案内地点との距離が極端に短い場合も同様に、案内部102は、当該交差点を考慮せず、案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に車両が到達したときに音声メッセージを出力する。
なお、図9(a)、(b)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。
図10は、信号機のある案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に信号機交差点が存在する場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「信号機交差点」が基準地点に相当する。図10(a)〜(e)のように、次の信号機のある案内地点で左折しなければならず、信号機のある案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に信号機交差点が存在する場合、第1の所定距離手前の地点に車両が到達したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力すると、当該交差点を案内地点と間違えてしまう可能性があるので、案内部102は、当該交差点を通過するまで音声メッセージを出力しない。そして、判定部103は、当該交差点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、当該交差点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。
図10(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図10(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図10(c)に示すように、当該交差点と案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図10(d)に示すように、当該交差点と案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図10(e)に示すように、当該交差点と案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が当該交差点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
なお、図10(a)〜(e)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。
図11は、車両の現在位置が誘導ルートにマッチングしていない状態から信号機のある案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点の間の誘導ルートにマッチングした場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「車両の現在位置が誘導ルートにマッチングした地点(「マッチング地点」と呼ぶ)」が基準地点に相当する。図11(a)〜(e)のように、次の信号機のある案内地点で左折しなければならず、信号機のある案内地点と第1の所定距離手前の地点との間にマッチング地点が存在する場合、案内部102は、マッチングした後、すなわちマッチング地点を通過した後でなければ音声メッセージを出力できない。そして、判定部103は、当該マッチング地点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、当該マッチング地点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。
図11(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、マッチング地点を通過したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図11(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両がマッチング地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図11(c)に示すように、マッチング地点と案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、マッチング地点を通過したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図11(d)に示すように、マッチング地点と案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両がマッチング地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図11(e)に示すように、マッチング地点と案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両がマッチング地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
なお、図11(a)〜(e)のいずれにおいても、案内部102は、案内地点を案内する案内図を表示する。
図12は、信号機のある案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に別の案内地点が存在する場合の音声メッセージの出力の例である。この例では、「別の案内地点」が基準地点に相当する。図12(a)〜(e)のように、手前の別の案内地点で右折しなければならず、先の信号機のある案内地点では左折しなければならない場合、案内部102は、手前の案内地点を通過した後でなければ先の案内地点の音声メッセージを出力できない。そして、判定部103は、当該手前の案内地点と先の案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、当該手前の案内地点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができるか否かを判定する。
図12(a)に示すように、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、手前の案内地点を通過したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図12(b)に示すように、車両の速度が速いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が手前の案内地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図12(c)に示すように、当該手前の案内地点と先の案内地点との距離は短いが、車両の速度が遅いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができる場合、判定部103は、音声メッセージを出力すると判定し、案内部102は、手前の案内地点を通過したときに「この信号を左です。」という音声メッセージを出力する。
次に、図12(d)に示すように、当該手前の案内地点と先の案内地点との距離が短いために、第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が手前の案内地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
次に、図12(e)に示すように、当該手前の案内地点と先の案内地点との距離が極端に短いために、速度が遅くても第2の所定距離手前の地点に到達するまでに「この信号を左です。」の音声メッセージを出力し終えることができない場合、判定部103は、音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は、音声メッセージを出力しない。この場合に、案内部102は、車両が手前の案内地点を通過したときに音声メッセージより短い効果音を出力するようにしてもよい。
[ルート案内処理]
次に、案内地点に信号機がない場合のルート案内処理について説明する。図13は案内地点に信号機がない場合のルート案内処理のフローチャートである。なお、この処理は、主として図1に示すCPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、案内部102はユーザによる目的地の指定を受け取る(ステップS1)。そして、案内部102は、車両の現在位置から設定された目的地に至るルートを探索し、誘導ルートを決定する(ステップS2)。次に、案内部102は、誘導ルート上に存在する複数の案内地点のうち、車両の現在位置の次の案内地点の情報を取得し(ステップS3)、記憶部101内の地図データからその案内地点を案内する音声メッセージを取得する(ステップS4)。そして、判定部103は、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点があるか否かを判定する(ステップS5)。
案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に基準地点がない場合(ステップS5;No)、判定部103は、車両が第1の所定距離手前の地点に到達したか否かを判定する(ステップS6)。車両が第1の所定距離手前の地点に到達していない場合(ステップS6;No)、ステップS6を繰り返す。車両が第1の所定距離手前の地点に到達した場合(ステップS6;Yes)、案内部102は、その案内地点を案内する音声メッセージを音声出力ユニット50から出力し(ステップS7)、ステップS11を実行する。
一方、案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に基準地点がある場合(ステップS5;Yes)、判定部103は、基準地点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、車両が基準地点を通過してから第2の所定距離手前の地点に到達するまでの間に音声メッセージを出力できるか否かを判定する(ステップS8)。出力できないと判定した場合(ステップS8;No)、判定部103は音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は音声メッセージを出力せず、ステップS11を実行する。出力できると判定した場合(ステップS8;Yes)、判定部103は、車両が基準地点を通過したか否かを判定する(ステップS9)。車両が基準地点を通過していない場合(ステップS9;No)、ステップS9を繰り返す。車両が基準地点を通過した場合(ステップS9;Yes)、案内部102はその案内地点を案内する音声メッセージを音声出力ユニット50から出力する(ステップS10)。
そして、案内部102は、車両が案内地点を通過したか否かを判定する(ステップS11)。車両が案内地点を通過していない場合(ステップS11;No)、ステップS11を繰り返す。車両が案内地点を通過した場合(ステップS11;Yes)、案内部102は車両が目的地に到達したか否かを判定する(ステップS12)。車両が目的地に到達していない場合(ステップS11;No)、処理はステップS3へ戻り、誘導ルート上の次の案内地点についてステップS3〜S11を繰り返す。車両が目的地に到達した場合(ステップS12;Yes)、ルート案内処理を終了する。
次に、案内地点に信号機がある場合のルート案内処理について説明する。図14は案内地点に信号機がある場合のルート案内処理のフローチャートである。なお、この処理は、主として図1に示すCPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、案内部102はユーザによる目的地の指定を受け取る(ステップS21)。そして、案内部102は、車両の現在位置から設定された目的地に至るルートを探索し、誘導ルートを決定する(ステップS22)。次に、案内部102は、誘導ルート上に存在する複数の案内地点のうち、車両の現在位置の次の案内地点の情報を取得し(ステップS23)、記憶部101内の地図データからその案内地点を案内する音声メッセージを取得する(ステップS24)。そして、判定部103は、案内地点と当該案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点があるか否かを判定する(ステップS25)。
案内地点と第1の所定距離手前の地点との間に基準地点がない場合(ステップS25;No)、判定部103は、車両が第1の所定距離手前の地点に到達したか否かを判定する(ステップS26)。車両が第1の所定距離手前の地点に到達していない場合(ステップS26;No)、ステップS26を繰り返す。車両が第1の所定距離手前の地点に到達した場合(ステップS26;Yes)、案内部102は、その案内地点を案内する音声メッセージを音声出力ユニット50から出力し(ステップS27)、ステップS33を実行する。
一方、案内地点から第1の所定距離手前の地点との間に基準地点がある場合(ステップS25;Yes)、判定部103は、基準地点は交差点か否かを判定する(ステップS28)。基準地点が交差点である場合(ステップS28;Yes)、判定部103は、交差点に信号機があるか否かを判定する(ステップS29)。交差点に信号機がなかった場合(ステップS29;No)、判定部103は、ステップS26を実行する。
次に、基準地点が交差点でない場合(ステップS28;No)、または交差点に信号機がある場合(ステップS29;Yes)、判定部103は、基準地点と案内地点との距離、車両の速度、及び、音声メッセージの長さ、に基づいて、車両が基準地点を通過してから第2の所定距離手前までに音声メッセージを出力できるか否かを判定する(ステップS30)。出力できないと判定した場合(ステップS30;No)、判定部103は音声メッセージを出力しないと判定し、案内部102は音声メッセージに対応する音声メッセージを出力せず、ステップS33を実行する。出力できると判定した場合(ステップS30;Yes)、判定部103は、車両が基準地点を通過したか否かを判定する(ステップS31)。車両が基準地点を通過していない場合(ステップS31;No)、ステップS31を繰り返す。車両が基準地点を通過した場合(ステップS31;Yes)、判定部103は音声メッセージを出力すると判定し、案内部102はその案内地点を案内する音声メッセージを音声出力ユニット50から出力する(ステップS32)。
そして、案内部102は、車両が案内地点を通過したか否かを判定する(ステップS33)。車両が案内地点を通過していない場合(ステップS33;No)、ステップS33を繰り返す。車両が案内地点を通過した場合(ステップS33;Yes)、案内部102は車両が目的地に到達したか否かを判定する(ステップS34)。車両が目的地に到達していない場合(ステップS34;No)、処理はステップS23へ戻り、誘導ルート上の次の案内地点についてステップS23〜S33を繰り返す。車両が目的地に到達した場合(ステップS34;Yes)、ルート案内処理を終了する。
以上述べたように、本実施例のナビゲーション装置によれば、例えば次の案内地点が交差点である場合、車両の現在位置から見て「次の交差点」と認識できるタイミングで案内を行うことが可能である。これにより、ユーザは、案内を受けた時点から一つ目の交差点を曲がれば良いため、信号機数や道路本数を数えるといった余計な負担がかからず、案内地点を間違えることも少なくなる。また、音声メッセージ出力中に案内地点に到達してしまう場合のような音声メッセージを出力するとユーザが案内地点を間違え易くなる場合には音声メッセージを出力しないようにしてユーザが案内地点を間違えることが少なくなる。
[変形例]
なお、上記の実施例では、第1の所定距離を案内地点から30m手前地点で音声メッセージを出力し終えるように設定される距離としていたが、本発明の適用はこれに限られず、音声メッセージを出力し終える地点は案内地点の任意の距離手前の地点に設定してもよい。あるいは、第1の所定距離を固定値としてもよい。
上記の実施例では、第2の所定距離を5mとしていたが、本発明の適用はこれに限られず、0mから第1の所定距離まで間の任意の距離に設定してもよい。