JP2009250415A - 冷却機構 - Google Patents

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Koichi Okuda
弘一 奥田
Kazuya Arakawa
一哉 荒川
Kansuke Yoshisue
監介 吉末
Yoichiro Yu
陽一郎 勇
Tsuyoshi Ide
剛志 井出
Masahito Nakayama
雅仁 中山
Shigeru Fukazawa
滋 深澤
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Abstract

【課題】回転部材の回転数が低い場合に、被冷却部に供給される冷却液の量を多くすることの可能な冷却機構を提供する。
【解決手段】回転部材14を経由して伝達される動力で駆動され、かつ、冷却液溜まりD1の冷却液を吸入および吐出するポンプ17と、ポンプ17から吐出された冷却液が供給される被冷却部2,4,16とを有する冷却機構において、回転部材14の回転により冷却液溜まりD1から掻き上げられた冷却液を、被冷却部2,14,16に供給する経路E1が形成されており、ポンプ17から吐出された冷却液および回転部材14により掻き上げられた冷却液を被冷却部2,4,16に供給する経路に設けられ、かつ、その冷却液を一旦保持するタンク21を有しており、回転部材14の回転数が相対的に低い場合は、回転部材14の回転数が相対的に高い場合よりも、回転部材14が冷却液溜まりD1に浸る深さW1が相対的に深い構成である。
【選択図】図1

Description

この発明は、冷却液溜まりの冷却液を被冷却部に供給して、その被冷却部を冷却する冷却機構に関するものである。
一般に、車両、産業機械などにおいて、被冷却部に冷却液を供給して、その被冷却部を冷却および潤滑する冷却機構が知られている。冷却液としての潤滑油を、オイルポンプにより吸入および吐出する冷却装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された電動車両は、駆動装置ケース内に、走行用モータ、デファレンシャル装置、減速機などを収容しており、この駆動装置ケース内には潤滑油溜まりが設けられている。そして、走行用モータのトルクが、デファレンシャル装置のデファレンシャルケースおよびピニオンギヤを経由して第1駆動軸および第2駆動軸に伝達され、その第1駆動軸および第2駆動軸のトルクが減速機を経由して、伝動軸に伝達される構成となっている。
さらに、駆動装置ケース内には機械式オイルポンプが設けられており、走行用モータの動力により機械式オイルポンプが駆動されて、潤滑油溜まりの潤滑油が吸入および吐出され、その潤滑油が被冷却部、つまり、デファレンシャル装置を構成するギヤ同士の噛み合い部分、および減速機を構成するギヤ同士の噛み合い部分に供給される構成である。機械式オイルポンプの駆動系を説明すると、デファレンシャル装置のデファレンシャルケースには、走行用モータのロータが動力伝達可能に接続されており、そのデファレンシャルケースと一体的に回転するポンプドライブギヤが設けられている。また、このポンプドライブギヤに噛合されたポンプドリブンギヤが設けられており、そのポンプドリブンギヤを介して回転体が回転されて、機械式オイルポンプが作動される構成である。
特開平6−98417号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電動車両では、走行用モータの動力がデファレンシャルケースに伝達されて、機械式オイルポンプが駆動される構成である。このため、デファレンシャルケースの回転数が相対的に低い場合は、機械式オイルポンプから吐出される潤滑油の量が相対的に少なくなり、被冷却部を充分に冷却できない虞があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、回転部材の回転数が相対的に低い場合に、被冷却部に供給される冷却液の量を、相対的に多くすることの可能な冷却機構を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転部材を経由して伝達される動力で駆動され、かつ、冷却液溜まりの冷却液を吸入および吐出するポンプと、このポンプから吐出された冷却液が供給される被冷却部とを有する冷却機構において、前記回転部材の回転により前記冷却液溜まりから掻き上げられた冷却液を、前記被冷却部に供給する経路が形成されており、前記ポンプから吐出された冷却液および前記回転部材により掻き上げられた冷却液を前記被冷却部に供給する経路に設けられ、かつ、その冷却液を一旦保持するタンクを有しており、前記回転部材の回転数が相対的に低い場合は、前記回転部材の回転数が相対的に高い場合よりも、前記回転部材が前記冷却液溜まりに浸る深さが相対的に深い構成であることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、電源から電力が供給されて駆動され、かつ、前記回転部材に伝達する動力を出力する電動機が設けられており、前記被冷却部に前記電動機が含まれているとともに、前記電源から電動機に電力を供給する電気回路と、この電気回路と並列に設けられた副電気回路と、この副電気回路を流れる電力で駆動され、かつ、前記冷却液溜まりの冷却液を吸入および吐出して前記タンクに供給する電動ポンプと、前記副電気回路に設けられた抵抗とを備えていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、電源から電力が供給されて駆動する電動機と、この電動機を冷却する冷却液が溜められた冷却液溜まりとを有する冷却機構において、前記電源から電動機に電力を供給する電気回路と、この電気回路と並列に設けられた副電気回路と、この副電気回路を流れる電力で駆動され、かつ、前記冷却液溜まりの冷却液を吸入および吐出して前記タンクに供給する電動ポンプと、前記副電気回路に設けられた抵抗とを備えていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記電動機および前記冷却液溜まりを内部に設けたケーシングを有し、このケーシングの外部に、前記電動機と動力伝達可能に接続された車輪が設けられており、前記ケーシングが懸架装置を介在させて車体により支持されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、回転部材を経由して伝達される動力でポンプが駆動され、ポンプから吐出された冷却液がタンクを経由して被冷却部に供給されて、被冷却部が冷却される。また、回転部材が回転すると冷却液溜まりの冷却液が掻き上げられて、掻き上げられた冷却液が被冷却部に供給される。そして、回転部材の回転数が相対的に低い場合は、回転部材の回転数が相対的に高い場合よりも、冷却液溜まりから掻き上げる冷却液の量が多くなる。したがって、回転部材の回転数が相対的に低い場合に、被冷却部を冷却する性能が向上する。さらに、回転部材の回転数が相対的に高い場合は、回転部材の回転数が相対的に低い場合に比べて、回転部材が冷却液を撹拌することにより生じる動力損失を低減することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、電動機の動力が回転部材に伝達されるとともに、ポンプから吐出された冷却液により電動機が冷却される。この電動機は、回転数が相対的に低い場合の方が、相対的に高い場合に比べて高負荷となる特性を有している。このため、電動機が低回転数である時の方が、高回転数の時よりも発熱量が相対的に多くなるが、電動機に供給される冷却液の量が相対的に多くなるため、電動機を冷却する性能が向上する。
請求項3の発明によれば、電源から電動機に電力が供給されて、電動機が駆動される。また、電動機の負荷が相対的に高くなり、電動機に供給される電流値が相対的に高くなると、その電力により電動ポンプが駆動されて、この電動ポンプから吐出された冷却液により、電動機が冷却される。このように、電動機の負荷が相対的に低い場合(例えば、中間の回転数または高回転数の時)は冷却液が電動機には供給されず、電動機の負荷が相対的に高い場合(低回転数の時)は冷却液を電動機に供給でき、電動機を冷却する性能を向上できる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、電動機の動力が車輪に伝達されて駆動力が発生する。また、ケーシングの内部に設けられた冷却液溜まりの冷却液が電動機に供給されて、その電動機が冷却される。
この発明におけるポンプは、回転部材に入力される動力、または回転部材から出力される動力のいずれにより駆動される構成でもよい。この発明において、被冷却部には、発熱、摺動、焼き付き、摩耗などが生じる対象部位が含まれる。この被冷却部は、回転部材を経由して伝達される動力の伝達経路に設けられている。この発明の被冷却部には、電動機、歯車同士の噛み合い部分、ベルトとプーリとの接触部分、ディスクとローラとの接触部分、スプロケットとチェーンとの接触部分などが含まれる。この発明の被冷却部は、動力の伝達方向で、回転部材の上流または下流のいずれに配置されていてもよい。この発明における被冷却部は、回転部材または電動機の回転数が相対的に低い場合に、回転数が相対的に高い場合に比べて、電気的負荷および発熱量が相対的に高くなる。例えば、被冷却部が電動機であれば、相対的に電流値が高く、かつ、回転数が相対的に低く、かつ、出力トルクが相対的に高い場合に、その発熱量が相対的に高くなる。これに対して、被冷却部が動力伝達要素または軸受であれば、伝達するトルクが相対的に高い場合に、機械的負荷および発熱量が相対的に高くなる。
この発明における回転部材は動力を伝達する場合に、略水平な回転軸線を中心として回転する回転要素であり、回転部材には、回転軸、歯車、プーリ、スプロケット、コネクティングドラムなどが含まれる。この発明における冷却には、被冷却部を冷却することの他、被冷却部を潤滑することが含まれる。つまり、この発明における冷却には、部材から熱を奪うことにより、その部材の温度上昇を抑制もしくは温度を低下させることの他に、部材同士の間における摩擦係数を小さくすること、部材同士の摩耗を抑制すること、部材の焼き付きを防止すること、などの意味が含まれる。この発明における冷却液には、対象部位を潤滑および冷却する液体、例えば、作動油、ギヤ油などのオイルの他、エマルション系潤滑液、水などが含まれる。この発明における経路は、冷却液が通る通路であり、この経路は、空間、油路、ポート、溝、配管などにより構成される。
(第1具体例)
つぎに、この発明の冷却機構を、車両のインホイールモータに用いた場合の第1具体例を、図1および図2に基づいて説明する。この第1具体例は、請求項1および請求項4の発明に対応する。図1は冷却機構の正面図、図2は冷却機構の平面図である。まず、車両の車体24には懸架装置25を介在させてケーシング1が取り付けられている。この懸架装置25は、ストラット形式またはダブルウィッシュボーン形式またはスイングアーム形式またはマルチリンク形式のいずれでもよい。ケーシング1は中空に構成された箱であり、ケーシング1の内部に電動モータ2が設けられている。電動モータ2は、交流型または直流型のいずれでもよく、例えば3相交流型のモータ・ジェネレータを用いることができる。この電動モータ2はロータ(図示せず)およびステータ(図示せず)を有する。ステータはケーシング1に固定されており、車体24には電源26が設けられている。その電源26と電動モータ2との間の電気回路にインバータ27が設けられている。この電源26として、充電および放電をおこなうことの可能な二次電池、例えば、バッテリまたはキャパシタを用いることが可能である。また、電源26は、二次電池に加えて燃料電池を有していてもよい。
このように構成された電動モータ2に電力が供給されると、電動モータ2が駆動される。電動モータ2の駆動および停止、電動モータ2を駆動するときのトルクおよび回転数は、車体24に設けられた電子制御装置(図示せず)により制御される。また、ロータには出力軸3が接続されており、その出力軸3にはギヤ4が形成されている。一方、ケーシング1の外部には車輪5が設けられている。この車輪5は、金属材料により構成されたホイール6と、ゴム材料により構成されたタイヤ7とを有する。ホイール6は、円板形状部8と、その円板形状部8の外周に連続された円筒部9とを有しており、その円筒部9の内側空間にケーシング1が配置されている。前記ホイール6には回転軸10が動力伝達可能に、具体的には一体回転するように接続されている。この回転軸10は前記ケーシング1の内部に配置されており、回転軸10は軸受11により回転可能に支持されている。このように、前記車輪5およびケーシング1は車体24により形成された空間、つまり、ホイルハウス内に配置されている。
前記電動モータ2の動力を前記回転軸10に伝達する経路の構成を説明すると、ケーシング1の内部にはカウンタ軸12が設けられており、そのカウンタ軸12は軸受13により回転可能に支持されている。カウンタ軸12には2個のギヤ14,15が形成されており、前記回転軸10にはギヤ16が形成されている。そして、ギヤ14とギヤ4とが噛合され、ギヤ15とギヤ16とが噛合されている。これらのギヤは、電動モータ2のトルクを回転軸10に伝達するときに、回転数を低下させる減速機として機能する。
さらに、ケーシング1の内部には、電動モータ2の動力で駆動されるオイルポンプ17が設けられている。このオイルポンプ17は、回転式のオイルポンプであり、例えば、歯車ポンプ、ベーンポンプ、ねじポンプなどにより構成されている。このオイルポンプ17は、ケーシング1に固定されたボデー(図示せず)と、回転軸10と共に回転するロータ(図示せず)とを有しており、そのロータは回転軸10と同軸上に配置されている。このオイルポンプ17は、ロータが回転すると吸入管18からオイルを吸入し、かつ、吐出管20からオイルを吐出する構成である。
一方、ケーシング1の内部、またはケーシング1の下部に取り付けたオイルパンにオイルが溜められて、オイル溜まりD1が形成されている。また、前記オイルポンプ17の吸入管18の下端にストレーナ19が接続されており、ストレーナ19がオイル溜まりD1内に浸漬されている。このオイルは被冷却部を冷却および潤滑する役割を果たす。この被冷却部には、電動モータ2および各ギヤ同士の噛み合い部分および軸受が含まれる。さらに、前記ストレーナ19はギヤ14の下端14Aよりも下方に配置されている。さらに、各ギヤのうち、ギヤ14の回転中心が最も下方に配置されており、ギヤ14が停止している場合は、オイル溜まりD1にギヤ14の一部が浸漬する。具体的には、ギヤ14が停止している時、オイルの液面D2が、ギヤ14の歯先の下端14Aよりも高い位置となるように、ケーシング1の内部に封入されるオイル量が決定されている。また、各ギヤ同士の噛み合い部分は、液面D2よりも上方に位置している。
また、前記吐出管20にはキャッチタンク21が接続されている。このキャッチタンク21は、被冷却部に供給されるオイルを一旦保持する機構である。このキャッチタンク21は、ケーシング1の内部、より具体的には、前記出力軸3の上方に配置されている。このキャッチタンク21は、開口部21Aを有するトレー形状または箱形状を有している。さらに、キャッチタンク21内のオイルを被冷却部に供給する油路22,23が形成されている。この油路22,23はオイルの通路であり、油路22,23は、パイプ、ケーシング1に設けた溝、ケーシング1に設けた開口部、ケーシング1に設けた貫通孔などにより形成されている。
上記の構成において、車両が走行する条件が成立すると、電動モータ2に電力が供給されて出力軸3が回転する。すると、その出力軸3のトルクがカウンタ軸12を経由して回転軸10に伝達され、車輪5で駆動力が発生する。上記の電動モータ2は、回転数が相対的に低い場合は出力トルクが相対的に高く、回転数が相対的に高い場合は出力トルクが相対的に低いという特性を有している。また、電動モータ2は、出力トルクが相対的に高い場合は、出力トルクが相対的に低い場合よりも、電動モータ2に供給される電力の電流値が相対的に高くなる。このため、車両の発進時または低車速時は、車両が高車速で走行する場合に比べて、電動モータ2の電気的負荷が高くなり、その発熱量が相対的に高くなる。
一方、電動モータ2が回転してカウンタ軸12が回転すると、オイルポンプ17のロータがカウンタ軸12の動力で回転し、オイルポンプ17でオイルの吸入および吐出がおこなわれる。具体的には、オイル溜まりD1のオイルが吸入管18を経由してオイルポンプ17に吸入され、オイルポンプ17から吐出管20に吐出されたオイルがキャッチタンク21に供給される。このキャッチタンク21のオイルは油路22,23を経由して被冷却部に供給されて、被冷却部が潤滑または冷却される。なお、被冷却部に供給されたオイルは、ケーシング1の内面に沿って流れるか、または油路を経由して流れオイル溜まりD1に戻る。
ところで、電動モータ2の回転数が相対的に低い場合は、オイルポンプ17のオイル吸入量が相対的に少なく、液面D2は相対的に高い。このため、ギヤ14の下端14Aがオイル溜まりD1に浸漬されている。オイル溜まりD1に浸漬されたギヤ14の深さはW1である。この状態でギヤ14が回転するとオイルが掻き上げられ、掻き上げられたオイルが遠心力で空中に飛ばされて、空中の経路E1を経由してキャッチタンク21に供給される。つまり、電動モータ2の回転数が相対的に低い場合は、オイルポンプ17から吐出されたオイル、およびギヤ14により掻き上げられたオイルが、共にキャッチタンク21を経由して被冷却部に供給される。つまり、オイルの供給経路が2系統ある。このように、電動モータ2の電気的負荷が高く、かつ、発熱量が相対的に高い条件である時に、電動モータ2を冷却するオイル量を増加することができ、冷却性能が向上する。
一方、電動モータ2の回転数が上昇すると、オイルポンプ17のオイル吸入量が増加して、液面D2が下降する。そして、一点鎖線で示すように、液面D2が電動ギヤ14の下端14Aよりも低くなると、ギヤ14はオイル溜まりD1のオイルには接触しない。つまり、ギヤ14の浸漬深さは前述よりも浅くなり、ギヤ14が回転してもオイルは掻き上げられない。このため、電動モータ2の回転数が相対的に高い場合は、オイルポンプ17から吐出されたオイルのみが、キャッチタンク21を経由して被冷却部に供給される。つまり、オイルの供給経路が1系統となる。このように、電動モータ2の電気的負荷が相対的に低く、かつ、発熱量が相対的に少ない条件では、電動モータ2を冷却するオイルの供給量を減少させることができる。また、ギヤ14の高回転時にギヤ14がオイル溜まりD1に浸漬されなくなるため、オイルの撹拌による動力損失を低減できる。さらに、電動モータ2の回転数が相対的に高くなると、オイルポンプ17の吸入量が増加して液面D2が下降するため、オイル溜まりD1の液面D2を調整するためのデバイス、つまり、専用の液面調整機構を設けずに済む。したがって、冷却機構の小型化および低コスト化および軽量化を図ることができる。
上記の説明において、電動モータ2の回転数が相対的に高い場合および低い場合とは、回転数同士の相対的な関係を表しており、高い回転数と低い回転数とを区別するための基準値が設けられているわけではない。また、高い回転数と低い回転数という2区分の他に、高い回転数および中間の回転数と、低い回転数とを2区分することも可能である。中間の回転数とは、高い回転数と低い回転数との間の回転数であり、中間の回転数を技術的に定義付ける基準値があるわけではない。さらに、高い回転数は高車速に相当する回転数であり、中間の回転数は中車速に相当する回転数であり、低い回転数は停車速に相当する回転数である。なお、第1実施例において、ギヤ14がオイル溜まりD1に浸漬される深さW1は、ギヤ14が停止しているときにオイル溜まりD1に溜められるオイル量、オイルポンプ17の容量などを変更することにより、調整可能である。
ここで、第1具体例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ギヤ14が、この発明の回転部材に相当し、オイルが、この発明の冷却液に相当し、オイル溜まりD1が、この発明の冷却液溜まりに相当し、オイルポンプ17が、この発明のポンプに相当し、電動モータ2および各ギヤ同士の噛み合い部分および軸受の摺動部分が、この発明の被冷却部に相当し、経路E1が、この発明の「回転部材により掻き上げられた冷却液をタンクに供給する経路」に相当し、キャッチタンク21が、この発明のタンクに相当し、電動モータ2が、この発明の電動機に相当する。
(第2具体例)
つぎに、冷却機構の第2具体例を、図3に基づいて説明する。この第2具体例は、請求項1および請求項2および請求項4に対応している。図3に示す構成のうち、第1具体例と同じ構成部分については、図1と同じ符号を付してある。この第2具体例と第1具体例との相違点を説明すると、第2具体例では電動オイルポンプ28が設けられている。この電動オイルポンプ28は、電動モータ(図示せず)と、この電動モータにより駆動されるオイルポンプ(図示せず)とを有している。電動オイルポンプ28を構成するオイルポンプは、オイルポンプ17と同じ構造のものを用いることができる。
この電動オイルポンプ28に接続された電気回路の構成を、図4に基づいて説明する。インバータ27には、X相およびV相およびW相のコイルに対応する3つの電気回路34,35,36が形成されており、各電気回路34,35,36が電動モータ2に接続されている。また、電気回路34,35,36と並列な副電気回路29がそれぞれ設けられており、1つの副電気回路29に電動オイルポンプ28が接続されている。つまり、電動モータ2と、電動オイルポンプ28のモータとが電気回路内に直列に配置されている。また、全ての副電気回路29には抵抗30が配置されている。さらに、電動オイルポンプ28の吸入口31は吸入管18が接続され、電動オイルポンプ28の吐出口32には吐出管33が接続されている。この吐出管33はキャッチタンク21に接続されている。
この第2具体例において、第1具体例と同じ構成部分については、第1具体例と同じ作用効果を得られる。つまり、電動モータ2の回転数の変化に基づいて、オイル溜まりD1の液面が変化し、第1具体例と同じ効果を得られる。また、第2具体例では、電動モータ2に電力を供給すると、電動オイルポンプ28が駆動されて、オイル溜まりD1のオイルが電動オイルポンプ28に吸入および吐出される。この電動オイルポンプ28から吐出されたオイルは、吐出管33を経由してキャッチタンク21に供給される。この第2具体例では、電気回路34が、電動オイルポンプ28および電動モータ2により共用されており、電動モータ2および電動オイルポンプ28が同期して駆動または停止される。
特に、第2具体例では、副電気回路29に抵抗30が設けられているため、電動モータ2が高負荷となり電流値が相対的に高くなったときにのみ、電動オイルポンプ28が駆動される。このため、電動モータ2を冷却する必要がないときに、電動オイルポンプ28が駆動されることを防止できる。また、第2具体例では、電気回路34が、電動オイルポンプ28および電動モータ2により共用されているため、電動オイルポンプ28を駆動する電気回路を専用に設けずに済む。さらに第2具体例では、3つの副電気回路29に全て抵抗30が配置されているため、電気回路34,35,36を経由して電動モータ2に供給される電流が均一になり、電動モータ2でコギングトルクが生じることを回避できる。上記の電動オイルポンプ28が、この発明の電動ポンプに相当する。
(第3具体例)
冷却機構の第3具体例を図5に基づいて説明する。図5において、図1ないし図3の構成と同じ構成部分については、図1ないし図3と同じ符号を付してある。この第3具体例は、請求項3および請求項4の発明に対応している。この第3具体例では、オイルポンプ17は設けられておらず、電動オイルポンプ28が設けられている。電動オイルポンプの吸入口31には、吸入管36を介してストレーナ19が接続されている。ストレーナ19はオイル溜まりD1に浸漬されている。この第3具体例において、電動モータ2および電動オイルポンプ28に電力を供給する系統は、図4と同じ構成である。この第3具体例においては、第2具体例と同様に、電動モータ2および電動オイルポンプ28が同期して駆動または停止される。電動オイルポンプ28が駆動されると、オイル溜まりD1のオイルが吸入管36を経由して電動オイルポンプ28に吸入され、かつ、吐出管33に吐出されたオイルがキャッチタンク21に供給される。その他、第3具体例において、第1具体例と同じ構成部分については、第1具体例と同様の作用効果が生じる。また、第3具体例において、第2具体例と同じ構成部分については、第2具体例と同様の作用効果が生じる。また、第3具体例では、電動モータ2が駆動されるとギヤ14が回転し、オイル溜まりD1のオイルが掻き上げられてキャッチタンク21に供給されるとともに、電動オイルポンプ28が駆動されて、オイル溜まりD1のオイルが電動オイルポンプ28を経由してキャッチタンク21に供給される。このように、第3具体例では、オイルの供給経路が2系統ある。
(第4具体例)
つぎに、冷却機構の第4具体例を、図6に基づいて説明する。この第4具体例は、請求項1および請求項4の発明に対応する。この第4具体例において、基本的な構成は第1具体例と同じである。この第4具体例において、第1具体例と相違する点は、上下方向におけるストレーナ19の位置である。具体的には、ストレーナ19の下端19Aは、ギヤ14の下端14Aよりも上方に配置されている。このストレーナ19の具体的な構成を図7および図8に基づいて説明する。前記ギヤ14が停止している時に、ストレーナ19の一部がオイル溜まりD1に浸漬されている。ストレーナ19は中空、例えば箱形状に構成されており、吸入管18の下端18Aがストレーナ19の内部に到達している。一方、ストレーナ19の底部には通路38が形成されている。このストレーナ19は上下方向に動かないように固定されており、ストレーナ19の内部にフロート39が収容されている。そして、ストレーナ19内のオイルによりフロート39が浮く。また、フロート39の下端にはガイドピン40が設けられており、ガイドピン40が通路38に挿入されている。このため、ガイドピン40がストレーナ19の底部に接触した状態で、フロート39が上下方向に動作可能である。
この第4具体例において、電動モータ2が駆動されてギヤ14が回転すると、第1具体例と同様にして、オイル溜まりD1のオイルがギヤ14により掻き上げられて、そのオイルがキャッチタンク21に供給される。また、電動モータ2が相対的に低回転数であるときは、ギヤ14により掻き上げられるオイル量が相対的に少ない。したがって、オイル溜まりD1の液面D2は相対的に高く、図7のように吸入管18の先端18Aがオイル溜まりD1内にある。また、フロート39が浮いており、通路38が開放されている。この時、オイルポンプ17が駆動されると、オイル溜まりD1のオイルが通路38を経由してストレーナ19内に吸い込まれ、そのストレーナ19内のオイルが吸入管18を経由してオイルポンプ17に吸入される。このように、電動モータ2が相対的に低回転数である場合は、オイル溜まりD1のオイルは、ギヤ14の回転による掻き上げ、およびオイルポンプ17からの吐出という2系統によりキャッチタンク21に供給される。
そして、電動モータ2の回転数が上昇することに伴い、ギヤ14により掻き上げられるオイル量が増加して、オイル溜まりD1の液面D2が下降する。液面D2の下降によりフロート39も下降する。さらに、液面D2が下降すると、液面D2が吸入管18の下端18Aよりも低くなるとともに、フロート39が通路38を閉じる。すると、オイルポンプ17が駆動しても、オイル溜まりD1のオイルは吸入管18には吸入されなくなる。このように、電動モータ2が相対的に中間の回転数または高回転数である場合は、オイル溜まりD1のオイルは、ギヤ14の回転による掻き上げのみの1系統により、キャッチタンク21に供給される。この第4具体例においても、電動モータ2が高負荷である場合は、電動モータ2を冷却するために供給されるオイル量が相対的に多く、電動モータ2が低負荷である場合は、電動モータ2を冷却するために供給されるオイル量が相対的に少なくなる。したがって、第1具体例と同じ効果を得られる。なお、この発明は、車体の下方にケーシングが設けられ、そのケーシングの内部に電動機が設けられており、その電動機のトルクが車輪に伝達される構成の車両にも適用可能である。
この発明の冷却機構の第1具体例を示す正面図である。 この発明の冷却機構を有する車輪の概念図である。 この発明の冷却機構の第2具体例を示す正面図である。 この発明で電動モータおよび電動オイルポンプに接続された電気回路を示す図である。 この発明の冷却機構の第3具体例を示す正面図である。 この発明の冷却機構の第4具体例を示す正面図である。 図6に示されたストレーナの構成であり、液面が相対的に高いときの断面図である。 図6に示されたストレーナの構成であり、液面が相対的に低いときの断面図である。
符号の説明
1…ケーシング、 2…電動モータ、 4,14,15,16…ギヤ、 5…車輪、 11,13…軸受、 17…オイルポンプ、 21…キャッチタンク、 24…車体、 25…懸架装置、 28…電動オイルポンプ、 29…副電気回路、 30…抵抗、 34,35,36…電気回路、 D1…オイル溜まり、 E1…経路。

Claims (4)

  1. 回転部材を経由して伝達される動力で駆動され、かつ、冷却液溜まりの冷却液を吸入および吐出するポンプと、このポンプから吐出された冷却液が供給される被冷却部とを有する冷却機構において、
    前記回転部材の回転により前記冷却液溜まりから掻き上げられた冷却液を、前記被冷却部に供給する経路が形成されており、
    前記ポンプから吐出された冷却液および前記回転部材により掻き上げられた冷却液を前記被冷却部に供給する経路に設けられ、かつ、その冷却液を一旦保持するタンクを有しており、
    前記回転部材の回転数が相対的に低い場合は、前記回転部材の回転数が相対的に高い場合よりも、前記回転部材が前記冷却液溜まりに浸る深さが相対的に深い構成であることを特徴とする冷却機構。
  2. 電源から電力が供給されて駆動され、かつ、前記回転部材に伝達する動力を出力する電動機が設けられており、前記被冷却部に前記電動機が含まれているとともに、
    前記電源から電動機に電力を供給する電気回路と、
    この電気回路と並列に設けられた副電気回路と、
    この副電気回路を流れる電力で駆動され、かつ、前記冷却液溜まりの冷却液を吸入および吐出して前記タンクに供給する電動ポンプと、
    前記副電気回路に設けられた抵抗と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却機構。
  3. 電源から電力が供給されて駆動する電動機と、この電動機を冷却する冷却液が溜められた冷却液溜まりとを有する冷却機構において、
    前記電源から電動機に電力を供給する電気回路と、
    この電気回路と並列に設けられた副電気回路と、
    この副電気回路を流れる電力で駆動され、かつ、前記冷却液溜まりの冷却液を吸入および吐出して前記タンクに供給する電動ポンプと、
    前記副電気回路に設けられた抵抗と
    を備えていることを特徴とする冷却機構。
  4. 前記電動機および前記冷却液溜まりを内部に設けたケーシングを有し、このケーシングの外部に、前記電動機と動力伝達可能に接続された車輪が設けられており、前記ケーシングが懸架装置を介在させて車体により支持されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷却機構。
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