JP2009250344A - オイルシール下半部ガイド用回転工具とこの工具を用いたオイルシール下半部の組立及び分解方法 - Google Patents

オイルシール下半部ガイド用回転工具とこの工具を用いたオイルシール下半部の組立及び分解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オイルシール下半部が傾かないように吊りバランスを簡単且つ容易に図りながら、安定した作業でオイルシール下半部を組立・分解できるようにしたことにある。
【解決手段】2分割のオイルシール下半部のシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴に螺挿して取付けられるネジ棒11と、このネジ棒に一端部に有する貫通孔を挿通させて一対のナット13により適宜位置に固定される腕状の第1のプレート12と、ネジ棒11の他端部側に螺挿され吊り掛けられた回転補助ロープの軸方向移動を拘束するフランジ付きナット14と、第1のプレート12の他端部側に一端部が回動可能に取付けられた腕状の第2のプレート16と、この第2のプレートの他端部側にネジ棒11と平行に固定され、先端部にベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に接触する接触子19を有するガイド棒20とからオイルシール下半部支持回転工具10を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の軸受装置におけるベアリングブラケット内の回転軸端側に設けられる2分割のオイルシール下半部の組立及び分解時に使用されるオイルシール下半部ガイド用回転工具とこの工具を用いたオイルシール下半部の組立及び分解方法に関する。
水素冷却型タービン発電機等の回転電機の回転軸を支承する軸受装置は、ベアリングブラケット内の回転軸端側にシール部材をシールケーシングに収めたオイルシールが設けられている。
このような軸受装置においては、オイルシールの劣化によりシール効果が損なわれると、オイルや機内の冷却用水素ガスが回転軸との隙間から漏洩するため、オイルシールを分解して新たなオイルシールと交換し、再度組立てる必要がある。
ところで、従来の2分割されたオイルシール下半部の組立及び分解方法としては、次のようにして行っていた。
図4は、従来のオイルシールの組立及び分解方法を説明するための概略的な模式図を示すもので、ここでは2分割のオイルシール下半部を分解して取外した後、新たなオイルシール下半部を取付ける場合について述べる。すなわち、図4に示すように図示しない支持台に支持された回転軸1にシール部材を収めたシールケーシング下半部2bを取付ける際、シールケーシング下半部2bを図示しないワイヤにより吊上げた状態で、シールケーシング下半部2bの一端部に取付けられたオイルシール回転工具4によりシールケーシング下半部2bを回転軸1の表面に沿って周方向に回転させ、オイルシール下半部2を取付ける作業を行っていた。
しかし、シールケーシング下半部2bを回転軸1の表面に沿って周方向に回転させるとき、吊りバランスが悪いと、オイルシール下半部2が回転軸1に対して傾きが生じ、この傾き角度が著しく大きくなると図5に示すようにシール部材2aやシールケーシング下半部2bの内周面及び回転軸1の表面を損傷する場合がある。
そこで、図4に示すように図示しないベアリングブラケットの室内のベアリング座5とシールケーシング2b下半部との間隙に複数本の角材3を挿入してオイルシールケーシング下半部2bが回転軸1に対し傾かないように押付けながら吊りバランスをとるようにしていた。
なお、オイルシール下半部の分解方法については、上述した組立方法とほぼ同様の作業手順なので、ここではその説明を省略する。
因みに、オイルシールの組立方法としては、保護缶と、この保護缶の軸方向端面に摺動自在に接触するリップ部を備えたオイルシール本体とを組付けるオイルシールを対象としたものはあるが(例えば、特許文献1)、回転電機の回転軸を支承する軸受装置のオイルシールを対象とするものではない。
特願平9−079385号公報
しかし、このような従来のオイルシール下半部の組立及び分解方法では、回転軸1にオイルシール下半部2を取付ける際、ベアリングブラケットの室内のシールケーシング下半部2bとベアリング座5との間隙に複数本の角材3を挿入してオイルシール下半部2が回転軸に対して傾かないように吊りバランスを図らなければならないため、多くの手間と時間がかかり、作業性が悪いという問題がある。
本発明は上記のような問題を解消するためになされたもので、角材を用いずに回転軸に対してオイルシール下半部が傾かないように吊りバランスを簡単且つ容易に図ることができ、安定した作業を行うことができるオイルシール下半部ガイド用回転工具とこの工具を用いたオイルシール下半部の組立及び分解方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、次のようなオイルシール下半部ガイド用回転工具を構成し、この工具を用いて次のような方法でオイルシール下半部を組立及び分解するものである。
請求項1に対応する発明は、回転電機の軸受装置におけるベアリングブラケット内の回転軸端側に設けられる2分割のオイルシール下半部の組立及び分解時に用いられる工具であって、前記オイルシール下半部のシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴に螺挿して取付けられるネジ棒と、このネジ棒に一端部に有する貫通孔を挿通させて一対のナットにより適宜位置に固定される第1のプレートと、前記ネジ棒の他端部側に螺挿され吊り掛けられる回転補助ロープの軸方向移動を拘束するフランジ付きナットと、前記第1のプレートの他端部側に一端部が回動可能に取付けられた第2のプレートと、この第2のプレートの他端部側に前記ネジ棒と平行に固定され、先端部にベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に接触させる接触子を有するガイド棒とからオイルシール下半部支持回転工具を構成する。
請求項2に対応する発明は、請求項1記載のオイルシール下半部支持回転工具を用いて回転電機の軸受装置における2分割のオイルシール下半部を組立てるに際して、前記オイルシール下半部支持回転工具におけるネジ棒の一端部側のネジ部をオイルシール下半部のオイルシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴に螺挿して取付けて、ベアリングブラケット内の回転軸の周面上にオイルシール下半部を仮置きする第1のステップと、この第1のステップにより回転軸の周面に沿って配置されたオイルシール下半部の一端部にオイルシール回転工具を取付ける第2のステップと、前記オイルシール下半部支持回転工具の前記一対のナットを緩めて前記第1のプレートを前記ネジ棒上の適宜位置に移動させる共に、前記第2のプレートを適宜角度回動させ、前記ガイド棒の先端部に有する接触子をベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に押し当てて接触させ、この位置でナットを締付けて第1のプレート及び第2のプレートを固定する第3のステップと、前記シール下半部支持回転工具におけるネジ棒の他端部側に螺挿されているフランジ付きナットの内側に回転補助ロープを掛けて常に上方に吊上げるように作用させる第4のステップと、前記オイルシール回転工具により前記シールケーシングを回転軸の表面に沿って回動させることにより、前記オイルシール下半部支持回転工具のガイド棒の先端部に有する接触子を前記ベアリング座の側面壁をガイドにして接触移動させ、且つ前記回転補助ロープにより常に上方に吊上げてバランスをとりながらオイルシール下半部を組立てる第5のステップとからなる。
請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する発明のオイルシール下半部支持回転工具を用いて回転電機の軸受装置におけるオイルシールを分解するに際して、前記ベアリングブラケット内の回転軸の周面上に取付けられたオイルシールの下半部のオイルシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴にオイルシール下半部支持回転工具におけるネジ棒の一端部側のネジ部を螺挿する第1のステップと、この第1のステップにより回転軸の周面に沿って配置されているオイルシールの下半部の一端部にオイルシール回転工具を取付ける第2のステップと、前記オイルシール下半部支持回転工具の前記一対のナットを緩めて前記第1のプレートを前記ネジ棒上の適宜位置に移動させる共に、前記第2のプレートを適宜角度回動させ、前記ガイド棒の先端部に有する接触子をベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に押し当てて接触させ、この位置でナットを締付けて第1のプレート及び第2のプレートを固定する第3のステップと、前記シール下半部支持回転工具におけるネジ棒の他端部側に螺挿されているフランジ付きナットの内側に回転補助ロープを掛けて常に上方に吊上げるように作用させる第4のステップと、前記オイルシール回転工具により前記シールケーシングを回転軸の表面に沿って回動させることにより、前記オイルシール下半部支持回転工具のガイド棒の先端部に有する接触子を前記ベアリング座の側面壁をガイドに接触移動させ、且つ前記回転補助ロープにより常に上方に吊上げてバランスをとりながらオイルシール下半部を分解する第5のステップとからなる。
本発明によれば、角材を用いずに回転軸に対してオイルシール下半部が傾かないように吊りバランスを簡単且つ容易に図ることができ、安定した作業を行うことができる。
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1はオイルシールの組立及び分解時に使用されるオイルシール下半部ガイド用回転工具を示す構成図である。
図1に示すオイルシール下半部支持回転工具10は、適宜長さのネジ棒11と、このネジ棒11に一端部に有する貫通孔を挿通させて設けられた腕状の第1のプレート12と、この第1のプレート12をその両側からネジ棒11の適宜位置に固定する一対のナット13と、ネジ棒11の他端部側に螺挿されたフランジ付きナット14と、第1のプレート12の他端部側に一端部が回動可能にボルト15により取付けられた腕状の第2のプレート16と、この第2のプレート16の他端部側にボルト17及びナット18によりネジ棒11と平行に固定され、先端部に例えばテフロン(登録商標)からなる接触子19を有するガイド棒20とから構成されている。
次にこのような構成のオイルシール下半回転工具10を用いてオイルシールの組立及び分解方法を図2及び図3により説明するに、ここではオイルシールを分解して取外した後、新たなオイルシールを取付ける場合について述べる。
図2はオイルシールの組立方法を説明するための概略的な模式図である。
まず、オイルシール下半部支持回転工具10におけるネジ棒11の一端部側のネジ部をオイルシール下半部のオイルシールケーシング2bに有するシールケーシング吊用のネジ穴に螺挿して取付け、この状態で図3に示すようにベアリングブラケット21内の回転軸1の周面上にオイルシール下半部2を仮置きする。
さらに、回転軸1の周面に沿って配置されたオイルシール回転工具4をオイルシール下半部2の一端部に取付ける。
次にオイルシール下半部支持回転工具10において、一対のナット13を緩めて第1のプレート12をネジ棒11上の適宜位置に移動させる共に、ボルト15を中心に第2のプレート16を適宜角度回動させ、ガイド棒20の先端部に有する接触子19を図3に示すようにベアリングブラケット21内のベアリング座22の側面壁23に押し当てて接触させ、この位置でナット13を締付けて第1のプレート12及び第2のプレート16を固定する。
また、シール下半部支持回転工具10におけるネジ棒11の他端部側に螺挿されているフランジ付きナット14の内側に回転補助ロープ24を掛けて常に上方に吊上げるように作用させる。
このような状態でシールケーシング2bの一端部に取付けられたオイルシール回転工具4によりシールケーシング2bを回転軸1の表面に沿って周方向に回動させると、オイルシール下半部支持回転工具10のガイド棒20の先端部に有する接触子19は、シールケーシング2bの回動に連動してベアリング座22の側面壁23にガイドされながら接触した状態で移動する。
このとき、シール下半部支持回転工具10におけるネジ棒11は、回転補助ロープ24により常に上方に吊上げるように作用しているので、オイルシール2は回転軸1に対して傾くことなく、常に平行に安定した状態に維持される。
従って、オイルシール下半部支持回転工具10を用いることにより回転軸1に対してオイルシール2の傾きを防ぐことができるので、吊りバランスを簡単且つ容易に図ることができ、シール部材2aやシールケーシング2bの内周面及び回転軸1の表面を損傷することなく、安定した組立作業を行うことができる。
なお、上記ではオイルシール下半部の組立方法について述べたが、オイルシール下半部を分解する場合にも、上述したシール下半部支持回転工具10を用いて組立方法とほぼ同様の作業手順でオイルシールを取外すことにより、安定した分解作業を行うことができる。
本発明の第1の実施形態を示すオイルシール下半部ガイド用回転工具を示す構成図。 同実施形態のオイルシール下半部ガイド用回転工具を用いてオイルシール下半部の組立方法を説明するための外観図。 同じくオイルシール下半部ガイド用回転工具のガイド棒の先端部に有する接触子をベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に押し当てて接触させた状態を示す断面図。 従来のオイルシール下半部の取付け・取外し作業状況を説明するための模式図。 同作業において、オイルシールが傾いた状態を示す図。
符号の説明
1…回転軸、2…オイルシール下半部、2a…シール部材、2b…オイルシールケーシング下半部、4…オイルシール回転工具、10…オイルシール下半部支持回転工具、11…ネジ棒、12…第1のプレート、13,18…ナット、14…フランジ付きナット、15,17…ボルト、16…第2のプレート、19…接触子、20…ガイド棒、21…ベアリングブラケット、22…ベアリング座、23…側面壁、24…回転補助ロープ

Claims (3)

  1. 回転電機の軸受装置におけるベアリングブラケット内の回転軸端側に設けられる2分割のオイルシール下半部の組立及び分解時に用いられる工具であって、
    前記オイルシール下半部のシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴に螺挿して取付けられるネジ棒と、
    このネジ棒に一端部に有する貫通孔を挿通させて一対のナットにより適宜位置に固定される第1のプレートと、
    前記ネジ棒の他端部側に螺挿され吊り掛けられる回転補助ロープの軸方向移動を拘束するフランジ付きナットと、
    前記第1のプレートの他端部側に一端部が回動可能に取付けられた第2のプレートと、
    この第2のプレートの他端部側に前記ネジ棒と平行に固定され、先端部にベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に接触させる接触子を有するガイド棒と
    からなるオイルシール下半部支持回転工具。
  2. 請求項1記載のオイルシール下半部支持回転工具を用いて回転電機の軸受装置における2分割のオイルシール下半部を組立てるに際して、
    前記オイルシール下半部支持回転工具におけるネジ棒の一端部側のネジ部をオイルシール下半部のオイルシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴に螺挿して、ベアリングブラケット内の回転軸の周面上にオイルシール下半部を仮置きする第1のステップと、
    この第1のステップにより回転軸の周面に沿って配置されたオイルシール下半部の一端部にオイルシール回転工具を取付ける第2のステップと、
    前記オイルシール下半部支持回転工具の前記一対のナットを緩めて前記第1のプレートを前記ネジ棒上の適宜位置に移動させる共に、前記第2のプレートを適宜角度回動させ、前記ガイド棒の先端部に有する接触子をベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に押し当てて接触させ、この位置でナットを締付けて第1のプレート及び第2のプレートを固定する第3のステップと、
    前記シール下半部支持回転工具におけるネジ棒の他端部側に螺挿されているフランジ付きナットの内側に回転補助ロープを掛けて常に上方に吊上げるように作用させる第4のステップと、
    前記オイルシール回転工具により前記シールケーシングを回転軸の表面に沿って回動させることにより、前記オイルシール下半部支持回転工具のガイド棒の先端部に有する接触子を前記ベアリング座の側面壁をガイドに接触移動させ、且つ前記回転補助ロープにより常に上方に吊上げてバランスをとりながらオイルシール下半部を組立てる第5のステップとからなる
    回転電機の軸受装置におけるオイルシール組立方法。
  3. 請求項1記載のオイルシール下半部支持回転工具を用いて回転電機の軸受装置における2分割のオイルシール下半部を分解するに際して、
    前記ベアリングブラケット内の回転軸の周面上に取付けられたオイルシール下半部のオイルシールケーシングに有するシールケーシング吊用のネジ穴にオイルシール下半部支持回転工具におけるネジ棒の一端部側のネジ部を螺挿する第1のステップと、
    この第1のステップにより回転軸の周面に沿って配置されているオイルシール下半部の一端部にオイルシール回転工具を取付ける第2のステップと、
    前記オイルシール下半部支持回転工具の前記一対のナットを緩めて前記第1のプレートを前記ネジ棒上の適宜位置に移動させる共に、前記第2のプレートを適宜角度回動させ、前記ガイド棒の先端部に有する接触子をベアリングブラケット内のベアリング座の側面壁に押し当てて接触させ、この位置でナットを締付けて第1のプレート及び第2のプレートを固定する第3のステップと、
    前記シール下半部支持回転工具におけるネジ棒の他端部側に螺挿されているフランジ付きナットの内側に回転補助ロープを掛けて常に上方に吊上げるように作用させる第4のステップと、
    前記オイルシール回転工具により前記シールケーシングを回転軸の表面に沿って回動させることにより、前記オイルシール下半部支持回転工具のガイド棒の先端部に有する接触子を前記ベアリング座の側面壁をガイドに接触移動させ、且つ前記回転補助ロープにより常に上方に吊上げてバランスをとりながらオイルシール下半部を分解する第5のステップとからなる
    回転電機の軸受装置におけるオイルシール分解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112919368A (zh) * 2021-03-30 2021-06-08 广西武宣东磊矿业有限公司 一种用于振动筛振动电机安装的辅助装置
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CN115256308A (zh) * 2022-08-02 2022-11-01 广西电网有限责任公司北海供电局 一种带电配合拆除隔离刀闸装置

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