JP2009249233A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン単結晶の品質評価に使用したのち廃棄されている評価使用済みサンプルを、単結晶育成時の原料またはドーパントとして使用する方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の育成時に、評価使用済みサンプル12を前記シリコン単結晶育成用の原料または精製原料育成用の原料として使用する。ドーパントとして使用することもできる。前記精製原料を溶融して、再度チョクラルスキー法による引き上げを行い、高純度のシリコン単結晶を育成できる。評価使用済みサンプルの抵抗値が既知であることを利用し、育成されるシリコン単結晶の品質(抵抗率)を正確にコントロールして、所望の抵抗率の単結晶育成が可能である。また、評価使用済みサンプルを石英ルツボの底に敷き詰めることにより、大型原料の投入によるルツボの割れや疵発生の危険性を著しく低減させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によるシリコン単結晶の育成方法に関し、詳しくは、シリコン単結晶インゴットの品質評価に使用したのち廃棄されている品質評価サンプルを回収し、結晶育成のための原料として用いるシリコン単結晶の育成方法に関する。
CZ法によるシリコン単結晶の育成方法は、ルツボ内に結晶用シリコン原料を充填して溶融し、その溶融液に浸漬した種結晶を回転させながら引き上げることにより、種結晶の下端にシリコン単結晶を成長させる方法であり、半導体基板に用いられるシリコン単結晶を製造する方法として広く採用されている。
シリコン単結晶の引き上げを行う際には、引き上げ速度を調節して種結晶の径を減少させ、ネック部を形成するネッキングプロセス(工程)を経た後、引き上げ速度を低下させ、結晶径を徐々に増大させて肩部を形成し、定径部(直胴部)の引き上げに移行する。直胴部が所定長さに達した後、結晶径を徐々に減少させてテール部を形成し、最先端部を溶融液から引き離すことにより所定形状のシリコン単結晶を得ている。
このようにして引き上げられたシリコン単結晶は、製品としてウェーハ加工工程へ送られ、その肩部およびテール部が除去されて得られる直胴部のみがウェーハの加工に使用されている。
前記除去された肩部およびテール部は、通常の抵抗率のシリコン単結晶については、それらが高純度であることから、再度半導体用シリコン単結晶の原料として再利用されている。一方、ドーパント不純物を多く含む、抵抗率が0.1Ωcm以下のシリコン単結晶インゴットで発生する不要部分(肩部、テール部、結晶欠陥を有する部分等)は廃棄されていた。この低抵抗率の単結晶はエピタキシャルウェーハの基板など特定の用途に用いられることが多く、通常の抵抗率のシリコン単結晶の原料としては再利用し難いためである。
これに対し、特許文献1では、前記抵抗率が0.1Ωcm以下のシリコン単結晶インゴットで発生する不要部分を、同じドーパント不純物を多く含ませる低抵抗率結晶用の原料として用いることにより再利用を図る方法が提案されている。すなわち、前記不要部分を含む原料をルツボで溶融し、再度CZ法により抵抗率0.1Ωcm以下の単結晶を製造する方法である。
ところで、前記シリコン単結晶の肩部およびテール部を除去して得られた直胴部は、その片側もしくは両側部分から、一枚の厚みが3mm程度以下の薄い品質評価サンプルが切り出され、品質評価が行われている。この品質評価サンプルの枚数は、昨今のユーザーからの品質要求、評価項目の多様化に伴い増加の一途を辿り、製品としての直胴部に対する品質評価サンプルの割合も無視できないほど大きくなってきている。しかしながら、評価に使用した後のサンプル(以下、「評価使用済みサンプル」という)は、再利用されることなく廃棄されている。
シリコン単結晶の育成の過程で排出される不要(廃棄)部分の再利用については、前述のように、可能なものから進められてきている。前記評価使用済みサンプルについても有効な再利用方法が確立されれば、製造コストの低減の観点からも望ましいと考えられるが、評価使用済みサンプルの効果的な再利用方法は未だ確立されていない。
なお、特許文献2には、p型、n型両ドーパントを添加して長さ方向全域にわたり均一な抵抗率をもったシリコン単結晶を育成する方法が記載されている。後に、これを引用して評価使用済みサンプルの再利用について言及する。
特開2004−224582号公報 特開2003−137687号公報
本発明は、前述の状況に鑑み、シリコン単結晶の育成ならびにその品質評価に伴い発生する不要(廃棄)部分の有効な再利用を図ることを意図してなされたもので、その目的は、シリコン単結晶の直胴部の品質評価に使用したのち廃棄されている評価使用済みサンプルを、シリコン単結晶育成用の原料として、またはドーパントとして使用するシリコン単結晶の育成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するにあたり、シリコン単結晶の直胴部の品質評価に使用した後の評価使用済みサンプルについて、その抵抗率が既知であること、および、形状がほぼ一定で、3mm程度以下(多くは、1mm程度)の厚みを有し、割れ易いという形状特性を有していることに着目した。
抵抗率が判っているので、例えば、評価使用済みサンプルをシリコン単結晶育成用の原料として用いた場合、その原料に含まれるドーパント量を算出することができ、そのドーパントの偏析係数を考慮することによって、育成する単結晶に含まれるドーパント量がわかり、その単結晶の抵抗率を正確に知ることができる。
また、抵抗率が50〜1000Ωcm程度の高抵抗のシリコン単結晶を育成する場合や、p型、n型両ドーパントを添加して引き上げ長さ方向全域にわたり所定の抵抗率をもったシリコン単結晶を育成する場合においては、高純度のシリコンを原料として使用し、所定の抵抗率をもつように少量のボロン(B)、リン(P)などをドーパントとして添加するが、このドーパントに代えて評価使用済みサンプルを使用することもできる。評価使用済みサンプルの抵抗率から、添加されるドーパント量を算出できるので、育成する単結晶の抵抗率を知ることができ、評価使用済みサンプルの添加量を調節することによって育成単結晶の抵抗率のコントロールが可能となる。
さらに、厚みが3mm程度以下で、割れ易いという形状特性を利用して、評価使用済みサンプルをシリコン単結晶育成の原料として用いる際に、前記サンプルを適度の大きさに割り、石英ルツボの底に敷き詰めることによって、その後に投入する通常の大型原料によるルツボの割れや疵発生の危険性を著しく低減させることができる。
本発明は、このような着想ならびに実機での検討に基づきなされたもので、その要旨は、下記(1)または(2)のシリコン単結晶の育成方法にある。
(1)CZ法によるシリコン単結晶の育成時に、品質評価サンプル部位を前記シリコン単結晶育成用の原料または精製原料育成用の原料として使用することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
前記の「品質評価サンプル部位」とは、シリコン単結晶の直胴部の品質を評価するためのサンプルとして直胴部から3mm程度以下の厚みで切り出された部位を指す。前述のとおり、この切り出され、品質評価に供された部位(すなわち、評価に使用された後の品質評価サンプル)を「評価使用済みサンプル」という。
(2)CZ法によるシリコン単結晶の育成時に、品質評価サンプル部位をドーパントとして使用することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
前記(1)または(2)のシリコン単結晶の育成方法において、品質評価サンプル部位を石英ルツボ底に敷き詰める実施形態を採ることができる。本発明の望ましい実施形態である。
前記(1)に記載の育成方法により得られた精製原料を溶解してCZ法によりシリコン単結晶を育成することとすれば、極めて高純度のシリコン単結晶を製造することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、シリコン単結晶の直胴部の品質評価に使用したのち廃棄されている評価使用済みサンプルを、シリコン単結晶育成用の原料として、また、高抵抗のシリコン単結晶を育成する場合等におけるドーパントとして使用することができる。個々の評価使用済みサンプルの抵抗率がわかっているので、育成されるシリコン単結晶の抵抗率を正確に知ることができ、評価使用済みサンプルを原料として、またはドーパントとして使用するという簡便な手法により、育成されるシリコン単結晶の品質(抵抗率)の的確性を高めることが可能である。
また、ルツボへの投入時に、評価使用済みサンプルを石英ルツボの底に敷き詰めること、望ましくは前記サンプルを適度の大きさに割って敷き詰めることにより、その後に通常のシリコン原料に含まれる大型原料が投入されても、ルツボの割れや疵発生の危険性を著しく低減させることができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法の一つは、前記(1)に記載の育成方法であり、CZ法によるシリコン単結晶の育成時に、評価使用済みサンプルを前記シリコン単結晶育成用の原料または精製原料育成用の原料として使用することを特徴とする方法である。
CZ法によるシリコン単結晶の育成は、例えば、図1に示した引き上げ装置を用い、次のようにして行うことができる。
この装置は、チャンバー(図示せず)の中心部に、有底円筒状をなす石英ルツボ1aと、その石英ルツボ1aの外側を保持する黒鉛ルツボ1bとで構成されたルツボ1が配設され、ルツボ1の外側には抵抗加熱式ヒーター2が概ね同心円状に配設されている。ルツボ1は回転および昇降が可能な支持軸6の上端部に固定されている。ルツボ1の中心軸上には、支持軸6と同一軸上で逆方向または同方向に所定の速度で回転する引き上げ軸5が配設されており、引き上げ軸5の下端には種結晶7が保持されている。
このような引き上げ装置を用いてシリコン単結晶の育成を行う際には、石英ルツボ1a内にシリコン単結晶育成用の原料を投入し、減圧下の不活性ガス雰囲気中でこの原料をルツボ1の周囲に配設したヒーター2で溶融し、融液3とする。このとき、育成されるシリコン単結晶が所望の抵抗率を持つように、ドーパントを添加する。続いて、融液3の表面に、引き上げ軸5の下端に保持された種結晶7を浸漬し、ルツボ1および引き上げ軸5を回転させつつ引き上げ軸5を上方に引き上げて、種結晶7の下端面に単結晶4を成長させる。
前記(1)に記載のシリコン単結晶の育成方法では、このCZ法によるシリコン単結晶の育成時に、シリコン単結晶育成用の原料として、または精製原料育成用の原料として、評価使用済みサンプルを使用するのである。
評価使用済みサンプルをシリコン単結晶育成用の原料として使用する場合は、引き上げられる単結晶(インゴット)は、製品としてウェーハ加工工程へ送られる。一方、精製原料育成用の原料として使用する場合は、引き上げられる単結晶(インゴット)は、製品としては用いず、例えば、後述するように、シリコン単結晶育成用の原料として使用する。
評価使用済みサンプルのそれぞれの抵抗率が既知であり、その抵抗率から求められるドーパント量の合計から原料として使用される全評価使用済みサンプルに含まれるドーパント量がわかる。これにより、シリコン単結晶育成用、精製原料育成用のいずれの原料として使用する場合であっても、ドーパントの偏析係数を考慮することによって、引き上げられる単結晶に含まれるドーパント量がわかり、その単結晶の抵抗率を正確に知ることができる。
したがって、評価使用済みサンプルを適宜組み合わせ、あるいは評価使用済みサンプルと通常のシリコン原料とを組み合わせることにより、育成されるシリコン単結晶の抵抗率を正確にコントロールすることができ、所望の抵抗率のシリコン単結晶を育成することが可能となる。
図2は、本発明のシリコン単結晶の育成方法の一実施形態の概略工程例を示す図である。図示するように、引き上げられた単結晶の肩部8およびテール部9が除去されて得られる直胴部10の両側部分から、厚みが3mm程度以下の薄い品質評価サンプル11が切り出され、品質評価に供された後、石英ルツボ1a内に投入される。なお、品質評価サンプル11が切り出される部位は、直胴部10の両側部分に限らず、片側部分の場合もあり、必要に応じそれら以外の部分から切り出される場合もある。また、図示していないが、実際には、評価使用済みサンプルとして一時保管されたのち投入されることになる。
ルツボ1a内に投入された評価使用済みサンプル12は、減圧下の不活性ガス雰囲気中で、ルツボ1aの周囲に配設されたヒーター(図示せず)で溶融され、融液13になる。
続いて、融液13の表面に種結晶7を浸漬し、ルツボ1aおよび引き上げ軸5を回転させつつ、引き上げ軸5を上方に引き上げて種結晶7の下端面に単結晶14を成長させる。
評価使用済みサンプルをシリコン単結晶育成用の原料として使用する場合は、製品としてのシリコン単結晶が得られ、精製原料育成用の原料として使用する場合は、不純物の極めて少ない精製原料が得られる。
図2に示した例では、原料として評価使用済みサンプルのみを使用しているが、前述のように、抵抗率をコントロールして所望の抵抗率のシリコン単結晶を育成するために、通常使用しているシリコン原料と混合して使用してもよい。
このように、評価使用済みサンプルの抵抗率が既知であることを最大限に利用して、従来は廃棄されていた評価使用済みサンプルを、シリコン単結晶育成用の原料として、または精製原料育成用の原料として使用するという簡便な手法により、育成されるシリコン単結晶の品質(抵抗率)の的確性を高めることができる。なお、この場合は、副次的に、通常使用しているシリコン原料(高純度多結晶シリコン)の使用量を削減して原料コストを低減するという効果も得られる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法の他の一つは、前記(2)に記載の育成方法で、CZ法によるシリコン単結晶の育成時に、品質評価サンプル部位をドーパントとして使用することを特徴とする方法である。
シリコン単結晶を育成する際、所定の抵抗率をもつ結晶を育成するために、適量のドーパントをシリコン融液内に添加するが、低抵抗率の結晶の場合を除いて、その量は極めて少量である。特に、高抵抗のシリコン単結晶を育成する場合や、p型、n型両ドーパントを添加して引き上げ長さ方向全域にわたり所定の抵抗率をもったシリコン単結晶を育成する場合においては、高純度のシリコン融液に添加するドーパントに代えて、評価使用済みサンプルを少量(例えば、数枚程度)使用することが可能である。
前述のように、評価使用済みサンプルのそれぞれの抵抗率(すなわち、ドーパント量)が既知であり、ドーパントとして添加する評価使用済みサンプル量から、ドーパントの偏析係数を考慮することによって、引き上げられる単結晶に含まれるドーパント量(すなわち、抵抗率)を正確に算出することができる。したがって、シリコン融液に添加する評価使用済みサンプル量を加減することにより引き上げられる単結晶の抵抗率をコントロールすることができ、高抵抗のシリコン単結晶を容易に製造することができる。
また、品質評価サンプル部位のドーパントとしての使用は、引き上げ長さ方向全域にわたり所定の抵抗率をもったシリコン単結晶の育成時においても行うことができる。
引き上げ長さ方向全域にわたり所定の抵抗率をもったシリコン単結晶は、例えば、前掲の特許文献2に記載されるように、主添加剤として含有されるボロンの絶対濃度(atoms/cc)の25〜35%に相当するリンを添加したシリコン融液から、CZ法によりp型シリコン単結晶を育成することにより得られる。これは、ドーパントがボロンのみであれば、引き上げ長さが長くなるに伴い結晶に取り込まれるボロン量が増大して抵抗率が低下するが、リンを添加しておくことにより、ボロンにより発生した空孔とリンにより発生した電子が打ち消し合うため、抵抗率の低下が妨げられることによるものである。
この場合も、ボロンやリンの添加量は僅かであり、抵抗率が既知の評価使用済みサンプル(ボロン含有サンプルおよびリン含有サンプル)を使用することにより抵抗率をコントロールして、所定の抵抗率をもったシリコン単結晶とすることが可能になる。
このように、評価使用済みサンプルをドーパントとして使用することにより、高抵抗のシリコン単結晶など、所定の特性を備えたシリコン単結晶を製造するに際して、簡便な方法で、的確に品質(抵抗率)を確保することが可能となる。
前記(1)または(2)に記載のシリコン単結晶の育成方法において、評価使用済みサンプルを石英ルツボ底に敷き詰める実施形態を採ることができる。
石英ルツボ内に通常のシリコン原料が投入されると、その原料に含まれる大型原料の角の部分がルツボの底部分に当たって点接触の状態になりやすく、ルツボに割れや疵を生じさせるおそれがある。
この場合、評価使用済みサンプルを石英ルツボ底に敷き詰めることにより、石英ルツボ底に対して点接触ではなく、線や面で接触する部分が多くなるので、その後に通常のシリコン原料に含まれる大型原料が投入されても、その角部が直接石英ルツボ底に接触することがなく、ルツボの割れや疵発生の危険性を著しく低減させることができる。なお、品質評価サンプル部位をドーパントとして使用する場合は、ルツボ内へ投入するサンプル量は僅かであるが、それでも投入するサンプル量に応じた効果が期待できる。
前述のように、評価使用済みサンプルは、厚みが3mm程度以下で、割れ易いという形状面での特性を有しているので、この特性を利用して、評価使用済みサンプルを適度の大きさに割り、石英ルツボの底に敷き詰めることとすれば、その効果はより大きい。なお、評価使用済みサンプルは薄く、割れ易いので、手割りで十分割ることができる。
このように、評価使用済みサンプルを使用する際に、このサンプルを、より望ましくは適度の大きさに割って、石英ルツボ底に敷き詰めておく実施の形態は、評価使用済みサンプルの形状特性を効果的に生かした、前記(1)または(2)に記載の育成方法の望ましい実施形態である。
前記(1)に記載の育成方法およびその実施形態により得られた精製原料を溶解してCZ法によりシリコン単結晶を育成することとすれば、極めて高純度のシリコン単結晶を製造することができる。
前記の「精製原料」とは、評価使用済みサンプルを溶融して、CZ法により育成したシリコン単結晶である。CZ法による結晶引き上げを行うと、不純物元素の偏析現象により結晶中の不純物濃度が低下するので、ここでは「精製原料」と称している。言い換えれば、純化処理した原料である。
前記図2において、破線矢印を付して示した部分がこの実施形態の工程を表している。すなわち、前記育成方法で得られた精製原料(純化処理した原料)を適度の大きさに破砕した精製原料の破砕片15を石英ルツボ1aに装入し、溶融して融液16とし、再度CZ法によりシリコン単結晶17を育成する。このCZ法による育成によって結晶中の不純物濃度はさらに低下するので、極めて高純度の製品としてのシリコン単結晶を製造することができる。
(実施例1)
CZ法によるシリコン単結晶引き上げ装置のチャンバーの中心部に直径22インチ(550mm)の石英ルツボを配置して、直径8インチ(200mm)のシリコン単結晶を育成した。
図3は、シリコン単結晶育成用の原料として評価使用済みサンプルを用いた場合の石英ルツボ内への原料装入状況を模式的に例示する図である。評価使用済みサンプルは、その表面をアルコールで拭いて装入した。
図3(a)はルツボ1a内に評価使用済みサンプル12を3.5kg装入した状態である。(b)その3.5kgを割って、ルツボ1aの底に敷いた状態を示す。(c)はその上に、42kg程度の評価使用済みサンプル12を3箇所に積み重ねた状態である。(d)は積み重ねた評価使用済みサンプル12とルツボ1aとの隙間6箇所にそれぞれ評価使用済みサンプル12aを1kg程度ずつ入れた状態であり、(e)はさらに小片に割った評価使用済みサンプル12bを隙間に7.5kg入れた状態である。なお、図3に示した評価使用済みサンプルの装入状況は一例であって、この装入の仕方に限定されない。
評価使用済みサンプルを石英ルツボ内へ装入した後、ルツボの周囲に配設されているヒーターに送電し、原料の溶融を開始した。溶融終了後は異物の浮遊は認められなかった。溶融実施中、原料は円滑に溶け落ち、融液の飛散もなかった。
溶融が終了した後、通常の条件でシリコン単結晶の引き上げを行い、なんの支障もなく、直径200mm、直胴部長さ約800mmのシリコン単結晶を育成することができた。
(実施例2)
CZ法によるシリコン単結晶引き上げ装置のチャンバーの中心部に直径22インチ(550mm)の石英ルツボを配置して、直径200mm、直胴部長さ815mmのシリコン単結晶を育成した。
原料には、通常使用しているシリコン原料(高純度多結晶シリコン)に評価使用済みサンプルを混合して使用した。その際、軸方向結晶成長長さが0mmの部位で抵抗率が5.5Ωcm(ボロン濃度:2.453×1015atoms/cc)となるように評価使用済みサンプルを配合した。
具体的には、各評価使用済みサンプルの抵抗率からボロンの濃度を算出し、その合計が、2.453×1015atoms/ccをボロンの偏析係数0.8で除した値である3.07×1015atoms/ccとなるように評価使用済みサンプルと高純度多結晶シリコンを配合した。なお、評価使用済みサンプルの配合量は73kgであった。
育成後のシリコン単結晶の軸方向結晶成長長さ0mm部位(トップ)における中心位置(センター)での抵抗率を測定したところ、5.6Ωcmであった。
さらに、育成後のシリコン単結晶の軸方向結晶成長長さ255mm、535mmおよび815mm(テール)の各部位における、センター、単結晶側面の内側5mm位置(in5(i)と記す)およびin5(i)と軸対称にある側面の内側5mm位置(in5(ii)と記す)での抵抗率を測定した。
表1に測定結果をまとめて示す。同表において、抵抗率は、下記式で与えられる不純物(この場合はボロン)濃度に対応して求められる単結晶の抵抗率である。軸方向の各測定位置別に、センター、in5(i)およびin5(ii)における抵抗率のばらつきの程度を偏析として表している。なお、下記式において、CSは引き上げられた単結晶の不純物濃度、C0は融液中の不純物の初期濃度、gは引上率、Kは不純物の偏析係数である。
S=C0K(1−g)K-1
Figure 2009249233
表1に示されるように、センター、in5(i)およびin5(ii)における抵抗率のばらつきは、シリコン単結晶の軸方向全長にわたって、偏析0.818〜0.895であった。この抵抗率のばらつき程度は、ルツボ内に装入する原料全てを通常の原料である高純度多結晶シリコンとし、通常使用されるドーパントを添加して、育成されるシリコン単結晶の抵抗率をコントロールする際の抵抗率のばらつきと同等であった。
以上述べた実施例により、評価使用済みサンプルを原料として使用しても、通常の条件で、支障なくシリコン単結晶の育成を行えること、また、評価使用済みサンプルを原料として使用することにより、育成されるシリコン単結晶の抵抗率を正確にコントロールして、所望の抵抗率のシリコン単結晶を育成できることが確認できた。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、シリコン単結晶の直胴部の品質評価に使用したのち廃棄されている評価使用済みサンプルを、シリコン単結晶育成用の原料として、また、高抵抗のシリコン単結晶等を育成する場合等におけるドーパントとして使用することができ、しかも、評価使用済みサンプルの抵抗値が既知であることを利用して、育成されるシリコン単結晶の品質(抵抗率)を正確にコントロールして所望の抵抗率のシリコン単結晶を育成することができる。
また、評価使用済みサンプルの形状特性を利用し、ルツボへの投入時に、評価使用済みサンプルを石英ルツボの底に敷き詰めることにより、その後に通常のシリコン原料に含まれる大型原料が投入されても、ルツボの割れや疵発生の危険性を著しく低減させることができる。
したがって、本発明のシリコン単結晶の育成方法は、半導体基板材料の製造分野において有効に利用することができる。
CZ法によるシリコン単結晶の引き上げ方法を実施するのに適した引き上げ装置の要部構成を模式的に示す図である。 本発明のシリコン単結晶の育成方法の一実施形態の概略工程例を示す図である。 シリコン単結晶育成用の原料として評価使用済みサンプルを用いた場合の石英ルツボ内への原料装入状況を模式的に例示する図である。
符号の説明
1:ルツボ、1a:石英ルツボ、1b:黒鉛ルツボ
2:ヒーター
3:融液
4:シリコン単結晶
5:引き上げ軸
6:支持軸
7:種結晶
8:肩部
9:テール部
10:直胴部
11:品質評価サンプル
12、12a、12b:評価使用済みサンプル
13:融液
14:シリコン単結晶
15:精製原料の破砕片
16:融液
17:シリコン単結晶

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の育成時に、
    品質評価サンプル部位を前記シリコン単結晶育成用の原料または精製原料育成用の原料として使用することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の育成時に、
    品質評価サンプル部位をドーパントとして使用することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  3. 品質評価サンプル部位を石英ルツボ底に敷き詰めることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  4. 請求項1に記載の育成方法により得られた精製原料を溶解してチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
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