JP2009238546A - 微小電気機械スイッチ - Google Patents

微小電気機械スイッチ Download PDF

Info

Publication number
JP2009238546A
JP2009238546A JP2008082145A JP2008082145A JP2009238546A JP 2009238546 A JP2009238546 A JP 2009238546A JP 2008082145 A JP2008082145 A JP 2008082145A JP 2008082145 A JP2008082145 A JP 2008082145A JP 2009238546 A JP2009238546 A JP 2009238546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact
fixed
movable contact
base
arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008082145A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Yoshihara
孝明 吉原
Yoshiki Hayazaki
嘉城 早崎
Takeo Shirai
健雄 白井
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Hiroshi Kawada
裕志 河田
Yosuke Hagiwara
洋右 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2008082145A priority Critical patent/JP2009238546A/ja
Publication of JP2009238546A publication Critical patent/JP2009238546A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Micromachines (AREA)

Abstract

【課題】固定接点と可動接点とを均等な接圧で接触させることができる微小電気機械スイッチを提供することにある。
【解決手段】微小電気機械スイッチは、厚み方向の一面側に可動接点2が設けられた台部10および可撓性を有し台部10をベース基板5上に支持する3本のアーム部11を有した可動接点支持台1と、台部10の上記一面側において可動接点2に対向配置された一対の固定接点3と、3本のアーム部11それぞれに設けられ台部10の可動接点2が一対の固定接点3の両方に接触する形にアーム部11を変形させる3つのアクチュエータ4とを備え、3本のアーム部11は、いずれも同じ形状を有し、台部10の厚み方向に直交する面内において可動接点2を中心とする円Cの径方向に沿う形に配置され、上記面内において隣接するアーム部11間の角度θはいずれも等しく120度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMSスイッチやNEMSスイッチなどの微小電気機械スイッチに関するものである。
従来から、MEMSスイッチや、NEMSスイッチなどの微小電気機械スイッチが種々提案されている。この種の微小電気機械スイッチとしては、特許文献1に示すような高周波信号伝送用の静電マイクロリレーが挙げられる。
特許文献1に示すものは、図9に示すように、ガラス基板110の上面に固定電極120と2本の信号線130とをそれぞれ設けてなる固定基板100と、当該固定基板100に一体化された可動基板200とで構成される。可動基板200は、2つのアンカ210により第1弾性支持部220を介して2つの可動電極230を弾性支持し、その中央部に第2弾性支持部240を介して可動接点部250を弾性支持する構成である。可動接点部250における固定基板100との対向面には絶縁膜260を介して可動接点270が形成される。
上記の静電マイクロリレーは、いわゆる常開型のリレーであって、通常時は可動接点270と2本の信号線130とが非接触であり、2本の信号線130間が遮断されている。このリレーを駆動するにあたっては、可動基板200の可動電極230と固定基板100に形成された固定電極120との間に所定の駆動電圧を印加する。これによって、可動電極230と固定電極120との間に静電引力(クーロン引力)が発生し、2つの可動電極230それぞれが固定基板100側に移動し、また可動電極230の移動に伴って可動接点270も固定基板100側に移動する。その結果、可動接点270が2本の信号線130の両方に接触して、2本の信号線130間が導通される。
特許第3852224号公報
上述したように特許文献1に示す静電マイクロリレーでは、可動接点270の両側それぞれに設けた可動電極230が固定基板100側に移動することによって、可動接点270が固定基板100側に移動する。そのため、一方の可動電極230に生じる静電引力が、他方の可動電極230に生じる静電引力よりも強いときには、可動接点270が傾いた状態で固定基板100側に移動するおそれがある。移動時に可動接点270が傾いていると、可動接点270と信号線130との接圧が均等にならずに、偏りが生じる(例えば、可動接点270における信号線130との接触部分において、接圧が比較的高い部分と比較的低い部分とが生じる)ことがある。このような接圧の偏りは、高周波特性の悪化や、スティッキングなどの原因になるおそれがある。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、固定接点と可動接点とを均等な接圧で接触させることができる微小電気機械スイッチを提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、厚み方向の一面側に可動接点が設けられた台部および当該台部に一端が連結されるとともに他端がベース基板に固定され台部を上記厚み方向に沿った方向に移動自在に支持する可撓性を有する複数本のアーム部を備えた可動接点支持台と、台部の上記一面側において可動接点に対向配置された一対の固定接点と、各アーム部に設けられ台部の可動接点が一対の固定接点の両方に接触する形に各アーム部を各別に変形させる複数のアクチュエータとを備え、各アーム部は、同じ形状を有し、台部の上記厚み方向に直交する面内において可動接点を中心とする円の径方向に沿う形に配置され、アーム部の数は、3の整数倍であり、上記面内において隣接するアーム部間の角度は、いずれも等しいことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、台部を支持するアーム部は同じ形状であり、台部の厚み方向に直交する面内において可動接点を中心とする円の径方向に沿う形に配置されるとともに当該面内において隣接するアーム部間の角度がいずれも等しく、しかもアーム部の数が3の整数倍であるので、アーム部の変形によって台部に作用するモーメントを、1本ではなく2本以上のアーム部で相殺することができるから、アーム部の数が2つや4つである場合に比べれば、台部の移動時に台部が傾き難くなって(可動接点が傾き難くなって)、固定接点と可動接点とを均等な接圧で接触させることができる。その結果、高周波特性の悪化や、スティッキングの発生などを抑制することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記各固定接点とともに上記可動接点に接触されるダミー接点を備え、上記各固定接点およびダミー接点それぞれの上記可動接点との対向面は同一平面上に位置し、上記各固定接点およびダミー接点は、上記可動接点との接触部が、上記面内において上記可動接点を中心とする同一円周上に位置し、当該円周上における接触部間の距離はいずれも等しいことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、可動接点が一対の固定接点だけではなくダミー接点とも接触するので、一対の固定接点のみと接触する場合に比べれば、可動接点と固定接点との接触状態が安定するから、固定接点と可動接点との接圧をより均等にすることができる。その結果、高周波特性の悪化や、スティッキングの発生などをさらに抑制することができる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、上記各固定接点および上記ダミー接点は、上記台部の上記厚み方向において上記各アーム部のいずれとも対向しない形に配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、固定接点またはダミー接点とアーム部に設けたアクチュエータとの容量結合を防止することができる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項の発明において、上記台部において上記可動接点が形成された部位の周辺部は、断面形状がコルゲート状に形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、台部が変形し易くなるから、台部を移動させる際にアクチュエータで消費される電力を低減することができる。
請求項5の発明では、請求項4の発明において、上記周辺部には、上記台部の剛性低下用の空所が形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、台部の剛性を低減して、台部をより変形させ易くすることができるから、台部を移動させる際にアクチュエータで消費される電力をさらに低減することができる。
請求項6の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項の発明において、上記各アーム部の一端は弾性を有するバネ部を介して上記台部に一体に連結されていることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、台部を移動させる際にアクチュエータで消費される電力を低減することができる。
請求項7の発明では、請求項1〜6のうちいずれか1項の発明において、上記アクチュエータは、上記アーム部における上記固定接点側とその反対側との少なくとも一方に形成された下部電極と、当該下部電極における上記アーム部側とは反対側に形成された圧電材料部と、当該圧電材料部における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備え、下部電極と上部電極との間に所定の駆動電圧を印加して圧電材料部を変形させることで上記アーム部を変形させることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、静電引力を利用する場合に比べてアクチュエータの消費電力を低く抑えながらも台部の変位量を大きくすることができるから、可動接点と固定接点との間隔を広げて信号の漏れを低減することができ、アイソレーション特性の向上が図れる。
請求項8の発明では、請求項1〜6のうちいずれか1項の発明において、上記アクチュエータは、上記アーム部における上記固定接点側とその反対側との少なくとも一方に形成された下部電極および当該下部電極における上記アーム部側とは反対側に形成された圧電材料部ならびに当該圧電材料部における下部電極側とは反対側に形成された上部電極を備え、下部電極と上部電極との間に所定の駆動電圧を印加して圧電材料部を変形させることで上記アーム部を変形させる主駆動手段と、上記可動接点支持台における上記固定接点側に形成された可動電極および上記台部の厚み方向において当該可動電極と重なる形に配置された固定電極を備え、可動電極と固定電極との間に所定の駆動電圧を印加して可動電極と固定電極との間に静電引力を発生させることで上記台部を上記一対の固定接点側に移動させる副駆動手段とを有していることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、アクチュエータが、圧電材料部の変形を利用してアーム部を変形させる主駆動手段と、静電引力を利用してアーム部を変形させる副駆動手段とで構成されているので、主駆動手段により台部を移動させることで、静電引力を利用する場合に比べてアクチュエータの消費電力を低く抑えながらも台部の変位量を大きくすることができるから、可動接点と固定接点との間隔を広げて信号の漏れを低減することができ、アイソレーション特性の向上が図れる一方、副駆動手段により可動接点と固定接点との接圧を所望の値に設定することができる。
本発明は、固定接点と可動接点とを均等な接圧で接触させることができるという効果を奏する。
(実施形態1)
本実施形態の微小電気機械スイッチは、例えば、高周波信号の伝送に使用されるMEMSスイッチであり、図1(a)〜(c)に示すように、ベース基板5の一表面側(図1(b)における上面側)に形成された可動接点支持台1を備える。この可動接点支持台1は、厚み方向の一面側(図1(b)における上面側)に可動接点2が設けられた台部10と、当該台部10に一端が固定されるとともに他端がベース基板5に固定され台部10をその厚み方向(図1(b)における上下方向)に沿った方向に移動自在に支持する可撓性を有する複数本(本実施形態では3本)のアーム部11を備える。
さらに、本実施形態の微小電気機械スイッチは、台部10の上記一面側において可動接点2に対向配置された一対の固定接点3と、3本のアーム部11それぞれに設けられ台部10の可動接点2が一対の固定接点3の両方に接触する形にアーム部11を変形させる3つのアクチュエータ4とを備える。
ベース基板5は、例えば絶縁材料(例えばセラミックスやガラスなど)により形成され、上記一表面側に可動接点支持台1が形成される。なお、ベース基板5の上記一表面は平坦な面としている。また図1(a)においてはベース基板5の図示を省略している。
可動接点支持台1は、弾性および絶縁性を有する材料(例えばノンドープのポリシリコン)により形成される。そのため、台部10およびアーム部11それぞれは可撓性を有する。
台部10は、真円(正円)の円盤状に形成される。可動接点2は円形状のものであって、台部10の中央部に形成される。また可動接点2の外周形状と台部10の外周形状とは同心円としている。アーム部11は、ベース基板5の上記一表面に立設された立設片11aと、立設片11aの先端部(図1(b)における上端部)と台部10の縁部とを一体に連結する帯状(長尺の矩形板状)の腕片11bとを一体に備えた断面L字状に形成される。本実施形態の微小電気機械スイッチにおいては、腕片11bの長さ方向と立設片11aの長さ方向とは直交している。
ところで、アーム部11の腕片11bの長さ方向(長手方向)は、台部10の厚み方向に直交する面内(以下、「直交面内」と略す)において、すなわち平面視において可動接点2(可動接点2の中心)を中心とする円Cの径方向(台部10の径方向に等しい方向)に沿った方向と一致させている。また、図1(a)に示すように、上記直交面内において隣接するアーム部11の中心線間の角度(隣接する腕片11bの中心線間の角度)θは、いずれも等しくしている。そのため、上記直交面内において隣接するアーム部11間の角度も全て等しい。なお、本実施形態の微小電気機械スイッチは3本のアーム部11を有するため、角度θは120度である。
このように本実施形態の微小電気機械スイッチにおいては、3本のアーム部11は、いずれも同じ形状を有し、上記円Cの径方向に沿う形に配置され、かつ上記直交面内において隣接するアーム部11間の角度θはいずれも120度であって等しい。そのため、可動接点支持台1の形状は上記直交面内においては3回転対称である。
上述した可動接点支持台1は、例えばベース基板5の上記一表面側に犠牲層(図示せず)を形成し、その後に可動接点支持台1の基礎となる絶縁層(図示せず)を上記犠牲層を覆う形に形成し、さらにその後にフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して上記絶縁材料層を所望の形状にパターニングし、最後に上記犠牲層を除去することによって形成することができる。なお、上述した可動接点支持台1の形成方法はあくまでも一例であり、周知のマイクロマシニング技術などにより形成してもよい。また、可動接点支持台1の材料は上述したノンドープのポリシリコンに限定されず、弾性を有する金属材料を用いてもよい。この場合、表面には絶縁層を形成する必要がある。
固定接点3は、帯状(長尺の矩形板状)に形成されており、一方が入力用の信号線、他方が出力用の信号線として用いられる。一対の固定接点3はベース基板5の上記一表面との間に可動接点支持台1を収納するカバー6に形成される。なお、図1(a),(c)ではカバー6の図示は省略している。
カバー6は、例えば絶縁性基板(一例としてはガラス基板)により形成される。カバー6におけるベース基板5との対向面(図1(b)における下面)には凹所6aが形成される。各固定接点3はカバー6の凹所6aの内底面6bに形成される。また、各固定接点3はカバー6に形成された貫通孔配線6cにより、カバー6における内底面6bとは反対面(図1(b)における上面)に形成された導体パターン7に接続される。このようなカバー6は、凹所6a内に可動接点支持台1を収納する形でベース基板5の上記一表面側に接合される。なお、カバー6とベース基板5との接合は共晶接合やフリット接合により行うことができる。また、カバー6とベース基板5との材料選択により、陽極接合や表面活性化接合なども利用可能である。
ところで、カバー6には上記一対の固定接点3に加えて1つのダミー接点8も形成される。ダミー接点8は一対の固定接点3とともに可動接点2に接触されるものであり、固定接点3と同様に凹所6aの内底面6bに形成される。ダミー接点8は固定接点3と同じ帯状(長尺の矩形板状)に形成される。そのため、各固定接点3およびダミー接点8それぞれの可動接点2との対向面は同一平面上に位置する。
ここで、一対の固定接点3およびダミー接点8それぞれの長さ方向(長手方向)は、図1(a)に示すように、上記円Cの径方向に沿った方向と一致させている。また、図1(a)に示すように、上記直交面内において隣接する固定接点3間の角度、および固定接点3とダミー接点8との間の角度は、いずれも等しくしている(つまり120度である)。さらに、上記直交面内においては、一対の固定接点3およびダミー接点8における可動接点2の中心からの距離はいずれも等しくしている。その上、一対の固定接点3およびダミー接点8は、上記直交面内におけるアーム部11との角度が60度となるように配置され、これによって、台部10の厚み方向において3本のアーム部11のいずれとも対向しないようにしている。このように本実施形態の微小電気機械スイッチにおいては、一対の固定接点3およびダミー接点8は、可動接点2との接触部が上記直交面内において可動接点2を中心とする同一円周上に位置し、かつ当該円周上における接触部間の距離は、当該円周を3等分する距離であっていずれも等しい。
アクチュエータ4は、図1および図2に示すように、アーム部11における固定接点側、すなわちアーム部11の腕片11bの厚み方向の一面側(図1(b)における上面側)に形成された下部電極40aと、当該下部電極40aにおけるアーム部11側とは反対側(図1(b)における上側)に形成された圧電材料部41と、圧電材料部41における下部電極40a側とは反対側(図1(b)における上側)に形成された上部電極42aとを備える。
下部電極40aは、腕片11bにおける台部10側とは反対側の端部に形成される。ここでベース基板5において、各立設片11aが形成される部位の近傍には、第1の絶縁薄膜43が形成されており、この第1の絶縁薄膜43におけるベース基板5側とは反対側(図1(b)における上面側)に、下部電極40a用の導体パターン40bと上部電極42a用の導体パターン42bとが形成される。下部電極40aおよび上部電極42aそれぞれは、アーム部11の立設片11aに形成された接続部40c,42cにより導体パターン40b,42bにそれぞれ接続される。なお、導体パターン42bおよび接続部42cは、下部電極40a等との絶縁性を確保するために第2の絶縁薄膜44上に形成される。
ところで、圧電材料部41は、圧電セラミックス(一例としてはPZT)などの圧電材料(圧電体)により形成された矩形状の薄膜である。この圧電材料部41は、厚み方向に沿った方向が分極軸方向となるように分極処理される。アクチュエータ4は、圧電効果を利用したものであり、下部電極40aと上部電極42aとの間に駆動電圧を印加するにあたっては、圧電材料部41の自発分極が増加するように駆動電圧を印加する。これによって、圧電材料部41は厚み方向において伸び、厚み方向に直交する方向において縮むことになる。したがって、アクチュエータ4を駆動(すなわち、下部電極40aと上部電極42aとの間に所定の駆動電圧を印加)した際には、腕片11bにおける台部10側の端部が固定接点3側に移動するように、腕片11bが変形(湾曲)することになる。なお、本実施形態では、アクチュエータ4として、いわゆるユニモルフ型の圧電アクチュエータを例示しているが、これに限定する趣旨ではない。例えばアクチュエータ4としては、バイモルフ型の圧電アクチュエータを採用することができ、この場合、ユニモルフ型よりも腕片11bの変形量を大きくすることが可能である。また、上記の例では、圧電材料部41の材料として鉛系圧電材料の一種であるPZTを例示しているが、鉛系圧電材料であれば、PZTに限らず、例えば、PZTに不純物を添加したものや、PMN−PZTなどを採用してもよい、また、圧電材料部41の材料は、鉛系圧電材料に限らず、例えば、KNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)や、KN(カリウムナトリウム)、NN(ニオブナトリウム)、KNNに不純物(例えば、Li、Nb、Ta、Sb、Cuなど)を添加したものなどの鉛フリーの圧電材料(無鉛圧電セラミックス)を採用することができる。ここで、上述の鉛系圧電材料や、KNN、KN、NNなどは、AlNやZnOなどに比べて圧電定数が大きい。そのため、圧電材料部41の材料として、上述の鉛系圧電材料や、KNN、KN、NNなどを用いれば、駆動電圧の値が同じであっても、AlNやZnOなどを用いた場合に比べれば、腕片11bの変形量を大きくすることができる。また、圧電材料部41の材料としてKNNなどの鉛フリーの圧電材料を用いれば、環境負荷を低減することができる。
このようなアクチュエータ4の製造方法について簡単に説明する。まず、ベース基板5に第1の絶縁薄膜43および可動接点支持台1を形成した後に、ベース基板5の上記一表面側にスパッタ法や化学気相成長(Chemical Vapor Deposition;CVD)法などを用いて下部電極40aの基礎となる金属層を形成する。その後に、当該金属層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して所望の平面形状にパターニングすることで、下部電極40a、導体パターン40b、および接続部40cを形成する。なお、下部電極40aの基礎となる金属層としては、例えば、Pt層や、Au層などを採用することができる。また、当該金属層としては、Pt/Ti層などの複層構造のものを採用することができる。
下部電極40aを形成した後には、ベース基板5の上記一表面側に、スパッタ法や、CVD法などを利用して圧電材料部41の基礎となる圧電体層を形成する。その後に当該圧電薄膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して所望の平面形状にパターニングすることによって圧電材料部41を形成する。
圧電材料部41を形成した後には、ベース基板5の上記一表面側に、第2の絶縁薄膜44を形成し、この後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して第2の絶縁薄膜44の不要部分を除去して、図1,2に示す構造の第2の絶縁薄膜44を得る。なお、第1の絶縁薄膜43は第2の絶縁薄膜44と同様の方法により形成することができる。また、第1の絶縁薄膜43や第2の絶縁薄膜44の材料としては、SiOなどを採用することができる。
第2の絶縁薄膜44を形成した後には、ベース基板5の上記一表面側にスパッタ法やCVD法などを用いて上部電極42aの基礎となる金属層(例えば下部電極40aの基礎となる金属層と同様の材料が用いられる)を形成する。その後に、当該金属層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して所望の平面形状にパターニングすることで、上部電極42a、導体パターン42b、および接続部42cを形成し、これによって、図1,2に示すアクチュエータ4が得られる。
上述した本実施形態の微小電気機械スイッチは、アクチュエータ4を駆動していない常時は、可動接点2と各固定接点3とがそれぞれ離間しており、一対の固定接点3間は遮断される。そして、アクチュエータ4を駆動すると、上述したようにアーム部11の腕片11bが変形するため、台部10はアーム部11により固定接点3側に近付くように移動させられる。その結果、台部10の可動接点2が一対の固定接点3およびダミー接点8に接触し、一対の固定接点3間が導通する。この後に、アクチュエータ4の駆動を停止すると、アーム部11が変形前の形状に復帰し、台部10がベース基板5側に移動し、その結果、可動接点2が一対の固定接点3より離間して、一対の固定接点3間が遮断される。
そして、本実施形態の微小電気機械スイッチによれば、台部10を支持する3本のアーム部11は同じ形状であり、上記円Cの径方向に沿う形に配置されるとともに上記直交面内において隣接するアーム部11間の角度がいずれも等しく、しかもアーム部11の数が3本であるので、アーム部11の変形によって台部10に作用するモーメントを、1本ではなく2本のアーム部11で相殺することができるから、アーム部11の数が2つや4つである場合に比べれば、台部10の移動時に台部10が傾き難くなって(換言すれば可動接点2が傾き難くなって)、固定接点3と可動接点2とを均等な接圧で接触させることができる。その結果、高周波特性の悪化や、スティッキングの発生などを抑制することができる。
また、可動接点2が一対の固定接点3だけではなくダミー接点8とも接触するので、一対の固定接点3のみと接触する場合に比べれば、可動接点2と固定接点3との片当たりを防止でき、可動接点2と固定接点3との接触状態が安定するから、固定接点2と可動接点3との接圧をより均等にすることができる。その結果、高周波特性の悪化や、スティッキングの発生などをさらに抑制することができる。加えて、一対の固定接点3およびダミー接点8は、台部10の厚み方向において3本のアーム部11のいずれとも対向しない形に配置されているので、固定接点3またはダミー接点8とアーム部11に設けたアクチュエータ4との容量結合を防止することができる。
ところで、上記特許文献1に示す静電マイクロリレーのように高周波信号の伝送に使用されるものでは、接点開放時の信号線間の信号の漏れが問題となる。このような信号の漏れを抑制して、アイソレーション特性を向上する方法としては、接点開放時における可動接点部(可動接点に相当)と信号線(固定接点に相当)との距離を遠く(可動接点と固定接点との間隔を広く)することが提案されている。しかしながら、良好なアイソレーション特性が得られる程度に可動接点と固定接点との間隔を広げた場合、上記特許文献1に示すもののように、静電引力を利用して接点の開閉を行うものでは、駆動時に、可動電極と固定電極との間に比較的大きな電圧(一例としては30V)を印加しなければならない。そのため、上記特許文献1に示すものでは、アイソレーション特性の向上を図れば消費電力が増大し、低消費化を図ろうとすればアイソレーション特性の十分な向上が図れない。つまり、アイソレーション特性の向上と消費電力の低減とを両立することが難しかった。
そこで、本実施形態の微小電気機械スイッチでは、アクチュエータ4として、静電引力を利用するものではなく、圧電効果を利用するものを採用している。ここで、圧電効果を利用するアクチュエータ4は、静電引力を利用するものに比べて、消費電力を低く抑えながらも台部10の変位量を大きくすることができる。例えば、静電引力を利用するものでは30V程度の電圧が必要である場合でも、圧電効果を利用するものでは、5〜10V程度の電圧で接点を閉じることが可能になる。
したがって、本実施形態の微小電気機械スイッチによれば、従来例のように静電引力を利用して接点の開閉動作を行うものに比べれば、消費電力を低く抑えながらも、可動接点2と固定接点3との間隔を広げて信号の漏れを低減することができ、アイソレーション特性の向上が図れる。
なお、本実施形態の微小電気機械スイッチは、あくまでも本発明の一実施形態に過ぎないものであって、本発明の技術的範囲を本実施形態のものに限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更は当然に行える。例えば、アーム部11の数は3本に限定されず、3の整数倍(3n;ただしnは2以上の整数)の本数であってもよい。この場合、可動接点支持台1の形状は、上記直交面内においては、3n回転対称とする。このようにした場合においても、本実施形態と同様の作用効果が得られる。また、台部10の外周形状も円盤状のものに限定されず、多角形状であってもよい。また、本実施形態においては、アクチュエータ4の下部電極40aは、アーム部11における固定接点3側に形成してあるが、アーム部11における固定接点3側とは反対側(腕片11bの厚み方向他面側)に形成してもよい。また、アーム部11における固定接点3側とその反対側との両方に下部電極40aを形成するようにしてもよい。ところで、本実施形態では、台部10におけるベース基板5側とは反対の面側(図1(b)における上面側)を、可動接点2を形成する台部10の厚み方向の一面側としたが、台部10においてベース基板5と対向する面側(図1(b)における下面側)を台部10の厚み方向の一面側としてもよい(すなわち、可動接点2は、図1(b)における台部10の下面に形成してもよい)。この場合、一対の固定接点3は、台部10におけるベース基板5の対向面側において可動接点2に対向配置され、アクチュエータ4は、台部10がベース基板5に接近するようにアーム部11を変形させる形に構成される。このように変形した場合であっても、上記と同様の効果を得ることができる。以上述べた点は後述する実施形態2〜4においても同様である。
(実施形態2)
本実施形態の微小電気機械スイッチは、図3(a)〜(c)に示すように、台部10の形状が実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、図3(a)ではベース基板5およびカバー6の図示を省略し、図3(c)ではカバー6の図示を省略している。
本実施形態における台部10は、真円(正円)の円盤状に形成され、可動接点2が形成された円盤状の支持部10aと、内側に支持部10aが配置された円環状の枠状部10bと、支持部10aと枠状部10bとを連結する変形部10cとを一体に備える。なお、支持部10aの外周形状と枠状部10bの外周形状とは同心円としている。変形部10cは、台部10の厚み方向と、台部10の径方向とを通る平面における断面形状が、図3(b),(c)に示すように、コルゲート状(波形状)に形成された蛇腹状のものである。すなわち、本実施形態における台部10は、台部10において可動接点2が形成された部位(支持部10a)の周辺部(変形部10c)は、断面形状がコルゲート状に形成されている。そのため、本実施形態における台部10は、変形部10cを有することにより、台部10が径方向に伸長し易くなっている。
このように本実施形態の微小電気機械スイッチでは、台部10が変形し易くなっているので、台部10を移動させる際にアクチュエータ4で消費される電力を低減することができる。つまり、本実施形態のような微小電気機械スイッチでは、アーム部11により台部10を固定接点3側に移動させるにあたって、台部10はアーム部11により径方向外側に引っ張られるので、可動接点2を固定接点3に接触させるためには、アクチュエータ4により、アーム部11だけではなく、台部10も変形させる必要があるが、上述したように台部10が変形し易くなっていることによって、アクチュエータ4で発生させる必要がある駆動力を低減できる。
ところで、変形部10cには、図4に示すように、台部10の剛性低下用の空所10dを形成してもよい。なお、図4では固定接点3、ダミー接点8、ベース基板5、およびカバー6の図示を省略している。
図4に示す例では、空所10dは、台部10の厚み方向において周辺部10を貫通する貫通孔よりなり、変形部10cに6つ形成される。また空所10dは、台部10の径方向に沿う形(長手方向を台部10の径方向に沿わせた形)に形成され、上記直交面内において隣接する空所10d間の角度はいずれも60度であり等しい。
このような空所10dを形成すれば、台部10の剛性を低減して、図3に示すものに比べて、台部10をより変形させ易くすることができるから、台部10を移動させる際にアクチュエータ4で消費される電力をさらに低減することができる。
上述した空所10dは、台部10の径方向において、アーム部11と支持部10aとの間に位置するように形成することが好ましく、このようにすれば、台部10をより変形させ易くすることができる。また、空所10dは、台部10の厚み方向において固定接点3およびダミー接点8のいずれとも対向しないように形成することが好ましく、このようにすれば、固定接点3またはダミー接点8との容量結合を防止できる。
なお、空所10dは必ずしも変形部10cを貫通する貫通孔である必要はなく、溝や切れ込み(切り込み)であってもよく、要は台部10の剛性を低減することができればよい。
(実施形態3)
本実施形態の微小電気機械スイッチは、図5(a)〜(c)に示すように、可動接点支持台1の形状が実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、図5(a)ではベース基板5およびカバー6の図示を省略し、図5(c)ではカバー6の図示を省略している。
本実施形態における可動接点支持台1は、実施形態1と同様に、台部10とアーム部11とを有するが、各アーム部11の一端が弾性を有するバネ部12を介して台部10の縁部に一体に連結されている点で実施形態1と異なる。なお、台部10は実施形態1のものに比べて直径が短い円盤状となっている点を除けば実施形態1と同様であり、アーム部11は実施形態1のものと同様であるから説明を省略する。
バネ部12は、主として台部10の径方向に伸縮する形に形成される。本実施形態の場合、バネ部12は、台部10の縁部よりその径方向に延出された直状部12aと、直状部12aの先部と腕片11bにおける立設片11a側とは反対側の端部とを連結する弧状部12bとを一体に備えた形である。図5(a)に示すように、本実施形態における可動接点支持台1には3本のバネ部12が設けられており、上記直交面内において隣接する直状部12a間の角度はいずれも等しくしている(本実施形態では120度)。また、上記直交面内において隣接する直状部12aとアーム部11の腕片11bとの間の角度はいずれも等しくしている(本実施形態では60度)。そのため、各バネ部12の弧状部12bは、中心が台部10と一致し、かつ中心角が60度の弧状である。
このように本実施形態の微小電気機械スイッチでは、台部10とアーム部11とがバネ部12により連結されているので、台部10を移動させる際にアクチュエータ4で消費される電力を低減することができる。つまり、本実施形態の微小電気機械スイッチでは、アーム部11により台部10を固定接点3側に移動させるにあたって、台部10はアーム部11により径方向外側に引っ張られるので、可動接点2を固定接点3に接触させるためには、アクチュエータ4により、アーム部11だけではなく、台部10も変形させる必要があるが、本実施形態のものでは、台部10の代わりにバネ部12が伸長するので、アクチュエータ4で発生させる必要がある駆動力を低減できる。なお、バネ部12の形状は図5に示すものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
ところで、上記のものでは、固定接点3をカバー6に設けているが、固定接点3は、必ずしもカバー6に設ける必要はない。例えば、図6(a)に示すように、固定接点3は、ベース基板5の上記一表面側に形成した固定接点支持台13上に形成するようにしてもよい。なお、固定接点支持台13は、可動接点支持台1の形成と同時に形成することが可能である。また、図6(b)に示すように、固定接点3をベース基板5の上記一表面に直接的に形成することもできる。なお、図6(a),(b)ではカバー6の図示を省略している。
上述した図6(a),(b)に示す形の固定接点3は、例えば、ベース基板5の上記一表面側に犠牲層(図示せず)を形成し、その後に固定接点3の基礎となる金属層(図示せず)を上記犠牲層を覆う形に形成し、さらにその後にフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して当該金属層を所望の形状にパターニングし、最後に上記犠牲層を除去することなどにより形成することができる。
(実施形態4)
本実施形態の微小電気機械スイッチは、図7(a),(b)に示すように、主として可動接点支持台1およびアクチュエータ4の構成が実施形態3と異なっており、その他の構成は実施形態3と同様であるから同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、図7(a)ではベース基板5およびカバー6の図示を省略している。
本実施形態における可動接点支持台1は、3本のアーム部11は、いずれも腕片11bの中腹部11cが両端部より幅広に形成されている点で実施形態3と異なる。なお、可動接点支持台1のその他の構成は実施形態3と同様である。
本実施形態におけるアクチュエータ4は、実施形態1とは異なり、圧電効果を利用した主駆動手段4Aと、静電引力を利用した副駆動手段4Bとを有するハイブリッド型のものである。なお、主駆動手段4Aは、図7(a),(b)に示すように、下部電極40aと、圧電材料部41と、上部電極42aとを備えるものであり、これは実施形態1で述べたアクチュエータ4に相当するから説明を省略する。
副駆動手段4Bは、アーム部11における固定接点3側、すなわちアーム部11の腕片11bの厚み方向の一面側(図7(b)における上面側)に形成された可動電極40dと、台部10の厚み方向において可動電極40dと重なる形に配置された固定電極45とを備える。可動電極40dは、腕片11bの中腹部11cに形成され、腕片11bにおける立設片11a側に形成された下部電極40aと電気的に接続される。そのため、本実施形態におけるアクチュエータ4では、可動電極40dと下部電極40aとで導体パターン40bを共用している。この場合、可動電極40dは、実施形態1で述べたようにして下部電極40aを形成する際に、下部電極40a、導体パターン40b、接続部40cと同時に形成することができる。また、可動電極40dにおけるアーム部11側とは反対側の面(図7(b)における上面)は、第3の絶縁薄膜46により被覆される。これによって、可動電極40dと固定電極45との接触が防止される。
一方、固定電極45は、アーム部11ではなく、カバー6の内底面6bに形成される。これに伴い、カバー6には、固定電極45を内底面6bとは反対面(図7(b)における上面)に臨ませる貫通孔6dが形成される。貫通孔6dの内側には、貫通孔配線9が形成される。上述した副駆動手段4Bは、可動電極40dと固定電極45との間に所定の駆動電圧を印加して可動電極40dと固定電極45との間に静電引力を発生させることでアーム部11を変形させる。
上述した本実施形態の微小電気機械スイッチは、アクチュエータ4を駆動していない常時は、可動接点2と各固定接点3とがそれぞれ離間しており、一対の固定接点3間は遮断される。そして、接点を閉じる際には、まずアクチュエータ4の主駆動手段4Aを駆動して、台部10を固定接点3側に移動させて、可動接点2を一対の固定接点3およびダミー接点8に接触させる。その後に、副駆動手段4Bを駆動し、可動接点2と一対の固定接点3およびダミー接点8とを接圧を高める。このように本実施形態の微小電気機械スイッチにおいては、静電引力を利用する副駆動手段4Bは、可動接点2と固定接点3との間の接圧を調整するために使用され、可動接点2の固定接点3側への移動には、圧電効果を利用する主駆動手段4Aが使用される。なお、接点を開く際には、アクチュエータ4の主駆動手段4Aおよび副駆動手段4Bの両方の駆動を停止すればよい。
以上述べた本実施形態の微小電気機械スイッチによれば、実施形態3と同様の効果を奏する上に、アクチュエータ4が、圧電材料部41の変形を利用してアーム部11を変形させる主駆動手段4Aと、静電引力を利用してアーム部11を変形させる副駆動手段4Bとを有しているので、主駆動装置4Aにより台部10を移動させることで、静電引力を利用する場合に比べてアクチュエータ4の消費電力を低く抑えながらも台部10の変位量を大きくすることができるから、可動接点2と固定接点3との間隔を広げて信号の漏れを低減することができ、アイソレーション特性の向上が図れる一方、副駆動装置4Bにより可動接点2と固定接点3との接圧を所望の値に設定することができる。
ところで、図7(a)に示す微小電気機械スイッチでは、副駆動手段4Bの可動電極40dをアーム部11の腕片11bに設けているが、可動電極40dを設ける位置はアーム部11に限定されない。例えば、図8に示すように、バネ部12の弧状部12bに設けてもよい。図8に示す微小電気機械スイッチでは、弧状部12bの一部を幅広に形成してなる幅広部12cを設けてあり、この幅広部12cにおける固定接点3側に、可動電極40dと、可動電極40dを覆う第3の絶縁薄膜46とが形成されている。なお、図8では図示を省略しているが、可動電極40dは、弧状部12bと腕片11bに亘る形に形成された導体パターンにより下部電極40aに電気的に接続される。したがって、図8に示す微小電気機械スイッチにおいても、可動電極40dと下部電極40aとで導体パターン40bを共用している。なお、図8では図示を省略しているが、固定電極45は、台部10の厚み方向で可動電極40dと重なる形でカバー6の内底面6bに形成される。
上述した図8に示す微小電気機械スイッチにおいても、図7(a),(b)に示す微小電気機械スイッチと同様の効果を得ることができる。特に、図8に示す微小電気機械スイッチによれば、バネ部12に可動電極40d形成用の幅広部12cを形成しているので、図7に示すもののように腕片11bに可動電極40dを形成する場合に比べれば、可動電極40dの面積を大きくすることができるから、可動電極40dと固定電極45との間に印加する駆動電圧が同じ値であれば、図7に示すものに比べて、可動電極40dと固定電極45との間に発生する静電引力を大きくすることができる。
なお、図7では、副駆動手段4Bの可動電極40dをアーム部11に形成した例を示し、図8では可動電極40dをバネ部12に形成した例を示しているが、可動電極40dを形成する場所は、図7,8に示す例に限定されず、可動接点支持台1における固定接点3側に形成されていればよい。
実施形態1の微小電気機械スイッチを示し、(a)は一部を省略した平面図、(b)は同図(a)のA1−A2線矢視断面図、(c)は同図(a)のA1−A3線矢視断面図である。 図1(a)においてPで示す部位の拡大図である。 実施形態2の微小電気機械スイッチを示し、(a)は一部を省略した平面図、(b)は同図(a)のB1−B2線矢視断面図、(c)は同図(a)のB1−B3線矢視断面図である。 同上の他例の微小電気機械スイッチの一部を省略した平面図である。 実施形態3の微小電気機械スイッチを示し、(a)は一部を省略した平面図、(b)は同図(a)のC1−C2線矢視断面図、(c)は同図(a)のC1−C3線矢視断面図である。 同上の他例の微小電気機械スイッチの一部を省略した断面図である。 実施形態4の微小電気機械スイッチを示し、(a)は一部を省略した平面図、(b)は同図(a)のD1−D2線矢視断面図である。 同上の他例の微小電気機械スイッチの一部を省略した平面図である。 従来例の微小電気機械スイッチの分解斜視図である。
符号の説明
1 可動接点支持台
2 可動接点
3 固定接点
4 アクチュエータ
4A 主駆動手段
4B 副駆動手段
5 ベース基板
8 ダミー接点
10 台部
10a 支持部
10c 変形部(周辺部)
10d 空所
11 アーム部
12 バネ部
40a 下部電極
40d 可動電極
41 圧電材料部
42a 上部電極
45 固定電極

Claims (8)

  1. 厚み方向の一面側に可動接点が設けられた台部および当該台部に一端が連結されるとともに他端がベース基板に固定され台部を上記厚み方向に沿った方向に移動自在に支持する可撓性を有する複数本のアーム部を備えた可動接点支持台と、台部の上記一面側において可動接点に対向配置された一対の固定接点と、各アーム部に設けられ台部の可動接点が一対の固定接点の両方に接触する形に各アーム部を各別に変形させる複数のアクチュエータとを備え、
    各アーム部は、同じ形状を有し、台部の上記厚み方向に直交する面内において可動接点を中心とする円の径方向に沿う形に配置され、
    アーム部の数は、3の整数倍であり、
    上記面内において隣接するアーム部間の角度は、いずれも等しいことを特徴とする微小電気機械スイッチ。
  2. 上記各固定接点とともに上記可動接点に接触されるダミー接点を備え、
    上記各固定接点およびダミー接点それぞれの上記可動接点との対向面は同一平面上に位置し、
    上記各固定接点およびダミー接点は、上記可動接点との接触部が、上記面内において上記可動接点を中心とする同一円周上に位置し、当該円周上における接触部間の距離はいずれも等しいことを特徴とする請求項1記載の微小電気機械スイッチ。
  3. 上記各固定接点および上記ダミー接点は、上記台部の上記厚み方向において上記各アーム部のいずれとも対向しない形に配置されていることを特徴とする請求項2記載の微小電気機械スイッチ。
  4. 上記台部において上記可動接点が形成された部位の周辺部は、断面形状がコルゲート状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の微小電気機械スイッチ。
  5. 上記周辺部には、上記台部の剛性低下用の空所が形成されていることを特徴とする請求項4記載の微小電気機械スイッチ。
  6. 上記各アーム部の一端は弾性を有するバネ部を介して上記台部に一体に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の微小電気機械スイッチ。
  7. 上記アクチュエータは、上記アーム部における上記固定接点側とその反対側との少なくとも一方に形成された下部電極と、当該下部電極における上記アーム部側とは反対側に形成された圧電材料部と、当該圧電材料部における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備え、下部電極と上部電極との間に所定の駆動電圧を印加して圧電材料部を変形させることで上記アーム部を変形させることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の微小電気機械スイッチ。
  8. 上記アクチュエータは、上記アーム部における上記固定接点側とその反対側との少なくとも一方に形成された下部電極および当該下部電極における上記アーム部側とは反対側に形成された圧電材料部ならびに当該圧電材料部における下部電極側とは反対側に形成された上部電極を備え、下部電極と上部電極との間に所定の駆動電圧を印加して圧電材料部を変形させることで上記アーム部を変形させる主駆動手段と、
    上記可動接点支持台における上記固定接点側に形成された可動電極および上記台部の厚み方向において当該可動電極と重なる形に配置された固定電極を備え、可動電極と固定電極との間に所定の駆動電圧を印加して可動電極と固定電極との間に静電引力を発生させることで上記台部を上記一対の固定接点側に移動させる副駆動手段とを有していることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の微小電気機械スイッチ。
JP2008082145A 2008-03-26 2008-03-26 微小電気機械スイッチ Pending JP2009238546A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008082145A JP2009238546A (ja) 2008-03-26 2008-03-26 微小電気機械スイッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008082145A JP2009238546A (ja) 2008-03-26 2008-03-26 微小電気機械スイッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009238546A true JP2009238546A (ja) 2009-10-15

Family

ID=41252244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008082145A Pending JP2009238546A (ja) 2008-03-26 2008-03-26 微小電気機械スイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009238546A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011132532A1 (ja) 2010-04-23 2011-10-27 株式会社村田製作所 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータの製造方法
WO2012088822A1 (zh) * 2010-12-27 2012-07-05 上海丽恒光微电子科技有限公司 Mems开关及其制作方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08506690A (ja) * 1993-02-18 1996-07-16 シーメンス アクチエンゲゼルシャフト ハイブリッド駆動装置を備えたマイクロメカニカルなリレー
JPH11297931A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体装置及びその製造方法
WO2006023724A1 (en) * 2004-08-19 2006-03-02 Teravicta Technologies, Inc. Plate-based microelectromechanical switch having a three-fold relative arrangement of contact structures and support arms
JP2007157511A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Hitachi Ltd マイクロエレクトロメカニカルシステムを用いたスイッチ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08506690A (ja) * 1993-02-18 1996-07-16 シーメンス アクチエンゲゼルシャフト ハイブリッド駆動装置を備えたマイクロメカニカルなリレー
JPH11297931A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体装置及びその製造方法
WO2006023724A1 (en) * 2004-08-19 2006-03-02 Teravicta Technologies, Inc. Plate-based microelectromechanical switch having a three-fold relative arrangement of contact structures and support arms
JP2007157511A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Hitachi Ltd マイクロエレクトロメカニカルシステムを用いたスイッチ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011132532A1 (ja) 2010-04-23 2011-10-27 株式会社村田製作所 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータの製造方法
US8890392B2 (en) 2010-04-23 2014-11-18 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric actuator having a moveable electrode portion
WO2012088822A1 (zh) * 2010-12-27 2012-07-05 上海丽恒光微电子科技有限公司 Mems开关及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8043513B2 (en) Gimbal-less micro-electro-mechanical-system tip-tilt and tip-tilt-piston actuators and a method for forming the same
US7343655B2 (en) Manufacturing methods of micro electromechanical switch
KR101092536B1 (ko) 압전형 rf 멤스 소자 및 그 제조방법
JP5701772B2 (ja) ビア構造及びその製造方法
KR100726436B1 (ko) 정전기력 및 압전력에 의해 구동되는 멤스 스위치
JP4316590B2 (ja) 圧電駆動型memsアクチュエータ
US8564176B2 (en) Piezoelectric MEMS switch and method of manufacturing piezoelectric MEMS switch
JP4465341B2 (ja) 高周波マイクロマシンスイッチ及びその製造方法
CN209890247U (zh) 压电型微机电致动器装置和便携式电子装置
TWI425547B (zh) Cmos微機電開關結構
US20230320222A1 (en) Piezoelectric mems device with a suspended membrane having high mechanical shock resistance and manufacturing process thereof
JP2008181040A (ja) 光走査ミラー
JP2008146939A (ja) マイクロスイッチング素子
JP2009238546A (ja) 微小電気機械スイッチ
JP2009238547A (ja) Memsスイッチ
JP3696193B2 (ja) 可変キャパシタ及びその製造方法
JP2009252516A (ja) Memsスイッチ
JP5033032B2 (ja) 微小電気機械スイッチ
JP5277977B2 (ja) 光学装置
US20070103843A1 (en) Electrostatic mems components permitting a large vertical displacement
JP2007296625A (ja) Mems
JP2007522609A (ja) ピエゾ電気材料でできたマイクロ電気機械スイッチを備える電子装置
JP2009252598A (ja) Memsスイッチ
JP2009252463A (ja) 微小電気機械スイッチ
JP2009252378A (ja) Memsスイッチ

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20100811

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101022

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120112

A977 Report on retrieval

Effective date: 20120528

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121016