JP2009238377A - 放電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、放電特性が安定であり、極性のバラツキが小さい放電装置を提供することである。
【解決手段】本発明の放電装置は、対向する複数の電極と、電極の間に配置された誘電体部と、誘電体部の電極に対する位置を固定する固定部とを備える。そして、誘電体部とそれぞれの電極との間には、あらかじめ定めた隙間がある。さらに、誘電体部の電極と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部を有してもよい。また、誘電体部の内部に導体で形成されたあらかじめ定めた厚みを持つ導電部を有してもよい。
【選択図】図5

Description

本発明は、雷防護用の放電管などの放電現象を利用する放電装置に関する。
誘電体(絶縁体)を対向する電極間に配置した放電装置としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3の放電管がある。これらの放電管の特徴は、誘電体を電極の間隔を一定に保つためのスペーサとして用いていることである。図1は、特許文献1の放電管の構成を示す図である。この放電管900は、平行電極板911、912をガラス管930内に熱融着で封止しており、絶縁ボール920がスペーサとして平行電極板911、912の両方に直接接している。
また、一般に、平行電極板を用いた放電管は、平行電極板のどの部分から放電するのかが定まらないために放電特性が安定しにくい。そこで、電極間にカーボンなどの導体を配置することで電界が集中する場所を作り(不均一にし)、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化させた例がある(非特許文献1)。つまり、電界を集中させることができれば放電特性を安定化できることが知られている。
特開平11−317276号公報 特開昭62−283582号公報 特開平6−61018号公報 木島均,"接地と雷防護",電子情報通信学会,pp.23-26,1997年4月.
特許文献2の図4の放電管では電極の間隔は簡易に調整できるが、放電位置が特定できないため、放電特性が安定しにくい。特許文献3の図1の放電管では構造が非対称なので極性のバラツキが大きくなりやすい。特許文献1の放電管に対しては、特許文献2と特許文献3の発明を引用発明として進歩性違反による拒絶審決(不服2004−3022号)、および棄却判決(平成19年(行ケ)第10109号)があった。審判や訴訟の中で、特許文献1の出願人は、特許文献1の放電管は、特許文献2や特許文献3の放電管よりも放電特性が良い旨を主張している。しかし、判決では、「上記意見書及び手続補足書記載の本願発明の製品の実験結果が示す電気的特性は,本願発明の特許請求の範囲の構成を採用することにより必然的に生じるものとはいえず,したがって,上記電気的特性をもって本願発明の顕著な作用効果であるということはできない」とされている。
本発明は、放電特性が安定で、極性のバラツキが小さい放電装置を提供することを目的とする。
本発明の放電装置は、対向する複数の電極と、電極の間に配置された誘電体部と、誘電体部の電極に対する位置を固定する固定部とを備える。そして、誘電体部とそれぞれの電極との間には、あらかじめ定めた隙間がある。ここで、「誘電体部の電極に対する位置」とは、誘電体部の電極に対する向きも含んでいる。また、誘電体部の比誘電率は1より大きい。
また、本発明の放電装置は、電極、誘電体部、固定部を収納する筐体と、筐体外部の電流(電圧)を電極に伝達する電線も備えてもよい。
本発明の放電装置によれば、それぞれの電極との間に隙間を有する誘電体部を有する。当該隙間の空間には、隙間の大きさと誘電体部の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、放電が当該隙間で発生する確率を高めることができ(初期電子放出を容易にし)、安定した放電を確保できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。
本発明の放電装置と特許文献1の発明とは、誘電体部とそれぞれの電極との間に隙間を有することで、平行電極板内の電荷を特定の場所に偏らせて蓄積し、蓄積した電荷(密度の高い電荷)により強い力を加え、かつ放電する経路を確保しているという特徴が共通する。しかし、特許文献1およびその審査過程の書類には、この特徴についてなんら示されていない。
また、特許文献1の発明は誘電体部が球形の誘電体である。誘電体部を球形の誘電体に限定すれば、誘電体部がどのような向きであろうと電極間の距離を一定にでき、かつ、あらかじめ定めた隙間も確保できる。しかし、誘電体部が誘電体のみで形成された球形に限定されてしまう。一方、本発明の放電装置は、誘電体部の電極に対する位置を固定する固定部を有するので、誘電体部を球形の誘電体のみに限定する必要がない。したがって、誘電体部の形状や構造の自由度が増す。例えば、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる(球の場合、電極同士の間隔を決めると、隙間も決まってしまう)。また、誘電体部に導電部を形成することも可能である。したがって、誘電体部を、平行電極板内の電荷を特定の場所に偏らせて蓄積し、蓄積した電荷(密度の高い電荷)により強い力を加え、かつ放電する経路を確保するという特徴を引き出すことに適した形状や構造にできる。
なお、特許文献3の図1、図3、図4の放電管は、円筒状の電極も用いており、上述の本発明の特徴を有効に利用していない。また、特許文献3にも本発明の効果が得られる原理について、何ら示唆されていない。
まず、特許文献1の発明の特徴について定性的に分析する。特許文献1の放電管の電界と等電位面は、一様電界中に球状の誘電体を置いたときの電界の分布」と類似しており、おおむね図2のようになる(大木義路著,“電磁気学演習”,産業図書,pp.62-64.参照)。このように気体中の電界は絶縁ボールの表面近くで、絶縁ボール側に曲げられる。したがって、電極と絶縁ボールとの接点近傍の等電位面の間隔は、接点から離れた位置の等電位面の間隔よりも狭くなる。つまり、接点近傍では電界強度が強くなる(∵電界E=単位距離あたりの電位差の変化量(電位差の距離での微分))。したがって、接点近傍の電極に蓄積された電荷を他方の電極側に引っ張る力の方が、接点から離れた位置の電極に蓄積された電荷を他方の電極側に引っ張る力よりも大きくなる(∵電荷に働く力F=電荷q×電界E)。また、電荷は絶縁ボールとの接点近傍の電極に蓄積されやすい(∵電荷密度σ=誘電率ε×電界E)。つまり、誘電体(絶縁体)でも、従来は導体で行っていたような電界の集中を発生させることができ、特性を安定化できる可能性がある。
次に、図3のモデルを用いて電界強度と電荷密度とを定量的に評価し、本発明の原理を説明する。dは平行電極板の間隔、d/2は電極と誘電体との隙間、dは誘電体の厚さ、Vは電極間の電位差、Eは電極と誘電体との隙間での電界、Eは誘電体中の電界、σは平行電極板に蓄積されている電荷の密度、εは空気中の誘電率、εは誘電体の誘電率、εは誘電体の比誘電率とすると、次のような関係が成り立つ。
V=E+E
σ=ε=ε
d=d+d
ε=ε・ε
図3の平行電極板の間では位置に関係なく電位差Vは一定である。また、平行電極板の間隔dも一定である。そこで、これらの式から、電極と誘電体との隙間での電界Eおよび平行電極板に蓄積されている電荷の密度σと、電極と誘電体との隙間dとの関係を求めると、次のようになる。
Figure 2009238377
電極と誘電体との隙間での電界Eを表すと図4のようになる。なお、電荷密度σは電界Eと比例している(σ=ε)ので、図示は省略する。上記の式および図4から分かるように、誘電体がない空間(d=dのとき)の電界EはV/d、誘電体と隙間とが同じとき(d=d/2のとき)の電界EはV/{(1/2+1/2ε)・d}、誘電体と電極との隙間が0に近づいたとき(d→0のとき)の電界Eはε・V/dである。つまり、電極と誘電体との隙間を小さくしていけば、電界Eおよび電荷密度σは誘電体がないときの電界強度のε倍に近づいていくことが分かる。
したがって、電極と誘電体との隙間が小さくなっていくと電界強度は強くなり、電荷密度は高くなると考えられる。例えば、アルミナの場合、比誘電率は6〜10なので、電極と誘電体部の隙間を小さくすれば、隙間近傍の電極に集められる電荷密度は、誘電体部がない部分の電極に集められる電荷の数倍であり、その電荷を反対側の電極側に引っ張る力も数倍となる。
つまり、比誘電率が1より大きい誘電体部とそれぞれの電極との間に隙間を備えれば、平行電極板内の電荷を特定の場所に偏らせて蓄積し、蓄積した電荷(密度の高い電荷)により強い力を加え、かつ放電する経路を確保できる。したがって、誘電体部とそれぞれの電極との間に隙間を備えれば、安定な放電特性を実現できる。また、対称な形状にすれば、極性のバラツキを小さくできる。以下に、この原理を用いた実施例を示す。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
実施例1の放電装置の構成例を図5に示す。図6は、実施例1の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図5では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極102は点線で示している。
放電装置100は、電極101、102、電極の間に配置された誘電体部105、誘電体部105の電極101、102に対する位置を固定する固定部110、110、電線108、109、筐体107を備える。なお、「誘電体部105の電極101、102に対する位置を固定する」とは、誘電体部105の電極101、102に対する向きも固定する意味である。誘電体部105は例えば直方体であり、1組の対向する面の4隅に固定部110、110が形成されている。誘電体部105と固定部110、110の形状と配置は、この例に限定する必要はない。
電極101と電極102との間隔は、誘電体部105と固定部110、110によって決まっており、図6ではdである。誘電体部105と電極101、102との間の隙間111、112は、固定部110、110によって決まっており、図6ではd/2である。なお、電極101と電極102との間隔、隙間111、112、誘電体部105の電極と対向する部分の面積は、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。なお、上述のように、と固定部110、110(および誘電体部105)は、少なくとも電極101、102と1点では接していない。
また、筐体107は密閉されたケースや管であり、筐体107の内部にはガス(例えば、ネオンやアルゴン)が封入される。また、筐体107は開閉および密封でき、内部にあらかじめ定められた気圧のガスを封入できるようなケースでもよい。ただし、筐体やガスは、これらに限定されるものではない。電線108、109は、それぞれ電極101、102と接続されており、外部の電流(電圧)を筐体107の内部に伝達する。
実施例1の放電装置はこのような構成なので、隙間111、112には、隙間111、112の大きさと誘電体部105の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、図6に点線で示したように、誘電体部105の電極101、102と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部116、116を備えてもよい。特開2001−189185号公報(段落0004)に示されているように、放電が発生した場合、その放電エネルギーを受けて電極の金属が、粒状のスパッタとなって散乱する。したがって、導電部がない場合でも、放電装置100が放電するたびに、誘電体部105の電極101、102と対向する部分に金属が付着していく。この部分は、ほぼ等電位面なので、金属が付着しても放電開始時の原理は変わらない。しかし、完全な等電位ではないので、導体の有無によって特性は多少異なると考えられる。つまり、放電を繰り返すと特性が変化する可能性がある。そこで、あらかじめ導電部116、116を備えておけば、金属が付着することによる放電特性の変化を抑える効果が期待できる。
実施例2の放電装置の構成例を図7に示す。図8は、実施例2の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図7では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極102、誘電体部125、固定部130は点線で示している。
放電装置120は、電極101、102、電極の間に配置された誘電体部125、誘電体部125の電極101、102に対する位置を固定する固定部130、電線108、109、筐体107を備える。固定部130は、筒状の誘電体(絶縁体)である。誘電体部125は、固定部130の内壁に固定されている。電極101と電極102との間隔は、固定部130によって決まっており、図8ではdである。誘電体部125と電極101、102との間の隙間131、132は、固定部130によって決まっており、図8ではd/2である。なお、電極101と電極102との間隔、隙間131、132、誘電体部125の電極と対向する部分の面積は、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
実施例2の放電装置はこのような構成なので、隙間131、132には、隙間131、132の大きさと誘電体部125の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。そして、実施例2の場合は、固定部130と誘電体部125を一体的に製造することも可能であり、部品の製造、組み立てが容易である。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部125の電極101、102と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部136、136(図8に点線で示している)を備えてもよい。
実施例3の放電装置の構成例を図9に示す。図10は、実施例3の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図9では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極142は点線で示している。
放電装置140は、電極141、142、電極の間に配置された誘電体部145、誘電体部145の電極141、142に対する位置を固定する固定部150、150、電線108、109、筐体107を備える。誘電体部145は、例えば円柱形であるがこれに限定する必要はない。固定部150、150は、誘電体部145の対向する面に形成されている。また、この例では、固定部150、150は、電極141と電極142にはめ込まれている。電極141と電極142との間隔は、誘電体部145と固定部150、150によって決まっており、図10ではdである。誘電体部145と電極141、142との間の隙間151、152は、固定部150、150によって決まっており、図10ではd/2である。なお、電極141と電極142との間隔、隙間151、152、誘電体部145の電極と対向する部分の面積は、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
実施例3の放電装置はこのような構成なので、隙間151、152には、隙間151、152の大きさと誘電体部145の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部145の電極141、142と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部156、156(図10に点線で示している)を備えてもよい。
実施例4の放電装置の構成例を図11に示す。図12は、実施例4の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図11では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極102、固定部170は点線で示している。
放電装置160は、電極101、102、電極の間に配置された誘電体部165、誘電体部165の電極101、102に対する位置を固定する固定部170、170、170、電線108、109、筐体107を備える。誘電体部165は、例えば円柱形であるがこれに限定する必要はない。固定部170は筒状の誘電体(絶縁体)である。固定部170、170は、固定部170の内壁から誘電体部165に向けて形成されており、誘電体部165を固定している。電極101と電極102との間隔は、固定部170によって決まっており、図12ではdである。誘電体部165と電極101、102との間の隙間171、172は、固定部170、170、170によって決まっており、図12ではd/2である。なお、電極101と電極102との間隔、隙間171、172、誘電体部165の電極と対向する部分の面積は、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
実施例4の放電装置はこのような構成なので、隙間171、172には、隙間171、172の大きさと誘電体部165の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部165の電極101、102と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部176、176(図12に点線で示している)を備えてもよい。
実施例5の放電装置の構成例を図13に示す。図14は、実施例5の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図13では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極182、183、誘電体部185、185、固定部190、190は点線で示している。
放電装置180は、3個の電極を有する放電装置である。放電装置180は、電極181、182、183、電極の間に配置された誘電体部185、185、誘電体部185の電極181、182に対する位置を固定する固定部190、誘電体部185の電極182、183に対する位置を固定する固定部190、電線108、109、筐体107、および電極183と接続されている電線106(図示されていない)を備える。固定部190、190は、筒状の誘電体(絶縁体)である。誘電体部185、185は、それぞれ固定部190、190の内壁に固定されている。電極183は中央に穴184を有しており、電極181と電極183の間の空間と電極182と電極183の間の空間とは、につながっている。したがって、電極181と電極183または電極182と電極183のどちらかで放電が開始すると、他方でも放電が開始する。電極181と電極183との間隔は、固定部190によって決まっており、図14ではdである。誘電体部185と電極181、183との間の隙間191、192は、固定部190によって決まっており、図14ではd/2である。電極182と電極183との間隔は、固定部190によって決まっており、図14ではdである。誘電体部185と電極182、183との間の隙間194、193は、固定部190によって決まっており、図14ではd/2である。なお、電極181と電極183との間隔、電極182と電極183との間隔、隙間191、192、193、194、誘電体部185、185の電極と対向する部分の面積は、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
実施例5の放電装置はこのような構成なので、隙間191、192、193、194には、隙間191、192、193、194の大きさと誘電体部185、185の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部185、185の電極181、182、183と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部196、196、197、197(図8に点線で示している)を備えてもよい。
実施例6の放電装置の構成例を図15に示す。図16は、実施例6の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図15では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極102、固定部170は点線で示している。
放電装置200は、電極101、102、電極の間に配置された誘電体部205、誘電体部205の電極101、102に対向する部分に形成された導電部216、216、誘電体部205の電極101、102に対する位置を固定する固定部170、170、170、電線108、109、筐体107を備える。誘電体部205は、例えば円柱形であるがこれに限定する必要はない。導電部216、216は、あらかじめ定められた厚みを持ち、図16では、d/2である。なお、「厚みを持つ」とは、導電部216、216の範囲が放電装置200内部の電界強度の分布に影響を与え、放電装置200を設計する上で無視できない厚みを持つという意味である。固定部170は筒状の誘電体(絶縁体)である。固定部170、170は、固定部170の内壁から誘電体部205に向けて形成されており、誘電体部205を固定している。電極101と電極102との間隔は、固定部170によって決まっており、図16ではdである。誘電体部205と電極101、102との間の隙間171、172は、固定部170、170、170によって決まっており、図16ではd/2である。なお、電極101と電極102との間隔、隙間171、172、誘電体部205の電極と対向する部分の面積、導電部216、216の厚みは、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
ここで、実施例6の放電装置の導電部216、216を挟んだ電極間の電界について分析する。図17は、導電部216、216を挟んだ電極間の電界の分析を行うモデルである。このモデルの場合、次のような関係が成り立つ。
V=E+E(d−d−d
σ=ε=ε
ε=ε・ε
この式から、電極と誘電体との隙間での電界Eおよび平行電極板に蓄積されている電荷の密度σと、電極と誘電体との隙間dとの関係を求めると、次のようになる。
Figure 2009238377
また、dを0に限りなく近づけると、
Figure 2009238377
となる。図3と図4を用いて説明したように、誘電体部205がない空間での電界EはV/dである。誘電体部205を備え、隙間が0に近づいたときには、電界Eはε・V/dである。つまり、電界Eはε倍となる。そして、導電部216、216も備えれば、電界Eはε・V/(d−d)である。つまり、電極の間隔がdだけ狭くなったことになり、隙間の電界強度がさらに強くなることが分かる。
実施例6の放電装置はこのような構成なので、隙間171、172には、隙間171、172の大きさ、誘電体部205の比誘電率、導電部216、216の厚みに応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部205の電極101、102と対向する部分であって、導電部216、216がない部分に、さらに導体薄膜で形成された導電部217、217(図16に点線で示している)を備えてもよい。
実施例7の放電装置の構成例を図18に示す。図19は、実施例7の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図18では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極102、固定部170は点線で示している。
放電装置220は、電極101、102、電極の間に配置された誘電体部225、誘電体部225の内部に形成された導電部236、誘電体部225の電極101、102に対する位置を固定する固定部170、170、170、電線108、109、筐体107を備える。誘電体部225は、例えば円柱形であるがこれに限定する必要はない。導電部236は、あらかじめ定められた厚みを持つ。図19ではdである。固定部170は筒状の誘電体(絶縁体)である。固定部170、170は、固定部170の内壁から誘電体部225に向けて形成されており、誘電体部225を固定している。電極101と電極102との間隔は、固定部170によって決まっており、図19ではdである。誘電体部225と電極101、102との間の隙間171、172は、固定部170、170、170によって決まっており、図19ではd/2である。なお、電極101と電極102との間隔、隙間171、172、誘電体部225の電極と対向する部分の面積、導電部236の厚みは、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
実施例7の放電装置はこのような構成なので、隙間171、172には、隙間171、172の大きさ、誘電体部225の比誘電率、導電部236の厚みに応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部225の電極101、102と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部237、237(図19に点線で示している)を備えてもよい。
実施例8の放電装置の構成例を図20に示す。図21は、実施例8の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図である。なお、図20では、放電装置の内部の構造を示すために、筐体107、電線109、電極102、固定部170は点線で示している。
放電装置240は、電極101、102、電極の間に配置された誘電体部245、誘電体部245の電極101、102に対する位置を固定する固定部170、170、170、電線108、109、筐体107を備える。誘電体部245は、電極側が曲面となっている。実施例1から7では、誘電体部の電極と対向している部分が、電極と平行な例を示した。本実施例では、誘電体部245の電極と対向している部分が電極と平行でない例を示している。誘電体部245の電極と対向している部分は、このように曲面でもよいし、のこぎり状の面でもよい。固定部170は筒状の誘電体(絶縁体)である。固定部170、170は、固定部170の内壁から誘電体部245に向けて形成されており、誘電体部245を固定している。電極101と電極102との間隔は、固定部170によって決まっており、図21ではdである。誘電体部245と電極101、102との間の隙間251、252は、固定部170、170、170によって決まっており、図21ではd/2である。なお、電極101と電極102との間隔、隙間251、252、誘電体部245の電極と対向する部分の面積は、放電装置に求められる条件から適宜設計すればよい。
実施例8の放電装置はこのような構成なので、隙間251、252には、隙間251、252の大きさと誘電体部245の比誘電率に応じて電界が集中する。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。また、隙間はそれぞれの電極との間にあるため、極性のバラツキを小さくできる。さらに、電極同士の間隔と電極と誘電体部との隙間とを独立に決めることができる。
また、実施例1の場合と同じように、誘電体部245の電極101、102と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部256、256(図12に点線で示している)を備えてもよい。ただし、誘電体部245の電極と対向している部分が電極と平行ではないので、導電部256、256が無いときの誘電体部245の電極と対向している部分は等電位面ではない。一方、導電部256、256を形成すると等電位面となる。したがって、筐体107の内部(特に隙間251、252近傍)の電界の分布が変わることになる。しかし、隙間251、252に電界が集中することは同じである。したがって、初期電子放出を容易にし、放電特性を安定化できる。
上述の実施例では、電線と筐体も放電装置の構成部として説明した。しかし、例えば、電線を有する筐体の内部の電極、誘電体部、固定部を交換する場合もある。つまり、本発明の放電装置は、少なくとも電極、誘電体部、固定部を有すればよい。電極、誘電体部、固定部が上述のように構成されていれば、隙間に存在する気体の種類や濃度によって放電特性は変わるが、電界を集中させることはでき、本発明の効果は得られる。
特許文献1の放電管の構成を示す図。 特許文献1の放電管の電界と等電位面の様子を示す図。 電界強度と電荷密度とを定量的に評価するためのモデルを示す図。 図3のモデルでの電極と誘電体との隙間での電界E示す図。 実施例1の放電装置の構成例を示す図。 実施例1の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 実施例2の放電装置の構成例を示す図。 実施例2の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 実施例3の放電装置の構成例を示す図。 実施例3の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 実施例4の放電装置の構成例を示す図。 実施例4の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 実施例5の放電装置の構成例を示す図。 実施例5の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 実施例6の放電装置の構成例を示す図。 実施例6の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 導電部216、216を挟んだ電極間の電界の分析を行うためのモデルを示す図。 実施例7の放電装置の構成例を示す図。 実施例7の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。 実施例8の放電装置の構成例を示す図。 実施例8の放電装置の電極と誘電体部との位置関係を示す断面図。
符号の説明
100、120、140、160、180、200、220、240 放電装置
101、102、181、182、183 電極
105、125、145、165、185、205、225、245 誘電体部
106、108、109 電線 107 筐体
110、130、150、170、190、210、230 固定部
111、112、131、132、151、152、171、172 隙間
191、192、211、212、231、232、251、252 隙間
116、136、156、176、196、197 導電部
216、217、236、237、256 導電部
184 穴 900 放電管
911 平行電極板 920 絶縁ボール
930 ガラス管

Claims (7)

  1. 対向する複数の電極と、
    前記電極の間に配置された誘電体部と、
    前記誘電体部の前記電極に対する位置を固定する固定部と
    を備え、
    前記誘電体部とそれぞれの電極との間には、あらかじめ定めた隙間がある放電装置。
  2. 請求項1記載の放電装置であって、
    前記誘電体部の前記電極と対向する部分に導体薄膜で形成された導電部を有する
    ことを特徴とする放電装置。
  3. 請求項1または2記載の放電装置であって、
    前記誘電体部の内部に導体で形成されたあらかじめ定めた厚みを持つ導電部を有する
    ことを特徴とする放電装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の放電装置であって、
    前記固定部と前記誘電体部とで、前記電極同士の間隔を定めており、
    前記固定部が、前記隙間の間隔を定めている
    ことを特徴とする放電装置。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の放電装置であって、
    前記固定部が、前記電極同士の間隔と、前記隙間の間隔を定めている
    ことを特徴とする放電装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の放電装置であって、
    前記誘電体部または前記固定部は、少なくとも前記電極に1点では接していない
    ことを特徴とする放電装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の放電装置であって、
    前記電極、前記誘電体部、前記固定部を収納する筐体と、
    前記筐体の外部の電流または電圧を前記電極に伝達する電線も
    備える放電装置。
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CN104637760A (zh) * 2015-01-29 2015-05-20 镇江米青机电有限公司 一种画线机夹具
CN104637761A (zh) * 2015-01-29 2015-05-20 镇江米青机电有限公司 一种高精度瓷管自动画线装置
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