JP2009235950A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、排気浄化触媒の未活性時に失火が発生した場合であっても大気中へのHCの放出を確実に抑制することを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の制御装置は、排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、EGR通路を開閉するEGR弁と、内燃機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサと、クランク角センサの信号に基づいて、失火の発生を検知する失火検知手段と、EGR弁を閉じることによりEGRが停止されているときに、失火検知手段により失火が検知された場合に、その失火した気筒から排出される未燃ガスがEGR通路を通って吸気通路に還流するように、EGR弁を一時的に開く未燃ガス還流手段と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特開2001−241353号公報には、クランク角センサの信号に基づいて各気筒毎の膨張行程時の瞬時最低回転速度および瞬時最高回転速度を算出し、それらに基づいて各気筒毎の回転変動偏差を算出することにより、失火気筒を検出する装置が開示されている。
特開2001−241353号公報 特開平11−241630号公報 特開2004−225654号公報 特開平11−159362号公報 特開2000−120478号公報 特開2004−92603号公報
周知のように、冷間始動直後は、排気浄化触媒が低温であって活性化していないため、排気ガス中の有害成分を十分に浄化することができない。このため、従来より、排気浄化触媒の未活性時におけるエミッションの低減が極めて重要な課題となっている。
失火が生ずると、失火した気筒からは未燃ガスが排気ガスとして排出される。未燃ガスにはHCが多量に含まれる。従って、排気浄化触媒が活性化していない冷間始動直後において偶発的な失火が生じた場合には、多量のHCが浄化されずに大気中へ放出されてしまうという問題がある。上記従来の公報には、このような問題への対策が何ら開示されていない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気浄化触媒の未活性時に失火が発生した場合であっても、大気中へのHCの放出を確実に抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、
前記EGR通路を開閉するEGR弁と、
前記内燃機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサと、
前記クランク角センサの信号に基づいて、失火の発生を検知する失火検知手段と、
前記EGR弁を閉じることによりEGRが停止されているときに、前記失火検知手段により失火が検知された場合に、その失火した気筒から排出される未燃ガスが前記EGR通路を通って前記吸気通路に還流するように、前記EGR弁を一時的に開く未燃ガス還流手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
排気弁から前記EGR通路までの排気ガスの輸送遅れ時間を算出する輸送遅れ時間算出手段を備え、
前記未燃ガス還流手段は、前記失火した気筒の排気弁開弁期間を前記算出された輸送遅れ時間だけ遅らせた期間において前記EGR弁を開くことを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段の検出結果に基づいて、前記輸送遅れ時間を補正するための学習値を取得する学習手段と、
前記学習値に基づいて前記輸送遅れ時間を補正する輸送遅れ時間補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関は、複数気筒の排気弁開弁期間が時間的に重なるものであり、
前記未燃ガス還流手段により前記EGR弁が一時的に開かれた場合に、前記EGR通路を通って前記吸気通路に還流するガスに、前記失火した気筒の排気弁開弁期間と重なる排気弁開弁期間を有する気筒から排出された不活性ガスが混入する割合を算出する不活性ガス割合算出手段と、
前記不活性ガス割合算出手段により算出された割合に基づいて、燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の排気通路をバイパスするバイパス通路と、
前記バイパス通路に設けられ、排気ガス中のHCを吸着する機能を有するHC吸着材と、
排気ガスを前記バイパス通路に流す状態と流さない状態とを切り替える流路切替弁と、
前記内燃機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサと、
前記クランク角センサの信号に基づいて、失火の発生を検知する失火検知手段と、
常時は前記バイパス通路に排気ガスを流さず、前記失火検知手段により失火が検知された場合には前記バイパス通路に一時的に排気ガスを流すことにより、その失火した気筒から排出される未燃ガスが前記HC吸着材を通過するように前記流路切替弁を制御する吸着制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記失火検知手段は、前記内燃機関の往復慣性質量による慣性トルクの平均値がほぼ0となるクランク角の区間における平均のクランク角加速度に基づいて、失火の発生を検知することを特徴とする。
第1の発明によれば、例えば冷間始動直後のように外部EGRが停止されている状態において、失火が検知された場合に、その失火した気筒から排出される未燃ガスがEGR通路を通って吸気通路に還流するように、EGR弁を一時的に開くことができる。これにより、失火気筒から排出された未燃ガスを燃焼室に還流させて燃焼させることができるので、排気浄化触媒が未活性であっても、未燃ガス中のHCが大気中に放出されることを確実に抑制することができる。また、上記の場合において、燃焼室に還流するのは、不活性ガスではなく未燃ガス(つまり燃料と空気との混合気)が主である。このため、EGR弁を一時的に開いても、燃焼室内の空燃比変化は抑制されるので、燃焼が不安定化することはない。よって、運転不良が生ずることを確実に抑制することができる。
第2の発明によれば、排気弁からEGR通路までの排気ガスの輸送遅れ時間を算出し、その輸送遅れ時間に基づいてEGR弁を制御することができる。これにより、失火気筒から排出された未燃ガスを正確にEGR通路に流入させることができる。
第3の発明によれば、空燃比検出手段の検出結果に基づいて、輸送遅れ時間を補正するための学習値を取得し、その学習値に基づいて輸送遅れ時間を補正することができる。これにより、経年変化に起因する輸送遅れ時間の算出誤差を精度良く補正することができる。よって、失火気筒から排出された未燃ガスをより正確にEGR通路に流入させることができる。
第4の発明によれば、複数気筒の排気弁開弁期間が時間的に重なる多気筒内燃機関の場合であっても、失火気筒から排出された未燃ガスを吸気通路に還流した際に、燃焼室内の空燃比の変動を確実に抑制することができる。
第5の発明によれば、例えば冷間始動直後のように外部EGRが停止されている状態において、失火が検知された場合に、その失火した気筒から排出される未燃ガスが、バイパス通路に配置されたHC吸着材を通過するように、流路切替弁を制御することができる。これにより、失火気筒から排出された未燃ガス中のHCをHC吸着材に吸着させることができるので、排気浄化触媒が未活性であっても、未燃ガス中のHCが大気中に放出されることを確実に抑制することができる。また、HC吸着材に排気ガスを流す時間を最小限に抑えることができるので、HC吸着材がHCで一杯になったり、HC吸着材の温度が上昇して、吸着されたHCが離脱したりすることを確実に防止することができる。
第6の発明によれば、内燃機関の往復慣性質量による慣性トルクの平均値がほぼ0となるクランク角の区間における平均のクランク角加速度に基づいて、失火の発生を検知することができる。これにより、特殊なセンサを用いることなしに、失火の発生および失火気筒を高精度に検知することができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステムの構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、車両に搭載された内燃機関10を備えている。本実施形態の内燃機関10は、直列4気筒型であるものとする。図1には、そのうちの一つの気筒の断面が示されている。内燃機関10の各気筒内には、ピストン12が設けられている。各気筒内には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の途中には、電子制御式のスロットル弁20と、サージタンク22とが設けられている。サージタンク22は、スロットル弁20の下流側に配置されている。また、スロットル弁20の上流側には、吸入空気量を検出するエアフローメータ23が設置されている。排気通路18には、排気ガスを浄化する排気浄化触媒26が配置されている。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポート内に燃料を噴射する燃料インジェクタ28と、燃焼室内の混合気に点火するための点火プラグ30と、吸気弁32と、排気弁36とが設けられている。なお、本発明では、燃料インジェクタ28に代えて、または燃料インジェクタ28とともに、気筒内に燃料を直接に噴射する筒内インジェクタが設けられていてもよい。
内燃機関10のクランク軸24の近傍には、クランク軸24の回転角度(クランク角)を検出するためのクランク角センサ42が設けられている。また、アクセルペダルの近傍には、アクセルペダル位置を検出するアクセルポジションセンサ44が設置されている。
また、内燃機関10は、排気通路18内の排気ガスを吸気通路16に還流させる、いわゆる外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を実行するためのEGR通路46を備えている。EGR通路46の一端は、排気通路18に接続され、EGR通路46の他端は、サージタンク22の下流側の吸気通路16に接続されている。EGR通路46の途中には、このEGR通路46を開閉することによって排気還流量を制御するためのEGR弁48が設けられている。
本実施形態のシステムは、更に、ECU(Electronic Control Unit)50と、内燃機関10の冷却水温を検出する水温センサ52と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ54とを備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータがそれぞれ電気的に接続されている。
ECU50は、クランク角センサ42の信号に基づいてクランク軸24の角加速度を算出し、その角加速度に基づいて失火の発生を検知する機能を有している。以下、本実施形態におけるクランク軸24の角加速度の算出方法について説明する。
内燃機関10の図示トルクTiは、下記(1)式および(2)式で表すことができる。
Figure 2009235950
(2)式の右辺は、図示トルクTiを発生させるトルクを示しており、(1)式の右辺は、図示トルクTiを消費するトルクを示している。
(1)式の右辺において、Jは混合気の燃焼等によって駆動される駆動部材の慣性モーメント、dω/dtはクランク軸24の角加速度、Tfは駆動部のフリクショントルク、Tlは走行時に路面から受ける負荷トルク、を示している。ここで、J×(dω/dt)はクランク軸24の角加速度に起因する動的な損失トルクである。フリクショントルクTfは、ピストン12とシリンダ内壁の摩擦など各嵌合部の機械的な摩擦によるトルクであって、補機類の機械的な摩擦によるトルクを含むものである。負荷トルクTlは、走行時の路面状態などの外乱によるトルクである。本実施形態では、冷間始動後のアイドル状態における失火を検知するため、以下の説明ではTl=0とする。
また、(2)式の右辺において、Tgasはシリンダの筒内ガス圧によるトルク、Tinertiaはピストン12などの往復慣性質量による慣性トルクを示している。筒内ガス圧によるトルクTgasは、シリンダ内の混合気の燃焼によって発生するトルクである。
(1)式に示されるように、図示トルクTiは、角加速度に起因する動的な損失トルクJ×(dω/dt)、フリクショントルクTf、及び負荷トルクTlの和として求めることができる。
図2は、(2)式の各トルクとクランク角との関係を示す特性図である。図2において、縦軸は各トルクの大きさを、横軸はクランク角を示しており、図2中の一点鎖線は図示トルクTiを、実線は筒内ガス圧によるトルクTgasを、破線は往復慣性質量による慣性トルクTinertiaをそれぞれ示している。ここで、図2は4気筒エンジンの場合の特性を示したものであり、図2中のTDC、BDCは、4気筒のうちの1気筒のピストン12が上死点(TDC)、または下死点(BDC)の位置にある場合のクランク角(0°,180°)を示している。内燃機関10が4気筒の場合、クランク軸24が180°回転する度に1気筒ずつ膨張行程が行われ、各気筒の膨張行程毎に図2中のTDCからBDCまでのトルク特性が繰り返し現れる。
図2中の実線に示すように、筒内ガス圧によるトルクTgasは、TDCからBDCの間で急激に増加し、減少する。ここで、Tgasの急激な増加は、燃焼室内の混合気が爆発(燃焼)するためである。爆発後、Tgasは減少し、他の圧縮行程あるいは排気行程にある気筒の影響により、負の値を取る。そのクランク角がBDCに達するとシリンダの容積変化が0となり、これによってTgasは0の値を取る。
一方、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaは、筒内ガス圧によるトルクTgasとはほとんどあるいは無視できるほど無関係に、ピストン12など往復運動する部材の慣性質量によって発生する慣性トルクである。往復運動する部材は加減速を繰り返しており、Tinertiaはクランク軸24が回転していれば角速度一定の場合であっても常に発生する。図2中の破線に示すように、クランク角がTDCの位置では往復運動する部材は停止しており、Tinertia=0である。クランク角がTDCからBDCに向かって進むと、往復運動する部材が停止状態から運動し始める。この際、これらの部材の慣性によってTinertiaは負の方向に増加する。クランク角が90°近傍に達した時点では、往復運動する部材が所定の速度で運動しているため、これらの部材の慣性によってクランク軸24が回転する。従って、TinertiaはTDCとBDCの間で負の値から正の値へ変わる。その後、クランク角がBDCまで到達すると往復運動する部材は停止し、Tinertia=0となる。
(2)式に示されるように、図示トルクTiは筒内ガス圧によるトルクTgasと往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの和である。このため、図2の一点鎖線に示されるように、TDCとBDCの間では、図示トルクTiは混合気の爆発によるTgasの増加によって増加し、一旦減少した後、Tinertiaによって再び増加するという複雑な挙動を示している。
内燃機関10において失火が発生すると、失火した気筒においては、混合気の爆発による筒内ガス圧トルクTgasの上昇が得られない。その結果、図示トルクTiが一時的に低下するので、クランク軸24の角加速度dω/dtも一時的に低下する。このため、クランク軸24の角加速度dω/dtから、失火を検知することが可能である。しかしながら、図示トルクTiは、上述したように、筒内ガス圧トルクTgasの影響だけでなく、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの影響により、複雑な挙動を示す。よって、この慣性トルクTinertiaの影響が排除できないと、何れの気筒で失火が発生したのかを精度良く検出することが困難である。そこで、本実施形態では、次のようにして、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの影響を排除することとした。
TDCからBDCまでのクランク角180°の区間に着目すると、この区間での往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの平均値は0となる。これは、往復慣性質量を有する部材が、クランク角0°〜90°近傍とクランク角90°近傍〜180°で反対の動きをするためである。従って、(1)式および(2)式の各トルクをTDCからBDCまでの平均値として算出すると、往復慣性質量による慣性トルクTinertia=0として計算することができる。これにより、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaが図示トルクTiに与える影響を排除することができる。
すなわち、TDCからBDCまでの区間において各トルクの平均値を求めると、慣性トルクTinertiaの平均値が0となる。従って、同区間でクランク軸24の角加速度dω/dtの平均値を求めれば、往復慣性質量が与える影響を排除して角加速度dω/dtを求めることができる。
以下、本実施形態における角加速度dω/dtの具体的な算出方法について説明する。図3は、クランク軸24の角加速度を算出する方法を示す模式図である。図3に示すように、本実施形態では、クランク軸24の回転の10°毎にクランク角センサ42からクランク角信号が検出される。そして、TDCとBDCとの2ヶ所のクランク角位置で角速度ω(k),ω(k+1)をそれぞれ求めるとともに、クランク軸24がTDCからBDCまで回転する時間Δt(k)を求める。
角速度ω(k)を求める際には、例えば図3に示すように、クランク角がTDCの位置から前後10°ずつ回転している間の時間Δt(k),Δt10(k)をクランク角センサ42から検出する。そして、時間Δt(k)+Δt10(k)の間にクランク軸24が20°回転しているため、ω(k)=(20/(Δt(k)+Δt10(k)))×(π/180°)を演算することによって、ω(k)[rad/s]を算出できる。同様に、ω(k+1)を算出する際は、クランク角がBDCの位置から前後10°ずつ回転している間の時間Δt(k+1),Δt10(k+1)を検出する。そして、ω(k+1)=(20/(Δt(k+1)+Δt10(k+1)))×(π/180°)を演算することによってω(k+1)[rad/s]を算出できる。
上記のようにして角速度ω(k),ω(k+1)を求めた後、(ω(k+1)−ω(k))/Δt(k)を演算することにより、TDCからBDCまでクランク軸24が回転する間の角加速度dω/dtの平均値を算出することができる。
図4は、本実施形態における失火検知方法を説明するための図である。図4では、横軸がクランク角を示す。図4の上段は、内燃機関10の各気筒の行程を示している。この図に示すように、本実施形態の内燃機関10のような直列4気筒型エンジンの爆発順序は、通常、#1→#3→#4→#2である(#は気筒番号)。なお、図4中に示すTDCおよびBDCは、#1気筒および#4気筒のものであり、#2気筒および#3気筒ではこれと逆になる。
図4の下段に示すように、ECU50は、各気筒の膨張行程毎に、逐次、クランク軸24の角加速度dω/dtを、上述した手法に従って算出する。そして、その算出された角加速度dω/dtが、所定の失火判定閾値を下回った場合には、その気筒で失火が発生したものと判定する。図4に示す例では、#1気筒の膨張行程時に算出された角加速度dω/dtが失火判定閾値を下回っている。よって、この場合には、#1気筒において失火が発生したと判定することができる。
失火した気筒では、筒内の混合気が燃焼されずにそのまま排気弁36から排出される。このため、失火した気筒からは、続く排気行程において、未燃HCを多量に含んだ排気ガス(以下「未燃ガス」と称する)が排気弁36から排出される。排気浄化触媒26の暖機が終了し、活性化している状態では、このような未燃HCは排気浄化触媒26において浄化される。しかしながら、内燃機関10の冷間始動直後のように、排気浄化触媒26が活性化していないときには、排気浄化触媒26で未燃HCを浄化することができない。
ところで、冷間始動直後のように内燃機関10が低温であるときは、外部EGRを実行すると、不活性ガスの影響によって筒内の燃焼が不安定となり、アイドル運転不良を招来し易い。このため、冷間始動直後においては、原則として、EGR弁48が閉じられ、外部EGRが停止される。従って、この場合に失火が発生すると、失火気筒から排出された未燃ガスは、全部、排気浄化触媒26へと流れる。よって、この未燃ガスに含まれる大量のHCが、未活性状態の排気浄化触媒26をすり抜け、そのまま大気中に放出されてしまうという問題がある。
このような問題を解決するため、本実施形態では、次のような制御を行うこととした。すなわち、本実施形態では、失火気筒の排気弁36から未燃ガスが排出されたときに、その未燃ガスがEGR通路46を通って吸気通路に16に還流するように、EGR弁48を一時的に開くこととした。これにより、未燃ガスを燃焼室に還流させて燃焼させることができるので、大気中への未燃HCの放出を確実に抑制することができる。また、この場合に吸気通路16に還流するのは、不活性ガスではなく、未燃ガス(つまり燃料と空気との混合気)が主である。このため、EGR弁48を一時的に開いても、燃焼室内の空燃比A/Fが変化することはなく、燃焼が不安定化することもない。よって、アイドル運転不良が生ずることはない。
図5は、失火気筒から排出された未燃ガスを、EGR通路46を通して吸気通路16に還流させる場合の、EGR弁48の制御方法を示す図である。失火気筒の排気弁36から排出された未燃ガスをEGR通路46に流入させるためには、その未燃ガスが排気通路18とEGR通路46との分岐部に到達したタイミングでEGR弁48を開き、すべての未燃ガスがEGR通路46に導入されたタイミングでEGR弁48を閉じればよい。排気ガスが、排気弁36から、EGR通路46への分岐部まで流れるのに要する時間(以下「輸送遅れ時間」と称する)は、排気弁36から上記分岐部までの距離を、排気ガス流速で除することによって算出することができる。排気ガス流速は、排気ガス流量に比例する。排気ガス流量は、吸入空気量と相関する。よって、本実施形態では、エアフローメータ23で検出される吸入空気量に基づいて、輸送遅れ時間を算出することができる。図5に示すように、本実施形態では、失火が検出された場合に、その失火気筒の排気弁開き時期より上記輸送遅れ時間だけ後の時点から、同失火気筒の排気弁閉じ時期より上記輸送遅れ時間だけ後の時点までの間、EGR弁48を開く。これにより、失火気筒から排出された未燃ガスをEGR通路46に正確に取り込むことができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図6は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、内燃機関10の冷間始動後(排気浄化触媒26の未活性時)に実行されるものとする。前述したように、冷間始動後には、アイドル運転不良を防止するため、原則としてEGR弁48を閉じて外部EGRが停止される。
冷間始動後は、前述した手法に従い、各気筒の膨張行程毎に、逐次、クランク軸24の角加速度dω/dtが算出される(ステップ100)。そして、その算出された角加速度dω/dtと、所定の失火判定閾値とを比較することにより、失火の有無が判定される(ステップ102)。
上記ステップ102において、角加速度dω/dtが失火判定閾値を下回った場合には、その気筒において失火が発生したものと判定される。この場合には、次に、輸送遅れ時間Tdが算出される(ステップ104)。このステップ104では、エアフローメータ23で検出される吸入空気量に基づいて排気ガス流量が算出され、その排気ガス流量に基づいて輸送遅れ時間Tdが算出される。
続いて、失火が検知された気筒の排気弁開き時期より、上記ステップ104で算出された輸送遅れ時間Tdだけ後のタイミングが到来したか否かが判別される(ステップ106)。このタイミングが到来したときには、失火した気筒の排気弁36から排出された未燃ガスが、排気通路18とEGR通路46との分岐部に到達したと判断できる。そこで、このタイミングの到来を待って、EGR弁48が開かれる(ステップ108)。
続いて、失火が検知された気筒の排気弁閉じ時期より、上記ステップ104で算出された輸送遅れ時間Tdだけ後のタイミングが到来したか否かが判別される(ステップ110)。このタイミングが到来したときには、失火した気筒の排気弁36から排出された未燃ガスは、すべてEGR通路46に導入されたと判断できる。そこで、このタイミングの到来を待って、EGR弁48が閉じられる(ステップ112)。
以上説明したように、本実施形態によれば、排気浄化触媒26の未活性時に失火が生じた場合に、その失火気筒から排出される未燃ガスを燃焼室に還流させて、燃焼に供することができる。このため、未燃HCが大気中に放出されることを確実に抑制することができる。この場合、吸気通路に16に還流するのは、不活性ガスではなく、未燃ガスが主である。よって、燃焼室内の不活性ガス割合が増大することはないので、冷間始動直後のように内燃機関10の温度が低い状態であっても、運転不良を招来することはない。
また、本実施形態では、内燃機関10の往復慣性質量による慣性トルクの平均値がほぼ0となるクランク角の区間における平均のクランク角加速度を算出し、そのクランク角速度に基づいて失火の発生およびその失火した気筒を検知している。これにより、失火の発生および失火気筒を精度良く判定することができる。また、特別なセンサ(筒内圧センサ等)を設ける必要がなく、低コスト化が図れる。
なお、上述した例では、4気筒の内燃機関に本発明を適用したが、4気筒以外の内燃機関であっても、往復慣性質量による慣性トルクの平均値が0となる区間(720°CA/気筒数)における平均のクランク角速度を算出することにより、同様に本発明を適用可能である。
また、本実施形態では、一つの気筒が失火した場合を例に説明したが、複数気筒が連続して失火した場合にも、同様にして本発明を適用することができる。
上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ100および102の処理を実行することにより前記第1の発明における「失火検知手段」が、上記ステップ104〜112の処理を実行することにより前記第1の発明における「未燃ガス還流手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第2の発明における「輸送遅れ時間算出手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のハードウェア構成は、前述した実施の形態1と同様である。
本実施形態では、空燃比センサ54の検出結果に基づいて、輸送遅れ時間Tdを補正するための学習値を算出する。前述したように、輸送遅れ時間Tdは、排気弁36から、EGR通路46への分岐部までの距離と、排気ガス流速とによって決定される。排気ガス流速は、排気ガス流量に比例する。しかしながら、内燃機関10の経年変化に伴い、その比例関係が変化する場合がある。例えば、排気通路18の内壁にデポジットが堆積すると、排気通路18の流路断面積が小さくなるので、排気ガスの流量が同じでも流速が速くなる。このため、算出される輸送遅れ時間Tdに誤差が生ずる。
算出される輸送遅れ時間Tdに誤差が生ずると、失火気筒からの未燃ガスがEGR通路46への分岐部に到達するタイミングと、EGR弁48を開閉するタイミングとにずれが生ずる。その結果、未燃ガスの一部が排気通路18の下流に流れたり、不活性ガス(既燃ガス)がEGR通路46を介して燃焼室に還流することにより燃焼を悪化させたりするおそれがある。
本実施形態では、上述したような経年変化に起因する輸送遅れ時間Tdの誤差を、次のようにして補正することとした。図7は、失火が発生した場合における空燃比センサ54の出力を示す図である。内燃機関10の空燃比は、公知の空燃比フィードバック制御により、所望の空燃比幅に収まるように制御されている。失火気筒から発生した未燃ガスがEGR通路46を通して吸気通路16に正しく還流された場合には、燃焼室内の空燃比が変化することはないので、空燃比センサ54で検出される排気空燃比がずれることはない。
しかしながら、輸送遅れ時間Tdに誤差が生じた場合には、その誤差の分だけ、EGR弁48の開弁期間が適正な期間からずれる。そのずれた期間においては、未燃ガスに代わって不活性ガスが燃焼室に還流する。不活性ガスが燃焼室に還流すると、空燃比がリーン側にずれるため、図7に示すように、空燃比センサ54で検出される排気空燃比が所望の空燃比幅から外れる。この期間、つまり排気空燃比が所望の空燃比幅から外れている期間(以下「空燃比乱れ期間」と称する)tdは、不活性ガスが燃焼室に還流している期間に相当し、よって、輸送遅れ時間Tdに生じている誤差に相当する。
従って、輸送遅れ時間Tdを空燃比乱れ期間tdで補正すれば、適正な輸送遅れ時間Tdを算出することができる。ただし、空燃比乱れ期間tdは、排気ガス流量に反比例する。そこで、本実施形態では、空燃比乱れ期間tdを空燃比センサ54の出力に基づいて算出するとともに、単位流量当たりの輸送遅れ時間補正値である「空燃比乱れ期間td/排気ガス流量」を学習値として算出することとした。そして、前述した図6のステップ104においては、上記学習値に排気ガス流量を乗じて得られる補正値を、輸送遅れ時間Tdに加算することにより、輸送遅れ時間Tdを補正することとした。
本実施形態によれば、上述したようにして輸送遅れ時間Tdを学習値に基づいて適切に補正することができる。このため、内燃機関10の経年変化が生じた場合であっても、失火気筒から排出される未燃ガスを高精度に燃焼室に還流させることができ、大気中への未燃HCの放出をより確実に抑制することができる。なお、本実施形態では、空燃比センサ54に代えて、酸素センサを用いてもよい。
上述した実施の形態2においては、空燃比センサ54が前記第3の発明における「空燃比検出手段手段」に相当している。また、ECU50が、「空燃比乱れ期間td/排気ガス流量」を学習値として取得することにより前記第3の発明における「学習手段」が、上記学習値に排気ガス流量を乗じて得られる補正値を輸送遅れ時間Tdに加算することにより前記第3の発明における「輸送遅れ時間補正手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のハードウェア構成は、内燃機関10がV型8気筒であること以外は、前述した実施の形態1と同様である。
前述した実施の形態1のような4気筒エンジンにおいては、各気筒の行程が180°CAずつずれているので、各気筒の排気弁開弁期間同士が時間的に大きく重なることはない。これに対し、気筒数がより多いエンジンでは、各気筒の排気弁開弁期間同士の時間的な重なりが大きくなる。
図8は、V型8気筒エンジンの各気筒の排気弁開弁期間の重なりを示す図である。図8に示すように、ある気筒で失火が発生した場合、この気筒の排気弁開弁期間の前半は、爆発順序が一つ前の気筒の排気弁開弁期間と重なっており、また、当該気筒の排気弁開弁期間の後半は、爆発順序が一つ後の気筒の排気弁開弁期間と重なっている。このため、失火気筒の未燃ガスをEGR通路46に取り込もうとした場合、未燃ガスとともに、爆発順序が一つ前の気筒および一つ後の気筒からの排気ガスの一部もEGR通路46に取り込まれることとなる。その結果、燃焼室に不活性ガスが還流するので、空燃比制御性が悪化するおそれがある。
本実施形態では、上記のような空燃比制御性の悪化を防止するため、次のような制御を行う。本実施形態では、失火気筒の未燃ガスを還流させるためにEGR弁48を一時的に開いた際に、EGR通路46を通って還流するガス中における不活性ガスの割合を、次式に基づいて算出する。
不活性ガス割合=(オーバーラップ区間のガス量)/
(失火気筒のガス量+オーバーラップ区間のガス量)
上記式において、「オーバーラップ区間のガス量」とは、図8を参照して説明したように、失火気筒と排気弁開弁期間が重なっている他の気筒から、その重なりの区間において排出される排気ガス(すなわち不活性ガス)の量を意味する。失火気筒のガス量、および、オーバーラップ区間のガス量は、それぞれ、排気ガス流速と、排気弁開弁期間とに基づいて、気筒毎に算出することができる。
本実施形態では、上記のようにして算出される不活性ガス割合に基づいて、燃料インジェクタ28からの燃料噴射量を補正する。すなわち、不活性ガス割合が多い場合ほど、燃料噴射量を増量する。これにより、不活性ガスの影響で空燃比がリーン側にずれることを確実に防止することができ、空燃比制御性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、V型8気筒エンジンの場合を例に説明したが、V型6気筒エンジン、V型12気筒エンジンなどにも同様に適用することができる。
上述した実施の形態3においては、ECU50が、上述した制御を実施することにより「不活性ガス割合算出手段」および「燃料噴射量補正手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
図9は、本発明の実施の形態4のシステム構成を説明するための図である。なお、図9において、図1に示す構成要素と同様の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。図9に示すように、本実施形態の内燃機関10の排気通路18の途中には、この排気通路18をバイパスするバイパス通路60が設けられている。バイパス通路60の途中には、排気ガス中の未燃HCを吸着する機能を有するHC吸着材62が設置されている。このHC吸着材62としては、例えば、活性炭やゼオライトなどを用いることができる。
排気通路18からバイパス通路60が分岐する分岐部には、排気ガスをバイパス通路60に流す状態と、排気ガスをバイパス通路60に流さずにそのまま排気通路18の下流に流す状態とを切り替え可能な流路切替弁64が設置されている。流路切替弁64は、ECU50により制御される。
本実施形態では、冷間始動直後のように排気浄化触媒26が未活性であるときに、失火が発生して未燃ガスが排気通路18に流れた場合には、排気弁36から流路切替弁64までの輸送遅れ時間に基づいて流路切替弁64を制御することにより、未燃ガスをバイパス通路60に流すこととした。これにより、未燃ガス中のHCをHC吸着材62に吸着させることができ、大気中への未燃HCの放出を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、失火気筒からの未燃ガスをバイパス通路60に取り込むとき以外は、バイパス通路60に排気ガスが流れることを回避することができる。これにより、次のような利点がある。
第1の利点としては、HC吸着材62がHCで一杯になってしまうことを防止することができる。すなわち、HC吸着材62の吸着容量には限界があるので、HC吸着材62に排気ガスを流し続けると、HC吸着材62がHCで一杯になってしまう。すると、失火が発生してHCを多量に含んだ未燃ガスが排出された場合に、HCを吸着することができず、大気中にHCが放出されてしまう。本実施形態によれば、そのような事態を確実に回避することができ、失火気筒からの未燃HCを確実にHC吸着材62に吸着することができる。
第2の利点としては、HC吸着材62の温度上昇を確実に抑制することができる。HC吸着材62は、温度が上昇すると、吸着したHCを離脱させる性質を有している。このため、HC吸着材62に排気ガスを流し続けると、HC吸着材62の温度が上昇して、吸着したHCが離脱してしまい、このHCが大気中に放出されてしまう。また、HC吸着材62の温度が上昇すると、HC吸着材62の劣化が進行する。本実施形態によれば、これらの事態を確実に回避することができる。
なお、HC吸着材62に吸着されたHCを浄化する方法は、特に限定されないが、本実施形態では、例えば次のような手法で行うことができる。排気浄化触媒26が活性した後に、流路切替弁64を少しずつ開いて、HC吸着材62に排気ガスの一部を流す。これにより、HC吸着材62の温度をHC離脱温度まで上昇させて、HCを離脱させる。離脱したHCは、排気浄化触媒26によって浄化される。
[実施の形態4における具体的処理]
図10は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、内燃機関10の冷間始動後(排気浄化触媒26の未活性時)に実行されるものとする。
冷間始動後は、失火を検知するべく、内燃機関10のクランク軸24の角加速度dω/dtが算出される(ステップ120)。このステップ120の処理は図6のステップ100と同様である。次いで、上記ステップ120で算出された角加速度dω/dtと、所定の失火判定閾値とを比較することにより、失火の有無が判定される(ステップ122)。
上記ステップ122において、角加速度dω/dtが失火判定閾値を下回った場合には、その気筒において失火が発生したものと判定される。この場合には、次に、輸送遅れ時間Tdが算出される(ステップ124)。このステップ124では、エアフローメータ23で検出される吸入空気量に基づいて排気ガス流量が算出され、その排気ガス流量に基づいて、排気弁36から流路切替弁64までの輸送遅れ時間Tdが算出される。
続いて、失火が検知された気筒の排気弁開き時期より、上記ステップ124で算出された輸送遅れ時間Tdだけ後のタイミングが到来したか否かが判別される(ステップ126)。このタイミングが到来したときには、失火した気筒の排気弁36から排出された未燃ガスが、流路切替弁64に到達したと判断できる。そこで、このタイミングの到来を待って、バイパス通路60に排気ガスが流れるように、流路切替弁64が開かれる(ステップ128)。
続いて、失火が検知された気筒の排気弁閉じ時期より、上記ステップ124で算出された輸送遅れ時間Tdだけ後のタイミングが到来したか否かが判別される(ステップ130)。このタイミングが到来したときには、失火した気筒の排気弁36から排出された未燃ガスは、すべてバイパス通路60に導入されたと判断できる。そこで、このタイミングの到来を待って、バイパス通路60に排気ガスが流れないように、流路切替弁64が閉じられる(ステップ132)。
以上説明した図10に示すルーチンの処理によれば、失火気筒からの未燃ガスが来たときだけ、バイパス通路60に排気ガスを流すことができる。このため、未燃ガス中のHCをHC吸着材62に確実に吸着させることができる。また、HC吸着材62がHCで一杯になったり、HC吸着材62の温度が上昇して、吸着されたHCが離脱したりすることを確実に防止することができる。
上述した実施の形態4においては、ECU50が、上記ステップ120および122の処理を実行することにより前記第5の発明における「失火検知手段」が、上記ステップ124〜132の処理を実行することにより前記第5の発明における「吸着制御手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図示トルク、筒内ガス圧トルクおよび慣性トルクの特性を示す図である。 クランク軸の角加速度を算出する方法を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における失火検知方法を説明するための図である。 失火気筒から排出された未燃ガスをEGR通路を通して吸気通路に還流させる場合のEGR弁制御方法を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 失火が発生した場合における空燃比センサの出力を示す図である。 V型8気筒エンジンの各気筒の排気弁開弁期間の重なりを示す図である。 本発明の実施の形態4のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
16 吸気通路
18 排気通路
20 スロットル弁
22 サージタンク
23 エアフローメータ
24 クランク軸
26 排気浄化触媒
28 燃料インジェクタ
32 吸気弁
36 排気弁
42 クランク角センサ
44 アクセルポジションセンサ
46 EGR通路
48 EGR弁
50 ECU
52 水温センサ
54 空燃比センサ
60 バイパス通路
62 HC吸着材
64 流路切換弁

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、
    前記EGR通路を開閉するEGR弁と、
    前記内燃機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサと、
    前記クランク角センサの信号に基づいて、失火の発生を検知する失火検知手段と、
    前記EGR弁を閉じることによりEGRが停止されているときに、前記失火検知手段により失火が検知された場合に、その失火した気筒から排出される未燃ガスが前記EGR通路を通って前記吸気通路に還流するように、前記EGR弁を一時的に開く未燃ガス還流手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 排気弁から前記EGR通路までの排気ガスの輸送遅れ時間を算出する輸送遅れ時間算出手段を備え、
    前記未燃ガス還流手段は、前記失火した気筒の排気弁開弁期間を前記算出された輸送遅れ時間だけ遅らせた期間において前記EGR弁を開くことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    前記空燃比検出手段の検出結果に基づいて、前記輸送遅れ時間を補正するための学習値を取得する学習手段と、
    前記学習値に基づいて前記輸送遅れ時間を補正する輸送遅れ時間補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、複数気筒の排気弁開弁期間が時間的に重なるものであり、
    前記未燃ガス還流手段により前記EGR弁が一時的に開かれた場合に、前記EGR通路を通って前記吸気通路に還流するガスに、前記失火した気筒の排気弁開弁期間と重なる排気弁開弁期間を有する気筒から排出された不活性ガスが混入する割合を算出する不活性ガス割合算出手段と、
    前記不活性ガス割合算出手段により算出された割合に基づいて、燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関の排気通路をバイパスするバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設けられ、排気ガス中のHCを吸着する機能を有するHC吸着材と、
    排気ガスを前記バイパス通路に流す状態と流さない状態とを切り替える流路切替弁と、
    前記内燃機関のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサと、
    前記クランク角センサの信号に基づいて、失火の発生を検知する失火検知手段と、
    常時は前記バイパス通路に排気ガスを流さず、前記失火検知手段により失火が検知された場合には前記バイパス通路に一時的に排気ガスを流すことにより、その失火した気筒から排出される未燃ガスが前記HC吸着材を通過するように前記流路切替弁を制御する吸着制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 前記失火検知手段は、前記内燃機関の往復慣性質量による慣性トルクの平均値がほぼ0となるクランク角の区間における平均のクランク角加速度に基づいて、失火の発生を検知することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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